チェイス「雛見沢…」

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283 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:05:10.86 ID:tHBc7zmLO
校長「…話は、まとまったようですな」

知恵「…」

圭一「あ…」

大石「…それで、どうでしたか?」

校長「ええ。小此木造園の車を見たという老人が何人かいらっしゃったようです」

熊谷「助かります。私達警察はここの方達にあまり好かれていないようでしたから…」

知恵「出来ることは、何でもする。そう言ったじゃありませんか」

大石「頭が下がる思いですなぁ…ねえ熊ちゃん?」

熊谷「ええ」

校長「…しかし、やはり先の…例のアレでパニックになっていたようで…」

大石「構いませんよぉ。ルートを絞れるに越したことはありませんから」

知恵「…一応、目撃情報を元にある程度の所は絞れたんですが…」パサッ

圭一「…」

入江「…これ…は…」

レナ「…山…」

沙都子「…全部…ですの?」

校長「…山道へと走っていった以外無かったものですからな…」
284 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:06:09.94 ID:tHBc7zmLO
梨花「…山全てが、範囲…」

校長「ええ。見られている可能性もあるというのに単純なルートを辿っていくとは考えにくいものでして…」

大石「それは、間違いありませんなぁ。道という道を練れば捜査を撹乱させ、時間稼ぎになりますから」

チェイス「…この人数では、とてもじゃないが回れないな」

圭一「…雛見沢は、山に囲まれてますからね…」

レナ「…ここから探すなんて、一日二日じゃ無理だよう…」

沙都子「…監督。何か知りませんこと?」

入江「…これは鷹野さんの独自行動です。私にはどうにも…」

知恵「…本来の仲間にも、隙を作らなかったんですね」

入江「…ええ。恐らく山狗の隊員ともビジネスパートナー繋がりでしょう。彼女が全てを委ねる相手など、いませんよ」

圭一「…じゃあこれで終わりってことですか?」

チェイス「…」スッ

梨花「…」ゲシッ

チェイス「…?」

梨花「(「その力」はいざという時以外使わないで!)」

チェイス「…」

大石「…しかし、絞る方法ならありますよぉ」

知恵「…?」

大石「確かに小此木造園はここ何年かの間、雛見沢を出入りしていたようですが…しかし」

チェイス「…大仰に行動はしていない」

大石「その通り。秘密裏に行動していたでしょうな」

圭一「…そうか!つまり新しくアジトを建てる余裕は無かった!」

大石「おんやぁ…察しの良い子じゃありませんか」

沙都子「…どういうことですの?」

入江「…考えられるのは、既にあった廃墟、あるいは無人のビルを根城にしていた…」

大石「ええ。そして雛見沢を囲む山々にそれらしきものがあるのは…」

梨花「みー☆それならボクにお任せなのですよ」

レナ「梨花ちゃん。分かるの?」

梨花「ボクは生まれてからこの村をでた事が無いのです。どこに何があるかは全部頭に入ってるのですよ」

大石「やはり、知恵は出し合うものですなぁ。話が早くて助かります!ぬっふっはっはっはっは!」
285 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:07:07.18 ID:tHBc7zmLO
…。

鷹野「…」トントン

富竹「…」

鷹野「…」トントン

富竹「…」

リナ「…」

鷹野「…!」ドンッ

リナ「ッ…」

富竹「…何度聞かれても、何時間拘束されようとも、僕の答えは変わらないよ」

鷹野「…どうして?」

富竹「逆に聞きたいくらいだよ。何の罪も無い村の人達を殺すだなんて…」

鷹野「…これは、やらなければならないことなのよ」

リナ「…」

富竹「どんな理由があっても、罪も無い人を殺してはならない」

リナ「…」

鷹野「この実験が成功すれば!!私達の研究は報われるの!!私達の居場所が出来るの!!」

リナ「…なーんだ」

鷹野「!」

富竹「…」

リナ「…てっきり、アタシよりもクズなんていないもんだと思ってたけど…」

鷹野「…」

リナ「…世の中、広いもんね」
286 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:08:10.81 ID:tHBc7zmLO
鷹野「…何ですって…?」

リナ「人を殺すのに「実験」だなんて言葉使える奴なんて、もうクズとかの話じゃないわよ」

鷹野「…!!」

リナ「神様にでもなったつもり?」

富竹「やめるんだ!それ以上は…」

リナ「どうせ死ぬんだから。言いたいだけ言ってやるわよ」

鷹野「…貴方…」

リナ「おもちゃ貰って。それを自慢気に振りかざして」

鷹野「…」

リナ「アンタは神じゃないわ」

鷹野「…!!」ギリッ

リナ「ただの悪魔よ」

鷹野「…良いわ。もう…」

富竹「!」

鷹野「死にたいなら、今すぐ死なせてあげるわよ!!」ジャキッ

富竹「やめろ!!鷹野さん!!!」

リナ「…!」

鷹野「否定させない…!させるものですか…!!!」

富竹「鷹野さん!!!」

小此木「あーはいはい。そこまでそこまで」
287 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:09:16.56 ID:tHBc7zmLO
鷹野「…小此木…」

小此木「撃つのは結構。しかしサイレンサーも付けずに撃てば流石に響きますぜ」

富竹「…」

小此木「それにアンタの腕じゃもっと近くねえと、な」

鷹野「…それで、何の用かしら…!」

小此木「タイムリミットとか言ってる割には、随分待たせるもんですから。気になって覗いたらこうなってましてねぇ」

鷹野「…」

富竹「…」

鷹野「…ジロウさん。どうして応えてくれないの?」

富竹「君が間違った事をしているからだ」

鷹野「…」

富竹「僕らが目指していたものは、雛見沢症候群の研究、治療法のはずだ」

鷹野「…そんな悠長な事を言ってるから…打ち切られるんじゃない」

富竹「だから、無理矢理死なせて雛見沢症候群を立証したいのかい?」

鷹野「そうよ!!じゃないと…!」

富竹「…君は僕にも、誰にも過去をほとんど語らなかった」

鷹野「…」

富竹「…それは多分、君がそうなった理由のせいなんだろう」

鷹野「…」

富竹「教えてくれないか?どうして君がそこまでこだわるのかを」

鷹野「…」

小此木「…鷹野さん。時間ですぜ」

富竹「…」

リナ「…」

鷹野「…貴方は、どれだけ私が仲間に引き込もうとしても、首を縦に振らなかった」

富竹「…」

鷹野「どれだけ肌を重ねても。貴方は応えなかった」

富竹「…」

鷹野「…残念だわ」

富竹「…!」

鷹野「小此木。準備に取り掛かって」

小此木「はいよ」

リナ「…ここまで…か」

富竹「なッ…!!」

リナ「…礼奈ちゃん…」

小此木「ほら行くぞ。立ちな」

リナ「…ごめんね…」

富竹「…!クソッ…!!」
288 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:10:31.36 ID:tHBc7zmLO
…。

大石「…さぁて、左之助…さん?」

チェイス「…」

大石「貴方とは、こうして二人で話したくてですねぇ」

チェイス「…」

大石「「例」の件に関して…」

チェイス「…」

大石「そっちは…」

チェイス「解決の保証は無い。どうなるかもまだ分からない」

大石「そうですか…分かりました。…ま、それに関しては!まだやめておきましょう」

チェイス「…」

大石「…後は…個人的な、質問です」

チェイス「…何だ」

大石「率直にお聞きします」

チェイス「…」

大石「…貴方、何者ですか?」
289 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:11:08.06 ID:tHBc7zmLO
大石「どう見てもこの村の住人ではありませんし、そして紫左之助という名前の人間も…少なくとも古手家の親戚にはいませんでした」

チェイス「…」

大石「これは調べがついています」

チェイス「…」

大石「紫左之助という人間は存在しない。そして先の、雛見沢で起きたらしい身体の自由が効かなくなる事件…」

チェイス「…」

大石「…私、こう見えて腕力には自信があったんですがねぇ。貴方の力は私が経験した事の無い程のものでした」

チェイス「…」

大石「私は超常現象など信じてはいません。この世の全ての事件は人間によるものだと、考えています。…しかし…」

チェイス「…」

大石「…こう言うのは何なんですがねぇ。…貴方は…」

チェイス「お前の想像の通りだ」

大石「・・・」

チェイス「俺は人間ではない」

大石「…ほほう」

チェイス「…今言えるのはそれだけだ」

大石「…本気で言っているなら、普通はちょっと疑っちゃうんですがね…」

チェイス「…いずれ話そう。今は鷹野を止めることだ」

大石「…ふむ。実は、ですねぇ…」

チェイス「どうした」

大石「…その、「鷹野三四」なんですが…」
290 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:11:59.59 ID:tHBc7zmLO
鉄平「…」

「…」

鉄平「…」

「お前が今から行くとこは、所謂…蟹工船みてぇなとこだ」

鉄平「…」

「五体満足じゃあ帰って来れない可能性もある」

鉄平「…そうけ」

「だが、給料は良い。10年も真面目に働きゃ良い額にはなるぜ」

鉄平「…10年じゃ済まんじゃろ」

「上納金が見つかりゃあ、何とかなる」

鉄平「…気にしとらんのか。ワシは…」

「…話を聞いた時はあの場で八つ裂きにして埋めてやりたかったさ」

鉄平「…」

「…だがよォ…」

鉄平「?」

「おめぇ、本気で謝ってたろ。血が滲むくれぇ頭床に擦り付けてよ」

鉄平「…」

「謝る事なんざ誰にだって出来る。そういう奴ァ結局自分の為にやってるんだからな」

鉄平「…」

「だがおめぇは違った」

鉄平「…」

「子供の為、必死で謝った。命を投げ捨てて」

鉄平「…」

「大の男がそこまでしたんだ。流石の俺らだってそんな奴を責めたてようとは思わねぇ」

鉄平「…」

「茜さんも、当主も、そんなおめぇのメンツを立ててやったんだよ」

鉄平「…そうけ」
291 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:12:47.74 ID:tHBc7zmLO
「…にしても、その間宮リナってなぁ、本当に居場所が分からねぇのか?」

鉄平「…とっくの昔に、何処かに消えた。そう思うんが普通じゃ」

「ほーう…そりゃ…確かに10年じゃ済まねぇかもなぁ」

鉄平「…」

「…お?何だありゃあ…」

鉄平「…?」

「こんな山道、何たって車が…」

鉄平「車?…何処に…」

「ほんの少し轍が出来てんだろ。だがこんなロクに舗装もされてねぇところ、誰が走るってんだ」

鉄平「…」

「この山にあるのは動物か戦前に建てられた廃墟くれぇだぜ」

鉄平「…!おい!」

「あ?」

鉄平「…こ、この轍、追えるか?」

「そんな時間は無ぇよ。今から海まで行くんだぜ?」

鉄平「頼む!!」

「何だよ…まさかこの後に及んで…」

鉄平「違う!この先に間宮リナがおるかもしれん!!」

「あ!?」

鉄平「あの計算高い女が自分の周りに金を置いとるとは思えん!そんな誰も入らんような廃墟…金を隠すのにはうってつけじゃろうが!!」

「…!…成る程な…分かった!」ブオオオオオオン
292 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:13:33.34 ID:tHBc7zmLO
鷹野「…」カラカラ

富竹「…」

鷹野「…」カチャカチャ

富竹「…分かっているけど、あえて聞くよ。…それは?」

鷹野「分かっていると思うから、あえて言わないわ」

富竹「…変わらないね。君は」

鷹野「…」

富竹「結局君は、最後まで全てを見せてはくれなかった」

鷹野「…」

富竹「話す機会は幾らでもあった。悩みなら何でも聞こうと思ってたよ」

鷹野「…こうして、話してるじゃない」

富竹「違う」

鷹野「…」

富竹「君が言ったのは、悩みじゃない。何故なら君は悩んでないからだ」

鷹野「…」

富竹「君が欲しかったのは、都合の良い駒だけだ」

鷹野「…」

富竹「誰一人、信用などしていない。君は…」

鷹野「…貴方は、別だったのに」

富竹「僕は君の駒になる気は無い」

鷹野「…」

富竹「人殺しの片棒を担ぐなんて、死んでもごめんだ」

鷹野「…」
293 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:14:11.72 ID:tHBc7zmLO
鷹野「…ねぇ、ジロウさん」

富竹「…」

鷹野「雛見沢症候群って、誰が発見したか知ってる?」

富竹「…君の祖父だと聞いているよ。鷹野一二三という…」

鷹野「ええ。そうよ」

富竹「…それが…」

鷹野「本当はね、高野って書くのよ」

富竹「…?」

鷹野「…それと、私は鷹野三四じゃない」

富竹「…え?」

鷹野「捨てた名だけど、教えてあげる」

富竹「…?」

鷹野「私の本当の名前は…田無、美代子」

富竹「!!」

鷹野「高野一二三との血縁関係は無いわ」

富竹「…何だって…?」

鷹野「…」

富竹「…君は、一体…」

鷹野「…ある小さな女の子がいました」

富竹「え…」
294 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:14:54.50 ID:tHBc7zmLO
鷹野「小さな女の子には、趣味があったの」

