山城「シティーハンター?」 五月雨「誰ですか?その人?」

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1 : ◆62IWBozqOg :2017/04/28(金) 01:06:24.08 ID:HhTjlc9m0
某鎮守府

摩耶(改二)「ったく、こんな時間まで働かせやがって!」

「…来たぞ、いいな?」

摩耶(けど、これで最高翌練度まであと一歩…最高翌練度になったら、提督の奴…)

パシュッ

摩耶「…うっ…」

ドサッ

「よしっ、やったぞ」

「早いとこ、回収して引き上げるぞ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493309183
2 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 01:08:16.10 ID:HhTjlc9m0
翌日 鎮守府

提督「ふうっ、今日の書類はこれで終わりだ」

山城「…お疲れ様です」

コンコン

大淀「失礼します。提督、大本営より通信です」

山城「…何かしら?…まさか、不幸の手紙?」

提督「おいおい、いくら戦闘が落ち着いて来たとはいえ、不幸の手紙送りつけてくるほど上も暇じゃ無いだろ。 えっと、なになに…」

大淀「提督?どうしました?」

提督「…また、艦娘の失踪事案が発生したそうだ」

3 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 01:11:18.78 ID:HhTjlc9m0
大淀「またですか。今月で6件目ですね」

山城「…不幸だわ」

提督「…あぁ。先月からの報告を含めると10件以上…最近こんな報告ばかりだな」

山城「…今度は誰?他の鎮守府とはいえ…まさか、姉さま!?」

提督「落ち着け山城。失踪したのは重巡洋艦…摩耶だ。…なにっ!?友提督の摩耶じゃないか!?」

大淀「…提督と、同期の方でしたね。あの人の摩耶さんじゃ相当な練度だっと思いましたけど」

提督「あぁ。最近話した時には、もうすぐケッコンできる練度だと喜んでたよ」

山城「…そんな高い練度なのに失踪なんて…不幸だわ」

提督「摩耶もあいつの事は嫌って無かったのに…何で…」

コンコン

提督「ん?」
4 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 01:22:27.05 ID:HhTjlc9m0
電「失礼します。司令官さん、お客さんなのです」

提督「客?俺に?」

五月雨「はぁ…はぁ…提督さん、お久しぶりです」

提督「君は…友提督のとこの五月雨じゃないか!久しぶりだな。こんな時間にどうしたんだ?随分と息を切らして…」

五月雨「…提督が、憲兵隊に逮捕されました」

提督「なに!?あいつが!?一体何で?」

五月雨「…急に憲兵隊が来て…摩耶さんが失踪した責任が提督にあるって…それで…グズッ」

提督「馬鹿な…。今までの事案でも、何かしらの処分を受けた事はあったが、憲兵隊に連行されたなんて報告は聞いてないぞ」

山城「ブラックな事をしてた訳でも無いのに逮捕だなんて…不幸だわ」

提督「それで、君はそれを伝えにわざわざ?」
5 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 01:27:31.66 ID:HhTjlc9m0
五月雨「…これを、提督さんに」

提督「メモリーディスク?」

五月雨「提督が、俺に何かあったらこれをここの提督さんに渡してくれと」

提督「あいつが、そんな事を?」

五月雨「はい。摩耶さんが居なくなってすぐ、次は俺の番かもしれない…もう頼れるのはあいつしかいないって…そう言って私に、渡してきました」

提督「…一体何が入ってるんだ…こいつには…」

鎮守府表門

「確かにここに逃げ込んだんだな?」

「あぁ。間違えない。どうする?」

「ここの提督は用心深い。俺たちだけじゃ潜入しても下手すりゃ返り討ちだ。…まぁ、いい。居場所がわかっただけも上等だ。引き上げよう」
6 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 01:48:43.77 ID:HhTjlc9m0
数日後

