西住みほ「シン・ボコラ 〜 君の名は進撃のボコ。」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 20:05:53.75 ID:F5xV7vul0
本当は『艦これ』と『けものフレンズ』も混ぜたかった。
元ネタ
『ガールズ&パンツァー』
『シン・ゴジラ』
『君の名は。』
『進撃の巨人』
登場人物は基本ガルパンとシン・ゴジラから。
時系列はガルパンテレビシリーズ終盤からのお話。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493463953
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 20:11:49.00 ID:F5xV7vul0
ボコーッ、ボコーッ!

私の名前は……みほ!

ボコ (!?)

ボコ (……)

ボコ (夢か……)

ボコ (いつものように、暗闇の中で目を覚ます)

ボコ (まるで隠世の世界、あの日とは対象的な、代わり映えしない世界)

ボコ (あの日、砲弾が飛び交い、鉄と硝煙の匂いが立ち込めた日、それはまるで)

みほ (まるで夢の景色のように、ただひたすらに)

二人 (熱い眺めだった)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 20:17:48.62 ID:pj9StAgSO
これもうわかんねぇな
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 20:25:36.32 ID:F5xV7vul0
【大洗学園艦 磯前艦内神社】

華 「次はいよいよ決勝ですね」

沙織 「今さっき神社で優勝祈願のお参りしてきたし大丈夫だよ、……きっと」

麻子 「今の間はなんだ?」

沙織 「そこはツッコまないで」

麻子 「すまん」

麻子 (そりゃそうだ。去年こそ優勝を逃したものの一昨年まで全国大会で9連覇した黒森峰が決勝の相手なら誰だって不安になる)

麻子 (我ながらさっきのツッコミは少し意地悪だった。話題を変えよう)

麻子 「それにしても……」

麻子 「生徒会が西住さんに無理矢理戦車道を履修させたのは、廃校阻止の為だったとはな」

優花里 「腹が立つ話です」

優花里 「生徒会は嫌がる西住殿を脅迫して戦車道を履修させました。しかもその理由を準決勝まで秘密にしていたのです」

沙織 「それについては私も怒ってるよ。生徒会はみぽりんに対して、言う通りにしなかったら私達まで退学させるって脅したし」

麻子 「友達を人質に取られたも同然だな」

華 「何て卑劣な……」

みほ 「私の為に怒ってくれるなら嬉しいけど、私は大丈夫だよ。それに生徒会だって学校の存続の為ならなりふり構っていられなかったと思うし」

優花里 「西住殿の慈悲深さは賞賛に値しますが、そこに付け入った生徒会のやり口には憤慨です」

華 「みほさん、ここで思いのたけを叫んでみてはどうですか?」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 20:31:17.18 ID:F5xV7vul0
みほ 「ここでですか?」

華 「近くに民家はありませんし、今は周りに私達しかいません。この時間帯、夜中に神社にお参りに来る人も滅多に居ないでしょう」

華 「みほさんの本心をぶちまけてみてはいかがですか?」

沙織 「大丈夫だよ。私達誰にも言わないから」

みほ 「分かりました」

みほ 「スゥー……」

優花里 (西住殿が大きく息を吸い込んでる)

みほ (せーの!)

みほ 「もぉー廃校を賭けた試合なんて嫌だーッ!」

みほ 「こんな人生嫌だーッ!」

みほ 「生まれ変わったら戦車乗りよりも、ボコにして下さーいッ!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 20:38:59.58 ID:F5xV7vul0
沙織 「フフフ、みぽりんは本当にボコが好きなんだね」

優花里 (ボコられグマのボコ、西住殿が魅せられた風変わりなクマのマスコット)

優花里 (……ボコが羨ましいです)

優花里 (戦車道全国大会優勝が大洗学園廃校取り消しの絶対条件……)

優花里 (大洗の廃校とは学校が無くなるだけではありません。それは学園艦という人口3万の町が消えること。学園艦で産まれた自分にとっては生まれ故郷が無くなること)

優花里 (後一つ……)

