【安価コンマ】男「時空管理局に入局して魔導師になろう15」【リリカル】

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148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 20:36:55.53 ID:Pv1JcRXA0
生きてたのか
149 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 20:37:52.01 ID:+NHHfvZB0
──【玉座の間】


 ──右腕の感覚が完全に消え去った。


男「……」

 これが一時的な麻痺なのか、永久的なものなのか。
 分からない。だが右腕が壊れてしまったことは事実なようだ。
 ──仮に後者ならば、自分はもう右手で無銘を握ることは二度と出来ないだろう。

 幸い、体を蝕む痛みもなくなった。
 気が狂いそうになるほどの激痛が、最後の【希少】を使った途端に消えたのだ。
 ──いまは好都合だ。痛みで倒れ伏してしまえば、二度と立ち上がれないという確信がある。

 一歩。また一歩。
 ゆっくりとした歩幅で目の前で倒れているスカリエッティの元へ。


男「……?」

 そういえば時間はどれくらい経過した?
 艦隊砲撃まで残り数分だったはずだが……、──なんでもいい、か。
150 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 20:44:54.49 ID:+NHHfvZB0
   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


スカリエッティ「……な、ぜ」

 スカリエッティはまるで理解出来なかった。
 何故、己は彼に敗北したのか──ではない。


男「……、はあ…はっ、。…」

 何故、目の前のこいつは。
 この後に及んで自分を助けようとしているのか。


スカリエッティ「…何故…なんだ、陸士君…」

男「……っ、、■…」

 答えはなかった。恐らく言葉を紡ぐ力さえ残されていないのだろう。
 ただ無言で陸士はスカリエッティを確保した。
 ──半ばスカリエッティを引きずるように肩を貸し、共に出口に向かって歩き始めた。

スカリエッティ「なんで…、私を助けてくれるんだい…?」

スカリエッティ「恨んでないわけがないはずだ…、私は君の恩人を殺したも同然なんだよ?」

男「…、……──、……■■」
151 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 20:50:46.90 ID:+NHHfvZB0

 答えはすぐには帰って来なかった。
 陸士の目の焦点が合っていない。意識があるのかどうかも怪しい。
 血が溢れている。出血が止まっていない。腕も足も麻痺しつつある。

 ──だがそれでも、彼は歩みは止めなかった。

男「…、──、■、…■…から、だ」

スカリエッティ「……?」



男「…死んで、欲しく…ないからだ。…」

男「108部隊で…誰かを助けるやり方は…学んだ。…でも…」



 ──目の前の誰かを。見殺しにするやり方なんて学んじゃいない。

 誰かを助けるために、自分は今までこの槍を振るってきたつもりだ。
 それが偽善だと言われても、自己満足だと言われても。
 それが最後まで自分を支えた。偽りのない【自分の心】だから。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 20:52:13.72 ID:2OvNTVS+O
正義マン

さてどうやって脱出するのか…
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 20:53:10.32 ID:iwQ0V2pO0
こういう時は誰かが助けてくれるが…
154 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 20:54:45.86 ID:+NHHfvZB0

スカリエッティ「……」



スカリエッティ「……負けだ」



スカリエッティ「──私の敗北だ。君の勝ちだよ、陸士君」


 
155 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 20:58:15.17 ID:+NHHfvZB0

スカリエッティ「ふふ、言えるわけがないな…。こんなこと」

男「……、……?」


 このスカリエッティが。
 己が欲望に従い、好き勝手に人の心を弄び。
 己が欲望の為に、『生命』という禁忌に着手し。
 己が欲望の捌け口として、世界を崩壊に導こうとした。
 このスカリエッティが。




スカリエッティ「ありがとう、陸士君」


 【命を助けられて、嬉しかった】など。
 
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 21:00:16.04 ID:Pv1JcRXA0
改心フラグかな
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:01:39.73 ID:WD7wAF21O
スカさん漂白されたか

男の執念勝ちだなww
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:02:09.10 ID:pOH/Ta1Ko
殴り愛からの解り愛
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:02:40.35 ID:iwQ0V2pO0
>>156
―と見せかけたゲス展開かもしれないけど
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:03:52.14 ID:dyWob8QFO
>>159 ???「今明かされる衝撃の真実!じゃんじゃじゃーん」
161 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 21:04:16.94 ID:+NHHfvZB0
──【玉座の間】


