VAVA「誰かの好きに動いてやるつもりはない……ないよな?【艦これ×VAKAX】

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324 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 00:02:43.37 ID:ei8C0czX0

しばらくして…



執務室



VAVA「ふむ……そろそろ高速戦艦が欲しいな」ペラ…(カタログ)



VAVA「む、このビスマルクとかいう戦艦……装備といい、性能といい、なかなかじゃないか」



VAVA「育てると夜戦に強くなるのか……成程な。こいつがいるならドイツに行ってみるのも悪くない」



大淀「それよりも、やっぱり金剛型なんか手ごろでいいかと」



VAVA「コストを鑑みるとそうだな……特に、この霧島という戦艦。気に入った。大淀みたいじゃないか」



大淀「もう、眼鏡で判断してません?」



VAVA「はははっ」



大淀「提督ったら、ふふ」



ビーッ!ビーッ!



VAVA「なんだ?」



大淀「管制室に問い合わせます。こちら、執務室。何事ですか?」



(大変です!この横須賀鎮守府に超高速で接近する物体あり!深海棲艦だと思われます!迎撃、間に合いません!!)

325 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 00:05:04.68 ID:ei8C0czX0


大淀「なんですって!?鎮守府への接近を許したのですか!」



(敵はステルス性能の高い船のようです。レーダーに反応しません。目視で補足しました!)



VAVA『レーダーはまだまだ改良の余地があるな』



大淀「敵の数は?」



(一!敵は単騎。姫タイプの確立高し。至急、緊急出撃を発令してください!!)



大淀「わかりました」



VAVA「いらん。新入りだっているんだ。怪我人を出したくない。一人で来るとは、面白い奴じゃないか。俺が遊んでやるよ」



大淀「またそんな……ここは守りの要なんですよ」



VAVA「と言えど、姫タイプがその気になれば、容易にここまで接近できるということか……案外、奴等には手心を加えられているのかもな」



大淀「提督、被害は最小限にお願いしますね」



VAVA「わかった。要は敵以外を撃たなければ良いんだろ」

326 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 00:06:27.22 ID:ei8C0czX0

大淀「ライドアーマーは使いますか?」



VAVA「燃料がもったいないだろうが。あいつは決戦用だ。出るぞ」



大淀「御武運を」



ガラッ…



大淀「窓から行くんですか…」



VAVA「俺も成長したんだよ。以前は壁をぶち抜いたり、ドアを吹っ飛ばしたりしたからな。行って来る。風呂沸かしとけ」ダッ…!



ガッガッ……ズササー…



VAVA「さて、誰だか知らんが、単独での制圧は、俺の専売特許だって事を教えてやるぜ」



ガシュンガシュンガシュン!!

327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:12:41.26 ID:yiYGCWaPO
白露ってすでに着任してなかったっけ?
328 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 00:16:07.21 ID:ei8C0czX0
大変失礼しました。艦娘リストの更新を怠っておりました。修正します。
329 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 00:27:45.21 ID:ei8C0czX0
>>323


それから数日…



横須賀鎮守府



VAVA「よく来た。お前達のこれからの活躍に期待する」



白露「みんな揃ってきたねー。提督さん、この調子でお願いしまーす!」



VAVA「おう」



夕立「夕立、着任したっぽい!」



時雨「時雨、精一杯がんばるよ」



村雨「はいはーい、提督。妹がお世話になってます。これからよろしくね」



VAVA「五月雨のことか?あいつはよく働く。俺の自慢の駆逐艦だ」



涼風「いいねぇ、気に入ったよ。あたいも使ってやってくれよな。期待には応えて見せるからさっ!」てやんでぃ!



VAVA「涼風だったな、ふむ。五月雨にソックリだ」



涼風「よく言われるよ。姉貴はここでも相変わらずドジばっかかい?」



VAVA「そんなことはない。五月雨は良い駆逐艦だ」



白露「うっふっふー!妹が褒められていると、一番上の私まで嬉しいです。ありがとう」



VAVA「あぁ、こちらこそ頼むぞ。早速明日から遠征任務に就いてもらう。鎮守府の設備は自由に使ってくれ」



はーい!!

330 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 00:39:44.08 ID:ei8C0czX0

イオナ「てーとく、加勢する」ダッダッー!



VAVA「好きにしろ」



イオナ「霧が来る」



VAVA「ほう、霧の艦艇か。潰しがいがありそうだ」



イオナ「キリシマなら楽勝。タカオなら苦戦。マヤ、ハルナが相手なら、撃破される危険がある。コンゴウが相手なら、私は撃破される。けど、負けない。提督と一緒なら」



VAVA「誰が相手でも同じことだ。俺が勝つことに、何の変更もない」



イオナ「自信家」



VAVA「見えてきたぞ、俺の弾に当たるなよ」



イオナ「りょーかい。援護に徹する。危ない時は呼んで。壁になるから」



VAVA「そいつは助かる。来るぞ!」



イオナ「タカオ!」



タカオ「ここで会ったが百年目……覚悟は済んでるんでしょうね」

331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:48:12.70 ID:7EbzCvn20
金剛型もそろそろ来るころかな。一体誰が攻めて来たんだろうか。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:50:10.97 ID:7EbzCvn20
攻めてきたのはタカオだったか。
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:58:58.28 ID:DeMw5e/h0
艦娘も増えてきたから誰がいて誰がいないかこんがらがってくるな

今回は一人みたいだが本気でVAVAを沈めに大人数で来られる可能性もあるわけか
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 01:01:16.95 ID:+Hg5DxCA0
スペックが重要云々言っていた割には重巡よりスペックは上な大戦艦のキリシマはタカオやマヤより楽な相手扱いなのね
335 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 01:20:49.09 ID:ei8C0czX0

イオナ「あなたにしては、大胆な作戦」



タカオ「黙りなさい。イ401、あんたに用は無いわ。あんたはどうせ他の霧が始末する」



イオナ「……タカオ、様子がおかしい」



VAVA「よう、タカオ。元気だったか?」



タカオ「あれから、ずっと悩んでた……会いたかった……会いたかったわ。VAVA。私、とても元気よ。あなたは?」



VAVA「いまいちだな。そろそろショルダーキャノンのオーバーホールがしたい」



タカオ「いい主砲ね」



VAVA「わかるか」



タカオ「不思議。あなたと会うまで、視界全てに霧がかかっていたのに。仲間の声も、くぐもって聞こえたのに。今は全てがクリアに感じるわ」



VAVA「…」



タカオ「私達の新たな目的は、あなたを殺すこと。この役目は誰にも渡さない。はじめましょう。もう一度、感じさせて」



タカオ「あの時の……トキメキを!」



VAVA「タカオ、ますます気に入ったぞ。どうやら、お前は俺の同類らしい。戦いたくて、しょうがないんだろう?俺もそうなのさ!」



タカオ「いくわよ!」

336 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 01:44:08.16 ID:ei8C0czX0

ドゥン!バルルルルルルッ!!



バシュ!ジュドドドドドッ!!



イオナ「……激しい。互いに避けない。下がらない」



タカオ「痛ぁい!これが本当の戦いなのね。生きるということなのね。なんて狂おしいの……うふふふふふ!」



VAVA「クハハハハハハハッ!そうだ!!自らの意志で狂ってこそ鬼だ!!成り損なうなよ?俺に全て叩き付けてみろ!!」ゲシッ!



