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シンジ「高校受験…?」アスカ「私は大学出てるから関係ないわね」
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2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:20:47.96 ID:awQtzn940
ミサト「というわけで二人には高校受験をしてもらいます、私もできることはするから、分からないことがあったらなんでも聞いてちょうだい」
シンジ「わかりました」
アスカ「はあーい…」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:25:19.46 ID:awQtzn940
ミサト「じゃあ私は仕事だからよろしく〜、全く土日でもお構いなしなんだから」
シンジ「ミサトさんは話が急だよね…」
アスカ「私は認めないわよ、大学で学士取ったのよ、今更高校なんて」
シンジ「僕に言わないでよ…それにアスカ、なんだかんだ中学楽しそうにしてたじゃないか」
アスカ「そ、それは…まあ、全く楽しくなかったというと嘘になるけど…」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:28:27.83 ID:awQtzn940
シンジ「でも全く考えてなかったな…高校」
アスカ「ネルフの目が届く高校なんてあるのかしら」
シンジ「正直どこにいても目はあるよね」
アスカ「あいつら風呂とトイレ以外どこでも見張ってるわよ」
シンジ「そうだね(この前ネルフのトイレにカメラ見つけたのは黙っておこうかな…)」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:33:07.17 ID:awQtzn940
アスカ「はあ…私ならそう苦労することもないけど面倒ね…」
シンジ「僕は正直まずいよ、放課後にネルフに呼び出されたりして宿題やるのもやっとだよ」
アスカ「ほんとにノロマね、もっとちゃちゃっとできないの?」
シンジ「ごめん…(アスカが掃除洗濯料理のうち一つでもしてくれればできるんだけど)」
アスカ「…で?どこに行くの?高校」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:42:27.20 ID:awQtzn940
シンジ「うーん…この辺だと有名なのは公立のA高とかB高とか、私立ならk高にl高かな」
アスカ「行けるの?」
シンジ「それは…わからないや」
アスカ「あんまり変なとこ行かないでよね、私も行くことになるんだから」
シンジ「え? 同じ学校じゃないとだめなの」
アスカ「?…わ、忘れなさい!どこでも好きなところに行けばいいじゃない!」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:48:12.85 ID:awQtzn940
シンジ「はいはい…」
アスカ「だいたい私、高校行くなんて決めてないわよ!」
シンジ「そうでした…とりあえず、新学期の面談で話すことになりそうだね」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:51:10.88 ID:awQtzn940
リツコ「あの話、どうなったの」
ミサト「高校に行ってほしいって伝えたわ、ネルフの都合だって嘘も少し混ぜたけど」
リツコ「そこまで高校にこだわる必要はあるのかしら。シンジ君は中卒になってしまうからわかるけど、アスカは大学卒業どころかユーロ空軍の軍人じゃない」
ミサト「そうだけど…」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:54:46.31 ID:awQtzn940
ミサト「アスカが中学校に行ってから、だんだん変わってくるのが分かったわ。彼女、同世代と話す機会が足りなかったのよ」
リツコ「老婆心ね」
ミサト「うるさいわね、まあ否定はしないわ…シンジも友達ができたし、笑顔が増えた。アスカもそう。私達にはできないことよ」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 10:57:39.95 ID:awQtzn940
リツコ「そこまで言うなら私は何も言わないわ、好きにしてちょうだい」
ミサト「はーい。あ、リツコ、今夜空いてる?」
リツコ「あんた、なんでそう急に誘うのよ。空いてるけど」
ミサト「ラッキー!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 11:01:51.39 ID:awQtzn940
リョウジ「なあに、昔からじゃないか」
ミサト「げっ、いつからいたの」
リョウジ「俺もたまたま今日は暇なんだ、付き合うぜ」
ミサト「どうせいつも暇じゃない、元スパイさん」
リョウジ「はは、今は待機中、君の秘密を盗み出す機会を伺っているところさ」
ミサト「何言ってるのよバカ!」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 11:06:33.13 ID:awQtzn940
時は進んで二者面談
担任「碇、お前はどうしたい?」
碇「高校に行きたいことしか決まってないです…ごめんなさい」
担任「なに、そう気に病むな。今から決めてるやつなんて半分もいない。ただ一つ言っておく」
碇「はあ」
担任「行けるところより、行きたいところだ。結局通うのは自分だ、あとでつまらなくなって退学、なんてならないためにも、自分が行きたいところに行け」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 12:08:09.09 ID:awQtzn940
シンジ「色々考えてみます」
担任「そうしろ、碇の実力なら選択肢はある。悩むのが大切だ。しばらく普通に勉強して、また考えが浮かんだら話してくれ、いくらでも相談に乗ろう」
シンジ「ありがとうございます」
シンジ(ためになったけど、少しも決まらないや…アスカはどうするんだろう)
担任(シンジとアスカは同じクラスなので同一人物)「式波はどうするんだ?」
アスカ「保護者に行けと言われました」
担任「自分の希望は?」
アスカ「特にありません」
担任「そうか…確かに式波は行く必要ないもんな」
アスカ「知ってるんですか?」
担任「多少はね。他言は無用だ」
アスカ「…私、自分がどうしたいのか分かりません」
担任「なるほど」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 12:33:26.20 ID:awQtzn940
担任「先生としては行くのがおすすめだ、なんといっても楽しいからな。まあ自分のことだ。ゆっくり考えろ」
アスカ「はい」
アスカ「ぜんっぜん参考にならないじゃない!何よ楽しいって!」
トウジ「お、先生、来たぞ」
アスカ「シンジまだいたの?」
シンジ「うん、二人につかまっちゃってさ」
ケンスケ「なんだよよそよそしいなあ、進路の話に花を咲かせてたんじゃないか」
アスカ「馬鹿みたい、自分のことくらい自分で決めたら?」
シンジ「アスカ、そこまで言わなくても」
トウジ「そういう式波は決まっとるんか?」
アスカ「わ、私はもう決めたわ、あんたたちと違って計画的なのよ」
トウジ「どこ?」
アスカ「あんたたちには関係ないでしょ!私もう行くから」スタスタ
ケンスケ「そんなまずい話題なのかな…?」
シンジ「さあ…」
トウジ「あーあ白けちまった。ゲーセン行くぞゲーセン」
ケンスケ「そんな調子でどうなるやら」
トウジ「う、うるさい、息抜きじゃ息抜き」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/14(日) 12:36:59.73 ID:/T07FW1jo
ミサトはシンジ「君」呼び
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/14(日) 13:27:37.11 ID:BJsJWwMUo
シンジ君も環境があればユイさんくらい頭良さそうだし国が手放さないかな
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 13:58:12.78 ID:awQtzn940
シンジ「ただいまー」
ミサト「おかえりシンジくーん えびちゅ飲む?あ、やっぱりだめぇーこれ私のー」
シンジ「…飲み過ぎですミサトさん」
アスカ「どうにかしてほしいわ」
ミサト「二人とも、なにか決まった?」
アスカ「そういうのは素面でやりなさいよ…」
シンジ「いや、今までその…使徒とかエヴァとかそんなことばっかりだったから…正直何も決められなくて」
ミサト「そうよねー…まあ悩んでちょ、それが青春だー」グヒグビ
シンジ「無責任だ…」アスカ「無責任ね…」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 15:31:31.74 ID:awQtzn940