リョウ「お断りだね」

提督「えっ?」

香「ちょっと、リョウ!久しぶりの依頼だってのに何で断るのよ!?」

リョウ「軍人からの依頼だなんて、怪しすぎるぜ。何かの陰謀とかに巻き込まれるのはゴメンだね」

提督「軍は関係ありません。これは私個人としての依頼です」

リョウ「その割には、さっきから機密がどうだのイマイチ話の内容がはっきりしないみたいだけど?」

提督「……それは」

五月雨「提督さん!」
7 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 01:52:49.26 ID:HhTjlc9m0
提督「五月雨!?どうして、ここに!?」

五月雨「私、心配で……提督さんの事助けてくれそうですか?」

提督「…それは、今お願いをしてるんだが…」

五月雨「お願いします。私の提督を助けてください!摩耶さんを助けてください!」

リョウ「……つつみ隠さず話して貰おうか。俺だてプロだ。依頼者の秘密は漏らしたりしないよ」

提督「…はい。改めて、お願いします。彼女たち艦娘のボディーガードをお願いしたいんです」

リョウ「艦娘?」

提督「まず、お二人は深海棲艦をご存知ですか?」

香「前にニュースで騒ぎになった奴よね?海に現れた化物だかって」

リョウ「お宅ら海軍もまったく歯が立たなかったって奴らだろ?もっとも、最近は、新兵器の投入とかで巻き返したとか騒いでたが」

提督「はい。その新兵器というのが彼女たち艦娘です」
8 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 01:54:19.90 ID:HhTjlc9m0
提督「ここから先は他言無用でお願いします。……信じて頂けないもしれませんが、彼女たちはかつての軍艦の記憶を持った対深海棲艦の兵器なんです。彼女の場合は旧日本海軍の駆逐艦五月雨としての記憶を持っています」

香「兵器!?こんなちっちゃな子が?嘘ーっ」

リョウ「兵器っていう割には、武器らしいものが見当たらないけど?」

提督「今は外しておりますが、戦闘となれば艤装という、その軍艦の武装を模した装備を纏って深海棲艦と戦うんです」

香「信じられないわ。そんなオカルトじみた事」

提督「初めての人に信じろってのが無理かもしれません。私もそうでした。まぁ、百聞は一見にしかずといいます。本来は機密事項なんですが、この間の戦闘の記録です」

五月雨「いいんですか?」

提督「信じてもらうためだ。テレビをお借りできますか」
9 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 02:02:02.86 ID:HhTjlc9m0
リョウ「なぁ、こいつ大丈夫なのか?」

香「なんか、心配になってきたわ。あんな小ちゃな子供が兵器だのなんだのって…」

リョウ「はぁ?お前が取って来た依頼だろうが」

香「だって…最初に合った時は普通に…」

提督「再生して宜しいですか?」

リョウ&香「は、はい!」

提督「これは、先日、私の鎮守府で行った訓練の様子です」

ドォン! ドォン!

提督(ビデオ映像)「命中率8割か。さすがだな、長門」

長門「当然だ。ビックセブンの力侮るなよ」

リョウ「止めろ!」

提督「ど、どうかしましたか?」

リョウ「な、なんという…もっこり美女なんだ」

提督「へっ?」

リョウ「もっと、よく見たいな。これアップとかには出来・・・」

ドッカーン!!(10t)

香「何をしょうもない事言ってんだー!」

提督「・・・・」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 02:02:14.62 ID:EWIiuFSjo
リョウなら情報持ってると思うわ
11 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 02:03:55.59 ID:HhTjlc9m0
提督「…以上で終わりです(3倍の時間がかかった…)これが、彼女たち艦娘の実態です」

香「…凄いのね。艦娘って…」

リョウ「…あぁ、全くだ。あんなもっこり美女ばかりだとは」

香「リョウ?」つハンマー

リョウ「わ、わ。冗談だよ、冗談。しかし艦娘ってのがどういうのかは分かったが、あんな化物も簡単にやっつけちまうような娘たちを守る必要があるんだ?」

提督「実は、最近艦娘の謎の失踪が相次いでまして。当初は、深海棲艦が拐ったとか新たな戦術だ、提督の仕打ちが酷くて脱走だの色々騒がれたんですがどうやら違うようで」

香「どういうこと?」

提督「大本営…上層部は、艦娘については未知の部分も多く目下調査中、各鎮守府は艦娘の行動に最新の注意を払え。ぐらいで具体的な対抗策は今のところ不明のと事なんですが…昨日、彼女があるデータを持ってきまして、どうやらこの件は内部犯の可能性があると」