タカオ「かはっ…!」



VAVA「そんな程度じゃないだろ!自分を解放しろ、おらっ!!」バキッ!



タカオ「うぐぅ!」



VAVA「女だからといって容赦はしない。鬼に男も女も無いからな〜?」



タカオ「ぜぇあ!!」ブンッ!



VAVA「ごぉわ…!」メキッ……ピシピシ…(バイザーにヒビ)



タカオ「はぁ…はぁ!」



VAVA「いいぞぉ……この痛み。お前に仕返ししたくなる。もっと痛めつけてやりたくなるぞ」

337 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 01:46:12.71 ID:ei8C0czX0

タカオ「はぁあああああああああああああああああああああっ!!」



イオナ「超重力砲!……クラインフィールド」



VAVA「どけ!受けて立ってやる。ナーバスゴーストを10倍の出力で放つ」



イオナ「やめたほうがいい、無茶はダメ」



VAVA「うるさい!俺がやるといったらやるんだよ!!」



タカオ「超重力砲、エンゲージぃ!!」カッ…!



VAVA「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!」ジジジ……!



ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

338 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/16(火) 02:03:26.63 ID:ei8C0czX0


とく……てーとく…おきて



VAVA「……はっ!」



イオナ「だいじょうぶ?」なでなで…(膝枕)



VAVA「気絶していたのか」



イオナ「エネルギー使いすぎ」



VAVA「タカオは?」



イオナ「傷ついて逃げた」



VAVA「そうか……」



イオナ「今度はあんたが会いに来いだって。座標データおいてった」



VAVA「アジな真似をしやがる」



イオナ「超重力砲の軌道をそらすなんて、てーとくはやっぱりすごい」



VAVA「イオナ。悪いが、俺を倉庫まで運んでくれ。リペアが必要だ」



イオナ「りょーかい」ガシッ…てくてく……

339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 02:08:03.22 ID:7EbzCvn20
VAVA無茶しすぎだろ。ライジングスペクターが欲しくなってくるな。
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 02:21:16.30 ID:+Hg5DxCA0
タカオがキリシマ化しとる
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 09:39:42.77 ID:RbomfWudo
イクワヨ!
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 12:10:12.18 ID:kNK08qmcO
怒涛の更新乙

提督が楽しそうで何よりです
343 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/17(水) 02:30:16.38 ID:Jz6JC4hf0

工廠


提督専用兵装保管庫(艦娘、妖精、立ち入り禁止)



ジリジリ……



イオナ「今度は逆になったね」



VAVA「良い腕だ」



イオナ「艦娘達が今日のあなたを見たら、絶対引くと思う」



VAVA「…」



イオナ「欲望に、負けちゃダメ」



VAVA「そうだな」



イオナ「うん」

344 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/17(水) 02:31:39.08 ID:Jz6JC4hf0


VAVA「漣と約束していながら俺は……ん?もういいぞ。全ての修理は完了したはずだ」



イオナ「…」



イオナ『まだ、頭の中の故障が直ってない……わからないのかな?』



イオナ「修理箇所は自分で把握できるの?」



VAVA「あぁ、異常箇所はスキャンできる。どこにも異常は無い」



イオナ「そうなんだ。じゃあ完治。お疲れ様」



VAVA「あ?……あぁ、すまんな」



イオナ『私と彼は体の構造が違う。とりあえず様子を見よう』

345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 07:27:02.37 ID:cw2izWeP0
イレギュラーだし頭に故障があるのは普通かな。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 08:14:25.44 ID:vFc54D7G0
プログラムのエラー、電子頭脳の故障・・・
まあゼロがそう言ってただけだし人間側から見たら普通に欠陥だけど
AI的には本来できない思考が可能になった事で行動の幅が広がるから進化なのかな
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 12:13:08.74 ID:O++jKhQSO
レプリロイドとしては欠陥だけど完璧じゃないからこそ人間に近い思考ができるって感じかな
欲望に負ける、嫉妬するなんてVAVAは本当に人間らしい
348 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/17(水) 17:50:05.86 ID:Jz6JC4hf0

空母城(城壁外周)



ヨロヨロ……バタン!



タッタッタ……



空母「ホッホッホッ……ヤ ヤ?」ランニング中



タカオ「…」ぼろぼろ…



空母「コレハ イカン……ムッ!?」



タカオ「うぅ……」



空母「……モシ、私 ノ 声ガ 聞コエルカ?オマエ ハ コンゴウ ノ 部下。タカオ ダッタナ」



タカオ「は、はい…」



空母「ドウシタコトダ……オーイ、誰カ 居ナイカ」



ババーッ!シュタタッ!!



「ハッ、オ呼ビデ」


「コノ者ハ、同盟者 霧ノ艦艇 ノ 者」



空母「怪我 ヲ シテイル。スグ入渠サセテ アゲナサイ。丁重ニ 扱ウ ヨウニ」



「ハハーッ!オイ、タンカ ダ!」


「ハイ、タンカ!」



タカオ「ぐっ……はぁはぁ…」



「見タ目 ニ 反シテ 重イナァ…」



タカオ「う、うるさい……」



「エッホ エッホ エッホ!」



空母『タカオ カラ……僅 カ ダガ、鬼 ノ 気配 ヲ 感ジタ』


空母『コンゴウ ヲ 問イタダス 必要 ガ アリソウダ』

349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 22:02:04.14 ID:cw2izWeP0
コンゴウに無断出撃を隠し通すのは難しそうだな。
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 14:26:13.92 ID:TgUgBTWvO
夕立なら鬼状態のVAVAにもついていけそうだや
351 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/22(月) 07:03:01.25 ID:1T8OkM8k0

空母城



バキッ!



タカオ「うっ…」



キリシマ「なっ!?コンゴウ、何も殴ることはないだろう!タカオ、大丈夫か?」



ハルナ「…」



コンゴウ「誇りの為ならまだいい。己の欲望の為に命令を無視したことが許せんのだ」



タカオ「VAVAは、私の獲物よ。誰にも譲る気は無いわ」



コンゴウ「まだ懲りてないと見える。今回ではっきりしたな。お前に奴は倒せん」キッ…



マヤ「ダメっ!」バッ!



コンゴウ「マヤ……そこをどきなさい。タカオは、規律を乱して…」



タカオ「ッ!」ブン!(ミドルキック)



コンゴウ「ぬっ…!?」ズキッ…



ハルナ「!……タカオ、いけない」



タカオ「私には倒せないですって?冗談じゃない。私が倒す……奴は、私が!」



キリシマ「やめろ!仲間割れなどしている場合か!!」



コンゴウ「重巡が大戦艦に歯向かうと言うのか…?タカオ!」



マヤ「コンゴウ!ケンカは駄目だよ!!」ギューッ!



