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【ミリマス】765学園物語HED √SSL
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662 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/23(月) 23:57:39.45 ID:Vb5imzbWo
P「なるほどな」
今日の相手はそのセオリーをすべて無視してドカ食いしたから自滅したわけだ
…俺も気を付けないとな
気が付くとうどんは食べ終わっていたので、軽くストレッチをして腹を慣らしておく
こういった細かな気配りも大食いにおいては重要なファクターになる
美奈子「それじゃあ、私は今日は帰りますね」
P「あ、送っていくよ」
663 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/24(火) 00:23:54.78 ID:RcfLNfoeo
美奈子を送っていく帰り道
P「大会っていつまでやるんだっけ?」
美奈子「文化祭に差し掛かるくらいですね」
P「10月くらいまでやるのか?結構長いんだな…」
美奈子「私もそう思います」
まあ調整期間が長いなら万全の状態にしやすくはあるが
P「優勝、したいな…」
美奈子「Pくんなら出来ますよ、絶対」
美奈子「だって私の好きな人なんですから」
664 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/24(火) 00:29:21.78 ID:RcfLNfoeo
P「その気持ちだけで百万人力だ」
美奈子からの激励を受け、気合いが入る
美奈子「…あっ、もう着いちゃった…」
気が付くと美奈子の家の前まで来ていた
楽しい時間はあっという間に過ぎていってしまう
P「…美奈子」
美奈子「Pくん…」
離れるのが名残惜しい
665 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/24(火) 00:35:38.39 ID:RcfLNfoeo
帰るのを惜しんでいると
美奈子「んっ」
突然美奈子がキスをしてくる
P「美奈子」
美奈子「Pくん、今日は頑張ったのでご褒美のキスです、それから…」
更にもう一度、美奈子からのキス
美奈子「勝利へのキス、です…えへへ」
P「今ならどんな相手だって倒せそうだ」
美奈子「ふふ、頑張ろうね」
P「ああ」
美奈子が家に入って行くのを見届けてから、帰路に着く
星空を眺めながら俺が思ったのはただ一つ
絶対優勝してみせる
待ってろよ貴音、絶対に、俺が倒してやるからな
666 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/24(火) 00:36:29.17 ID:RcfLNfoeo
一旦ここまで
667 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/26(土) 23:59:17.72 ID:mzxwBksjO
夏休みが明け、久しぶりに学園へと登校する
冬馬「よう」
翔太「おはよー」
P「おはよう翔太、棚橋」
冬馬「誰だよ!?」
毎度毎度律儀に突っ込んでくれる冬馬に学園が始まったことを実感しつつ、三人で教室を目指す
冬馬「そういやお前、佐竹と付き合いだしたから太るかと思ったが…全然そんなことはねえな」
翔太「僕も、夏休み明けたらすごいことになってると思ってたよ」
668 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/27(日) 00:12:13.20 ID:VgSPi/KbO
P「別に普通の量しか食べてないんだから太る要素なんかねーよ」
冬馬「それはお前らにとっての普通の量だろ…」
P「いや、マジで世間一般で言う普通の量だよ」
翔太「ほんとに?」
P「疑り深い奴らだな…美奈子の作る朝飯を食べたことが無いからそう言えるんだ」
冬馬「いや、だってよ…」
翔太「ねえ?」
P「どのみち今は大食い大会中なんだ、太るのはNGなんだよ」
669 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/27(日) 00:17:17.06 ID:VgSPi/KbO
冬馬「大食い大会って商店街でやってる奴か?」
P「ああ、俺の次の相手はお前の知り合いの伊集院北斗さんだ」
冬馬「北斗も出てんのかよ」
P「知らなかったのか?」
冬馬「まあな…けど北斗か…あいつ大食い出来たんだな」
翔太「僕も知らなかったなー」
P「まあ会場で少し話した程度だけど凄く良い人だな、伊集院さん」
冬馬「まあな、俺も翔太もなんだかんだで世話になってるし」
670 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/27(日) 00:57:36.11 ID:HdcyLW0Ko