優花里 (後一つ勝てば誰も艦を追い出されずに済みます)

優花里 (西住殿、お願いします。どうか我が故郷を守って下さい)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 20:46:22.15 ID:F5xV7vul0
【知波単学園艦 校舎】

絹代 「しかしこいつは思ったより想定外過ぎるぞ」

絹代 「まさか海面からこの学園艦の甲板までよじ登れる生き物が居たとは」

池田 「ですが対処の選択肢は分かりやすいです。『静観』、つまり野放しか、『捕獲』か『駆除』か、もしくは『艦外に追い出す』か……ですね」

細見 「でしたら突撃でよろしいかと」

福田 「私も突撃に同意します」

玉田 「そうだ、一刻も早く突撃すべきだ! そうだろう、皆?」

絹代 (確かに突撃は我が校の伝統だが、事を荒立てず穏便に追い出せないのか……?)

浜田 「ここは突撃だ。主砲とか使えば直ぐ済むだろう」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 20:54:47.62 ID:F5xV7vul0
【都内 首相官邸】

矢口 「ですから総理」

矢口 「自衛隊の運用や国民の避難など、政府による事案対処のあらゆる統合が必要です。直ちに災害緊急事態の布告の宣言をお願いします」

赤坂 「今は超法規的な処置として防衛出動を下すしか対応がありません。この国でそれが決められるのは総理だけです」

大河内 「しかしなあ……」

大河内 「今まで出たことのない、大変な布告だぞ……。その上、初の防衛出動の命令とは……」

矢口  「総理、国民を守ることが第一です」

辻 「総理、警察による短時間での避難誘導は困難です。防衛出動となると、逃げ遅れた住人を戦闘事態に巻き込む覚悟が必要となります」

大河内  「いやいや、それは……」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 21:01:19.81 ID:F5xV7vul0
国平 「日米安保を適用して米軍に駆除を肩代わりしてもらうのはどうですか!?」

花森  「いえ、まずはこの国の政府と自衛隊が動くべきです。安保条約があったとしても米国はあくまで支援の立場です」

菊川 「しかしあれは生物です。下手に刺激すると被害が拡大する恐れがあります!」

赤坂 「そう、生物です。ですから人の力で駆除することができます。同じ自然災害と区分しても、地震や台風とは違います」

東 「総理、ここは苦しいところですが、被害の拡大を防ぐためにも総理のご決断をいただかないと」

大河内  「今ここで決めるのか! 聞いてないぞ!」

東 「時間がありません。ご決断を」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 21:09:44.79 ID:F5xV7vul0
矢口 「結局防衛出動は布告されずか……」

赤坂 「まあ、ある程度予想はしてたが。結局自衛隊の運用は救助活動や避難誘導といった非戦闘行為に限定された」

矢口 「やりきれんな」

赤坂 「つい先日まで、総理は外国人からの政治献金受領問題で追求されていた。それが海洋不明生物の出現で有耶無耶になりつつある」

赤坂 「総理にしてみれば寧ろ今回の騒動は渡りに船、早期解決は望んでないだろう」

矢口 「だからって国民を守らない道理は無い」

赤坂 「お前の言いたいことは分かるが
――」

泉 「そこに居たか矢口」

矢口 「どうした?」

泉 「マズイことになった」

泉 「学園艦の住民が自力で例の生物の駆除を始めたとの情報が入った」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 21:23:12.73 ID:F5xV7vul0
【大洗学園艦 みほ寝室】

ボコ (痛てて……)

ボコ (……あれ、痛くない)

ボコ (さっきまでアイツ等にボコられてたのに)

ボコ (小っこいオイラの……人形?)

ボコ (ここは……何処だ……)

ボコ (オイラが抱いてたのだけじゃない。オイラの姿をした人形が沢山……何なんだ、ここは?)

ボコ (何だ? この手……。足も変だろ!? オイラの身体どうなっちまったんだ!?)