富竹「…」

鷹野「それはね、お子様ランチについてる旗を集める事」

富竹「…」

鷹野「でもね、当時は高くてね…そんな頻繁に集められなかったわ」

富竹「…」

鷹野「…でも、最後。最後の一本を集められると思ったその時」

富竹「…」

鷹野「その子の親は、死んでしまったの。事故でね」

富竹「!」

鷹野「そして女の子は、施設に引き取られました…」

富竹「ちょ、ちょっと待ってくれ!君はッ」

鷹野「でもその施設にはとても怖い人達がいて、その子を含めた子供達は全員いじめられていたの」

富竹「…!」

鷹野「ある日、その子は逃げ出そうと必死に計画を練った…」

富竹「…」

鷹野「…失敗はしたけど、偶然見つけた公衆電話と10円玉で、ある人に助けを求めたの」

富竹「!…まさか、その人が…」

鷹野「死に絶える前に親が言い残した数字の羅列を必死で思い出して、その人に電話をしたわ」

富竹「…」

鷹野「そしたら、繋がったの」

富竹「…」
295 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:16:13.67 ID:tHBc7zmLO
…。

大石「…」カサ

チェイス「…写真…誰だ?」

大石「高野一二三。雛見沢症候群の研究の第一人者です」

チェイス「…鷹野?」

大石「いいえ。…えー…高野山。高野山の高野。高野一二三です」

チェイス「…待て。まさか鷹野三四は…」

大石「ええ。高野一二三は養子を取っています」

チェイス「…それが、鷹野か」

大石「いいえ。その子供の名前は「田無美代子」なっていました」

チェイス「…それは…どういうことだ?」

大石「私も気になりましてねぇ。勿論調べましたよぉ」

チェイス「…」

大石「彼女の親は田無さんが小学生の時に事故でお亡くなりになっていました」

チェイス「…」

大石「その後彼女は施設に引き取られ、そして高野一二三によって助けられました」

チェイス「…助けられた?」

大石「…この施設なんですがね、これがもう、随分酷い所でして。補助金目当ての為だけに建てられたような所なんですよ」

チェイス「…そこで、鷹野は…」

大石「ええ。彼女含めた子供達全員、虐待されていたそうですよ。死人も出ていたらしいですねぇ」

チェイス「…」

大石「…ま、因果応報。この施設の職員は全員児童虐待、殺人の疑いで検挙されていますが、ね」

チェイス「…そうか」

大石「一二三…三四…まあ恐らく、恩人の思いを受け継いだ名前…というところでしょうなぁ」

チェイス「…偽名か?」

大石「…いえ、大学に問い合わせたところ、確かに鷹野三四という生徒がいたそうです」

チェイス「…名前を、変えたのか」

大石「ええ。それ程までに、祖父の想いに応えたかったのでしょうなぁ…」

チェイス「…しかし、奴は方法を間違えている」

大石「ええ。止めなければなりませんねぇ」

チェイス「…」

大石「…ちなみに」

チェイス「?」

大石「…貴方、どう見ても人間なんですが」

チェイス「…」

大石「…」

チェイス「…それは、俺にとって褒め言葉だ」

大石「え?」
296 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:16:58.48 ID:tHBc7zmLO
…。

「…着いたな」

鉄平「…」

「…何たって小此木造園の車がこんなとこに…」


鉄平「それ以上近づくな。バレちまうじゃろうが」

「…しかし、ありゃあ興宮にある庭師って話だぜ?」

鉄平「…知らん。じゃが間違いなくあのアマはここにおる」

「…」

鉄平「…」

「仮に、間宮リナがボディガードなんて雇ってたらどうする?」

鉄平「…」

「そいつらがチャカ持ってたら、どうする?」

鉄平「…お前も持っとるんじゃろ」

「護身用に持ってるのはナイフだけだ。何せ目の前にいるのは丸腰のオッさん一人だからな」

鉄平「…」

「…」

鉄平「…しかし、ここでお前が間宮リナを捕まえりゃあ…」

「…そりゃ、まあ…」

鉄平「…?お、おい…」

「…ああ、見えてるよ。…間宮リナと…ありゃあ誰だ?男の癖に女みてぇな髪型しやがって…」

鉄平「…それと、もう数人…」

「…しかしありゃあ、仲間にゃ見えねえな。連れてかれる家畜みてぇになってやがる」

鉄平「仲間割れじゃろ。今度は逃げられんかったか…」

「…向こうの部屋に行ったな」

鉄平「…おう」

「…おい。一旦戻るぞ。良い情報が手に入ったからな」

鉄平「アホ抜かせ。ここであいつを捕まえんと一生捕まらんかもしれんぞ」

「相手何人いると思ってんだ!死ぬぞ!」

鉄平「…どうせ捨てた命じゃ。何度でも捨ててやる」

「…そんな台詞、俺も吐いてみてぇや…」
297 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:17:49.74 ID:tHBc7zmLO
鉄平「…おい、火…あるか?」

「あ?…ああ、あるよ」

鉄平「…マッチか。上出来じゃ」

「…何して…」

鉄平「これで気を引く。後は間宮リナを捕まえて逃げるだけじゃ」ビリッ

「…は?」

鉄平「ナイフ、貸さんかい」

「…何を…」

鉄平「今更お前一人殺したって逃げられるとは思わんわ。この車壊すんじゃ。貸せ」

「…は…は?」

鉄平「給油口は…ここか…!」ガギギ…

「…?」

鉄平「…ふんっ!!」バキャッ

「…」

鉄平「…良し…と」スッ

「…破いた服を、給油口に入れて…」

鉄平「…ゆっくりじゃ。玄関開けて放り込むぞ」ポタッ

「は!?」

鉄平「幸いこの建物は木造じゃ。よぉ燃えるじゃろ」

「い、いやそういうことじゃねえよ!」

鉄平「何じゃ」

「お、おめぇまさか…あの人数相手に…」

鉄平「戦うだなんて言っちょらんわ。奴らの気を引いて、その隙にリナを捕まえる」

「…」

鉄平「ヤクザじゃろうが。漢見せんか」

「!…言ってくれるじゃねえか。チンピラが…」

鉄平「そのチンピラが命懸けとるんじゃ」

「…おうよ。なら…い、行くぞ?」

鉄平「…おう」シュッ

「…あ、開けるぞ…」ギ…

鉄平「…」ボッ
298 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:18:40.81 ID:tHBc7zmLO
鷹野「…私はね、一二三博士の研究を世に知らしめたいだけなのよ」

富竹「…」

鷹野「周りの人間はこの研究の素晴らしさを理解出来ずに彼を失脚させたけど…」

富竹「…格好つけていても、それは所詮、ただの恨みだ」

鷹野「…何と言われようと、私はやり遂げる。彼の思いを受け継いで…」

富竹「なら、ちゃんと研究するべきだ!毒ガスで殺し、雛見沢症候群に見せかけるなど!!」

鷹野「そうしないと!!!」

富竹「!」

鷹野「…そうしないと、研究費が打ち切られてしまうのよ…!!」

富竹「…それでも僕は、絶対に認めない」

鷹野「…そう。そうなの」

富竹「…」

鷹野「…貴方は私を裏切らないって思ったのに…」

富竹「…裏切ったのは、君だ」

鷹野「…さよなら」

富竹「…いや」

鷹野「…え?」

富竹「残念ながら、僕はまだ生きられそうだ」

鷹野「…?…えっ!?」
299 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:19:22.20 ID:tHBc7zmLO
小此木『ゴホッ!!ゴホッ…!か、火事だ!!火事だ!!!』

鷹野「!?」

富竹「…!でえ…やっ!!」ドスン

鷹野「きゃあっ!」

小此木『誰か!水だ!水持ってこい!このままじゃ全員お陀仏だぞ!!』

富竹「脚は…動く。なら…!」

鷹野「!ま…待ちなさ…!」

小此木「クッソ…!誰が…!!」

富竹「…!…!!」ズリズリ

鷹野「小此木!!ジロウさんを捕まえて!!」

小此木「!?…テメェ…!」ガチャッ

富竹「…!」

小此木「…逃がッ!?」ドカッ

「…」

富竹「…え?」

小此木「がっ…!痛ぇ…!!」

鷹野「!?」

「…」グイッ

富竹「!…え、え?」

「行くぞ」

富竹「!…は、はい!」

鷹野「待ちなさい!!…このっ…!!」パァン

「うおっ!?やべぇ早く逃げるぞ!!」

「分かっとるわ!!こっちを手伝え!!」

「バカ!こっちも一人抱えてんだぞ!」

「こっちは椅子に縛られた野郎じゃ!どんだけ重いか分からんのか!!」

「…ああもう、行くぞ!!」

鷹野「逃がさな…ッ…!」ズキン

「おい!椅子なんかどうでも良いからトランクにでも詰め込んどけ!」

鷹野「…足が…!!」

「早く出さんか!!追いつかれるぞ!!」

鷹野「…」

…。
300 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:20:57.71 ID:tHBc7zmLO
小此木「…つつ…思いっきり殴りやがって…」

「小此木隊長!」

小此木「…あ…?…おい!俺の事は良い!!早く火を消せ!!」

「え、は、はい!」

小此木「他のとこはどうでもいい!保管庫だけには火を近づけるな!!毒ガスに引火でもしたら全員木っ端微塵だぞ!!」

「…!」

小此木「分かったら早くしろ!!全員死んじまうぞ!!」

鷹野「…」

小此木「鷹野三佐!!アンタもボーッとしてねぇで手伝ってくれ!!」

鷹野「…!」

小此木「こんな所で死にてぇのか!!アンタは!!」

鷹野「…分かったわ。…痛ッ…!」

小此木「…ああ?」

鷹野「ごめんなさい…ジロウさんに突き飛ばされて…」

小此木「…だからあれ程訓練を受けろって言ったでしょうに…!銃はおろか受け身の一つも取れねぇのか…!」

鷹野「…」

小此木「…ええい!今はこの火を止めることだ!!お前ら!絶対にこの火を保管庫に回すな!!」

鷹野「…ジロウさん…」
301 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:22:14.24 ID:tHBc7zmLO
…。

鉄平「…ッハァ!!」

「ハーッ…ハーッ…」

富竹「…」

鉄平「…あー…やっちまったなぁ」

「あー!!!こりゃ気持ち良いじゃねえか!!なァ!?」

鉄平「やかましいわ!!…このアマ…とんでもなくヤバい奴らと手を組みよってからに…!!」

リナ「…」

鉄平「リナ…!もう逃がさんぞ…!!」

リナ「…」

鉄平「お前だけは許さん。このまま園崎に…」

リナ「…った…」

鉄平「あ?」

「?」

リナ「…かった…」

「…何だって?」

リナ「…良がっ゛だぁ゛…」

鉄平「…」

「…」

富竹「…」

鉄平「…お?」

第11話 終
302 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/06(火) 22:22:53.60 ID:tHBc7zmLO
続きまたそのうち書きます
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:51:48.02 ID:7AM43UxvO
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 05:54:31.66 ID:jpLPD1+z0
相変わらずコメントが少ないスレを作るな
そのうちじゃなくてちゃんとこの日にやりますってやれよ
いつもゲリラ的にしか投下しないから安価出してもコメント来ないんだぞ
305 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/07(水) 07:38:43.42 ID:f6wUA/HSO
>>304
すいません
でも書き溜めて見直してから投下してるのでそれは難しいです
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 09:29:23.63 ID:J3LTvL3Qo
荒らしだよ。色んなスレに似たようなこと書いてる
このスレ安価出してないし
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 10:10:30.91 ID:xWdo47K0O
レスなんて完結したら山のようにくるよ
完結しなくちゃこのまばらのレスと定期的に出るまるでストーカーみたいな待ってるってレスばかりだけど
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/08(木) 00:00:31.36 ID:Zk3mV2Q50
まあ安価どうこう言ってる時点で完全にトンチンカンな荒らしだわな…コピペの流用かなにか
しかしここの鉄平のキャラは結構いい感じになってるな
助けが更なる助けを生んでるみたいで好きだ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 01:31:37.81 ID:Jat84YBA0
オツカーレ
嵐は気にしない
次の更新楽しみだ
マッテルーヨ
310 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:14:37.19 ID:uQrDoXrNO
鉄平『…』ボッ

『うおっ…よく燃えんなぁ…』

鉄平『…』ポイッ

『…おまっ…そんな簡単に…!』

鉄平『ボサボサしとれんのじゃ。躊躇っとったら死ぬぞ』

『…!』

『うわっ!?煙だ!!火が出てるぞ!!』

『かなり燃えてるぞ!!何が起きた!?』

『水だ!水持ってこい!!』

鉄平『…よし!今じゃ!』ダッ

『…あー!!もうどうにでもなれ!!』ダッ

小此木『ゴホッ!!ゴホッ…!か、火事だ!!火事だ!!!』

鉄平『…!』

小此木『誰か!水だ!水持ってこい!このままじゃ全員お陀仏だぞ!!』

『…おい!リナだ!居たぞ!』

鉄平『!』

リナ『…』

鉄平『…貴様…よくもこのワシを…!』

リナ『…鉄平…』

『怒るのは後にしろ!運ぶぞ!』

鉄平『…ッチィ!』

リナ『ま、待って!』

『待てるか!!』

リナ『向こうの部屋!向こうの部屋にもう一人捕まってる!!』

『ぁあ!?』

リナ『助けてあげて!!あっちも殺されそうなの!!』

鉄平『…ああクソ!!』ダッ

『早くしろよ!!』

…。

鷹野『小此木!!ジロウさんを捕まえて!!』

小此木『!?…テメェ…!』ガチャッ

鉄平『…』コソッ

富竹『…!』

鉄平『…フンッ!』ブンッ

小此木『…逃がッ!?』ドカッ

鉄平『…』

富竹『…え?』

小此木『がっ…!痛ぇ…!!』

…。
311 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:15:16.36 ID:uQrDoXrNO
リナ「?え゛え゛…」