タカオ「離してキリシマ!もう我慢できないわ!」



キリシマ「落ち着け!命令違反といい、今の蹴りといいお前らしくも無い。どうかしているぞタカオ!」

352 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/22(月) 07:06:07.27 ID:1T8OkM8k0

トントン……ガチャ…



空母「失礼。オット、取リ込ミ中……ダッタカナ?」



コンゴウ「空母様、これは……お見苦しい所を。聞き訳の無い部下を教育しておりました。お騒がせして大変申し訳ない」



空母「イイ。私モ モウ少シ若イ頃ハ 戦艦棲姫 ヤ 中枢棲姫 ト 取ッ組ミ合イノ 大喧嘩ヲ シタモノダ。ウン、元気ガ アッテ ヨロシイ」



タカオ「先程は、お世話になりました……」ペコ…



空母「ソノ分ナラ 体 ハ モウ大丈夫 ソウダナ。大事デナクテ 良カッタ。コンゴウ、私 ノ 部屋デ 紅茶デモ 飲マナイカ?話デモシナガラ」



コンゴウ「はっ、お誘い頂き光栄です。マヤ、あとの指揮は任せる」



マヤ「うん」



コンゴウ「タカオ、後で覚えてお……」



空母「イイカラ イイカラ。モウ、ソロソロ スコーン モ 焼ケテル 頃ダ。トント 早ク」グイグイ!



コンゴウ「は、はい。ありがとうございます」



ドタドタ……バタン…

353 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/01/22(月) 07:45:20.94 ID:1T8OkM8k0


キリシマ「あの姫……いや、空母殿は我々を気遣ってくれたのかも知れないな」



マヤ「タカオ、わかったよ。あなたがVAVA討伐の任務に就けるように、私からコンゴウに言ってあげるからね」



タカオ「ありがとう、マヤ」ツカツカ…



ハルナ「どこへいく?」



タカオ「頭を冷やしてくるわ」



キリシマ「あまり遠くへは行くなよ。また命令違反だと言われる」



マヤ「行ってらっしゃい」



タカオ『VAVA…』

354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 23:04:58.51 ID:1fjgakgB0
さりげなく喧嘩の仲裁も出来る空母棲姫の気の利き方が半端ない。
自分の欲望より優先するものが出来たVAVAと欲望に忠実なタカオで対照的だな。
355 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/03(土) 08:32:08.31 ID:ixOGTwpk0
横須賀鎮守府



雪風の部屋



雪風「あう〜」



VAVA「動くな。アイス食べた後は、ちゃんと磨かないと虫歯になっちまうぞ」シャカシャカ…(膝枕はみがき)



雪風「ふぁ〜い」



VAVA「ん?えらく……綺麗だな。まだ乳歯もあるようだが」



雪風「はえ!ゆいあえは、ういはいはいいういほうあんえう!!」(はい、雪風は虫歯になりにくいそうなんです)



VAVA「唾液が多い体質なのか、或いは歯が頑丈なのか……運のいいことだ」



雪風「あ〜〜♪」



十数分後…



VAVA「よし、もういいぞ。口をゆすげ」



雪風「くちゅくちゅ……べー」もば〜



VAVA「次は一人でやるんだぞ」



雪風「ゆきかぜ、しれぇにやってもらったほうが歯がピカピカになって好きです!」



VAVA「そうか」なでなで…



雪風「えへへ」



VAVA「しかしな、もし俺が居なくなったらどうする?その時は、自分でやらなきゃいけないんだぞ」



雪風「…」



VAVA「戦場に身を置いている以上、仕方の無いことだ」



雪風「しれぇ」ぎゅ…



VAVA「うん…?」



雪風「…」ひしっ…
356 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/03(土) 08:37:10.60 ID:ixOGTwpk0

執務室



大淀「…」



VAVA「……という事があってな。雪風が背中に抱きついて、離れてくれないんだ」



雪風「いやです!離れません!雪風、しれぇを守ります!」



大淀「心配させるような台詞を言ったのは提督なんですから、ご自身でなだめてください」



VAVA「むぅ…」



雷「雪風だけずるいわ!」(母性的カンが働いた)



叢雲「ずるいとかじゃなくて……もう遅いんだから、司令官の邪魔しちゃ駄目でしょ!雪風!!」(寝る前に成果を褒めて欲しかった)



漣「そうだそうだー!」(修羅場が見たかった)



五月雨「あの……静かにしようよ。迷惑だよ」(秘書艦だった)



足柄「そうよ!不公平よ!!だったら私は前から抱きつくわ!」(だいしゅき)



VAVA「…」



大淀「騒いでないでもう寝なさい!足柄さん、提督が腰をいわしてしまいます。やめてください!駆逐艦に紛れないで!みっともないですよ!」



足柄「だってえ!」



VAVA「鬼の名は返上すべきか……」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/03(土) 08:43:17.76 ID:yXwPdqaZO
餓えた狼さん……
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/03(土) 08:53:06.91 ID:iY8WUJgs0
愛に飢えてるな……
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/03(土) 15:50:32.17 ID:sNvMFu/l0
あくまで全員受け入れるvavaさんは提督の鑑
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 00:41:59.76 ID:ertnrD2v0
ヒャッハー更新だァ!
こんな状態のVAVAを見てイレギュラーだと判定できるものがいるだろうか(反語)
361 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/04(日) 10:58:57.12 ID:4Y2gIIVD0



しばらくして…



VAVA「すまんな、大淀」



大淀「いいえ……みんな良い子ですから。所で、イオナさんから聞きましたよ。また無茶をしたそうですね」



VAVA「まぁな」



大淀「提督には高速修理も女神のチカラも働かないんですから、もっと自重してください」



VAVA「わかってる」



VAVA『確かに危うい』



大淀「この鎮守府は提督一人のお力でここまで大きくなりました。しかし、逆を言えば提督のいなくなった鎮守府は……」



VAVA「脆い……か」



イオナ「そのとおり」ヌッ…



大淀「イオナさん」



VAVA「いたのか」



イオナ「皆、提督に頼り過ぎてる。強大な敵が現れても、最後には提督が何とかしてくれる。そんな甘い考えの子がほとんど」



大淀「……そうですね」



VAVA「しかし、艦娘たちが傷ついていく姿を、俺に黙って見ていろと?」



イオナ「そう」

362 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/04(日) 10:59:38.96 ID:4Y2gIIVD0


VAVA「わからん。俺が出ればそれで済む話だろ」



イオナ「ちょっと、まじめに話す……経験は、時に苦痛を伴うもの。提督も、たくさん傷ついて強くなってきたはず」



VAVA「…」



イオナ「わたしも、あんまり厳しいこと言いたくない。けど、みんな楽観的」



VAVA「忠告として、受け止めよう」



イオナ「それがいい。犠牲者が出てからでは遅い」



大淀「私からも、あまり提督には頼らないよう皆に注意しましょう」



イオナ「うんうん」



VAVA「…それが、あいつらの為になるなら、仕方ない……な」


363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 14:47:16.07 ID:bsZL2+Q50
戦艦棲姫以外はVAVAが何とかしてきたし頼りきりになるのもしょうがないか。北上隊と川内型姉妹、特訓中の叢雲あたりは大丈夫そうだけど。
364 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/06(火) 06:04:27.57 ID:LOJeVVUT0
天龍の部屋



二人で戦争映画鑑賞



天龍「なるほどなぁ〜」



VAVA「どう思う?」



天龍「確かに、何人かはお前におんぶにだっこかも知れねーな」



VAVA「そう…か」



天龍「お前の気持ちもわかるよ。お前、頼られんの大好きだもんな」



VAVA「…」むっ…



天龍「怒るなよ。俺の意見が聞きたくてこんな時間に来たんだろ?明日非番だからさ。徹夜で遊ぶつもりだったんだ。付き合ってやるよ」



VAVA「あぁ…」



天龍「…お前も苦労してんだな。やっぱ、チカラは強くても色々困ることとかあんのか?」



VAVA「そうだな。昔は気にも留めなかったんだが、今は周りの状況に合わせて行動している」



天龍「へー昔か、お前のことだ。特殊部隊とか、傭兵経験とかあるんだろ?嫌なら言わなくてもいいけど……」



VAVA「いや……軍属はこれっきりだ」



天龍「んじゃあ公安組織?まさか、テロリストってことはないよな。お前って謎が多いからな。気になるんだ」つんつん



VAVA「…」

365 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/06(火) 06:05:30.90 ID:LOJeVVUT0