コメントありがとうございます、なにぶん勉強不足なので指摘バシバシお願いします
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 15:33:53.21 ID:awQtzn940
あと100%北海道人なので関西弁がキツイです。標準語ももしかしたら訛りがあるかもしれません…
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 15:46:11.28 ID:awQtzn940
シンジ「ミサトさんはアテにならないね」
アスカ「そうね…いいとこ行ってるはずなんだけど、飲んだくれじゃ話にならないわ」
ミサト「シンジくんおかわりぃ〜」
シンジ「何本目ですか…あ、冷蔵庫にもうないです」
ミサト「うそ〜ん、よく探してみてえ?」
シンジ「ないものはありません(僕が買ってきた食材以外ビールしか入ってないのにどこを探せって言うんだよ…)」
ミサト「仕方がないわねえー、シンジくん買ってきて?」
シンジ「僕は高校受験をする年です」
ミサト「ああー、ホントだ、ごめんごめん…コンビニ行ってくるわー、すぐ戻るからー」ガチャン
シンジ(ごめん第三新東京市民のみなさん…僕が未成年であるばかりにミサトさんを野に放ってしまった)
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/14(日) 15:48:38.97 ID:kZelRDNG0
期待
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 15:55:08.38 ID:awQtzn940
シンジ「はあ…結局みんな自分で考えろとか、悩むのが大事だとか行ってすこしも取り合ってくれない」
アスカ「うじうじしてきもちわるーい」
シンジ「だって仕方がないだろ…そんなこと考える暇も余裕もなかったんだ…エヴァに乗れって言われて、言われるままに使徒を倒してきたんだ…それなのに突然将来とか自分で考えろとか言われてもどうしようもないじゃないか…」
アスカ「もっとスパッと行きなさいよ、日本男児とやらなら。バカシンジ」
シンジ「そう言われても…」
アスカ「あんたの愚痴なんて聞きたくないわ、具体的な案を出しなさいよ案を」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 15:57:21.19 ID:awQtzn940
アスカ「…あ、やっぱり今のナシ」
シンジ「なんだよ今度は」
アスカ「お腹空いた、ご飯作って」
シンジ「はいはい(また考える暇がなくなっていく)」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 16:06:16.26 ID:awQtzn940
ミサト「たっだいまあ〜!わあ、いい匂いがする!」
シンジ「おかえりなさいミサトさん、今日は僕が帰るのが遅くてそんなに手は込んでないですよ」
アスカ「えー!なにそれ!信じられない!」
シンジ「アスカが早く作れっていったんじゃないか…」
ミサト「いいのいいの、シンジくんが作ったご飯全部美味しいから!いっただっきまーす!」プシュ
シンジ(そう言っても結局最初はえびちゅじゃないか…アスカみたいに怒らないだけマシかな)
アスカ「…手抜きにしてはまあまあね」モグモグ
シンジ「具材を切って袋入りの料理の素と炒めるだけだから不味くなりようがないよ」
アスカ「日本人ってやけに手抜きに手が込んでるわね…」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 16:14:29.87 ID:awQtzn940
ミサト「それで二人とも、なにか手がかりはつかめたのかしらん?」
シンジ「まず将来やりたいことがなくて…(今までなんとなく生きてきたからなあ)」
アスカ「私は将来もなにもユーロ空軍のエースパイロットだから、そこの辺は心配しなくていいわね」
ミサト「そうかあー…私は最初から決まってたからその点楽だったわ」
シンジ「何になりたかったんですか?ネルフってそんなに昔からあるわけじゃないですよね」
ミサト「(さすがに本当のことはシンジくんには言えないわね…)研究職かな、大雑把に言えば」
シンジ「いいなあ…やりたいことがあるって」
ミサト「やっぱりやりたいことがあると話は早いわねー、技術者ならその手の学校、デザインならその手の学校、官僚さんとかならとりあえず行ける一番いいところ、とか。でも、中3が全員考えて選んでるわけでもないから、大雑把でいいのよ」
シンジ「大雑把に…」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 16:24:35.93 ID:awQtzn940
ミサト「そう、大雑把。なりたい自分とか、やりたいこととか」
シンジ「分かりました、考えてみます…」
アスカ「迷ったらいいとこ行っとけばいいのよ、お金はあるんでしょ?」
ミサト「中学校で必要なお金はネルフから下りてたから、たぶん高校もそうなるはず。私立でも公立でも好きなところに行っていいのよ」
シンジ「はい…ごちそうさまでした」
ミサト「あら、早いのね」
アスカ「それしか食べないからいつまでもなよなよしてんのよ!」
ミサト「アスカはよく食べるのに太らなくて羨ましいわ…」
アスカ「全部エネルギーになってるのよ、おかわり」
シンジ「はい…」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 16:34:02.23 ID:awQtzn940
ミサト「そうよ、大雑把。なりたい自分、やりたいこと。それが見えたら自然と逆算できるの」
シンジ「ありがとうございます…」
アスカ「ほんとにないの?やりたいこと」
シンジ「まだ考えつかないや…」
ミサト「ゆっくり考えなさい、としか言えないのが辛いところね…」
シンジ「ごちそうさまです」
ミサト「あら、早いのね」
シンジ「ちょっと色々考えてみます…」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 16:35:25.01 ID:awQtzn940
27番失投です、黙殺してください
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 16:44:29.26 ID:awQtzn940
風呂
シンジ(なりたい自分…やりたいこと…)
シンジ(だめだ、ちっとも考えつかないや…だいいち僕が知ってる職業なんて教師とネルフ職員くらいじゃないか…)
シンジ(先生は向いてなさそうだし、銃を持つ仕事もなあ…ミサトさんたちにはお世話になったけど、やりたいというのも違う気がする)
シンジ(この一年くらい、みんなが色々考えてた時期に僕はエヴァに乗っていた…世界を救うには僕しかいないって言い聞かされて乗った…)
シンジ(使徒との戦いのあとに残ったのは無気力な自分…これじゃあちっとも変わらない。エヴァに乗る前と何も変わってない…結局大人の言いなりになってきただけだ…)
シンジ(たしかに友達はできた、レイもアスカも僕と話してくれるようになったし…トウジもケンスケも、みんな大切だ)
シンジ(でも僕にはなりたい自分がない…なりたい自分ってなんだろう…そもそも自分なんて今ここにしかいないじゃないか…)
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 16:56:30.83 ID:awQtzn940
リビング
アスカ(いつまでお風呂入ってるのよバカシンジ、お湯が冷めちゃうじゃない)
アスカ「シンジー、早くでてこーい」
……
アスカ「おーい!バカシンジ!」
風呂シンジ「わ、わあ!ごめん、今上がる!」バシャーン
アスカ「なにぼけっとしてるんだか…」
ミサト「悩める年頃なのよ」
アスカ「ドイツじゃ小学校卒業である程度自分で決めるのよ、むしろ遅すぎるほうよ」
ミサト「お国柄ってやつね…アスカも見守って上げてちょうだい、その辺は先輩でしょ?」
アスカ「私?なんでバカシンジの面倒見なくちゃならないのよ、勝手にすればいいじゃない!」
ミサト「あら、シンジくんと同じ学校に行きたくないの?一緒に考えてあげなきゃ」
アスカ「それとこれとは別よ!」
ミサト「ふーん、一緒がいいんだ」ニヤニヤ
アスカ「……!! もう知らない!」
ミサト(こんな単純な誘導尋問でも成功するのね…)
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 17:06:21.46 ID:awQtzn940
風呂
アスカ(なによ…ミサトのやつ私をからかって…)
アスカ(今に始まったことじゃないしいいか…いやよくない!)バシャン
アスカ(別の学校に行ったら色々面倒だわ、ネルフも大変だしシンジに荷物をもたせたりできないじゃない、高校ってなんかやけに荷物重そうだし遠そうだし。そうよ、これは便宜なのよ)
アスカ(あれ…そういえばレイはどうするんだろう、まさかシンジと同じ学校…?)