冬馬「…ま、北斗と当たるってんなら次の試合は見に行くぜ」
翔太「大食いってあんまり興味無かったけど、二人が戦うなら僕も見に行くよ」
P「おう、待ってるぜ」
冬馬、翔太と教室の前で別れて俺は自分の教室へと向かう
美奈子「おはようございます、Pくん!」
P「おはよう、美奈子」
大切な人が、俺を出迎えてくれる
また今日から、騒がしい学園生活の始まりだ
671 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/27(日) 00:58:59.99 ID:HdcyLW0Ko
一旦ここまで
672 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/25(月) 20:44:58.43 ID:7t6IODjtO
受け攻め最新版
無印
海美 攻め
恵美 受け
琴葉 攻め
翼 攻め
ジュリア 受け
HED
志保 両
百合子 受け
静香 受け
美奈子 攻め
このみ 両
朋花 受け
エレナ 攻め
BND
紬 受け
歌織 攻め
仮組
杏奈 攻め
未来 両
673 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 00:47:52.28 ID:4oXy4/2Io
久しぶりの学園はHRと集会のみで終了した
なので俺と美奈子は特訓のため、佐竹飯店へと移動したのだが…
P「…なんで恵美達が居るんだ?」
恵美「や、海美からPと美奈子が面白い事してるって聞いたからさ〜ちょっと冷やかしにね〜」
P「冷やかしかい」
エレナ「なーんてメグミは言ってるけど、本当はPの事が気になってるだけだヨー」
恵美「え、エレナっ!!」
エレナ「きゃ〜♪」
顔を赤くして立ち上がる恵美と楽しそうに逃げるエレナ
相変わらず賑やかな奴らだ
674 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 00:56:05.19 ID:4oXy4/2Io
冬馬「ま、今日は午前中だけだったしちょうど腹も減る頃だしな」
翔太「佐竹飯店なら美味しいお昼が食べられるしね〜」
琴葉「表には定休日って書いてたけどみんな普通にPくんに着いて入っていったから一緒に入っちゃったんだけど…迷惑だった、かな?」
P「いや迷惑では無いよ、なあ美奈子?」
美奈子「はい!むしろ腕の振るい甲斐がありますね!」
P「だから琴葉、気にしないでくれ」
琴葉「ありがとうPくん、美奈子ちゃん」
675 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 01:45:40.47 ID:4oXy4/2Io
海美「お腹空いた〜」
恵美「もうすぐ出て来るんだから我慢しなって」
エレナ「め、めふみ、ほっへたちひれるヨ〜」
桃子「恵美さん、エレナさん、さっきから騒がしいよ、ちょっと静かにしてて」
琴葉「ここはこの問題を応用するの」
志保「…ありがとうございます、琴葉さん」
冬馬「昨日RGサザビー買ったんだけどよ」
翔太「冬馬くんまたプラモ買ったの?」
P「よく飾るスペースあるな」
676 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 02:04:33.01 ID:4oXy4/2Io
皆が自由にリラックスしていると
美奈子「お待たせしました!佐竹飯店スペシャルランチでーす!」
美奈子が料理を持って現れた
P「っと、手伝うよ」
美奈子「ありがとうございます、Pくん」
いくつかの料理を受け取ってテーブルに配っていく
冬馬「何かよ、お前らそうやってると夫婦みたいだな」
P「ふ、夫婦?」
美奈子「や、やだもう尼崎君ったら、少し気が早いですよ」
冬馬の言葉に顔を赤くして満更でも無さそうな反応をする美奈子
その反応を見て俺も少し顔が赤くなる
677 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 02:11:56.00 ID:4oXy4/2Io
冬馬「…からかうだけのつもりだったのにマジな反応が返ってきて困惑してるんだが」
翔太「バカップルにそんなからかいしてもそりゃそうでしょ」
冬馬「ま、まあ結婚式には呼んでくれよ」
P「おう、友人代表としてスピーチ頼むぞ」
冬馬「…へっ」
翔太「うわちょっろ」
恵美「結婚かー、アタシもいつか誰かと結婚すんのかなー」
琴葉「恵美ならきっといい人が見つかると思うわ」
恵美「…そだね」
エレナ「…」
678 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 02:16:31.67 ID:4oXy4/2Io
海美「…」
志保「…」
桃子「はあ…」
翔太「冬馬くん、女性陣がお通夜ムードなんだけどどうすんのさ」
冬馬「こんなになるなんて思わなかったんだよ!」
目の前で冬馬と翔太が何やらヒソヒソ話をしている
また何かイタズラでもするつもりだろうか?