香「内部犯?…海軍が拐ったの?どうして?」
12 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 02:04:50.32 ID:HhTjlc9m0
提督「詳しくはまだわかりません。彼からもらったデータでは不完全な部分も多くて…艦娘に提督以外で警戒されずに近づけるとなると海軍の人間しか考えられないんです」

香「でも、証拠はないんでしょ?」

提督「今は、まだ…ですが彼のデータを元に調べればきっと証拠を掴めます。彼は私に希望を託しました、託された以上彼女の為にも、証拠を掴んで見せます」

五月雨「提督は、平和な世界を作るには俺も頑張らないとって、毎日私たちの為に頑張って働いてくれてたのに…摩耶さんだって…それなのに…」ポロポロ

リョウ「…安全なところで偉そうにしてる奴らを引きずり下ろすのも面白いかもしれんな…」

提督「えっ!?じゃあ、引き受けてくれるんですか!?」

リョウ「彼女の涙の為にやるのさ…その代わりボディーガードを引き受けるからには必ず証拠を掴めよ」

提督「はい!必ず」

リョウ「後、もう一つ条件がある」

提督「条件?」

リョウ「あの、もっこりな艦娘達と一発…」

ドッカーン(100t)

香「まったく、すくこれなんだから!」

リョウ「あはっ…あはっ…」ピクピク

提督「…(大丈夫だろうか?)」
13 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 02:15:32.09 ID:HhTjlc9m0
今回はここまでです。

お久しぶりです。
見た事ある方が居るかもしれませんが、2年くらい前に同じ内容で投稿しておりました。
投稿中に、仕事や私が入院するなど色々と重なり投稿できずにいたらスレが落ちてしまいそのまま中途半端となってしまっていました。その時待っていた方は申し訳ありませんでした。落ち着いたので今回再投稿する形となりました。途中までは以前と同じ部分も続きますが、お付き合いいただけたら幸いです

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 02:57:56.68 ID:+yxIOsXjO
あれの続きかな?思ったら続きだった
正直今回は期待してない、完結するかもわからないし
ただ見たところからは見る
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 07:42:33.78 ID:h9Sq/suNO
山城「シティーハンター?」 五月雨「誰ですか?その人?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446464435/
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 12:58:01.05 ID:EdoAJ4+zO
原作のどのあたりの設定を引き継いでるのか気になるところだが・・・
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 13:05:38.26 ID:rNxziggbO
おつつ
おかえり
前回読んでたよ
18 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 15:09:44.13 ID:0qLSdeYv0
再開します
19 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 15:16:22.61 ID:0qLSdeYv0
提督「早速ですが、警護をお願いするにあたりこれに着替えていただきます」

香「なにこれ?軍服?」

提督「艦娘の存在は本来は機密事項ですので、一般人が鎮守府をウロウロするのは色々と問題があるので」

リョウ「しかし、変装ってよりは仮装だねこりゃ」

提督「よくお似合いですよ(…憲兵より強そうだな)」

香「ちょっと、ブカブカね。他にサイズ無いの?」

提督「でかかったですか?じゃあ、こっちのサイズですかね」

香「うーん、こっちも少し大きいかしら?」

提督「背丈的にはそのあたりのサイズなんですが…それでダメとなると女性用になってしまいますが…大丈夫ですか?」

香「ちょっと、どういう意味よ!?」

リョウ「…はっ。おい、香は…」

提督「ですから、女装することになって…」

香「バッキャロー!俺は女だー!」

ドッカッカーン(10t)

提督「ぎああぁぁー。」(大破)

リョウ「派手に行ったねーこりゃ」
20 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 15:35:02.24 ID:0qLSdeYv0
鎮守府正門