天龍「俺は、お前がどんな過去をもってようが気にしないぞ。俺は今、目の前にいるお前を見てる」



VAVA「公安組織…が一番前職に近い気がするな」



天龍「へぇ〜!お前が公安ねぇ。意外だな」



VAVA「そうでもない。暴力を振りかざす者に、さらなる暴力で更生を強いる組織だったからな。俺のような乱暴者が必要だったんだろう」



天龍「えぇ…」



VAVA「昔の事だ。若い時は、そこでの地位に固執した時もあったな」



天龍「お前が!?」



VAVA「今となっては、どうでもいいことだ。俺の居場所はここにある」



天龍「俺の部屋!?」かぁ…///



VAVA「ち、違う。ここだ。横須賀鎮守府だ」



天龍「あぁ、そっか……そだ、あれ、霧の艦隊はどうするんだよ?」



VAVA「大淀が言うには、上層部はやつらの存在を認めていないらしい。目下、深海棲艦の対処に勤めろとよ」



天龍「け、まるで他人事だよな。実際に襲われるこっちの身にもなれってんだ」



VAVA「まったくだ」



天龍「おうよ」



VAVA「だがな、近い内にやつらとは決着をつけなければならない。俺が思うに、やつらは深海の姫と同等か、それ以上の危険度だ。放置は無い」



天龍「夜戦にいくなら、俺を外すなよ」



VAVA「頼りにしている」



天龍「まっかせろい!」にかっ!
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 07:28:32.09 ID:zO0jx0Tz0
公安組織所属だったけどテロリストでもあったからな。VAVAの相談相手と言えば天龍か北上だからな。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 07:44:49.05 ID:2pEYlKqCO
でもぶっちゃけ他の艦娘もVAVAに頼りすぎてるって分かってそうだけどな
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 11:59:39.25 ID:Qvprh0BlO
ハンター時代はVAVAを認めてくれる個人がいなかったから組織での地位に固執せざるを得なかったけど
ここでは頼ってもらえるから地位とか気にしなくなったのかな
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 12:01:28.34 ID:uFyRCrquO
戦う理由も艦娘に対して俺が唯一できることで存在意義つってたしな
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 13:40:17.86 ID:kqsFALcL0
あっちの世界輪はシグマやらゼロやらVAVAと互角以上の実力者を筆頭に
皆がこぞってB級のエックスばかり期待してた反面
VAVAはイレギュラー紛いと言われて批判され実際に拘束されることもしばしばだったしグレますわこんなん

カメリーオみたいに内心ではVAVAのやり方に反感持ってないような例外もそれなりにいたかもしれんが
結局それが表出することはなく終始孤独だったんだよな
371 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 17:36:56.48 ID:AHzLStXg0


天龍「あ、映画終わっちまったな。次は何すっか」



VAVA「そうだな……ん?おい天龍。これは何だ?」カチャ…



天龍「めざといな。そいつは今流行のヘッドマウントディスプレイってやつだ。すごいぞ。こう、ゲームと接続して、かぶれば目の前に仮想現実が広がるって訳だ」



VAVA「ほう……バーチャルリアリティか」



天龍「興味あるのか?ゲーム」



VAVA「うむ。いいアイディアだ。よし、次のトレーニングマシーンはこれだな」



天龍「?」



VAVA「ちょうどいい。イオナにも手伝わせよう」
372 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 17:56:03.78 ID:AHzLStXg0

翌日



工廠



トンカントンカン!ジジジ……



イオナ「朝から重労働。間宮食券10日分を要求するー」



VAVA「後で発行してやるから働け」



イオナ「りょーかい。……ナノマテリアルをこんなことに使うなんて。ナイスアイディア」



VAVA「だろう?これでお前が言った経験不足とやらも、俺の懸念も同時に解消できる」



明石「これまた大掛かりな装置ですねぇ」



夕張「やぁ〜、やりがいありますよ」



瑞鳳「えっと、提督。ここはどうしましょう?」



VAVA「あぁ、待て。ここの溶接は慎重にな、ゆっくりとやるんだ……」



瑞鳳「は、はい…」ぽっ…



VAVA「こうだ、いいな?」



瑞鳳「はい、ありがとうございます!」

373 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 17:58:19.26 ID:AHzLStXg0

明石「……提督ーここ、わかりませーん」



VAVA「どれ、貸してみろ」



明石「それじゃ分かりづらいですね。こう、私に覆いかぶさるように、後ろから手をこう…」



VAVA「こうか?」



明石「はい、良いです。すごく分かりやすい」



夕張「提督、ここの底部から回路をつなぐんですか?」



VAVA「あぁ、そうだ」



夕張「すみませんね、もう一度お手本を見せてくれませんか?」



VAVA「仕方ないな。よく見てろよ」



夕張「はい、見てますよー」スリスリ



イオナ「てーとく」



VAVA「今度は何だ?」



イオナ「なんでもない……それっぽい建前が無かった。むねん」



VAVA「…」
374 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:07:55.98 ID:AHzLStXg0

数時間後…



明石「できました!」



「できたー!」


「わーい!」


「なんだかわかんないけどおめでとー!」



キャー!キャー!



VAVA「礼を言うぞ、お前たち。想像以上のスピードで完成した。これで、俺達の戦力はより磐石なものとなるだろう」



イオナ「とはいっても、まだ1台だけ。最低12台。スペア込みで30台はつくろー」




「「「おーーー!」」」



VAVA「すまん、システムの調整をしておきたくてな。悪いが残りのカプセル製作の指揮は任せたぞ、イオナ」



イオナ「おまかせー」

375 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:14:51.76 ID:AHzLStXg0

VAVA「暇そうなやつはいないか……お」



VAVA「おい、加古ー!」



トコトコ…



加古「ふわぁ……あたしを呼んだかい、提督」



VAVA「今、新型マシンのテスト中なんだ。お前さえよければ試してみてくれないか?」



加古「へぇ〜新しいマシン?おもしろそうだねぇ。やるー!」



VAVA「よしよし。特別手当ても出してやるからな」



加古「マジで!?らっきぃ〜〜〜!」



VAVA「ついてこい」



加古「ほいほーい」

376 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:25:39.53 ID:AHzLStXg0

工廠



加古「あの……これ、マジで大丈夫なの?怖くなってきたんだけど!」カプセル内



VAVA「俺の設計だ。狂いは無い」



加古「……で?あたしをこんな物に閉じ込めてどうしようってのさ。なんの訓練なの?」



VAVA「今に分かる。ではいくぞ」ポチ…



ウィーン…



加古「うへぇ、なんか降りてきたよ〜」



VAVA「そのままじっとしていろ」



加古「へぇーい」



VAVA「バーチャルミッション開始。時間無制限。勝利条件は目標の無力化。敗北条件は自身の轟沈だ」



加古「え?え?」



VAVA「フィールドは……よし、世にも珍しい艦娘の市街戦といこう。使用装備に制限は無し。好きなものを使え」



加古「あわわ…」



VAVA「俺が常にオペレートしている。安心しろ。さぁ、ロードが終わったぞ。ゲーム開始だ」



ピカァ…!



