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霧切「多重人格探偵キョウコ」
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1 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/15(月) 12:50:00.73 ID:ahSOAhn+0
気がつくと、どこまでも真っ白な部屋にいる。
足元には、小さなテレビが一つ。
『……ザザッ、…える、か……う、…ザッ……子……』
砂嵐の中、声がする。
『ザーッ……そへ……くん、だ……ザザッ』
『僕の、ザザッ…名前は……』
ザーーーーーー…
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1494820200
2 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/15(月) 12:50:34.21 ID:ahSOAhn+0
※多重人格探偵サイコとのクロス
※トリックは期待しないでクレメンス…
※安価はない
3 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/15(月) 12:51:02.63 ID:ahSOAhn+0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
……ガタンゴトン、ガタンゴトン……
霧切 「……ん?」パチッ
霧切 「ここは……」
霧切 (なんだか、すごく不思議な夢を見ていたような気がする…)
霧切 (私としたことが、電車の中で無防備に寝てしまうなんて。
やっぱり緊張しているのかしら?)
霧切 (近代的なデザインの車内には、ラッシュ時だというのに、ほとんど乗客がいない。
それもそうね。この路線を使うのなんて、【学園関係者くらい】だもの)
『本日も銀座線直通、希望ヶ峰線をご利用くださいまして、ありがとうございました』
『次は、希望ヶ峰学園東門、希望ヶ峰学園東門……終点です』
プシュー…ガタンッ
霧切 「よっ……と、重いっ…!」ガコッ
霧切 (やっぱり、荷物だけ先に送っておけばよかった……)ズルズル
霧切 (近代的なデザインの駅を出て、目の前にそびえたつのは。
【希望ヶ峰学園】――ありとあらゆる分野で【超高校級と呼ばれる生徒たちを集め、
その才能を研究する】超法規的な教育機関……)
霧切 (ここを卒業すれば、人生の成功が約束される、まさに【希望】の学園)
霧切 (入学する生徒たちは、【超高校級のアイドル】であったり、【超高校級の野球選手】であったり、
はたまた【超高校級の文学少女】【暴走族】……さまざまな才能を持っている)
霧切 (そんな学園に、私……霧切響子も、足を踏み入れようとしていた)ペラッ
4 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/15(月) 12:51:29.03 ID:ahSOAhn+0
『霧切響子様
あなたを超高校級の××として、当学園への編入を認めます』
霧切 (入学案内と校舎を見くらべて、私は背筋を伸ばした)
霧切 (その瞬間)
ぐにゃり…
霧切 「!?」
霧切 (視界がぐるりと回転して、頭の後ろがすうっと引っぱられる)
霧切 (倒れる、と思う前に。私の意識は闇に包まれた)
【Prologue:ようこそ絶望学園】
霧切 「……」
霧切 「……?」パチッ
気がつくと私は、机に突っ伏していた。
不自然な姿勢だったせいか、体のあちこちが痛い。
霧切 「ここは……【教室】?」
周りを見渡す。とても落ち着いて勉強できるとは言いがたい内装ね。
窓には分厚い鉄板が打ちつけられ、黒板の上には監視カメラのレンズが光っている。
壁紙はサイケデリックな色合いで、薄暗いのもあいまって、不気味な雰囲気。
霧切 「うっ…!」ズキッ
頭のどこかが、にぶく痛んだ。
ここに来るまで、私は何をしていたのかしら?
全ての記憶が、まるで夢の中の景色みたいにあやふやで、そんなような気もするし、
そうではなかったようにも思える。
霧切 「……まずは、ここから出ましょう。考えるのは後でもできるわ」ガラッ
自分に言い聞かせるようにして、教室のドアを開いた。
5 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/15(月) 12:52:16.50 ID:ahSOAhn+0
カツン、カツン…
霧切 (おかしい。さっきから誰ともすれ違わない。それどころか、人の気配すらない)
霧切 (ここは本当に希望ヶ峰学園なの……?)
