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【艦これ】加賀「あなたが好き」 瑞鶴「」
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168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 16:20:57.09 ID:9wB/ob080
加賀「そろそろ10時ね。ちょっと早いけど行きましょうか」
瑞鶴「うん。そういえば加賀さん、何分前に来たの?」
加賀「30分前」
瑞鶴「早くない?」
加賀「楽しみすぎて気持ちが抑えきれなかったの」
瑞鶴「……赤城さんの前で嫌そうな顔できた?」
加賀「努力はしたわ」
瑞鶴「めっちゃ不安なんだけど……」
スタスタ
青葉「……」コソコソ
青葉「……」スタタタッ
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 16:23:09.52 ID:9wB/ob080
――――――――
――――――
――――
ワイワイ ガヤガヤ
加賀「久々にここへ来たわ」
瑞鶴「加賀さん、休日はほとんど鎮守府で過ごしてるもんね」
加賀「瑞鶴はよく来るんでしょう」
瑞鶴「うん。翔鶴姉や二航戦、軽空母の娘たちと遊びに」
瑞鶴「ってか何で知ってるの?」
加賀「その娘たちから話を聞くのよ。今日はどこへ行って何を食べたとか」
加賀「ところで、これからどこへ?」
瑞鶴「一応プランみたいなのは考えてるんだ。お昼までまだ時間あるし」
瑞鶴「艦娘のみんなに言い訳したように、買い物でもしようかなって」
加賀「いいわね」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 16:24:25.05 ID:9wB/ob080
瑞鶴「何見る? 服? それとも…」
加賀「行き先は瑞鶴に任せるわ。あまり詳しくないから」
瑞鶴「オッケー、じゃあ行こっか」
――――
瑞鶴「わー、これ可愛いー!」
加賀「ワンピース?」
瑞鶴「暑くなってきたし、新しいの買おうかなって思ってたんだよね」
瑞鶴「でも……高いなぁ」ピラッ
加賀「試着してみたら?」
瑞鶴「んー、いいや。着ちゃうと余計に欲しくなっちゃうし」
瑞鶴「それよりこの服、加賀さんに似合いそう!」スッ
加賀「……派手ね」
瑞鶴「もっと落ち着いたのが好き? じゃあこれは?」スッ
加賀「可愛すぎるわ」
瑞鶴「そうかな、これを着た加賀さん見てみたいけどなー」
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 16:25:52.87 ID:9wB/ob080
加賀「……瑞鶴がそう言うなら、着てみる」スッ
瑞鶴「いいの? ありがと、待ってるね」
スタスタ
――――
加賀「……」
瑞鶴「……」
加賀「ど、どうかしら」
瑞鶴「……可愛い!」
加賀「本当?」
瑞鶴「めっちゃ似合ってる! 予想以上!」
加賀「嬉しい、けど……恥ずかしいわね……スカートが短すぎるし……」カァァ
瑞鶴(いつも着てる服と変わらないと思うけど)
加賀「着替えるわ」
瑞鶴「えー、もったいないなー」
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 16:26:51.00 ID:9wB/ob080
――――
加賀「次は何を見るの?」
瑞鶴「こうやって歩きながら、目に止まった店に入ればいいよ」
瑞鶴「あ! あそこの雑貨屋さん入ってみない?」
加賀「面白そうね。行きましょう」
カランカラン
瑞鶴「……ヘンテコな物が置いてあるね」
加賀「しっ、店員さんに聞こえるわ」
瑞鶴「あ」
瑞鶴「加賀さん、これかけてみて」スッ
加賀「? 大きなサングラスね」
瑞鶴「早く早く!」
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 16:28:11.81 ID:9wB/ob080
スチャッ
加賀「似合うかしら」
瑞鶴「ぷっ!」
加賀「ず、瑞鶴?」
瑞鶴「ごめんっ……なんか加賀さんがそれかけてると面白っ……!」プルプル
加賀「……」
加賀「ポーズも決めてみるわ」キリッ
瑞鶴「ぶふっ!? や、やめてっ……! 笑うとお店に迷惑かけちゃうから……!」プルプル
――――
加賀「これ、素敵ね」
瑞鶴「本当だ。マグカップ? ネコのようなイヌのような」
加賀「何だっていいわ。とても可愛い」
瑞鶴「気に入ったんなら買っちゃえば? 値段もそれなりだし」
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 16:29:49.96 ID:9wB/ob080
一時中断します、19時くらいにまた始めます
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 16:53:26.82 ID:WrAUxcefo
………いい…
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 17:06:55.86 ID:y4txlf3Zo
乙
続きが待ち遠しい
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:02:39.55 ID:HMs47Caeo
この間も青葉の邪な視線が二人を舐るように
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 19:09:58.09 ID:9wB/ob080
加賀「……やめておく」
瑞鶴「どうして?」
加賀「デートは始まったばかりなのに、手荷物になってしまうわ」
瑞鶴「そんなことか。鎮守府に送ってもらえばいいじゃん」
加賀「え?」
瑞鶴「私たちも普段、何か買ったらそうしてるよ? 提督に無駄使いするなよって釘刺されるけど」ハハ…
瑞鶴「店員さんに頼めば手続きしてもらえると思うからさ」
加賀「それなら……買おうかしら」
瑞鶴「オッケー! 聞いてくるね!」スタスタ
――――
カランカラン アリガトウゴザイマシター
加賀「待ち遠しいわ」ワクワク
瑞鶴「よっぽど気に入ったんだね」
加賀「早くあれでお茶を飲みたい」
瑞鶴(コーヒーじゃないんだ。まあそこは個人の自由だけど)
加賀「……!!」ピタッ
瑞鶴「加賀さん、どうかした?」
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:11:57.49 ID:9wB/ob080
加賀「……」ジー
瑞鶴(一体何を見て……)チラッ
瑞鶴(……ゲーセンか)
加賀「ねえ瑞鶴、提案があるのだけれど」
瑞鶴「遊びたいの?」
加賀「……」コクリ
瑞鶴「いいよ。入ろっか」
――――
ウィーン ガヤガヤ フルコンボダドン!
加賀「騒がしいわね」
瑞鶴「そりゃゲーセンだし」
加賀「……」キョロキョロ
瑞鶴「何探してるの?」
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:14:08.01 ID:9wB/ob080
加賀「ゲームセンターといえば、あれよ」
瑞鶴「あれと言われても……クレーンゲームとか?」
加賀「! そうね、それもお約束の1つよ」
瑞鶴(お約束……?)
加賀「あったわ。まずはクレーンゲームね」スタスタ
チャリン
瑞鶴「ぬいぐるみかー。加賀さん、どれ欲しいの?」
加賀「……瑞鶴は」
瑞鶴「?」
加賀「瑞鶴はどれが欲しい? とってあげるわ」キリッ
瑞鶴(ああ、お約束ってこういうことか)
瑞鶴「んーと、じゃあ……あのアザラシのぬいぐるみ」
加賀「任せて」ウィーン
瑞鶴(っていうか加賀さん、クレーンゲームやったこと……)
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:15:03.70 ID:3JVTEt7SO
ぜかまざらし
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 19:16:05.27 ID:9wB/ob080
ウィーン
スカッ
加賀「……」
瑞鶴(無いよね)
加賀「もう一度」チャリン
瑞鶴「無理しないでいいからね」
加賀「任せて」ウィーン
ウィーン
キャッチ
瑞鶴「お!」
加賀「……」ウィーン
ポテンッ
瑞鶴「あー惜しい!」
加賀「なるほど。ぬいぐるみ本体を掴むと難しそうね」
加賀「あの輪っかに引っ掛ければいけるかしら」チャリン
瑞鶴(出撃の時によく見る真顔でクレーンゲームの考察してる)
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:19:07.04 ID:9wB/ob080
ウィーン ウィーン
キャッチ
瑞鶴「すごっ! 綺麗に輪っかに……!」
加賀「……」ウィーン
ガシャンッ
加賀「ふぅ、とれた」ヒョイッ
瑞鶴「加賀さんすごーい! クレーンゲーム初めてでしょ?」
加賀「そうね。でもコツを掴めば難しくはないわ」
加賀「はい、これ」スッ
瑞鶴「ありがとう! わー可愛い……」ギュッ
瑞鶴「大切にするね!」ニコッ
加賀「っ!!」ドキッ
ブハッ
瑞鶴「加賀さん!? 鼻血が吹き出したけど!!」
加賀「そ、そのようね」
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:21:39.80 ID:9wB/ob080
加賀「たぶん瑞鶴の可愛さを直視したせいよ」
瑞鶴「バカなこと言ってないの! ぬいぐるみ持ってて!」スッ
瑞鶴「ティッシュティッシュ……あった!」
――――
加賀「助かったわ」
瑞鶴「はぁ……服に血はつかなかった?」
加賀「大丈夫よ。それより瑞鶴、私思い出したの」
瑞鶴「何を」
加賀「プリクラよ。せっかくゲームセンターに来たのだから、プリクラを撮らないと」
瑞鶴「ああ、なるほどね。鼻にティッシュ詰めたままでいいの?」
加賀「問題ないわ、もう止まったから」スッ
瑞鶴「ちょっ……っと? 本当だ止まってる」
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:24:52.76 ID:9wB/ob080
加賀「やっぱり、瑞鶴の可愛さを直視したことによる一時的な鼻血だったのよ」
瑞鶴「それもういいから! 止まったなら良かったよ」
加賀「さあ、プリクラを撮りましょう」スタスタ
瑞鶴「分かったってば。全く、どれだけ楽しみにしてるの」フフ
――――
チャリン
瑞鶴「えっと、コースは……それと仕上がり……」
加賀「何をしているの?」
瑞鶴「プリクラの設定だよ。あ、背景は何にする?」
加賀「背景?」
瑞鶴「プリクラの背景。色々あるけど」
加賀「ハートはあるかしら」
瑞鶴「あるよ」
加賀「ハートがいい」
瑞鶴「……分かった」
瑞鶴(ま、まあカップルだしね。あとはテキトーに)
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:26:54.37 ID:9wB/ob080
瑞鶴「よし! 加賀さん、撮影始まるからここに入って!」
加賀「もう?」
瑞鶴「もう! 早く!」
イクヨー!