加古「まぶしっ…!」

377 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:47:56.58 ID:AHzLStXg0

荒廃した街



加古「んっ……あれ、ここどこ?」



VAVA『無事、プラグインできたようだな』



加古「提督?どこ??」



VAVA『姿は見えないが、お前のことを見守っている。キリキリいくぞ。ここから使いたい武器を選べ』



フォン…



加古「うーんと……じゃあ、普通に、主砲、主砲、電探、偵察機で」



VAVA『うむ。リアルな夢を見ていると思えばいい。これは、体を傷つけることなく実戦経験を積む事ができる仮想現実マシンなのだ』



加古「なるほどー!そいつはいい。ところで……」ぺちぺち…



ぎゅ……つねり…



加古「いでででで!夢なのに痛いよぉ!!」



VAVA『リアルな夢だからな。痛みが無きゃ訓練にならないだろう』



加古「痛いのやだよぉ」



VAVA『しかし、あまりに強い痛みの場合は、精神への影響も加味して自動で痛覚をシャットアウトできるようにしてある』



VAVA『もしそうなった場合、轟沈扱いと言うことでプレーヤー側の敗北が決定する。そろそろ敵が現れるぞ。用心しろ』



加古「あんまり理解できてないけど、とりあえず敵を倒せばいいんだね!よし、どいつがあたしのあいてだぁー!」



ピカ……フワァーン…

378 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:52:14.84 ID:AHzLStXg0


コツコツ…



古鷹「…」



加古「えぇ!?古鷹ぁ!なんで古鷹……」



VAVA『気をつけろ!それは古鷹の再現データだ。本物の古鷹のように優しくは無いぞ。本気でお前を沈めにかかってくる』



加古「データって言っても……やりづらいなぁ。どこからみても古鷹だよ」



古鷹「訓練開始します。重巡加古、速やかに撃破します」



加古「うわぁ!めっちゃこわい!こりゃ、本気でやんなきゃなんないね!いくよ!!古鷹!!!」ガシャ…!



ドォンッ!



379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 23:04:20.60 ID:cw7G1Xrm0
VAVAは気付いてないけど静かに女の戦いが発生しているな。トレーニングマシンの動作チェックしているVAVAが心なしかイキイキしてるように見える。
380 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 16:30:49.92 ID:Ez10Bhgm0

戦闘後



加古「はぁ…はぁ……か、勝った…………なんとか」ボロボロ…



VAVA『任務完了、お前の勝利だ』



加古「ありがと……古鷹ってあんなに強かったんだねぇ」



VAVA『いいや、所詮は再現データだ。本物には及ばない』



加古「そんなもんかね」



VAVA『システムの調整は完了した。これで今まで戦った敵や、この鎮守府に所属している艦娘全員と自由に戦う事ができるぞ』



加古「敵って言うと……」



VAVA『姫タイプの事だ。だが、戦艦棲姫のデータだけはインプットしていない』



加古「ひっ…」



VAVA『だと思ってな。肉体にダメージは無いが、精神には現実と同じくダメージが蓄積される。戦艦棲姫のデータは、あらゆる意味で危険だと判断した』



加古「それがいいよ、名前だって聞きたくない」



VAVA『訓練、ご苦労だった。プラグアウト、と言ってみろ』



加古「ぷらぐあうと……?」



ピカッ…!



加古「まぶっ……ぃ!」
381 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 16:43:33.35 ID:Ez10Bhgm0

工廠



プシュー……ウィーン



加古「開いた……不思議だねぇ。あれだけ激しく動いたのに、全然疲れてないや」



古鷹「加古、お疲れ様」



加古「うわぁ!古鷹!?」



VAVA「落ち着け。その古鷹は本物だ」



加古「あ、そっかぁ……ごめんよ。さっきまで、古鷹のデータ?ってのと演習してたんだ」



古鷹「うん、よくがんばったわね。ずっとそこのスクリーンで見てたよ」



加古「おや、こんなものまで用意してたのかい?」



VAVA「ラウンジの巨大スクリーンのスペアを流用したんだ。訓練の様子をリアルタイムで観戦できるようにした」



加古「へぇ〜こりゃあ便利だねぇ。強い人の演習をじっくり見れるわけだ」



ズシン……ズシン…



古鷹「あ、イオナさん。こんにちは」



イオナ「こんちゃ」



VAVA「イオナ、まさか、もう完成したのか?」



イオナ「全部できた。朝飯前。今、ここに全部並べる。待ってて」スト…



VAVA「お前の能力には本当に驚かされる」



イオナ「それはお互い様。よっこらせー」

382 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 17:06:48.19 ID:Ez10Bhgm0

それから数日…



工廠



ワイワイ!



武蔵「提督よ!?これ、お前強すぎないか!?まるで勝てる気がせんぞ!!」



曙「自分だけ強化してるんじゃないでしょうね!」



長門「ダメだ、提督で詰む……」



VAVA「お前達への精神ダメージを考慮して、俺の再現データは分割してある」



北上「ぶんかつ〜?」



VAVA「そうだ。初期段階で挑める俺は、兵装も初期装備だ。つまり、一番弱い状態だ。俺を負かすたびに高難易度が解放されていく。あと三段階用意してあるからな」



霞「か、簡単に言ってくれる……やってやろうじゃないのよ!!」



大井『アァ゛ーー!北上さん!最高です!!さらさらです!ふわふわです!うわぁああああ良い匂い!!』くんかくんか…



北上『はなせぇ!!』



VAVA「い、今は大井がプレイ中なのか」



北上「データとは言え、自分があんなふうにされてるのは、ちょっと恥ずいかな……」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 17:22:12.67 ID:Hq7gxMjPO
プレイ中(意味深)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 17:23:39.94 ID:QvT4zjrMO
大井さん!ナニしてんですか❗
385 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 17:25:24.98 ID:Ez10Bhgm0


プシュー……



叢雲「駄目ね……自分との戦いに負けちゃったわ」



五月雨「すごく惜しかったよ。叢雲ちゃん」



叢雲「あなたもやってみたら?自分と戦うってのも、中々いい勉強になるわよ」



五月雨「私は、とりあえず深海棲艦の駆逐艦からはじめてみようかな」



VAVA『フフフ……システムにちょいと細工がしてあってな。自分自身に戦いを挑んだ時、再現データの能力は、10%増しになるのさ』



叢雲「くやしい……」



VAVA『全力を出した上で、さらにその上を行かねば、自身の再現データを倒すことはできないのだ』



プシュー……



吹雪「ふぅ〜!私ってあんな風に戦ってたんだ。次はあの癖を極力ださないようにしよっと!」



VAVA「吹雪……?お前、自分の再現データに勝ったのか?」



吹雪「はい!自分で言うのも変ですけど……手強い相手でしたが、勝てました!提督が、色々と教えてくださったおかげです。ありがとうございます!」



VAVA『土壇場での爆発力や、成長性が優れているのかも知れんな。吹雪は』
386 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 17:49:19.60 ID:Ez10Bhgm0