「…な、何だァ?こいつ…」ブオオオオン

鉄平「知るか。またいつもの嘘泣きに…」

富竹「違う」

鉄平「?」

富竹「彼女は、本当に命を諦めかけていたんだ」

鉄平「…まあどうでもええわ。…いやどうでも良くないのう」

富竹「…」

鉄平「…ありゃあ何じゃ?拳銃まで持っとったぞ」

富竹「…あれは…」

リナ「…あいつら、この村の住人全員殺すつもりだって」

鉄平「…!?」

「…な、何だそりゃ。どういうことだ?」

リナ「…あいつら言ってたわ。保管庫にある毒ガスで住人を全員殺して、雛見沢症候群に見せかけるって…」

「…んな突拍子もねぇ話…」

富竹「…本当だよ」

鉄平「…何?」

富竹「あそこにいた拳銃を持っていた女性は鷹野三四。…山狗という小隊の長だ」

鉄平「…あいつがか?」

富竹「最も彼女は軍の訓練を受けていないから、銃は撃てても当てられる程の技術は無い。受け身の取り方も分からない」

「…そんな奴が、どうして…」

富竹「実質、隊の指揮を取っているのは、貴方が殴り倒した小此木という男だ」

鉄平「…」

富竹「あの場は冷静さを失っていた上、不意打ちで何とかなったけど…本来の彼は山狗の中でも選りすぐりの隊員だ。もし彼と面と向かっていたら、きっと二人とも命は無かった」

「…そんなやべぇ奴なのか…顔見られてねぇよな?」

鉄平「こっちはこのアマさえ捕まえられりゃ何でもええんじゃ。戦おうだなんて思っちょらん」

リナ「…アタシ、本当は燃やされる予定だったんだって」

鉄平「…あ?」
312 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:15:57.08 ID:uQrDoXrNO
リナ「鷹野って女は、この村のナースの振りして、本当はあの部隊の隊長だった。小此木って奴が…何だっけ?さん…さ?」

富竹「鷹野三佐。彼女の軍での階級だよ」

「…」

富竹「東京大学を首席で卒業。エリートとして色んな人脈を作り、山狗という部隊を立ち上げた…」

鉄平「…ワシが一番嫌うタイプのアマじゃのう」

富竹「三佐の階級と山狗の地域に浸透した諜報網、そして必要とあれば県警から日本政府に至るまでを動かすことができる絶大な権力を彼女は所有している」

鉄平「…あー…」

「悪ぃ。もうちょっと分かりやすく説明してくれ」

富竹「偉いって事さ」

鉄平「極端にも程があるわ」

富竹「…というより、出来ればこの拘束を解いて欲しいんだ。流石に腰が痛くなってきてね…」

鉄平「お?…おお」

リナ「…良いよ。アタシがやるから、続けて」

富竹「ありがとう。…しかし、それはつい最近までだったんだよ」

鉄平「…?」

富竹「…その昔、高野一二三という、雛見沢症候群の研究をしていた男がいてね…」

「…さっきも言ってたけどよ。その雛見沢症候群ってなぁ…何だ?」

富竹「この村特有の寄生虫による病気さ。これに感染するとその人間は凶暴化し、全てを信用出来なくなる」

鉄平「き、寄生虫…?」

富竹「この村にいる以上、感染率は100%だ」

リナ「え…?」

富竹「君達も、僕も感染している」

「…身体ン中に虫が入ってるたぁ…気持ちの悪い話だなぁ」

リナ「そういう問題…?」
313 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:16:40.13 ID:uQrDoXrNO
鉄平「…で、それはいつ発症するんじゃ」

富竹「具体的には決まっていない。けど、少しでも不安を感じたら、それは始まる」

リナ「不安…?」

富竹「例えば、誰かを信用出来なくなったり…そんなことはなかったかい?」

鉄平「そんなことしかないわ」

リナ「…」

富竹「…えっ…?」

鉄平「ワシはこのアマに儲け話持ち掛けられて、全部掻っ攫われたんじゃ」

富竹「…それで、発症していないのかい?」

鉄平「その話がデタラメなだけと違うんか?」

富竹「そ、そんなはずはない!既に前例が…」

鉄平「…」

「守りたいモンが出来た。からじゃねぇのか?」

鉄平「あ?」

富竹「え?」

「…その鉄平って奴ァな、自分の為じゃなく、人の為に命を捨てたんだ」

富竹「…」

「細けぇことは分からねぇけどよ。つまり…自分の命の為に人を攻撃するってことだろ?その病気ってのは」

富竹「…そう、だね。宿主が死ねば寄生虫も死ぬ。寄生虫は生きる為に宿主を利用する…」

「だが、こいつはその寄生虫には従わなかった」

鉄平「…」ポリポリ

「つまり、勝ったってことだな」

富竹「…そんな…」

鉄平「…」ポリポリ

リナ「…鉄平…」
314 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:17:17.34 ID:uQrDoXrNO
鉄平「…確かに、前までのワシならその寄生虫にかからずとも人なんぞ誰も信用しとらんかったわ」

富竹「…」

鉄平「…ま、それも大金の前じゃ何てことないモンじゃったがのう…」

リナ「…」

鉄平「…お前に持ち逃げされて、無一文で逃げるように雛見沢におる沙都子っちゅう、一応家族の家に転がり込んだ」

リナ「!…そんな近くに…」

鉄平「……昔は、よう虐めとったわ。ドン臭くてのう…」

「…」

鉄平「…そこは変わっとらんかったが…」

富竹「…」

鉄平「唯一頼りにしとった兄もおらん、親もおらん。家族なんざだーれもおらん状態でのう…」

リナ「…」

鉄平「それでも、必死で生きているあいつの顔が…とんでもなく眩しく見えたんじゃ」

「…」

鉄平「…それに比べワシは、何をしとるんか…そう思ってな」

富竹「…守りたいものが、出来た…」

鉄平「…お前もその内分かるわ」

リナ「…アタシも、ね」

富竹「?」

鉄平「…」
315 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:17:56.95 ID:uQrDoXrNO
リナ「アタシも、雛見沢に隠れてたんだ。そっちのが見つからないかなって思ってて」

鉄平「…分かっとるわ。さっきの反応で」

リナ「たまたまお店に来てた上客がね、前の奥さんから貰った慰謝料が沢山あるからって…」

鉄平「…がめついお前の事じゃ。それも掻っ攫おうと思ったんじゃろ」

リナ「その時はね、そう思ってた」

「…その時は?」

リナ「…色々あってね。やっぱり恨み買っちゃうんだ」

鉄平「…」

リナ「丼でぶん殴られそうになったんだけど、その人の娘に助けられてね」

富竹「…レナちゃんだね」

リナ「うん。アンタは知ってると思うけどさ…」

富竹「…君も、彼女を助けたい一心で、寄生虫の魔の手から逃れたんだね」

リナ「今知ったんだけどね。それ」

鉄平「…」

リナ「…今更だけど、上納金なら竜宮さんの家にある庭の下に埋めたよ」

「あ!!?」

鉄平「・・・」

リナ「一銭も使ってない。…それどころじゃなかったし」

「…そうか」

リナ「…ごめんなさい」

「俺に謝られても困るんだよな…」

リナ「…鉄平も、ごめん」

鉄平「…その竜宮ってのに謝るのが先じゃろ」

リナ「…ん」
316 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:18:40.45 ID:uQrDoXrNO
「…さて、と」キッ

富竹「?…どうして車を…」

「…まあどうせもう待ち合わせには間に合わねえんだ。だから聞けるだけ聞いとくが…」

富竹「…」

「話を戻すが、さっきおめぇは鷹野って奴が偉かったのはつい最近だって言ってたな?」

富竹「…ああ」

「そりゃ何だ?何か失敗でもしたのか?」

富竹「…雛見沢症候群の第一人者、高野一二三。理由は割愛するけど、鷹野さんの命の恩人さ」

「…」

富竹「…彼はある日突然研究費を打ち切られてね。研究の中断を余儀無くされたんだ」

リナ「…その時、鷹野は?」

富竹「僕もさっき聞かされた話だから信憑性までは分からないけど、彼と折り合いがつかない学会側が無理矢理失脚させたらしいんだ」

リナ「…」

富竹「結局、一二三はそのまま病気で亡くなったらしい」

鉄平「…それで、その無念を目の前で見たっちゅうわけか」

富竹「命の恩人が、良いように利用され、消された。彼女にとってはたまらなく嫌なことだっただろうね」

「…だろうな」

富竹「…そこから彼女の人生は、高野一二三に捧げられた。彼の為に、彼の研究を本物にする為に」

鉄平「…」

富竹「先の頭脳と……どうやって作ったかは想像に任せるしかない人脈。それで再び雛見沢症候群の研究機関を作ったんだ」

リナ「…」

富竹「…しかしね、前例がある、といってもこの寄生虫は宿主が死ぬと同時に消滅する。正直なところ、証明しようが無いんだ」

鉄平「同じ轍を踏んだ…ちゅうことかい」

富竹「ああ。初めはカットされる程度だったけど、どんどん下がっていってね。最後には打ち切りの話が出たんだ」

リナ「それをさせない為に鷹野は毒ガスを使って…」

富竹「ああ。だがそれはあくまで最後の手段に過ぎない」

「…どういうこった?」
317 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:19:20.30 ID:uQrDoXrNO
富竹「…雛見沢症候群が発症する条件として、まず疑心暗鬼になること」

「…ああ」

富竹「それと、女王の死」

鉄平「…女王…だァ?」

富竹「そう。この雛見沢症候群に感染していても影響を一切受けない。それどころか薬を拒絶する程身体が病気に慣れてしまっている」

リナ「…何それ」

富竹「…古手家の人間だ」

「…今古手家の生き残りって言ったら…梨花ちゃまか!?」

富竹「そう。鷹野さんがこの実験で最も重要視しているもの。それが梨花ちゃんだ」

鉄平「…待て。梨花っちゅうと…沙都子の友達か!?」

富竹「…ああ。彼女の死を目撃することによって信仰心の強い雛見沢村の人達は皆連鎖的に発症する。という鷹野さんの考察だ」

鉄平「仮にその考察が正しいとしても、そんなもん…!」

富竹「認められる訳がない。しかし鷹野さんは止まらない」

「…つまりあれか。梨花ちゃまが死んで、村人達が死ねば、ほら病気はあったでしょってか…?」

鉄平「死ぬ理由なんざどうでもええ。結果論っちゅうことか…」

リナ「…それで、混乱の最中に毒ガスを…」

富竹「…そういうことだ。彼女は警察とも繋がりがある上、医学の道ではトップクラスの知識を誇る。その彼女が雛見沢症候群だと言えば、警察もそれに準ずるだろう…」

リナ「…そんな凄い奴だったなんて…」

「…ここに来て雛見沢の鎖国状態が皮肉にも役に立っちまったってことか…」

鉄平「…なんちゅう厄介な奴じゃ…」

「…そりゃあ、俄かには信じ難いが…確かに辻褄は合うな。さっきのを見りゃあ…」

富竹「…お願いだ。このままでは雛見沢村の人達が危ない。何とかして止めて欲しい」

「…てめぇの知り合いのケツ拭けってことかよ…」

富竹「…」

「…あああああ!!!こうなったらヤケだ!!行くぞ!!」ブオオオオオオン
318 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:20:04.27 ID:uQrDoXrNO
…。

チェイス「…」

悟史『…』

梨花「…」

チェイス「…この子が叔母を殺したことは、皆知っているのか?」

梨花「…確信は無いけど、状況的にそう思うのが普通よ」

チェイス「…」

梨花「棒のようなもので撲殺。消えた悟史。血の付着した悟史の名前入りの金属バット。事件が起きる前、性格がガラッと変わった彼…」

チェイス「…沙都子も、知っているのか?」

梨花「あの子には…重過ぎるわ」

チェイス「…」

梨花「…」

チェイス「人をここまで変えてしまう病気、か」

梨花「恐ろしいでしょ?」

チェイス「確かに、この病気は無くさなければならない」

梨花「…うん。そうね」

チェイス「…」

梨花「…ねぇ。もしも、よ」

チェイス「…」

梨花「もし、私が発症したらどうする?」

チェイス「…お前は、発症しない筈では…」

梨花「もしもよ。もしも」

チェイス「…」

梨花「アンタのことも信用しなくなって、攻撃的になって」

チェイス「…」

梨花「怒り狂って、誰かを殺そうとしたら」

チェイス「止めるだけだ」

梨花「…簡単に言うのね」

チェイス「相手がロイミュードでないなら、止めることは造作も無い」

梨花「…そうだったわね。アンタの力なら今すぐにでも鷹野達を…」

チェイス「…」

梨花「…そう簡単にいかなかったわね」

チェイス「相手が無差別に人間を殺せる武器を持っていて、いつでも殺せる状態にあるというのならば、俺もそう簡単には動けない」
319 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:20:48.58 ID:uQrDoXrNO
梨花「…時間を止めて、そのまま相手のいる所突き止めてボコボコにするとかは?」