サン ニー イチ パシャッ
――――
瑞鶴「あははっ、加賀さん焦りすぎだってこの顔!」
加賀「仕方ないわ……変顔してなんて急に言われても無理よ」
瑞鶴「このハニワみたいなポーズも面白いし」クスクス
加賀「もう触れないで」カァァ
加賀「というか、目が大きくなっているのは気のせいかしら」
瑞鶴「プリクラってこういうもんだよ。私たちの撮ったやつ、見たことない?」
加賀「無いわね」
瑞鶴「そっか、今度見せてあげるよ! みんな面白い顔してるから」
加賀「……」
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 19:28:39.03 ID:9wB/ob080
加賀「できれば今日がいいわ」
瑞鶴「今日? でも、疲れてすぐ寝ちゃうかも」
加賀「今日しかダメなのよ。だって明日になったら……」
瑞鶴「……あ……」
加賀「……」
瑞鶴「そうだよね……明日になったら、加賀さん……」
加賀「ごめんなさい。せっかくのデートなのに、気落ちしてしまうようなこと」
瑞鶴「ううん、私こそごめんね」
瑞鶴「まだ時間はあるんだし、もっと色んなとこ見て回ろ?」
加賀「……そうね。楽しまなきゃ」
瑞鶴「……」
瑞鶴(そういえば、もし明日加賀さんが元に戻ったら)
瑞鶴(記憶はどうなるんだろ。この3日間のこと覚えてるのかな)
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:30:12.83 ID:9wB/ob080
また明日投下します
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 19:53:06.36 ID:unzTRd5Mo
ずいかが尊い
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 20:09:36.35 ID:myZEzWbe0
気になるところで終わるな……
良いぞ
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 20:29:47.96 ID:8rrQ5p2xO
くそう…くそう…
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 20:57:39.95 ID:wjTcB/h+O
尊い
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 02:40:13.97 ID:YCW4CNCGo
瑞加賀尊い
でも赤翔もいいなって
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 05:53:41.10 ID:LySbDHBOo
>>193
わかってるじゃん
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/29(月) 22:01:34.33 ID:2PtaeWcO0
――2時間後――
瑞鶴「お腹が空いてきたなぁ。そろそろご飯食べない?」
加賀「そうね」
瑞鶴「加賀さんは何か食べたい物ある?」
加賀「私のことはいいわ。瑞鶴のオススメの……場所で……」ピタッ
瑞鶴「本当? じゃあこの近くに美味しいパスタのお店があるんだけど、そこに……あれ?」
加賀「……」ジー
瑞鶴「加賀さん、何を見て……」スタスタ
『挑戦者求む! 巨大ラーメン! 30分以内に完食すれば無料!』
瑞鶴「……」
加賀「……はっ!」ピクッ
加賀「な、何でもないわ。パスタのお店? 楽しみね、行きましょう」
グゥゥゥゥゥ…
加賀「!! 違うのよ、今のは時刻を告げるお腹の音で……!」カァァ
瑞鶴「ここにしよっか」クスッ
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:03:49.93 ID:2PtaeWcO0
加賀「いいえ、瑞鶴のオススメのお店にしましょう」
瑞鶴「でも食べたいんでしょ? ラーメン」
加賀「いいえ」
瑞鶴「よだれ垂れてるよ」
加賀「……」
瑞鶴「ほら、入ろ。私もここで一度食べてみたかったし」
瑞鶴「ね?」
加賀「……」
――――
瑞鶴「へー、結構オシャレ」キョロキョロ
加賀「ごめんなさい。私のワガママで」
瑞鶴「いいって、そんなに落ち込まないで」
加賀「でもデートでラーメン屋は……」
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:04:08.19 ID:wnXFQb9SO
出禁待ったなし
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:07:14.19 ID:2PtaeWcO0
瑞鶴「まあ確かにゆっくりお喋りとかはできないけど、後でカフェに寄ればいくらでもできるし」
瑞鶴「今は美味しい物を堪能しよ!」
加賀「瑞鶴……」
店員「お待たせしました、こちら特製醤油ラーメンです」スッ
瑞鶴「きた! すっごい美味しそー!」キラキラ
加賀「いい匂いね。チャーシューも肉厚で…」
店員&店員「「お待たせしましたー! こちら巨大ラーメンになります!」」
瑞鶴(え、2人がかりで?)
ドンッ!
瑞鶴「でかっ!?」
店員「これから30分以内に完食すれば無料です。準備はいいですか?」ニヤリ
加賀「ええ」
店員「よーい……スタート!」
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:10:09.18 ID:2PtaeWcO0
加賀「いただきます」スッ
瑞鶴「まさかこんなに大きいなんて……大丈夫なの?」
加賀「私のことはいいから、自分のを食べて」
瑞鶴「うん。いただきます」スッ
瑞鶴「ズズッ……んー! 美味しい!」
加賀「箸がどんどん進むわね」ズズズ
加賀「ネギはシャキシャキ、チャーシューはとろける」モグモグ
加賀「極上のスープにコシのある麺、どれをとっても一級品よ」
瑞鶴(解説してる余裕あるのかな)
――――
カランッ
加賀「ごちそうさまでした」フゥ
瑞鶴「……」
店員「……」
加賀「何分経ったかしら」
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:13:42.20 ID:2PtaeWcO0
店員「えっ……あ、20分です……」
加賀「チャレンジはクリア?」
店員「そうですね……おめでとうございます……」ブルブル
加賀「こんな美味しい物を食べることができて無料なんて、驚きだわ」
瑞鶴「あはは……店員さんたちは加賀さんに驚いてると思うよ」
加賀「毎日通いたいくらいね」
店員「!!」
――――
アリガトウゴザイマシター
瑞鶴「にしても加賀さん、普通のペースで黙々と食べてたね」
瑞鶴「大食いってもっとバクバクいくものだと」
加賀「あなたも言ってたでしょう。美味しい物は堪能しないと」
瑞鶴「そうなんだけどさ。まあ加賀さんだからできるのかな」
瑞鶴「……あ!」
加賀「?」
瑞鶴「ごめん加賀さん、ちょっと寄りたいところあるんだけどいいかな」
加賀「ええ、もちろんよ」
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:16:58.06 ID:2PtaeWcO0
――パーツショップ――
加賀「ここは……」
瑞鶴「デートで行くような場所じゃないよね」
加賀「何か買う予定なの?」
瑞鶴「うん。明石さんに迷惑かけちゃったから」
瑞鶴「欲しがってた部品をいくつかプレゼントしようと思って」
加賀「きっと喜ぶわ」
瑞鶴「せめてもの償いだから、喜んで欲しいとかじゃないんだけどね」ハハ…
瑞鶴「ちょっと待っててね。これ終わったら良いところへ案内するから」
加賀「良いところ?」
瑞鶴「着いてからのお楽しみだよ」
加賀「……?」
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/29(月) 22:21:28.23 ID:2PtaeWcO0
――水族館――
瑞鶴「ここ!」
加賀「水族館……行ったことないわ」
瑞鶴「魚の泳ぐ姿がすごく綺麗なんだよ。あとね、ペンギンショーのペンギンが超可愛いのー!」キャー
加賀「……果たして瑞鶴に叶うのかしら……」ボソッ
瑞鶴「え? 今なんて言ったの?」
加賀「何でもないわ。私もワクワクしてきた、早く入りましょう」
瑞鶴「うん!」
スタスタ
加賀「……綺麗ね。本当に」ボー
瑞鶴「でしょ? 魚の群れ、ずっと見ていたくなるよね」
瑞鶴「あ、見て見て! カワウソ!」
瑞鶴「はー、可愛すぎでしょマジで……抱っこしてみたいなぁ……」
加賀「……私は瑞鶴を抱っこしてみたい」ボソッ
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:22:25.94 ID:2PtaeWcO0
ここまでで
読んでくださってありがとうございます
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 22:32:21.53 ID:niFgvcfUo
乙
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/30(火) 02:03:11.95 ID:yXM4p9Tco
乙
加賀さんも瑞鶴もかわいいなぁ
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/30(火) 17:07:55.18 ID:hUKdTbnE0
今日から木曜日まで0時更新になりそうです
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/31(水) 00:02:13.47 ID:kKiQoscb0
瑞鶴「ね、加賀さんもそう思うでしょ?」
加賀「えっ。ええ……そうね」
加賀「この子なんて、お腹を見せて眠ってる」
瑞鶴「もう可愛さ凶器だよね。そういえば、翔鶴姉もカワウソにメロメロだったなぁ」
瑞鶴「顔を緩ませて、『離れたくない! ずっとここにいるわ!』なんて言ってさ」クスクス
加賀「簡単に想像できるわ」フフフ
――――
係員「それでは、成功したら拍手をお願いしますね!」
係員「ペンギンさんの滑り台でーす!」
スイー
瑞鶴「か、可愛いすぎる……」パチパチパチ
係員「次はハードルを飛び越えまーす」
ピョンピョン
係員「はいよくできましたー!」
瑞鶴「可愛いー! すごーい!」パチパチパチ
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 00:05:12.72 ID:kKiQoscb0
加賀「上手ね」
瑞鶴「ねー! それにピョコピョコ歩いてるのがもう……!」
加賀「たまらなく可愛いわ」
瑞鶴「言葉にならないくらいにね! あー抱っこしてみたい」
加賀「ふふ」
――――
――2時間後・カフェ――
瑞鶴「ふー……楽しかったね」
加賀「ええ、とっても」
瑞鶴「カワウソとペンギンの可愛さが頭から離れない」ハァ…
加賀「……」
加賀「瑞鶴、誘ってくれてありがとう」
瑞鶴「うん、喜んでもらえて良かったよ。あの水族館すごく人気だから、加賀さんにも…」
加賀「水族館もそうだけど、デートに誘ってくれたことにお礼を言いたいの」
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 00:07:35.25 ID:kKiQoscb0
加賀「こんなに素敵な時間を過ごせるなんて、もう死んでもいいわ」
瑞鶴「そ、そんな大げさな……」
コソコソ
青葉「……」ジー
瑞鶴「ん?」
青葉「!!」ビクッ
サササッ
瑞鶴「……」
加賀「どうしたの?」
瑞鶴「いや……何でもない。私の気のせい」
瑞鶴「それより、まだまだ時間はあるんだからたっぷり楽しもう!」
加賀「まだ何か予定があるの?」
瑞鶴「予定ってほどじゃないけど、この近くに展望台があってね」
瑞鶴「そこから見る夕日がめちゃくちゃ綺麗なんだ。加賀さんに見せたいと思って」
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 00:10:02.18 ID:kKiQoscb0
加賀「夕日……見てみたいわ。でもまだ時間があるわね」
瑞鶴「うん。だからそれまでブラブラして、色んなこと見ながらお喋りしようかなって」
瑞鶴「景色の良い場所がたくさんあるから」
加賀「いいわね。賛成よ」
瑞鶴「それじゃ、これ飲んだら行こっか」
加賀「……」
加賀「瑞鶴、頼みがあるの」
瑞鶴「なに?」
加賀「そのカプチーノ、一口くれないかしら」
瑞鶴「……これストローなんだけど」
加賀「知ってるわ」
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 00:13:22.24 ID:kKiQoscb0
瑞鶴「……」
加賀「……ごめんなさい。調子に乗ってしまった」
加賀「間接的とはいえキスだものね、許して」
瑞鶴「はい」スッ
加賀「!」
瑞鶴「別に気にしないよ」ニコッ
加賀「……ありがとう」
青葉「……」ジー
――――
――――――
――――――――
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 00:15:56.41 ID:kKiQoscb0
――夕方・展望台――
瑞鶴「加賀さん、早く早く!」
加賀「今行くわ」スタスタ
加賀「……! 凄い……海が夕日でオレンジ色に染まってる」
瑞鶴「鎮守府から見る夕日もいいけど、ここのも良いでしょ」
加賀「素晴らしいわ。見とれてしまう」
瑞鶴「……」チラッ
加賀「……」
瑞鶴(……加賀さん、綺麗……)ドキドキ
加賀「よかった」
瑞鶴「え?」
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/31(水) 00:19:06.32 ID:kKiQoscb0
加賀「最後に瑞鶴とデートできてよかった」
加賀「色んな場所に行って、楽しく会話して」
加賀「こんな美しい景色を眺めることができて、よかった」
瑞鶴「……」
加賀「本当にありがとう。私のワガママを最後まで聞いてくれて」
瑞鶴「ワガママ?」
加賀「恋人ごっこに付き合ってくれたでしょう」
瑞鶴「それは……もともと私が原因でこうなったんだし」
加賀「……瑞鶴にとっては罪滅ぼしかもしれないけど」
加賀「それでも、夢のような時間だったわ」ニコッ
瑞鶴「……」
瑞鶴(その通り)
瑞鶴(全ては私が悪い。こんなことになった原因は私)
瑞鶴(恋人ごっこに付き合ったのも、後ろめたい気持ちがあったからだし)
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 00:20:05.05 ID:kKiQoscb0
ここまでで
また明日に投下します
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 00:25:10.86 ID:hwL0dxD3o
青葉の影が夕闇に紛れて二人に近づく
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 01:54:42.44 ID:+Chr4JPqo
青葉ワレェ…
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 09:34:58.46 ID:e/7KnSTN0
敵はまだこっちに気づいてないよ!