アスカ(なんでシンジが出てくるのよ!レイと関係ないじゃない!あー、なんか最近思考が思い通りに行かないわ、落ち着けアスカ…)ブクブク
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 17:16:47.90 ID:awQtzn940
アスカ「上がったわよー…ミサトは?」
シンジ「アスカが風呂から上がったら起こしてって言って部屋に消えたよ」
アスカ「うええ、めんどくさ…ミサトー!上がったわよ!」
部屋ミサト ハーイ
アスカ「まったく…で、何見てるの?」
シンジ「これ? この前やった適性検査みたいなやつ」ペラ
アスカ「あー、質問がだ〜って並んでたやつね、面倒だから全部一番にマークしてやったけど、真面目にやったの?」
シンジ「(そんな勇気は僕にはないよ…)これによると僕はアナライザー…アナライザー?」
アスカ「分析ってことでしょ、パソコンでいろいろ分析するんじゃない?」
シンジ「そうみたい、だけど実感わかないや」
アスカ「本当に考えなしねー」
シンジ「自分でもそう思うよ…」
アスカ「ま、色々考えてみれば?」
シンジ「アスカまでそれを言わないでよ…なんかプレッシャーに感じ始めたよ…」
アスカ「考えてみれば〜?」
シンジ「わざとやってるだろ」
アスカ「うん」
シンジ「肯定されると返しづらいよ…いいや、今日は宿題やって寝よう」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 17:30:25.74 ID:awQtzn940
ケンスケ「進路希望調査、なんて書いた?」
トウジ「おお、気になるところやな、お前先に言え」
ケンスケ「なんでだよ、お前から言えよ」
トウジ「お前から」
ケンスケ「じゃあいいよ、二人で同時に言うぞ」
トウジ「ちゃんと言えよ」
トウジ ケンスケ「「せーの」」
トウジ ケンスケ ………
トウジ ケンスケ「「言わないんかい!」」
アスカ「何馬鹿なことやってんの?」
ヒカリ「人と比べることでもないよ、そもそも」
トウジ「お、いいんちょはどうしたんや」
ヒカリ「今言ったばかりでしょ!もう…隠すことでもないけど」
トウジ「で?どこなんや」
ヒカリ「k高校とか…考えてみたり」
ケンスケ「やっぱりそうか!流石といったところだ」
トウジ「k高校か、すごいな」
ケンスケ「お、トウジも勉強頑張らなきゃいけませんなあ」
トウジ「なんで同じとこ行く前提なんじゃ!アホ!」
ヒカリ「自分の事だから自分で考えなよ…アスカは?」
アスカ「ぜーんぜん考えてない、そもそもどこでも行けるし」
ケンスケ「また嫌味な言い方」
トウジ「ほんと。嫌味じゃないシンジで口直しや。シンジ、お前はどうなんや」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 17:42:35.76 ID:awQtzn940
シンジ「いや…自分が何をしたいのかわからなくて…とりあえず知ってる高校を書いただけだよ」
トウジ「そんなに深く考えんな、行けるとこ行っときゃええやないか、お前頭悪くないし」
ケンスケ「誰かと違ってね」
トウジ「なんか言ったか?」
ケンスケ「なにも? でもシンジが頭いいのは本当だぜ、この前の考査の社会の点数みた?93点」
シンジ「あれは先生が言ってたことを覚えただけで…」
ケンスケ「それが出来れば苦労はないさ!世の中の学生は先生の話を聞くことすらできないんだぞ!」
ヒカリ「あなた達はできなさすぎです」
アスカ「そうよ、本能のまま寝るなんて馬鹿のやることよ」
トウジ「仕方がないやろ…体がそうなってるんだから…」
ヒカリ「まったく…困るのは自分なんだからね」
トウジ「百も承知じゃ…シンジ、よく考えろ、お前なら将来俺達がなれないような高給取りになれる」
シンジ「高給取り…別にお金がほしいわけじゃないんだけどな…」
トウジ「かあー!ほんま無欲な奴だな!少し分けてやりたいわ」
ケンスケ「だいぶ分けても大丈夫さ」
トウジ「なんか言ったか?」
ケンスケ「なーにも」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 17:51:43.04 ID:awQtzn940
帰り道
シンジ「全然わからないや…」
アスカ「とりあえず勉強しておけばいいんじゃない?」
シンジ「結局そうか…好きでもないんだけどな」
アスカ「やらなくていいならみんなやらないわよ、私はやるけど」
シンジ「どういうこと?」
アスカ「周りに自分より頭がいい人がたくさんいるなんて耐えられないわ」
シンジ「そうなんだ…」
アスカ「シンジは悔しくないの?」
シンジ「うーん…別に…」
アスカ「本当に無欲ね…」
マリ「お、久しぶりーお二人さん」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 18:16:42.85 ID:awQtzn940
アスカ「げ、コネメガネ」
マリ「さしずめ進路に悩む二人の青少年ってところかな?」
シンジ「そんなところです…悩んでるのは僕だけですけど」
マリ「たしかに考える暇もなかったもんねー」
シンジ「そういえばマリさんは大学生…でしたっけ?」
マリ「いや?わたしはもう卒業してるよー」
アスカ「あんた何歳なの?」
マリ「乙女の歳を聞かないの。で、何に悩んでるのかな」
シンジ「自分のやりたいこととかそういうのが全然なくて…適当に選んじゃ良くないと思うんですけど…」
マリ「あー、なるほどねえ、やっぱりその年じゃわからないよねー」
シンジ「はい…」
マリ「そんなに考えなくても、行けるとこ行っとけばいいんじゃない?」
シンジ「先生に行けるところより行きたいところって言われて…」
マリ「まあ先生はそう言うよね…高校見てみたりした?」
シンジ「いや、それはまだ…」
マリ「使徒と一緒だよ、まず体動かして、目で見なくちゃ。考えるのはそれから」
アスカ(こいつそんないきあたりばったりな戦い方してたわけ?よくここに立っていられるわね)
シンジ「そうか…ありがとうございます」
アスカ(納得しちゃうんだ)
マリ「オープンキャンパス?説明会?そういうの言いってみなよ、夏くらいにあるでしょ」
シンジ「わかりました、アドバイスしてくれてありがとうございます」
マリ「いやいや、こんなの誰でも言えるよー、じゃあ私はこれからネルフだからー」
アスカ(反対方向じゃない…なんなのこいつ?)
マリ「あ、あと姫、素直にならないと損だよ」
アスカ「は、はあ?」
マリ「じゃねー」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 18:39:45.32 ID:awQtzn940
シンジ「説明会か…」
アスカ「たしかに一理あるわね」
シンジ「やりたいこともわからないのに今度は通いたい高校を考えなくちゃいけないなんて…」
アスカ「いいじゃない、どっちか決まれば両方大きく前進よ」
シンジ「そうかな…」
アスカ「本当にぱっとしないんだから…しっかりしなさいよね」
シンジ「ごめん…」
アスカ「今は苦手科目のことでも考えてなさい、数学なんとかするんでしょ?あと小説も苦手なんだっけ?」
シンジ「アスカこそ、古文なんとかしなくちゃね」
アスカ「ふん!人の心配するなら自分の心配しなさいよね!」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 20:17:16.14 ID:awQtzn940
机に向かうシンジ
シンジ(数学やっぱり苦手だなあ…何が楽しくてxの値なんか求めるんだろう、xだってそっとしてほしいときがあるはずじゃないか)
x(うるせえ、とっとと求めやがれ。スッキリした数になってやるから頑張れよ)
シンジ(わかったよ…そこまで言うなら…)
……
47分の13(ほら、すっきりした)
シンジ(やっぱり嘘じゃないか…数学は嫌いだ…)
47分の13(馬鹿いえ、分母も分子も素数じゃねえか。この問題考えたやつはわかってるぜ)
アスカ「シンジー、勉強教えてあげよっか」
シンジ「あ、アスカ?驚かせないでよ」
アスカ「そう?普通に話しかけただけじゃない」
シンジ「それがびっくりするんだよ…でも特に分からないところはないよ」
アスカ「はあ?どこかあるでしょ、どこか」
シンジ「わざわざみつけるほどのものでも…じゃあ、これ教えてよ。出来たけどいまいち納得行かないんだ」
アスカ「どれ?」
シンジ「145番だよ(なんでわざわざ後ろから覗き込むんだよ…近いよ…)」
アスカ「ふうん、二次関数か」
シンジ「わかる…?」
