チェイス「雛見沢…」

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157 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:24:37.67 ID:okCOm2oLO
梨花「そうなれば、あの綿が何か。分かるでしょ?」

チェイス「…内部か」

梨花「…もっと分かりやすく言えば、臓物。言わば「腹わた」ね」

チェイス「…」

梨花「腹わた。だから布団の綿を使ってるの」

チェイス「…何故、そんな風に…」

梨花「…オヤシロ様。まあ、羽入よ」

チェイス「…」

梨花「…オヤシロ様はね、人間の臓物を好むのよ」

チェイス「!」

梨花「…っていう、ここの村人の考えよ」

チェイス「…」

梨花「あの顔と性格で人間の内臓なんか食べるわけないでしょ。あいつの好きな物は甘い物だけよ」

チェイス「…」

梨花「…その昔、ここではね、鬼が出たって言い伝えがあるのよ」

チェイス「…鬼…か」

梨花「昔はね、雛見沢ではなく、「鬼ヶ淵村」と呼ばれていたの」

チェイス「…」

梨花「地獄を追い出された人食い鬼が村人を襲って、皆は鬼を恐れた」

チェイス「…」

梨花「でもその時、オヤシロ様と呼ばれる神の仲裁で鬼と人間が共棲するようになったという…伝承があるのよ」

チェイス「…」
158 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:25:30.01 ID:okCOm2oLO
梨花「羽入も良い迷惑よ。いつも言ってたわ。どうせお供えするならシュークリームにしろって。それで私に食べろって」

チェイス「…味覚は繋がっていると言っていたな」

梨花「ええ。…ホント…」

チェイス「…」

梨花「…ホント…いつもいつも…」

チェイス「…梨花…」

梨花「…ごめん。話、変えて」

チェイス「…竜宮レナの、ことだが」

梨花「…名前のことかしら?」

チェイス「そうだ。あの子は家では礼奈と呼ばれていた」

梨花「…そうね」

チェイス「…それは、何故だ?」

梨花「…あの子はね…」

チェイス「…?待て」

梨花「何?」

チェイス「…」

梨花「…どうしたの?」

チェイス「…微かだが、叫び声が聞こえる」

梨花「…叫び声?…ん…」

『…ゃーん』

梨花「…本当ね」

チェイス「…聞き覚えのある声だ」

梨花「…」

チェイス「行くぞ」

梨花「え?」

チェイス「この声は、只事ではない」

梨花「え!?ちょ…今私、寝間着!!」

チェイス「お前を一人には出来ない」

梨花「え!?ちょ…あ!あーーーーーー!!!!」
159 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:26:10.42 ID:okCOm2oLO
…。

レナ「…」

リナ「礼奈ちゃん!!しっかりして!!…あーもう!!さっさと開けてよ!一つしかない診療所の癖に!!」ガンガン

レナ「…」

リナ「こんなとこで、こんなことで死ぬんじゃないわよ!!…ったく!!早く開けて!!」ガンガン

「…は、はぁい…」

リナ「はぁいじゃない!!開けろ!!とにかく!!」ガン!!

「…ど、どちらさまですか?もう今日は…」ガチャ

リナ「急患!!急患なの!!」

「…!!り、竜宮さん…!?何故…!」

リナ「事情は後で説明するわよ!!今はとにかくこの子の手当てして!!」

「は、はい!すぐに!!」

リナ「礼奈ちゃん?病院着いたからね!?すぐ良くなるからね!?」

「…あ、あの…貴方は…?」

リナ「口動かす前に手ぇ動かせ!!」ゲシッ

「は、はいぃ!!」

リナ「…」

リナ「(…何故…?)」

リナ「(…こっちの台詞よ…!!あのバカガキ…!)」

…。
160 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:27:04.72 ID:okCOm2oLO
…。

レナ「…」

リナ「礼奈ちゃん!!しっかりして!!…あーもう!!さっさと開けてよ!一つしかない診療所の癖に!!」ガンガン

レナ「…」

リナ「こんなとこで、こんなことで死ぬんじゃないわよ!!…ったく!!早く開けて!!」ガンガン

「…は、はぁい…」

リナ「はぁいじゃない!!開けろ!!とにかく!!」ガン!!

「…ど、どちらさまですか?もう今日は…」ガチャ

リナ「急患!!急患なの!!」

「…!!り、竜宮さん…!?何故…!」

リナ「事情は後で説明するわよ!!今はとにかくこの子の手当てして!!」

「は、はい!すぐに!!」

リナ「礼奈ちゃん?病院着いたからね!?すぐ良くなるからね!?」

「…あ、あの…貴方は…?」

リナ「口動かす前に手ぇ動かせ!!」ゲシッ

「は、はいぃ!!」

リナ「…」

リナ「(…何故…?)」

リナ「(…こっちの台詞よ…!!あのバカガキ…!)」

…。
161 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:27:47.14 ID:okCOm2oLO
レナ『…』

リナ『礼奈ちゃん!!起きて!!』

『…』

リナ『…!ちょっと!!アンタもボーッとしてないで!!病院に電話しなさいよ!!』

『…』

リナ『…!!ああもうこの役立たず!!』

レナ『…』

リナ『この…!バカで生意気な癖に…!』

『…』

リナ『アタシはこの子を病院に連れてく!!妙な気起こすんじゃないよ!!』

『…』

リナ『…起こす気にもならない…みたいね…!本当のバカだわ…!!』

…。

……。

リナ「…」

「…」

リナ「…」

「…一応、傷は浅いようです。手当もしましたし、いずれ目を覚ますでしょう」

リナ「…」

「…さて」ギシッ

リナ「…」

「…何故、こうなったんですか?」

リナ「…」

「約束した訳ではありませんが、聞かないことにはこちらも納得がいきません」

リナ「…」

「落ちたり転んだりして出来た傷ではありません。もし頭頂部から落ちて尚且つ血が出るほどなら、ダメージを受けるのは頭だけではなかったかもしれませんから」

リナ「…」

「…説明して、頂けませんか?」

リナ「…どこから、どう説明すれば良いのか…」

チェイス「全てを説明すれば良い」

リナ「!」

「!」
162 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:28:26.31 ID:okCOm2oLO
「…そうですか。貴方が最近雛見沢分校に赴任したという…」

チェイス「紫 左之助だ」

入江「私はこの診療所で医者をやっている、入江という者です。よろしくお願いします」

梨花「入江は雛見沢ファイターズという野球クラブの監督もやっていますです。ですからボク達には監督と呼ばれているのですよ」

チェイス「…」

入江「…さて」

リナ「…」

入江「…間宮、リナさん」

リナ「…」

入江「私は警察ではありません。貴方を逮捕する権限もありませんから」

リナ「…」

入江「ゆっくりで構いません。…私達も黙って聞いています。ですから」

リナ「…」

入江「…何があったのか、話して頂けませんか?経緯も、レナさんの事も」

リナ「…」

チェイス「…まずは、何故お前があの家にいたのか、だ」

リナ「…」コク

…。

……。
163 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:29:14.75 ID:okCOm2oLO
リナ「はぁーい!ご来店ありがとうございまーす!リーナでーす♪」

「…」

リナ「何ー?お客さん暗いよー?何かやな事あった?」

「…ええ」

リナ「…そうなんだー…じゃあさ、飲んで!今だけでも忘れよっか?」

「…頂きます」

リナ「何それー!丁寧過ぎー!」

「あ、す、すいません…慣れていないもので…」

リナ「お客さん何歳?」

「…もう、40を…」

リナ「え!?それでこういうお店初めて!?」

「…え、ええ…」

リナ「真面目だねー…今時珍しー…」

「…妻以外の女性とは、ほとんど会話もしたことがなくて…」

リナ「…もしかしてじゃなくても、別れちゃった?」

「…ええ」

リナ「…そっかー…真面目そーなのに…」

「私と妻は、同じ職業で…ですが稼ぎに大きく差があって…」

リナ「奥さんのが稼いでたの?」

「…ええ」

リナ「ふーん…まあ、無いことはない、よね」

「…私には才能が無いのだと、よく他の仕事をするよう勧められました」

リナ「…」

「…ですが、女々しいことに私は諦めきれず…最後には愛想を尽かされました。あれこれと尽くしてはみましたが…」

リナ「…そうなんだ」

「結局妻は新しい出会いを見つけ、出ていきました。…しかも」

リナ「?」

「一人娘すらも取ろうと、浮気相手に何度も会わせていたんです。懐くように、と」

リナ「…ほー…」

「娘はそれが浮気相手だとは知らず、まるで近所の人に接するように仲良くなっていました」

リナ「うん」

「…ですが、その背景を知らなかった私は、妻の浮気を知った時、娘もきっと分かっていたのだと、つい…当たってしまいました」

リナ「…あちゃー…」
164 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:29:59.60 ID:okCOm2oLO
「…娘はそれ以来、母親の話題を一切出すことはなく、私を慰めようと必死になっていました」

リナ「…」

「…妻も娘の事は諦めたのか、莫大な慰謝料を置いて、一方的に離婚届を渡してきましたよ」

リナ「!」

「…それで、逃げるように雛見沢に戻ってきました。全てを忘れたいと、願って…」

リナ「…」

「…それに、娘は…」

リナ「…ん?」

「…いえ、何でもありません…。申し訳ありません。いきなり変な話を…」

リナ「良いよぉ。そういうとこだもん。ここ」

「…貴方の聞き上手に、つい甘えてしまいました」

リナ「そう?…だったら嬉しいなぁ」

「…」

リナ「アタシで良かったらいくらでも聞くよ!愚痴でも何でも!」

「…はい」

リナ「今はまだヤル気も湧かないかもしれないけどさ、これからこれから!だからまた来てよ!いつでも良いからさ!」

「…はい」

リナ「アタシは間宮リナ!お客さんは?」

「…竜宮です」

リナ「カッコ良い苗字じゃーん!忘れないから!絶対!」

「…はい!」

…。
165 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:30:41.73 ID:okCOm2oLO
リナ「…初めはさ、良いカモ見つけた。ってくらいにしか思ってなかった。店の売り上げアップさせて、給料上げてもらおうとかしか…」

入江「…」

チェイス「…」

梨花「…」

リナ「…でもね、向こうは本気だったんだ」

チェイス「知っている。俺もその本気振りは見た」

リナ「…竜宮さんが来たのは、その2日後」

入江「…」

リナ「いきなりさ、プレゼントだって、高いネックレス持ってきて。正直引いたんだけど…お店だから。拒否するわけにもいかなくてね」

梨花「…」

リナ「…でも、それだけじゃなかった」

入江「…」

…。

「り、リナさん!何か、の、飲みたいお酒はありますか?」

リナ「え?…んー…じゃあね、コレかなぁ?」

「わ、分かりました!じゃあそれをボトルで!」

リナ「…え?本気?結構高いよ?」

「だ、大丈夫です!お金なら…」

リナ「あ…あ、そ、そう…」

…。
166 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:31:24.28 ID:okCOm2oLO
チェイス「酒と女に、溺れていったか」