スカリエッティ「一つだけ、助かる方法がある」

スカリエッティ「君の首に掛かってあるもの。【転移デバイス】だね?」

男「…、…?」

 横からスカリエッティが語り始めた。
 意識が断続していたようだ。何を喋っていたのか覚えていない。

スカリエッティ「ドゥーエから貰ったのかな? 一度使用して壊れているよう見えるが──それは停止しているだけだ。コードを打ち直し、特定の波長のエネルギーを加えれば」

 ──あと一度くらいなら再使用できる。

男「…な、にを…?」

スカリエッティ「元々私はここで【禁忌兵器】や【ゆりかご】と共に朽ちる予定だったからね。だから転移手段は元より用意していない」

 あらゆる【ジャミング】を無視して対象者【一名】を数キロ転移させる。
 かつて後輩を。ギンガを救うために使われたものだ。



──【最終決戦:最後の安価になります】
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:05:07.01 ID:4t4zDlRHo
ファーwwww
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:05:29.63 ID:pOH/Ta1Ko
あかんこれは男君死亡フラグや
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:06:24.83 ID:5LLAH2vVO
ど、どっちを選んでも死にはしないんだよな…(恐怖)
>>1の最後のドSぶりが発揮されないことを祈るしかない…
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:07:14.61 ID:66W68mVo0
「見殺しにできない」だからなぁ
選択肢は決まっているか…

安価下
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 21:09:25.64 ID:Pv1JcRXA0
このスレなら安価取るまでもないだろ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:09:31.56 ID:7kdTQZRq0
ギンガとドゥーエが残してくれた男への蜘蛛の糸・・・
168 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 21:09:51.60 ID:+NHHfvZB0
──【重大な分岐点安価:先取り4つ】
──(どちらを選んでも【主人公】は死亡しません)(過程が大きく変化します)



@【スカリエッティ】が【主人公】に転移デバイスを強制的に使用する
──【Aルート:主人公がゆりかご脱出】【スカリエッティ:???】



A【主人公】が【スカリエッティ】に転移デバイスを強制的に使用する
──【Bルート:スカリエッティがゆりかご脱出】【主人公:???】
 
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:10.11 ID:5LLAH2vVO
2
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:16.76 ID:FKHRWhqkO
2
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:24.68 ID:zMtd2cXs0
2
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:29.33 ID:dyWob8QFO
2だな
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:29.65 ID:66W68mVo0
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:31.69 ID:0P77HJNK0
1
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:32.35 ID:4/YWTbozo
2
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:39.84 ID:3UgIGoljo
2
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:42.01 ID:18U9aMWNO
2です
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:42.07 ID:KFPkbli8O
2
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:10:55.67 ID:zMtd2cXs0
圧倒的2
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:11:06.25 ID:dyWob8QFO
やっぱり安価取るまでも無かったなw
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 21:11:09.82 ID:Pv1JcRXA0
死ななければスカさんが治してくれるだろ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:11:17.92 ID:18U9aMWNO
怒涛の勢いで草
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:11:18.00 ID:0P77HJNK0
やっぱりねww
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:12:22.45 ID:7kdTQZRq0
1選びたいが・・・ドゥーエはともかく、ギンガが助けに来れないのはもうこの二人が最終回で報われなさそうな未来にしか見えない
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:12:29.16 ID:1ihUBDYXO
当たり前だよなぁ?
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:13:50.08 ID:tpZYLzZh0
男君サイボーグ不可避
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:18:47.65 ID:iwQ0V2pO0
どこぞの旧22巻の上条とフィアンマみたいだ……
188 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 21:21:10.40 ID:+NHHfvZB0
──【A【主人公】が【スカリエッティ】に転移デバイスを強制的に使用する】


スカリエッティ「君に借りを作ったままだと余りにも気味が悪いんでね。こういう性分なんだ」

スカリエッティ「──さあ、行け。みんなが君の帰還を待っている」

 ネックレスが光に満ちる。【転移】が近い。

 初めて。初めてスカリエッティの【笑顔】を見た気がする。
 それは歪んだ狂笑ではなく。誰かを貶める嘲笑ではなく。
 ただ、誰かの為に笑ったような。そんな笑顔だった。

