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長門「……Tバック、好き?」キョン「えっ?」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/26(金) 21:00:48.30 ID:qzZUPq200
最近、長門とよく目が合う。
今日もそうだ。
現在、俺は部室にてSOS団の奇妙な活動に勤しんでいる。どのくらい奇妙かと言うと……
ハルヒ「絶対深爪しないでよっ!?」
みくる「は、はいっ!気をつけますぅ……」
古泉「んふっ。涼宮さんの足の爪の垢の香り……癖になりますね。たまりません」
このように、今日の活動はハルヒの爪切りである。
詳しく現状を説明すると、ハルヒ本人は手の爪をいそいそと切り、そして机の上に行儀悪く投げ出された両足の爪を、朝比奈さんと古泉が片方ずつ受け持ち、せっせと切っていた。
端的に言って、実に阿呆らしい光景である。
しかしながら、一生懸命ハルヒの足の爪を切るの朝比奈さんはとても可愛らしく、見ているだけで微笑ましい。次は俺の爪も切って欲しい。
ハルヒの足の爪の垢を嗅いで恍惚な表情を浮かべている古泉については、どうでもいい。
この国が法治国家であるならば、早急に処分して頂きたい。もちろん、極刑も視野に入れて。
キョン「まったく、何をやってるんだか……」
呆れた呟きを漏らし、俺はそんな奇妙な部員達とは距離を置き、ハルヒの靴下を嗅いでいた。
何を隠そう、これが今日の俺の仕事なのだ。
いや、厳密に言えばハルヒの靴下の脱着だけが俺に下された命令なのだが、脱がした後にそれをどうしようがこちらの勝手だと、判断した。
そして、右足の靴下を担当した俺と同じく、左足の靴下を担当した長門は、丁度俺と対角になるいつもの定位置に腰掛けて、こちらの真似をするかのように熱心に靴下を嗅いでいた。
その長門の視線はこちらに向けられている。
なんとなく、気恥ずかしくなった俺は、ハルヒの靴下でその視線を遮った。
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2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/26(金) 21:02:48.54 ID:qzZUPq200
視線を遮られた長門は、またもやこちらの真似をするように、自分の目線までハルヒの靴下を持ち上げる。一体何の勝負なんだこれは?
キョン「……どうかしたのか、長門」
根負けした俺は、靴下を下ろして問う。
すると長門も靴下を下ろして、再びこちらを見つめ、少しばかりの逡巡の後、おずおずと、机の上に放置されていた分厚いハードカバーの本を広げて、間に挟んでいた栞を取り出した。
そして、その栞に何やら短い文書を書き記す。
書き終えた後、パタンと本に栞を挟むと、とととっとこちらに歩み寄り、手渡してきた。
長門「……読んで」
前にも似たようなことがあったな。
今回は借りた本を放置して長門の要件をすっぽかすことがないように、その場で本を開こうとしたのだが……そっと押し留められた。
長門「……家に、帰ってから」
キョン「わかったよ。家に帰ったらすぐ読む」
長門に念を押された俺は、この場で読むと不都合があるのだろうと察して、本を鞄に仕舞う。
それを見届けて、長門はとととっと自席に戻った。用があるなら口で言って欲しいものだ。
その後。
案の定、朝比奈さんが深爪をしてハルヒの悲鳴が部室内にこだまするといった事件がありつつも、爪を切り終えたハルヒの足に靴下を履かせて、その日の部活はお開きとなった。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/26(金) 21:05:14.63 ID:qzZUPq200
キョン「さて……」
自宅へ帰った俺は、鞄から例の分厚いハードカバーの本を取り出して、中を開いた。
間に挟まっていた栞には、こう記されていた。
『夜7時、マンションにて待つ』
一応裏返しにしてその他に何か書かれていないか調べる。あとは何も書かれていないようだ。
確認後、思わず嘆息が漏れる。この程度のことならば、是非とも口頭で囁いて欲しいものだ。
しかし、機密を確保するならばこのやり方以上に相応しい方法はないのだろうと、そう思い、素直に長門のマンションに向かうことにした。
緊急の呼び出しに、少々不安を感じる。
そんな嫌な予感を払拭するように、俺は自転車を力いっぱい漕いで、長門の元へ急いだのだった。
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