P「何の話だ?」
冬馬「いや…何でもねえ」
P「?」
冬馬「と、とにかく食べようぜ」
679 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 02:22:24.81 ID:4oXy4/2Io
「いただきます」
強引に話を打ち切った冬馬の合図で皆が食べ出す
…うん、やっぱり美奈子の作るエビチリは絶品だな
恵美「あれ、そういやPの料理の量普通だね」
P「そりゃあな」
翔太「もっと山盛りみたいになってるかと思ってたよ」
P「大会のルールがおかわり式だからな、まあわんこそばみたいなもんだ」
エレナ「へー、大食いにもルールがあるんだネ」
680 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/12(日) 02:22:51.53 ID:4oXy4/2Io
一旦ここまで
681 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/22(水) 00:40:21.79 ID:/qfg2S7Fo
P「それはもちろん、ルール無用だと文字通り何でもありになっちまうからな」
美奈子「勝敗をちゃんと判定するためにルールがあるんだよ」
恵美「へえー」
冬馬「…ここに来るまでにちょいと調べてみたんだが大食い大会を荒らす裏ファイターの組織があるらしい」
海美「裏ファイター?」
冬馬「ああ、何でも反則ギリギリの戦い方をして勝つ卑怯な連中だとか」
翔太「冬馬くん漫画の読み過ぎじゃない?」
682 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/22(水) 00:49:20.04 ID:/qfg2S7Fo
美奈子「いや、天ヶ瀬くんの言ってる事は本当なんです」
翔太「えっ」
美奈子「確かに謎の組織っていうのは違いますけど、卑怯な手を使って大食いに勝とうとする集団があるのは事実なんです」
冬馬「マジで漫画みたいな話だけどな」
恵美「P…ってか、今やってる大会は大丈夫なの?」
P「一応美奈子が調べてもらったらしいけど、それらしい奴は居なかったらしいから大丈夫だ」
P「ま、例え裏ファイターが相手でも俺と美奈子なら勝てるけどな」
美奈子「Pくん…えへへ」
恵美「そっか、それなら良かった良かった」
683 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/22(水) 01:21:57.01 ID:/qfg2S7Fo
美奈子「さ、さあさあ、ご飯が冷めちゃいますから食べちゃってくださいね!」
美奈子「おかわりもありますから!」
照れた美奈子が話を打ち切って食べることを進める
それを合図にみんなも食事を再開し
楽しい昼食となった
684 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/22(水) 01:51:14.09 ID:/qfg2S7Fo
そしてそれから数日後
P「胃の調子は良い、少し食べ物を入れたから拡張も問題なし、行けるな」
腹具合が万全なことを確認した俺は二回戦の会場へと足を進めた
…必ず勝つ
決意を胸に扉を開け、指定された場所へと向かう
北斗「チャオ☆来たね」
P「伊集院さん、正々堂々戦いましょう」
北斗「もちろんだ、その上で勝たせて貰うよ」
伊集院さんと握手を交わし、俺達は席に着いた
685 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/26(日) 23:16:03.89 ID:vMBOefhso
茜「はいはいはーい!出演NG出しちゃったまつりちゃんに代わって今回はこの可愛い茜ちゃんが司会をやっちゃうよ−!」
茜「みんなー!茜ちゃん可愛いよねー?」
…
茜「…あれ?ねえ茜ちゃんは可愛…おーっと色々と言いたいことはあるけど巻きの指示が出たから巻いていっちゃうよ!」
茜「今回の勝負食は…これ!じゃーん!素敵なステーキ!」
モニターに肉厚のステーキが映し出される
茜「美味しそうだね、茜ちゃんも食べたい!」
686 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/26(日) 23:53:39.25 ID:vMBOefhso
茜「それじゃあみんなのテーブルに運んでいくよ!ヒアウィゴー!」
茜の言葉と共にステーキが運ばれてくる
鉄板に乗せられた肉はじゅうじゅう音を立てており、否が応でも味への期待値が上昇していく
北斗「これは…美味そうだ」
P「ですね、早く食べたい」
茜「ステーキは行き渡ったかな!?それじゃあ行くよ!デュエル開始ぃぃぃぃ!」
茜の合図と共に、ステーキを食べやすいようにナイフで一口サイズに切っていく
687 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/27(月) 00:05:24.44 ID:MH6Zb3KYo
ステーキの大食いの際に最もネックとなるのは肉を咀嚼することだ
