ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/14(日) 14:56:59.37 ID:laxrmAmeo
以前別の板で完結したものに筆を加えながら投下します。

小坂幸(こさかさき)――主人公。七重の幼馴染の少女。
               常に七重のことを気にかけている。サキと呼ばれる。

涼宮七重(ななえ)――ハルヒとキョンの娘。明るく素直で、温かい性格。
               ナナと呼ばれる。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1494741419
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/14(日) 14:58:00.94 ID:laxrmAmeo

サキ「はぁっ、はぁ」

走っても、走っても出口が無い。
音の無い、灰色の空に覆われた世界。いつもの町並みなのに誰一人いない。

サキ「誰か、誰か助けて……」

足を緩めて周りを見渡しても返事はない。
胸の中の恐怖がどんどん膨らんでいく。何かが来る予感。
いや、その何かが現れることをハッキリとわたしは感知している。
背後。気配に射すくめられたように足を止めて、恐る恐る振り返り……

サキ「きゃあああああっ!!」

天井。窓から朝日が差し込んでいる。あ。夢か。良かった。
じゃない、晴れて高校生活がスタートするというのに何という夢を見たんだ。
幸先が悪すぎる。いや、今日だからこそ不安でこんな夢を見たんだ、としておこう……。

大きく息を吸い込むと弾みをつけてベッドから降りた。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/14(日) 15:02:02.74 ID:laxrmAmeo

七重「サキーー。おーはよっ」

全くわたしと同じ、真新しい制服に身を包んで、
七重が高々と腕を振りながらこちらに駆け寄ってくる。
相変わらず朝からテンションが高くて頼もしい。

サキ「おはよー」

わたしも表にこそ出さないけど、緊張と期待に胸が膨らんでいる。
東中の入学式の朝以来だな、こういうのは。

あの日もいつものように光陽園駅前で待ち合わせて、
お互いのセーラー服姿に何だか照れながら登校したんだっけ。
中学と高校じゃ違いはたくさんあるに違いないけど、こうして同じでいてくれる。

おかげで今朝がたの後味の悪さも随分とやわらいできた。

上り坂のあちこちを腕一杯に抱えあげた白くてほんのり桃色な花びらで彩るソメイヨシノ。
目覚めに力いっぱいの伸びをする太陽に照らされ、
お米の一粒一粒のように淡く浮かぶ街並が、水平線の輝く海まで続いてる。

そしてこの4月の陽気そのまま、と言ったら失礼だけど、
そんな七重と坂の上をゆらゆらと目指しながら、
高校生活に思い描くことをとりとめなくお喋りしてる。憂鬱になれと言う方が無理だ。
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