梨花「そういうの何処で覚えてきたのですか?」

リナ「…まあ、そんなところ。…試しにさ、アフターって事で高い中華料理店に連れてってもはいどうぞでお金出すし…」

チェイス「…」

リナ「…これは相当持ってるなって、思って」

入江「…」

リナ「…そしたらね、何だかお金に対してどんどんがめつくなっていったのよ。アタシ。…元からだけど」

梨花「…」

リナ「…いつまでこんな無差別に媚びへつらう商売やってなきゃいけないんだ…って」

梨花「…園崎の上納金に手を出しましたですか?」

リナ「…!…うん。そう」

入江「!…そ、それは…」

リナ「ヤバイってのは…分かってるよ。今だって余裕なんか無い」

チェイス「…」

リナ「…でも、ある日ね?店のマスターが金庫開けてたのを見たの。今月の上納金の確認…って」

入江「…」

リナ「…一件だけでも、とんでもないのにさ。それが何十件もあるんだよ?上納金って」

チェイス「お前達が働いて稼いだ金を持っていくのが、気に食わなかったということか」

リナ「…園崎に一泡噴かせてやろうってのは、あったよ。確かに」

梨花「…」

リナ「…でもそれよりも、お金だ。いっぱいある…ってのが大きかった」

入江「…」
167 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:32:05.41 ID:okCOm2oLO
リナ「それでね。お店で働き出した時にたまたま目をつけたガラの悪い、金髪のオッさん…鉄平に話をしたの」

チェイス「北条鉄平とは、そこで関係を持ったか」

リナ「…うん。特別な関係、じゃない」

入江「…」

リナ「…ある程度ボディーガードになってくれて、金にがめつくて、それでいていつでも切れる関係」

梨花「鉄平は、どんな感じだったのですか?」

リナ「…少し渋ったけど、了解したよ。…金に困ってそうだったし」

チェイス「…」

梨花「…それで、今は鉄平からも逃げているのですね」

入江「…つまり、貴方は途中で園崎への上納金を独り占めしたわけですね?」

リナ「…」コク

チェイス「…それでいて、敢えて近くにいることで疑いをかけられないようにした」

梨花「その一番丁度良かったのが、竜宮家なのですね」

リナ「…」コク

入江「…」

リナ「でも、そのせいで竜宮さんの無駄遣い癖は悪化した。とんでもないくらいに」

梨花「…」

リナ「…ついでに竜宮家の財産も取ってやろうと思ったけど、やめたわ」

梨花「?」

リナ「このままじゃ無くなるのもそう遠くないなって思って…」

入江「…それは、どういうことですか?」

リナ「…これだけやっておいて、何だけどさ…」

チェイス「…」

リナ「あの人、アタシがあの家に来て一番初めに買ったグラスを凄く大事そうにしてたんだ」

梨花「?」

リナ「それをつい割っちゃってね。…必死にかき集めながら悲しんでる姿を見て、思ったのよ」

入江「…」

リナ「…哀れだな…って」
168 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:32:45.82 ID:okCOm2oLO
リナ「勿論、アタシがこんなこと言う資格が無いのは分かってる。アタシが原因みたいなもんだし…」

チェイス「…別れを切り出したことで、逆上してきたわけか」

リナ「…うん」

入江「…それを、レナさんが庇った。ということですか」

リナ「…どうして、アタシなんか…」

梨花「…」

リナ「本来、煮ても焼いても足りない相手の筈なのに…」

入江「…」

チェイス「…そう思うならせめて、レナが目を覚ました時に連れ添ってやれ」

リナ「…」

チェイス「…だがそれは、お前の為ではない」

リナ「…!」

チェイス「父親を人殺しにはさせないという、レナの強い思いだ」

リナ「…うん」

梨花「…」

チェイス「…お前のもう一つの罪に関しては、後回しだ」

リナ「…うん…」
169 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:33:23.93 ID:okCOm2oLO
レナ「…」

リナ「…」

…。

入江「…まさか、あの明るさの裏にこんな事情があったとは…」

チェイス「…悟られまいと、必死に隠していたんだろう。これは家庭の事情…だと」

梨花「…左之助。レナが何故礼奈と呼ばれているか。ボクからお話しますです」

チェイス「…」

入江「…」

梨花「…レナの家庭事情は、先のリナのお話で大体合っています」

チェイス「…」

梨花「幼い頃の両親の離婚。知らないうちに自分も共犯になっていたことの、罪の意識」

チェイス「…」

梨花「…レナは、それを一気に背負ってしまったのです」

入江「…」

梨花「…その残酷な運命は、やがてレナの心を蝕んでいきました」

チェイス「…」

梨花「そしてレナは、「い」やな事を忘れようとれ「い」なの「い」を取って、「レナ」というもう一人の人格を作り上げたのです」

チェイス「…だが今回は、忘れようとはしなかった」

梨花「…はい。レナは「逃げず」に立ち向かったのです。家庭の問題と」

入江「…そうでしたか」

梨花「立派なのです。レナは」

チェイス「…そうだな」
170 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:34:00.87 ID:okCOm2oLO
梨花「…リナは、改心するでしょうか?」

チェイス「分からない」

梨花「…いつもみたいに、言い切らないのですか?」

チェイス「更生するきっかけを与えても、そう素直には戻れない」

梨花「…」

チェイス「…女心というものは、分からない」

梨花「貴方からそんな言葉を聞けるとは思わなかったのですよ」

チェイス「…それよりも。あいつらにはやらなければならないことがある」

入江「…園崎の上納金をくすねた罪は、とても重いものですからね…」

梨花「ここでは園崎が右と言えば右。園崎がリナや鉄平に罰を与えるというなら、ボク達は逆らわないわけにはいかないのです」

チェイス「…何故、そこまで園崎は…」

「…それは、むかしむかー…しに、遡るのよ…」
171 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:34:44.75 ID:okCOm2oLO
チェイス「…」

「…うふふ」

入江「…た、鷹野さん?」

鷹野「ごめんなさぁい。たまたま通りがかったら明かりが点いていたものだから…つい」

梨花「こんな時間にお散歩なのですか?」

鷹野「ええ。でもちゃあ…んとボディガードが付いてたから大丈夫よぉ?ねー…?ジロウさん?」

富竹「…あ、あはは…」

チェイス「…」

梨花「左之助。紹介しますです。この女の人は鷹野三四。男の方は富竹ジロウ。鷹野はここの病院でナースのお仕事をしていて、富竹はカメラマンをやってるのですよ」

チェイス「…」

鷹野「最近越してきた変わった服装の青年って…もしかして貴方?」

チェイス「…最近越してきたのは、確かだ」

富竹「た、鷹野さん…いや、申し訳ない。えー…と、左之助さん。かな?」

チェイス「…そうだ」

富竹「僕は本来野鳥専門のカメラマンをやってるんだけどね。ここの綿流しの祭りが好きで、毎年撮りに来てるんだ!」

チェイス「…」

富竹「宜しく!」

チェイス「…」

富竹「…?」

チェイス「…」グッ

富竹「…!?い、痛たたたたたた!!!?」

鷹野「!?」
172 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:35:19.81 ID:okCOm2oLO
富竹「あ、あはは…力が強いなぁ。握り潰されるかと…」

チェイス「すまない。それなりに加減はしたが…」

梨花「左之助はこう見えてゴリラのような力を持ってるのです。怒らせると怖い怖い、のですよ?」

鷹野「…良いかしら?お話の続き…」

チェイス「続けろ」

鷹野「…そうねぇ…これは、どれだけ遡るかし……あら?あそこにいるのは…レナちゃん?」

梨花「…レナは今、怪我をして寝てるのですよ」

入江「え、ええ。ですが、軽いもので…明日にも退院出来ますから」

鷹野「…そう。入江先生が仰るなら…うふふ」

チェイス「…」

鷹野「…それでね?何故園崎がここまでになったのか…それのキーワードは…」

チェイス「…」

鷹野「…「人肉缶詰」…」

梨花「…」
173 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:35:56.26 ID:okCOm2oLO
チェイス「…それは?」

鷹野「…貴方、この村が昔何て呼ばれてたかは知ってる?」

チェイス「鬼ヶ淵村、だと聞いた」

鷹野「そう…それは知ってるのね」

チェイス「…」

鷹野「なら、本題に入りましょう」

チェイス「…」

鷹野「…終戦後のお話でね。日本中では物資の不足が問題となっていたの」

チェイス「…」

鷹野「勿論、この辺だって例外ではないわ。食料だって、何だって不足してたらしいわ」

チェイス「…」

鷹野「…でもね?そこで活躍した人物が、当時も今も変わらない御三家の一つ、園崎。その一族の一人、園崎宗平なのよ」

チェイス「…宗平…」

鷹野「ええ。彼は食料飢饉だった筈の当時、大量の缶詰を所有していてね…貴重なタンパク源だからって、皆が押し寄せたわ」

チェイス「…」

鷹野「園崎宗平はね、それを闇市で売り捌いて、財を成したの」

チェイス「…」

鷹野「そのお金で雛見沢を近代化させようと、彼は画策したわ。…でもね?」

チェイス「…」

鷹野「…ある日、一人の男性がその缶詰から、ある物を発見したの」

チェイス「…何だ?」

鷹野「…髪の毛。なんだって…人間の…」

チェイス「…」
174 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:36:38.63 ID:okCOm2oLO
鷹野「そこからはバッシングの嵐。宗平は人肉を缶詰にして売っていた、だなんて揶揄されたのよ」

チェイス「…」

鷹野「…でもね?彼は一切口を噤んで、その問題には言及しようとしなかったの」

チェイス「…」

鷹野「結局宗平は雛見沢に舞い戻り、その財力で御三家の残り、古手、公由家を手助けしたのよ」

チェイス「…力関係は、その時からか」

鷹野「ええ。…今ではもう、その缶詰が何だったのかは分からないけれど…」

チェイス「…宗平にしか、分からない事だ。深く追求することもない」

鷹野「…でも、気になるじゃない?こういう歴史って…」

チェイス「…」

鷹野「好きなのよねぇ…歴史…」

チェイス「…」

鷹野「…あら?もうこんな時間…」

富竹「…!?あ、ほ、ホントだ…!鷹野さん!明日早番じゃないの!?」

鷹野「大丈夫よぉ。ちょっとくらい…」

入江「…せめて、私のいないところで仰ってくれませんかねぇ…?」

梨花「…どうして富竹が鷹野の予定を知ってるのですか?」

富竹「えっ!?そ、それは…たはは…」

鷹野「…うふふ…お子様には、まだ分からない事よぉ…」

梨花「…むー…」

鷹野「…あらー…可愛らしいわぁ…!」プニプニ

チェイス「…帰るぞ。梨花」

梨花「え?」

チェイス「もうお前は眠らなければならない。家に行くぞ」

梨花「連れて来たのは左之助なのです。それに、レナが…」

チェイス「…少なくとも、今は大丈夫だ」

梨花「…?」

チェイス「…」

鷹野「…」
175 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:37:21.48 ID:okCOm2oLO
…。

