敏恵「今度こそ、ストライクウィッチーズ!」

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348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/24(日) 23:41:24.22 ID:D8at0Y3tO
>>347訂正
 
 
—その夜—

フローラ孤児院


ルーツィア「はぁ……マジでどうするか…」パサ

「すうじいっぱい」

ルーツィア「…そうだな(この調子だと想定してた稼ぎでも赤だ)」

「いち、じゅう」ツン ツン

ルーツィア「?」

「じゅう〜〜…さん、しー」

ルーツィア「桁なのか数なのかどっち数えてんだ」

「よん」

ルーツィア「……」

「リリ〜、よん…」モソソ

ルーツィア「ああもう何だこいつ。お前限界なんだろ? 寝惚けやがって」

「ん〜〜…」ヒシ
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/24(日) 23:51:14.84 ID:D8at0Y3tO
 
ルーツィア「ほら部屋行きな」

「〜…」

ルーツィア「おい? だから部屋で」

「…zz」スヤ-

ルーツィア「寝ろって——……。はぁ…ガキの頃ってこんな勝手だったか?」


フローラ「ふふ、ツェツィったら貴方が帰るのをずっと待っていたのよ?」スタスタ

ルーツィア「! …見てたのかよ姉さん」

フローラ「ごめんね? でも貴方と遊ぶからって今日はずっといい子にしてたのよ」

ルーツィア「先生が夜更かし許すなよ。今に調子のるぜ?」

フローラ「ずっと膝の上で相手してあげてた人に言われても、ふふ。貴方が一緒に寝てあげれば解決しない?」クス

ルーツィア「ぐ……チッ、悪いけど私はもうガキじゃないから。それに夜更かしは“専門”だ」ガサガサ

フローラ「言い訳は駄目。それはもう終わったでしょ?」

ルーツィア「…まあな」ゴソ
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 18:47:49.40 ID:Htg6dPjJo
乙ー
祝新アニメ決定ですの
351 :>>1 [sage]:2018/07/10(火) 19:46:18.99 ID:8xoDaOjy0
みんできビックリしましたね

一応続き溜めてますが>>349の後だけ書けていなくて放置気味です
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 22:28:59.25 ID:4jScrkPGO
 
フローラ「ところで、今日はどうだったの?」カタ

ルーツィア「え…?」チラ

フローラ「ブリュッセルまでお出かけして、どんな素敵なことがあったのかまだ聞いていないわ」

ルーツィア「…ああ、んー……。まあ、普通」フイ

フローラ「……秘密なの?」

ルーツィア「何が? べつになんも無いよ、ただフラフラしたってだけだし」

フローラ「そう?」

ルーツィア「そう」


フローラ「……」ジ-

ルーツィア「……なに?」チラ


フローラ「ふふ、いいえ」ニコ

ルーツィア「…んだよ姉さん。何か言いたいならハッキリしろよ」

フローラ「いいの? じゃあ、ひとつだけ聞いてくれる?」

ルーツィア「……」

フローラ「リリー、逸らなくていいのよ。そんな心配はもういいから」

ルーツィア「!」

フローラ「こうして、また一緒に暮らせているだけで私には贅沢。…“前”よりずっと」

ルーツィア「……。…悪い、何の話かよくわかんねえ」ガタ

フローラ「リリー?」

ルーツィア「もう寝るよ。ガキどもに土産せがまれたし、明日また首都行って何か買ってくる」

フローラ「…分かったわ。じゃあ子供達には期待しないように言っておくから」

ルーツィア「ああ、サンキュー。…うしツェツィ、一緒に寝てやるからぜってぇ粗相はすんなよ?」


「〜…ゃ……zz」

ルーツィア「あ? 嫌じゃねえ。こいつ寝言で勝手言いやがって」テクテク




フローラ「……(リリー…)」

 
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 23:01:30.53 ID:4jScrkPGO
 
—翌日—

ブリュッセル市



ルーツィア「……」


ルーツィア(フローラの気持ちは汲んでやりたいけど、あんなこと大真面目に言われたら、寧ろ放っとけるかよ)

ルーツィア「…チッ、仕方ねえ」



——




某茶店


ウェイトレス「ぁ〜ぁ〜……今日もお客さん少な〜いな〜…」モジモジ


——カララン


ウェイトレス「!! いらっしゃいませ〜♪」タタッ



ルーツィア「ん、やっぱりいやがった。あの男…」


ウェイトレス「あ! よかったぁ、本当に来たんですね!?」パタパタ

ルーツィア「…?」

ウェイトレス「今日にでも戻って来るって言ってましたから。ほら、“お父様”は昨日と同じ席にいますよ!」チョイ

ルーツィア「は? #」イラ

ウェイトレス「?」

ルーツィア「……はぁ…。勘違いするにしたって……ったく… 」

ウェイトレス「どうかしました??」ポケ
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 23:15:45.87 ID:4jScrkPGO
 
