チェイス「雛見沢…」

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1 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:04:33.16 ID:Dq28VAqnO
アニメ準拠はほとんどありません
草は生えてませんが気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ありません
仮面ライダー×ひぐらしのなく頃にです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1494529473
2 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:06:02.48 ID:Dq28VAqnO
彼は、罪を犯した

彼は、罪を償おうと決めた

その手は、差し伸べる為に

その脚は、駆け付ける為に

例え、その生命が尽きたとしても

彼は、全てを救う事を誓った

例え、それが何であろうと
3 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:06:42.22 ID:Dq28VAqnO
…。

剛「…寝ぼけたこと言うな……」

…。

剛「俺の全身から溢れ出す怒りの炎が見えねぇのか!」

…。

剛「今一番許せねぇのは……俺の……」

…。

剛「俺の、ダチの命を奪ったことだ!!!」

…。

剛「…一緒に…戦ってくれ…!!」

…。

剛「…変身!!」

…。

ダチ、か…。

剛「返せ!それは俺達の武器だ!!」

…。

剛。

いつか、また会う事が出来たなら…。

剛「「行って」良い…ってさ…」

…その時は、俺から言おう。

お前は、俺の…。

…。

……。
4 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:07:18.84 ID:Dq28VAqnO
「…」


「……」


「……。」パチ


「…ここは…」


「…」


「…どこだ…?」


「…」


「…まさか…ここは…」


「…あの世か…?」

『…違うのです…』

「!!」ガバッ
5 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:08:03.67 ID:Dq28VAqnO
「…」

『…』

「…」

『…やっぱり…見えていないのですね…』

「…何だ…?この声は…」

『…』

「…何故、姿が見えない…?」

『…それは、ボクが普通の人には見えないからです。最も…』

「…」

『貴方も、人ならざるもの、ですが…』

「…」

羽入『…ボクは羽入と申します』

「…ロイミュードか?」

羽入『いいえ。ロイミュードではないのです』

「…」

羽入『…生命体であるかどうかも、怪しいものですが…』

「…以前、進之介が見えない敵と戦った事があると聞いた。クリムも科学では説明出来ない物があるかもしれない、と…」

羽入『…お化け…そう呼ばれるのが正解なのかもしれません』

「…」

羽入『…貴方には、ボクが見えないのですか?』

「…見えない。それよりも…」

羽入『…』

「…俺は、死んだのか?」
6 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:08:40.25 ID:Dq28VAqnO
羽入『…』

「もし生きているならば、俺は、剛に再び会わなければならない。ダチとして」

羽入『…分かりません』

「…」

羽入『ボクは、助けを求めました』

「…助け?」

羽入『助けを求め続け、何度も何度も世界をやり直しました』

「…」

羽入『でも、ダメでした』

「…何を、話している?」

羽入『そうしていく内に、ボクも梨花も疲弊していきました』

「…」

羽入『梨花は、もう良いと諦めてしまいました』

「…」

羽入『最後に死を選び、そのまま世界は進んでいきました』

「…?」

羽入『…そして、2016年。30年以上もの時間が経ってしまい、皆ここで起きた惨劇の事など忘れてしまいました』

「…」

羽入『後ろを、見て下さい』

「…?」
7 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:09:10.74 ID:Dq28VAqnO
「…」

羽入『そこには、何が見えますか?』

「…ダム…以外は見えない」

羽入『…33年前、1983年。その時までここは、村がありました』

「…」

羽入『その名は、雛見沢村。人口は少なく、今の人達が見れば、田舎と呼ばれるような所でした』

「…」

羽入『事の始まりは、とある殺人事件』

「!」

羽入『ダム建設反対の村人による、建設会社の社員の惨殺』

「…」

羽入『そして連鎖していく、様々な事件』

「…村人達は、今何処にいる?」

羽入『…』

「…」

羽入『…あそこの、ダム…』

「…」

羽入『…あれの、下です』

「!!」
8 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:09:58.82 ID:Dq28VAqnO
羽入『ここでは、ある病気が蔓延していました』