梨花「…」

チェイス「…」

梨花「…ねえ。私はぬいぐるみじゃないんだけど」

チェイス「お前の護衛も俺の任務だ」

梨花「そうかもしれないけど…レナの事が…」

チェイス「…」

梨花「…こんな急いで出る事もなかったんじゃないの?」

チェイス「…あの、3人は…」

梨花「?」

チェイス「あの3人は、信用するな」

梨花「…え?」

チェイス「あの3人は、嘘をついている」

梨花「…何を…」

チェイス「身のこなしが、素人ではない」

梨花「…?」

チェイス「そして微かだが、鷹野の首筋に硝煙の反応があった。洗い流しきれていなかったようだな」

梨花「…」

チェイス「俺の目は人間とは違う。ある程度なら調べずとも判別出来る」

梨花「…それって…」

チェイス「あの女は、危険だ」

梨花「…!!!だ、だったら!!」

チェイス「今は手出し出来ない。レナは軽い怪我だと言い切った手前、それは考えられない」

梨花「…で、でも…ほら、もしかしたら、花火でもやってたのかも…」

チェイス「…花火と銃の火薬は、違う」

梨花「…」

チェイス「そして、もう一つ。根拠がある」

梨花「…何?」

チェイス「…俺の…」

梨花「…」

チェイス「…勘だ」
176 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:38:26.42 ID:okCOm2oLO
リナ「…zzz…」

レナ「…」

リナ「…zzz」

鷹野「…」

入江「…夏とはいえ、夜にその格好では風邪を引いてしまいますよ」パサ

富竹「…きっと、それだけ必死だったんだろう。肩や服に血が付いていても、気にもしていない」

入江「…根っから悪い人なんて、この世にはいませんよ」

リナ「…ん…zzz…」

鷹野「…ねえ。入江所長」

入江「はい?」

鷹野「この方って、「そういう」人なのよね?」

入江「…え?」

鷹野「園崎系列の末端の店で働いてるような子なんだから、身寄りも無いのでしょう?」

入江「…恐らくは」

鷹野「…そうなの…」

富竹「…鷹野さん…?」

鷹野「…うふふ…」

第7話 終
177 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/26(金) 21:38:57.27 ID:okCOm2oLO
続きまたそのうち書きます
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/26(金) 22:32:37.76 ID:gNr6znP+o
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/27(土) 02:06:09.71 ID:eixN0c8z0
機械生命体魂…
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 12:07:01.31 ID:se6AUGB8O
第一話 神は追跡者になにを願ったのか
第二話 チェイスはなぜ雛見沢へやってきたのか
第三話 過去の雛見沢でなにがおきたのか
第三・五話 古手梨花はなにを語るのか
第四話 イレギュラーは結末に影響を与えるのか
第五話 命を救うのに理由は必要なのか
第六話 なにが竜宮レナを追いつめたのか
第七話 入江診療所はなにを隠しているのか

とりあえず各話にドライブっぽいタイトルをつけてみました
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 13:34:22.62 ID:SKAoEh0go
アッハイ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 15:15:16.21 ID:UK/9JXJB0
マッテルーヨ
183 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/27(土) 20:24:57.12 ID:xaxl91PVO
>>180
ありがとうございます
嬉しいです
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 23:43:48.89 ID:SKAoEh0go
>>183
そういう事やると味を占めて毎回考えて来て「どう?凄い?こんなの考えちゃう僕すごい?褒めて褒めて」ってやるようになるから無視しとけ
185 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:28:14.17 ID:K1KRwxSGO
…。

『お母さん、しばらく帰ってこれないかもしれないから。ここにお金、置いとくわね』

…いつ、帰ってくるの?

『…分からない。…でもあの人もいるし、大丈夫よ』

…お父さん、昨日も、今日も…寝てるよ。

『…そう。そのうち起きるわよ。起こさないであげて。…絶対に』

…本当に、帰ってくるよね?

『…そのお金は、絶対にお父さんには渡そうとしちゃダメよ』

どうして?

『…どうしても、ダメなのよ』

…?

『…お母さん、行くわね』

…。

『…じゃあね。さよなら』

…。

……。
186 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:29:02.81 ID:K1KRwxSGO
リナ「…ッ!」ガバッ

リナ「…」

リナ「…ハーッ…ハーッ…」

リナ「…夢…」

リナ「…ッ…」

リナ「…あれ?」

リナ「…何でアタシ…布団…」

リナ「…!」

リナ「礼奈ちゃっ…!」

レナ「…」

リナ「…」
187 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:30:51.21 ID:K1KRwxSGO
レナ「…」

リナ「礼奈ちゃん…」

レナ「…ここまで、運んでくれたんですね」

リナ「…」

レナ「…それは、ありがとうございます」

リナ「…」

レナ「…でも、貴方がお父さんにしたことは、許せません」

リナ「…うん」

レナ「…反省しているというなら、その罪を償って下さい」

リナ「…」

レナ「…もし、良かったら」

リナ「?」

レナ「教えてくれませんか?どうしてリナさんがそんな風になったのか」

リナ「…ただの、言い訳になるから。やめとくわ」

レナ「構いません。それでも、聞きたいんです」

リナ「…」

レナ「私達を騙したリナさん。私を助けたリナさん」

リナ「…」

レナ「…本当のリナさんは、どっちなのか」

リナ「…どっちも、アタシよ」

レナ「…」

リナ「…話すと長いから。時間のある時にしましょ。礼奈ちゃん、学校あんでしょ?」

レナ「…」

【AM8:00】

レナ「…」

リナ「…傷、痛む?」

レナ「…いえ。それよりも…」

リナ「?」

レナ「…リナさんに、気遣ってもらうなんて、思いませんでした」

リナ「…アタシも、助けてもらえるなんて思わなかった」

レナ「…今日は、昼で帰りますから」

リナ「…ん」

…。
188 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:32:41.37 ID:K1KRwxSGO
リナ「…」

入江「…そうですか。竜宮さんは、学校に…」

リナ「…アタシといたって、今の父親といたって、気分は良くないでしょ」

入江「ええ。そう思います」

リナ「…」

入江「…しばらくは、ここにいて頂いて構いません」

リナ「…」

入江「まずは、竜宮さんとしっかりお話をしなければなりませんから」

リナ「…そう、だね…」

入江「…それでは」

リナ「…あ、待って」

入江「…?」

リナ「…」

入江「…」

リナ「…ありがと」

入江「…私は医者ですから」

リナ「…」

入江「患者に、良いも悪いもありません」

リナ「…」
189 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:34:14.37 ID:K1KRwxSGO
沙都子「では…叔父様。行って参りますわ」

鉄平「…のう、沙都子」

沙都子「は、はい?」

鉄平「…例の注射は、打っとるんか?」

沙都子「か、監督からの…ですの?は、はい…」

鉄平「…ほうか」

沙都子「…?」

鉄平「…沙都子」

沙都子「?は、はい?」

鉄平「…」

沙都子「…」

鉄平「…人間っちゅうんは、やり直しは出来るんかのう」

沙都子「…やり直し…」

鉄平「…」

沙都子「…分かりませんわ」

鉄平「…」

沙都子「…それでも」

鉄平「…」

沙都子「やり直してみないことには、どうにも言えませんわ」

鉄平「…ほうか」

沙都子「…」ペコ

鉄平「…」

鉄平「…やり直してみないことには、か…」

鉄平「…腹ァ、括れっちゅうこと…じゃな」

鉄平「…」

鉄平「…やらんと、いかんかもしれんのう…」
190 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:35:18.97 ID:K1KRwxSGO
…。

「左之助せんせー!これ教えてー!」

チェイス「…」

「左之助せんせー!出来たよー!」

チェイス「…」

…。

魅音「なんだかんだで、あの人も教師が板に着いてきたねぇ」

圭一「あの格好も見慣れてきたよな。もう」

レナ「でも、暑くないのかな…」

魅音「…確かに、汗もかかないしねぇ。痩せてるのかなって思ったらウチの若衆なんざ目じゃないくらい力持ちだし…」

圭一「…どういう、人なんだろうな」

魅音「…んー…」

梨花「(…人、じゃないのよ。人じゃ)」

梨花「(…にしても、チェイスはレナには何も言うなって…)」

梨花「(…どうしてそういう気遣いは出来るんだか)」

梨花「(沙都子も結局何も無いみたいだし…)」

梨花「(もしかしたら、このまま…)」

梨花「(…本当に…)」

校長「…」コツコツ

梨花「(…ん?)」
191 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:37:26.81 ID:K1KRwxSGO
知恵「あら…校長先生」

校長「生徒達は、上手くやっていますかな?」

知恵「ええ。チェ…左之助先生もだいぶ…」

チェイス「…」

校長「…それで、ちょっと…左之助先生も…」

チェイス「?」

知恵「?」

校長「…」

チェイス「…」

知恵「…」

校長「…」

知恵「…えっ!?」

梨花「…?」

知恵「…わ、分かりました。…えっと…そ、園崎さん!」

魅音「?はーい!」
192 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:38:24.19 ID:K1KRwxSGO
圭一「どうしたんだ?魅音の奴…いきなり職員室に呼ばれていったけど…」

レナ「うーん…お家の事かな?」

圭一「…あいつって、次期当主…とかなんとか言ってたよな」

レナ「うん。でも魅ぃちゃんは全然気にしてないから…」

圭一「それでも、家がそうさせてくれないんだろうな…」

レナ「…凄いよ。魅ぃちゃんは」

圭一「…そうだな」

沙都子「魅音さんは背負ってるものがたくさんあるんですのよ。とても大きなものを…」

圭一「…」

沙都子「…ン圭一さんと違って!!」ギシッ

圭一「一言多いんだよお・ま・え・は!!」グリグリ

沙都子「ぎゃああああああレナさあああああああん!!!」

レナ「…あはは」

圭一「…?」

沙都子「…?」

梨花「…」
193 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:39:16.39 ID:K1KRwxSGO
圭一「…ど、どうしたレナ?」

レナ「え?」

沙都子「いつもならここでレナさんの拳が圭一さんの顔面にめり込むのが日常でしてよ」

圭一「どんだけ世紀末な日常なんだよ」

レナ「ちょ、ちょっと疲れてるのかな。…かな」

梨花「(…やっぱり、ボロは出るわよね)」

圭一「…前にも言ったけど、何か悩み事があるなら、ちゃんと話した方が良いぞ?」

沙都子「そうですわ。抱え込むのはストレスの原因でしてよ」

レナ「だ、大丈夫だよ」

圭一「…話しにくいことでもさ、話してみたら意外と解決するかもしれないぜ?」

レナ「…」

沙都子「…無理に聞くことはありませんが、それでも私達は心配なんですのよ」

レナ「…うん。ありがとう」

梨花「(…私は知ってるけど、話せるわけないわよね…)」

沙都子「…そういえば梨花」

梨花「?」

沙都子「先程から一言も話してませんが、梨花も何かあったんですの?」

梨花「みー。ボクは常にあれこれ考えてますのですよ」

沙都子「う…ホントに考えてそうですわね…」

魅音「…」ツカツカ

圭一「あ」

レナ「魅ぃちゃん…」

魅音「…」

圭一「…どうした?」

魅音「…ごめん。今日は帰らないと」

沙都子「え?」
194 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:41:06.67 ID:K1KRwxSGO
魅音「いやー悪いねー!おじさんちょーっと!用事が出来ちゃってね!」

