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海未「小料理屋の園田海未です」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 00:44:31.30 ID:LqSHykcK0
海未「ふう、今日もお客様が沢山来てくださいました」
海未「売上が上がるのは嬉しいのですが忙しいのは中々身体にきますね」
海未「しかし今日もあの二人が来るのですからもう一踏ん張りです」
カランコロン
海未「来ました!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1496331870
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 00:49:39.18 ID:LqSHykcK0
にこ「ういーっす。今日もにこにーが来てやったわよ〜♪」
海未「すみません当店はアイドルの方はお断りしてまして」
にこ「ぬわんでよ!この前私の後輩がアンタの店来てたわよ!」
海未「申し訳御座いません・・・当店のウェルカムジョークですよ」
にこ「小料理屋には似合わない洒落ね」
海未「そう言いながら私の冗談に付き合ってくれるにこは優しいですね」ニコ
にこ「当ったり前よ!NO1アイドルは優しさも必要なのよ!」ドヤ
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 01:12:46.22 ID:LqSHykcK0
海未「それでは何か作りましょうか?」
にこ「ん、じゃあ焼き鳥頂戴」
海未「畏まりました」
にこ「あ、後日本酒の冷もお願いね」
海未「はい」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 01:13:11.92 ID:LqSHykcK0
海未(目の前に座っている彼女は私の友人であり、トップアイドルとしてその名を馳せている)
海未(その人並み外れた情熱と精神力に幼少時代からの知識と経験を活用して芸能界入り)
海未(瞬く間にライバル達を押し退け、現代ではアイドルと言えば矢澤にこの名を知らない者は居ないと言われる程になった)
海未(そんな彼女が友人の私が経営する小料理屋で焼き鳥をつまみに日本酒をあおっていると誰が思うのだろうか)
海未「ふふ」
にこ「ん、何1人で笑ってんの?」
海未「いえ。普段のにこなら甘めのアルコールを頼むだろうと思いましてね」
にこ「そりゃあアイドルのにこならそうするけどね」
海未「今は違うのですか?」
にこ「何よ、プライベートのにこに不満があるって言うの」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 01:16:08.36 ID:LqSHykcK0
海未(ジトッと私を見るにこの姿はどこか大人の女性らしさが出ていた)
海未(普段のツインテールを解いたロングの髪型がよりそう思わせたのだろう)
海未「いえいえ、とても大人っぽいなと」
にこ「意味分かんないわ」
海未「すみません。にこを見るとどうしてもからかいたくなって」
にこ「はん、いじられるのは慣れてるから良いけどね」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 01:37:55.88 ID:LqSHykcK0
海未「それだけ皆にこが好きなんですよ」
にこ「そうだと良いけどね」
海未「・・・はい、焼き鳥出来ましたよ」
にこ「ありがと」
にこ「うんやっぱり日本酒には焼き鳥ね♪」モグモグ
串から豪快に焼き鳥を頬張るにこの姿に少しだけ笑みが零れた
やはり彼女はアイドルである前に1人の女性なんだと
海未「おっともう一人が来ましたよ」
にこ「やっとね」
カランコロン
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 01:43:04.88 ID:LqSHykcK0
花陽「こんばんは海未ちゃん♪」
海未「いらっしゃい花陽」
にこ「アンタ遅かったわねー」
花陽「ごめんごめん田んぼの世話してたら遅くなっちゃって」
海未「相変わらず精が出ますね・・・・それで何にします?」
花陽「とりあえずご飯定食と日本酒下さい!」
海未「はい、少々お待ち下さいね」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 02:02:32.96 ID:LqSHykcK0
にこの隣に座った彼女の名は小泉花陽。
アイドル好きであり、にこと同じ高校を卒業している。
その後、農業の道に進んだ花陽は持ち前の温厚さと真面目さであらゆる知識や経験を積み
今では日本の半数以上の農地が花陽の所有物である。
正直、信じられない話だが花陽が時たま嬉しそうに此処とは違う地方の田んぼの写真を見せてくれる
合成とは思えないその光景に海未は苦笑するしかないのだった。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 02:05:20.31 ID:LqSHykcK0
海未「ご飯定食と日本酒出来ましたよ」
花陽「わーい!これが1日の楽しみなんですよね〜」
ご飯定食とは言うが、別におかずも汁物も甘味も白米というわけではない。
念の為に弁解しておくとご飯に合う品物で揃えた一般的な定食である。