一人分の靴音だけが響く廊下。やがて、大きな扉の前に出た。
開きっぱなしの扉から中へ入ると、ざわめいていた人たちが一斉に私を見る。
??? 「あ、新しい人来たよ!女の子だ!」
??? 「これで最後か…新入生はたしか15人だったな。ということは、これで全員か」
??? 「おい、オメーなんか知らねえか?」
霧切 (赤いジャージを着たポニーテールの女子と、眼鏡をかけた精悍な顔つきの男子。
そして、リーゼントに学ランの男子)
霧切 「ごめんなさい、私もさっき目覚めたばかりで……」
??? 「じゃあ、オメーもか?」
霧切 「……もしかして、私以外にも同じような状況の人がいるの?」
??? 「うん!ここにいるみんながそうだよ!!学園に入ろうとしたら気絶しちゃって……で、
気がついたら教室で寝てたの」
赤いジャージの彼女が答えてくれた。
つまり私たちは、異常事態に巻きこまれているらしい。
分かったのはそれだけだった。
6 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/15(月) 12:52:45.77 ID:ahSOAhn+0
一旦切ります
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/16(火) 11:33:19.40 ID:tRSpQh9jO
サイコクロスとか期待
8 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:05:05.62 ID:hJHl6NVe0
安価なしって書いたけど
非日常編のキャラ選択安価はしようか
__________
霧切 (たしか、彼女は……"超高校級のスイマー"ね。向こうにいるのが"野球選手"と"アイドル"……
おさげの彼女は"文学少女")
私は目線だけを動かして、
テレビや雑誌で見た顔と照らし合わせていく。
"占い師"の彼は、とある組から"娘を騙した男を探してくれ"と依頼されたことがあった。
霧切 (見た目から言って、リーゼントの彼が暴走族。セーラー服の彼女が"格闘家"。
眼鏡の彼が"御曹司"。派手な彼女は"ギャル"……腕章から彼が"風紀委員")
消去法で、ゴスロリの彼女は"ギャンブラー"。太った男子は"同人作家"ね。
霧切 (プログラマーは長時間パソコンの前に座るため、若くても腰に歪みがある。
男性的な骨格でありながら、内股。……ひときわあの人が"プログラマー"ね)
もう一人のパーカーを着た彼は、まばたきが多く、しきりに指先を動かしている。
心の中では前向きな気持ちと不安がせめぎ合っているんでしょう。
おそらく毎年抽選で選ばれる"幸運"枠。
霧切 「ふう……だいたいみんなのことは分かったわ」
ここまで、わずか10秒。
朝日奈 「す、すごいね……まだ誰も自己紹介してないのに」
石丸 「そういえば、君の名前はまだ聞いていなかったな!
僕は【石丸清多夏】。超高校級の風紀委員だ、君は?」
霧切 「私は霧切響子。才能は…」
バチンッ!