圭一「よ、用事?」

魅音「うん。すぐ終わるから」

レナ「…すぐ?」

魅音「うん。…すぐに」

梨花「…?」

魅音「それじゃっ!…あ!圭ちゃん!今日の分、明日教えてね!」

圭一「うぇっ!?な、何だよそりゃ!」

魅音「バイバーイ!!」バビューン

沙都子「…用事。魅音さんも忙しいみたいですわね」

レナ「…でも、今まで学校にいる時にお家の用事で抜け出す事なんかあったかなぁ…」

沙都子「…無かったですけど、そういうことも稀にあるのでは?」

圭一「…先生に聞いてみるか?」

レナ「うーん…でも、人の家の事情は…」

チェイス「…」

圭一「あ」

沙都子「あ…」

梨花「!」
195 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:43:19.60 ID:K1KRwxSGO
チェイス「授業の続きだ。自習時間とはいえ席を立つのはルール違反だ」

圭一「うっ…」ガタン

沙都子「う…正論ですわね」ガタン

チェイス「お前達はこの学校では年長者だ。年長者は年少組の見本にならなければならない」

レナ「ご、ごめんなさい…」

チェイス「…」

梨花「…」

チェイス「…俺は職員室に戻る。引き続き自習時間だ」

圭一「は、はい…」

梨花「…」グイ

チェイス「…」

梨花「(何が、あったの?)」クイ

チェイス「…」

梨花「(な・に・が・あっ・た・の?)」クイックイッ

チェイス「…何も無い」

梨花「(嘘でしょ)」クイッ

チェイス「園崎魅音は家の用事だ。俺達と関係は無い」

梨花「(じゃあ…)」

チェイス「…」

梨花「(何でこっそり出て行こうとしてんの?)」グイ
196 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:44:44.16 ID:K1KRwxSGO
チェイス「…」

梨花「…」

チェイス「職員室に、行くだけだ」

梨花「…そう」

沙都子「…?」

チェイス「…」

梨花「…左之助」

チェイス「…」

圭一「?」

梨花「…早く、帰ってくるのですよ」

チェイス「…了解した」

レナ「…?」

圭一「…?」

沙都子「…」
197 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:45:48.55 ID:K1KRwxSGO
魅音「…」

…。

知恵『園崎さん。…その…』

左之助『…』

校長『…』

魅音『?』

知恵『…園崎、お魎さんから、お電話です』

魅音『…?婆っちゃから?』

知恵『…』

魅音『…は、はーい?何ー?』

お魎『…北条、鉄平じゃ』

魅音『…は?』

お魎『北条鉄平が、園崎の上納金をくすねたと自首してきおった』

魅音『…』

お魎『…あんのチンピラが、堂々と門からやってきおったんじゃ』

魅音『…』

お魎『次期当主としてお前も参加せえ』

魅音『…分かった』

…。

魅音「…」

魅音「…あの自分のことしか考えない叔父が、ねぇ…」

魅音「…ふーん…」
198 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:46:39.81 ID:K1KRwxSGO
…。

リナ「…」

鷹野「はーい間宮さーん…今良いかしら?」

リナ「…あの入江って人は?」

鷹野「往診に出かけてるわ。ご老人が多いから…忙しいのよ」

リナ「…そ」

鷹野「それよりも…お腹、空いてない?」

リナ「…悪いけど、そんな気分じゃないのよ。…それに」

鷹野「…それに?」

リナ「礼奈ちゃんは昼で学校、帰るらしいから。私もそれが終わったら出てくわ」

鷹野「…そう」

リナ「迷惑、かけたわね」

鷹野「あら…貴方、聞いてたより素直じゃない」

リナ「開き直っただけよ。多分アタシは園崎の人間に八つ裂きにされて死ぬだろうし」

鷹野「そんな事言わないで…ね?」

リナ「人間、絶対に死ぬってなったら諦めがつくもんよ。アンタら普通の人には分からないだろうけど」

鷹野「…普通…ねぇ…」

リナ「普通よ。アンタらは。…アタシみたいなゴミ屑に比べればさ」

鷹野「…そう…。ねえ?」

リナ「…?」

鷹野「…それって、いつ死んでも良いってことよねぇ?」

リナ「…え?」

鷹野「小此木」

リナ「は?」

小此木「はいよ」

リナ「は?…え!?ちょ、ちょっと!?」
199 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:48:12.22 ID:K1KRwxSGO
鷹野「ごめんなさぁい。どうしても貴方くらいの女性の死体が必要なのよぉ…」

リナ「何!?ちょっ…何すんのよ!!離しなさ…ムググ…」

小此木「暴れんなって…今はまだ殺しゃしないからよ」

リナ「!!?」

鷹野「私とそう変わらない身長で、女性で、居ても居なくても誰も気にしなくて、定職にも着いてない。そういった条件の人ってそうそう居ないのよねぇ…」

小此木「…しかし、こんなとこに好条件の物件があるたぁ思いませんでしたね」

鷹野「ホントよねぇ…貴方、良かったじゃない…」

リナ「!!」

鷹野「最後に、人の役に立てるのよぉ…?」

リナ「…!!…!!!」

小此木「でも流石に…あんまり大仰には出来ませんぜ?綿流しの祭りが終わるまで監禁ったって…」

リナ「〜!!」

鷹野「そうよねぇ…でーも…そこは、貴方に任せるわ」

小此木「…それと、銃の腕は少しは良くなりましたかい?」

鷹野「私は「裏」だから良いのよぉ」

小此木「へへっ…そう言って、この間、練習してたって聞きましたぜ?」

鷹野「最後の手段よ。万が一私が警察に疑われた場合のね」

リナ「!!!」
200 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:51:27.09 ID:K1KRwxSGO
鷹野「さ。その子を連れてって。…バレないようにね?」

小此木「はいよ…あー…ン゛ン゛!ほいだら行って参りますわぁ。鷹野センセ」

リナ「…!!」

鷹野「あらぁ?その話し方、似合ってきたじゃない。小此木造園さん」

リナ「(小此木…造園…!)」

小此木「へっへへ。何年もいりゃあ、そら学習しますわ」

リナ「(伝えなきゃ…!誰かに伝えなきゃ…!)」

小此木「あん?おいおい…まさか逃げられると思ってんのか?」

リナ「(誰かに…伝えないと…!)」

小此木「…ったく、腕も塞いどくか」

リナ「(…そうだ…!確か…左之助とかいう礼奈ちゃんの担任…!)」

鷹野「あら?今更死ぬのが怖くなったの?」

リナ「(こいつら…!ヤバい…!!)」

鷹野「…そう」

リナ「(誰か…お願い…誰か!!)」

鷹野「…でもざぁんねん…」

リナ「(誰か…!!)」

鷹野「…貴方、もう終わりなのよ」

リナ「(助けて…!!)」

鷹野「小此木。あんまり暴れるようなら気絶させても構わないわ。多少なら大丈夫よ」

リナ「(助けて…!!!)」

小此木「…ま、女に手を上げるのは趣味じゃねえんですがね…」

鷹野「どうせ、殴られた痕跡も分からなくなるくらいになっちゃうんだから」

リナ「…!!」

小此木「はいよ。…じゃ、行くぞ」

リナ「…」

鷹野「…お達者でねぇ…あ。小此木?」

小此木「?」

鷹野「…あの人は、応えてくれた?」

小此木「…それが、まだなんですわ」

鷹野「…そう」
201 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:53:57.87 ID:K1KRwxSGO
…。

圭一「え?レナも帰るのか?」

レナ「うん。やっぱりちょっと熱っぽいかな…かな」

圭一「そうなのか?…心配だな」

レナ「大丈夫だよ。明日には元気になるから!」

沙都子「ちゃんと身体を休めるんですのよ?」

レナ「うん!ありがと。沙都子ちゃん」

梨花「(…嘘ね)」

レナ「梨花ちゃん。圭一君。沙都子ちゃんも、また明日ね?」

圭一「おう!」

沙都子「はいですわ」

梨花「…レナ?」

レナ「?」

梨花「…」

レナ「…?」

梨花「…何でもないのです。また明日なのですよ」

レナ「…うん!」

梨花「(…かける言葉が、無いわ)」

沙都子「…」

梨花「(…無駄に生きただけで、頭の中は子供…)」

沙都子「…梨花…?」

梨花「(…チェイスの、言う通りね…)」

…。
202 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:55:28.52 ID:K1KRwxSGO
魅音「…」

お魎「…」

茜「…」

鉄平「…」

茜「…これ以上、何を驚くことがあるかねぇ」

鉄平「…」

茜「まさかあのチンピラ風情が、命取られるかもしれない相手にこうして詫び入れに来たってんだから」

鉄平「…弁解はせん。ワシャあどんな報いでも受けるつもりじゃ」

茜「…へぇ」

お魎「…」

魅音「逃げられないと諦めた…」

茜「…」

魅音「…訳では、ないようですね」

鉄平「…」

茜「素直に詫びれば、罪が軽くなる…って考えてる訳でもなさそうだねぇ。命乞いの一言も無かったって聞いたよ」

鉄平「それだけの事をしたんじゃ。腕でも、脚でも心臓でも。いくらでも好きにしてくれて構わん」

魅音「…上納金は?」

鉄平「…それは…」

茜「その感じじゃ、まだ手はつけてないんだろ?」

鉄平「…」

茜「何処だい?きちんと耳揃えて返してくれるってんなら命までは取りゃしないよ」

お魎「…」

鉄平「…それは…」

茜「…それは?」

鉄平「…分からん!!!」

茜「は?」
203 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:57:02.85 ID:K1KRwxSGO
鉄平「分からんのじゃ!!な、失くしてしまった!!」

茜「…は?」

鉄平「上納金に手を出した上、ワシャそれを失くして…それで…」

茜「…ふざけてんのかい?ガキの小遣いじゃないんだよ?」

鉄平「分かっちょる!!じゃから…ワシ一人で…!」

お魎「何を言うちょるんじゃ…」

鉄平「…!」

お魎「…盗んだ上失くした?それでお前のようなチンピラ一人で終わらせろ…?」

鉄平「…」

お魎「調子に乗るなクソガキャア!!!!」

鉄平「…!」

お魎「末代まで呪っても呪いたりん…じゃが、お前の今おる家族なんざ…あの小娘だけじゃ」

魅音「…!」

鉄平「!!」

お魎「こりゃ、あの小娘にも一肌脱いでもらわんとあかんの…」

鉄平「…!沙都子にゃ手を出すな!!!」

魅音「!」

茜「…」

お魎「あん?」
204 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 21:58:42.98 ID:K1KRwxSGO
茜「…どういう風の吹き回しだい。アンタ、あのガキの事、相当憎んでたんじゃないのかい?」