 だから自分は──



男「──っ、■■、!」

スカリエッティ「なっ、!? 」

 最後の力を振り絞り、スカリエッティを地面に押し直した。
 ネックレスを力ずくで取り払い、スカリエッティの体に押し付けた。
 ──地上に帰るのはあんただ。スカリエッティ。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 21:22:05.28 ID:Pv1JcRXA0
せっかく改心して助けようとしたのに
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:25:01.42 ID:4t4zDlRHo
最後の最後で男のBAKAっぷりを甘く見たな!
191 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 21:28:46.23 ID:+NHHfvZB0

スカリエッティ「なんのつもりだい!? まさかゆりかご残る気か!?」

男「……っ、、」

スカリエッティ「なんで君はいつもそうなんだ。なんで私の思い通り動かない…っ」

スカリエッティ「──なんで、そこまで! 全く理解出来ないよ、陸士君っ」

 その笑顔は嫌いじゃないから。
 きっと【先輩】ならそうしたと思うから。
 ──それだけの理由だ。

 スカリエッティ──【先生】が犯した罪は余りにも大きいだろう。
 それを裁くのはミッドチルダの司法の仕事だ。自分の出る幕ではない。
 そんな権力の無い自分でも、目の前の誰かを助けることは出来る。


 ──なにより。
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:28:50.38 ID:iwQ0V2pO0
上条さんといい勝負
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:29:30.54 ID:7kdTQZRq0
先輩(そこまでしろとは)
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:31:44.55 ID:18U9aMWNO
ラスボスを助けるこんな王道主人公久しぶりに見たわ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:32:04.64 ID:FKHRWhqkO
先輩「いやーきついっす」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:35:28.53 ID:ly9cfCnmO
一スレ目の直談判からこうなると誰が予想しただろうか
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:35:55.28 ID:0P77HJNK0
当麻や士郎と並べてみたい
198 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 21:39:07.56 ID:+NHHfvZB0

男「先生…、あなたが死んだら──二乃さんが。あなたの家族がきっと悲しむから」

スカリエッティ「……」


 かつてティアナに伝えたことが頭によぎる。
 ──理屈より体が先に動いた。
 ──理屈で考えていたんなら、きっと自分の足は竦んで『大切なもの』を取り零していた。
 ──最初から結論は出ていたのだ。『助けたい』と。



男「さよなら、先生。──【無銘】を譲り渡してくれて、ありがとう」

スカリエッティ「……どうしようもない、バカだよ。君は」

スカリエッティ「──敵わないな。何もかも」



 【転移】の光が玉座の間を満たした。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:40:25.19 ID:FKHRWhqkO
安価コンマでここまできれいな主人公ができたのは素直にすごいと思う
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:41:47.53 ID:7kdTQZRq0
選択肢は完全に一貫してたからねぇ・・・自分が死んだら二乃さんやギンガが悲しむっていうのを本質的に後回しにするある意味狂ったものではあるけど
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:44:33.91 ID:tYhFDmM9O
最初と二回目のチンク戦後は基本的に選択が一貫してたもんな
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:46:03.23 ID:VPusC2EBO
男像があの辺で固まったよな
203 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 21:48:13.47 ID:+NHHfvZB0
──【玉座の間】


男「……、■■。……」

 五感が灰になりそうだ。
 もう立っていられない。壁にもたれかかるように倒れ込み、ずるずると座り込んだ。

 視界が暗い。【右目】が遂に光を失ったようだ。
 【左目】は四年前に焼かれ、光を失った。
 【右目】も同様。残された最後の視覚が消し飛んだ。
 早くシャマル医務官の治療を受けなければ、永遠に光を失うだろう。
 


男「ごめんな、無銘。最後までワガママに付き合わせちゃって…」

『──』

男「俺に負けず劣らず、ボロボロだなお前。四年前はもっと酷くて、文字通り消し飛んでたけど」

『──Master』

 
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 21:49:12.63 ID:Pv1JcRXA0
ついに五感全部なくしたか
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:49:55.36 ID:18U9aMWNO
能力的に脳内出血とかやばそう…
脳みそ酷いことになってるぜ
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:50:32.87 ID:pOH/Ta1Ko
これはもう助かったら隠居ですね、間違いない
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:51:35.93 ID:ZUJv4YSeO
介護エンドか
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:53:13.58 ID:kv6CrX6xO
シャマルとスカさんが全力で直してくれるさ(他力本願
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:55:55.55 ID:E955Fvh5O
なんてーかメリーバッドエンドだなこのままだと

