【僕だけがいない街】「悟と過ごした時間があったから、あたしは幸せになれた」

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24 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:33:33.49 ID:GQ1RtyMX0
この時のあたしはまだ、知る由もなかった。
あたしの、ただ一つの願いが、この先全ての歯車を変えて行くという事を。


#2 始まりの地

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 10:35:34.71 ID:GQ1RtyMX0
>>23

加代が結婚したのはヒロミだよー
26 :加筆修正 ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:37:45.88 ID:GQ1RtyMX0
この時のあたしはまだ、知る由もなかった。
あたしの、ただ一つの願いが、この先全ての歯車を変えて行くという事を。


#2 【始 ま り の 地 1988.02】
27 :加代ちゃん視点だけど、今更ながら雛月加代の名前を一度も出していない事に気付いてしまった。つらい。 ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:39:22.95 ID:GQ1RtyMX0
忘れるはずがない。
全てはここから始まった。
そして、同時に激しい嫌悪感に苛まれる事になった。

「うぇ、ぷ……」

急いでトイレへと駆け込んだ。
また、ここへ帰ってきてしまった。
あの、日常に。
あの、最低な家に。

「……でも」

でも、もしかしたら。

もしかしたら……!!
28 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:41:24.09 ID:GQ1RtyMX0
とんでもない、絶望。
でもそれは、あたしにとってとんでもない希望でもあった。
もしこれが現実なら――。


あたしは急いで身支度を整える。体のそこかしこにあった痣を隠すために、冷やしたり、目新しい傷はマフラーで隠したり、極力その痕跡を残さないように。
そして、前よりもっとしっかりと、誰にも気付かれないように。
今のあたしにはその知恵があった。
29 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:43:52.79 ID:GQ1RtyMX0
次に日付けを確認した。

時刻は朝の8時。日付は……2月15日の、月曜日だ。
そういえばあの日のあたしも遅刻していったっけ。
月曜日は、あたしが必ず遅刻か欠席をする日だ。
だから今日こうして遅刻することに違和感はない。
だからこそ、効率的に時間を使って、出来うる限りを尽くして痕跡を隠してみせた。


そして。

「……いってきます」


あたしにとって、二度目の一歩を、踏み出した。
30 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:51:32.01 ID:GQ1RtyMX0
(あ、雪……)

辺り一面は雪で真っ白に塗り潰されていた。
そっか、二月だもんね。

あたしは、手袋をしていない手をそっとポケットに突っ込んだ。同時に、手袋も買ってもらえなかったんだなって、思い出した。
31 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:53:48.03 ID:GQ1RtyMX0
ざむ、ざむ、ざむ……。

雪を踏む音が、一面の銀世界へ舞い、そして風とともに灰色の空へ吸い込まれるように消えていった。
あたしの足跡も、遠くの方は既に降り積もる雪で消えている。

まるで、あたしがここに居たという事実を、掻き消していくかのように。
まるで、あたしがこれから消えていくのだということを、案に示しているかのように。

(ちょっと……自意識過剰過剰だべか)
32 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 10:57:25.84 ID:GQ1RtyMX0
ばすっ。

「痛っ……」

なんだか虚しい気持ちになって、軽く雪を蹴飛ばした。少しだけ、懐かしい痣の痛みが太ももへと走る。我ながらちょっと情けない。

(……この痛みも随分、久しいべ)

もうずっと感じていなかった痛み。
お母さんの虐待の痕跡。
でも今の痛みは、そんなに不愉快ではなかった。
だって、あたしの居た世界では、この痛みから救ってくれた人がいたから。
その人のことを思うと、この痛みも受け入れられるような気がした。
33 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 11:01:25.72 ID:GQ1RtyMX0
色んなことへ思いを馳せながら歩いていると、いつのまにか校舎についていた。

『昭和63年 アイスホッケー部全国優勝』

ああ、ここだ。
あたしが一年とちょっと前まで通っていた、小学校だ。今の私があることの、始まりの地だ。
そして……



――だだだだだっ――


「……!」
34 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 11:04:07.05 ID:GQ1RtyMX0




「母さん、待ってて……母さん!」

彼の居る場所へ。藤沼悟の居るあの時間へ。




.
35 : ◆pYeaDGyi0Qrt [saga]:2017/06/04(日) 11:06:04.14 ID:GQ1RtyMX0
(悟!!)
「悟!!」

声に出ていた。
あたしのバカ。

悟は一瞬足を止めると、こちらへ軽く手を振りまた走り出した。
あの日もそうだ。悟はここであたしとすれ違った。
この日、悟と、悟のお母さんに何があったのだろうか。改めて見れば、必死そうな顔だった。
36 :雛月加代ちゃん可愛い [sage]:2017/06/04(日) 11:24:32.12 ID:GQ1RtyMX0
再開は午後かな、ちょっとお昼ご飯
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 14:08:37.08 ID:Fuk0IvWuo

そろそろ昼ご飯食べ終わったかな?
38 :雛月加代ちゃん可愛い :2017/06/13(火) 02:36:08.35 ID:OjGlg8j60
ちょっとお昼ご飯の量が多くてな
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 13:35:46.09 ID:677YOhREO
食べ過ぎだべ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/25(日) 09:40:43.71 ID:1hX7o0ph0
なんかスランプなのか全くいい文章が浮かんでこないべ。でもさすがにこれ以上待たせるのもよくないしそろそろぶっつけで書くべか
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 20:00:15.03 ID:Mgt81LmUo
最近この漫画読んだけどアイリよりもこっちの子がヒロインであってほしかった
ヒロミと結婚したと知った時のNTR感半端なかった
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/26(月) 02:50:01.08 ID:UPYZUd7SO
>>41
全くだ
あとお母さん可哀想
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/11(火) 14:21:41.80 ID:CGnPK0Oe0
でも、流れとして理解は出来るんだよな
小学生の恋が大人まで続くことなんてないし、15年寝たきりのあなたを待ってましたなんて重過ぎるし
その間側で支えてあげたヒロミが穴を埋めるのもありえない事じゃないしな
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 07:20:08.99 ID:xElPR9/SO
悟ハーレムを望む異端者俺
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