チェイス「俺にそこまでの力は無い。それに止められるわけではない」

梨花「どうして?だって…」

チェイス「数十分にコンマ数ミリ程度だが、人間でも身体は動かせる」

梨花「…スローになるってだけ?」

チェイス「それが俺の限界だ。それに永遠に続けられる訳ではない」

梨花「…そっか」

チェイス「下手に動いて奴らを刺激すれば、取り返しのつかないことになる」

梨花「…ごめん。無理言ったわね」

チェイス「…俺もまた、神ではない」

梨花「…」

チェイス「お前達より少し未来に生きているだけのロボットだ」

梨花「…33年でそんなに進歩してるってのが驚きだけどね」

チェイス「…抜きん出た者が二人居ただけだ」

梨花「…チェイス」

チェイス「どうした」

梨花「…これで、私達が助かったら、さ」

チェイス「…」

梨花「アンタはどうするの?」

チェイス「…」

梨花「少なくとも、その剛っていう親友と会えるまで33年間、必要なのよ?」

チェイス「…」

梨花「…長いわよ。結構」

チェイス「…」

梨花「…その期間くらい、ここに居れば?」

チェイス「俺は、生きているのか死んでいるのかも分からない存在だ」

梨花「…でも、触れるわよ?」

チェイス「…それは、使命によって生かされているだけかもしれない」

梨花「…使命を終えたら、死ぬってこと?」

チェイス「不明だ」

梨花「そんな、使い捨てみたいなマネ…させないわよ」

チェイス「…」

梨花「…」

?「悟史くぅぅぅぅぅうううううん!!!!!」ダダダダダダダ

梨花「!?」

チェイス「!」
320 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:21:23.70 ID:uQrDoXrNO
詩音「悟史君!!悟史君!!?」バンバン

チェイス「…」

梨花「詩ぃ!落ち着くのです!」

詩音「落ち着ける訳ないでしょ!!!」

チェイス「お前は、あの時の…」

詩音「どうしてここに悟史君がいるんですか!?説明して下さい!!」

梨花「その前に、どうしてここに?」

沙都子「私が、連絡しましたの」

梨花「え?」

詩音「沙都子から連絡を受けて、半信半疑だったけど、藁にもすがる想いで…」

梨花「…詩ぃ…」

詩音「…夢だと思ってた。夢だと思って、諦めかけてたのに…」

チェイス「悟史とはどういう関係だ?」

詩音「…そんなの、察して下さいよ」

梨花「詩ぃ。どうせ左之助に女心は理解出来ないのですよ」

沙都子「とんでもない殿方ですわね」

詩音「コホン。…友達以上、恋人未満…です!!」

チェイス「それは分かっている」

詩音「何なんですかこの人!!!」
321 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:21:58.91 ID:uQrDoXrNO
詩音「…まあ、初めに関係を持ったのはお姉なんですよ。それでお姉が興味を持つっていうのはどんな人なんだろうって私も関わり出して…」

チェイス「…そこから、悟史を愛するようになったのか」

詩音「ン゛ブッフゥ」

沙都子「んま」

梨花「こういう男なのです。放っておくのですよ

詩音「…もうそれで良いです。良いですよ。間違ってませんから」

チェイス「…」

梨花「詩ぃは魅ぃと違って素直なのですよ」

チェイス「…あの子は、いつ目覚めるか分からないぞ」

詩音「構いません。…こうして無事なのが確認出来た。今はそれだけで…」

チェイス「…そうか」

詩音「…良かった。無事で…てっきり鬼隠しにあったのかと…」

チェイス「鬼隠し…」

詩音「…この村では毎年一人ずつ、行方不明になる都市伝説があるんです。…それが悟史君だったんじゃないかって…」

チェイス「…」

詩音「…本当に、良かったです…」

チェイス「…そうか…」

梨花「…」
322 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:22:38.70 ID:uQrDoXrNO
レナ「…」

圭一「レナ…大丈夫か?」

レナ「うん。もう…大丈夫だよ」

圭一「…ケガだけじゃないだろ」

レナ「…」

圭一「色んな事。あったんだろ」

レナ「…」

圭一「…それを全部、レナは背負っていたんだろ」

レナ「…」

圭一「背負って。隠して。必死に明るく振る舞って。俺に対してだって気を遣ってくれて…」

レナ「そんなこと、ないよ」

圭一「ある!!」

レナ「ッ!」

圭一「…あ、ご、ごめん…でも…」

レナ「…圭一君…」

圭一「そんな、無理してるレナの顔、見たくないんだ」

レナ「…」

圭一「いつも疲れた顔してて、でももしかしたら俺の思い過ごしなのかなって思ってた」

レナ「…」

圭一「でも、本当は違ったんだ」

レナ「…」

圭一「レナは、ずっと疲れてた。休めなかったんだ」

レナ「…」

圭一「本当のレナを出せずに、いつも明るく振る舞って。…そんなことしてたらいつか疲れちまうだろ」

レナ「…」
323 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:23:17.93 ID:uQrDoXrNO
レナ「圭一君」

圭一「ん?」

レナ「…あのね?レナはね…」

圭一「…」

レナ「…ホントは、すっごいワガママなんだよ」

圭一「…」

レナ「圭一君と、ホントはずっと一緒にこうしていたい」

圭一「えっ…」

レナ「でも、魅ぃちゃんともずっと仲良くしたい」

圭一「…別に、それは…」

レナ「ううん。きっと圭一君がレナと仲良くなり過ぎると、魅ぃちゃんとレナの関係は変わっちゃうと思う」

圭一「何で…俺とレナが仲良くするとそうなるんだ?」

レナ「…察して欲しい…かな」

圭一「…」

レナ「圭一君も、魅ぃちゃんも。沙都子ちゃんも、梨花ちゃんも。詩ぃちゃんも悟史君も。みんな一緒が良い。ずっと仲良くしていたい」

圭一「…レナ…」

レナ「…でも、圭一君との仲良しは、みんなとの仲良しとは違うの」

圭一「…。……!!」

レナ「…レナは、圭一君とずっとこうしていたい。一緒に居たい」

圭一「…レナ…」

レナ「…でも、みんな大事」

圭一「…」

レナ「…ワガママだよね」
324 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:24:01.60 ID:uQrDoXrNO
圭一「…なあ、レナ」

レナ「…」

圭一「…それ、ワガママって言わないんだよ」

レナ「…」

圭一「俺だって、みんなと仲良くしていたい。大事な仲間だから」

レナ「…」

圭一「…そんなの、当然だ」

レナ「…圭一君…」

圭一「…それに、本当は、俺は…こんな幸せな日常、味わっちゃいけないんだ」

レナ「…?」

圭一「…」

レナ「…何か、あったのかな…かな?」

圭一「…」

レナ「…レナは、黙って聞いてるよ。だから、教えて?」

圭一「…俺は…」

レナ「…言いづらい?」

圭一「…」

レナ「…良いよ。話せる時に話して?」

圭一「…」

レナ「…レナも、きっと圭一君と同じくらい大きな秘密を抱えてるから」

圭一「…!」

レナ「…」

圭一「…」

レナ「…もしかして、知ってる?」

圭一「…」

レナ「…レナの事、知ってた?」

圭一「…ごめん。本当は…」

レナ「…ううん。良いよ。いつかはきっと、知ることになるから」

圭一「…」

レナ「…レナはね、凄く後悔してる」

圭一「…」

レナ「いっぱい、いっぱい謝っても、許されないことをしたって思ってる」

圭一「…」

レナ「…本当はレナも、こんな幸せな日常、過ごしちゃいけないんだよ」

圭一「違う!!」

レナ「!」
325 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:24:44.55 ID:uQrDoXrNO
圭一「…」

レナ「…圭一君…」

圭一「…俺は…俺なんか…!」

レナ「…?」

圭一「本当は、クズ野郎なんだ!!」

レナ「…」

圭一「…俺が、何で雛見沢に来たと思う?」

レナ「…お父さんの都合じゃないの?」

圭一「…違うんだ。全然」

レナ「…」

圭一「…少し前、だ。つい半年前くらい」

レナ「うん」

圭一「都会で過ごしてた時は、いつも勉強、勉強で、こんな風に誰かと話すことなんか無かった」

レナ「…うん」

圭一「…正直、色んな奴を見下してた」

レナ「…」

圭一「必死に走るサラリーマンとか、学校帰りに遊びに行く奴らとか、工事現場で働く人達とか、全員見下してた」

レナ「…」

圭一「俺は、こんな風にはならないって。偉くなって、みんなを馬鹿にするんだなんて思ってた。だから常に勉強して1位を目指し続けた」

レナ「…」

圭一「…そんな風に過ごしてて、俺はいつの日か何をしても許される奴だって勘違いし始めた」

レナ「…」

圭一「好奇心で、買ったエアガンを、初めは段ボール。次は空き缶。…そして最後には…」

レナ「…」

圭一「…自分よりも弱い、幼い女の子を狙った…!!」

レナ「…!」
326 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:25:25.65 ID:uQrDoXrNO
圭一「…毎日、毎日。夜になると家を出て、一人でいる子供を狙った」

レナ「…」

圭一「撃った。当てた。…今だに、その感触は消えない」

レナ「…圭一君…」

圭一「…ある日、いつものようにエアガンを向けて、子供を襲った時」

レナ「…」

圭一「その子の目に、当たったんだ」

レナ「…」

圭一「血を出して泣きじゃくるその子を見て、駆け寄ろうとしたけど、集まってくる人達を見て恐ろしくなって、逃げた」

レナ「…」

圭一「…次の日から、警察が周りをうろつくのを見て、震え出した。ようやく自分のしたことがどれだけクズなのかって理解出来た」

レナ「…」

圭一「…事件が起きて数日。やっと自白した」

レナ「…」

圭一「…親父は何も言わずに俺を殴りまくって、被害者の家に連れて行った」

レナ「…」

圭一「許してくれるわけがなかった。色んなものを投げつけられて。額から血が出ても、親父は土下座し続けた」

レナ「…」

圭一「莫大な慰謝料と、治療費を払って、それでも親父は毎日謝りにその人達の家に行った」

レナ「…」

圭一「…親父は自分を責めてた。自分が構ってやれなかったからだって…!!」

レナ「…」

圭一「そんな事ない…!!そんな事ないんだ!!!!」ダンッ

レナ「圭一君…」

圭一「…それで、ここなら過ごしやすいって、親父が連れて来てくれたんだ」

レナ「…」

圭一「…これが、俺なんだ。クズで、大馬鹿野郎なんだ…!」

「前原君」

レナ「!」

圭一「…えっ?」

「…!」グイッ

圭一「!」

「…ッッ!!!」バッチィン!!

圭一「!?」
327 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:26:11.62 ID:uQrDoXrNO
知恵「…」

圭一「…!」

知恵「…前原君」

レナ「…ち…」

圭一「…知恵…先生…」

知恵「痛いですか?」

圭一「…」

知恵「痛いですか!?」

圭一「…はい」

知恵「…先生も、手が痛いですよ」

圭一「…」

知恵「それだけ力を入れて叩きましたから。痛いに決まってるじゃありませんか」

レナ「…」

知恵「痛いのなんか、先生だって嫌です」

圭一「…」

知恵「痛みを感じない、一方的なやり方なんて、ただの暴力です。犯罪です」

圭一「…」

知恵「貴方を本当に叱ってくれるのは、きっと親御さんだけだったんでしょう」

圭一「…はい」

知恵「だから、私が叱ります。私も叱ります。まだ貴方は分かってないようですから」

圭一「…」

知恵「貴方を殴った親御さんの手が、心が、どれだけ痛かったのか!!」

圭一「…はい…!」

知恵「…これからは、人の上に立つ、のではなく…」

圭一「…」

知恵「…人の役に立つ人に、なって下さい」

圭一「…ごめん…なさい…!」

知恵「…」フーッ

圭一「…ごめんなさい…」

レナ「…圭一君…」

圭一「ごめんなさい…」

レナ「…」ギュッ

…。
328 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:26:47.20 ID:uQrDoXrNO
大石「…おんやぁ。こりゃ私達が出る幕じゃありませんねぇ」

熊谷「…」

校長「…彼女がどうして、ここに来たと思いますか?」

大石「そりゃまたどうしてでしょうなぁ…」

校長「この学校が、取り壊しになる事が決定になった時、彼女一人が大反対したんです」

大石「ほぉ…」

校長「子供達の学び舎は、そんな簡単に壊して良いものではない、と」

大石「…」

校長「一人でデモなんてのもやらかしたらしいですよ」

熊谷「それデモじゃないですよね」

校長「色んな都市伝説が蔓延るこの雛見沢村は、教員が来たがらないもので…参っていたんですがね」

大石「…ええ。私もよー…く知っていますよぉ」

校長「彼女が、立候補したんですよ。色んな学校からお呼びがかかる程の方だったのに」

大石「えぇえぇ。教鞭の執り方…というより………ええ」

校長「…」

大石「何より、男性職員が放っておかないでしょうなぁ」

校長「…ウォッホン!!」

大石「ああこれは失礼しました…ええ。本当に…」

熊谷「…」

校長「…彼女がいれば、どんな生徒でも大丈夫でしょう」

大石「このご時世、ああいう生徒と真っ直ぐ向き合う先生なんてドラマの中だけだと思ってましたよぉ」

校長「…」
329 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:27:26.91 ID:uQrDoXrNO
…。