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 11:46:48.33 ID:k7gGK1BPo
夕日を見るのに夢中になっていた俺は
背後から近づく青葉に気が付かなかった!
俺は青葉に毒薬を飲まされ目が覚めたら
体が縮んでしまっていた!
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/31(水) 12:50:24.69 ID:rQ4hpUBBO
乙
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/01(木) 00:02:56.20 ID:dJL2nXTB0
瑞鶴(……でも)
瑞鶴(恋人として一緒に過ごしてるうちに、気持ちがどんどん……)
加賀「涼しい風ね。カモメも気持ちよさそうに飛んでる」
瑞鶴「そうだね」
瑞鶴(最初は気のせいだと思ったけど、あのキスが頭から離れなくなって。ずっと悩んで)
瑞鶴(モヤモヤをはっきりさせようって、加賀さんをデートに誘って)
瑞鶴(そしたら……時間を忘れるくらい楽しかった)
瑞鶴(もっと近づきたくなって、色んなこと話して)
加賀「夕日が沈んでいくわ」
瑞鶴「うん」
瑞鶴(加賀さんを見るたび、胸がキュッってなって)
瑞鶴(……これ、そういうことだよね……?)
瑞鶴(認めなきゃいけないのかな……私……)
瑞鶴(……か、加賀さんのことが……)
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 00:05:49.66 ID:dJL2nXTB0
加賀「瑞鶴」
瑞鶴「何?」
加賀「……今なら、誰も見てないわね」
加賀「最後のお願いがあるの」
瑞鶴「……」
加賀「あなたを抱きしめたい。この気持ちが無くなってしまう前に、もう一度だけ」
瑞鶴「……」
瑞鶴「……いいよ」
加賀「ありがとう」
ギュッ
瑞鶴「……」ドキドキ
加賀「……」ギュー
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 00:08:12.25 ID:dJL2nXTB0
瑞鶴「……」ドキドキドキ
瑞鶴「加賀さん」
加賀「?」
瑞鶴「私ね……私……もしかしたら……」
瑞鶴「加賀さんのこと……っ」
スタスタ
加賀「!! 誰か来るわ」ササッ
瑞鶴「あ……」
男「おー! すげー綺麗!」
女「ね? 言ったでしょ?」
男「来てよかった!」
瑞鶴「……」
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 00:10:48.77 ID:dJL2nXTB0
加賀「ごめんなさい。それで、何?」
瑞鶴「……ううん、何でもない。それよりそろそろ帰らないとね」
加賀「? そうね」
――――――――
――――――
――――
――鎮守府・工廠――
明石「こんなことしなくてもいいのにー」ニコニコ
瑞鶴「だって、ただでさえ仕事が忙しいのに私のお願いを聞いてもらって悪いし」
明石「まあ忙しいには忙しいけど、惚れ薬なんてロマンのある物を研究開発するのは」
明石「私の趣味でもあるからね」
瑞鶴「じゃあいらない?」
明石「そんなことないそんなことない! ありがたくもらっとく」アセアセ
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 00:13:46.79 ID:dJL2nXTB0
明石「にしても、あなたたち……」
瑞鶴・加賀「?」
明石「仲が良くなったとか、街へ行ってさらに仲を深めてるとか、鎮守府で噂になってるけどいいの?」
瑞鶴「気にしないよ」
明石「いいんだ。一体どういう心境の変化?」
瑞鶴「べ、別に……」
加賀「建前でも仲良くした方が、出撃の時に連携で良い結果を産むことになるかもしれないから」
加賀「というのが、私と一緒にいる時の理由に使えるのよ」
加賀「そうよね瑞鶴?」
瑞鶴「……うん」
明石「なるほどね。でも加賀さんが元に戻ったらどうするの?」
瑞鶴「あっ、そのことで聞きたいんだけど」
瑞鶴「元に戻ったら、この3日間の記憶はどうなるの? 無くなっちゃう?」
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 00:18:14.17 ID:dJL2nXTB0
明石「……」
瑞鶴「?」
明石「あー……そうだよね」
明石「ごめん、どうなるか私にも分からない」
瑞鶴「えっ?」
明石「相手を惚れさせる効果だけを意識して作ってたから」
明石「効果が切れたらどうなるかとか考えてなかった」
瑞鶴「無くならない可能性はあるの?」
明石「まあどちらかといえば、そっちの方が高いと思うけど」
瑞鶴「……そっか」
明石「けど、記憶が無くなれば元の加賀さんに戻っても事無きことを得るんだけどね」
明石「記憶があるままだったら、どうなるんだろう」
加賀「何も変わらない」
瑞鶴「!」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/01(木) 00:21:12.97 ID:dJL2nXTB0
加賀「と、信じたいわ」
加賀「私はきっと、瑞鶴のことを好きでい続けてる」
明石「今の加賀さんだからそうやって言いますけどね……」
瑞鶴「……」
加賀「あ……ごめんなさい。こういう考え方、瑞鶴に迷惑よね」
瑞鶴「え。いや……」
ガチャ
赤城「加賀さーん! ここにいますか?」
明石「!」
加賀「赤城さん、どうしたの?」
赤城「よかった。実は手伝って欲しいことがあって」
加賀「……今じゃなきゃダメかしら」
赤城「はい、明日の演習の準備なんです」
加賀「……」
瑞鶴「何してるの? 早く行けばいいじゃない」
加賀「!」
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 00:22:12.12 ID:dJL2nXTB0
ここまでで
読んでくださってありがとうございます
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 00:23:52.41 ID:CDP1AfrpO
乙
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 02:28:00.63 ID:2G+diM3mo
もんもん
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 22:34:06.90 ID:dJL2nXTB0
すみません、2時くらいの投下になりそうです
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 23:02:50.74 ID:TAk/Shheo
ええんやで
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 01:59:58.39 ID:NJA3h1gE0
加賀「でもあなたと過ごす時間が……」ヒソヒソ
瑞鶴「演習の準備は大事でしょ。いいから手伝ってあげて」ヒソヒソ
加賀「……分かったわ、終わったらすぐに戻る」ヒソヒソ
赤城「加賀さん?」
加賀「待って、今行く」スタスタ
瑞鶴「……」
明石「瑞鶴、なんかあなた加賀さんに優しくなってない? あんなに嫌がってたのに」
瑞鶴「……明石さん、ちょっといいかな」
明石「ん?」
瑞鶴「お願いがあるんだけど」
――――
明石「無効化の薬を飲ませるのを待って欲しい?」
瑞鶴「うん」
明石「まあ飲ませるかどうかは瑞鶴次第だけど……いや」
明石「ダメ。加賀さん自身のことを考えたら、少しでも早く元通りにしてあげないと」
瑞鶴「それはそうだけど」
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:01:39.13 ID:NJA3h1gE0
瑞鶴「せめてあと1週間だけでも」
明石「本当にどうしちゃったの。一昨日とはすごい違い」
瑞鶴「……」
明石「理由があるの? 教えて」
瑞鶴「……じ、実はね」モジモジ
瑞鶴「驚かないでね」
明石「内容による」
瑞鶴「ああ、じゃあ驚くと思う」
瑞鶴「実は私……加賀さんのこと、気になってるの」
明石「……」
瑞鶴「ごめん、ややこしくない言い方すると」
瑞鶴「加賀さんを、恋愛対象として……意識してるの」
明石「……」
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:03:56.51 ID:NJA3h1gE0
明石「……は?」
明石「はぁぁぁぁぁぁ!?」
瑞鶴「そうなるよね。自分でも戸惑ってるんだけどさ」
明石「いや! っていうか、え!? 何!? もう一度言って!」
瑞鶴「落ち着いて……」
明石「無理でしょ! あの瑞鶴が加賀さんに……! そもそも女同士なのに……!?」
明石「冷静に考えてみて、それ本当に恋心なの? 別の感情でしょ?」
瑞鶴「私も最初そう考えたよ」
瑞鶴「でも加賀さんといると、提督と一緒にいる時と同じ気持ちになるんだ」
瑞鶴「ドキドキして……幸せで……ずっと一緒に居たいって……」モジモジ
明石(お、乙女の顔……!!)