ルーツィア「…あのさ、余計なお喋りが嫌な客ってのもいるんだ。特にそういう疲れる冗談はやめてくれ」ジト

ウェイトレス「は、はあ…? すみません」

ルーツィア「あー…それと、適当に安いドリンク頼む。昨日は無注文で悪かったよ」テクテク

ウェイトレス「ぇ? あっ、はい! 直ぐお持ちしまーす!」


——



ネイス「……」ゴクゴク

ルーツィア「——おい、おっさん」ザ


ネイス「だから言っただろ? 他に選択肢も無いと」

ルーツィア「…つうことは、あんたには出せるんだろうな?」

ネイス「まあ予算はあるが王家の財布だ。信用していい」

ルーツィア「堕ちかけた国が何言ってやがる」

ネイス「…んー、厳しい批判だな。“隣人”にそれを言われるとは」カチャ

ルーツィア「……」

ネイス「しかしそれでも君の義足〈からだ〉と生活にかかる費用は保証できる。友人や子供達の分も幾ばくかは助けてやれるだろう」

ルーツィア「!? お前ーー」

ネイス「まあ話する気に戻ったなら、取り敢えず座ったらどうだ。人の後ろに立ったままで会話も無いだろう」

ルーツィア「……チッ、この野郎」ズカズカ
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 23:30:27.67 ID:4jScrkPGO
 

——パタパタパタ


ウェイトレス「お待たせしました、ストレートアッサム茶です♪」コト

ルーツィア「…? ああ、そうだった。どうも」トスン

ウェイトレス「そちらのお代わりはいかがです?」

ネイス「…なら私もストレートで淹れなおして貰おう。それから果物でもあれば適当に盛り合わせて出してくれるかな?」

ウェイトレス「わ、やった! 少々お待ちくださ〜い♪」


パタパタパタ——…



ルーツィア「……でおっさん、まず聞いておきたいんだけど、あんた私をどこまで調べてる?」

ネイス「ルーツィア——…いや、リリー・ピッケンハーゲンについて我々に必要なこと全てだ」

ルーツィア「(…この野郎、わざと煽った言い方してるな)それが何かって聞いてんだよ。答えろ」

ネイス「少なくとも我々の依頼を受けないなら教えられない。勅令業務で得た情報は一応、王国機密だ」
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 23:39:51.22 ID:4jScrkPGO
 
ルーツィア「……大した“信用”じゃねえか」

ネイス「嘘をつかないだけ有難いだろう? こういう交渉の方が君好みだと昨日で解った」

ルーツィア「ああそう。私は昨日から一貫してお前が嫌いだけど」

ネイス「そうじゃない職場なんて無いぞ? 子供じみた事を言うんじゃない」フッ

ルーツィア「っ…! そういう目上気取った奴はムカつくんだよ #」イラ

ネイス「気取るも何も、実際そうだ。私は“おっさん”」

ルーツィア「あ…?」

ネイス「イケイケでも、ここのウェイトレスに親子と勘違いされる程のおっさんだ」

ルーツィア「……」


ルーツィア「…んな根に持ったなら、謝るから」

ネイス「フフッ、“大人”気ないというやつだな? 話が逸れた」

ルーツィア「……」

357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 23:54:58.89 ID:4jScrkPGO
 
ネイス「それでどうするピッケンハーゲン? 色々話するのもいいが、一日待ち惚けてしまったから、私もそろそろ結論が要る」

ルーツィア「……」

ネイス「どうだ、ここを良い街にしてみないか?」

ルーツィア「…………」

ネイス「報酬は言った通りだ。金額の検討もつくから問題はない」

ルーツィア「……。…わかった」

ネイス「ん、賢明な判断だ」

ルーツィア「——まず一度だ! マジで話に乗るかは、その後に私が決める」ギシ

ネイス「……さっきの言葉は取り消す。だがいいだろう、取り敢えず研修採用だ」

ルーツィア「タダじゃねえぞ、きっちり払って貰うからな?」ジロ

ネイス「ああ、踏み倒しはしない」

ルーツィア「時間に関わらず一月分、この一回にそれが出なきゃ私は今直ぐ出て行く」

ネイス「王家直属の名にかけて約束する」

ルーツィア「…決まりだな。言質とったぜ?」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/17(火) 00:04:21.03 ID:Rd37KV/xO
 