先に食べた方が勝つ早食いならともかく、長期戦になる時間制限戦では必ず顎の疲れが響いてくる
なので一口サイズに切り、噛むサイズを小さくさせることで顎への負担を軽減させることが勝利への一歩となる
ちらりと伊集院さんの方を見ると
北斗「…」
向こうも肉を一口サイズに切っていた
…どうやらガチンコ勝負になりそうだ
688 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/27(月) 00:15:09.64 ID:MH6Zb3KYo
ある程度切った時点で一度ナイフを置く
…ステーキで一番美味いのはやっぱり焼きたて
肉は切っていると次第に冷めてくる
つまり一番美味いタイミングを逃してしまう
だから俺は
P「あむ」
一番美味い状態の肉を食べる
P「!?」
噛むと広がる肉の味に思わず目を見開く
口の中に広がる肉汁
噛み締めるほどに味が深くなる赤身
ぷりぷりなのに全くクドくない脂身
どれもが一級品の味わいだ
食べたことはないが超高級ステーキのような味な気がする
689 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/27(月) 00:16:13.91 ID:MH6Zb3KYo
一旦ここまで
690 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/28(火) 01:03:05.17 ID:arMCH9FPo
おつ 茜ちゃんかわいい
691 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/21(水) 15:07:18.69 ID:ab+VtOn00
久々に来てみたら結構進んでいて嬉しい。
そして、相変わらずの秀逸な一文。
692 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/11/22(木) 00:14:27.81 ID:Gq5znwL4O
P「美味い…!」
時間制限があるのが悔やまれるくらいに美味い肉
しかしいつまでも味わっていると間違いなく負けてしまう
なので俺は再びナイフを手に、肉を切り始めた
P「…」
ちらりと伊集院さんの方を見る
伊集院さんは既に肉を切り終え、1/3ほど食べ進めていた
P「っ」
これは急がないと突き放されるな
693 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/11/22(木) 00:20:22.95 ID:Gq5znwL4O
手早く肉を切り終え、食べ進める
一口サイズよりも更に小さく切った肉は簡単に噛み切れ、するっと入っていく
肉を小さくしたのにはもちろん理由がある
肉を噛むという行為はなんだかんだで顎への負担が大きいため、小さめに切り噛む回数を減らすことで負担を軽減するためだ
その甲斐もあり、5分もする頃には伊集院さんに追い付き…
北斗・P「おかわり!」
俺達は同時に声を上げた
694 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/01/04(金) 00:52:03.42 ID:sbwQUZN4O
二枚目の途中で手が止まる
…味が飽きてきた
流石にいくら美味い肉でもずっと食べ続けていると味が飽きてくる
最も、そのために調味料が用意されているので有効活用させてもらおう
P「おろしソースを」
大根おろしのソースを注文し、肉にかけて食べる
…うん、味が変わって更に食べられそうだ
北斗「…ふっ」
そんな俺を見て、伊集院さんが微かに笑った気がした
北斗「周防くん、確かに味を変えるのは良い戦法だ、しかし君は致命的なミスをした」
P「致命的なミス…?」
北斗「冷たい大根おろしのソースは肉から急激に熱を奪う、つまり早く食べないと…」
北斗「固く冷たい肉を食べることになるんだよ」
P「っ!?」
695 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/01/04(金) 00:56:43.81 ID:sbwQUZN4O
咄嗟に肉を見る
確かに指摘通り、先程まで出ていた湯気がほとんど出なくなっていた
P「くっ!?」
急いで肉を食べるが少し固い
北斗「そして、急いで食べようとすると自分のペースを崩すことになる」
北斗「だから致命的なミスなのさ」
P「っ…」
完全にミスった
だがまだ負けたわけじゃない、最後まで足掻いてみせる
696 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/02(土) 21:08:20.85 ID:sByjyUoI0
保守?
697 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/05/01(水) 00:16:41.91 ID:D1AEXGl3o
しかし頭では分かっていても、心は焦りを感じて身体を勝手に動かす
P(落ち着け…!落ち着け…!)