イオナ「ずずー…」ちょこん…



イオナ「ジュースうまい。ん、てーとく」



VAVA「よう。まさか、ここまで人気になるとはな」



イオナ「いい感じ。資材を消費せず、艦娘達の錬度を上げる事が出来ている……むーん」



VAVA「どうした?」



イオナ「あんなオーバーテクノロジーを驚きもせず、みんな普通に使ってる」



VAVA「俺のせいだろうな。思えば、ここで様々な道具を開発し、あいつらに見せてきた」



イオナ「よかったら……あのマシンで再現できそうな、霧のデータがある。模擬戦、してみる?」



VAVA「そいつはありがたい。あのタカオとも、そろそろ決着をつけようと思っていた所だ」



イオナ「コンゴウ以外のデータなら、ある」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 23:52:47.54 ID:3gDaSzt00
VAVAが引くくらい大井っちが暴走してるし、駆逐艦には見せちゃいけない映像になってそうだな。
確かにオーバーテクノロジーだけどVAVAとイオナに比べたら大したことないんだろうな。
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 01:58:14.04 ID:Z42TlabMo
大井っちの使い方も正解だと思う
俺もそうする
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 06:08:57.71 ID:GLtlcsfA0
>>388
もしもしナイトメアポリスメン?
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 10:37:12.35 ID:GbFee3jWO
つまりどうにかすれば提督にあんなことやこんなことをできるってことだな
チャンスだぞ艦娘達
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 10:04:21.27 ID:vLjVaf/SO
一台くらいパクってヲ級の家に配送しよう
392 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 17:48:21.14 ID:UilEi0OQ0
それからしばらく…



執務室



大淀「……ドイツへの訪問まではまだ余裕があるから、その前にこの海域を攻略して…霧への対処にはこれだけの予算を投入して……」



隼鷹「やれやれ、提督は今日もイオナと仮想訓練かい?」



大淀「そうですよ」



隼鷹「暇だねぇ。せっかくあたしが秘書になったげてんのに。この辺の酒ちょっぴり飲んじゃおうかな」



大淀「だめです」



隼鷹「はいはい、わかってるよ」



ガシュンガシュン……ガチャ…



隼鷹「お、やっと帰ってきた。おつかれ」



VAVA「あぁ…」ヨロヨロ……ギィ…ドサッ!



大淀「提督、体調が優れないのですか…?」



VAVA「訓練をし過ぎたようだ。少し、疲れた」



隼鷹「提督でも疲れるんだねぇ」



VAVA「そりゃあそうだ」

393 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 17:48:58.77 ID:UilEi0OQ0


VAVA『ボディには何の問題も無いが……メンタルダメージはどうしようもない。我ながら、よく出来たトレーニングマシーンだ』



VAVA「1時間ほど休む」



大淀「ごゆっくり」スッ…



隼鷹「…」スッ…



VAVA「いや、出て行かなくていい。ここで作業を続けろ」



大淀「わかりました」スト…



隼鷹「甘えたいのかい?あたしの膝、貸してあげるよ」



大淀「隼鷹さん」



隼鷹「冗談だって」



VAVA「…」リラックス…

394 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:05:28.51 ID:UilEi0OQ0
南方海域 最深部



ズドォオオオオン!!ガガガガガガガッ……!



大和「はぁっ!……でぁあああああああああああああ!!」連打



南方「グヌッ……ウゴゴワァアアアアアアアア!?」ドゴゴゴゴゴ……!



大和「まだ……まだぁ!」飛び後ろ回し蹴り



南方「ツケアガルナ!小娘ガァアアア!!」ジャキンッ!



大和「!?」



南方「シズメッ!」



大和『ここだ…!』



大和「たぁっ!」ヒュッ……パシンッ!



南方「ウッ……!?」グラッ…!



大和「そこっ!」カチ!



コォッ……ガォオオオン!!



南方「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……!!??」ビシィッ……ピキピキピキ…!



カッ……ドカーンッ!



大和「はぁ……はぁ…プラグ…アウト」



ヒュン…

395 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:07:37.77 ID:UilEi0OQ0
工廠(特設VRトレーニングルーム)



休憩室



イオナ「やるぅー」ひゅ〜



青葉「すごい剣幕ですね、大和さん」



武蔵「因縁の相手だからな。私達にとっては」



子日「いんねんって?」



武蔵「…」なでなで…



子日「?」わしゃわしゃ…

396 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:14:59.12 ID:UilEi0OQ0


プシュー……フラフラ…



大和「…」



武蔵「見事だ。大和」



大和「…」スタスタ…



武蔵「おい、大和?」



大和「…ぅ」グラッ……



イオナ「ん」ガシッ!



大和「どうも…」



イオナ「お疲れ様」



武蔵「激しい戦いだった。無理も無い」



大和「でも、まだ本物には……及ばないかもしれない」



武蔵「よくやったさ。イオナ、とっさに姉を支えてくれてありがとう。後は、私が部屋までつれていくよ」



イオナ「大金星」



装甲「じー……」ものかげ

397 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:31:09.09 ID:UilEi0OQ0


ある日の夜……



装甲「…」こそこそ…



装甲『一回使ってみたかったのよね。よし、誰も居ない』キョロキョロ…



こっそり……ウィーン…



装甲「わぁ……集積地がこんなの造ってたっけ。でも、あれよりすごく綺麗。本物みたい」



装甲『なるほどね、敵の能力値をグラフで分かりやすくしてるんだ』



装甲『ふんふん、あっ!私だ!!私が選べる!!!すごいわ、艦娘とは比較にならないパラメーターだわ!』わくわく!



装甲『それにこのポーズ……なんてかっこいいの。手を前に突き出して、強気な笑みを浮かべて、いかにも強敵ってかんじ』うっとり



装甲『あとは泊地と南方……飛行場が選べるのね。ゲッ!私だけ勝率が高い…!!みんな私のデータをこんなに倒してるのね……』



装甲「戦ってみようかな……」



装甲「…」



装甲「やめとこ……誰かに見られたら面倒だし」



装甲「…」



装甲「一回だけ…!」



装甲「対戦相手は……もちろんVAVAさん!プラグイン!装甲ー!」ノリノリ♪

398 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:46:26.10 ID:UilEi0OQ0

鎮守府近海



装甲「……すごい。現実と変わらないわ。日差しも、海風も、潮の香りも……」



パッ……



装甲「ここから武器を…?そうか、私が使うことは想定して無いんだ。じゃあ、艦娘の空母装備を使おう」



装甲「えっ……この艦爆。対空能力無いじゃない!艦戦って……こっちは対空能力だけ!?艦攻も艦爆と同じで攻撃のみ!?」



装甲「なによこれ!こんなロースぺ装備で戦うなんて馬鹿じゃないの!!」ぷんすか!