瑞鶴「提督と会う機会もあったんだけど、その時あんまりドキドキしなくて」
明石「勘違いじゃないの」
瑞鶴「それは……分かんない」
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:06:36.03 ID:NJA3h1gE0
明石「……3日間よ」
明石「たった3日間で、好きだった人を何とも思わなくなって」
明石「嫌いだった人を好きになったって?」
瑞鶴「別に嫌いでは無かったけど」
明石「あなたと加賀さんの間に一体何があったの」
瑞鶴「そ、それは……」カァァ
明石「!!」
明石「ま、まさか……!」ワナワナ
明石「しちゃったの?」
瑞鶴「は?」
明石「セック…」
瑞鶴「ばっ!? してないって!!」カァァ
明石「耐えられなくなった加賀さんに無理やり……」
瑞鶴「……襲われそうにはなった」
明石「襲われたの!?」ガーン
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:09:31.57 ID:NJA3h1gE0
瑞鶴「でも一線は越えてない! これは断言できるから!」
明石「そ、そう」
瑞鶴「ただアクシデントがあってキスはしちゃったけど」
明石「キスしたの!?」ガガーン
瑞鶴「アクシデントだから!!」
明石「はー……結構踏み込んでたのね……」
瑞鶴「……」
明石「……もしかして」
明石「薬を飲ませるのを待って欲しいのは、今の加賀さんと一緒にいたいから?」
瑞鶴「あと、自分の気持ちを確かめたいから」
明石「確かめてどうするの」
瑞鶴「……」
明石「待って、コーヒー飲んでちょっと落ち着く」ゴクゴク
瑞鶴「私も飲んでいい?」
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:12:26.01 ID:NJA3h1gE0
明石「ふぅ、どうぞ」トクトクトク
スッ
瑞鶴「ありがと」
明石「……瑞鶴」
明石「仮にあなたが、加賀さんのことを好きになってしまったとする」
明石「でも、あなたが好きなのは今の加賀さんであって、以前の加賀さんじゃない」
瑞鶴「……」
明石「今の加賀さんは幻だから忘れなさい」
明石「それと、あなたが原因で加賀さんに迷惑をかけたのに、それを長引かせるなんて」
明石「やってはいけないこと」
瑞鶴「……」
明石「分かってるでしょ?」
瑞鶴「……うん」
明石「薬、明日の朝に完成できるから。一緒に来てね」
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:15:24.83 ID:NJA3h1gE0
瑞鶴「……」
明石「返事は?」
瑞鶴「……はい」
明石「よし」
瑞鶴「……」ゴクゴク
瑞鶴「コーヒーありがと」スッ
瑞鶴「それじゃ……」スタスタ
ガチャ
パタン
明石「はぁ……」
明石「まさかこんなことになるなんて……」
青葉「なるほど、そういうことだったんですね」
明石「!」
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/02(金) 02:19:59.80 ID:NJA3h1gE0
明石「青葉ちゃん!? 今の会話……!」
青葉「ええ聞いてました。それどころか」
青葉「一昨日から瑞鶴さんと加賀さんの様子がおかしいと感じ取り、尾行をしてました」ニヤリ
明石「さ、さすがね……」
明石「……まさか、この事を記事に……?」
青葉「うーんそうですねー。どうしよっかなー」
明石「お願いやめて! 明るみに出たら、元に戻った加賀さんや提督に怒られちゃう!」ガタガタ
青葉「提督? 怒りますかね?」
明石「無駄にお金を使うなって。前に発明でやらかしたことがあって、今度変なもの作ったら必要な分のお金しか回さないって」ブルブル
青葉「自業自得じゃないですか……」
青葉「まあ安心してください。記事にはしませんから」
明石「本当!?」
青葉「瑞鶴さんと加賀さんが本当に恋人の関係になった、とかだったら考えますけど」
青葉「薬の効果で一時的なものなんて……いや、1つの事件として公開するならいける?」
明石「青葉様!! お願いいたします!! どうかご慈悲を!!」ペコリ
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:21:06.72 ID:NJA3h1gE0
ここまでで
今日から22時の予定です
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:29:56.53 ID:w5Z8nrsUo
強請屋青葉
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 02:44:43.09 ID:fTCFjHbno
青葉にも良心というものがあるだろう?
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 06:15:53.11 ID:zX1F6rt4O
明石「なんでもしまかぜ!」
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 06:39:01.79 ID:KtH4y6dSO
提督「じゃあネジ無しで改修してもらえるかな?」
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 17:41:41.03 ID:dy+G/1Axo
提督なら憲兵と突き合ってるよ
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 19:44:41.19 ID:We+ygA+zo
肛門性交か拳か
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 21:44:37.29 ID:NJA3h1gE0
0時になります、すみません
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/03(土) 00:10:06.12 ID:wshR34350
青葉「わ、分かりましたよ! 頭を上げてください。明石さんにはお世話になってますし」
明石「ありがとうございます!」
青葉「敬語もやめてください……」
青葉「でも、なんか切ないですよね」
明石「切ない?」
青葉「瑞鶴さんと加賀さんですよ。相思相愛なのに」
明石「いや、薬の効果だし、瑞鶴自身が蒔いた種だからね」
青葉「それはそうですけど」
青葉「ラブラブなお2人、これからも見ていたいなぁ」
明石「……そういう趣味が?」
青葉「趣味というか、お互い好きなのに結ばれない恋って、なんか胸に来ませんか?」
明石「来ない。っていうか、どうせネタ目的でしょ」
青葉「いえいえ、幸せになって欲しいという願いもありますよ!」
明石(も?)
青葉「おっと、もうこんな時間ですか」
青葉「実は私、これからやらねばならないことがあるので……これで失礼します」スタスタ
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:11:27.33 ID:wshR34350
明石「待って! 今回のことは本当に…」
青葉「分かってますよ、一度した約束は守りますから!」ニコッ
ガチャ
パタン
明石「大丈夫かなぁ」
―夜・食堂――
瑞鶴「はぁ……」
瑞鶴(結局来なかったな。工廠の前で待ってたのに)
翔鶴「瑞鶴、加賀さんとのお買い物は楽しかった?」
瑞鶴「うん、まあそこそこ」
翔鶴「良かった! 仲は深まったみたいね」ニコニコ
瑞鶴「それは分からないけど」
翔鶴「またまたー」
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:13:09.89 ID:wshR34350
スタスタ
赤城「ここの席、空いてますか?」
翔鶴「はい! どうぞ!」
加賀「……」
翔鶴「加賀さんもどうぞ」
加賀「ええ」スタスタ
加賀「ここ、座るわね」スッ
瑞鶴「……」
翔鶴「ふふ、自然に瑞鶴の隣に座るなんて」
赤城「以前の加賀さんじゃ考えられませんね」
加賀「いちいち触れないでもらえるかしら……」
赤城「恥ずかしがらなくてもいいですよ」
加賀「……何を言っても無駄ね」
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:14:52.87 ID:wshR34350
スッ
加賀「ごめんなさい瑞鶴。準備が長引いてしまったの」ヒソヒソ
瑞鶴「仕方ないよ、気にしないで」ヒソヒソ
瑞鶴「それより後で話があるんだ。演習場に来てくれる? 大事な話だから」
加賀「分かったわ」
――演習場――
加賀「どうしてこんなところで?」
瑞鶴「2人きりでいても、訓練してたって言い訳できるでしょ」
瑞鶴「……」
加賀「話って、何かしら」
瑞鶴「あのね。無効化の薬、明日の朝に完成するんだって」
加賀「そう、予定通りね」
加賀「できればもっと一緒にいたかったけど」
瑞鶴「……」
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:16:43.16 ID:wshR34350
加賀「ただ、あなたにとっては『ようやく』ね」
瑞鶴「え……?」
加賀「明日の朝になれば、私と仲良くしないで済むわ」
瑞鶴「そ、そんな言い方……!」
明石『あなたが好きなのは今の加賀さんであって、以前の加賀さんじゃない』
明石『今の加賀さんは幻だから忘れなさい』
瑞鶴「……そうだね」
瑞鶴「明日からはいつもの関係に戻る。喧嘩ばっかする、いつもの関係に」
加賀「……」
瑞鶴「あれ? ちょっと違うかな」
瑞鶴「もし加賀さんの記憶が残ってたら、みんなに『仲を深めてる』ってこと思い出して」
瑞鶴「少しだけ仲良くなるかな?」
加賀「どうなるのかしら」
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:17:53.25 ID:wshR34350
瑞鶴「あー、でも結局怒られて仲が悪くなるかも。私のせいでこうなったんだし」
瑞鶴「記憶が無くなるなら私が事後処理できるけどね」
瑞鶴「んー……まあ後で考えればいいや」
加賀「……」
加賀「瑞鶴、最後にもう一度だけ……」ボソッ
瑞鶴「ん?」
加賀「……何でもないわ」
加賀「それで、話は終わりかしら」
瑞鶴「うん、これだけ伝えたかったの」
瑞鶴「明日の8時くらいに工廠集合ね」
加賀「分かった」
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/03(土) 00:19:24.50 ID:wshR34350
瑞鶴「じゃ、またね」スタスタ
加賀「ええ……」
瑞鶴「……」スタスタ
ピタッ
瑞鶴「加賀さん」
加賀「何かしら」
瑞鶴「……何でもない。ごめんね」
スタスタ
加賀「……」
瑞鶴(……伝えればよかったかな……私の気持ち……)
瑞鶴(ううん、これでいい。だってあの加賀さんは幻なんだから)
瑞鶴(……)
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:21:03.83 ID:wshR34350
ここまでで
土日は多めに投下したい…
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:55:38.07 ID:VPa7Cil6o
乙乙。結末が気になるところ
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/03(土) 22:57:00.33 ID:wshR34350
――翌朝・工廠前――
瑞鶴「……」
瑞鶴(あんまり眠れなかった)
ガチャ
明石「あれ……? 瑞鶴、もう来たの……?」ズーン
瑞鶴「おはよう。加賀さんももうすぐ……って、なんか暗くない?」
明石「……」
瑞鶴「何かあったの?」
明石「気づいちゃったの」
瑞鶴「何を?」
明石「よく考えれば分かることだったんだけど」
明石「加賀さんが元に戻って、もし記憶が残ってたら」
明石「謝罪する余地もなく怒られる気がする……」
瑞鶴「ああ……うん」
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 22:58:26.97 ID:wshR34350
明石「怖い」
瑞鶴「だね。ごめんね、私のせいで」
明石「もう許したよ。パーツプレゼントしてくれたし」
明石「ところで加賀さんは?」
瑞鶴「8時にここで集合って伝えたから、そろそろ来ると思う」
明石「……よし、覚悟を決めるか」ハァ…
瑞鶴「完成したんだよね」
明石「バッチリね」
瑞鶴「……」
――10分後――
明石「……」
瑞鶴「……」
――20分後――
明石「……」
瑞鶴「……」
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:00:19.02 ID:wshR34350
――30分後――
明石「来ない」
瑞鶴「おかしいな、もうとっくに時間過ぎてるのに」
明石「ちゃんと伝えたの?」
瑞鶴「8時に工廠前って言ったよ」
明石「夜の8時と間違えたとか?」
瑞鶴「それはないと思う。明日の朝に薬が完成するって言ったし」
明石「じゃあどうしたんだろう」
瑞鶴「……ちょっと見てくるね」
スタタタッ
――――
コンコン
瑞鶴「加賀さん? いる?」
瑞鶴「返事がない……いないのかな」
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:02:18.01 ID:wshR34350
翔鶴「瑞鶴? 加賀さんの部屋の前で、どうしたの?」
瑞鶴「翔鶴姉! 加賀さん見なかった?」
翔鶴「えっ! あなた……ついに加賀さんを、さん付けして呼ぶようになったのね!」
瑞鶴(あ、しまった!)
瑞鶴「違う違う! 翔鶴姉につられちゃっただけ」アセアセ
瑞鶴「それより見てない? 用があって探してるんだけど」
翔鶴「どこにいるか知ってるわよ」
瑞鶴「ホント!?」
翔鶴「ええ、弓道場で赤城さんと訓練していたわ」
瑞鶴「弓道場?」
瑞鶴(何でそんなところに……約束忘れてる?)