鉄平「…」

茜「…はー…ん。そうかい。そういうことかい…」

鉄平「…ッ」

茜「アンタ、あの子に情が移ったんだね?」

鉄平「…」

茜「チンピラの目にも涙かい。…傑作だねぇ」

お魎「それが何じゃ。こっちの知った事か」

鉄平「…頼む…!」

お魎「?」

鉄平「どんな残忍な拷問でも受ける…!!どんな痛みでも耐える…!!」ゴツン

茜「…」

鉄平「ワシ一人で…どうにかしてくれ…!」

茜「…土下座なんて、何処で覚えたんだい。アンタが」

鉄平「…」

茜「…だけどね、こっちにも食わせなきゃならない奴らが何百といるんだよ」

鉄平「…!」

茜「そいつらの迷惑料。ウチら本体の迷惑料。上納金。アンタのボロボロの身体隅々まで切り裂いても取り戻せやしないよ」

鉄平「…」
205 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:00:01.45 ID:K1KRwxSGO
お魎「当たり前じゃ。呪うんなら自らの行いを呪わんか。こん…ダラズがッ」

鉄平「…ワシは…」

お魎「?」

鉄平「…夢を、見た」

お魎「…あァ?」

鉄平「…夢でワシは、何度も何度も、沙都子を虐め抜いとった」

お魎「…何じゃこいつは…とっとと…!」

茜「待ちなよ」

お魎「あん?」

茜「…言ってみな。言うくらいならタダだ」

お魎「…」

鉄平「…虐めて、虐めて、何度も壊した」

魅音「…」

鉄平「…目の光を失った沙都子を見ても、何も思わんかった…」

茜「…」

鉄平「…だのに…現実は、違った…!」

茜「…」

鉄平「親もおらん。兄もおらん。だのにあいつぁ…一生懸命、生きとった…」

お魎「…」

鉄平「誰にも弱音を吐かず、ワシのようなゴミにもならず…!」

魅音「…」

鉄平「…あいつぁ、一生懸命笑って!!生きとったんじゃ!!」

茜「…」

鉄平「…おまけに、今沙都子は何かの病気にかかっとる…!」

魅音「!」

茜「…」

鉄平「週に何回か…病院の先生から貰った薬を、治験だか何かと言って打っとるらしいが…ありゃ間違いなく何かの病気を抑える薬じゃ…!」

魅音「…嘘…」

鉄平「ワシかて分かる…!そんな、子供に治験させる医者なんぞ、おるわけがない…!」

茜「…」

鉄平「…きっと今、あの子は苦しんどるんじゃ…!病気のことも、兄のことも!!」

お魎「…」

鉄平「…お願いじゃ…どんな苦難にも耐えて必死で生きとる、沙都子を…」

魅音「…」

鉄平「あいつの人生を、奪わんでくれ…!!!」
206 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:01:10.98 ID:K1KRwxSGO
茜「…人生、ねぇ」

鉄平「…」

茜「…これが、普通の家の子だったら、考えたんだがねぇ…」

鉄平「…!」

お魎「あれは北条の家。情けなんざかけるこたぁねぇ」

鉄平「…そんな…!」

茜「悪いけど、沙都子とやらにも責任は負ってもらうよ」

鉄平「…!!」

茜「アンタは勿論、帰さない。そうしなきゃウチのメンツ丸潰れだ」

鉄平「…」

茜「聞いてはやるとは言ったけど、考えるとは言ってないよ」

鉄平「…!」

お魎「そいつを連れてけ。ついでに北条沙都子も連れてこんか」

鉄平「や…やめ…!!」

魅音「待って!!」
207 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:02:22.17 ID:K1KRwxSGO
お魎「あ?」

茜「あ?」

魅音「…待って!」

鉄平「…」

茜「何だい?次期当主」

魅音「…」

茜「まさか、現当主のご意向に逆らおうってかい?」

魅音「…沙都子は、関係無い…!」

お魎「何だって…?」

魅音「沙都子は!!関係無い!!」

茜「あるよ」

魅音「…!」

茜「こいつ一人じゃどうにもならない。なら親類にも責任を負ってもらう。筋は通ってるじゃないかい」

魅音「…でも…」

お魎「でももクソもあるか。元々気に食わんかったんじゃ。北条の人間がいつまでも雛見沢に…」

魅音「…!」

茜「…ま。北条に産まれたのが運の尽きだってことさね」

魅音「…ざけないで…」

茜「・・・」

魅音「…ふざけないで…!」

茜「・・・あ?」

魅音「ふざけるなって!!言ってんのよ!!!」

鉄平「!」

お魎「…」
208 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:03:09.94 ID:K1KRwxSGO
茜「・・・何だって?」

魅音「何が園崎よ…何が北条よ…!!」

お魎「…キサマ…」

魅音「そんなつまらないことで!!いつまでも!!何が園崎組なのって聞いてんのよ!!!」

茜「…その言葉…」

魅音「…」

茜「本心かい?」

魅音「…そうだよ…!!」

茜「・・・へぇ」

魅音「何の罪も無い子供にすら敵意を向けるような、ちっさいちっさいヤクザだって言ってんのよ!!!」

茜「…吐いた唾は、飲み込めないよ」

魅音「何度だって言ってやる!!アンタらは…!!」シュッ

茜「…」ジリ…

魅音「…!!」ビクッ

茜「…一度は大目に見た。二度目は怒った」ジリ…

魅音「…」

茜「…三度目は、例え娘でも容赦しないよ」

魅音「…!」

茜「友達だか何だか知らないけど、アンタはこのアタシと当主の前で大見得を切った。例え親子でも越えちゃならないもんがある」

魅音「…」

茜「…指一本くらいは、覚悟しなよ…!」ビュッ

魅音「ッ!!」
209 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:03:51.50 ID:K1KRwxSGO
レナ「…え…?」

鷹野「ごめんなさいねぇ?何だか急に青ざめた顔して、帰っちゃったの…」

レナ「…何…で…?」

鷹野「…さぁ?何だか切羽詰まってる感じだったから…」

レナ「…!」ダッ

鷹野「…あら?レナちゃん?…そっちはベッドしか…」

レナ「…」

鷹野「…ごめんなさいねぇ。止めたんだけど…」

レナ「…本当に、行っちゃったんですね…」

鷹野「ええ。…酷い人よねぇ。私も振り切られちゃって…」

レナ「…」

鷹野「折角レナちゃんがお話ししたいって言ってくれてたのに…」

レナ「…」

鷹野「世の中、ああいう人もいるのね。…でも気にしちゃダメよぉ?」

レナ「…」

鷹野「だって、気にしてたら前に進めないじゃないの。ね?」

レナ「…はい」

鷹野「…事情は聞いてるから。どうするの?お家に帰る?」

レナ「…」

鷹野「帰りづらかったら、ここに居ても良いのよ?…傷も、痛むかもしれないでしょ?」

レナ「…あの、鷹野さん」

鷹野「…なあに?」

レナ「…どうして、嘘、吐くんですか?」

鷹野「・・・え?」
210 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:04:57.13 ID:K1KRwxSGO
レナ「…」

鷹野「…嘘?」

レナ「はい。嘘です」

鷹野「どういうことなの?私は…」

レナ「嘘ですよ」

鷹野「吐いてなんかないわよぉ。私はちゃあんと…」

レナ「嘘だッッ!!!」

鷹野「!」

レナ「…」

鷹野「…」

レナ「…」

鷹野「…どうして、そう思うのかしら?」

レナ「…これ…」

鷹野「…?」

レナ「…誰の、髪の毛ですか?」
211 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:05:37.62 ID:K1KRwxSGO
鷹野「…」

レナ「この髪の毛。長さも色も、この辺の人じゃありません。監督でも、鷹野さんでも、リナさんでも…」

鷹野「…風で飛んできたのかしら?」

レナ「…この辺りは、お爺さんとお婆さんばかりですよね?往診が出来るだけ早く出来るようにって…」

鷹野「…」

レナ「それに、ベッドの下に落ちてました。まるで隠すように」

鷹野「…!」

…。

リナ『…!…!』ズルズル

小此木『あん?おいおい…まさか逃げられると思ってんのか?』

リナ『…!…!』ズルズル

…。

鷹野「…そう…」

レナ「…」

鷹野「…じゃあ、誰かさんが引き取りに来た。っていうのはどうかしら?」

レナ「引き取りに来たのに、どうしてこんなにベッドが破れてるんですか?」バサッ

鷹野「…あら…」

レナ「…教えて下さい」

鷹野「…」

レナ「…リナさんに、何をしたんですか…!」

鷹野「…うふふ」

レナ「…!」

鷹野「…そう、そうなの…」

レナ「…鷹野…さん…?」

鷹野「…あの子、意外と頭良いのねぇ…」

レナ「え…」
212 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:06:22.27 ID:K1KRwxSGO
鷹野「…」

レナ「…え…?」

鷹野「…ごめんなさいねぇ。でも…貴方が悪いのよぉ?」

レナ「…それ…拳銃…」

鷹野「安心して。サイレンサー付きだから、周りには聞こえないし、病院だから幾らでも血は消せるわ」

レナ「!」

鷹野「…全く…子供なんだから…」

レナ「…」

鷹野「覚えておきなさい?竜宮礼奈ちゃん」

レナ「…!」

鷹野「…この世にはね、聞いちゃいけないこともあるって…ね?」

レナ「!!」
213 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:07:11.15 ID:K1KRwxSGO
…。

茜「…」

魅音「…!」

お魎「…!!?」

鉄平「!?…!!?」

茜「(…あ?な、何だいこりゃ…)」

魅音「(身体が…動かない…?)」

お魎「(な、何じゃ…?)」

鉄平「(ゆ、指すら動かん…!他の奴らも、止まって…!)」

「…本来、この力は…」

茜「(…あ!?)」

「この力は、二度と使わないつもりだった」

お魎「(…!?)」

「久しく使っていなかったせいか、加減が効かない可能性があるが…」

魅音「(…あれ…?)」

「生憎、これ以外の方法が思いつかなかった」

鉄平「(…!この声…!!)」

「これしか、出来ない。…だが、俺にしか出来ない」

魅音「(…左之助…先生…!?)」

チェイス「ロイミュードである俺にしか、出来ない事だ」
http://i.imgur.com/6fkElBX.jpg

「「「「(誰!!!?)」」」」

第8話 終
214 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/28(日) 22:07:47.34 ID:K1KRwxSGO
続きまたそのうち書きます
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 00:41:41.77 ID:KRJC/yfqo