アスカ「あったりまえよ…で、どこがわからないの」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 20:27:23.30 ID:awQtzn940
シンジ「えっと…ここになんでa+1が代入できるのか分からないんだ(近い…なんかいい匂いする)」
アスカ「ん…あー、あんた図が間違ってるのよ」
シンジ「図?(だめだ、ちゃんと考えないと)」
アスカ「問題解くためにグラフとか描くでしょ、それよ。あんたが描いた図だとここ離れちゃってるけど、本当は接してる。計算してみなさい」
シンジ「…あ、本当だ」
アスカ「計算ができてもそもそも間違った図を描いていたら意味がないのよ、バカシンジ」
シンジ「はい…」
アスカ「とくにくっつく離れるは大事。グラフは正確に描くこと。いい?」
シンジ「がんばります…」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 20:43:45.93 ID:awQtzn940
アスカ「それにしても変な計算の仕方」
シンジ「計算って?」
アスカ「ほら、これ割り算でしょ?ドイツじゃこんなふうに書かないわ」
シンジ「国によるのかな」
アスカ「多分そうなのね…こういうときドイツと日本は違う国だって実感するわ…」
シンジ「他にはそんなに感じないの?」
アスカ「まあ、そろそろ慣れたってとこかしら。部屋の仕切りが薄っぺらくて鍵一つかけないとか最初は信じられなかったけど…そういうものって思えばそう思えてくるから不思議なものね」
シンジ「ドイツか…行ってみたいな」
アスカ「何よ突然」
シンジ「僕、日本を出たことがないんだ」
アスカ「そうなの?つまんなーい」
シンジ「気にしてるんだからやめてよ…とにかく、行ってみたい。アスカが育った国にちょっと興味があるんだ」
アスカ「そう…じゃあ来れば?」
シンジ「連れてってくれるの?」
アスカ「英語が話せるようになったらね、あんたの通訳なんてやりたくないもの」
シンジ「ありがとう」ニコッ
アスカ「う、うん(なんでこんなことで心底から嬉しそうにできるのよ…ずるい…)」
アスカ「で、他にはないの?」
シンジ「うん、今はないかな」
アスカ「タダで教えてもらおうって気じゃないでしょうね」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 20:51:49.18 ID:awQtzn940
シンジ「な、なんだよ、アスカから教えてあげるって言ってきたんじゃないか」
アスカ「別に金取ろうって言ってんじゃないのよ、ちょっと聞きたいことがあるだけ」
シンジ「聞きたいこと?」
アスカ「別にあんたに聞かなくてもわかるんだけど、一応ネイティブに意見を聞いとこうと思ってね、ここなんだけど」キョウカショペラ
シンジ「古文…?僕古典日本語のネイティブじゃないよ」
アスカ「1000年くらい大して違わないわよ」
シンジ「1000年たてば流石に違うよ…で、どこ?(質問したいなら最初から聞いてくればいいのに)」
アスカ「この和歌を訳してこいって言われたんだけどさっぱりなのよ」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 21:00:14.94 ID:awQtzn940
「玉の緒よ 絶えねば絶えね ながらえば 忍ぶることの 弱りもぞする」
式子内親王
シンジ「宿題?」
アスカ「いや、ヒカリがアスカにぴったりだからって教えてきたのよ。でも意味がわからなくて」
シンジ「なんか見たことある歌だな……」
アスカ「調べるのはナシよ、面白くないから」
シンジ「…あ」
アスカ「わかった!?」
シンジ「百人一首だ。百人一首に入ってるよこの歌」
アスカ「百人一首って、かるたに使うやつ?」
シンジ「そうそう」
アスカ「で、意味は?」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 21:09:01.78 ID:awQtzn940
シンジ「えーと…(ヒカリさんも意地悪だなあ、僕がこの歌の意味を教えたら絶対とばっちりを食らうよ……)」
アスカ「早く言いなさいよ」
シンジ「(言わないほうが怒られる…ええい!)私の命よ、絶えるなら絶えてしまえ、生きながらえていると、私の気持ちを隠す力が弱くなって、ばれてしまいそうだから」
アスカ「……つまりどういうこと?」
シンジ「これ以上生きてたら恋心がバレるからいっそ死んだほうがマシってことだよ」
アスカ「…どこが私にぴったりなのよ!こんな歌!好きなのになんで隠すの?馬鹿じゃないの?」
シンジ「昔の女の人は自分から言えない立場だったんだよ…きっと…(想像から外れたけどとりあえず助かったかな)」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 21:14:01.45 ID:awQtzn940
アスカ「明日ヒカリにもっとピッタリの歌教えろって言ってやるんだから!」
シンジ「はは、そうだね…(もっとえげつない恋の歌教えられるだけだよ…)」
シンジ(でも待てよ、ヒカリさんがこういうからかい方をするってことは、アスカに好きな人でもいるのかな)
シンジ(誰だろう…いや、いると決まったわけでもないけど…ああ、なんでこんなに気になるんだよ、アスカが誰を好きになろうと勝手じゃないか…)
アスカ「シンジ!なにぼーっとしてんのよ!」
シンジ「わっ、ごめんアスカ」
アスカ「しっかりしてよね…私お風呂はいるから」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sagb]:2017/05/14(日) 21:28:35.88 ID:eGLfn9GkO
そういやシンジって世界最高の頭脳を持つ母親から生まれたんだよな、何気にクソハイスペだわ
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 21:50:14.43 ID:awQtzn940
説明会にて
シンジ「k高校、やっぱりうちの中学より大きいなあ」
アスカ「当たり前じゃない、そんなしょぼい高校誰も行きたがらないわよ」
シンジ「そうだね…えーと、体育館に行けばいいのかな」
アスカ「うわあ…この暑い日に体育館…私達よりによって制服じゃない…」
シンジ「仕方がないよ、私服で来るわけにも行かないし…それにしてもこの校舎ややこしいなあ」
アスカ「停電したらかの日のネルフみたいになりそうね」
シンジ「あはは…あの時は参ったなあ…」
アスカ「今となっては思い出よ、あ、ここから体育館にいける」
シンジ「本当だ」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/14(日) 21:56:45.76 ID:awQtzn940
k高教師「えー、当校の特長としては……」
アスカ「あづい…」
シンジ「真面目に聞こうよ…」
アスカ「あとでアイス買いなさいよ…」
シンジ「自分で買いなよ」
アスカ「けちぃ」
k高教師「国指定の科学教育プログラム、sspに指定されており…」
シンジ「ssp?」
アスカ「んー…すーぱーさいえんすプログラム?」
シンジ「そうみたい…どんな制度なんだろう」
アスカ「それをいま説明してるんでしょうが…」
シンジ「ごめん…暑くて頭が回らないや…」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 00:07:43.16 ID:KyXtfV7s0
めちゃ細かくて申し訳ないがアスカのレイの呼び方は、えこひいきとかの方がええと思うで
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 03:39:49.42 ID:vNmTTfNeo
ミサトが自宅にいるときや飲んでるときなど上機嫌なときは、「シンちゃん」、「シンちゅぁ〜ん」かな
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 04:54:22.93 ID:eEhp0wzD0
>>あ、そうですよね(違和感に気づけなかった
>>全くその通りです(ry
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 05:01:48.98 ID:eEhp0wzD0
ほんと呼び方って人間関係出ますよねー…公私で呼び分けたり途中から変えたり機嫌で変わったり気を抜けません…にわかが露呈していますが完走はしますので生暖かく見守ってください