霧切 「うっ…!」ズキッ
石丸 「、どうした霧切くん!」
不二咲 「だ、大丈夫…?」
霧切 「平気よ…ちょっと立ちくらみがしただけ……」
霧切 「私は…超高校級の……」
『霧切響子様
あなたを超高校級の××として、当学園への編入を認めます』
霧切 「……何だったかしら?」
思い出せない。
たしかに私にも用意されていたはずなのに。
霧切 「入学案内書を見れば……ない?」
ジャケットのポケットは空だった。
石丸 「まさか…覚えていないというのか?そんなことが「ありうるだろう」
十神 「15人が一斉に意識を失い、封鎖された学園ホールへ集められた……そんなことが
ありえたんだ。才能を忘れたボンクラが一人いたくらいで驚きはしないな」
??? 「そ、そんな言い方…!」
自分でもとんだボンクラだと思っているのだけど、
パーカーの彼は予想していたより優しい人であるらしい。
9 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:05:38.95 ID:hJHl6NVe0
霧切 「そういえば、あなたは?」
??? 「えっ?あ、そっか。僕はどこにも情報が出てないから…」
苗木 「僕は【苗木誠】。"超高校級の幸運"らしいんだけど……正直、あまり実感ないかな」スッ
霧切 「そう。…よろしくね」ギュッ
苗木 「うん。これからよろしく、霧切さん」
握手をしている間も、私の中では形のない不安が揺らいでいた。
『キーン・コーン.カーン.コーン…』
それが形になったのは、場違いなほど明るいチャイムが鳴った時。
??? 『あー、あー、マイクテスッ、マイクテスッ!』
??? 『大丈夫?聞こえてるかなあ?』
??? 『えーっ、ではでは…新入生のみなさん!』
??? 『今から【入学式】を執り行いますので、至急【体育館】までお集まりください!』
葉隠 「な、なんだ…やっぱただのドッキリだったんだべ!!」ヘナッ
朝日奈 「私はビビってなんかいなかったからね!」
石丸 「では、体育館へ向かうとしようか!」
ゾロゾロ…
十神 「……まさか本気で、これがただのお遊びだと思っているんじゃないだろうな?」
霧切 「あなたも、予感があるの?」
十神 「ああ、お前たちも見たはずだ。窓の鉄板、監視カメラ、人気のない学園……」
十神 「これだけのことを、たった15人の新入生を驚かせるためにやってのけるのか?」
十神 「なにか、【とてつもない悪意】を感じるがな…」
10 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:06:07.57 ID:hJHl6NVe0
それでも、言われたとおり体育館へ向かうほかない。
廊下にも、たどり着いた体育館にも、やはり私たち以外の人の気配はなかった。
山田 「およよ?なにゆえボールや跳び箱が出っぱなしなのでしょう」
セレス 「まさかこれでレクリエーションをしろとでも?」
??? 『当たらずしも遠からず、ってとこかなあ』
苗木 「っ、さっきの声…!」
大和田 「クソッ、どっから見てやがる!!!」
??? 『ここだよ。こ.こ』
霧切 (それは、血の通わない機械のようで…)
腐川 「い、いつまでこんなお遊びに付き合わせる気…!?」
葉隠 「そーだそーだ!ドッキリってんならさっさとネタバラししろってーの!!!」
??? 『うぷぷぷ…ほんとにせっかちなんだから』
??? 『まあ、ちゃんと全員集まってくれたみたいだし、そろそろ始めちゃおっか!!』
霧切 (どこかに人間くさい悪意を感じる、ちぐはぐな声音だった)
〜♪
〜♪
〜〜〜〜♪
ボヨヨヨヨーーン
??? 『オマエラ、おはようございます!!』
石丸 「おはようございます!!!」
苗木 「えっ…あれ、なんだ?……ロボット?」
桑田 「テディベアじゃねーの?」
モノクマ『ロボットじゃないよ!ボクは【モノクマ】だよ!!オマエラの、学園長なのだー!!」
朝日奈 「クマが喋った!!」
モノクマ『だからさあ、クマじゃなくてモノクマ!ボクをあんな大量生産のクマモドキと
一緒にしないでよ!!」
十神 「馬鹿な…我が十神財閥でもあそこまでの技術力は…」
山田 「ううむ、思わず無機物萌えに目覚めそうなフォルムですなぁ」
11 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:06:35.53 ID:hJHl6NVe0
モノクマ『はぁ…分かってたけどさ。あまりに予想通りのリアクション。
ネジが何本か飛び出ちゃいそうだよ』
霧切 (血が通わない中に、人間くさい悪意を感じさせる声……)
霧切 (それが、この異常事態とあまりによく合っていて……)
霧切 (私の中にあった形のない不安は、いつしか冷たい恐怖へと変わっていた)
モノクマ『いいかい、ボクにはねえ。NASA主導で開発された人工知能と、
78個のアクチュエータが搭載されていて……』
モノクマ『…って、ちびっこたちの夢をデストロイするようなセリフを
言わせないでほしいクマー!!』
しーん…
葉隠 「あー、やっぱロボットってことでOKなんか?」
霧切 「そこはどうでもいいわ」
モノクマ『しょぼーん…どうでもいいってハッキリ言われちゃうと、
モノクマちょびっとハートブレイク…』
モノクマ『じゃあ、時間もないことだし、さっさと入学式を始めちゃうでゴザルよー!!』
桑田 「キャラがブレてねーか…?」
モノクマ『えー、それではっ!これより入学式を始めます!』
モノクマ『まずはじめに…えー、オマエラのような才能あふれる超高校級の生徒たちは、
世界の宝!人類にとっての【希望】に他なりません!』
モノクマ『そんな素晴らしい希望であるオマエラを守るため、オマエラには…』
モノクマ『この【学園の中だけで】、共同生活を送ってもらいます!』
モノクマ『みんな仲良く暮らすように!!』
苗木 「え…?」
モノクマ『さて、その共同生活の期限についてなんですが…ありませんっ!!