瑞鶴「ありがとう!」スタタタッ
翔鶴「ふふ」ニコニコ
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/03(土) 23:03:49.10 ID:wshR34350
――弓道場――
スタタタッ
瑞鶴「はぁ、はぁ……!」
赤城「あら? ずいぶん急いでますけど、どうしたんです?」
瑞鶴「赤城さん……加賀さ…」
瑞鶴「か、加賀はどこに?」
赤城「休憩所にいますけど」
瑞鶴「ありがとうございます!」スタタタッ
赤城「……?」
――――
加賀「ふぅ……」
瑞鶴「いた! 加賀さん!」スタタタッ
加賀「?」
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:06:11.61 ID:wshR34350
瑞鶴「探したんだよ? まさか弓道場にいるなんて」
加賀「……」
瑞鶴「昨日、工廠前に集合って言ったよね。何で来なかったの?」
瑞鶴「何か理由がある? 夜の8時と間違えちゃったとか」
加賀「……」
瑞鶴「黙ってないで何か言ってよ」
加賀「……」
加賀「あなた、さっきから何を言ってるのかしら」
瑞鶴「へ?」
赤城「加賀さん! そろそろ演習場に行きませんか?」
加賀「そうね、行きましょう」スッ
スタスタ
瑞鶴「……」ポカーン
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:07:42.68 ID:wshR34350
瑞鶴「ちょ……ちょっと待ってよ!」ガシッ
加賀「! 何をするの」
赤城「どうかしました?」ヒョコ
瑞鶴「あ、赤城さん! ちょっと加賀と話があるんで待っててもらえますか!」グイグイ
赤城「? はい」スッ
加賀「……」
瑞鶴「何をするの、じゃないでしょ。薬が完成したんだよ」
瑞鶴「明石さんのところに行ってすぐにでも飲まなきゃ」
加賀「薬?」
瑞鶴「無効化の薬。忘れたわけじゃないよね?」
加賀「……。意味が分からないわ」
瑞鶴「え……」
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:10:11.41 ID:wshR34350
瑞鶴「意味が分からないって……何が?」
加賀「あなたがさっきから言ってること全てよ」
加賀「突然ここに来たかと思えばよく分からないことを喋って」
瑞鶴「……」
加賀「それに慣れ慣れしいのは何故? 悪巧みでもするつもりかしら」
瑞鶴「……」
加賀「……」
瑞鶴「……」
赤城「加賀さん! もうすぐ始まっちゃいますよ!」
加賀「今行く」
加賀「それじゃあ演習だから。あなたも次でしょう、準備しておきなさい」スタスタ
瑞鶴「……待って!」
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:14:40.85 ID:wshR34350
瑞鶴「か……加賀さん……」
加賀「……? さん付けなんて、やっぱり何か企んでいるのね」
加賀「1つ言っておく。悪戯をする気なら覚悟をしておきなさい」
スタスタ
瑞鶴「……」
瑞鶴「…………」
瑞鶴(……まさか……)
――工廠――
瑞鶴「……」トボトボ
明石「瑞鶴、加賀さんは?」
瑞鶴「……」
明石「……瑞鶴?」
瑞鶴「……」
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/03(土) 23:16:11.56 ID:wshR34350
瑞鶴「明石さん」
明石「?」
瑞鶴「確か、惚れ薬の効き目……いつ切れるか分かんないって言ってたよね」
明石「え、ええ」
瑞鶴「3日くらいで切れる可能性もあったんだよね」
明石「あったわね」
瑞鶴「……」
明石「……」
明石「……え? まさか……」
瑞鶴「うん。多分だけど、加賀さん元に戻ってる」
瑞鶴「いつもみたいにクールな感じだったよ、無効化の薬が完成したって伝えたら」
瑞鶴「意味が分からないって言われたし」
明石「……本当なの?」
瑞鶴「うん」
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:16:54.53 ID:wshR34350
ここまでで
来週中には終われそう
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:27:21.73 ID:hwIIBAtyo
あっ、ふーん…
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 23:47:57.37 ID:RSgZ6saVo
乙
切ないのう
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 00:53:30.32 ID:iCDuJxiTo
これを読まないと一日が終わらない
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 01:55:17.62 ID:XZXBXMlI0
あっ・・・これは・・・
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 03:56:00.35 ID:2YBoppcoO
そこまでなのか
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/04(日) 23:32:42.64 ID:i2TIcKY60
明石「本当の本当?」
瑞鶴「明らかに態度が冷たかったし」
瑞鶴「実際に見れば分かる。私たちがよく知ってる加賀さんだったよ」
明石「……そう」
明石「で、この3日間のことは覚えてた?」
瑞鶴「詳しく聞いてないから分かんないけど、覚えてないと思う」
瑞鶴「覚えてたら、真っ先にここに来て怒るでしょ」
明石「それもそうか」
明石「ふー……よかったぁぁぁ! これで提督にも叱られずに済む!」
明石「瑞鶴も一安心ね!」
瑞鶴「……」
明石「……加賀さんのこと、まだ踏ん切りつかないの?」
瑞鶴「そ、そんなことないよ」
明石「浮かない顔してるじゃない」
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:35:10.46 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「それは……気のせいだよ! ちゃんと気持ちの整理はできたもん」ニコッ
明石「ならいいんだけど」
瑞鶴「加賀さんの記憶は消えて、何もかも丸く収まった。一件落着だね!」
明石「……」
瑞鶴「あ、でも……せっかく薬を作ってくれたのに無駄になっちゃったね」
明石「いいの。解決すればそれで良しだから」
瑞鶴「だけど何か悪いな……今度鳳翔さんのお店で奢らせてよ」
瑞鶴「空いてる時間ある?」
明石「……じゃあ、明後日の夜で」
瑞鶴「オッケー!」
瑞鶴「って、そろそろ演習の時間だ。行かなきゃ」
明石「頑張ってね」
瑞鶴「うん! それじゃ!」スタタタッ
ガチャ
パタン
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:37:41.86 ID:i2TIcKY60
明石「……はぁ」
明石「気持ちの切り替えができてるなら、呼び方も変えなきゃダメでしょ」
青葉「……」
――演習――
ドン! ドーン!
瑞鶴「攻める!」バシュバシュ
翔鶴「瑞鶴、張り切ってるわね!」
瑞鶴「まあね! 一航戦になんか負けてられないし!」
瑞鶴「攻めて攻めて攻めまくる!」バシュバシュ
ヒューーン
翔鶴「危ないわ!!」
瑞鶴「え?」
ドーーーン!!
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:39:48.52 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「うぅ……けほけほ……!」
翔鶴「大丈夫瑞鶴?」
瑞鶴「あはは……張り切りすぎちゃった」
加賀「何をしているのかしら」スイー
瑞鶴「!」
加賀「あんな周りが見えていない攻め方をして、勝てるとでも思っているの?」
瑞鶴「……」
赤城「ま、まあまあ、瑞鶴さんもやる気が見えていいじゃないですか」スイー
加賀「赤城さんは甘すぎです。やる気だけで戦果を上げられるなら苦労はしません」
加賀「ハッキリ言っておくけど、今のような戦い方をするなら」
加賀「仲間にとって邪魔にしかならないわ」
瑞鶴「……!」
赤城「加賀さん、言い過ぎでは……」
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:42:15.10 ID:i2TIcKY60
翔鶴「そうです。もっと柔らかく…」
瑞鶴「いいんだよ翔鶴姉。これは自分の命にも、みんなの命にも関わることなんだから」
瑞鶴「確かにその通りだね。もっと慎重にならないとダメだった」
瑞鶴「ごめんなさい」
加賀「……」
スイー
赤城「加賀さん!」
瑞鶴「はは……無視か」
翔鶴「いいえ、あれは加賀さんなりの『次は頑張って』という返事よ」
瑞鶴「無理があるでしょ」フフ
瑞鶴「……」
――――
赤城「お疲れ様です加賀さん」
加賀「お疲れ様です」
赤城「私はこれから用事があるので、お先に失礼しますね」スタスタ
加賀「はい」
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/04(日) 23:44:18.45 ID:i2TIcKY60
加賀「……」
瑞鶴「……」ジー
加賀「……」
瑞鶴「……」ジー
加賀「それで隠れてるつもりかしら」
瑞鶴「!」ビクッ
加賀「私に一体何の用?」
瑞鶴「……えっと」スッ
瑞鶴「さっきはムチャクチャな戦い方して、謝りたくて」
加賀「不要よ。謝罪よりも次の演習のことを考えなさい」
瑞鶴「う、うん……そうする」
加賀「……」
瑞鶴「……」
加賀「……今朝から思っていたのだけれど」
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:47:14.92 ID:i2TIcKY60
加賀「あなた様子がおかしいわ。いつもなら牙をむき出しにして飛びかかって来るのに」
瑞鶴「そんなことしてないし」
加賀「比喩よ」
加賀「なのに、今のあなたは……やけに大人しいわね」
加賀「気味が悪いわ」
瑞鶴「っ……!」ズキッ
瑞鶴「わ、私はただ……加賀さんに……」
加賀「そのさん付けもやめてくれるかしら。調子が狂うから」
瑞鶴「……」
瑞鶴「……ふ、ふん! せっかく敬意を払って後輩らしく振舞ってみたのに」
瑞鶴「そんな反応されるなら、もう気を遣うのはやめる!」
加賀「……」
瑞鶴「そう、気を遣ったの! この私が! 気味が悪いって? 自分でもそう思う!」
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:50:47.84 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「ホントバカみたいだよね。あんたに対して下手に出るとかさ」
瑞鶴「もうこんなバカバカしいこと考えないから、安心して」
加賀「……」
加賀「やっとスッキリしたわ」
瑞鶴「は?」
加賀「スッキリした。これが私とあなたの距離感よ」
加賀「ベタベタしてくるあなた、気持ち悪いもの」
瑞鶴「!! ……」
加賀「さて、私はもう行くわ」スッ
加賀「明日の演習では、今日みたいな腹立たしい動きをしないでね」スタスタ
ガチャ
パタン
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:53:30.91 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「……」
瑞鶴「……」
瑞鶴「……、」グスッ
瑞鶴「っ……」ポロポロ
青葉「……」
――――
翔鶴「お昼いらないって、具合が悪いの?」
瑞鶴「うん」
翔鶴「……鳳翔さんに言っておくわね」
瑞鶴「うん」
翔鶴「……」ガチャ
パタン
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/04(日) 23:56:22.51 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「……」
瑞鶴(もうあの加賀さんはいない)
瑞鶴(あれは幻、そう割り切ったはずなのに)
瑞鶴(って、またさん付けしてるし)ハハ…
瑞鶴「……」
――食堂――
赤城「風邪ですか?」
翔鶴「分かりません。でも具合が悪いらしいんです」
赤城「心配ですね」
加賀「……軟弱ね」
赤城「えっ」
加賀「規則正しい生活に、日々の訓練を欠かさず行っていれば」
加賀「体調は常に万全のはずよ」
翔鶴「さすがにそれは……」
赤城「どんなに健康的な生活を送っていても、具合が悪くなってしまうことはありますよ」