ボコ (何かが身体を覆ってる? クッ……引っ張っても破けない)

ボコ (チクショウ! 何が何だか分かんねえ……)

スッポン!

ボコ 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」

ボコ (やっと取れた……これって……)

ボコ (人間が着る『服』ってヤツだよな……)

ボコ (オイラの皮膚おかしなことになってる……博士が言ってた肌色って奴か)

ボコ (これってやっぱり人間になってるのか?  頭にばっかり沢山毛が生えてるし)

ボコ (胸が膨らんでる……)

ボコ (先っちょだけピンクなんだ……)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 21:28:21.63 ID:F5xV7vul0
【大洗学園艦 校舎】

沙織 「みぽりん月曜日からご機嫌ね」

みほ 「はい。沙織さん、実は昨日……」

みほ 「夢の中で私、ボコになったんです」

沙織 「ボコに?」

みほ 「うん。楽しかったぁ」

華 「一昨日お参りに行った時のみほさんの願いを神様が叶えたんですね」

みほ 「私もそう思います。あの時華さんがアドバイスしてくれたおかげです。ありがとう」

華 「私は何もしてませんよ」

優花里 「具体的にはどんな内容の夢でありますか?」

みほ 「ボコになってクジラやイルカと一緒に泳いだり」

麻子 (クジラやイルカと泳ぐ?)

みほ 「無人島の砂浜で日光浴したり」

沙織 (ビーチで日光浴?)

みほ 「それから何か食べてたような気がするんだけど……思い出せない」

華 (食事……)

みほ 「最後はちゃんと他の動物達にボコって貰えてそこで目が覚めたの」

優花里 (色々とツッコミどころはありますが、元気な西住殿の満面の笑顔を見られて自分は嬉しいです)

華 「ボコって熊ですよね」

みほ 「うん」

麻子 「まあ、夢だしな……。ところで西住さんはニュース見てないのか?」

みほ 「ニュース? 何かあったんですか?」

華 「知らないのですか? 知波単で謎の生物が暴れている話」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 21:36:21.23 ID:F5xV7vul0
【知波単学園艦 路上】

絹代 (これまでも敗北は経験してきたが……)

キュラキュラキュラキュラキュラ……

絹代 (帰路において戦車の無限軌道の音がこんなにも虚しく心に響いたことは無い……)

知波単住民A 「化け物をやっつけに行くって聞いてたが……」

知波単住民B 「なんだありゃあ……」

知波単住民C 「出撃した時の二割位しか帰って来てないじゃねえか?」

福田母 「すみません……娘は、娘はおりませんか?」

絹代 「停止!」

絹代 「危ないですよ! 急に飛び出すと」

福田母 「すみません。……私、福田の母です。いつも娘がお世話になっております。娘は、娘はおりませんか?」

絹代 「……福田の母親だ。持ってこい」

玉田 「はい……」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 21:48:01.39 ID:F5xV7vul0
玉田 「持って来ました」

絹代 「ああ」

絹代 「こちらを」

福田母 (包み?)

細見 (福田の母上が包みを開けている……福田、親不孝者め……)

福田母 (!?)

福田母 (この血塗れの眼鏡、まさか!?)

絹代 「これだけしか……これだけしか取り返せませんでした」

福田母 「ヴヴヴヴッ! ……何でこの子が……ヴヴ……」

絹代 (人目を憚らず号泣されている。無理も無い……)
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 21:53:04.71 ID:F5xV7vul0
福田母 「グスッ……役に……立ったんですよね?」

絹代 「!」

福田母 「例え直接の手柄を立てた訳でなくても、娘の死は知波単の反撃の糧になったんですよね!?」

絹代 「ええ、勿論」

絹代 「……」

絹代 「いや……」





絹代 「私が無能なばかりに!」

絹代 「ただいたずらに生徒を死なせ!」

絹代 「奴らを艦から追い払うことが出来ませんでした!」

絹代 「我々は今回、何の成果も得られませんでした!」

《知波単学園艦、巨大海洋不明生物の駆除を断念。全住民の本土疎開を決定》
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