自分では納得してるけど周囲は納得しかねる的な
210 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:02:58.26 ID:+NHHfvZB0

『──あなたは最高にクレイジーなマスターだと思います』

男「……」
男「……あ?、え?」

 どうやら聴覚まで完全に壊れてしまったらしい。
 無機質な機械音がこだました──気がする。
 

『──とても負担が掛かっています。機体の思考領域に大きな損傷が見られます』

男「……ごめん」

『──所有者権限を書き換えたいです』

 確か無銘は【ストレージデバイス】。
 簡単な応答なら出来るはずだが、ストレージでも特に無口な奴だったはず。
 ──でも案外。思ったよりも喋る奴だったらしい。

男「スカリエッティが何か改造してたのかな? なんで今まで喋らなかったの?」

『──』

 また黙った。気分屋なのだろうか。
 本当に簡単な応答しか出来ないのか。
 ──だけど最後に、ほんの少しでもこいつと話せてよかった。

 
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:04:19.85 ID:4t4zDlRHo
まあぶっちゃけマジキチとかそういう類よね!
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:04:56.35 ID:18U9aMWNO
想像以上にぶっちゃけてて草
最初から喋れやww
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:05:25.02 ID:pOH/Ta1Ko
無銘君wwwwww
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:06:33.89 ID:KFPkbli8O
相棒が鞍替えしたいとか言ってる奴等は大概最高のパートナー説
215 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:13:26.58 ID:+NHHfvZB0

『──あなたの全ての行動は【記憶】されています』

『──製作者。ドクター・スカリエッティが【ストレージの記憶媒体】を私に設置したため』

男「…、■そ、…■か…」



『──あなたが全ての記憶を失っても、私には【記憶】があります』

『──電子となって保存されています』

男「……、」



『──貼り付けることによって、欠けた【記憶】は戻る可能性があります』

『──身に覚えのない、日記帳を見るかのような感覚になるかもしれませんが』

  
216 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:18:17.15 ID:+NHHfvZB0

『──だから忘れないでください』

『──あなたは一人で戦ってたわけではないと』

『──【私】という【無銘の槍】があったことを』


男「…■■、」

男「ああ…、約束する。──ありがとう。無銘」



『──思考領域に負荷発生。強制停止します』

『──おやすみ。最悪で、最高のマスター』

 
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:18:39.74 ID:f42MLaPUO
ツンデレヒロインかな?
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:19:33.76 ID:FT5B/e1KO
まさかここでヒロイン筆頭に無銘君が来るとは
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:20:02.40 ID:kv6CrX6xO
銘記、保存、再生、再認の内、再認が出来なくなったか。
空の境界を思い出すな
220 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:20:14.35 ID:+NHHfvZB0


『──最後に、もう一度だけ頑張ってください』


『──あなたならきっと出来ます。今までと同じように』


『──私の為に。立ってください』



 
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:21:59.29 ID:KFPkbli8O
記憶は、残るのですよ

……いえ、記憶しか、残らないんですよ
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 22:22:46.78 ID:Pv1JcRXA0
男は大勢の人を救ったけど、男を救ってくれる人はいなかったな
223 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:25:52.76 ID:+NHHfvZB0

男「…、■■、…ぁ、」

 何も見えない。感じられない。聞こえない。
 本物の闇の中にいるようだ。

 指先が動かない。足が動かない。
 まるで血が通っていないかのように、冷たい。


男「…あ、…あああ」


 それでも諦めるな、と言われた。
 覚えている。忘れてたまるか。

 誰かの為に頑張れ、と。
 ならば立つしかない。後のことなど知らない。理由などどうでもいい。
 ──生きることを、諦めない。



男「ああああああああ!!!」



 ──ゆりかごの外から、魔力を感じる。
 ──【大きな魔力が三つ】
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 22:28:12.30 ID:Pv1JcRXA0
三つ?誰だ?
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:28:50.13 ID:Z7KuP7ZX0
?「生きるのを諦めるなッ!」
?「生きるのを諦めないで」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:30:14.85 ID:pOH/Ta1Ko
ウルトラマンネクサスの最終回思い出した
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:31:25.27 ID:18U9aMWNO
三人娘か!?
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:32:10.84 ID:kv6CrX6xO
なのは、フェイトとギンガかな?
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:35:12.82 ID:7kdTQZRq0
ここで空戦でないギンガが来たら、他の隊長達が来るのと違って感慨深いと思う
230 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:37:33.61 ID:+NHHfvZB0