オマエラは【一生ここで暮らしていく】のです!!」
山田 「い、今なんと…一生、ここで……?」
舞園 「…っ、冗談じゃありません!私は外でやらなきゃいけないことが…!!」
モノクマ『だいじょーぶ、だいじょーぶ!ボクはお金持ちだから、君たちに不自由はさせないし!
食料も物資も心配ナッシング!!』
葉隠 「マ、マジか…?食うに困んねえんだったら、俺としちゃ借金とりも来ねえし
万々歳だべ!!」
大神 「待て。にわかには信じられん…何ゆえ我らが閉じこめられねばならんのだ?」
モノクマ『ひどいなあ、人を誘拐犯みたいに。あ、この場合は【クマを誘拐犯みたいに】ってほうが
正しいのかな?』
モノクマ『慣れれば快適だよ!たしかに外の空気は吸えないし、青空も見えないけど、
住めば都っていうじゃない?』
モノクマ『何日かすれば帰りたくなーい、ってなるかもね!』
12 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:07:04.19 ID:hJHl6NVe0
山田 「ええええ!?コミケに行けないなんて拷問じゃありませんかあああ!!」
桑田 「ちょっと黙ってろブーデー!まだなんか言ってんぞあいつ!」
モノクマ『そうそう。ちゃんとクマの話は最後まで聞こうね。大事なのはこっからなんだからさあ』
十神 「ここから…?」
モノクマ『うん。さっきボクは【一生ここで暮らしていく】って言ったけど……
実はね。ないわけじゃないんだよ。こっから出る方法』
舞園 「本当ですか…?」
モノクマ『うん。心優しいボクは、この学園生活に満足できない人のために、【特例】を設けたのです!
それが【卒業】というルール!!』
モノクマ『では、このルールについて簡単に説明していきましょう!!』
モノクマ『オマエラにはこの学園での永久生活が義務づけられたわけですが……共同生活に一番大事なものは、
【秩序】です!!』
モノクマ『もし、その秩序を破った人が出た場合…その人物だけは、学園から出て行ってもらうことになります!!』
モノクマ『それが【卒業】のルールなのです!!』
セレス 「その【秩序を破る】とは、どういうことですの?」
モノクマ『うぷぷぷぷ…それはね……』
モノクマ『【人が人を殺す】ことだよ…』
霧切 「こ、殺す……?」
苗木 「人を……!?」
モノクマ『イエース。刺殺扼殺絞殺撲殺惨殺毒殺溺殺薬殺呪殺……殺し方は問いません』
モノクマ『誰かを殺した生徒だけが、ここから出られる…ただそれだけの、単純なルールだよ』
霧切 (背筋がぞわっと泡だった)
霧切 (その言葉が出た瞬間、みんなの中にあった不安が、ハッキリと形を持って共有されたのが分かった)
江ノ島 「ハァ?マジありえないんですけど…人を殺すとか、無理に決まってるって!」
モノクマ『うぷぷぷぷぷ…!さっきも言ったでしょ?君たちはいわば【人類にとっての希望】なわけだけど…
そんな【希望】同士が殺し合う【絶望】的シチュエーション…それって』
モノクマ『ワックワクの、ドッキドキだよね!!』
江ノ島 「聞いちゃいないし」
13 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:07:30.82 ID:hJHl6NVe0
霧切 (ペラペラとまくしたてるモノクマに、私たちはただ立ち尽くすしかなかった)
霧切 (だけど、一人だけ…)
大和田 「さっきから聞いてりゃ好き勝手言いやがって…ふざけんじゃねーぞ!!!」
モノクマ『ふざける?それって君の髪型のこと?』キョトン
大和田 「テメェ…!決めた、ボッコボコにしてやる!!!」ムギューッ
モノクマ『いたたたたっ!!暴力はんたーい!!!』