提督(ボロボロ)「ここから先が鎮守府になります。いいですか、この門をくぐってからってからのことは、他言無用でお願いします」

香「大丈夫よ。秘密は守るわ。ねっ、リョウ」

リョウ「グフフ…この門の先にはもっこり美女たちが沢山…痛たたた」

香「あんたは、それしか考えることが無いんか!?」

提督「…(本当に大丈夫だろうか?少し不安だ…)」

「司令官ー!」

提督「ん?」

リョウ「おっ、早速…って、ありゃ?」

暁「おかえりなさい司令官。留守中の鎮守府は、この暁が一人で守ったわ」

リョウ「な、なんだこの娘は?」
21 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 15:56:35.90 ID:0qLSdeYv0
提督「偉いぞ、暁」(ナデナデ)

暁「頭をナデナデしないでよ!子供じゃ無いって言ってるでしょ!」

香「あら、かわいい娘ね。この子も艦娘なの?」

提督「はい。この娘は駆逐艦の暁、私の艦隊の艦娘です」

暁「初めまして。暁よ一人前のレディーとして扱ってよね」

香「うちに来た子もそうだったけど、ホントにこんな可愛い子も戦ってるのね…」

暁「子供扱いしないで!暁は、改二にもなたったんだから一人前のレディーよ!」!かすんぷ

リョウ「まぁ、後10年位経てばきっと立派なレディーになるだろうな。中々のもっこりレディーになりそうだ」

香「…この変態」

暁「なによ…暁はレディーって言ってるじゃない…」ウルウル

リョウ「あらら…悪かった。君は…ん? 」

ドドドドドドドド
22 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:31:54.99 ID:SAcWkNuj0
長門「駆逐艦を泣かしたのは誰だー!?」

天龍「俺が相手になってやるぜー!」

提督「な、長門、天龍!?」

リョウ「おおっ。もっこりバスト」

天龍「はっ?も、もっこり!?」

リョウ「お嬢さん、おいくつかな?お名前は?」

天龍「う、うわっ!?な、なんだよよ、よるなー!」ひぇぇぇー

香「こ、この!いい加減に…へっ?」

リョウ「ぎゃあああああ!」

龍田「天龍ちゃんをいじめる悪い人はどこかしら〜。その上暁ちゃんも泣かすなんて〜」

長門「はっ。そうだ貴様!駆逐艦を泣かすとは、いい度胸だ!歯を食いしばれー!」

リョウ「ぶへっ!」ピクピク

提督「さ、冴羽さん!?だ、大丈夫ですか?」

リョウ「な、なんて力だ…香より効くぜ…こりゃ」
23 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:33:51.29 ID:SAcWkNuj0
執務室

リョウ「いてて…まったくひどい目にあったぜ」

提督「すいません。うちの娘たちが」

香「いいのよ。さっきのは自業自得だし」

提督「落ち着いてきたことですし本題に入りましょう。改めて今回警護をお願いしたい艦娘を紹介します。五月雨、山城」

五月雨「失礼します」

山城「失礼します…不幸だわ…」どよーん

香(えっ?なにこの人…ものすごい暗いわ)

リョウ「彼女もって、この娘はお宅のところのだろ?」

提督「データの中には今後のターゲットにする艦娘たちの事についても一部のっていました。私の山城も標的の中に入っていました…それに、山城は我が鎮守府では古参の上、練度も一番高い…データを要求する人質としても十分です」

山城「…私は提督のモノじゃありません…この心は姉様と共にあるのに…不幸だわ…提督の事もそれは…ブツブツ」

提督「山城…」

リョウ「……」
24 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:43:52.20 ID:SAcWkNuj0
コンコン

吹雪「失礼します、司令官。午後の射撃訓練の件なんですが…」

提督「…あぁ、もうそんな時間か。変更は無い予定通り実施する。準備しといてくれ」

吹雪「了解しました、司令官」

提督「山城、君も準備してくれ。五月雨は私と一緒にきてくれ、お二人もご同行願います」
25 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:45:40.49 ID:SAcWkNuj0
射撃場