「…!」

茜「…」

「…!!」

茜「…上納金回収、そして間宮リナの捕獲…」

鉄平「…」

リナ「…」

「…へい…!」

茜「良くやったねぇ。良くやった」

「…へい…」

茜「…電話が鳴ってたよ」

「へい。…へいっ!?」

茜「待てど暮らせど、北条鉄平とお前が来ないってねぇ…」

「おうっ…!」

茜「何してんだと思ったら二人とも埃まみれで、オマケが二人に北条鉄平は上半身裸」

富竹「…」

茜「何処だかの組織とドンパチやって、人助け。ああ立派なもんじゃないか」

「…!」パァァ…

茜「それとこれとは話が別だけどねぇ!」スパァン

「ですよねッッッ!!」

茜「…何だい何だい。そんなジェームズ・ボンドみたいな話引っさげて…ええ?」

「…そ、それが、どうやら本当の話らしいんです!本当の!!」

茜「そのカメラ小僧の何をどうやって信じろってんだい」

「本当なんですよ!!俺ら銃で撃たれそうになったんですよ!?なぁ!?」

鉄平「お、おう!ホンマじゃ!ホンマなんじゃ!!」

茜「…まあ、嘘ならもっとマシな嘘つくだろうからねぇ…」

鉄平「…わ、分かっとる!ワシは今すぐにでも罪滅ぼしに向かう!いくらでも働く!」

茜「…何なんだいこりゃ…何がどうなってるんだい…」

「で、ですから説明した通りで…!」

茜「…葛西!!」
330 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:28:05.97 ID:uQrDoXrNO
葛西「…」ヌッ

「ヒイッ!?か、葛西…さん…!!」

葛西「…」

茜「こいつらが本当に嘘ついていないか、見てやんな」

葛西「…」ギロッ

「ヒイッ!?」

鉄平「!?」

リナ「ヒッ…」

富竹「…」

葛西「…」

富竹「…」

茜「…あら。カメラ小僧にしちゃあ度胸あるじゃないか。葛西と目ェ合わせてもビクともしないのかい」

富竹「…何度も死にかけたんだ。ただの脅しなら慣れたものだよ」

「バッ…!お前!」

葛西「…」

富竹「真実を見抜いてくれると言うなら、真っ正面から向かい合うのがこっちの筋だ!!」

茜「…ほーう…」

葛西「…」

茜「…良い事言うじゃないか。ええ?」

富竹「…」

茜「…」

葛西「どうやら、嘘は言っていないようです」

茜「…そうかい」
331 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:28:53.16 ID:uQrDoXrNO
茜「はー…嘘はついてない…か…」

「へ、へい!」

茜「…まあ、それでその二人の罪がどうのこうのって訳じゃないけどね」

鉄平「…」

リナ「…」

茜「…ま、チンピラもアバズレも、堂々と詫び入れに来たのは褒めてやるよ」

リナ「…」

茜「…だが、罰は与えるよ。示しがつかないからね」

リナ「…はい」

茜「…さー…て…」

…。

チェイス『…魔進チェイサー。今はそれで良い』

茜『…何でも良いさね。…随分荒らしてくれたじゃないかい…!』

チェイス『命を守る為だ』

茜『へェ…?…そりゃ、「どっちの」だい?』

チェイス『全てだ。北条鉄平。沙都子。魅音…』

茜『…』

チェイス『…お前達もだ』

…。

茜「…はー…」

葛西「…」

茜「…どうやら、繋がったねぇ…」

鉄平「…?」

茜「否が応でも関わることになっちまったよ」

葛西「…例の…」

茜「ああ。全く…」

富竹「…じゃあ…」

茜「ウチらのシマで勝手な事はやらせないよ」

富竹「!」

茜「全部聞いてんだろ!!魅音!!」

富竹「!魅音ちゃん…!」

魅音「…」
332 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:29:37.54 ID:uQrDoXrNO
茜「アタシには決定権は無い。決めるのはアンタだよ。魅音」

魅音「…」

葛西「…」

茜「どうすんだい?このままじゃこいつらの言う通り鷹野とかいう奴にみんな殺されちまうらしいよ」

鉄平「…」

茜「アンタのお友達もだ。…んで大好きな子もだ」

魅音「ン゛ブッフゥ」

リナ「・・・」

茜「…というより、これで何もしなけりゃアタシが許さないし、現当主もお怒り心頭間違い無しだよ」

魅音「…決まってるよ」

茜「…」

富竹「…!」

魅音「…一人でダメなら、二人」

茜「二人でダメなら、四人…」

魅音「…それでもダメなら、百人」

茜「いーや、二百人だ」

魅音「…」

富竹「…」

魅音「…これは園崎のメンツをかけた大一番の勝負だよ」

茜「ああ、そうさ」

魅音「…決まってるでしょ…」

鉄平「…」

リナ「…」

魅音「…全面戦争だよ!!!」
333 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:30:23.74 ID:uQrDoXrNO
…。

……。

鷹野「…」

小此木「…あーあ。どうするんです?根城がやられちまいましたぜ?」

鷹野「…怪我人は?」

小此木「ま、奇跡的に俺一人ですかね。頭ぶん殴られちまった」

鷹野「…そう」

小此木「そうじゃなくて。このままじゃ必ず園崎の耳に入ると思いますがね」

鷹野「…止まれないのよ。私達は」

小此木「…まあこっちも金貰っちまった以上、任務は遂行しますよ」

鷹野「なら、分かってるでしょう?」

小此木「…あー…はいはい。おい。聴こえてるか?こちら小此木。どうぞ」

『小此木隊長。どうされましたか?』

小此木「アジトがやられた。もう構うことはない」

『…』

小此木「死因なら後で考える。ちょいと予定が早まったが、決行だ」

『了解』

小此木「…」

鷹野「たかが村単位のヤクザがプロの精鋭部隊とやり合うだなんて、言ってくれたものよねぇ」

小此木「あんまアテにせんで下さいよ。あっちだって丸腰じゃねえんですから」

鷹野「数なら負けてるかもしれないけど、貴方達なら一人で五人くらいの戦力にはなるでしょう?」

小此木「こりゃまた買い被っちゃって…」

鷹野「…狙いは、古手梨花。それ以外は殺しなさい。全て」

小此木「はいはい。…女子供もいるんじゃないですか?」

鷹野「構わないわ。全員殺しなさい。元々そういう予定なんだから」

小此木「そうでしたっけねぇ…では、「アレ」は?」

鷹野「準備しておいて。万が一にも生存者は出してはいけない」

小此木「はいよ。…まるでゴキブリ扱いですねぇ…」

鷹野「…うるさいわよ」

小此木「おお怖い怖い。じゃ、俺らの本業と行きますかねぇ…!」ポキポキ

鷹野「…お爺ちゃん…」

小此木「…」

鷹野「見ていて下さい…」

小此木「…」

鷹野「私が、神になるその瞬間を…!!」

第12話 終
334 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/10(土) 00:31:16.62 ID:uQrDoXrNO
続きまた出来たら書きます
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 00:39:52.61 ID:/3o2uYaVo


圭一ってこんな過去があったのか…
ドクズやん。女の子達と遊んでる場合じゃねえだろ…
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 03:24:48.78 ID:AtIXpwXfO

確か澪尽し編でその目に当てた女の子のところに謝罪しに行ったって言ってたような
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 16:02:02.92 ID:0eTDvjVWo
ひぐらしは大まかな設定しか知らなかったから作者が丁寧に書いてくれて助かる
鷹野の過去も知らなかったし富竹と入江は本当に良い人だったんだな。好きになった
338 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:13:54.11 ID:Z9d2epbiO
…。

りぃぃぃかぁぁぁあああ!!

『はにゅー!やっと戻ってきたのです!』

何処に…何処に行ってたのですかぁ!!心配したのですよ!!

『ごめんなさいなのです。でも、とっても不思議な体験をしたのですよ。にぱー』

不思議な体験…?

『はいなのです。そこは、はにゅーに触れる世界なのでした』

…触れる事が不思議というのもなんですが…それは一体?

『それと、ボクとそっくりだけど、ボクよりも大きい、名前も一緒の梨花という人に出会ったのです!』

…?

『そこには、色んな仲間がいて。いっぱい遊んでもらったのです!』

…は、はあ…。

『これで絵日記は決まりなのですよ!』

…いや、後30日分どうするのですか!!それで全部乗り切るつもりですか!!

『にぱー☆』

あああ…梨花の学校でのキャラがどんどん固定されていくのですぅ…。
339 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:14:40.20 ID:Z9d2epbiO
…。

羽入『…』

羽入『…あ』

羽入『…ああ…』

羽入『…そういえば、もう…』

羽入『…誰も、いないのですね…』

羽入『…』

羽入『…梨花…』

羽入『…貴方が幸せなら、ボクはそれで良いのですよ…』

羽入『…貴方には、沢山の仲間と、強い味方達がいるのですから…』

羽入『…ボクとの時間は、もう終わりなのです…』

羽入『…』

羽入『…よろしくお願いします…』

羽入『…チェイス…』

『ちょっと待った』

羽入『びゃっ!?』
340 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:15:57.57 ID:Z9d2epbiO
?『すまない。驚かせるつもりではなかったが…聞き捨てならない単語があってな…』

羽入『え…えっ?』

?『お前は今、チェイス。と言ったか?』

羽入『…は、はいなので…うひゃあ!!火の玉なのです!!幽霊なのですうううう!!』ブンブン

?『待て!!消そうとするな!!何をする!!』

羽入『だって!!だって!!怖いのです!!!』

?『俺は敵ではない!!お前を攻撃したりしない!!』

羽入『うぐ…あうう…』

?『…チェイスの事で、詳しく話を聞きたい』

羽入『…?』

?『あいつが生きているなら、一目くらいは会っておきたい』

羽入『…貴方は?』

?『あいつの…古き、友だ』

羽入『…?』
341 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:16:44.07 ID:Z9d2epbiO
?『俺とあいつは、元々仲間…いや、仲間だったかどうかは怪しいな』

羽入『…』

?『…洗脳して仲間にするなど、本当はダメなんだ』

羽入『…!もしや…貴方は…』

?『…そうだ』

羽入『…でも…その姿…』

?『…人間との決着をつけようとしたが、ダメだった』

羽入『…?』

?『共通の敵を倒し、最後の戦いに臨んだが…既に俺の体は限界だったようだ』

羽入『…人間というのは…あの、方ですか』

?『そうだ。俺の…人間の友達だ』

羽入『…』

?『…そして生き返ったんだがな』

羽入『は?』
342 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:17:44.06 ID:Z9d2epbiO
?『俺にも分からない。何故か再び現世に呼び出され、そして復活した』

羽入『…?』

?『どうやらお呼びではなかったようだが…そこで俺は人間と組むことになった』

羽入『…』

?『かつての俺の仲間…それの模造品。いわば亡霊と戦ったんだ』

羽入『亡霊…』

?『しかし復活したとは言ってもその肉体は俺の力を発揮するには十分ではなく、一度は負けてしまった』

羽入『…』

?『そこで俺は、人間の力を借りる事にした』

羽入『…』

?『皮肉なものだと思ったよ。人間を超える筈が、人間に助けられてしまった』

羽入『…そんなこと…』

?『いや、それで良いんだ。そうじゃないとダメだった』

羽入『?』

?『俺は人間を超える。超えられるとばかり思っていたんだが、足りないものがあったんだ』

羽入『足りない…もの?』

?『そうだ。分かるか?』

羽入『…』

?『…「分かる」ことだ』

羽入『…??』
343 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:19:05.05 ID:Z9d2epbiO
?『相手を倒したい。超えたい。そればかり思っていては、何も始まらない。人間を知り、分かる事が必要だったんだ』

羽入『…』

?『俺達は個人主義者の集まりとばかり考えていたが…それは違った』

羽入『…』

?『人間の悪意を植え付けられ、その恨みだけで動いていたに過ぎなかったんだ』

羽入『…』

?『だが、奴らは違った』

羽入『…』

?『俺達を理解し、向き合い、分かり合おうとしてくれたんだ』

羽入『…』

?『…今思えば、それが簡単に出来る人間に、俺達が勝てる訳もなかったな…』

羽入『…』

?『…』

羽入『…人間でありたいと、思ったのですか?』

?『…』

羽入『…』

?『…それは、無いな』

羽入『…』

?『確かに俺達は作られた存在だ。ただのロボットだ』

羽入『…』

?『だが、確かに仲間は居た。全ての感情を共に分かち合える仲間が居た』

羽入『…』

?『例え作られた存在であっても、寂しくはなかった』

羽入『…』

?『後悔は、していない』

羽入『…』

?『それに、今も一人ではない』

羽入『…?』

?『…お前は、一人なのか?』

羽入『…今は、一人なのです』

?『…何故だ?』

羽入『…話すと、長くなりますですよ』

?『構わない。俺で良ければ話せ』

羽入『…』

…。

……。
344 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:20:02.32 ID:Z9d2epbiO
?『…そうか。そうだったのか…』