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:57:30.64 ID:i2TIcKY60
ここまでで
読んでくださってありがとうございます
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 02:18:19.88 ID:jHtdNwRbo
え、ここで完結?マジか…
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 05:29:05.05 ID:NDVqkWFU0
>>284
まだ続きます、すみません
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 14:32:31.68 ID:ZQU64tWMo
完結したかと思ってびっくりした
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 19:24:12.42 ID:xDg6qiMn0
加賀・・・まさか・・・
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 22:05:13.00 ID:NDVqkWFU0
誤解を招くような発言すみません…
更新していきます
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 22:06:08.10 ID:NDVqkWFU0
加賀「……」パクッ モグモグ
赤城「加賀さん、どうしたんです? 瑞鶴さんと何かあったんですか」
加賀「いいえ」
赤城「でも明らかに、瑞鶴さんに厳しくなってますよね」
加賀「あの娘に厳しいのはいつも通りだと思うのだけれど」
翔鶴「ここ数日は仲が良かったじゃないですか。昨日だって一緒にお買い物に行って、仲を深めたのでは?」
加賀「買い物……? 知らないわね」
翔鶴「知らないって……」
加賀「知らないものは知らない。記憶にないわ」
赤城・翔鶴「……?」
青葉「……」
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 22:07:52.30 ID:NDVqkWFU0
――――
コンコン
提督「瑞鶴? 具合が悪いと聞いたんだが、大丈夫か」
瑞鶴「!」
瑞鶴「……うん、平気」
提督「午後からの演習は出れそうか。無理なら違う艦娘に…」
瑞鶴「ちょっと休んだから、もう大丈夫だよ」
提督「そうか」
提督「……入ってもいいか?」
瑞鶴「え」
瑞鶴「……」
瑞鶴「……」
瑞鶴「……ごめん。もうちょっと横になりたいから」
提督「そうだよな……分かった。お大事に」スタスタ
瑞鶴「……」
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 22:11:08.67 ID:NDVqkWFU0
――夕方・演習後――
瑞鶴(はぁ……全然集中できなかったな)
瑞鶴(こんなことなら出ない方がマシだったかも。みんなに迷惑かかるし)
翔鶴「瑞鶴!」スタタタッ
瑞鶴「翔鶴姉……」
翔鶴「探したわ。終わったらすぐにいなくなっちゃうんだもの」
瑞鶴「ごめん、散歩したかったんだ」
翔鶴「……」
翔鶴「やっぱり加賀さんと、何かあったんでしょう」
瑞鶴「! ……」
翔鶴「お買い物の時に喧嘩したの?」
瑞鶴「ち、違うよ」
翔鶴「じゃあ何故あなたに元気が無いの? どうして加賀さんはあなたにキツくあたるの?」
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 22:14:05.77 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「言ったでしょ、私はただ体調が悪かっただけ」
瑞鶴「それに、あいつが私に厳しいのはいつものことじゃない」
翔鶴「仲良くするんじゃなかったの」
瑞鶴「……そうだね」
瑞鶴「頑張ったんだけど、結局こうなっちゃうみたい」
瑞鶴「きっと反りが合わないんだよ! 表で仲良くしようとしても、お互い息苦しくて我慢できなくなるの」
翔鶴「……」
瑞鶴「だから、もうこれまで! 私たちはずっとこんな感じ!」
瑞鶴「せっかく喜んでくれたのに、ごめんね」ニコッ
翔鶴「……そんな顔で言われても、説得力が無いわ」
瑞鶴「え?」
翔鶴「あなた今、悲しそうな笑顔をしてるわ」
瑞鶴「……!」
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 22:17:51.89 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「あ、あはは! そんなわけないじゃない! 開放されて清々しい気分なのに!」
瑞鶴「もう一緒にいるのはウンザリ! できれば顔も合わせたくない!」
翔鶴「……」
瑞鶴「あー、なんか元気出てきたな! お腹も空いてきたなぁ」
瑞鶴「そうだ! 夕食までまだ時間あるし、間宮に寄ろう!」
瑞鶴「ってことで翔鶴姉、また後でね!」
スタタタッ
翔鶴「……瑞鶴……」
――――
間宮「お待ちどうさま、間宮パフェよ」スッ
瑞鶴「ありがとうございます」
スタスタ
瑞鶴「……いただきます」パクッ
瑞鶴「ん、甘くて美味しい」モグモグ
瑞鶴「やっぱり疲れた時には甘い物、か」
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 22:20:10.13 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「……」パクッ
瑞鶴「……」モグモグ
加賀『はい』スッ
瑞鶴『なんでアイスを掬ったスプーンをこっちに向けるの』
加賀『食べさせたいの』
瑞鶴『は?』
加賀『あーんして食べさせたいの』
瑞鶴「……」
瑞鶴「……」パクッ
加賀『はい、あーん』
瑞鶴『……アーン』パクッ
加賀『どう、おいしい?』
瑞鶴『うん』モグモグ
加賀『……そう』
加賀『よかった』ニコッ
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 22:22:52.21 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「……」モグモグ
瑞鶴「……いつまで引きずってるんだろ、私」
瑞鶴「もうあの加賀さんはいないのに」
スタスタ
提督「お、瑞鶴か」
瑞鶴「? 提督、何でここに」
提督「甘味を摂取しに来たんだよ」
瑞鶴「まあそうだよね」
提督「間宮ー! アイスを一つ!」
間宮「はーい」
瑞鶴「……」
提督「ここ座ってもいいか?」
瑞鶴「うん」
提督「ありがとう」スッ
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 22:24:39.76 ID:NDVqkWFU0
ここまでで
明日から0時更新です
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/06(火) 02:16:46.43 ID:9ZenX/cSo
色んな意味で提督が不憫やな
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/06(火) 06:00:20.50 ID:EON4hLoNo
乙
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 00:13:01.91 ID:YV2dqpWj0
瑞鶴「……」パクッ
提督「好物、パフェに変わったのか」
瑞鶴「……?」モグモグ
提督「クリームあんみつじゃなくて」
瑞鶴「ああ、これは……パフェが食べたい気分だったの」
提督「そうか。まあ好物だからといって毎回頼みはしないよな」
提督「体はもう大丈夫なのか?」
瑞鶴「すっかりね」
提督「それは何よりだ」ニコッ
瑞鶴「……」
瑞鶴「……ねえ、提督」
提督「ん?」
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 00:15:28.38 ID:YV2dqpWj0
瑞鶴「パフェ、一口食べない?」
提督「いいよ、お前が頼んだ物だし」
瑞鶴「遠慮しなくていいから。すごく美味しいよ」
提督「……なら、いただこうかな」
瑞鶴「はい」スッ
提督「!?」
提督「な、何をしてるんだ」
瑞鶴「せっかくだから食べさせてあげる」
提督「お前な……」
瑞鶴「早く! 溶けちゃうよ」
提督「……」
瑞鶴「一回だけだよ。いいでしょ?」
提督「……はぁ」
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 00:16:45.17 ID:YV2dqpWj0
提督「分かったよ」
瑞鶴「あーん……」
パクッ
提督「……」モグモグ
瑞鶴「どう? 美味しい?」
提督「美味しいが、とてつもなく恥ずかしい」
瑞鶴「ふふ」
瑞鶴「……」
提督「……? どうした、急に暗い顔になったな」
瑞鶴「何でもない」
スタスタ
間宮「お待たせしました、間宮アイスです」
提督「ありがとう」
瑞鶴「……」
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 00:18:23.31 ID:YV2dqpWj0
――夜・食堂――
瑞鶴「……」
赤城「瑞鶴さん、箸が進んでませんね」
翔鶴「少しでも食べないと力がつかないわよ」
瑞鶴「うん……」
加賀「……」パクッ モグモグ
瑞鶴「ちょっと気分が悪くて」
加賀「……」
スッ
赤城「加賀さん、どこに行くんですか?」
加賀「別の席で食事するわ。辛気臭い雰囲気を出されると、せっかくの料理が不味くなってしまうから」
瑞鶴「……」
翔鶴「どうしてそんな酷いことを言うんですか!?」
加賀「事実なのだから仕方ないわ」スタスタ
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 00:19:57.36 ID:YV2dqpWj0
翔鶴「加賀さん!」
瑞鶴「いいんだよ翔鶴姉。私が悪いんだから」
赤城「いえ、今のは加賀さんが悪いです。厳しさではなく悪意を感じる言葉ですから」スッ
赤城「ちょっと注意してきますね」スタスタ
瑞鶴「……」
翔鶴「瑞鶴……お願いよ、私に全部話して? 加賀さんとの間にあったこと」
瑞鶴「……ごめん」スッ
スタタタッ
翔鶴「瑞鶴!」
――――
瑞鶴「鍵をかけてっと」ガチャ
瑞鶴「……もう寝よ」スタスタ
バフッ
瑞鶴「……」
瑞鶴「……苦しい……」
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 00:21:23.21 ID:YV2dqpWj0
瑞鶴「辛い……」グスッ
瑞鶴「……私に大嫌いって言われた時の加賀さんも、こんな気持ちだったのかな……?」
瑞鶴「あの時ホントに酷いこと言っちゃったんだな……」
瑞鶴「……」
――――
赤城「あら? 瑞鶴さんは?」スタスタ
翔鶴「それが、食堂から出て行ってしまって」
赤城「そうですか……やはり2人の間に何かあったことは間違いないですね」
青葉「あのー」
赤城・翔鶴「!」
赤城「青葉さん?」
青葉「お聞きしたいことがあるんですけど、いいでしょうか」
翔鶴「私にですか?」
青葉「お2人にです」
赤城・翔鶴「……?」
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 00:23:10.10 ID:YV2dqpWj0
――――――――
――――――
――――
――翌朝――
瑞鶴「……ん」
瑞鶴「いつの間にか眠ってた……今何時?」
瑞鶴「4時か。早く起きちゃったな」
瑞鶴「でも眠くないし……顔洗ってこよう」スッ
スタスタ
―――
ジャバジャバ
瑞鶴「目の腫れ、すぐに治せないかなぁ」
瑞鶴「このままだと、また翔鶴姉に心配かけちゃう」
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 00:24:38.09 ID:YV2dqpWj0
ここまでで
また明日投下します
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 00:56:12.31 ID:SBr0drcY0
百合がお上手かよ……
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 12:51:57.51 ID:QfmMPl+AO
乙
心苦しい
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 23:04:10.07 ID:7dgSjGDk0
瑞鶴切ないずい...