霧切 (教壇の前に立った大和田くんが、モノクマの両耳をつかんで引っぱる)
霧切 (それを見た瞬間、私の中にあった不安が、けたたましい警告音を鳴らした)
ピコーンピコーン
大和田 「あ?なんだこの音…」
霧切 「危ない!!今すぐそれを離して!!」
大和田 「あ、ああ!?」ブンッ
霧切 (私の大声に驚いたのか、大和田くんは反射的にモノクマを――)
霧切 (ぶん投げた)
ピコーンピコーンピコー…
ドッカアアアーーン!!!
大和田 「んなっ!?」
パラパラ…
苗木 「ば、爆発した……?」
江ノ島 「い、今…離さなかったら、大和田が…?」
モノクマ『ふーっ。危なかったねえ大和田君。学園長への暴力は校則違反だよ?』ニュイッ
大和田 「どっから湧いて出やがった…!」
モノクマ『ボクの慈悲深さに感謝しなよ?クマの顔も三度までってね』
石丸 「やめたまえ!さっきの爆発を見ただろう!?」
江ノ島 「そーだよ大和田!まずは霧切にお礼言うのが先っしょ!」
大和田 「ぐっ…分かったよ…えーと……「霧切響子よ」ありがとな、霧切…おかげで助かったぜ」
霧切 「どういたしまして、大和田くん」
霧切 (素直にお礼を言われると、ちょっとうれしい)
霧切 (だけど、今の爆発で分かった。このモノクマは、私たちに危害を加えることをためらわない。
……逆らえば、何が起こるか分からない)
14 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:08:01.60 ID:hJHl6NVe0
葉隠 「わ、わけ分かんねーべ…殺すとか、なんとか…」
モノクマ『あのねえ、ボクがさっき説明したのが全てであり、一なんだよ。
今日からはここがオマエラの学校であり、家であり、世界なんだ』
モノクマ『分かんない、分かんないって、ちょっとは自分の頭で考えてみなよ』
モノクマ『何かを得られるのは、何かを失う覚悟のある人間だけだよ!!遠慮なく、殺って殺って
殺りまくっちゃえってーの!!!』
モノクマ『うぷぷぷぷぷぷぷ……』
霧切 (私たちは自然と、お互いの顔を見合わせた)
霧切 (きっと相手の表情がそのまま自分の表情になっているのだろうと思う)
霧切 (この日、私たちの運命が動き出した)
霧切 (学園の――私たち自身の真実を、解き明かす方向へ)
15 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:08:28.11 ID:hJHl6NVe0
プロローグ
ようこそ絶望学園
【END】
16 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:08:55.86 ID:hJHl6NVe0
生き残りメンバー 15人
【霧切響子】
【苗木誠】
【舞園さやか】
【桑田怜恩】
【江ノ島盾子】
【大和田紋土】
【山田一二三】
【セレスティア.ルーデンベルク】
【石丸清多夏】
【十神白夜】
【腐川冬子】
【不二咲千尋】
【大神さくら】
【葉隠康比呂】
【朝日奈葵】
17 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/16(火) 12:09:34.54 ID:hJHl6NVe0
>>7
ありがとう
でも今のところはちょこちょこ学窓のことが出てくる程度かもしれない
霧切主人公の再構成といった方がいいかも
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/16(火) 18:54:01.45 ID:rFW9AMb5O
いきなり全力でぶっ込んでいくと推理ものの要素無くなっちゃうし多少はね?