羽入『…ボクの力では、二人を戻すことが限界だったのです』

?『…確かにチェイスならば、何の迷いも無くそちらを選ぶだろう』

羽入『…ボクのせいで、チェイスはもう元の世界には戻れなくなりました』

?『いや』

羽入『…』

?『例えお前が拒んでも、チェイスは行っただろうさ』

羽入『…』

?『そういう、男だからな』

羽入『…チェイスは、今でも敵だと思いますか?』

?『…』

羽入『…』

?『今も昔も、俺にとっては友だ』

羽入『…戦っていたのに、友なのですか?』

?『今では、ということだ』

羽入『…』

?『全てが終わった今、もう争う理由はない』

羽入『…』

?『そして、今』

羽入『…?』

?『俺が奴にしてやれることは、これくらいだ』

羽入『…?』

?『受け取れ。そしてこれをチェイスに届けてくれ』

羽入『…!これは…』

?『チェイスなら、きっと使いこなせる筈だ』

羽入『…でも、もうボクには力が…』

?『…出来るさ。俺達の力を使えば』

羽入『…え?』

?『…全く、貴方という人は…』

羽入『え!?こ、今度は緑の火の玉なのですぅ!!!』

?『ああもう!!耳元で大きな声を出さない!!』

羽入『ひぃっ!?』

?『女の子に食ってかかるなんて…相変わらず粗相の無い男ですわね』

羽入『ひいい!!白!!白いぃ!!』

?『あら…ごめんあそばせ』
345 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:20:44.67 ID:Z9d2epbiO
…。

羽入『…そ、そうだったのですね。貴方達が…』

?『ええ。…ま、本来何の関係も無い貴方に手を貸すのは不服ですが…』

羽入『…』

?『俺達は死んだとばかり思っていたが、コア・ドライビアのエネルギーがまだ微量に残っていたらしい』

?『こうして話す事くらいは出来ますのよ』

羽入『…そのせいで、一度は復活したのですね』

?『もうこの世界には未練などありませんので、残りのエネルギーを全て使い切って、一刻も早く立ち去りたいんですよ』

羽入『…でも、ボクの力と貴方達の力は、別では…』

?『貴方、私達のエネルギーを電池か何かと勘違いしてませんか?』

羽入『…てっきりゼンマイかと思ってたのです…』

?『・・・』
346 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:21:26.83 ID:Z9d2epbiO
?『…まあ、良いですよ。構造を説明したところで貴方の空っぽの頭では理解出来そうにありませんから』

?『コア・ドライビアの力を使えば、人の怪我を治す事も可能なんですのよ』

羽入『そ、そんなに科学は進歩してるのですか…!』

?『…タイムスリップなんてものこそ、どうかしてますけど…』

羽入『…試して、頂けるのですか?』

?『ああ。だが恐らくお前を送り込むのは無理かもしれない』

羽入『…では、どうやって…?』

?『出来ることは、「穴」を開けることくらいだ』

羽入『…!』

?『それであいつに、贈り物をしてくれ』

羽入『…』

?『紛い物の姿ではなく、本当の姿にしてやってくれ』

羽入『…』

?『それがあれば、きっと奴はその雛見沢村とやらを救える筈だ』

羽入『…分かりました』

?『契約成立。ですわね』

?『私はそんなつもりは毛頭!!ありませんけど…ンね!』

?『でしたらずっとここで一人朽ち果てていけば良いと思いますわ』

?『やる!!やります!!やらないとは言ってないでしょう!?』

羽入『…』

?『ははは。お前達は変わらないな…』

羽入『…』

?『…こうして、共に逝けるのなら、死ぬのは怖くない』

羽入『…』

?『だから、気にするな』

羽入『…』
347 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:22:17.97 ID:Z9d2epbiO
羽入『…では』

?『…』

羽入『…お願いします。ハート』

ハート『ああ。行くぞ。…ブレン』

ブレン『はい。今度は一緒ですね。ハート』

ハート『…メディック』

メディック『はいですわ。ブレンは置いといて私と共に…』

ブレン『私!!私こそ!!ハートに相応しい!!!』

メディック『眼鏡の無いブレンなんて屋根の無い家と同じですわ』

ブレン『な、何ですって!!この眼鏡が見えないんですか!!』

メディック『何も見えませんわ。あの眼鏡かけ機は何処に行ったのでございましょう?』

ブレン『キー!!!』

羽入『・・・あの』

ハート『…個人主義者の集まりだからな。いつもこんな感じさ』

羽入『…』

ハート『…頼んだぞ。羽入』

羽入『…はい』

ハート『お前の友と、俺達の友の為に』

羽入『…はい!』

12.5話 終
348 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/12(月) 21:22:56.86 ID:Z9d2epbiO
続きまた出来たら書きます
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 00:28:23.09 ID:oI9etmhK0
オツカーレ!
ハートとメディックとメガネぇw
ちょっと嬉しい登場だ
次もマッテルーヨ!
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 00:30:13.34 ID:V9XWSiGpo
まさかのハート様一家!
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 19:03:04.67 ID:hHji5+mL0

ハートが羽入にあげたものってまさか・・・?
352 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:15:05.74 ID:bEIt2fnzO
小此木「…」カチャカチャ

「…」カチャカチャ

「…」カチャカチャ

小此木「準備出来た者から配置につけ。全員が終わり次第作戦を遂行する」

「…はい」

小此木「…どうした?」

「…」

小此木「…どうした。言ってみろ」

「…今年、子供が産まれたんです」

小此木「…ああ。聞いたよ」

「…良い子に育ちますようにって、大事にしてやりたいって嫁も言ってました」

小此木「…」

「…どうして、この作戦に自分を呼んだんですか…」

小此木「…だが、終わればもう必死こいて働く必要は無いぞ」

「それで!何の罪も無い人や、子供達まで殺せって言うんですか!?」

小此木「…」

「…この仕事が終わって、幸せに暮らせるんですか…!?」

小此木「…」

「俺は、暮らしていけるんですか…!?」

小此木「…一つ。言えることがある」

「…」

小此木「…少なくとも、死んだ後は別々になるだろうよ」

「…!」

小此木「だが「そっち」に行くのはお前だけじゃあ、ない」

「…」

小此木「俺達全員、永遠に暗闇を彷徨う事になるだろうさ」
353 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:15:58.84 ID:bEIt2fnzO
大石「…ふーむ…」

熊谷「やはり限られたとは言っても、山の中から一つの建物を探すのは至難の技ッスね…」

梨花「みー…どの山かは分かったのですが…」

大石「…応援を頼めれば頼みたいものなんですが…何にしても時間が足りない」

熊谷「応援を頼めば、上からヘリで行けそうなモンなんですけどね…」

チェイス「手続きか」

大石「手続きは、許可が降りてからですね。その上今回は人が出払っている状態ですから」

チェイス「…」

大石「こういうのは兼ね合いというものがありますからねぇ」

熊谷「それに興宮署の署長は頭の固い人間でして。…ええまあ…」

大石「私との関係は良好とは言いづらいんですよぉ。参りましたねぇ」

チェイス「…」

大石「住む世界が違うと面倒なことになるんですよ」

チェイス「(出会った時の俺と剛のようなものか)」

?「みんなぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」ダダダダダ

チェイス「!」

大石「!」

熊谷「!?」
354 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:16:36.41 ID:bEIt2fnzO
魅音「ハーッ…ハーッ…」

チェイス「…魅音」

魅音「…あ、あの!!け、圭ちゃん達は!?」

チェイス「…なk」

レナ「魅ぃちゃん!?」

圭一「魅音!!」

チェイス「…」

詩音「あ、お姉」

魅音「…そ、それが…って圭ちゃん!?その顔何!?パンパンなんだけど!?」

圭一「えっ…あ、ああいや…」

魅音「だ、大丈夫?それ…」

圭一「これは…」

魅音「…」

圭一「…懺悔…」

魅音「…?」

レナ「そ、それより魅ぃちゃん。何があったの?」

魅音「…う、うん!それがね?北条鉄平が自首してどこかの山からリナと富竹さんを連れてきて鷹野さんがヤバイの!!」

詩音「え?何何何何何!!!?」

…。
355 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:17:46.78 ID:bEIt2fnzO
圭一「…やっぱり…」

レナ「…」

魅音「…レナに手を出したって事は、どうやらクロで間違いないみたいだね」

大石「成る程…育ての、亡き親の研究を世に知らしめる為に…」

チェイス「…いずれにせよ。止めるべきだ」

入江「…そうですね。何があっても人を殺すなんて…」

チェイス「…それだけではない」

入江「?」

大石「今回の件で恐らく鷹野さんを刺激してしまったことは間違いないでしょう」

入江「…!」

魅音「…そうだね。計画を早める可能性も高い」

大石「高い。ではなく間違いなく早めるでしょうな…」

魅音「…」

詩音「…話を聞いていると、まるで御伽噺のようで…混乱してきましたよ」

魅音「詩音。冗談言ってる暇無いよ。こうしてる間にもあいつらは準備を整えてるはずだから」

チェイス「しかし早める、ということは準備が万端というわけではない」

圭一「むしろ、出来合いで固めた可能性も…」

大石「その通りですよ。結果的に彼らは今追い詰められた袋のネズミ。しかしそのネズミもその気になれば、という話です」

梨花「なりふり構わず、来るということですか?」

チェイス「魅音や大石の言う通りならば、今この瞬間に武装集団がなだれ込んでくる可能性もあるということだ」

大石「こちらは何も準備していませんからねぇ…」
356 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:18:44.33 ID:bEIt2fnzO
魅音「…で、だよ」

大石「はい?」

魅音「…まあ、どうしてここに警察官様がいるのかは良いよ。呼んじゃったんだし」

大石「おんやぁ…年寄りなんですから、もう少し労って欲しいですねぇ…」

魅音「…人数なら、出せるよ」

チェイス「…」

梨花「…!」

大石「…」

魅音「協力が必要っていうなら、私が何とかする」

圭一「…それって…」

知恵「…」

大石「…ふ…ぬはっはっはっは!!これは…聞いたことがありませんねぇ!」

魅音「…」

大石「…本来敵対関係にある警察と貴方達が手を組む、というのは…」

梨花「でも、迷ってる暇はないのですよ」

大石「…こりゃ、始末書じゃ済まないかもしれませんよ?熊ちゃん…」

熊谷「…抗争に手を貸すようなものですからね…」

圭一「そ、そんなの俺達がいます!証人になります!!」

知恵「私達がいくらでも証言します!貴方達は無関係だって!」

大石「…お心遣い、ありがとうございます。ですがそんな単純なことじゃないんですよ」

魅音「…」

大石「恐らく死人も出るかもしれないこの大一番。市民の命を守る立場の私達がそれに手を貸すということは、警察としては言語道断なんですよ」

チェイス「…」

魅音「…手を貸さない…って事で良いんですか?」

大石「…」

熊谷「…」

知恵「…!」

魅音「つまり、貴方達はこの死人も出るかもしれない大一番に見て見ぬ振りをする、と」

沙都子「…」

魅音「…尻尾を巻いて逃げる、というわけですね?」

大石「…」
357 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:19:49.14 ID:bEIt2fnzO
詩音「お姉、そんな言い方…」

魅音「詩音は黙ってて」

詩音「…」

魅音「…」

大石「…ふむ」

チェイス「…」

大石「…流石、園崎のお嬢さんは気合が入っていますねぇ。ウチの若手に見せてやりたいくらいです」

梨花「…」

大石「そうですねぇ…今の警察は、確かに臆病かもしれません。ルールに縛られ、上からの圧力に怯え…」

圭一「…」

大石「ただ、訂正して頂きたいものです」

魅音「…」

大石「全員がそうというわけではない。熱い魂を持った者も、確かにいます」

梨花「…!」

魅音「…ですが、ルールに縛られt」

大石「警察というものは!!!」

詩音「!?」

魅音「…ッ!」

大石「制服を着ていなければ…手帳を持っていなければいけないというものではない」

圭一「…大石さん…」

大石「…」スッ

魅音「!」

詩音「…それ、警察手帳…?」

大石「「これ」に縛られるなら、その鎖を解けば良いだけです」

梨花「・・・」

大石「私は…私の魂は…」

魅音「…」

大石「例え「これ」が無かろうと、警察であることには変わりない!!!」

知恵「…」

大石「真の警察というものは、生まれながらにして警察であるものです…!」

熊谷「…」

魅音「…つまり…」

大石「…ここから先は、私は刑事ではなく、大石蔵人として行動しましょう」

魅音「…」

熊谷「大石さん」

大石「?」
358 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:20:44.59 ID:bEIt2fnzO
熊谷「…」スッ

大石「…おや」

詩音「…あら…」

大石「…良いんですかぁ?貴方、まだ先は長いんですよ?」

熊谷「…何言ってんスか」

大石「…」

熊谷「…誰の背中見て、ここまで着いてきたと思ってんスか…!」

大石「…そう…ですかぁ…」

梨花「…」

大石「私…良い後輩を持ちましたねぇ…」

チェイス「…決まったか」

大石「ええ。私達も持てる力は最大限発揮するとしましょう。定年までに雛見沢に関する事件は全て解決したいものですから」

魅音「…感謝します」

大石「お気になさらず。協力しているのはただのおじさま二人ですから」

レナ「…それじゃあ…」

魅音「うん。向こうがもう準備を始めてるっていうなら、こっちも始めるよ」

詩音「…相手のターゲットは村人全員…」

レナ「じゃあ、避難を…!」

チェイス「それは無理だ」

レナ「え…」

チェイス「相手のアジトは山にある。その中を掻い潜って雛見沢から出すのは不可能だ」

圭一「…じゃあ、せめて家の中にいてもらえば…」

大石「それも良い案です。…あ、園崎魅音さん」

魅音「…?」

大石「一つ、やってもらいたいことがあるんですよぉ…」

魅音「…は、はぁ…」
359 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:21:52.49 ID:bEIt2fnzO
鷹野「…」