「…?」

羽入『それは、雛見沢症候群』

「…この村特有の、病気か…」

羽入『…この病気に犯された人は、疑心暗鬼になり、全ての人間が敵に見えてしまいます』

「…」

羽入『そうした者が、最後に取る行動…』

「…それが、連鎖していった殺人事件…か…」

羽入『…最後は、この村の地から謎の毒ガスが噴出、村の人間は全員…』

「…毒ガス…?」

羽入『ボクにも、それ以上のことは分かりません。何故こうなってしまったのかも…』

「…」

羽入『…今、梨花は全てを諦め自分の世界に閉じこもってしまいました』

「…」

羽入『永遠に、答えの無い、暗い闇の中に』

「…」

羽入『それでも、ボクは信じていました』

「…?」

羽入『いつか、この惨劇を終わらせてくれる、そんな人が来てくれる筈だと』

「…」

羽入『でも、ボクに出来る事は時間を巻き戻すことだけ』

「…」

羽入『時間を巻き戻せば、人間は影響を受けます』

「…」

羽入『…いえ、人間だけではありません。生命体である、限り…』

「…生命体…」

羽入『…』

「…つまり、歴史をやり直す、ということか?」

羽入『…』

「…俺に寿命は無い。もし俺がまだ生きているとすれば、この世に俺が2人、存在するということにもなりかねない」

羽入『…』

「…最も、生きているという保証は無いが」

羽入『…無理を言っているのは、分かっています』

「…」

羽入『貴方の優しさにつけ込んでいるというのも、承知しています』

「…」

羽入『でも、それでもボクは、梨花を、みんなを助けたいのです』

「…」

羽入『みんなの、本当の未来を、子供達に、明るい未来を与えたいだけなのです』

「…」

羽入『だから…だから…!!』ギュッ

「…!」
9 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:10:44.61 ID:Dq28VAqnO
羽入『…』

「…感触…?」

羽入『…!?……そんな…』

「…?」

羽入『…これは…一体…?』

「…お前は、普通の者には見えないと言っていたが…」

羽入『…実体はある筈なのに、どうして…?』

「…それも、科学では説明のつかないことなんだろう」

羽入『…』

「…俺は、生きとし生けるもの全てを守ると決めた」

羽入『…』

「…それは、死んでも変わらない」

羽入『…!』

「時間を戻せ」

羽入『…』

「…」
10 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:11:16.84 ID:Dq28VAqnO
羽入『…本当に、良いんですか…?』

「構わない」

羽入『…もしかしたら、そのお友達に、一生会えないかも…』

「…」

羽入『運命を変えて、そのお友達と会わなくなってしまうかも…』

「そんなことで、会えなくなる程のものではない」

羽入『…!』

「俺がどうしてまだ実体を持ち、そしてお前に触れる事が出来るのか。それは分からないが」

羽入『…』

「まだ俺に出来ることがあるのなら、その役目があるというのなら」

羽入『…』

「迷わず、引き受ける」

羽入『…』

「俺でなくとも、きっと皆そうしただろう」

羽入『…』

「それが、仮面ライダーというものだ」

羽入『…チェイスさん…』
11 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:11:47.29 ID:Dq28VAqnO
チェイス「…要件を話せ」

羽入『…ボクのお願いを聞いてくれて、ありがとうございます』

チェイス「…」

羽入『…先ず、この世界を戻す。それよりも先に、やることがあります』

チェイス「…」

羽入『…この物語、繰り返される惨劇の中心…』

チェイス「…」

羽入『全てを諦めた彼女に、再び光を与える事です』

チェイス「…梨花、か」

羽入『…はい』
12 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:12:37.70 ID:Dq28VAqnO
…。

……。

『梨花、聞こえますですか?』

…。

『…お願いします。どうか返事だけでも…』

…。

『きっと、今度は乗り越えられます。もう一度だけ、やり直してみませんか?』

…。

『あれから、33年。ボクはあの惨劇を打ち破れる方を探していました』

…。

『きっと、大丈夫です。今度は…』

…そうやって…。

『…?』

…そうやって、どれだけ私達は血を流したの?

『…梨花…』

どれだけ死んだ?どれだけ死を見た?

『…』

何回、何十回、何百回…もう覚えてないわ。

『…』

もう、何度も見てきた。何千年経とうが、忘れないわ。

『梨花…どうか話だけでも…』

笑顔、泣き顔、困り顔、怒った顔、焦った顔。

『梨花…』

痛みに苦しみもがく顔。
喉を掻きむしり、朽ち果てていく顔。
毒に苦しみ、弱っていく絶望の顔。

『…』

もう、放っておいて。私はこのままで良い。

『…』

それに、もう出来ないわよ。あんな変な喋り方。

『…』

アンタだって、もうそんな力ほとんど残ってないんでしょ?