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/16(火) 19:02:01.47 ID:XJqrj8J5O
乙、被害者とクロは違う感じ?
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 22:02:13.59 ID:1dfsGhXd0
>>18
サイコは推理要素薄いから...
こういうのはあれかな、設定クロスっていうのかな
>>19
再構成考えてた時の組み合わせだから
クロも被害者も違うよ。
サイコでデストルドーって言葉を知った。
21 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/17(水) 14:32:14.68 ID:QqU8sqSQ0
◆ 校則 ◆
1 生徒たちはこの学園の中で共同生活を送りましょう。なお、共同生活の期限はありません。
2 夜10時から朝7時までを『夜時間』とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、ご注意ください。
3 就寝は寄宿舎にある各自の個室のみ可能です。廊下を含む他の部屋での故意の就寝は、
校則違反とみなし罰則を与えます。
4 この学園について調べるのは自由です。制限はありません。
5 学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。
6 『錠剤』は用法、用量を守って正しく服用しましょう。
7 仲間を殺したクロは『卒業』となりますが、自分がクロだと仲間に知られてはいけません。
8 なお、校則は増えていく場合があります。
【食堂】
大和田 「クソッ!!わざわざ【校則】なんて作りやがって!!」ググ…
霧切 (大和田くんは腹だたしげに奥歯を噛みしめて、電子生徒手帳を握りしめる)
霧切 (さっきの爆発で、うかつな行為は危ないと分かったみたいだけど…全身から悔しさをにじませていた)
十神 「しかし、今のところ俺たちはモノクマに対抗する術を持たない。
とりあえずは従っておいた方が賢明だろうな」
霧切 「…そうね」
霧切 (あのあと、【電子生徒手帳】という小さなタブレット端末が配られた)
モノクマ『その電子生徒手帳は、学園生活に欠かせない大事なアイテムだから、絶対になくさないようにね!』
霧切 (ここに、プロフィールとして私の才能が書かれていないか期待したけど……なかった)
霧切 (電子生徒手帳で分かるのは個人の名前だけ。【才能は表示されない】みたいね)
霧切 (つまり、才能はすべて自己申告…といってもみんな有名人だけど。
私は地道に思い出すしかないのかしら。気が重いわ……)
モノクマ『ちなみに、その電子生徒手帳は超ハイテク!完全耐火性で、ゾウが踏んでも壊れないすぐれもの!!
くわしい【校則】も載ってるから、その少ない記憶容量にしっかり叩きこんでおくよーに!!!』
霧切 (モノクマはそれだけ説明して、また姿を消した)
霧切 (そのあと、石丸くんが「食堂で話し合いをしよう!」と言い出して…今にいたる)
22 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/17(水) 14:32:43.75 ID:QqU8sqSQ0
腐川 「ね、ねえ…あんた、【超高校級の格闘家】なんでしょ…その無駄についた筋肉で
どうにかならないわけ?」
大神 「玄関ホールへ来る前に試したが…教室の鉄板は固かった。【我の力でもびくともせん】」
腐川 「ふん……肝心な時に役立たずな才能ね」
朝日奈 「腐川ちゃん、酷いよ!」
桑田 「ま、こーなったらしばらく監禁生活楽しもうぜ」
霧切 (軽口を叩く桑田くんだけど)
霧切 (そこまで呑気に考えられるほど、誰も……大人じゃない)
大和田 「なあ、だいたい話し合いも終わったしよ。ちょっと探索してこねえか?