勝手に速まるペースに、更に焦りが生まれる
P「…!」
速まったペースに、ふとあることを思い出した
それは競争や対戦で、一気に差を縮められた時の焦りの感情
今俺と伊集院さんの差は着実に開きつつある
向こうも勝利を確信しているだろう
…なら、限界の限界まで力を振り絞ってペースを上げてみるしかない
このまま何もせずに負けるよりも、最後まで足掻いてみせる
698 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/05/01(水) 00:31:55.38 ID:D1AEXGl3o
P「…うおおおお!」
テクニックも何も無い、ただひたすらに肉を切り口へと運ぶ
北斗「勝てないと分かり、自棄になったのかな?そんな食べ方ではすぐに止まってしまうよ」
P「はああああ!」
伊集院の言葉に耳を貸さず、ただひたすらに肉を食べる
…不思議な気分だ
疲れも何も感じない
ただあるのは、目の前にある肉への食欲だけだ
699 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/05/01(水) 00:40:31.03 ID:D1AEXGl3o
志保「…美奈子さん、兄さんは…」
海美「ずっと食べ続けてる…でも」
美奈子「Pくん…」
ペースを上げてどのくらい経ったのだろう
視界に入った伊集院さんは苦しそうな表情で汗を浮かべていた
…ラストスパートだ
北斗「っ!?」
700 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/05/01(水) 00:43:55.23 ID:D1AEXGl3o
食べて食べて食べて、そろそろ味も分からなくなった頃
それは突然来た
P「…」
まず腕が止まり、続いて口も開かなくなる
意志に反して、身体が食べることを拒否していた
P「…っ」
そして感じる満腹感…いや、もはや破裂しそうな痛みがあった
P「はあ…はあ…」
俺は完全に動きが止まった
一方伊集院さんは未だ食べ続けている
…ここまでか
701 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/05/01(水) 00:45:39.19 ID:D1AEXGl3o
一旦ここまで
702 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/11/25(月) 18:57:04.65 ID:1fLTZYgwO
√MT終わるまでは更新ないんやろか
703 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/12/06(金) 02:12:27.44 ID:raNGwqQY0
その後も俺は手すら動かせないまま、ただただ伊集院さんが食べ進めるのを見ていることしか出来ず…
茜「はいはいはい試合終了の時間だよ!」
俺の負けが決まった
P「………っ」
北斗「…もし」
北斗「もしほんの少しでも君につられて自分のペースを崩していたら、俺は負けていたと思う」
伊集院さんの言葉に思わず顔を上げる
北斗「こんなにも本気になったのはいつ以来かな」
北斗「君と戦えて本当によかったよ」
そう言って伊集院さんは俺に手を差し伸べてきた
704 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/12/11(水) 02:54:20.00 ID:D52usL5g0
俺は少し躊躇った後
P「俺も、伊集院さんと戦えてよかったです」
伊集院さんの手を取った
北斗「俺のことは北斗で良いよ、敬語も必要ない」
P「え?でも年上ですし」
北斗「冬馬も俺のことは呼び捨てだしため口だからさ、そっちのほうが気楽なんだ」
P「…ああ、わかったよ、北斗」
北斗「ありがとうPくん」
俺が北斗を名前で呼ぶと、北斗も俺を名前で呼んだ
705 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2019/12/12(木) 00:56:04.68 ID:qkOWwcjo0
北斗と別れた俺は控室に戻る
海美「P!」
志保「兄さん…」
控室には海美と志保がいて、俺を出迎えた
そして
美奈子「Pくん、お疲れ様でした」
美奈子も来てくれていた
P「ごめん、勝てなかった」
美奈子「ううん、たとえ負けても、Pくん凄くかっこよかったよ」
P「ありがとう、美奈子」
706 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/07(土) 00:09:28.90 ID:d+gy+09j0
もうじき一年経つんだが更新されないんじゃろか…
707 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/25(月) 07:13:35.24 ID:+1Fh0Swq0
貴音「あなた様、お疲れ様でした」
P「貴音」
俺たちのところに貴音がやってくる
P「悪い、約束は果たせなかったよ」
貴音「勝負は時の運とも言います、どんなに努力しようとも負けてしまうこともあるでしょう」
貴音「あなた様の努力は見ていて分かりました、ですから私はあなた様の健闘を讃えます」
P「ん…ありがとうな貴音」
貴音「お気になさらず…あなた様の仇は私が取りましょう」
P「お、お手柔らかにな」
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