…お社も無くなって…。

『…確かに、これが最後かもしれません』

ならせめて、少しでも長生き出来る方を選びなさい。

『…なら、梨花は本当にこのままで良いと言うんですか…?』

…。

『残された時間の少ないボクが消えたら、本当に一人ぼっちなのですよ…?』

…それが、私の運命なのよ。

『梨花!!』

…。
13 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:13:43.77 ID:Dq28VAqnO
『…これは、梨花だけの問題じゃないのですよ…?』

…。

『沙都子や、魅音、レナ、圭一、詩音…悟史』

…。

『みんな、生きるべき人達。なのに、理不尽に死んでしまった。理由も分からずに』

…。

『貴方はもう良いのかもしれない。でもみんなは、沙都子達はどうなるのですか!?』

…それは…。

『それに諦めたのなら、そんな小さな「カケラ」、どうしていつまでも眺めているのですか?』

…!

『もう、世界は貴方やボクを置いて遥か未来へ行きました』

…。

『沙都子達のいない、未来へと』

…。

『でも、今からならまだやり直せます。あの子達に、新しい未来を与えることが出来ます』

…。

『…梨花。貴方にも』

…羽入…。

『だから、そんな心にも無い事、言わないでください』

…。

『貴方は神なんかじゃありません。神の使いでもありません』

…。

『何も悟ってなどいません。貴方の時間はあの時のまま、一秒も進んでいません』

…。

『貴方はただの人間です。人間の、子供なんです』

…。

『だから、言ってください。心の内を、曝け出して下さい』

…。

『必ず、手を差し伸べてくれる存在がいます』

…。
14 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:14:20.48 ID:Dq28VAqnO
…羽入…。

『…はい』

…本当に、これで乗り越えられるの?

『…はい』

本当に、皆と一緒に、未来に行けるの?

『はい』

…信じて、良いの?

『だから、ボクはここにいます』

…。

『前を向いて下さい』

…。

『光は、必ずやってきます』

…光…。

『その光…』

…。

『その光の名は、仮面ライダー』

…仮面…ライダー…?

『願って下さい。念じて下さい。ありったけの思いを込めて』

…。

『貴方の、本当の思いを、叫んで下さい』

…けて…。

『…』

…助けて…!!

『…』

この世界から…!!

『…』

梨花「私を、助けて!!!」

…。

……。
15 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:15:02.72 ID:Dq28VAqnO
梨花「…」

梨花「…あ…」

梨花「…え…?」

「zzz…」

梨花「…あ…」

「zzz…」

梨花「…」

【昭和58年 6月13日】

梨花「…あ…」

梨花「…は、羽入…?」

梨花「羽入?…羽入!?」

梨花「羽入…?」

「…ん…んー…?」

梨花「返事して!羽入!!」

「んがっ…?な、何ですの…?」

梨花「…ッ…」

沙都子「…梨花、どうしたんですの?大声なんて出して…」

梨花「…沙都子…」

沙都子「?」

梨花「…本当に、沙都子なの…?」

沙都子「監督のとこ行きます?」

梨花「…」ペタペタ

沙都子「ちょ…どうしたんですの?そんなお化けでも見たような目、しないでくださいまし」

梨花「…本当に、沙都子なのね…?」

沙都子「…頭でも打ったんですの?昨日も一昨日もそのずっと前から一緒に暮らしてますわよ」

梨花「…!」

沙都子「…全く…変な夢でも見たに違いありませんわね。顔を洗って、寝ぼけを治してくるこt」

梨花「沙都子!!!」ガバッ

沙都子「ドゥェッホ!!」
16 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2017/05/12(金) 04:15:48.40 ID:Dq28VAqnO
沙都子「朝からやってくれますわね。いくら親友といえども目覚め時に押し倒されるのは流石に訳が分かりませんことよ」

梨花「…ごめんなさい……なのです」

沙都子「…怖い夢でも見たんですの?」

梨花「…ほんの、ちょっと。長くて怖い夢を見てたのです」

沙都子「あらあら…そんなので怖がるなんて、梨花もまだまだお子ちゃまなのですわね!おーほっほっほ!」

梨花「…」

沙都子「…あら?」

梨花「…」

沙都子「…梨花?」

梨花「…ッッ…!!」

沙都子「…そ、そんな怖い夢でしたの…よーしよし…」

梨花「…ご、ごめんなさいなのです。何だか凄く長い間眠ってたような気がして…」

沙都子「夢なんてそんなものですわ。でも、夢なんですから。すぐに忘れますわ」

梨花「…」

沙都子「さ!早く朝ご飯の支度ですわ!あとお弁当お弁当…」

梨花「…良かった…」

沙都子「?」

梨花「何でもないのですよ。…に、にぱー☆」

沙都子「…?」
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