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 02:15:47.94 ID:LqSHykcK0
花陽「おかわりお願いします!」
海未「はい」
にこ「アンタ良くそんなに入るわね」
花陽「だってここの定食美味しいもん!」モグモグ
にこ「まあ分かるけどね」
海未「有難う御座います」
にこ「あ、そうだアンタも一杯飲みなさい」コトン
海未「え、宜しいのですか?」
にこ「良いわよ、どうせ客は私達しか居ないんだし」
花陽「うんっ!海未ちゃんもこっち来て!」
有名人となった2人だがこういう時は無邪気な子供の様だ。
しかし友人と語らいながらの酒飲み程、魅力的な誘惑も無かった。
海未「・・・それではお言葉に甘えましょうか」
3人の夜はこれから始まるのだった。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 02:16:33.29 ID:LqSHykcK0
プロローグ終了です
これから長丁場になるかもしれませんがどうぞ宜しくお願いします。
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 08:03:36.56 ID:Y+bPmbwCO
乙
期待
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 14:49:28.78 ID:LqSHykcK0
朝の5時に海未は料理の仕込みを始める。
昨晩はすっかり飲み明かしてしまったため、唸る頭の痛みを堪えながらの作業だ。
いろんな意味で頑丈な海未もこれには参ってしまった。
海未「しかし来て下さるお客様の為です」
海未「私がしっかりしなければお父様達に示しが付きませんからね」
海未ちゃんは今日も真面目だった。
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 14:55:35.84 ID:LqSHykcK0
テレビ『という事で最近は通り魔が多発していますので皆様十分にお気をつけ下さい』
壁に掛けられたテレビでは先程捕まった通り魔の模様が映し出されていた。
海未「やはり近頃はどこも物騒ですね・・・」
平和を愛する海未にとっては懸念すべき事だ。
そんな時に店のドアが慌しく開けられた。
バタン!
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 15:03:07.79 ID:LqSHykcK0
花陽「海未ちゃん!」
海未「どうしました花陽!?」
息を切らしながら入ってきた花陽の右手には新聞が握られていた
海未「新聞など持ってどうしたのです?」
花陽「と・・とりあえずこれ見て!」
そこには花陽の故郷である音ノ木の田んぼが見るも無残に荒らされている写真が写し出されていた。
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 15:13:17.04 ID:LqSHykcK0
海未「な、何ですこれは!?」
花陽「分かんないの、お昼に様子を見に行こうと思ってたんだけど」
花陽「新聞にこの記事が出た時は吃驚しちゃって」
花陽「花陽が一生懸命作った田んぼがぁ・・・ぐすっ」
必死に涙を堪えていた花陽だったが最後まで言い切って泣き出した。
海未は黙って花陽を抱きしめる。
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 15:15:12.28 ID:LqSHykcK0
花陽「ひぐ・・・海未ちゃん?」
海未「辛かったでしょう花陽、ですがこれで参ってはいけませんよ」
花陽「うん・・うん」
海未「必ず犯人を見つけて懲らしめてやりましょう」
花陽「うん・・ありがとう海未ちゃん・・」
未だ涙を零す花陽を優しく抱き止める。
海未(しかし誰の仕業なんでしょう・・・?)
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 15:20:48.84 ID:LqSHykcK0
そんな2人のもとにもう一人の来客が訪れる。
にこ「海未ー居る?」
花陽「にこちゃん!」
海未「にこ・・・すみませんが只今取り込み中で」
にこ「その事だけど早速行くわよ」
海未「はい?何処にですか?」
花陽「?」
にこの発言に首を傾げる2人。
そしてにこはとんでもない事を言った。
にこ「今朝の田んぼ事件の犯人が分かったから」
うみぱな『え!?』
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 15:29:21.44 ID:LqSHykcK0
音ノ木坂
海未「にこ!先程のはどういう事なのですか?」
にこ「言葉の通りよ」
花陽「もしかして捕まえる事が出来るの?」
にこ「そうね、私の知り合いが2人ともその道のプロだから」
海未「プロ・・・?」
そんな会話を交わしながら3人はある場所に辿り着く。
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 15:31:32.03 ID:LqSHykcK0
にこ「ここに2人が居ると思うんだけど」
海未「神田明神じゃないですか」
花陽「ほんとに居るのかなあ・・・」
海未と花陽が一抹の不安に駆られる中、3人の前に目的の人が居た。
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