装甲「……選ばないことには始まらないわね。いいや、わからないから一個ずつもっていきましょう」



装甲「できるだけ強そうなのを……これでいいや」(震電改、天山《村》、彗星《江》、副砲)



ガシュンガシュンガシュン……



VAVA「訓練を開始する。気を引き締めろよ」



装甲「はい!VAVAさん!!」

399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 19:46:50.79 ID:EnP8lEx/0
近い内にドイツにいくのかな。姫である装甲からすれば艦娘の艦載機は弱く感じるよな。
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 20:19:26.15 ID:oJqAcM/D0


装甲空母鬼のスロットに震電改は飛び魚艦爆持ちのエリレくらいのレベルで制空奪取が厳しくなるのでNG
・・・と思ったがVAVAとの戦闘で下半身の艤装を脱いだ時に装甲空母姫になってるんだったか

どっちみち深海棲艦としての能力でプレイしない(できない?)だろうから現実的な搭載数になるとは思うが
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 01:32:28.17 ID:3UerMMcF0
装甲のデータもしっかりと入っているのか
道産子生まれの装甲ちゃんの正体がバレないだろうか
402 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/17(土) 21:07:29.47 ID:Cz6Yff9P0

装甲勝利



VAVA「訓練終了。大したものだ」



装甲「おつかれさまでした」ペコリ…



VAVA「遊ぶのはかまわんがな、ほどほどにしておけよ。装甲」



装甲「へ…?」



VAVA「どうした?訓練は終わった。早く現実に戻れ。合言葉は、プラグアウト。だ」



装甲「私がこの機械をこっそり使うって、わかってたんですか?」



VAVA「お前は好奇心が強いからな。それに、体がなまっていただろう。仮想空間と言えど侮れまい」



装甲「はい……すごく、楽しかったです」



VAVA「よかったな」



装甲「VAVA…さんは、私ともう一度戦って、楽しかったですか……?」



VAVA「悪いな。俺は所詮、VAVAと同じ思考パターンを持ったデータに過ぎん。現実のように何かを感じたりすることはできない」



装甲「あ……」



VAVA「つまり機械だ。こうして話しているのも、お前の言葉に反応しているだけだ。VAVAの意思も感情もない」



装甲「…」うー…



VAVA「VAVAには、結果を報告しろよ」



装甲「はい…ありがとうございました。じゃあ……プラグアウト」



フォン…

403 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/17(土) 21:17:51.77 ID:Cz6Yff9P0

プシュー……



装甲「ふぅ……ん?」



瑞鶴「…」



装甲「わっ!?」



瑞鶴「見てましたよ」



装甲「な、何を…ですか?」



装甲『ややや……やばいやばいやばいやばい!!』



瑞鶴「装甲さん……し、し、しん……」



装甲『バレた…!私が……深海棲艦だと』



装甲『どうしよう!?いまなら誰も見てないし暗殺すれば……いや、できるわけない!今更艦娘を傷つけるなんて、私にはとても……』



装甲「……はい、お察しのとおりです。私は……」



瑞鶴「信じられない!装甲さん、昔は空母艦娘だったんですね!!」



装甲「…うん?」



瑞鶴「どうして引退したんですか!?あんなすごい戦い方、見たこと無い!!」



装甲「その…」



瑞鶴「あの艦載機の使い方、私に教えてください!!」



装甲「えぇ!?」

404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 21:50:12.82 ID:dOe5O6mDO
ロックマンXかと思ったが違ったようだ
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 21:56:36.79 ID:m61nAJzbO
まさかVAVAを最初に倒すのが補給艦だとは艦娘の誰も思いもすまい
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 22:12:58.87 ID:6JjGHYiT0
常時ボーキ補充頼りの頃の慢心があったころとは大違いや
堅実に戦えれば初期VAVA倒せるぐらいには強いんやなって
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 23:55:19.35 ID:8vWR+Adk0
スペックは艦娘を超えてるしな。
慢心がなかったり一対一なら相当強いだろうな
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 00:34:58.60 ID:p8XWRhFp0
慢心とかいうから空母系の姫の攻撃手段がゲートオブバビロン風に思えてならない
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 05:53:16.65 ID:N4Gq9rkc0
元艦娘だと勘違いしてくれるなら深海棲艦だとバレにくいだろうし、ある意味都合が良いな。
VAVAは艦載機を使えないし空母系艦娘に関しては装甲が戦い方を教える方が良さそうかな。
410 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:41:35.91 ID:eoM1EAeX0


ある日の事…



瑞鶴「翔鶴姉ぇどこかな〜」



翔鶴「…」ペラペラ…♪



瑞鶴「いた!あ……加賀さんだ」



加賀「…」ボソボソ…



瑞鶴「何を話しているのかしら…?ついて行ってみよう」

411 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:43:21.69 ID:eoM1EAeX0

射撃訓練場



加賀「私達は、弓を引くという動作によって艦載機を射出する。よって、弓を扱う技術無くしては艦載機を扱えないわ」



翔鶴「はい」



加賀「あなたも知っているだろうけど、これが基本。後は、射出後の艦載機との連携だけれど」



翔鶴「はい、私、まだ妖精さんたちと心をうまく通わせないみたいで……たまに指示を無視されたりしちゃうんです」ぐすん…



加賀「これだから五航戦は……」



翔鶴「加賀さん、お願いします。私に艦載機のなんたるかを教えてください」ペコリ…



加賀「……いいわ。実際に放ってみなさい。妖精たちを不満にさせることを、あなたが無意識にしているのかも知れない」



翔鶴「はい!流星、お願いね……」スッ…



瑞鶴「翔鶴姉ぇ!!」

412 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:46:28.31 ID:eoM1EAeX0

翔鶴「あっ……瑞鶴」



瑞鶴「そんな人から教わることなんて何も無いわ。私達の方が新型じゃない。旧型に教わっても弱くなるだけよ」



加賀「…」



翔鶴「瑞鶴!なんて事を言うの。加賀さん、ごめんなさい。瑞鶴はまだ幼いんです。どうか許してあげてください」



加賀「別に、気にしていないわ」



翔鶴「加賀さんに謝りなさい」



瑞鶴「はんっ誰が!いくら翔鶴姉ぇのお願いでも、それは聞けない。私は間違ったこといってないもん。私たちがいる今、空母赤城、加賀は艦隊のお荷物よ」



加賀「…」カチン…



翔鶴「な……瑞鶴!!本当に怒るわよ!!あなたは何もわかってない」



瑞鶴「わかってないのは翔鶴姉ぇの方よ!!私のどこに間違いがあったっての?」



加賀「いいわ、教えてあげる。翔鶴、妹を借りるわね」



翔鶴「加賀さん、どうか穏やかに…」



加賀「心配しないで。来なさい、七面鳥」



瑞鶴「しちめんちょうぅううう!?冗談じゃないわ!!果し合いの場所は?時間は?いつでもいいですよ!」



加賀「あなた相手に大事な資材を使うわけにはいかないわ。先日新しく導入された、仮想訓練機による模擬戦で決着をつけましょう」



瑞鶴「いいわよ!やってやろうじゃないの!!見とけおらぁ!!」

413 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 13:01:34.50 ID:eoM1EAeX0


現在……



装甲「で、負けちゃったと……」ぽん…



瑞鶴「うん……」



装甲「それはヘコむよね」



瑞鶴「うぅっ……わ、私は間違ってない……運動性能も搭載数も馬力も、全部私の方が上のはずなのに…どうして」ぐすっ……



装甲『見てて痛々しい……可哀相…』



瑞鶴「こ、怖かった……あんな怖い人どうやって勝てばいいのよ……私には、わからない」



装甲「泣かないで。うん悔しかったね…」なでなで…



瑞鶴「うわぁああああああああああああん!装甲さん……私、あの人に、勝ちたい……」ギュー!



装甲「うんうん…」なでなで…



装甲『あれ……私なに空母みたいなこと言ってんの。バレたらヤバイし、これ以上関わらない方がいいっしょ……』



瑞鶴「私の……師匠になってください」むくっ!