ネイス「ん…それじゃ早速だが、仕事の話をしよう」ゴソ

ルーツィア「いいぜ。浮浪者の取り締まりか? それともパトロールでもすりゃいいか?」ニヤ



——バサッ



ルーツィア「…? なんだよこれ」

ネイス「そいつを検挙しろ」

ルーツィア「あ? …“そいつを”って、いったい」ガサ

ネイス「まあ読んでみろ」


ルーツィア「…… “組織的な不当行為”? …何、まさかギャングでもいんのか?」

ネイス「んーどうだかな」

ルーツィア「どうだかなって、おい…こんなの寄越されても意味わかんねえよ。“そいつ”って何処のどいつだ」

ネイス「…リリー、この辺りの繁盛店が今軒並み苦しんでいるのに気が付いてるか?」

ルーツィア「は? …てめラリッてんのか? 繁盛して金に困る道理があるかよ、つうか話逸らしてんじゃねえ」ジト

ネイス「いや…、外道が絡めば理屈はある」

ルーツィア「!」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/17(火) 00:17:16.12 ID:Rd37KV/xO
 
ネイス「我々の暮らすこの社会なんて場所は、真っ直ぐなものだけで成り立ってはいない。君や私がいい例だ」

ルーツィア「……“ハネ”られてんのか? 売上を」

ネイス「そういう噂だ、どうやら中心街の景気が纏めて吸われている。王国の財産を掠め取ってる連中がいるようだ」

ルーツィア「ん…待てよ? まさか私が周った店、やけに渋い賃金ばっかだったのは——」モヤモヤ

ネイス「それ以上出す訳にもいかなかったんだろう。人件費は動かしやすいうえ、負担も大きいと考えてしまうから無理もない」

ルーツィア「!! ……クソ、どこの馬鹿野郎だ?」

ネイス「だから“そいつ”を検挙するんだ。元締めを特定して頭を捕らえろ」トン

ルーツィア「…チッ……思ったより面倒くせえ話だな」ギシ


ルーツィア「けどまあ、本当なら私もこいつ許せねえしヤル気にはなった。…いいよ、のせられてやる」

ネイス「フッ、“一回”で一月分。上手くすれば私を嵌めて楽に稼ぐつもりだっただろう?」

ルーツィア(…!)ギク

ネイス「期待に添えなくて悪いが、まあ頑張れ。この問題に君がどう対処するのか見せてもらおう」

ルーツィア「うるせえよ。ったく…」チッ
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/17(火) 00:33:37.71 ID:Rd37KV/xO
 
ルーツィア「……けど分かんねえな。仮に阿漕な稼ぎしてる奴がいるとして、なんでベルギガ? 復興も始まったばかりの地域で」

ネイス「さあな。しかし個人や数人の出来心でという規模じゃない。目的はどうあれ、それなりの意思があって行われている筈だ」

ルーツィア「ほーん、意思か…」

ルーツィア(一度ネウロイに堕とされたこの土地には必然的に外から来た人間しか存在しねえけど……謎だな)モヤ

ネイス「まあ君の言うように馬鹿なのかもしれない。捕まえた後にでも聞いてみろ」


——パタパタパタ


ウェイトレス「お待たせしました〜♪ フルーツとお茶のお代わりです!」コト

ルーツィア(…!)


ネイス「ああ、ありがとう。…いいねぇ? 美味そうだ」

ルーツィア「……」

ウェイトレス「はい、ガリアとロマーニャから新鮮な旬果実を送ってもらってるんです!」ニコニコ

ネイス「ほう、リベリオン産じゃないとは。……ん、確かにジューシー」モグ

ウェイトレス「私はこれとか、すご〜く甘くて大好きです♪」

ネイス「ん? どれ——」ヒョイ

ネイス「……んー、これは柔過ぎて食感が弱いな」モムモム

ウェイトレス「えー、そこがいいじゃないですか〜! 口の中が蕩ける感じで」

ルーツィア「…………」ジ--

ネイス「甘さと相まってジャムを食べてるみたいだが…。ほらピッケンハーゲン、君も食べるだろう?」ス

ルーツィア「! …初めて良いこと言ったなあんた? その甘いやつくれ」ムンズ

ウェイトレス「まだ有りますから、足りなかったら追加注文してくださいね〜♪」ウキウキ
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 19:09:15.99 ID:hly9g1vHO
生きてるかな
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