小此木「鷹野三佐。準備整いました。村人に扮した者もいつでもOKだそうです」

鷹野「…そう。なら始めて」

小此木「…その前に」

鷹野「…何?」

小此木「…この仕事が終わった、後の話ですが…」

鷹野「ええ。成功の暁には貴方達全員、これから一生余裕のある生活を約束するわ」

小此木「それは、聞きました」

鷹野「…何かしら?」

小此木「…この作戦には、所帯を持つ奴もいます」

鷹野「なら安心しなさい。その分も…」

小此木「この村の子供とそう変わらない年齢の子供がいる奴も、います」

鷹野「…それが?」

小此木「俺だけなら構いませんが、何故こいつらをこの作戦に参加させたんです?」

鷹野「決まってるじゃない。精鋭部隊を作るんだから、隊員もそれに見合った人間でないと」

小此木「…」

鷹野「珍しいのねぇ。仕事第一の貴方がそんな事、聞くなんて…」

小此木「…(皮肉なもんだと、思っただけだよ)」

鷹野「…」

小此木「(お国の為、市民の為、鍛え上げた筈の力をその市民を殺す為に使うなんてな…)」
360 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:22:57.95 ID:bEIt2fnzO
小此木「…こちら小此木。最終確認を行う」

『はい』

小此木「ターゲットは村人全員。一人たりとも村から出すな」

『…はい』

小此木「写真で見せた子供、古手梨花は殺すな。無傷で捕獲しろ」

『はい…』

小此木「諸君らには、この作戦が終わった後、遠方への異動、あるいは退職。どちらかを選んでもらう」

『…』

小此木「報酬は一人1億2千。好きに使ってもらって構わない」

『…はい』

小此木「尚、諸君らには金銭だけでなく、精神面でも手厚い保護があることを約束する」

『…』

小此木「尚、首筋に赤線が描かれている者は仲間だ。絶対に狙うな。今奴らはそれぞれの家の中で準備させている」

『…はい』

小此木「言い聞かせろ。村人を人と思うな。情を殺せ。これからの生活の為に」

『…はい』

小此木「…終了の合図は青。緊急事態は赤の信号弾を上げる。以上だ」

『…はい』

小此木「では、作戦にかかれ!!」

『…了解…しました…!』
361 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:24:06.08 ID:bEIt2fnzO
小此木「…」フー

鷹野「…貴方は、行かないの?」

小此木「…誰かは知りませんが、逃げられた以上ここの人間に知られちまったと思った方が良いでしょう。となりゃこっちも無傷じゃ済まねぇ」

鷹野「…」

小此木「万が一、億が一、一人でも誰かが三佐の前にやってきた時、誰が守るんです?」

鷹野「…自分の身くらいは…」

小此木「守れねぇから、そんな足になっちまったんでしょう?」

鷹野「…」

小此木「三佐の銃の腕が不思議なくらい下手くそっていうのは、俺達の常識ですぜ」

鷹野「…」

小此木「普通、百発撃ちゃ一発は当たる筈なんですがね。貴方のは掠りもしない」

鷹野「…どうしてかしら…」

小此木「訓練を一度もやらないから…ってだけじゃねえでしょう。…まあ三佐は前線に出ませんからどうでも良い事ですが」

鷹野「…」

小此木「それと、富竹ジロウですが…」

鷹野「分かってるわ。殺して頂戴」

小此木「…女っていうのは、ドライですねぇ…」

鷹野「…元々、そうじゃなかっただけよ」

小此木「そういう風には、見えませんが?」

鷹野「…」
362 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:31:39.43 ID:bEIt2fnzO
鷹野「…ジロウさんとは、学校で知り合ったのよ」

小此木「同期…ですか」

鷹野「ええ、そう。…誰とも話そうとしなかった私に、一番初めに心を開いてくれた男の人よ」

小此木「…誰に対しても、分け隔てなく接する。っていうのはこっちでも変わらねぇ…か」

鷹野「…勉強を教えたり、休日は野鳥を撮影しに行ったり…」

小此木「…今でも、そうだったんじゃ?」

鷹野「…」

小此木「…演技じゃあ、ねぇんでしょう?」

鷹野「…」

小此木「俺は、報酬が貰えりゃそれで構いません。綺麗事なんて知ったことじゃあ、ない」

鷹野「…だったら、何かしら」

小此木「しかし、このままこの作戦を終わらせた時、三佐がどんな顔してんのか想像もつかないもんで」

鷹野「決まってるじゃない。私は…」

小此木「高野一二三に全てを捧げた三佐、富竹ジロウに心を開いた三佐」

鷹野「…!」

小此木「…本当の貴方は、どっちなんです?」

鷹野「黙りなさい!!」

小此木「…」

鷹野「貴方達はただ、仕事をすれば良いの!!それで全てが上手く行くの!!」

小此木「おお怖い怖い…与えられた職務は着実にこなしますよ」

鷹野「何がこなす、よ…発砲音すら聴こえないじゃない!」

小此木「誰が丸裸で撃ちますか。わざわざここに居て撃ちますよって知らせてるようなもんでしょうに」

鷹野「…ッ」

小此木「心配せずとも、もう少ししたら信号弾が上がりますよ。向こうだっていきなり来られちゃ準備もクソもないでしょう」

鷹野「…」

『パシュッ』

小此木「ほら」

鷹野「…そうね」

小此木「…上がっ…」
363 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:32:34.54 ID:bEIt2fnzO
鷹野「…」

小此木「…あ?」

鷹野「…何が、着実にこなす…なのかしら?」

小此木「…」

鷹野「貴方、アレが何色に見えるの?」

小此木「…何…で…?」

『小此木さん!!小此木隊長!!』

小此木「おい!!何があった!!説明しろ!!」

鷹野「どう見たって、赤じゃない…!!!」

『そ、それが…!!』

小此木「何だ!!!」

『…村人が、誰一人いないんです!!』

小此木「・・・」

鷹野「・・・」

『家の中もくまなく探しました!!しかしもぬけの殻です!!』

小此木「…な…」

鷹野「…」

小此木「…何だ…そりゃ…」

鷹野「…まさか…」
364 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:34:17.62 ID:bEIt2fnzO
…。

【約1時間前】

大石「園崎魅音さん。これを」

魅音「?これ、何?」

レナ「…○○さん…○○さん…あれ?みんな、この村の…」

入江「そのリストにある人間は、全て鷹野さんの仲間です」

魅音「はっ!?」

大石「やはり内情を知る方がいると心強い。先手を打てますからねぇ」

魅音「えっ!?…こ、この人も!?昨日話した分…」

チェイス「長く住むことで、住民達の心を開かせたんだろう」

魅音「…ホントに、この人達が敵なの…?」

入江「ええ。間違いありません」

圭一「この間まで普通に話してた奴が、銃を持って襲ってくるってことかよ…!」

入江「彼らは特殊な教育を受けています。その中でも、特に心理学に秀でた者達が村人に選出されたんです」

沙都子「…随分大掛かりな事をしたものですわね…」

大石「…時間がありません。このリストに書かれている者以外を、園崎の…いえ、何処でも構いませんので、見つからない場所へと避難をさせて下さい」

魅音「見つからない場所…」

詩音「…それなら、地下は?」

魅音「地下?…あ!地下!!地下だよ!!!」

詩音「ああもう耳元でやめて下さい!!!」

大石「何処でも構いません。園崎の人間を使えば村人は無条件で聞くでしょう」

魅音「…は、はい」

大石「戦うことよりも先ず、戦う為に環境を整えなければなりません」

魅音「!…はい!」

大石「それでは、よろしくお願いします」

魅音「分かった!!行ってきまーす!!」バビューン
365 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:35:24.55 ID:bEIt2fnzO
チェイス「…間に合うか?」

大石「…分かりません」

圭一「魅音なら、絶対に大丈夫です!あいつはやる時はやってくれますから!」

知恵「私達も協力します!そのリストを…」

大石「…貴方達には別にやって頂きたいことがあります」

知恵「えっ?」

大石「魅音さんとは、逆の事をして頂きます」

校長「…!」

圭一「…そうか!そのリストの家の人間をとっ捕まえて…!」

大石「いえ。無理に捕まえようとすれば危ないのは此方です」

入江「…相手は訓練を受けた兵士ですからね…」

圭一「…じゃ、じゃあどうすれば…?」

沙都子「…おほ…」

圭一「…?」

沙都子「…おほほ…」

詩音「…沙都子?」

沙都子「おーっほっほっほっほっほ!!!」

レナ「…!そっか!沙都子ちゃんなら…!」

大石「おや?何か良い案が?」

沙都子「この私を何だと思っておりますの?ええ?左之助さん!!」

チェイス「小学生だ」

沙都子「年齢じゃなくってよ!!!」

チェイス「…?」

圭一「沙都子はトラップを仕掛ける天才だから!こういうのには最適ですよ!」

大石「…ほほぉ〜…」

チェイス「…子供のイタズラで、奴らを足止め出来るか?」

沙都子「…ふっ」

チェイス「…」

沙都子「知らなくって?この私。数名程度なら小一時間あればその全てのお宅にありとあらゆるトラップを仕掛ける事が可能でしてよ?」

チェイス「その悪癖は治すべきだ」

詩音「ホントですよ」

沙都子「…何か恥ずかしくなるんでやめて下さいます…?」

梨花「それは成長の始まりなのですよ」
366 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:36:28.80 ID:bEIt2fnzO
…。

小此木「入江所長か…!!クソッ!!」

鷹野「それしか考えられないわ。ジロウさんはあの男達が連れて行ったんだから…」

小此木「おい!村人班!!応答しろ!!」

『あ…お、小此木…隊長…』

小此木「何をしてる!!お前達はさっさと…!」

『い、いえ…!!その…出ようとはしたんですが…!』

小此木「何だ!」

『と、扉は開かないわ窓にはガムテープがビッシリ貼られてるわで…!』

小此木「銃で壊せ!!」

『壊しましたよ!!やったんです!!』

小此木「…あぁ?」

『そしたら…とんでもない量のネズミ捕りが…!!動けねぇ…!!』

小此木「…」

『他の奴らも…!!』

小此木「…山班。応答しろ」

『はい!』

小此木「村人が隠れそうな場所を当たれ。…それと、5人ずつで行動しろ」

『…りょ、了解』

鷹野「…」

小此木「…あの二人さえ逃がさなけりゃあ…」

鷹野「…私を責めてるの?」

小此木「…出資者にケチはつけませんよ。ケチは」

鷹野「…そう」

小此木「…」
367 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:37:58.11 ID:bEIt2fnzO
…。

……。

魅音「…○○さーん!」

「はいよ」

レナ「○○おばさーん!」

「はいはい。おりますよって」

圭一「え、えと…○○さん!」

「はーい」

圭一「○○さーん!」

「…はい」

魅音「…っはー。以上…確認終了…!」

圭一「…しかし良くこんな入ったな。園崎はどれだけ土地持ってるんだよ。だだっ広い地下だなんて…」

魅音「あはは…ここ、昔は防空壕とか、兵隊さんの基地とかに使ってたって噂があるんだよ」

圭一「…いつまでも、隠れてられるか?」

魅音「外には頼れる見張りが着いてる。…大丈夫と思うしかないよ」

圭一「…でも、毒ガスってのをやられたら…」

魅音「分かってる。それまでに何とかする」

レナ「…沙都子ちゃん。大丈夫かなぁ…」

圭一「俺も途中で分かれるまでの間しか見てなかったけど、すっげえ楽しそうだったよ」

魅音「トラップはあの子の本領だからね。良い案だよ」

レナ「永遠に足止めするって言ってたけど、何かな?何かな?」

魅音「本気を出した沙都子の罠はとんでもないからねぇ…」

圭一「それにしたって、左之助さんや梨花ちゃんもついてる。大丈夫だろ」

レナ「…」

鉄平「…」

富竹「…」

魅音「…」

鉄平「…ワシがおるのは、気に食わんかったか?」

レナ「い、いえ…」

鉄平「心配せんでも、そう長くはおらん。様子を見て出て行くつもりじゃ」

圭一「!そ、それは…」

鉄平「…逃げるわけじゃのうて…」

魅音「そうではありません」

鉄平「?」
368 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:40:49.80 ID:bEIt2fnzO
魅音「一人の死傷者も出さない。それが園崎の判断です」