香「へぇー、本当に海の上を滑りながら、動くのね」

リョウ「ほー、器用だねぇ」

長門「よし、終了。次の艦準備!」

提督「順調か?長門」

長門「…提督か。あぁ、今のところ順調だ。これが今までの結果だ」

提督「ありがとう…最近は駆逐艦たちも、練度が上がってきているな」

長門「あぁ、教えてきた私としても鼻が高い」

リョウ「きっと、君の指導の筋がいいだろうな」(もっこり)

長門「あぁ、ビックセブ…!!//な、な…」

アノヒトズボンガフクランデルワ‥ビョウキナノデス?…チガウヨ、アレハ…

長門「駆逐艦の前でそんなものを見せるなー!」

ズドーン(41cm砲)

リョウ「ぎゃああ」プスプス

吹雪「きゃあ!」
26 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:47:22.25 ID:SAcWkNuj0
長門「な、なんだ!?ま、まさか…流れ弾が…」

提督「落ち着け、バランスを崩して転倒しただけだ」

吹雪「イタタ…もう、またダメだ」

提督「落ち着いて、もう一度だ吹雪!」

吹雪「はい!」

リョウ「……」
27 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:48:05.55 ID:SAcWkNuj0
提督「吹雪、お疲れ」

吹雪「司令官…私、またダメでした…」

提督「そんな事無いさ。君の練度は確実に上がってきている。きっとうまくいくさ」

リョウ「…重心が偏りすぎてるんだ」

吹雪「えっ?」

リョウ「君を見てると重心が右に偏りがちなんだ。だから、反動にうまく耐えられなくて倒れるのさ」

長門「貴様、何を…」

リョウ「射撃の筋自体は、そんなに悪く無い。反動をうまくコントロールさえできればきっと上手くいくよ」

提督「…吹雪、もう一度行けるか?」
28 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:48:42.19 ID:SAcWkNuj0
長門「いいのか!?こんな奴の言うことを信じて!?」

香「大丈夫よ。リョウがそう言うならきっと間違え無いわ」

長門「だが…」

ガァァン! ガァァン! ガァァン! ガァァン!

リョウ「…これでも不安か?」

大淀「拳銃であんな先の的のど真ん中に当てるなんて…あれ?でも、穴は1つだけ?」
29 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:50:43.94 ID:SAcWkNuj0
長門「…四発撃って一発とは。確かに中心に当たったのはすごいかもしれんが、一発ならマグレ…」

リョウ「よく見てみろ」

大淀「…えっ、でもセンサーでは4発反応が…えっ、嘘っ!?ど、同一弾痕!?」

長門「なっ!?」

吹雪「す、スゴイ…」

提督「これが噂に聞くピンホールショット…。そ、それも四発とは。さすがですね」

リョウ「…俺を信じてもう一回やってみるかい?」

吹雪「はい!司令官、もう一度やらせてください!」
30 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 22:52:56.88 ID:SAcWkNuj0
提督「よし、始め!」

吹雪「よし、(体重を少し左に…)」

ドーン!

提督「…命中。いいぞ吹雪!」

吹雪「やった…当たった!司令官、私やりました」

提督「気を抜くな吹雪!まだ、終わってないぞ」

吹雪「はい」

リョウ「喜びからか、手が震えてる。左手も使ってしっかり保持するんだ!」

吹雪「は、はい!」

ドーン!
31 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 23:13:20.30 ID:SAcWkNuj0
大淀「すごい、全弾命中です」

「おぉー」

吹雪「やりました、私やりましたー!」

提督「吹雪、お疲れ様。よくやったぞ」 (ナデナデ)

吹雪「えへへ…ありがとうございます、司令官」(キラキラ)

暁「……」

吹雪「あの、えっとー…」

リョウ「冴羽リョウだ」

吹雪「冴羽さんも、ご指導ありがとうございました!」

リョウ「俺はただアドバイスしてあげただけだ。実際に命中させたのは君自身の力だ、自信を持つんだ」

吹雪「はいっ!」

俺が言った事を意識して、頑張るんだ。君の腕ならまだまだ上達できる」

吹雪「あ、ありがとうございました」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 23:25:21.20 ID:EWIiuFSjo
ワンホールショットじゃなかったっけ?
あとそんなに長距離は本人いわく無理、ただし特別な銃を用いれば話は別と言ってた覚えが
33 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/28(金) 23:30:14.80 ID:SAcWkNuj0
クイクイ