一気読みしちゃった。仮面ライダー全然知らないけど凄い面白い
チェイスは男前系かと思って画像調べたらめっちゃ甘いイケメンでビックリした
最近の特撮の俳優は随分顔が若くて甘いんだなぁ
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 01:14:47.22 ID:VD9+aO4bO
乙彼
そりゃ誰ってなるわなwww
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 01:27:18.09 ID:3T+z2UnLo
>>215
主役クラスはジュノン・スーパーボーイ・コンテストの上位入賞者が引っ張られることが多いから、どうしても最近のイケメンになるんだよ
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 02:08:54.48 ID:KRJC/yfqo
>>217
成程。ボーイだから高校生みたいな顔なんだね
世界を救う戦いをするんだからもう少し肩幅とか胸筋が欲しいと思ってしまうのは歳なのか
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 02:24:12.90 ID:SmCP2likO
チェイス…!!
最高にカッコイイぜ
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 08:03:07.73 ID:3T+z2UnLo
>>218
まぁ撮影時にはギリギリ20代のメンバーばっかりだったからねぇ
チェイスは高い身長とバランスのいい肉体で、作られたロボットらしい均等のとれた作られた肉体美って感じがするからまだ違和感なく見れるよ
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 08:11:58.52 ID:KRJC/yfqo
つくづくこの手の過去改変系で変身出来るって強いよなーと思う
普通だったらこの人なに言ってんの頭おかしいと思われても変身されたら信じるしかないし
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 00:40:46.71 ID:mKb6mdqDO
審判の刻は、静粛でなければならない
223 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:04:13.16 ID:2vgcsEvFO
圭一「…うーん…」

沙都子「圭一さん、どうですの?今の気分は」

圭一「…流石にやり辛いな。都会の時は当たり前だったのに…」

沙都子「レナさん、魅音さんのお二方がいないのは初めてですものね…」

圭一「一人で勉強するのもさ、落ち着くんだけど…何か、こう…当たり前だったものが無いっていうのも、むず痒くてさ」

沙都子「それでも魅音さんに合わせる必要が無いから楽ではありませんの?」

圭一「まあそうだけど」

沙都子「否定する意思も感じられませんでしたわね」

梨花「魅ぃに言いつけておくのです」

圭一「んがっ…!言い始めたのは沙都子だろー!」

沙都子「おーほっほっほっほ!言葉でのトラップもありましてよ!」

圭一「…ったくー……ッッ!!!?」

沙都子「!!!」

梨花「…!?」

「うわっ!?」

「きゃっ!!」

「な、何だ!!?」

…。

知恵「…!?」

校長「むっ…!?」

…。

沙都子「(な、何でございますの…!?)」

圭一「(み、身動きが…取れない…!?)」

梨花「(…あのバカ…やっぱり…!)」

梨花「(でも、これは…!)」

梨花「(あいつが今いるところって…まさか…この現象…!)」

梨花「(…雛見沢全域…!?)」

…。
224 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:04:54.84 ID:2vgcsEvFO
鷹野「(…ど、どうして…?身体が…動かない…!)」

レナ「(…何…?何なの…!?)」

鷹野「(引金を引けない…!でも、レナちゃんも動いてない…)」

レナ「(…世界が…止まってる…?)」

鷹野「(どうして…?)」

レナ「(…まさか…)」

鷹野「(…まさかこれが…)」

レナ「(オヤシロサマの…)」

鷹野「(…神の祟りだって言うの…?)」

…。
225 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:05:37.70 ID:2vgcsEvFO
チェイス「鉄平。やはりお前はクズではなかった」

鉄平「(…な、何じゃ…ワシはどうかしてしまったんか…)」

チェイス「あの子を守ろうとするその意思。俺は聞いていた」

鉄平「(…まさか、オヤシロ様ってのはこいつのことか…!?)」

チェイス「…そして、魅音」

魅音「(…!?やっぱり…左之助先生の声…!)」

チェイス「友達を守ろうとしたお前の勇気。俺は見ていた」

魅音「(…助けに…来たの…?)」

チェイス「だが、その為に犠牲になって良い命など無い」

茜「(…こいつ…!)」

チェイス「何故、人間が人間の運命を決める?」

茜「(…一体…何モンだい…!?)」

チェイス「俺には分からない。お前達の考えが」グッ

茜「(…!こいつ…刀を…!!)」

チェイス「…俺にとっては…」グググ

茜「(…嘘だろ…?)」

チェイス「…お前達の方が、クズに見える」ボキッ

魅音「(!?)」

茜「(!?)」

お魎「(…)」

チェイス「…」パチン

魅音「…ッハァ!!」

茜「…ッ…!」

鉄平「…む…おうっ!?」ドテッ

お魎「…!」
226 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:08:29.03 ID:2vgcsEvFO
チェイス「…」

茜「!…身体が…。…アンタ一体…!!」

チェイス「俺は生きとし生けるもの、全てを守る。……」

茜「…あ?」

チェイス「…魔進チェイサー。今はそれで良い」

茜「…何でも良いさね。…随分荒らしてくれたじゃないかい…!」

チェイス「命を守る為だ」

茜「へェ…?…そりゃ、「どっちの」だい?」

チェイス「全てだ。北条鉄平。沙都子。魅音…」

茜「…」

チェイス「…お前達もだ」

茜「…は?」

お魎「…?」

チェイス「俺は…」

魅音「ま、待って!」

チェイス「…」

魅音「…左之助先生…なの?」

チェイス「…その名前は、知らない」

魅音「…!」

チェイス「お前達は今、全員、「何か」によって命を狙われている」

茜「…は?」

チェイス「俺はそれを止める為に来た」
227 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:09:26.50 ID:2vgcsEvFO
お魎「…」

チェイス「今は、小競り合いをしている場合ではない」

鉄平「…お前…」

茜「…」

お魎「…小競り合い…じゃと?」

チェイス「何が違う」

お魎「…お前のような他所モンに、何が分かる?」

チェイス「話は聞いている。北条はダム計画に唯一賛同した家族だと」

お魎「なら口を出すな。北条家はワシら…いや、雛見沢の裏切り者じゃ」

チェイス「…」

茜「北条のお陰でアタシらは今いる場所を追い出されるだけじゃない。食い扶持まで奪われそうになったんだよ」

チェイス「…」

茜「アタシらの仕事はね、新しい土地ではい始めましょで出来る仕事じゃあ、ないんだ」

魅音「…母さん…」

茜「確かに、国からは膨大な金額を提示されたさ。しかしね、一生奴らを食わせられる額じゃあない」

お魎「…それに、何処で暮らせってんだい?」

チェイス「…」

お魎「命があったって、いきなり何も知らない土地で暮らして、ちょっとばかの金を与えられ。何の楽しみがあるっちゅうんじゃ?」

魅音「婆っちゃ…」

お魎「この村を潰すっちゅうんは、ワシらから全てを奪うと同等じゃ」

茜「北条家は、それを選んだってことさ。あいつらのせいで国もここを潰す「理由」が出来ちまったからね」

チェイス「…その為に、大臣の子供を誘拐し、建設会社の社員を殺したのか?」

茜「…」

お魎「…」

チェイス「答えろ」

茜「…答える義理は無いね」

チェイス「…」

茜「他所モンであるアンタにゃ関係無い。それだけさね」

チェイス「…」
228 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:10:16.57 ID:2vgcsEvFO
…。

鷹野「!」

レナ「…!拘束が…」

鷹野「…ッ!」ビシュッ

レナ「ッ!!!」

鷹野「!…次は当てるわよ…!」

レナ「…!…これ…」

鷹野「…先にあの世に…」

レナ「…んぬぬぬ…!」ガタン

鷹野「逝ってなさい!!」ビシュッ

レナ「…ぇぇぇええええやあああああああああっ!!!」グンッ

鷹野「!!…酸素ボンベを…!?」

…。
229 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:11:08.91 ID:2vgcsEvFO
圭一「!…やっ…と、解けたぁ…」

沙都子「な、何だったんですのぉ…」

梨花「…!!」ダッ

沙都子「え?梨花…梨花!!?」

圭一「梨花ちゃん!?」

梨花「…!!」

沙都子「ちょっと…ど、何処に!?」

梨花「(…あの大馬鹿鈍感不器用男…!)」

梨花「(…こんなとこでそんな力使って…!)」

梨花「(…全く…)」

梨花「(羽入以上に厄介な奴ね…!)」

沙都子「ちょ、ちょっと!!走って何処に…きゃっ!!?」

知恵「きゃあっ!!」

圭一「!!?こ、今度は何だぁ!?」

沙都子「な、何!?何かの破裂音…!?」

圭一「…!お、おいアレ!!」

知恵「……あそこって…!」

校長「…まさか!」

沙都子「…監督のいる、病院…」

圭一「…!!…レナ!!!」

…。
230 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:11:58.37 ID:2vgcsEvFO
チェイス「…お前達が北条に怒った理由は、分かった」

茜「…」

お魎「…」

チェイス「だが、何故人を殺すのか、迫害するのか。それは俺には分からない」

茜「分からなくて結構…どうせアタシらは隔離された厄介者さ」

チェイス「お前達に、人を裁く権利は無い」

茜「…?」

チェイス「北条鉄平も、沙都子も。お前達と変わらない「命」を持っている」

お魎「…」

チェイス「違いはあれど、お前達は全員同じ人間だ」

茜「…そうかい。このチンピラ風情とアタシらが同じってかい…?」

チェイス「そうだ」

茜「…バカにすんのも、大概に…!」

お魎「カァ゛ッ!!!!」

茜「!」

魅音「!」

鉄平「!」
231 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:13:46.52 ID:2vgcsEvFO
お魎「…さっきから聞いとりゃずけずけと…キサマ…」

チェイス「お前達は間違っている」

お魎「都会の常識を押し付けよってからに!!」

チェイス「世界の常識だ」

お魎「…ワシにとっちゃここが世界じゃ…他所モンがどうこう言うこたねぇ!」

チェイス「お前が決めたルールなど、何の意味も無い」

お魎「…!!」

チェイス「何の罪も無い子供に手を出すようなルールなど、俺が絶対に認めない」

お魎「…」

チェイス「お前に人の命運を決める権利があるというのは、勘違いだ」

茜「…」

チェイス「それは、ただの傲慢だ」

お魎「…キサマ…!」

チェイス「自分達がこの村の長だと思っているのならば、もっと長らしく行動するべきだ」

茜「…この男も、無傷で帰せってかい?」

チェイス「その男を捕まえるのは、お前達ではない。警察だ」

お魎「そんな事を…あの警察に任せろと…?」

チェイス「それがルールだ」

お魎「ッ」ブチ

魅音「!」

お魎「…この男を…」

チェイス「…」

お魎「逃がすな!!殺してしまえ!!!」

鉄平「…!」
232 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:14:36.73 ID:2vgcsEvFO
「「「「…」」」」

魅音「ヤバッ…!」

鉄平「いつの間にこんな…!」

チェイス「…」

お魎「殺せ!!生かして帰すな!!」

チェイス「…」カシャッ

『Tune…Chaser…Cobra』
http://i.imgur.com/Gwqjccq.jpg

茜「あ!?」

チェイス「…!」ヴンッ

「うわっ!?」ベシッ

「ぐっ!?」ベシッ

「いでっ!!?」ベシッ

「がっ!!」ベシッ

茜「…!武器だけを…!?」

チェイス「…」ヴンッ

茜「痛ダッ!!?」ベシッ

チェイス「…俺には人を説得出来るだけの口が無い」

茜「あたた…え?」

お魎「…!」

チェイス「だから、行動でしか意思を示せない」

魅音「…」

チェイス「お前達が何度人を殺そうと、何度でも止めてみせる」

茜「…」

チェイス「俺が出来ることは、お前達を救うことだけだ」
233 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:16:09.43 ID:2vgcsEvFO
茜「…」