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 05:10:37.91 ID:eEhp0wzD0
学校説明会 廊下
アスカ「暑かった…」
シンジ「うん…」
アスカ「で、どうよ」
シンジ「まだ一校目だし、なんとも…校舎がややこしいけどきれい…くらいかな」
アスカ「はあ?それだけ?この私にご足労願っておきながらそれだけって言うの?」
シンジ「ごめん…(暑さで気が触れてるんだ)」
アスカ「まあいいわ、一通り校舎を回って見るわよ、それでも同じ感想だったら棒についてるアイスからハーゲン○ッツに格上げだからね」
シンジ「僕が買うのは決定なんだね…」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/15(月) 05:18:32.57 ID:N6izPqkSO
>>51
仕事の時に爆睡しちゃダメだぞ。朝まで頑張って書くのは立派なもんだからな。
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 05:29:05.21 ID:eEhp0wzD0
k高生「こんにちはー、そこの二人、陸上部見てかない?」
シンジ「へ、あ、はい」
アスカ「こいつ走れそうに見えます?他を当たったほうがいいですよ」
シンジ「あ、アスカ(エヴァでなら音速出せるのにな…肉体の檻は残酷だ)」
k高生「初心者でも大会出られるくらいになるんだよ、俺も高校で始めたけどこの前入賞出来たんだ」
アスカ「キョーミありません」シンジ「ちょっとなら…」
アスカ「マジ?」
k高生「ってことでちょっとこの男の子借りるね、他の部活も色々あるから彼女は時間つぶしてて」
アスカ「かっ、彼女」//
シンジ「ごめん、しばらく見てくるよ(日本語は二人称で彼女って言ったりするんだよアスカ…)」
……
k高生「なあ、シンジくんっていったっけ?」
シンジ「はい」
k高生「彼女超かわいいじゃん、ハーフか何か?」
シンジ「彼女じゃないです(ほんとにガールフレンドの方だった)」
k高生「じゃそのうちってことだ、性格きつそうだから一緒に住んだら大変だぞー、ははは、同棲なんて話が早すぎるな」
シンジ「ははは…」
k高生「はい、ここが活動場所」
シンジ「走ってますね(外暑い)」
k高生「その通り!陸上部だからね。週一日休み、土日は午後か午前だけって感じでやってるよ」
シンジ「ハードですね…」
k高生「慣れだよ慣れ、今は部活がないと体がむずむずする。陸上の経験は?」
シンジ「いや、特には…」
k高生「よし、ものは試しだ、部員について走ってみよう!」
シンジ「え、ええ」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 05:34:55.99 ID:eEhp0wzD0
>>53
ありがとうございます、努力はしますが完全に昼型人間でしかも受験生(高3)なのでどこまでやれるか…
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 05:50:52.54 ID:eEhp0wzD0
シンジ(結局グラウンド一周させられた…アスカどこ行ったかな…)
シンジ(部活見学には興味ないのかな…それとも文化系には興味があるのかな…)
シンジ(とりあえず文化系回ってみよう)
シンジ(茶道部…アスカは正座苦手そうだしいないかな)
シンジ(pc研…覗いてみたけどいない)
シンジ(文芸部にもいないし吹奏楽部にもいなかった)
シンジ(科学部?何するんだろう)
………
シンジ(全部回ったけどいないや…)
アスカ「あ、いた」
シンジ「あ、アスカ、どこにいたの?」
アスカ「自販機で飲み物買って飲んでただけだけど?」
シンジ「そ、そう…」ガックシ
アスカ「やけに遅かったけどあんたこそ何してたの?」
シンジ「ちょっと陸上部以外も見てたんだ(探し回ってたなんて言えない)」
アスカ「そ、もう全部見た?」
シンジ「うん、一通り」
アスカ「そろそろいい時間だし、昼でも食べる?午後からは別の学校見に行くんだよね」
シンジ「うん、l高に行くつもりだよ」
アスカ「じゃ行こ」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 06:07:53.97 ID:eEhp0wzD0
ファミレス
シンジ「k高校はどうだった?」パスタクルクル
アスカ「まぁまぁじゃない? 市内最難関だけあって流石に生徒も利口そうだわ」パスタクルクル
シンジ「うん、僕もそう思った」モグモグ
アスカ「自分は頭いいっていう嫌味な感じもなくていいわね、市内で一番だと他の学校と比べたりしなくていいから心に余裕があるのかしら、それはそれで嫌味だけど」モグモグ
シンジ「そうだね…僕の成績だとだいぶ頑張らなくちゃ入れないけど(結局なんでも嫌味なんじゃないか…)」
アスカ「入りたいなら勉強する、それだけよ」
シンジ「ただ、入ったら勉強大変そうだね…」
アスカ「本当よ、なんで一年から受験受験なの?私は大学行かないから正直そこは鬱陶しいわ」
シンジ「ごめん…」
アスカ「なんでシンジが謝るの?バーカ」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 06:14:18.50 ID:eEhp0wzD0
l高
シンジ「すごいや…」
アスカ「この校舎金かかってるわねえ、ジオフロントには見劣りするけど、建て替えたばかりなんだわきっと」
シンジ「そうだね…(あんな物騒なところに通学したくないよ…)」
アスカ「さあ、行くわよ」
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 06:33:34.78 ID:eEhp0wzD0
説明会
l高教師「l高校は来たるグローバル社会に対応するために、海外交流を活発に行っており、留学などにも強力な支援を…」
アスカ「日本人は英語教育が大好きね」
シンジ「そうだね…英語を勉強しないとほとんど日本人としか話せないからかな」
アスカ「不便な民族」
シンジ「仕方がないよ…」
アスカ「k高ほどじゃないけど暑い…」
シンジ「冷房がまだ効いてるね、校舎が新しいからかな」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 06:56:07.31 ID:eEhp0wzD0
廊下
アスカ「しっかし廊下も広いわねー」
シンジ「校舎には相当力を入れてるんだね」
アスカ「…留学、行きたいんだっけ?」
シンジ「うーん…たしかに行きたいけど、ドイツは留学先にあるかな…英語圏じゃないし」
アスカ「はあ?どういうことよ、アメリカとかイングランドに劣ってるっていうの?」
シンジ「僕に詰め寄らないでよ…日本の教育方針が英語よりなだけで他意はないよ…」
アスカ「ふん、何がグローバルよ、結局米英に擦り寄ってるだけじゃない!」
シンジ「そうなのかな…」
アスカ「そうよ!まあドイツもドイツでEUで気を遣って英語を話してるから残念ながら情けなさじゃ引けを取らないわね」
シンジ「どうしてなの?」
アスカ「ドイツは第二次世界大戦でやらかしたって認識が強すぎてドイツ語を話すのも憚るようになったのよ、情けないことにね」
シンジ「そうなんだ…(現代史で習ったことってこんなところにも関係してるんだな…日本人はそこの辺を考えなさすぎなのかもしれないや)」
アスカ「ただ希望は捨てないわ、イングランドがEUから脱退した今、英語を第一言語にしてる国はもうないわ。ドイツ人は胸張ってドイツ語を話せばいいのよ」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 07:40:36.42 ID:eEhp0wzD0
部室棟(文化)前
シンジ「この学校は部室棟があるんだね」
アスカ「面白い構造ね」
シンジ「一通り見てみようか」
アスカ「いいわよ、すぐ見られそうだし」
……
アスカ「なんかぱっとしなーい」
シンジ「運動部のほうが盛んみたいだから、そういうことなのかな…僕はぱっとしないとは思わなかったけど」
アスカ「さ、あっちと違ってすっきりしてるからもう見る必要もないでしょ」
シンジ「そうだね、生徒の雰囲気も部室棟でだいたい分かったし、そろそろ出ようか」
アスカ「アイスアイスー」
シンジ「それは忘れてほしかったな…」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 10:39:30.74 ID:Fh2CkVlxO