鉄平「…ワシは、ここの村人じゃねぇ」

魅音「いえ。ここに来た以上、貴方もこの村の一員です」

鉄平「何じゃそら。住民票も無いっちゅうのに…」

魅音「貴方には、五体満足で居てもらう必要がありますから」

鉄平「…そういうことけ」

富竹「先ずは命を優先しましょう。それからの事は、助かってからです」

鉄平「…ふん」

圭一「…あ、あの」

鉄平「…?」

圭一「…初めまして。沙都子の、クラスメイトの…前原圭一って言います。最近越してきました」

鉄平「…ほうか」

圭一「…沙都子は、沙都子には、兄である悟史が唯一の心の支えでした」

鉄平「…」

圭一「…でも、最近は違った」

鉄平「…」

圭一「沙都子、言ってたんです」

鉄平「…何をじゃ」

圭一「…北条さんに、笑顔で居て欲しいって」

鉄平「…!」

圭一「…だから、本当は行って欲しくなかったって」

鉄平「…」

魅音「…」

圭一「…きっと、北条さんも、あいつの心の支えになれたのかも、しれないって…」

鉄平「…ほうか…」

圭一「…」

鉄平「…必死に生きて、這いつくばって…」

レナ「…」

鉄平「得たもんは…ガキの同情くらい…」

富竹「…」

鉄平「…尚更、行かんとな…」

魅音「…」

鉄平「無事に帰ってきて、少しでもでかくなったワシを、見せんといかん…」

圭一「…」
369 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:44:38.96 ID:bEIt2fnzO
沙都子「おーほっほっほっほ!!見て下さいませ!あの方達、まるでゴキブリのようにもがいてますわよ!!」

梨花「みー。これで今年のボクと魅ぃの家はネズミとゴキブリだらけなのです…」

沙都子「命がかかってるんですのよ!!そんなもの後回しにして下さいまし!」

知恵「これで後は警察の方を呼ぶだけですね!」

大石「いやぁ…久しぶりに走りましたよぉ」

熊谷「ガムテープで窓を全て隠し、玄関前に大量のネズミ捕りを固定。それをバレずに、迅速にこなしてしまうとは…」

入江「相手は突然のアクシデントに思わず足を取られ、そして最後には身動きが取れなくなる…」

大石「大した才能です。将来が楽しみですなぁ」

沙都子「おーほっほっほっほ!これくらい朝飯前ですわ!」

チェイス「静かにしろ」

沙都子「ほっ」

校長「…皆さんは早く園崎さんの家に避難して下さい」

知恵「…」

入江「…!山狗の隊員が…!」

大石「…参りましたねぇ。相手は完全武装、こちらは丸腰です」

梨花「拳銃は持ってないのですか?」

熊谷「拳銃の形態には許可が必要ですから。自己の意思で勝手には持ち出せないんですよ」

大石「お陰様でこの通りですがね…」
370 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:46:38.04 ID:bEIt2fnzO
チェイス「…大石。熊谷」

大石「はい?」

熊谷「?」

チェイス「皆を守り、園崎家へ走れ」

梨花「…!」

大石「…貴方は?」

梨花「…」

チェイス「…俺は、奴らを足止めする」

入江「え…」

熊谷「足止めって…相手は…」

校長「いえ。ここは左之助先生に任せましょう」

大石「…しかし」

知恵「市民を守るのが警察なんですよね?」

大石「…」

チェイス「安心しろ。俺はあの武器では死なない」

沙都子「…左之助さん…?」

大石「…了解しました!では…お任せしますよ!!!」

チェイス「…」コク

熊谷「皆さん、なるべく姿勢を低くして、足音を立てないように走って下さい」

沙都子「で、でも…」

梨花「行きますですよ。沙都子」

入江「…」

梨花「左之助は無敵なのです。あれくらいならボコボコなのですよ」

チェイス「…」

沙都子「…さ、左之助さん…!」

チェイス「…」

沙都子「…絶対、帰ってきて下さいませ…」

チェイス「…」コク
371 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:48:37.21 ID:bEIt2fnzO
「…」ザッ

「…!おい!居たぞ!!撃て!!」

「ジジイを二人発見した!!」

校長「ジジッ…」

大石「!なっ…!?何故!!」

熊谷「腰低くしろって言ったでしょ!!」

校長「や、やろうとはしたんですが…」

大石「身体が言うことを聞いてくれなかったもので…」

沙都子「ちょっとおおおおおお!!!!」

梨花「腰痛くらい耐えなさいよおおおおおおお!!!!」

「撃て!!構うな!!」ビシュッ

「…!」ビシュッ

「!」ビシュッ

入江「しまッ…!」

『パァン!!!』

「えっ?」

大石「!」

チェイス「…」パァン!!!

熊谷「…な…」

チェイス「…」パァン!!!

「!!」
372 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:50:39.61 ID:bEIt2fnzO
チェイス「…」シュウウ…

校長「…」

熊谷「…な、何だ…あれ…?」

大石「あれは…銃…?」

チェイス「…俺の前で、手は出させない」

「…こ、こいつ…」

「撃った弾を、撃って弾いた…?」

梨花「…」

沙都子「…え…?」

チェイス「行け。恐らく敵はこいつらだけではない」

大石「…!は、はい!」

熊谷「皆さん、行きますよ!!」

入江「…!」

チェイス「…」グッ

http://youtu.be/JIde65wVR54

梨花「…!!」

チェイス「…」ブンッ

『Break up』

沙都子「…。…!!」

知恵「北条さん!振り向かないで!!」

沙都子「…あ…」

梨花「…!!」

http://i.imgur.com/KD0kg9y.jpg

「!!?」

沙都子「…そんな…」

梨花「沙都子!!」

チェイス「…俺の名は、魔進チェイサー…」

沙都子「…」

「…!!」カチッ

「…ば、化け物…」

チェイス「…又の名を…」

「ヒ…!」

「化け物…!!」

沙都子「…!!」

チェイス「死神だ」

第13話 終
373 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/13(火) 21:52:36.34 ID:bEIt2fnzO
続きまた出来たら書きます
後多分2、3話で終わると思います
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 22:03:31.24 ID:dLaIKiM+o


おお、今回はクッソ熱いな!沙都子は昔は生意気なキャラだと思って
あんまり好きじゃなかったけど裏事情知ると健気過ぎて泣けてくる
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 00:40:57.88 ID:T+okNjZPO
376 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/14(水) 22:07:54.11 ID:zrMahF0JO
「逃がすな!!撃て!!」ビシュビシュ

「一人も村から出すな!!」ビシュビシュ

大石「ええい…こうなれば…!」ピタッ

熊谷「!大石さん!!」

「!ジジイが一人止まったぞ!!」

「撃て!!」

大石「熊ちゃん!!先生方!!私に構わず進んで下さい!!」

知恵「しかし!!」

大石「私の事は心配無用!!…ただし…」

校長「…!?」

大石「この家の方の修理代は園崎さんに請求願いますよ…!!」

知恵「!」

大石「行って下さい!!貴方達の手に雛見沢の未来がかかってるんです!!」

入江「…未来…!」

梨花「…」

熊谷「…分かりました!!でも絶対に生きて戻ってきて下さいよ!!」

大石「勿論です!!貴方には教える事がまだ山程あるんですからねぇ!!」

熊谷「…」

大石「…」
377 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/14(水) 22:08:59.38 ID:zrMahF0JO
沙都子「…」

梨花「沙都子!もっと速く走りなさい!!」

沙都子「!は、はい…!」

梨花「今は自分達の命を優先しなさい!!」

沙都子「…」

入江「…彼は…彼は一体、何者なんですか!?あの姿は…!」

梨花「後で話すわよ!!そんな事気にしてる暇があったら走りなさい!!」

入江「えっ!?は、はいっ!!」

梨花「(あのバカ…!)」

梨花「(あれ程使うなって言ったのに…!)」

梨花「(…それでも使ったってことは…)」

梨花「(それだけヤバいって事じゃないのよ!!)」
378 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/14(水) 22:10:19.11 ID:zrMahF0JO
チェイス「…」

「ば、化け物が…」

「まさか…これがオヤシロサマって奴か…?」

チェイス「俺は、オヤシロサマではない」

「…何でも良い。撃て!!撃ちまくれ!!」ビシュッビシュッ

「う、うわあああああ!!!」ビシュッビシュッ

「…!!」ビシュッビシュッ

チェイス「…」

「だ、ダメだ!!効いてないぞ!!」

「な…と、とにかく撃て!!撃つんだ!!足止めしろ!!直ぐに応援を呼ぶ!!」

チェイス「…」カシャッ

『Tune…Chaser…Cobra』
http://i.imgur.com/Gwqjccq.jpg

チェイス「…!!」ヴンッ

「うわっ!!」ビシッ

「ぐえっ!!」ビシッ

「…!チィッ!!」スッ

チェイス「…」ヴンッ

「!!」ビシッ

チェイス「…人間である以上、殺しはしない。だが…」

「…!」

チェイス「もしもこれで止まらないというのなら、多少の痛みは覚悟しろ」

「…ッ!!」
379 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/14(水) 22:11:07.16 ID:zrMahF0JO
…。

「死ねっ!!」ビシュッ

大石「…ぬおっ!?」ササッ

「このっ!!」

大石「…ええい!」バリィン!

「あのジジイ!家に隠れやがったぞ!」

「チッ!!ジジイの癖にコソコソ隠れやがって…!」

「出てこい!!さもなくば家ごと破壊する!!」

大石「ジジイは関係無いでしょジジイは…!」

「…おい!!」

大石「…ん?」

「10数えている間に出てこい!!」

大石「…水筒…そうか!」

「10!…9!」

大石「…ポットは…ああ良かった。ありましたねぇ」

「8!…7!」

大石「…戦闘技術じゃ敵いません…が…」ポチャポチャ

「6!…5!」

大石「…如何せん、貴方達は手段が正当過ぎる…」カチ

「4!…3!」

大石「…場数はまだまだ足りないようですねぇ…」シュー…

「2!…1!…」

大石「…そお…れっ!!」ポイッ

「!出てきたぞ!!」

「この…!」スッ

「!お、おい!!待て!!撃つな!!!」

「えっ?」ビシュッ

「!!バッ…」

「…!!?水筒…!?」

『カッ』
380 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/14(水) 22:11:54.46 ID:zrMahF0JO
「うわっ!!?」

「な、何だァ!!?」

「目が!!目が熱ッ…!!」

大石「ぬぅおおおおおおおお!!!」ダッ

「!」

大石「そおりゃあああああああああ!!!」ゴキィ!

「ぐわっ!!!」

「ぐえっ!!!」

大石「とおっ!!!」バキィ!

「がっ…!?」

「ぐおっ!!!」

大石「…」スッ

「…ぐ…こ、この…ジジイ…!」

大石「フリーズ」カチャッ

「…!」

大石「…そこまでですよ」

「テメェ…一体…」

大石「…そちらより、少しばかり生きてきた年数が違うものでして」

「…水筒…そうか…!」

大石「おかげでライター、無くなっちゃいましたよ。煙草が吸えませんね。これじゃ」

「即席爆弾…か…!!」

大石「…さて。貴方には聞かなければならないことがあります」

「…」

大石「まず、鷹野三四さんの居場所。それと貴方達のチームの人数…」

「…」

大石「答えないのならば、他の方に聞くまでです」

「…経験の違いってのは、あるもんだな…」

大石「…ええ。動けなくなった分、頭でカバーしなければなりませんからねぇ」

「…だがな、いくらそれだけ経験を積んでも…」

大石「?」

「…勝てないもんは、勝てないんだよ…!」
381 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/14(水) 22:13:00.52 ID:zrMahF0JO
大石「…何を…」

?「…」

大石「ッ!!!」

?「…!」バキィ

大石「がはっ…!!?」

?「…ったく…結局また俺が出向く羽目になるのか…」

大石「…!…貴様は…!!」

?「…あー…あん時のジジイか…」

大石「…!」

小此木「…悪いな。こっちも仕事なもんでね…」

大石「…!!!」

小此木「…」ピ

大石「それは…」

小此木「悪いが俺達も自分の実力が素晴らしいだなんて思っちゃあ、いない」

大石「…?」

小此木「常に最悪のパターンを想定して動くのが隊長ってもんだ」

大石「…まさか!!」

小此木「あー、こちら小此木。応援を要請する。何人まで出せる?」

『雛見沢近くで、50人は待機している』

小此木「そりゃ助かる。全員送ってくれ。それと例のやつを頼む」

『了解。直ぐに向かわせる』

大石「!!」

小此木「どうやらそちらさんにはとんでもない切り札が潜んでたらしいが…」

大石「…!」

小此木「生憎俺達だってバカじゃない。兵隊は山狗だけじゃないんだ」

大石「そんな…」

小此木「…戦闘員を削りながら逃げるってのは、間違いだったな」

大石「…皆さん…!!」

小此木「こいつの始末は任せた。俺はあいつらの逃げた方向に向かう」

「はっ!」

大石「…逃げて…下さい…!!!」
382 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/14(水) 22:13:35.36 ID:zrMahF0JO
梨花「ハァッ…ハァッ…」

沙都子「ハッ…ハッ…」

入江「!二人とも!」

知恵「園崎さんの家はすぐそこですよ!頑張って!!」

梨花「(追い詰められた状況に、全力疾走…!)」

沙都子「ハァッ…ハァッ…」

梨花「(女子小学生の身体には、堪えるわね…!!)」

熊谷「…ええい!」ガバッ

梨花「ひゃっ!?」

校長「ぬんっ!」ガバッ

沙都子「きゃっ!?」

校長「大丈夫!!」

熊谷「私達が、命をかけて守ります!!」

梨花「…二人とも…」

知恵「…お願いします!」

梨花「(…このまま行けば…!)」
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