リョウ「ん?」

暁「えっと…その…」

雷「すごいわ。私にも射撃を教えてくれないかしら。射撃がうまくなれば、もぉぉと、司令官に頼ってもらえるようになるもの」

暁「ちょっと、こういうのはお姉さんである私が先でしょ!」

響「さっきのは実にハラショーだった、私にも指導をお願いしたいな」

電「わ、私も教えて欲しいのです」

ワタシモ!ワタシモ!

リョウ「わっ、わっ。ちょっと落ち着けよ」

ガヤガヤ

香「良かったわねぇ、リョウモテモテで」

リョウ「冗談じゃないぜ!俺はもっともっこりボディーの子が…わっ、引っ張るなー」
34 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 00:01:29.29 ID:RpndpheE0
長門「……」

提督「どうした?嫉妬か?」

長門「なっ、し、嫉妬など…」

リョウ「……!わかった、わかった。教えるから落ち着けよ。ただし、こう人数が多いとここじゃちと狭いから、向こうでやろう。そうだ、せっかくだから、君も一緒に教えてあげよう」

五月雨「えっ、私ですか?い、いえ…私は、別の鎮守府ですし…」

リョウ「いいから、いいから」

五月雨「えっ、あっちょっとー」

提督「あっ、冴羽さん」
35 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 00:05:20.82 ID:RpndpheE0
「訓練ですか。ご精が出ますなぁ」

提督「ん?あぁ、大本営直轄憲兵隊の青柳中尉、ご苦労様です。一体どうされんですか?」

青柳「見回りですよ。最近の艦娘失踪が相次いでますからねぇ」

提督「我が鎮守府の警備体制は万全です。アリ一匹通しませんよ。それに、うちはブラックだなんて呼ばれるなシフトではないですしね」

青柳「何も、お宅の勤務体制を疑ったりはしませんよ。あくまで各鎮守府の現状や、艦娘たちに怪しい言動が無いか見て回ってるだけですから」

提督「そうですか。ご苦労様です」

青柳「えぇ、ではこれで。…あっ、そうそう」

提督「なんでしょうか?」
36 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 00:13:12.81 ID:RpndpheE0
青柳「数日前、逮捕された提督がいるのはご存知ですよね?」

提督「…えぇ、報告は受けてますが…」

青柳「昨日、後任の方が着任されたんですが、駆逐艦が一隻行方不明らしいですよ。えっと、五月雨だったかなぁ」

提督「はぁ…。例の失踪騒ぎですかな?」

青柳「その辺は、目下調査中なんで、なんとも…お宅はあそことは近いですからねぇ、もし、行方不明の艦娘を発見したら速やかに報告してください。まぁ、無いとは思いますが、報告無しに匿ったりだのしたら重罪ですからねぇ」

提督「心得ておりますよ」

青柳「よろしくお願いします。では、他もあるんでこれで」

提督「ご苦労様です」
37 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 00:16:02.42 ID:RpndpheE0
香「なんか、いけ好かない感じの人」

提督「憲兵なんて、あんなもんですよ。まぁ、あの人はちょっと陰湿な感じはありますが。…さて、訓練を再開するぞ。っと、次は戦艦の番か」

長門「ビックセブンの力侮るなよ」

比叡「気合!入れて!行きます!」

ドォーン! ドォーン!

香「さすが、戦艦とかいうだけあるわ。前の子たちとは威力が桁違いね」

リョウ「うーん。確かに、戦艦だけあって色々とBIGだぜ」(もっこり)

香「ええ加減にせんかい!」

ドカァァァァァン!(10t)

提督「…えっと、次は、山城か」
38 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 00:20:53.91 ID:RpndpheE0
香「まったく。あの娘達に教えてあげるんじゃなかったの?」

リョウ「休憩だよ、休憩」

提督「…撃ち方始め!」

山城「主砲、よく狙って‥てぇーっ!…そんな、外れた!?」

提督「…外れたか、らしくないな…」

山城「…もう一度、よく狙って…」

リョウ「…待て!」

山城「てぇーっ!」

ドォーン! ドカァァン!