トウジ「お!夫婦で高校の下見ですか」
ケンスケ「にくいねえ〜」
シンジ アスカ「「そんなんじゃない!!」」
トウジ「ぴったりじゃのう」
シンジ「勘弁してよ…二人も見に来てたんだね」
トウジ「そうや、お前ら午前はどこいってたんや」
アスカ「k高校」
ケンスケ「わーお」
シンジ「見に行っただけだよ、まだ行けるかもわからないんだ」
トウジ「ワシら見に行っても悲しくなるだけやから行ってないわ」
ケンスケ「そういうこと」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/15(月) 11:26:32.25 ID:2dUHUM4Oo
C
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 11:40:15.36 ID:Fh2CkVlxO
トウジ「それよりこれから暇か?ゲーセンいこうやゲーセン」
アスカ「あんた口を開けばゲーセンゲーセンって、そんなに行って飽きないわけ?」
トウジ「飽きるわけないわ。シンジ、どうや」
シンジ「付き合うよ」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/15(月) 12:49:52.00 ID:b7cKBXy4O
いいね
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 14:04:37.63 ID:Fh2CkVlxO
ピリリリリリ ピリリリリリ
シンジ「電話?」
[葛城ミサト]
シンジ「ごめん、ちょっと出るね」
ミサト『もしもし、シンジ君、今どこ?』
シンジ「l高校にいますけど、どうしましたか」
ミサト『ちょーっとまずいことになったわ、すぐにネルフに来て。アスカもそこにいる?』
シンジ「はい、います、けどどういうことですか」
リツコ『ミサトちょっと貸して…リツコよ、初号機から原因不明の異常シグナルが検出された。危険域ではないけど見過ごせないわ、念のために零号機から弐号機のパイロット三人を召集します』
シンジ「わかりました、すぐ向かいます」
リツコ『車を向かわせているわ、校門で待機して』
シンジ「わかりました」
アスカ「どういうこと?」
シンジ「ネルフにすぐ来いって。車が迎えに来るらしいからすぐ校門に行くよ」
アスカ「今度は何よ!まったく!」
トウジ(めんどくさいことになってるなあ)
ケンスケ(ゲーセンはお流れだね)
シンジ「とにかく行こう、トウジ、ケンスケ、ごめん!」
トウジ「落ち着いたら誘ってや」
ケンスケ「僕たちは暇人だからね」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 17:13:46.31 ID:Fh2CkVlxO
(ID変わってるけど中の人変わってません)
車の中
アスカ(なんでこんなにすぐ車が来るのよ…やっぱりガチガチに監視されてるじゃない…エリートパイロットの宿命かしら…)
シンジ「初号機の様子がおかしいってリツコさんが言ってた…」
アスカ「おかしいってどういうこと? システムは完全に停止されてるはず」
シンジ「僕には分からないよ…」
アスカ「……」
シンジ「いつもこうだ…急に呼び出されてああしろこうしろって…」
アスカ「また始まった」
シンジ「……だってそうじゃないか」
アスカ「そういうの今回で終わりにするんじゃなかったの?自分の意志で、自分の未来を決めるんじゃなかったの?……ばっかみたい、いつまでもうじうじして」
シンジ「ごめん…」
アスカ「……しっかりやりなさいよ、バカシンジ」
シンジ「うん」
アスカ「あんたがいないと…高校行っても面白くないから」
シンジ「…ありがとう」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 20:27:44.70 ID:eEhp0wzD0
青葉「初号機のシンクロ率4.3,4.33,4.36、依然として上昇中」
ミサト「どうなってるの…パイロットもダミーシステムもなしにシンクロを…」
リツコ「MAGIの応答は」
息吹「全て一致で原因不明を返しています」
リツコ「一体どうなっているの…こんな話聞いたことも想定したこともない…」
ゲンドウ「初号機に緊急拘束1番から15番、パイロットが到着するまで動かさせるな。各省への通達はまだだ」
日向「緊急拘束1番から15番、初号機に使用します」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 21:25:01.65 ID:eEhp0wzD0
日向「零号機から弐号機までパイロット到着、エントリープラグ内に待機中」
ゲンドウ「零号機と弐号機にエントリープラグ挿入、接続後に初号機にエントリープラグを挿入」
ミサト「初号機は状況さえ分かりません、危険です!」
ゲンドウ「問題ない、やれ」
リツコ「放置してシンクロ率が一定に達すれば暴走する可能性が高いわ、パイロットを載せるしか方法はない」
ミサト「……エントリープラグ挿入」
日向「零号機及び弐号機エントリープラグ挿入」
日向「1次コンタクト成功、2次コンタクト成功。A10神経接続両者問題なし、シンクロ率零号機40.6%、弐号機41% システムオールグリーン」
ミサト「初号機以外は問題なしか…初号機もエントリープラグ挿入」
日向「エントリープラグ挿入、1次コンタクト成功、2次コンタクト成功、A10神経接続正…シンクロ率に異常発生、急激に上昇します」
ミサト「シンクロ率を30%にカット」
伊吹「だめです、信号受け付けません!」
青葉「シンクロ率50,61,74…駄目です止まりません」
ミサト「状況中止、エントリープラグ排出!言わんこっちゃない…!」
伊吹「信号拒絶!通信回線全て切断、パイロットとのコンタクト消失」
リツコ「取れるデータをすべて集めて!」
青葉「了解」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/15(月) 21:33:43.44 ID:eEhp0wzD0
アスカ「シンジ!バカシンジ!回線繋ぎなさいよ!」
レイ「本部とも通信が途絶しているわ、指示を待ちなさい」
アスカ「うるさい!」
ミサト「二人とも、初号機が拘束を解かないように押さえつけて」
アスカ「ああもう、了解!」
レイ「了解」
日向「シンクロ率、上昇停止。88%で安定」
ミサト「止まった…?」
リツコ「未だ危険な域ね」
伊吹「通信回復を試みていますがまだ繋がりません!」
青葉「システムに異常なし、シンクロ率以外は極めて正常」
ミサト「手詰まりね…」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/16(火) 00:41:36.79 ID:865NhPiu0
アスカ偉そうでクソウゼェ
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/16(火) 00:57:03.17 ID:BHvr4nUIo
いやこれ二次創作
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 03:42:18.21 ID:ceLtCue30
シンジ(ここは…そうか、エントリープラグか)
シンジ(入った途端にシンクロ率が上がって…それからどうなったんだろう)
シンジ(たぶん外のみんなは大騒ぎだ…でもなんだか僕はそういう気がしない…むしろ落ち着いている)
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 03:51:26.49 ID:ceLtCue30
シンジ(心が軽くなるような…何だか眠くなってきた)
シンジ(たぶん後で怒られるなあ…でも…もう少し母さんと一緒にいたい…)
シンジ(母さん…)
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 03:56:39.52 ID:ceLtCue30
アスカ「……やけに静かね」
レイ「一時的に安定しているだけ。油断しないで」
アスカ「わかってるわよ!エコヒイキ!」
ミサト「コンタクトは?」
伊吹「だめです」
ミサト「こうなると変化がないのが逆に怖いわ…一体何が起こっているの…」
青葉「パターン青は検出されず、使徒の類ではありません。シンクロ率に変化なし」
アスカ(何やってるのよシンジ…!)