お魎「…」

魅音「…」

茜「…はぁ」ドサッ

魅音「…」

茜「あー…こりゃ参った参った…」

魅音「!」

茜「実力で分からせる…そりゃアタシらの十八番だった筈なんだけどねぇ…」

魅音「…母さん…」

茜「こうも見事にやられちゃ、お手上げだ」

鉄平「…」

茜「どうすんだい?鬼・婆さま?」

お魎「…」

茜「どうやったって、手持ちの道具と人数じゃ敵わないよ」

チェイス「…」

鉄平「…」

魅音「…」

お魎「…一人でダメなら、二人…」

チェイス「…」

お魎「二人でダメなら四人…四人でダメなら八人…」

魅音「婆っちゃ…」

お魎「百でダメなら二百…」

鉄平「…」

お魎「…と思ったぎゃー…さっきみたいなんやられちまえば一人も百人も変わりねぇ」

茜「…」

お魎「こげな男に大勢の犠牲出すこたねぇ」

魅音「!」

お魎「…その代わり、だ…」

チェイス「分かっている。警察へ連れていき、上納金も回収する」

お魎「…いや、警察は許さん」

茜「…」

鉄平「…」

お魎「警察に頼るなんざ園崎の名が廃る」

鉄平「…」

お魎「…だから、キサマにゃ長い間、罪を償ってもらうよ」

茜「…ああ。そういう…」

チェイス「…」
234 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:17:04.75 ID:2vgcsEvFO
茜「…北条鉄平。アンタ、海は好きかい?」

鉄平「…えっ?」

茜「何間抜けな顔してんだい。…まあどっちにせよ拒否権は無いけどねぇ」

鉄平「…」

茜「アンタには海外に行って、漁でもしてもらおうかねぇ」

鉄平「!」

茜「…っていうか、アタシは初めに言ったよ」ポリポリ

魅音「え?……あ」

…。

茜『アンタは勿論、「帰さない」。そうしなきゃウチのメンツ丸潰れだ』

…。

茜「あっちは人手不足でねぇ。まあ食い扶持探してたみたいだから、丁度良いだろ」

魅音「…初めから、そのつもりで…」

茜「アンタも次期当主って名乗りたいならね、もっと言葉の裏をかくべきだよ」

魅音「…ごめん…」

茜「…で?どうすんだい?」

鉄平「…どんな報いでも受けると決めた…」

茜「…」

鉄平「…そんなワシに…もう一度、やり直させてくれるというのなら…」

茜「…」

鉄平「…喜んで…引き受ける…!」

茜「…そうかい」

チェイス「…」

茜「どうだい?合意の元だ。アンタもそれなら納得だろ」

チェイス「…」

茜「まさかまだルールだなんて言わないだろ?アタシらは細かいのが苦手なんだ」

チェイス「…」

「万事解決。なのですよ」

茜「お…」

お魎「む?」

魅音「…えっ!?」

鉄平「!」

チェイス「…」
235 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:18:06.19 ID:2vgcsEvFO
梨花「御三家の一つ。古手家現当主、古手梨花も賛同しますです」

魅音「…梨花ちゃん…」

茜「ありゃ…」

お魎「…こりゃ、梨花ちゃまかい…」

梨花「鉄平は罪を償って、そして立派になって帰ってくるのですよ。にぱー」

チェイス「…しかし」

梨花「にぱー☆」

チェイス「…」

梨花「に ぱ ☆」

チェイス「…」

魅音「…でも、沙都子には…」

茜「無職のオッさんが家でボーッとしてるより出稼ぎ行かせた方が数億倍外受けも良いだろ」

魅音「…うん」

茜「…あの子の責任は、「待つ」ことさ」

魅音「…うん」

茜「…そういうことだろ?婆さま」

お魎「…ふん」

茜「…さ、部外者は帰んな。ここからは本当にこっちの問題だ」

チェイス「…」

梨花「…さ、帰りますですよ」

…。
236 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:19:17.81 ID:2vgcsEvFO
圭一「レナ!!レナ!!!」

沙都子「レナさん!!何処ですの!!?」

知恵「竜宮さーん!!!返事を…返事をして下さい!!」

校長「…まさか…何故病院が…」

圭一「レナー!!」

沙都子「レナさーーーん!!!」

「…」

圭一「…!」

「…」ガラ…

沙都子「!…レナさっ…」

鷹野「…」ヨタヨタ

圭一「…?」

沙都子「…た、鷹野…さん…?」

知恵「鷹野さん…」

鷹野「…貴方達…」

圭一「だ、大丈夫ですか!?な…何が…」

鷹野「…分からないわ。突然患者さんが何か…」

沙都子「…そ、それよりも、レナさんは!?」

鷹野「…それも、分からない…一体何処に…」

知恵「と、とにかくその怪我を…」

鷹野「…私は大丈夫…それよりも、レナちゃんを…」

圭一「そ、そうだ…レナ!!レナーー!!」

沙都子「み、見に行こうにもこう瓦礫が積まれていては…」
237 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:20:17.40 ID:2vgcsEvFO
圭一「…クソッ!!」ガラガラ

沙都子「…!」

圭一「見捨てられるか…!絶対に助けるんだ!!」ガラガラ

知恵「…ッ」ガラガラ

圭一「レナ…!!」ガラガラ

沙都子「…!んん…しょっ!」ガラッ

校長「…ええい!」ガラガラ

圭一「絶対に助けるんだ…!」ガラガラ

知恵「竜宮さん!!返事を…返事をして…!!」ガラガラ

校長「…ぬぅん!!」ガラガラッ

沙都子「!…穴が出来ましたわよ!!」

圭一「…良っしゃ!!レナ、待ってろよ!!」

沙都子「わ、私も行きますわ!」

知恵「わ、私も…!」

校長「…」

知恵「校長先生、申し訳ありませんが…鷹野さんを…!」

校長「…それは、無理ですな」

知恵「…え?」

校長「…」

知恵「…あ…」

校長「…私達が瓦礫を取り除いている最中に、逃げてしまったようですな」

知恵「…」

校長「…竜宮さんを、絶対に助けて下さい」

知恵「…はい」
238 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:22:02.33 ID:2vgcsEvFO
チェイス「…」

梨花「…」むすっ

チェイス「…何故怒っている」

梨花「アンタが鈍感過ぎるからよ」

チェイス「…しかし、あれ以外の方法が無かった」

梨花「…あんな事すれば、雛見沢はパニックになるわよ。見てみなさい」

チェイス「…」

梨花「…みんな、外に出てきてる。アンタを見てる」

チェイス「…何故、俺を…」

梨花「アンタくらいしか心当たりがないのよ。何が原因で何が起こったにせよ」

チェイス「…」

梨花「アンタのせいでオヤシロ様が怒ったとか、実はアンタがオヤシロ様なんじゃないか、とか…変に勘繰る奴らは大勢いるでしょうね」

チェイス「…」

梨花「アンタのしたことが間違ってるとまでは言わない。けど後先の事は考えておきなさい」

チェイス「…すまなかった」

梨花「…ま、結果的にアンタは沙都子や鉄平を救ったわけだけど…」

チェイス「…」

梨花「…良いんじゃないの?」

チェイス「…」

梨花「…と、ここまでは褒めてあげるわ」

チェイス「…」
239 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:23:27.61 ID:2vgcsEvFO
梨花「…あれ、見なさい」

チェイス「…」

梨花「アンタの事だから、遠い園崎家からでもさっきの破裂音、聴こえてるんでしょ」

チェイス「…」

梨花「…病院で、何かがあったみたいよ」

チェイス「…」

梨花「…医療事故。な訳ないわよね」

チェイス「…やはり、あの女は…」

梨花「…答えって、意外とすぐ近くにあるっていうのは間違ってないのね」

チェイス「…」

梨花「…どうする?これから」

チェイス「…」

梨花「あれだけ大仰な事しておいて、鷹野三四がのうのうと現れるわけないと思うけど?」

チェイス「…だが、奴は必ず戻ってくる」

梨花「…そうね。そんな気はするわ」

チェイス「羽入やお前から聞いた話から推測するに、恐らく、奴がやろうとしていることは、雛見沢症候群の大量発症に見せかけた、バイオテロ」

梨花「…奇遇ね。…いえ、そう考えるのが自然…か」

チェイス「…必ず、止めてみせる」

梨花「ええ。私も、そろそろ動かないと」

チェイス「…」

梨花「…」
240 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:24:22.80 ID:2vgcsEvFO
入江「…ハァッ…ハァッ…」

校長「…入江先生」

入江「…こ、これは一体…何事ですか!?何故病院が…」

校長「…恐らく、鷹野先生が、何か…」

入江「…!な、何ですって…!?」

校長「…今はそれよりも、生徒です。中に前原君達が向かっていますが…」

入江「…!竜宮さんが…!」

校長「ええ。…無事を祈るばかりです…」

入江「…!」ダッ

校長「…行くのは結構。しかし!!」

入江「えっ…」

校長「貴方には、説明責任がある」

入江「…」

校長「何故こうなったのか。彼女が何者で、そして貴方も何者なのか」

入江「…」

校長「全てを説明して頂きたい」

入江「…それは、竜宮さんの無事を確認してからでも構いませんか?」

校長「ええ。構いません。…貴方は逃げんでしょうからな」

入江「…」コク

校長「私はここで待っております。万が一この瓦礫が崩れたら、中からは出れんでしょうからな」

入江「…分かりました…!」

…。
241 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:25:36.57 ID:2vgcsEvFO
圭一「レナー!!何処だー!!」

沙都子「レナさーん!!お願いですから返事をして下さいませ!!!」

知恵「竜宮さん…!!竜宮さん!!!」

圭一「…!クソッ…何処にもいない…!」

沙都子「…そんな…!」

知恵「…」

圭一「…」

沙都子「…そんな訳ありませんわ!瓦礫だって…どかしたのに…」

圭一「…」

沙都子「きっとレナさんは脱出したんですわ!何処かに…いる筈…なんですわ…」グスッ

圭一「…!」ギュッ

沙都子「…ううう…」

知恵「…?」コツコツ

圭一「…?知恵先生?」

知恵「…これは…?」

圭一「…ん…?」

沙都子「…?」

知恵「…蓋が…よ…いしょっ!…っと」ガタン

圭一「…!階段…」

知恵「…」

圭一「…まさか、この先にレナが…」

知恵「…行きましょう。二人とも…」

沙都子「…ええ」

圭一「…はい」
242 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:26:30.71 ID:2vgcsEvFO
圭一「…この病院に、地下なんか…」コツコツ

沙都子「私も良く来ますが、聞いたことがありませんわ…」コツコツ

知恵「…」コツコツ

圭一「…」

沙都子「…一体…この先に何が…」

圭一「…ッ!!」

レナ「…」

沙都子「…!レナさん!!」

圭一「レナ!!」

レナ「…」

圭一「…怪我してる…!おい!しっかりしろ!!レナ!!」

知恵「…ここは…」

レナ「…」

沙都子「…?」

知恵「…え…?」

沙都子「…え?」

圭一「…?」
243 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:28:22.87 ID:2vgcsEvFO
入江「…ハァッ…ハァッ…み、皆さん!!」