比叡「ひえぇぇー!」(中破)

山城「…えっ、そんな…」

提督「なっ!?」

39 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 00:49:33.48 ID:RpndpheE0
山城「…う、嘘…。私ちゃんと狙ったのに…」

提督「馬鹿な…」

リョウ「伏せろ!」

提督「えっ!?はっ」

ドォォン!

長門「山城、提督を狙うとは何事だ!?」

山城「…そんな…艤装が勝手に…」
40 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 00:55:36.14 ID:RpndpheE0
提督「…ゲホッ…ゲホッ」

リョウ「…間一髪だったぜ」

香「リョウ!提督さん!大丈夫!?」

リョウ「…何とかな」

長門「おとなしくしろ!」

山城「…うぅ…わたし、狙ったわけじゃ無い…」

長門「提督に手を挙げるなど解体も覚悟の重罪だぞ」

山城「…解…体…不幸だわ…」
41 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 01:10:08.42 ID:RpndpheE0
リョウ「…彼女は悪くないさ。離してやりな」

長門「なんだと!?こいつは、比叡と提督を」

提督「…長門、山城を解放するんだ。」

長門「なっ、提督!いいのか?」

提督「…この場で艤装を解除してな」

長門「…了解した」

提督「ほかの者は、比叡をドックへ運べ。すぐに入渠させるんだ」

一同「はいっ」
42 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 01:16:34.33 ID:RpndpheE0
提督「…冴羽さん、助かりました。ありがとうございます」

リョウ「…あの艤装ってやつの手入れなんかはどこでやってるんだ?」

提督「基本は鎮守府内の工廠で行ったりしますが…まさか」

リョウ「…おそらくね」

提督「…馬鹿な」

リョウ「それを確かめるためにも、一度あの艤装を調べた方がいいな」
43 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 01:26:08.36 ID:RpndpheE0
工廠

夕張「…うわぁ、なにこれ…」

明石「…ひどい。照準の管制系統がめちゃくちゃ…前に見たときは何ともなかったのに」

提督「…やはり、艤装に細工が」

リョウ「…この艤装って奴については良くはわからんが、誰でも弄れるものなのか?」

夕張「馬鹿言わないでください。艦娘でもこんな手の込んだところまではできませんよ。ましてやその辺の素人がいじれるような代物じゃないです」

明石「ここまでとなると私のような工作艦か妖精さんぐらいしか…後は人間だと大本営に居る艤装専門の技官の人位しか」

リョウ「なるほどね。じゃあ、その辺の軍人がおいそれとはいじれないわけだ」

提督「…妖精さんたちが勝手な事するとは考えずらい…となると大本営の技官しか…だが、上層部が何でそんなことを…」
44 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 01:30:40.77 ID:RpndpheE0
リョウ「そんだけ、上はあんたが目障りなんだろうな」

提督「まさか…なんで大本営が俺の事を…あのデータか」

リョウ「おそらくね。上層部の全部が悪ってわけじゃないだろうが、そんだけ、今回のことは裏が深いんだろう」

提督「一体、あいつは何を調べていたんだ…」

リョウ「それは調べてきゃいいとして、彼女はいいのか?」

提督「…はっ、そうだ、山城ー!」
45 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 01:31:42.68 ID:RpndpheE0
山城「…不幸だわ…はぁ…」

