杏奈ちゃんは眠れない【ミリマス】

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1 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:01:42.49 ID:ktaiMC2E0
事務所


杏奈「うつら、うつら……」

杏奈「……」

杏奈「……………… かくん」

杏奈「ねむい……」

昨日、ゲームやりすぎちゃった……

杏奈「ぷるぷる、ぺちぺち」

ほっぺをむにむにして、何とか眠気を覚まします

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2 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:02:06.74 ID:ktaiMC2E0
百合子「おはようございます」

ドアの方から百合子さんの声、百合子さんはちゃんと寝たのかな

杏奈「…… おはよう、百合子さん」

百合子「あれ、杏奈ちゃん早いね 私も結構早く来たつもりだったんだけど」

杏奈「うん……」

百合子「眠いの?」

杏奈「うん…………」
3 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:04:14.75 ID:ktaiMC2E0
杏奈「杏奈、昨日ずっと…… ゲームやってて……」

百合子「私が落ちた後も続けてたよね」

杏奈「実はそのまま…… 徹夜してて……」

百合子「えー!? ちゃんと寝なきゃダメだよー!」

杏奈「ごめん…… 気付いたら朝で……」

杏奈「それで、事務所に来ること思い出して……」

杏奈「少し眠るくらいなら、いっそ早く来た方がって……」
4 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:05:09.63 ID:ktaiMC2E0
百合子「そっか……」

百合子「じゃあまだ時間あるし寝てていいよ、時間になったら私起こすから」

杏奈「いいの?」

百合子「うん、私もこの新しい本を読みたくて早く来たし」

百合子さん…… やさしい…… スキ

杏奈「それじゃ、おやすみ……」

まぶたを閉じると、すぐに意識は薄れて……
5 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:05:42.64 ID:ktaiMC2E0
杏奈「すぅ……」

百合子「もう寝ちゃった、よっぽど眠かったのかな〜」

百合子「そうだ、仮眠室からブランケット持ってこよう」


百合子「ふふ、杏奈ちゃんぐっすり寝て…… っ!」

その時、私の脳天から足裏までつまり全身に稲妻が走りました

杏奈ちゃんの可愛さは殊更取り上げるものでは無いのかもしれませんが、今私が目の当たりにしているのは正に天使、いえそんな陳腐な言葉では表せない存在でした

可愛いうさちゃんパーカから覗く長い睫毛に大きな眼、小さな鼻に同じく小さなお口、そのきめ細やかなお肌は日光や日焼けとは無縁な白さで、事務所の蛍光灯を跳ね返して輝くほど

それらで構成された彼女の顔は最早芸術、一刻も早く杏奈ちゃんの寝顔のブロマイドを美術館に飾るべき、そう言えるほどのものでした
6 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:06:24.00 ID:ktaiMC2E0
私は無意識にスマホを取りだし杏奈ちゃんの寝顔をカメラに収め、スマホの中の杏奈ちゃんと目の前の杏奈ちゃんを見比べ、とても人には見せられないような下卑た笑みをこぼします

百合子「杏奈ちゃん…… はぁぁ……」

なんて可愛い…… 可愛い女の子が集うこの事務所の中でも一際群を抜いて特別に格段に可愛い杏奈ちゃん……

あぁ杏奈ちゃん どうして杏奈ちゃんはそんなにも可愛いの? 貴女が光輝く星なら私はどうやって貴女の隣に並び立てばいいの?

と、妄想の世界に入りかけたところで私は我に返り、自分のしたことがどんなことであるかに気付くのです

百合子(も、ももももしかしなくてもこれって…… 盗撮!? これが杏奈ちゃんや他のみんなに知られたら……)


杏奈『百合子さんってそんな趣味の人だったんですね、もう近付かないでください』


百合子(いやぁぁぁぁぁぁぁ!)
7 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:07:50.90 ID:ktaiMC2E0
百合子「は、早く消さなくちゃ、盗撮なんてしてごめんね杏奈ちゃん!」

と、消去ボタンに指をかけた時気付いたのです、今ここに居るのは私と眠っている杏奈ちゃんだけ、つまり私がボロを出さなければこのことがバレる心配は無いハズ……!

否! もしかしたらこの事務所の一室には監視カメラが仕込まれている可能性が……

私は部屋の隅、観葉植物の鉢など疑わしき場所を徹底的に探し、監視カメラの無いことを確認します

百合子「うん…… ここには無い…… 大丈夫」
8 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:08:37.69 ID:ktaiMC2E0
『パシャッ』

眠っていると、突然カメラのシャッターの音が鳴りました

あれ…… 亜利沙来たのかな…… 勝手に撮らないでって注意しなくちゃ……

そう思って薄目を開けると……

百合子「このロコアートの中、きっとここに……!」

百合子さんが何かしてました…… 何してる…… の……?

杏奈(え…… もしかしてさっきの音は百合子さんが……? 百合子さんが杏奈の写真を…… ?)

そう考えると急にドキドキしてきました 百合子さん、杏奈のこと……
9 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:09:53.74 ID:ktaiMC2E0
百合子「杏奈ちゃん、亜利沙さんに写真撮られると怒ってるもんね、きっと写真に写るの嫌いなんだよね」

違う違うよ、あれは亜利沙が悪いから、百合子さんだったら…… その…… いくらでも……

でも、こうなると起きるのは恥ずかしいです…… 起きたら百合子さんと2人きりで…… 百合子さんは写真撮ったこと隠したいみたいだし……

ああどうしよう、どうしよう……


海美「おっはよー!」

百合子、杏奈「っ!?」
10 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:10:22.20 ID:ktaiMC2E0
百合子「う、う、うみみみみみみみさん」

海美「え、どうしたのゆりりん? 私はうみみだけど……」

海美さんから向けられる懐疑の視線、終わった……

百合子「突如現れた海美さんの証言から全てが白日の元に晒され、私はスキャンダル報道の末に『変態』の烙印を押され事務所をクビに、その後は細々と一般人として過ごすものの、20代半ばごろの『あの人は今!?』へに出演を切欠に少しずつ知名度を上げていき暴露本のリリースと共に炎上商法的に一躍時の人となり再ブレイク、そして……

恵美「ゆりりーん? 何ブツブツ言ってるのー?」
11 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:10:58.76 ID:ktaiMC2E0
杏奈(い、今が起きるチャンスかな……?)

杏奈「んん……」

海美「あ、もっちーも居たんだ、おはよー」

杏奈「お、おはようございます…… 海美さん……」

百合子「あっ、杏奈ちゃん 起こしちゃった!?」

杏奈「う、ううん……大丈夫…… 百合子さんのお陰でちょっと眠れたから…… 今日もお仕事がんばる、よ……」

海美「あ、もっちー眠ってたんだ、おっきな声出して起こしちゃってごめんね〜」

杏奈「ううん、大丈夫…… です」

元々すぐに起きちゃったし……

海美さんが入ってきてくれたから、有耶無耶になった、のかな……?
12 : ◆KakafR9KkQ [sage saga]:2017/05/31(水) 00:12:04.13 ID:ktaiMC2E0
海美「二人とも早いねー、やる気十分って感じ?」

百合子「ま、まぁ……」

海美「私も〜 楽しみだよ〜」

百合子「あはは……」

百合子(な、なんだかんだで私の奇行は有耶無耶になった……?)
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