沙都子「…」

知恵「…」

入江「…!!」

圭一「…あ、え、えっと…」

入江「…皆さん…」

沙都子「…」

知恵「…」

入江「…見て、しまったのですね…」

圭一「…え…?」

沙都子「…あ…」

入江「…」

知恵「…」

沙都子「…にーにー…?」

悟史『…』

圭一「…えっ?」

第9話 終
244 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/30(火) 22:29:19.42 ID:2vgcsEvFO
続きまたそのうち書きます
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 23:13:26.58 ID:HB8JJgNro
オツカーレ

不器用だなぁ……だがそれがいい
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 23:30:18.36 ID:fLBQ3dKd0
オツカーレマッテルーヨ
それぞれが省かれずに魅力的ってなかなか無いから引き込まれる
チェイスが素敵すぎて読むたびトップギアだな
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 12:36:19.71 ID:uPkRC/jDO
変身しなくても勝てる定期
248 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:16:50.92 ID:V45dP1CmO
沙都子「…あ…」

悟史『…』

沙都子「…何…で…?」

入江「…」

沙都子「…にーにー…」

圭一「…さ、沙都子?」

知恵「…そんな…嘘…」

悟史『…』

沙都子「…にーにー…にーにー!!」バンバン

圭一「…沙都子…」

沙都子「にーにー!!にーにー!!!」バンッバンッ

入江「…!沙都子さん…!」ガシッ

沙都子「離して!!離してぇ!!にーにーが!!にーにーが!!」

入江「起きません!!起きないんですよ!!彼は…!!」

沙都子「…!」

入江「…悟史君は…もう…!!」

沙都子「…え…?」

圭一「…どういうことだよ…あそこで寝てる奴が…沙都子の…?」

悟史『…』

圭一「…」

レナ「…」

圭一「…おい。…おい!!」バン!!

悟史『…』

圭一「おい!!何寝てんだよ!!お前!!!」

入江「…!前原さん!!」
249 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:17:26.75 ID:V45dP1CmO
圭一「何なんだよこれは!!何が!!どうなってんだよ!!」

入江「前原さん!!落ち着いて!!落ち着いて下さい!!!」

圭一「落ち着けるかよ!!沙都子が…沙都子がこんなに苦しんでるってのに…!あいつは…!」

入江「今は!!竜宮さんの手当てを優先させて下さい!!」

圭一「…!」

入江「…話は、その後に必ずします」

圭一「…」

レナ「…」

知恵「…」

圭一「…すいません」

入江「…いえ」
250 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:18:27.18 ID:V45dP1CmO
…。

梨花「ちょっと!あんまり揺らさないでよ!」

チェイス「足が無い。ならば自力で走るしかない」

梨花「だからってそんな馬みたいな速度で走られても困るのよ!」

チェイス「…」

梨花「…」

チェイス「…」

梨花「…でも、もしもよ?」

チェイス「…」

梨花「…もし、鷹野三四がこの事件の犯人ならば…」

チェイス「…動機か」

梨花「…アンタの事だから、考えてるんでしょ?」

チェイス「…」

梨花「…鷹野三四はどうなの?アンタが思うに…」

チェイス「…」

梨花「どっちなの?」

チェイス「…判断は出来ない。あの女は自分の中身を中々見せない」

梨花「…間宮リナ、北条鉄平とは格が違うって事ね…いえ、あの二人が分かり易過ぎたのかしら」

チェイス「だが、ここまで大々的にそのような事をするのなら、きっとそれに相当する何らかの大義名分がある筈だ」

梨花「…」

チェイス「やらなければならない。そうしなければならない事情が」

梨花「…だからって、人を殺して良い理由にはならないわ」

チェイス「そうだ。だから捕まえる。人を殺す前に。そして罪は償わせる」

梨花「…もう、殺してるかもしれないわよ」

チェイス「ならば、これ以上の犠牲は出させない」

梨花「…どうしてそう言えるの?大量虐殺をしようとしてる奴なのよ?人なんか蟻を踏み潰すくらいに…」

チェイス「あの女にとっては、大量虐殺は必要最低限のものなんだろう。余計な事はしない筈だ」

梨花「…それは何?警察のマニュアルか何かで見たの?」

チェイス「そうではない」

梨花「じゃ…何?」

チェイス「俺の勘だ」

梨花「…それ、アテになるの?」

チェイス「分からない」

梨花「…あ、そ…」
251 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:19:12.82 ID:V45dP1CmO
梨花「…ねえ、チェイス」

チェイス「何だ」

梨花「…アンタ、人間を傷つけさせない、殺させないとか言ってるけどさ…」

チェイス「ああ」

梨花「…なら、羽入は?」

チェイス「…」

梨花「もし、 羽入がこの場にいたとしたら…」

チェイス「…」

梨花「アンタは、助けたの?」

チェイス「…」

梨花「助けてくれたの?」

チェイス「…羽入は俺に、こう言った」

梨花「…」

チェイス「自分は生命体かどうかも怪しい、と」

梨花「…生きとし生けるもの、には含まれないってこと?」

チェイス「…一つ、付け加えておこう」

梨花「…」

チェイス「助かりたい。そう思っているのならば」

梨花「…」

チェイス「俺は助ける。人類の脅威でない限り」

梨花「…」

チェイス「例え鬼でも、神だとしても」

梨花「…」

チェイス「守るべき者ならば、守りたい」

梨花「…そ」

チェイス「…」

梨花「…その気持ち、羽入にもきっと伝わってるわよ」

チェイス「…」

梨花「だから、アンタをここに連れてきたんだと思うわ」

チェイス「…」

梨花「…病院はもう直ぐよ」

チェイス「了解した」
252 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:20:13.97 ID:V45dP1CmO
校長「…む!」

チェイス「…」

梨花「あ…」

校長「…」

梨花「…今、中はどうなってるの…?」

校長「今現在、入江先生と知恵先生。前原君と沙都子さんが様子を見に行っています」

梨花「…レナは?」

校長「…貴方にとってこれは、予測出来なかったものなのですか?」

梨花「…ええ。完全にイレギュラーだわ。何もかも」

校長「…そうですか」

チェイス「鷹野はどうした?」

校長「…ええ。先程まで居た筈でしたが、まるで逃げるように姿を消してしまいました」

チェイス「…やはりか」

校長「…やはり、ということは?」

梨花「恐らく、鷹野三四こそがこの一連の事件の首謀者よ」

校長「…!」

梨花「動機は分からない。けど恐らく何かしらのバイオテロを大々的にやろうとしてる」

校長「…なんと…!」

梨花「…チェイス。瓦礫の向こうに反応は?」

チェイス「…そこにはない」

梨花「…なら、入るわよ」

チェイス「…待て」

梨花「?」

チェイス「俺の身体では、その穴は通れない」

梨花「…あ」

チェイス「どいていろ」

梨花「…ん」

チェイス「…」ブンッ
253 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:21:15.21 ID:V45dP1CmO
圭一「うわっ!?」

知恵「きゃっ!?」

入江「!?…また爆発…!?」

圭一「…何なんだよ…今日は…!」

入江「…私にも分かりません。ですが…」

圭一「?」

入江「…恐らく…いえ、鷹野さんはきっと何かをしようとしています」

圭一「…どういうことですか?」

入江「…彼女は…」

圭一「…」

入江「…いえ…もう隠せる状況ではありませんね」

圭一「…」

入江「話した感じですが…貴方は利口だとお見受けしました。…しかしまだ子供です」

圭一「…?」

入江「理解出来ない話かも、しれません。ですが…」

圭一「…構いません。全部聞きます。黙って、聞いています」

入江「…どうも」

知恵「…」
254 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:21:50.01 ID:V45dP1CmO
入江「私と、富竹ジロウ。そして鷹野三四」

圭一「…」

入江「全員表向きの職業がありますが、実は全員、ある組織から此方に派遣されてきた者なんです」

圭一「…ある、組織…」

入江「大元は明かせませんが、私達の属する組織、「東京」はその大元から援助を受けて成り立っています」

圭一「…そんな組織が、どうして?」

入江「この村特有の病気を、調べる為です」

圭一「…この村の、病気?」

入江「ええ。…その名も」

チェイス「雛見沢症候群…だな」

入江「!!」

圭一「!」
255 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:22:35.27 ID:V45dP1CmO
チェイス「…」

梨花「…」

圭一「左之助先生…梨花ちゃんも…」

チェイス「…沙都子が見ているのは…悟史か」

圭一「えっ…」

梨花「そうなのですよ。…まさか、こんなところにいたなんて…」

入江「…あの…」

チェイス「…」

入江「…何故、その名を?」

チェイス「話を続けろ」

入江「…私達はこの村に蔓延する病気、雛見沢症候群について調べていました」

圭一「…」

入江「…ですが、一向に解明はされず、援助は打ち切られる寸前でした」

知恵「…」

入江「…ですが、必ずこの村にはその病気があるのです」

圭一「…その根拠は?」

入江「…例えば、竜宮レナ…いえ、礼奈さん」

梨花「!」

入江「…彼女もまた、発症しています」

圭一「…なっ…!!」

入江「雛見沢症候群が発症する原因としては、疑心暗鬼になることや、極度のストレス」

チェイス「…」

入江「どちらも症状は同じく、非常に周りに対して攻撃的になり最後には自分自身を攻撃してしまう」

圭一「…それとレナが…」

入江「…彼女は、以前の学校で一度、大勢の生徒に対して金属バットによる暴力事件を起こしました」

圭一「!!?」

チェイス「…」

梨花「…」

入江「…勿論、この情報は表沙汰にはなりませんでした。まだ未成年ということもありますし、あまりに凄惨だったということもあり…」

チェイス「…」

入江「…保護された彼女は、警察にこう語ったそうです」

チェイス「…何だ」

入江「…オヤシロサマが、呼んでいると」

圭一「…!」
256 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/06/02(金) 22:23:36.97 ID:V45dP1CmO
知恵「…あの」

入江「…はい?」

知恵「…そういった込み入った事情までは、私は知りません」

入江「…でしょうね。これは報道規制が入る程のものでしたから」

知恵「…その、オヤシロサマが呼んでいるというのは、いわゆる帰巣本能、ということで良いんですか?」

入江「…ええ」

知恵「…そんな…まるで寄生虫がいるみたいな…」

入江「…」

圭一「…え?」

知恵「…え…?」

入江「…この村に来た者は、必ず…」

圭一「…」

知恵「…」

圭一「…嘘…だろ…?」

知恵「…そんな…」

チェイス「…」

知恵「…だとしたら、この村を出た者は…」

入江「…雛見沢症候群は、空気感染によって起こります」

知恵「…つまり、全員が可能性を持っているということですか?」

入江「…可能性ではありません。間違いなく感染しています」

チェイス「それこそが、鷹野の狙いだ」

入江「え…?」

知恵「…?」
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