提督「山城!」

山城「姉様!?…提督ですか」

提督「山城、今回のことは…」

山城「…私が悪いんです…はぁ、不幸だわ…」

提督「いや、違う今回のは事故だ!君は悪いわけじゃない!」

山城「事故だったとしても…きっと、私の不幸が原因です…」

提督「山城…」
46 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/29(土) 01:42:45.51 ID:RpndpheE0
今回はここまでです
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 13:25:17.20 ID:kKU/x7gU0
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 00:02:05.18 ID:36tSd+J+O
>>32
ピンホールショットで合ってる
敵の銃、その銃口に弾丸を放り込むのをアニメではホールインワンショットと呼んでた
でパイソンだと最大射程は15m、41マグナムの「ワン・オブ・サウザンド」で50mに成功してた
49 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/30(日) 01:27:32.04 ID:ToxAAAtS0
山城「…不幸だわ…はぁ…」

提督「山城!」

山城「姉様!?…提督ですか」

提督「山城、今回のことは…」

山城「…私が悪いんです…はぁ、不幸だわ…」

提督「いや、違う今回のは事故だ!君は悪いわけじゃない!」

山城「事故だったとしても…きっと、私の不幸が原因です…」

提督「山城…」
50 : ◆62IWBozqOg :2017/04/30(日) 01:29:37.55 ID:ToxAAAtS0
リョウ「…そうやって、不幸を背負い込むのはやめたらどうだ?」

提督「冴羽さん」

リョウ「何事も不幸だからで片付けていちゃ何も解決しないぜ」

山城「…何も知らないで…私は不幸からは逃れられないのよ…それが運命なんだから…」

提督「…冴羽さん。私も彼女が少しでも元気になればと、考えては見たんですがやはり艦の記憶が…彼女、戦艦山城は…」
51 : ◆62IWBozqOg :2017/04/30(日) 01:35:26.59 ID:ToxAAAtS0
リョウ「確かに、日本初の弩級戦艦として建造ながら、欠陥戦艦って呼ばれたり、予備扱いで戦いに出れなかったりと、確かに戦う為に作られた戦艦としては不幸だったかもしれない。…だけど、今の君は違う」

山城「どういうこと?私は、戦艦山城よ…」

リョウ「戦艦の記憶を持っていて戦艦山城として戦っているかも知れないが、君は軍艦とは違う。艦娘ってのは船と違って誰かに動かしてもらうんじゃなく、自分の意思で行動できるはずだ」

山城「…」

リョウ「船としての記憶がどれだけ影響してるのかは知らんが、自分が不運なのは過去の記憶のせいだとあきらめて、自らの運命と戦おうともせずに
逃げてるだけじゃ一生不幸なままだぜ」

山城「…」
52 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/30(日) 01:56:51.32 ID:ToxAAAtS0
山城「…私だって不幸な人生はいやよ。…でも、今までずっと不幸…これは抗えない運命なのよ…今回のことだって」

リョウ「…戦艦ってのは戦う為の船なはずだ。なら、自らの運命とも戦うべきなんじゃないかな」

山城「…っ…」

リョウ「…たとえ抗えなかったとても、何もせずに身を任せるよりは自分の意思で最後まで全力で向き合ったほうが何倍もましだと思うがね」

山城「……」

リョウ「どうするかは君次第だ。軍艦だった時違って誰か動かしてくれる人が居るわけじゃ無い、決断するのは君自身だ」
53 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/30(日) 02:07:42.70 ID:ToxAAAtS0
山城「……私は…私は…」

リョウ「…焦らなくてもいい。これは君自身の戦いなんだ、俺や提督が何か言う権利は無いさ。好きなだけ悩んで答えを出せばいい。君が出した答えなら提督だってきっと納得してくれるさ」

山城「……冴羽さん」

リョウ「ふっ」

提督(あれ?なんか、俺空気になってない…)

トントン

五月雨「あ、あのー」
54 : ◆62IWBozqOg [sage saga]:2017/04/30(日) 02:11:46.14 ID:ToxAAAtS0
提督「ん?五月雨じゃないか。どうした?」

五月雨「…冴羽さんに練習が終わって30分したら執務室に来るようにって…」

リョウ「ちょうど時間通りだな。えらいぞ、五月雨君」

五月雨「…ありがとうございます///」

提督「これは、一体?」

リョウ「あのまま、あそこにいたんじゃまずい事になりそうだったから、練習がてら彼女を連れだしたのさ」
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