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 04:20:53.69 ID:ceLtCue30
シンジ(…本当に少し寝ちゃった)
シンジ(母さんがいたら、進路のこととかいろいろ相談するんだけどな…ははは、これまで死ぬ思いをしてきたのに今はこんなこと考えてる)
シンジ(母さん…僕はどうすればいいんだろう)
シンジ(なりたい自分、やりたいこと…)
シンジ(そんなに急に言われても分からないよ…)
シンジ(母さんはどうしてエヴァの研究をしたんだろう…)
シンジ(……答えてはくれないんだね、母さん)
シンジ(でもいいんだ…母さん…母さんに抱きしめられる子供ってきっとこんな感覚なんだ)
シンジ(15歳にもなって子供っぽいかな…まあいいや)
シンジ(ありがとう…母さん)
シンジ(でもそろそろ行かなきゃ)
シンジ(母さんに頼ってばかりじゃだめなんだ、自分で見つけるって友達と約束したんだ)
シンジ(行ってくるね、母さん)
ユイ「ふふ…頼もしい子」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 04:21:48.31 ID:x+xqFIEI0
いい展開
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 04:34:52.86 ID:ceLtCue30
アスカ(もうかれこれ一時間…エヴァに乗って全く動かないってのも変な感覚ね…何やってるのよシンジは…)
青葉「シンクロ率急速に下降!80,73,61.7、下降止まりません」
ミサト「どういうこと……?」
ゲンドウ「強制射出はまだだ、様子を見ろ」
青葉「シンクロ率40.8%で安定。プラグ深度20、精神汚染レベル安全域」
伊吹「コンタクト回復!パイロットの生存を確認」
ミサト「シンジ君!大丈夫なの!?」
シンジ「なんとか…」
アスカ「シンジ!」
シンジ「ごめんアスカ…僕は大丈夫だよ」
ミサト「システムの異常は」
日向「ありません」
シンジ「ごめんなさいミサトさん、迷惑を…」
ミサト「何言ってるのシンジくん、危険な状態だったのよ、謝らなければいけないのはこっち…初号機、エントリープラグ排出」
日向「初号機エントリープラグ排出」
ミサト「零号機と弐号機は所定の位置に戻ってからエントリープラグ排出、これをもって状況を終了します」
アスカ(結局なんだったのかしら…)
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 04:41:58.93 ID:ceLtCue30
ネルフ 或る廊下
ゲンドウ「大丈夫か」
シンジ「うん…母さんと会ってきたんだ」
ゲンドウ「ユイと…?馬鹿げたことを言うな」
シンジ「……」
ゲンドウ「冬月、この件はエントリープラグ内のドライブのシステム異常で処理しろ」
冬月「何が起こったにせよ、似たようなものだからな、問題もないだろう」
ゲンドウ「ああ」
ゲンドウ(なぜシンジには姿を見せるのだ…ユイ……)
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 04:53:46.38 ID:ceLtCue30
葛城ミサト宅
シンジ「ただいま」
アスカ「…おかえり」
シンジ「…ごめん」
アスカ「バカ」ギュッ
シンジ「あ、アスカ」
アスカ「なんであんたはいつもこうなのよ…暴走したり取り込まれたり…心配してもしきれないじゃない…!」ギュウウ
シンジ「ごめん、少し苦し…」
アスカ「しばらくこうされてなさい…この私を心配させた罰よ…」
シンジ(アスカ…)
ミサト(なんでだろ、すごく鍵を開けて家に入っちゃいけない感じがするわ…どうして…?……あ、えびちゅ買うの忘れてるじゃない、私のバカ)
ミサト(えびちゅだけじゃない気がするけど…まあいいか)
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 04:55:46.30 ID:ceLtCue30
寝落ちしたので更新がおかしなことになってしまいました
とりあえず更新終わり、日中は不定期になります
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/16(火) 06:33:25.21 ID:BHvr4nUIo
C
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/16(火) 06:41:31.81 ID:xGVXbXXro
おつ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 07:34:42.95 ID:ceLtCue30
第壱中学校 教室 昼休み
トウジ「考査やな」
ケンスケ「考査だよ、二週間後」
シンジ「中3は3月の考査がないから、定期考査はあと二回だね」
トウジ「あと二回もあるんかいな」
アスカ「簡単すぎてあくびが出るわ」
トウジ「」ムカッ
ヒカリ「秋からは実力テストもあるし、模試なんかもあるから忙しくなってくるね」
トウジ「」チーン
ヒカリ「定期考査が終わったら夏休みだし、頑張ろう?(どうせ模試と宿題があるけど)」
トウジ「」フッカーツ
シンジ「夏は受験の天王山って言うし、頑張らなきゃね」
アスカ「何それ、どうせ一年中夏じゃない」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 09:33:55.43 ID:AtVu8ZDHO
シンジ「慣用句に文句つけないでよ…」
ケンスケ「暑い夏にへこたれずに勉強に勤しんだ者が合格への切符を掴む!ってことなんだろうね」
アスカ「へえー」
トウジ「……おいおいおいおい、範囲長すぎやろ、こんなん二週間じゃどうにもならへんわ」
ケンスケ「だから三週間前から考査の準備しとけって先生が言ってたわけだ…僕はやってないけど」
ヒカリ「平常点もあるしちゃんとしなよ…」
トウジ「あー聞こえない聞こえない」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 15:50:28.50 ID:AtVu8ZDHO
帰り道
シンジ「何回やってもテストは憂鬱だよ…」
アスカ「楽しいもんじゃないってのは認めるわ」
シンジ「トウジも言ってたけど、範囲が広すぎるよ…あの一件のあと三日もエヴァの調整で授業出てないし……」
アスカ「なるようになるわよ」
シンジ「はあ…」
アスカ「ノート見せてあげる」
シンジ「いいの?」
アスカ「減るもんじゃないし」
シンジ「ありがとう」
アスカ「内容は保証しないわ」
シンジ「えっ」
アスカ「冗談よ、ちゃんと書いてあるわ」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 18:10:46.94 ID:ceLtCue30
葛城ミサト宅
アスカ「数学国語…社会英語に理科、これで全部だから」
シンジ「ありがとう…多いね」
アスカ「3日だから仕方がないでしょ、あとはよろしく」
シンジ(はあ…三日だからざっと18コマじゃないか…憂鬱だ)
シンジ(理科からやろう…)カリカリ
『酸…水に溶けると電離して水素イオンを生じる』
『アルカリ…水に溶けると電離して水酸化物イオンを生じる』
シンジ(字、きれいだな…)
『舐めてんの?Broensted-Lowry くらい一緒に扱ったらどうなのよ』
シンジ(うわあ…きれいな字できついこと書くなあ……ぶ、ぶろ?なんとかさんとろーりー?なんのことだろう…)
黒服(ブレンステッドとローリーは独自の酸塩基理論を考え出した人物である。高校化学の内容だ)
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 18:25:27.07 ID:ceLtCue30
『酸性水溶液にとける金属…マグネシウムリボン、亜鉛……書くのめんどくさ』
シンジ(面倒くさがらないでよ!僕は知らないんだよ!というか『書くのめんどくさ』って書くほうが面倒だよ!…教科書見よう)
『水酸化ナトリウムにとける金属…アルミニウム、亜鉛など限られた金属』
『希塩酸にも水酸化ナトリウムにも溶けない金属…金、銀、銅など』
『いずれの場合も水素を発生しながら溶ける』
シンジ(なるほど…ちょっと覚えればなんとかなりそうだ)
『中和…酸性水溶液とアルカリ性水溶液を混ぜると互いの性質を打ち消し合い、水と塩(えん)が発生する 例 塩酸と水酸化ナトリウム→水と食塩』
『しおかえんか紛らわしい!』
シンジ(ははは…たしかに。ドイツ語はどうなってるんだろう)
『つまんない』
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 18:38:33.77 ID:ceLtCue30
シンジ(つまんない?授業のことかな)
『早く戻ってこい なんで三日もかかるの』
シンジ(よく分からなくなってきた)
『あいつのハンバーグ食べたい』
シンジ(あいつのハンバーグ…ミサトさんハンバーグ作らないし僕のことかな)
シンジ(じゃあ、こういうこと?)
『つまんない 早く戻ってこい なんで三日もかかるの あいつのハンバーグ食べたい』
シンジ(アスカ…そんなにハンバーグが食べたいなら早く言ってくれればいいのに…)
シンジ(それにしてもノートに思ってること書きすぎだよ…よほど暇だったんだろうな…)
シンジ(って、こんなことしてる場合じゃないよ、まだどっさり残ってるじゃないか…)カリカリ
シンジ(今日はハンバーグにしよう)
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 20:52:47.49 ID:ceLtCue30
リビング
シンジ「今日はハンバーグにしてみました」
アスカ「いただきまーす」ニコニコ
シンジ(喜んでくれてる?)
ミサト「いっただきまーす」プシュ ゴクゴク カアアー!
シンジ(こっちはよくわからないや)
アスカ「中々ね」モグモグ
シンジ「ありがとう」
ミサト「100%天然の肉みたいだわ…さすがシンちゃんね…」モグモグ
シンジ「色々調べて工夫してみたんです、たしかそれは8割人造肉ですよ」
アスカ「8割!?……見直したわ…」
シンジ(見損なわれた覚えはないけど嬉しいな)
……
アスカ「ごちそうさま」
ミサト「ごちそうさま。本当にその手の仕事もありなんじゃないかってくらいよねー、シンちゃんの料理」
アスカ「否定できないわね…美味しかった…」
シンジ「今度からは食べたいものがあったら言ってよ、アスカの好きな食べ物とかわからないからさ」
アスカ「? 今度からってどういうこと?」
シンジ「え、ノートに書いてあったでしょ、ハンバーグ食べたいって。ああいうの言ってくれたらうれしいなって」
アスカ「……」
アスカ「!!!!」ガタンッ
シンジ「あ、アスカ?」
アスカ「なんでもない!」ピシャッ
ミサト「あー…シンちゃん余計なこと言ったかも」
シンジ「ど、どういうことですか」
ミサト「日記とか走り書きってプライベートなものだから、そっとしておいてあげたほうがよかったりするのよ」
シンジ「気をつけます…」
ミサト(小声)「あと、もう少し乙女心を勉強したほうがいいかもね」
シンジ「はい… ?」
ミサト(この反応だと分かってないわね……大人になるための頑張りどころよ、頑張ってシンちゃん)
部屋
アスカ(見られた見られた見られた…!なんで消さないで渡しちゃったのよ私のバカ!)