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/08(木) 00:03:49.46 ID:WcmaevZ+0
タンッ
瑞鶴「?」
タンッ
瑞鶴(……この音って……)スタスタ
――弓道場――
ヒュッ タンッ
瑞鶴(やっぱり、弓矢の音だ)
瑞鶴(こんな朝早くから、誰が?)チラッ
瑞鶴「!」
加賀「……」ヒュッ
タンッ
瑞鶴(加賀さん……)
瑞鶴(そっか、そういえば前に、朝早くから訓練してるって聞いたことが)
瑞鶴(……)ジー
加賀「……」
瑞鶴(……横顔も素敵……)ドキドキ
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:07:33.22 ID:WcmaevZ+0
加賀「何かしら」
瑞鶴「!!」ドキッ
加賀「私に何の用?」
瑞鶴「す、すごい。どうして分かったの?」スタスタ
加賀「精神を研ぎ澄ませてたもの。気配を察知することは難しくはないわ」
瑞鶴「達人みたいだね……」
加賀「で、何の用なの」
瑞鶴「え? あ、いや……目が覚めたらこんな時間で」
瑞鶴「顔を洗ってたら、矢が的に当たる音が聞こえてきて、気になって見に来たの」
加賀「そう……じゃあ早く部屋に戻りなさい」
瑞鶴「え……」
加賀「訓練の邪魔よ。お喋りに付き合ってる暇はないの」
瑞鶴「……」
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:09:09.04 ID:WcmaevZ+0
瑞鶴「あのさ」
瑞鶴「私も一緒に、いいかな」モジモジ
加賀「……」
瑞鶴「ダメ……?」
加賀「好きにしなさい」
瑞鶴「ありがとう」
――――
瑞鶴「……」ヒュッ
タンッ
瑞鶴「……」チラッ
加賀「……」
瑞鶴「……」ジー
加賀「何」
瑞鶴「! な、何でもない!」
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:11:07.56 ID:WcmaevZ+0
瑞鶴「すー……はー……」
瑞鶴「……」
ヒュッ タンッ
瑞鶴「……」チラッ
加賀「……」
瑞鶴「……」ジー
加賀「……もうやめなさい」
瑞鶴「!! ごめん、もう見ないから!」
加賀「違う。訓練をやめろと言ったの」
加賀「今のままだと何も身につかない、やるだけ無駄よ」
瑞鶴「……」
加賀「私の邪魔にもなるわ。出て行って」
瑞鶴「! ……」
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:13:27.26 ID:WcmaevZ+0
瑞鶴「……」
加賀「さあ早く」
瑞鶴「……なに……ても……じゃん」
加賀「何?」
瑞鶴「そんなにキツく言わなくてもいいじゃん」
加賀「キツい? 普通だと思うのだけど」
瑞鶴「全然普通じゃないよ、前はもっと……」
加賀「前?」
瑞鶴「……何でもない」
瑞鶴「出て行くね……」トボトボ
加賀「……。よかった」
加賀「これでやっと集中できるわ」
瑞鶴「……っ」
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/08(木) 00:15:06.80 ID:WcmaevZ+0
瑞鶴「何でなの……」
瑞鶴「何でそうやって突き放すの」
加賀「?」
瑞鶴「ねえ加賀さん」
瑞鶴「加賀さんって、私のことどう思ってる?」
加賀「は?」
瑞鶴「私はね」
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:16:00.45 ID:WcmaevZ+0
瑞鶴「好きだよ」
加賀「……!」
瑞鶴「加賀さんのこと、大好き」
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/08(木) 00:18:02.56 ID:WcmaevZ+0
加賀「あ、あなた……何を……」
瑞鶴「仕方ないじゃん……だって、苦しいんだもん」
瑞鶴「ずっと自分の気持ちを抑えてるの、辛いんだもん」ポロポロ
瑞鶴「元に戻って、加賀さんの記憶が無くなっても」グスッ
瑞鶴「私の記憶は無くならないもん……あの時の記憶はずっと……」ポロポロ
加賀「……」
瑞鶴「ごめんね、意味分かんないよね。っていうか私の自業自得なんだから」
瑞鶴「こんな事になっても加賀さんは責められないのにね」
加賀「……」
加賀「一つ確認したいのだけど」
加賀「好きというのはもちろん、人として、という意味よね」
瑞鶴「ううん、恋愛感情」
加賀「!」
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:19:33.08 ID:WcmaevZ+0
ここまでで
金曜まで0時になると思います
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:42:55.78 ID:qnb1NzBA0
あああ
ううう
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 01:40:51.92 ID:hhPOjLJk0
このss見てから百万回萌え死んでる。
瑞鶴頑張れ…!
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 07:25:29.26 ID:H15XAkF7o
乙ずい
頑張れずい
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 23:22:08.04 ID:WcmaevZ+0
時間が遅れそうです
2時までには投下します
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/09(金) 02:04:16.77 ID:coaRyVCk0
瑞鶴「言いたいことは分かるよ。女同士なのに変だよね」
瑞鶴「でも……好きになっちゃったものはしょうがないじゃん」
加賀「……」
瑞鶴「加賀さんがいつも通りになってね、気づいたの。ハッキリ自覚できた」
瑞鶴「私、加賀さんのことがこんなに好きになってたんだって」
加賀「……」
瑞鶴「一緒に居たいの」
瑞鶴「パフェ食べて、遊んで、買い物に行って」
瑞鶴「ずっと笑い合っていたい」
加賀「……」
瑞鶴「……」
加賀「どうなると思ったの」
瑞鶴「……え……」
加賀「それを私に伝えて、どうなると思ったの」
加賀「普段の私を見ているはずよ。あなたの望む答えをもらえると思ったのかしら」
瑞鶴「……」
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:06:25.26 ID:coaRyVCk0
加賀「一応ちゃんと返事をしておくわね」
加賀「お付き合いはできません」
瑞鶴「……」
加賀「にしても、一体どんな心境の変化があったのかしら」
加賀「前までは敵意をむき出しで突っかかって来たのに」
瑞鶴「……」
加賀「……さっき、私があなたのことをどう思ってるのかと聞いたわよね」
加賀「今の正直な気持ちを伝えるわね。迷惑よ」
瑞鶴「……!!」
加賀「恋愛感情を抱かれても迷惑なのよ。こっちにはその気が無いんだから」
加賀「告白されても断ることしかできないし」
瑞鶴「……」
加賀「……」
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:08:12.39 ID:coaRyVCk0
加賀「もう部屋に戻るわ」
加賀「次に顔を合わせた時は、今までの関係のままでいましょう」
瑞鶴「……」
加賀「それじゃ」スタスタ
瑞鶴「ま、待って……!」ガシッ
加賀「!」
瑞鶴「……」
加賀「何」
瑞鶴「……嫌」
加賀「は?」
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:11:31.55 ID:coaRyVCk0
瑞鶴「このまま離れるのは嫌」
加賀「もう一度言いましょうか。迷惑よ」
瑞鶴「分かってる。加賀さんにはずっと迷惑かけてるよね」
瑞鶴「でも……でも……」
加賀「……そろそろ他の艦娘が起きる時間だわ」
加賀「こんなところ見られたら誤解される。離れて」グイッ
瑞鶴「待って! もう少し話を……!」
加賀「そんな余裕はないわ」
瑞鶴「お願いだから!」ギュッ
加賀「離れなさい」グイグイ
瑞鶴「私の話を聞いて! ちょっとだけでいいから!」
加賀「離れて!」
青葉「そこまでです!」
加賀・瑞鶴「!」
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:13:57.42 ID:coaRyVCk0
加賀「青葉さん?」
青葉「あんまり大きい声を出すと、誰かが気になって見に来ますよ」スタスタ
瑞鶴「ず、ずっと見てたの?」
青葉「はい、最初からずっと」
瑞鶴「……」
青葉「安心してください」
青葉「私、ぜーんぶ知ってますから」
瑞鶴「え?」
青葉「瑞鶴さんが明石さんに作って欲しいと頼んだ惚れ薬から、全てが始まったこと」
青葉「その薬を飲んだ加賀さんの相手を、瑞鶴さんがしていたこと」
青葉「相手をしている間に、瑞鶴さんが加賀さんに惹かれていったこと」
瑞鶴「何でそこまで知ってるの……」
青葉「青葉にかかれば造作もないことです」
青葉「ちなみに、デートの時もずっと尾行してたんですよ?」
瑞鶴「嘘……全然気づかなかった」
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:16:25.61 ID:coaRyVCk0
瑞鶴「そ、それでどうする気? 私を揺すろうっての?」
青葉「いえいえとんでもない!」
青葉「ただ、ちょっとだけ恋のお手伝いをしたいんですよ」ニコッ
瑞鶴「?」
加賀「……訳のわからないことを」
加賀「もうウンザリよ。部屋に戻らせて…」
青葉「逃げるんですか?」
加賀「……逃げる?」ピクッ
青葉「頑なに部屋に戻ろうとしてるじゃないですか」
青葉「おかしいですねぇ……今の言葉を聞いて、加賀さんは追求してくると思いましたよ」
青葉「『詳しく聞かせて』って」
加賀「……」
瑞鶴「どういうこと?」
青葉「ふふ、言ったじゃないですか。青葉はぜーんぶ知ってるんです!」
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/09(金) 02:18:45.31 ID:coaRyVCk0
青葉「加賀さん、あなた実は……」
青葉「記憶が無くなってないんじゃないですか?」
瑞鶴「!!」
加賀「……」
加賀「……何のことかしら」
青葉「しらを切っても無駄ですよ。徹底的に調べたんです」
青葉「もし最近の自分の記憶が3日間分も無かったとしたら」
青葉「瑞鶴さん、普通どうすると思いますか?」
瑞鶴「え」
青葉「ハッと気づいたら、3日間自分が何をしていたのか分からないなんて状況、怖すぎますよね」
青葉「誰かに話を聞こうとしませんか?」
瑞鶴「うん……確かに」
青葉「でも加賀さんはそれをしなかったんです」
青葉「この鎮守府にいる全員から話を聞きましたけど、加賀さんが元に戻ったとされる時間から今この時まで」
青葉「誰一人として加賀さんに質問はされなかったらしいです」
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:19:25.35 ID:coaRyVCk0
ここまでで
また明日に投下します
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:25:33.27 ID:GTDqvKNBo
女優加賀
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 02:44:18.22 ID:SGPljiSAo
乙
イイヨイイヨー
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 10:39:46.74 ID:PiVwdfQGO
歌も歌えて演技も出来る加賀さんまじ加賀さん
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 14:09:43.65 ID:8SW/37EDO
青葉に見破られてたなんて
ぷらちなムカつくぅ〜っ!
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 14:59:05.61 ID:5/P72ENlO
デデン!