【俺たちの部屋】もあるみてえだしな……」
石丸 「むっ?それは別に構わないが…君がそんなことを言い出すとは思わなかったな」
大和田 「いや…なんつーか、オメーを見てたらよ。【こうしなきゃいけねえ】って
声がすんだ。頭のどっかで」
霧切 「……?」
大和田 「……なんでもねえ」
石丸 「では、男女でペアを作らないか?モノクマが何をしてくるか分からない。だが、
15人で固まって動くのも効率が悪い」
大和田 「そう言い出すと思って、あみだ作っといたぜ」パッ
石丸 「すごいな君は!エスパーか!!」
舞園 「」
霧切 (私は……彼とペアになったみたいね)
安価でペアになった人の名前(男子限定)↓1
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/17(水) 14:34:29.52 ID:s6PV2AL+o
桑田
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/17(水) 16:53:10.52 ID:wl9SF0Oz0
サイコなつい(´・ω・`)
面白そう
25 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/17(水) 21:11:40.07 ID:hOlm8Py+0
>>23
二次でも見ない組み合わせだ
霧切 「……桑田くん、よろしく」
桑田 「分かった。行こうぜ」
苗木 「あ、僕は舞園さんとだ」
舞園 「よろしくお願いしますね、苗木くん」にこっ
舞園 「……」チラッ
霧切 (今、桑田くんを一瞬だけ睨みつけたような……)
桑田 「オレらの担当は【寄宿舎】だってよ。自分の部屋だけ見てこいってさ」ペラッ
霧切 (もしかして大和田くんは、記憶のあやふやな私に気を遣って
一番楽なエリアを割り当ててくれたのかしら)チラッ
腐川 「こ、来ないでよ……あんたみたいに教養のない男の思考回路なんて、
決まってるんだから……」ビクビク
大和田 「さすがのオレでも傷つくぞ!」
霧切 (……聞くのは野暮ね)フッ
【寄宿舎エリア】
霧切 「……角部屋。隣は苗木くん、向かいは石丸くん……治安のよさそうな並びだわ」
桑田 「じゃ、これオメーの部屋の鍵な。オレは自分の部屋見てくっから「待って」ガシッ
霧切 「中に爆弾が仕かけられていたり、落とし穴があったりするかもしれないわ。
私たちが男女ペアになっている理由をもう忘れたの?」
桑田 「……まさか、オレに盾になれってか?」
霧切 「ええ、そうよ」キリギリッ
霧切 「お願い。そのかわりあなたの部屋に行くときは私が先に入るわ」ジーッ
桑田 「うっ……わ、分かったよ!」ガチャッ
26 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/17(水) 21:12:08.95 ID:hOlm8Py+0
【霧切の部屋】
桑田 「……何もねーか」ホッ
霧切 (予想に反して、そこはごく普通の部屋だった)
霧切 「……よかった、さすがにここにはついてないのね」ガチャッ
霧切 (着がえはシャワールームでするしかないらしい。
常に監視されるなんて、欠伸もうかうかできないわね)
桑田 「なんつーか…息がつまる感じだな」
霧切 「換気ができないのは辛いわね。……私のトランクはどこに行ったのかしら」キョロキョロ
霧切 (ベッドの上に段ボールが一つだけあった。中には着がえや洗面用具が乱雑に入れられている。
おかしい……私はきちんと畳んで入れたはずなのに)
霧切 「なぜ私の荷物はなかったか……教室へ運ぶあいだに荷物だけ処分したと考えるのが自然ね。
つまり、私の荷物の中に何か不都合なものがあったか、それとも目的は……」
桑田 「おい名探偵、いーからさっさと荷物出せって」
霧切 「!!」ピーン
桑田 「……霧切、どした?」
霧切 「いえ。【名探偵】…って、いい響きだって……思って」
桑田 「あ、ベッドの下になんか落ちてっぞ」ゴソゴソ
霧切 「!出してみて、なにかの手がかりかもしれないわ」
霧切 (しかし。期待に反してベッド下から出てきたのは)