アスカ(…というかなんでこんなに取り乱してるのよ私は…ちょっと落書きを見られただけじゃない)
アスカ(自分でもわからない…変なの…)
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 21:21:25.82 ID:ceLtCue30
シンジ「アスカ…?」
アスカ「何」
シンジ「さっきはごめん」
アスカ「別に気にしてない」
シンジ「そっか…」
アスカ(なんで私はこんな反応しかできないわけ…?)
シンジ「ノートありがとう、とても助かった」
アスカ「暇人パイロットはこれくらいしかすることがないのよ」
シンジ「そんな…」
シンジ(怒らせちゃったかな…)
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 23:24:44.84 ID:ceLtCue30
リビング
シンジ(まだ国語が残ってる…もう10時半だし今日中に終わらせるのは諦めようかな…)
シンジ(見るだけ見ておくか…)
『思いつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを』
シンジ(洞木さん、またアスカに恋歌を教えこんで…)
シンジ(えーと…夢だとわかったら覚めなかったのに…っていう歌だっけ)
シンジ(教えてあげたいけどさっき怒らせちゃったばっかりだし…)
シンジ(礼の言葉と一緒に書けば大丈夫かな、たぶん大丈夫)
『好きな人のことを思いながら眠りについたので、夢に出てきたのだろうか。夢とわかっていたら、覚めないようにするのに』
『ノート貸してくれてありがとう あと、今回はごめん』
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/16(火) 23:25:27.34 ID:ceLtCue30
本日更新終了です
支援やご指摘ありがとうございます!
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/17(水) 00:36:24.72 ID:adIsZSCYo
ヒュー
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/17(水) 06:36:56.75 ID:xr8igRVn0
アスカ(暗い…何も見えない…)
アスカ(床冷たい…)
アスカ(なんでこんなところにいるのよ、私)
アスカ(一人ぼっちだし…)
アスカ(どうして私は独りなの)
アスカ(勉強して大学に飛び級したし、厳しい訓練積んでパイロットにもなった)
アスカ(日本に来てエヴァに乗って使徒を倒して…)
アスカ(いつだって評価されることをしてきた…)
アスカ(なのに…誰も振り向いてくれない)
アスカ(最後はひとり…)
アスカ(さむい…)
SOUND ONLY
アスカ(?)
SOUND ONLY
『アスカ、行こう』
アスカ「誰…?」
SOUND ONLY
『僕だよ、シンジだよ』
アスカ「シンジ…?」
シンジ「ほら、手を取って」
アスカ(目の前にいる!?)
アスカ「で、でも、私の手、冷たい…」
シンジ「ずっと繋いでれば温かくなるよ」
アスカ「う、うん」
アスカ(あったかい…)
シンジ「行こう、こんな所アスカに似合わないよ。ほら、立って」
アスカ「シンジ…」
シンジ「ん?」
アスカ「なんでここまで来てくれたの…?」
シンジ「困っている人を見過ごせない…っていうのは建前かな…」
シンジ「本当は…僕、アスカのことが」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/17(水) 06:49:29.92 ID:xr8igRVn0
シンジ「アスカー? そろそろ起きないと時間が」
アスカ(…夢?)
アスカ「もう起きてる!」
アスカ(夢か…)
シンジ「あと、ノートありがとう!まだ国語が写し終わってないけど、学校あるから一回返すね」
アスカ「はーい」
アスカ(ほんとだ、国語のノートに付箋がついてる)
アスカ(一日でここまで進めるとはなかなかやるわね…)パラパラ
アスカ(ん)
『好きな人のことを思いながら眠りについたので、夢に出てきたのだろうか。夢とわかっていたら、覚めないようにするのに』
『ノート貸してくれてありがとう あと、今回はごめん』
アスカ(……)
アスカ(そっか…そういうことか…)
アスカ(私…シンジのことが…何よ、簡単じゃない)
アスカ(ありがとう、ヒカリ。やっと分かったわ、自分の気持ち)
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/17(水) 10:40:32.80 ID:HRq4wL00O
アスカ「おはよ」
シンジ「おはよ(怒ってない…?)」
アスカ「テストまで二週間切ったけど、どう?」
シンジ「ノートは写せたからスタートラインには立てたかな…」
アスカ「提案があるの」
シンジ「提案?」
アスカ「定期考査って面白くないじゃない?」
シンジ「そりゃ面白くはないけど…」
アスカ「賭けよ」
シンジ「かけって、お金を賭けたりとかの賭け?」
アスカ「そう、点数の合計が低かったほうが何でも一つ言うことを聞くの」
シンジ「何でも!?」
アイス「そうよ」
シンジ(だ、だめだ、何でもなんていう言葉は危険すぎる…第一アスカが勝つに決まってるじゃないか…そうだ、これはアスカのアイス調達計画だ、騙されるな)
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/17(水) 12:55:20.96 ID:HRq4wL00O
シンジ(牽制しないと)
シンジ「お金とかは嫌だよ…?」
アスカ「そんなこと頼まないわよ」
シンジ(いつもいろいろ買わせようとしてくるじゃないか…待てよ…金銭じゃないとすれば…)
シンジ(そうだ!ムカついたときに僕を叩いてストレス発散にする気だ!これはアスカのストレス発散計画だ!)
シンジ「痛いのはやめてよ」
アスカ「そんな暴力的に見える?」
シンジ(見えるよ…というか初対面の日に足払いとか飛び蹴り食らってるよ…)
シンジ「じゃあ、いいよ(金銭も暴力もないとくれば、そんなにひどいことはなさそうだしいいかな)」
アスカ「じゃ決まり!忘れたとか言ったらただじゃおかないわよ!」
シンジ(そういうのを暴力的というんだ)
ミサト「おはよー」
シンジ「おはようございます」
アスカ「おはよ!」
ミサト(アスカ、妙に機嫌がいいわね…昨日はあんなんだったのに何があったの…?)
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/17(水) 13:08:08.76 ID:HRq4wL00O
考査一週間前
アスカ「調子はどう?」
シンジ「まあまあかな…」
アスカ「私は絶好調よ、勝利は私のものね」
シンジ「僕も負けないよ」
シンジ(僕のバカ…!なんで勝負を受けたんだろう…アスカのことだから金銭と暴力以外にも僕の知らない悪辣なことを知っているに決まってるじゃないか…!)
シンジ(想像しただけで恐ろしいよ…だから、是が非でも負けるわけには行かないんだ…!逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ)カリカリカリ
アスカ(な、何よこの気迫…私が勝つのはわかりきってるのにどうしてこんなに…?)
アスカ「…ま、まあ、せいぜい頑張りなさい」
シンジ「…アスカもね」
ミサト(考査の勉強ってこんなに殺伐としたものだったかしら…)
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/17(水) 14:35:03.63 ID:adIsZSCYo
イイヨー
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/17(水) 15:37:39.32 ID:HRq4wL00O
考査3日前
シンジ「」カリカリカリカリカリカリカリカリ
シンジ(NaOHをHClに入れて中和…NaOHをHClに入れて中和…)
アスカ「」カリカリカリカリカリカリカリカリ
アスカ(負けない…シンクロ率で負けてテストでも負けるわけには行かない…!こんなの戦闘機のマニュアルに比べたら絵本も同然なんだから…!)
ミサト(うわあ…私の大学受験を思い出すわ…ここまでじゃなかったと思うけど)
ミサト「あの、シンちゃん、晩御飯は…」
シンジ「すみません、考査が終わったらとびきり手をかけるので今はレトルトで我慢してください」カリカリカリカリカリカリ
ミサト(ATフィールド全開ね…)
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