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 00:10:05.70 ID:IvuYtBkB0
青葉「そして今、青葉が言ったことにも突っ込まなかった」
加賀「……」
青葉「それってつまり、3日間自分が何をしていたのか、少なからず知ってるってことだと思うんです」
加賀「……」
瑞鶴「じ、じゃあ……」
青葉「分かってますよ。じゃあ何故、記憶が戻っていながら記憶が無くなったふりをしたのか」
青葉「それは瑞鶴さんのためです」
瑞鶴「え……?」
青葉「司令官にも話を聞いたんですけど、こんな事を言ってましたよ」
青葉「『加賀に瑞鶴のことを気遣ってやって欲しいと頼まれた』と」
青葉「『あの娘、最近元気がないから、いつもより優しく接してあげて欲しいと言われた』と」
瑞鶴「……」
加賀「……」
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:12:06.16 ID:IvuYtBkB0
青葉「加賀さん、あなたは惚れ薬の効果が無くなって、瑞鶴さんへの好意が無くなった」
青葉「でも記憶は残っていた。瑞鶴さんと過ごしてきた3日間の記憶が」
青葉「今まで見たことのない笑顔や、一面を思い出して」
青葉「怒る気持ちが無くなってしまった」
青葉「一方で、瑞鶴さんが加賀さんに好意を抱いてることを感じ取って」
青葉「このままではいけないと、冷たくして嫌われようとし、司令官に耳打ちして瑞鶴さんとくっつけようとした」
加賀「……」
青葉「というのが、青葉の見解なんですが」
青葉「違いますか?」
加賀「……妄想もいいところね」
青葉「まあ確かに主観が入ってますけど、こうすれば筋が通るんです」
加賀「……」
青葉「ちなみに、証拠もあるんですよ」
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:15:25.99 ID:IvuYtBkB0
加賀「証拠……?」
青葉「これです」スッ
瑞鶴「そ、それって……!」
青葉「加賀さんのお部屋にあったこのマグカップ、瑞鶴さんとのデートで購入したものですよね」
青葉「お茶を淹れて飲んだ痕跡もあります。カップは他にもいくつかあったのに、わざわざこれを使ったんです」
青葉「これがどういうことか分かりますか?」
瑞鶴「……?」
青葉「つまり加賀さんは、これを買ったことを覚えていて使用したんですよ」
青葉「買った覚えのない物を使うなんて、絶対に嫌じゃないですか?」
加賀「……」
瑞鶴「……そうかな」
青葉「少なくとも青葉は嫌ですね! 不気味ですよ!」
加賀「人それぞれじゃないかしら。もし私が、買った覚えのない物でも気に入れば使うような性格だったとしたら?」
青葉「ぐっ……」
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:17:04.75 ID:IvuYtBkB0
青葉「で、でも青葉は……!」
加賀「もういいわ」
青葉「え?」
加賀「はぁ……全く、あなたが邪魔をしなければ上手くいったのに」
瑞鶴「か、加賀……さん……?」
加賀「ええ、そうよ」
加賀「全て覚えてるわ。私に異変が起きたことも、何もかも」
瑞鶴「……」
加賀「前にも言ったでしょう、記憶力には自信があるのよ」
青葉「やっぱり! 青葉の推理は正しかったんですね!」
青葉「でもやけにあっさり白状しましたね。もっと粘られるかと」
加賀「上手い言い訳ができないもの。記憶を無くした演技、もっと徹底すれば良かったわ」
瑞鶴「……何で?」
加賀「……」
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 00:20:32.00 ID:IvuYtBkB0
瑞鶴「何でこんなことしたの?」
加賀「青葉さんの言った通りよ。理由はどうであれ、私はあなたがやった事を許そうと思った」
青葉(瑞鶴さんの笑顔が頭から離れなかったに一票)
加賀「そして、今まで通りに接しようとしたら……あなたの様子がおかしいと感じたの」
加賀「3日間の記憶を遡っても、それらしい顔や反応をしていたし。まさかとは思ったけれど」
瑞鶴「……」
加賀「だから私はあなたを元に戻そうとした」
加賀「私がキツイ態度をとって、そこに提督が言い寄れば、離れてくれるだろうと…」
瑞鶴「離れないよ」
加賀「!」
瑞鶴「もう無理だよ。私もね? 加賀さんを諦めようと思ったんだ」
瑞鶴「でも……もう戻れないみたい」
加賀「そんなことないわ。あなたは気の迷いで一時的に…」
瑞鶴「加賀さんっ!!」ダキッ
加賀「!?」
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:22:58.16 ID:IvuYtBkB0
瑞鶴「……ホントに……」
瑞鶴「ホントに記憶、無くなってないんだよね?」
加賀「そうよ」
瑞鶴「よかった……」グスッ
瑞鶴「よかったよぉ……」ポロポロ
加賀「泣くほどかしら」
瑞鶴「当たり前でしょ……どんだけ辛かったと……」ヒック
加賀「ごめんなさい。謝るわ」ナデナデ
加賀「でもね、落ち着いて聞いて。あなたは私のことが好きだと言ったけれど…」
瑞鶴「加賀さんっ」ギュー
加賀「……一旦離れなさい」
瑞鶴「やだ」
加賀「じゃあそのままでいいから聞きなさい。あなたが私に対して抱いているそれは、恋心でも何でもないわ」
加賀「きっと気のせい…」
瑞鶴「加賀さん大好き」
加賀「聞いてるの瑞鶴?」
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:25:07.78 ID:IvuYtBkB0
瑞鶴「好き、大好き」
瑞鶴「えへへ」ムギュー
加賀「……」
瑞鶴「加賀さん」スリスリ
加賀「……はぁ、仕方ないわね……」ナデナデ
青葉「……」
青葉(ふふ、良かったですね瑞鶴さん。まあ恋人の関係になれるかは別問題ですけど)
青葉(青葉は応援してますよ!)グッ
青葉(とりあえず記念に一枚)パシャッ
スタタタッ
明石「瑞鶴! ここにいる!?」
青葉「明石さん、そんなに慌ててどうしたんですか?」
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:28:35.98 ID:IvuYtBkB0
瑞鶴「♡」ギュー
加賀「……」ナデナデ
明石「うおぉ……何あのラブラブ空間……」
青葉「まあ色々あったんですよ。で、瑞鶴さんに何の用です?」
明石「うん……あのね……」
明石「瑞鶴の恋心、惚れ薬の効果かもしれない」
青葉「へ? ど、どういうことです!?」
明石「瑞鶴、加賀さんとアクシデントでキスしたって言ってたんだけど」
明石「その時に移っちゃった可能性があるの」
青葉「……なんと」
明石「だから無効化の薬を飲ませようと思って探してたんだけど」
青葉「……」
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:31:37.28 ID:IvuYtBkB0
青葉「あのー……もうしばらく待ってもらえませんか」
明石「え?」
青葉「直接飲んだわけでなく、キスでほんのちょっとですし」
青葉「放っておいても、そのうち効果が切れると思いませんか?」
明石「……でも……」
青葉「この通りです! 借り一つということで、どうか!」ペコリ
明石「何であなたが必死なの?」
青葉「お願いします!」
明石(すごい勢い)
明石「んー……分かった。でも加賀さんに迷惑がかかるようなら、すぐに飲ませるから」
青葉「はい! ありがとうございます!」
瑞鶴「……」ギュッ
加賀「……」ナデナデ
明石「っていうか、あれ? 加賀さんって記憶が無くなったんじゃ……?」
青葉「ふふ、青葉が説明しますよ! 実は……――」
――――――――
――――――
――――
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:33:44.06 ID:IvuYtBkB0
――後日・演習後――
翔鶴「お疲れ様です!」
赤城「お疲れ様です」
翔鶴「あの、これから二航戦の娘たちと鳳翔さんのお店に行くんですけど」
翔鶴「赤城さんもどうですか?」
赤城「いいですね! もちろん行きます!」
翔鶴「よかった!」
翔鶴「えっと、加賀さんもどうですか?」
加賀「私はいいわ。食べる気分じゃないの」
翔鶴「そうですか……分かりました」
赤城「もし気が変わったら来てくださいね!」
加賀「はい」
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:36:06.26 ID:IvuYtBkB0
赤城「そういえば瑞鶴さんはどこに?」
翔鶴「まだ演習中です。お店も今度行くと言ってました」
ガチャ
パタン
加賀「……」
ガチャ
瑞鶴「食べる気分じゃないの?」
加賀「聞いてたの」
瑞鶴「聞こえてきたの。でも残念だなぁ、せっかく間宮で奢るって約束したのに」
瑞鶴「食べる気分じゃないのかー」
加賀「あれは嘘よ。そんなことも分からないなんて、思わず冷笑してしまいそう」
瑞鶴「なっ!?」
瑞鶴「……もう奢らない」プクー
加賀「こんなことで捻くれるの」
瑞鶴「私をバカにしたのが悪い」
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:38:05.00 ID:IvuYtBkB0
加賀「約束は約束でしょう」
瑞鶴「……」プイッ
加賀「分かった、謝るわ。だから機嫌を…」
瑞鶴「なーんてね」ニコッ
加賀「……」
瑞鶴「ビックリした? 私の演技、なかなかだったでしょ!」
加賀「……これは罰よ」スッ
瑞鶴「へ?」
コチョコチョコチョ
瑞鶴「ちょっ……あはははは! や、やめて! くすぐりはダメぇ!」
コチョコチョコチョ
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 00:41:39.30 ID:IvuYtBkB0
瑞鶴「あはははは! ごっ、ごめんなさいごめんなさい! 許して!」ジタバタ
加賀「笑ってるじゃない。謝る気がないようね」コチョコチョ
瑞鶴「くすぐってるからでしょ!? やめてぇ! あはははは!」
ピタッ
加賀「っと、こんなことしてる場合じゃないわ。そろそろ間宮DXパフェの販売が終わってしまう」
加賀「行きましょう」グイッ
瑞鶴「うわ! ちょっと、行動をコロコロ変えないでよ!」
加賀「早く」
瑞鶴「はいはい……じゃあ行こっか」
瑞鶴「あ、そーだ。今日奢ったら次はそっち持ちだからね」スタスタ
加賀「演習で私に勝てたらの話よ」スタスタ
瑞鶴「まーたそういうこと言う! そんなんじゃいつになるか分かんないじゃん!」ガチャ
パタン
おわり
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:42:31.38 ID:IvuYtBkB0
百合は良い
約1ヶ月の間、読んでくださってありがとうございました
また色々書くので読んでいただけると嬉しいです
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:44:59.91 ID:EFem6sKOo
お疲れ様でした。面白かった
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:46:13.57 ID:NCyEm21Q0
主、ありがとう。お陰で無事昇天した。やっぱり百合は最高だ…
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:46:15.68 ID:+GexI5NgO
おつ
後日談も期待してるぞ
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 00:46:36.01 ID:22wfBXVb0
おつ
よかった
・加賀が使っていたのはデートで買ったマグカップ
(3日間の顛末を知りながら使用を避けようとしなかった)
・惚れ薬の効果が切れたとは言われているが無効化の薬を飲んだわけではない
・
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/10(土) 01:14:00.74 ID:3Kbd37620
五指に入る瑞加賀。
また瑞加賀で書きやがれください。
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 02:19:17.12 ID:gXwWAwIs0
とても良かった……
お上手……
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 02:27:25.19 ID:NjJ7ZbZUo
ほう、薬自体は切れてたのか。
繊細で良かったまじ乙
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 05:01:46.21 ID:KKevo5vk0
乙
過程がどうあれ瑞加賀に幸あれこんちくしょう!
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 18:24:13.78 ID:SMZ17L450
乙
やっぱ瑞加賀って最高だわ…
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 18:34:27.12 ID:af4+iwT90
この鎮守府の空母のレベルは凄い事に成りそうだ。
互いに認めながらも敵対しか出来なかった。
武田信玄と上杉謙信公がタッグを組んだもの。
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/11(日) 00:30:31.29 ID:XuPV8Riao
乙
効果が移るのかと疑問に感じたが面白かったからどうでもいいや
361 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/11(日) 14:42:15.33 ID:WkoZ3okZO
動画にしてもよさそう
362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 18:19:06.97 ID:ypg4iFTb0
百合ものは守備範囲外だがこれだけはありだなと思った
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