装甲「いや、それはそれ。これはこれ」スッ…



瑞鶴「えぇえええ!?」スカッ!



装甲「大丈夫。スペックで勝ってるんだから次はきっと勝てますよ。じゃあ、あの……もう遅いし、お休みなさ〜い…」ソロソロ…



瑞鶴「待って!私には、あの変幻自在の統率力が必要なの!!教えてください!!!」グッ!



装甲「うわぁー!?ポニーテールつかまないで!!」



瑞鶴「教えてください゛ーーー!!」



装甲「だから嫌なのぉ!私関係ないもーーん!!」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 13:30:19.12 ID:N4Gq9rkc0
人に何かを教えるのは自身の成長にも繋がるし、装甲にはいい機会なんじゃないだろうか。
415 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 15:56:57.92 ID:eoM1EAeX0


それからしばらく…



装甲「こんな早朝から、つきまとわないで下さい……もう、引退した身ですから。私、ただの女ですから」ツカツカ…



瑞鶴「いいじゃないですか、別に教えたって減るもんじゃないんだし」トトトッ!



装甲「駄目です。現役の艦娘さんに教えることなんてできません」



瑞鶴「いいや、あなたはかつて、我が軍のエースだったんでしょ?それで、怪我とか、病気とかして、やむを得ず現役を退いたんですよね?」



装甲「違いますよ。弱いから戦力外通告されたんです〜」



瑞鶴「弱い空母があんな華麗に艦載機を操れるわけが無い!!私の目はごまかせないんだから!!!」



装甲『現に今、欺けてるんだけどなぁ……』



瑞鶴「じゃあこうしましょう。月謝として、私の月給の三分の一を毎月あげますから!!」



装甲「最近VAVAさんが待遇良くしてくれたので、お金は間に合ってるんですよね〜欲しいものも特に無いし」



瑞鶴「なら、何をあげたら教えてくれるんです?」



装甲「いりません。何も。私、これから皆さんの朝ごはんの仕込があるので、失礼します」



瑞鶴「そうか!お仕事が忙しくて、私に割ける時間が無いんですね!!そういうことなら私が装甲さんのお仕事手伝います!!」



装甲「なんでそうなるんですか……それも駄目です。厨房は毎日忙しいんです。慣れてない人を使う暇なんてありません」



瑞鶴「あきらめませんよ!」



装甲「あきらめてよ…」

416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 17:09:26.36 ID:J378uZGS0
あまりにも補給艦として馴染んでたから忘れていたが流石は姫
精神面も鍛えられたし以前より強そう
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 18:43:44.44 ID:N4Gq9rkc0
待遇が良くなってるってことはVAVAも装甲のことを評価してるんだな。VAVAから頼まれたら装甲も断れないんだろうけど瑞鶴はどうするんだろうか。
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 18:44:25.02 ID:MvxOp7xNo
この装甲さんみたら優しい空母型の二人はなんて言うんだろ
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 19:38:29.22 ID:qaKyqwvG0
毎日うまい飯3食食べて肉体も精神も健康になってるだろうし
給仕に従事して各艦娘に対応してるうちに情報処理能力も底上げされてそう
420 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:02:23.56 ID:O6r+XosK0

次の日も…



瑞鶴「師匠」



装甲「師匠じゃない」



瑞鶴「教えてくださいよ。さもないと装甲さんは私の心の友だって皆に言いふらしますよ」



装甲「やめて……恥ずかしい」



瑞鶴「じゃあ教えてくださいよ。土日教えてください」



装甲「えぇ〜……週末はVAVAさんとお茶してるからやだ」



瑞鶴「は?あなたもあんな提督がいいんですか?翔鶴姉といい、あのロボットもどきのどこがいいんだか」



グワァシッ!



瑞鶴「あぶっ!?むぐぐ……」



装甲「言葉には 気 ヲ ツケロヨ。小娘……取リ消セ」ギラッ…(駆逐艦程度なら殺せる眼光)



瑞鶴「は……ひゃい」コクコク!



装甲「ふん……姉はあんなに礼儀正しいというのに」パッ……シュゥ〜ン…



瑞鶴「ゲホッ……ゲホッ……あの、提督と何を話してるんですか?」



装甲「別に、談笑してるだけ。装備とか、お酒の事とか」ぷいっ!



瑞鶴『今の眼光、気迫、凄み……装甲さん、只者ではない。絶対に弟子になってやるんだから!』

421 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:25:11.44 ID:O6r+XosK0
次の日…



コッ…コッ…コッ…



VAVA「イオナ、執務室でけん玉をやるな。気が散る」さらさら…カキカキ……



イオナ「早く終わらせて、シュミレーションの続きしよ。次はマヤ」



VAVA「わかってる。今終わるから待ってろ」



イオナ「提督業は大変」



VAVA「楽ではないな」



イオナ「えらい」



VAVA「ありがとよ」



ドアバーーーン!



瑞鶴「提督!お願いがあるんだけど」



VAVA「後にしろ」



瑞鶴「駄目、今聞くの!!」



イオナ「まぁまぁ」



VAVA「イオナ茶でも淹れてやれ」



イオナ「粗茶ですが」とぽぽ…



瑞鶴「いらないから。それより、装甲さんの事なんだけど!」



VAVA「装甲…?」ピタ…

422 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:27:44.20 ID:O6r+XosK0



瑞鶴「あの人に、私に艦載機の使い方を指導するように命令してよ。ね、このとーり。お願いこのとーり」



VAVA「あいつから何を学ぶってんだ。あいつはただの雑用だぞ」



瑞鶴「ウソよ!あの人は偉大な空母だったんだわ。ねぇ、私強くなりたいのよ」



VAVA「お前には翔鶴もいるし、赤城や加賀という立派な先輩がいるだろうが。先輩から学べ」



瑞鶴「それじゃあ駄目なのよ!!」



VAVA「なら鳳翔だな。経験豊富な上に、指導も上手い。おまけに俺の1万倍は優しいぞ」



瑞鶴「鳳翔さんも悪くないけど、装甲さんがいいの!」



VAVA「強情な…」



イオナ「問題児」



瑞鶴「エースよ!信じて提督。私があの人に師事したら加賀さんなんてあっという間に追い抜いて見せるわ。この瑞鶴こそが、空母艦娘のニューリーダーよ!」



VAVA「……ふむ、そこまで言うか」



瑞鶴「…」

423 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:28:43.89 ID:O6r+XosK0


VAVA「向こう見ずな馬鹿のようだが、その反骨精神。気に入った」



瑞鶴「!」



VAVA「いいだろう。装甲にはお前の専属教官になるよう命令を与える。これで満足か?」



瑞鶴「期限は?」



VAVA「お前が決めろ」



瑞鶴「ありがとう提督!大満足!!私、あなたの事誤解してたわ。こんなに話がわかる人だったのね」



VAVA「一言余計だ」



瑞鶴「ごめんなさい」ペコリ…



VAVA「所で、お前は妙に加賀につっかかっているようだが、加賀は嫌いか?」



瑞鶴「だいっきらい!あの澄ました態度が気に食わない!!」



VAVA「クッククククク……そうか」



瑞鶴「?」



VAVA「頑張れよ。用が済んだのなら行け」



瑞鶴「はい!」



バタン!ダダダーーー!!

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