なのは「──スターライト・ブレイカー!!」


はやて「──デアボリック・エミッション!」


フェイト「──雷光一閃。プラズマザンバー!!」





 魔力の激流が【玉座を間】を下から抉るように突き破ってきた。
 【聖王不在】が長く経過し、ゆりかご内の魔力の結合が弱まっていたのだろう。
 ゆりかごを落とせないまでも、一部を貫き得る魔力の柱が恐らく目の前に。


男「──■■っ、…■■ああ■■!!」

 ──見えない。だが駆ける。
 【外】へと開場されたであろう、その【穴】に向かってひたすら真っ直ぐ。
 
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:39:02.87 ID:Z7KuP7ZX0
トリプルブレイカーきたあああああ
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 22:39:14.52 ID:Pv1JcRXA0
誰でもいい!キャッチしてくれ!
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:39:21.21 ID:iwQ0V2pO0
残念、普通にメインの三人でした
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:41:16.66 ID:LGj3wPwY0
まぁある意味当然
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:41:34.59 ID:7kdTQZRq0
まぁこの三人っては思った()
236 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:42:58.49 ID:+NHHfvZB0

男「──っ、」

 体の感覚などなかった。
 恐らく自分はゆりかごから落下している。

なのは「陸士さん! ヴィヴィオが待ってるんだよ! 私だって待ってる! だから死なないで!!」

フェイト「絶対にあなたを死なせない…っ! 助けるっ!」

はやて「あとでしこたまシャマルと一緒に叱ったるから死んだらあかんよ!!」


 誰かの声がたくさん聞こえた気がした。
 ──


 このまま身を任せて、落下していいのか?
 重力で体が引き裂かれそうだ。

 ──ただ闇雲に目の前へと手を伸ばした。
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:43:57.43 ID:f7hXMZpx0
男君はいつもの病院の席でヒロイン候補全員からお叱りを受ける仕事が残っているからな
238 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:43:59.84 ID:+NHHfvZB0




ギンガ「──先輩っ、手を!」

男「──ギン、ガ」


 
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 22:44:16.37 ID:Pv1JcRXA0
ギンガだと
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:46:11.23 ID:66W68mVo0
記憶がほぼ消えて五感が潰れた上でのこの一言、いいなぁ
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:46:23.83 ID:Z7KuP7ZX0
多分最後の安価は二乃かギンガのヒロイン選択だったんだろうな

本当に最後の最後にその選択肢かよw
242 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:47:30.74 ID:+NHHfvZB0

 伸ばした手のひらに、温かさを感じる。
 懐かしい感触に泣きそうになった。

 自分は触覚が、聴覚が僅かにでも残っていたことに感謝した。
 

 空で聞こえる。恐らく【ウイングロード】を伸ばしてここまで。
 近くでヘリの音もする。恐らくそこから助けに来てくれたのだろう。


 最後の力を振り絞って、ギンガの手を掴み返す。
 見えない。だけどきっと【この子】は。


 ──言葉にして伝えた。言いたかったことを。



243 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:48:02.31 ID:+NHHfvZB0


男「──ただいま。ギンガ」

ギンガ「はいっ。おかえりなさい、先輩っ!」



 
244 : ◆jtHtMr3tGQ [saga]:2017/05/02(火) 22:49:00.04 ID:+NHHfvZB0
(今日はここまでになります)
(見てくださってありがとうございます)
(次回は明日〜明々後日20:30予定になります)

(次回で【最終回】予定です)
(長い間、このSSを見てくださってありがとうございます)
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:49:14.01 ID:7kdTQZRq0
陸戦なのにここの空まで来てくれたのか・・・ギンガ
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:49:49.70 ID:66W68mVo0
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:50:10.53 ID:18U9aMWNO
乙!マジで綺麗に終わったな!
正直畳みきれないと思ってたわ!
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