【世界の傑作ミステリ モルグ街の殺人】
霧切 「……桑田くん。ヒマで辛いならこれでも読んでいて」
桑田 「お、おう」ペラッ
霧切 「……」ガタッ、ドサッ
桑田 「……」ペラッ
霧切 「……」スッ、バサバサッ
桑田 「ハァ!?オランウータンってアリかよ!……くっそ、全然分かんなかった!」パタンッ
霧切 (間がもたないし、何か聞いてみようかしら)
霧切 (彼の人となりはだいたい分かったけど、やっぱりあの舞園さんの態度は引っかかるわ)
27 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/17(水) 21:12:37.64 ID:hOlm8Py+0
霧切 「舞園さんと……何か、喧嘩でもしたの」
桑田 「それがよー、フツーに自己紹介してちょっと喋っただけなんだけど、
いきなりムクれてどっか行っちまってよ」
霧切 「……どんな話を、していたの」
桑田 「やっぱり将来は野球選手ですよね?って聞かれてさ。いやー、野球とかダッセーし、
ミュージシャンとかカッケーだろって言ったの」
霧切 「もしかして、好きな女の子が音楽好きだから……とか?」
桑田 「当たり。行きつけの美容室のお姉さん」
霧切 「モテたいから音楽を始めたアーティストなんて、たくさんいると思うけど。
……舞園さんはきっと、その言葉が気に食わなかったのね」
桑田 「マジかよ…」
霧切 「あなたの心はあなたのもの。舞園さんの心は、舞園さんのもの。
どちらがいい、悪いとか……こうするべきという答えは、ないんじゃないかしら」
桑田 「……なんか、霧切ってすげーな。……オレなんかより、ちゃんと考えてるし」
霧切 「そんなことないわ。ただ……常に何かを考えていないと、不安なだけ」
【桑田の部屋】
霧切 「……いい?開けるわよ」ガチャッ
桑田 「なんもねーか」ホッ
霧切 (間取りは同じはずなのに、インテリアはまるで違う。私の予想に反して、
ダッシュボードには地区大会のトロフィーやサインボールが飾られていた)
霧切 「好きなのね、野球」
霧切 (モノクマが勝手に荷物を開けてインテリアを作ったのかしら。私の部屋と違って、
着がえはちゃんと畳まれているし、備えつけの棚には色々なものが並べられている)
28 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/17(水) 21:13:08.34 ID:hOlm8Py+0
霧切 「あら、【レコード】なんて聴くの?意外ね」
桑田 「はっ?オレはホロヴィッツなんか聴かねえって。十神あたりのがまぎれこんだんじゃねーの?」
霧切 「……」
桑田 「あれ?針んとこに写真はさまってる。オレと……ダメだ、【半分切れてて】もう一人は分かんねえ」
霧切 「あなたの肩に回っている手の持ち主のこと?男性のようだけど」
モノクマ『その写真が気になる?』ヒョイッ
桑田 「うわあっ!!」
モノクマ『でもダーメ!そこから先は袋とじのお楽しみってね!』
モノクマ『ほら、【校則】にもあったでしょ?』
4 この学園について調べるのは自由です。制限はありません。
モノクマ『オマエラがもし、【真実を知りたい】っていうんなら、ボクは邪魔しないからさ。
好きにするといいよ』
霧切 「あなたは、私たちを殺し合わせたいんじゃないの?」
モノクマ『いやだなあ…【ただ人が死ぬのなんて、当たり前のことじゃないか】。霧切さんは
ひたすら石コロを映しただけの映画を見て笑えるの?』
モノクマ『うぷぷぷ…ま、せいぜいがんばってよ。ボクは応援してるからね!』ボヨヨーン
桑田 「言うだけ言って消えやがった……」
霧切 「そろそろ時間だし、食堂に戻りましょう。これ以上の発見はないわ」
桑田 「そ、そうだな」
霧切 「……どうしたの?」
桑田 「や、なんでもねえ。行こうぜ」
29 :
◆v9KwPpkg7g
[saga]:2017/05/17(水) 21:13:42.25 ID:hOlm8Py+0
今日はここまで
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