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【安価】京太郎「冥球島?」美穂子「ズバッと三振毎度ありっ!」【咲-Saki-】

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716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 23:25:23.44 ID:iMRoEps0o
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 23:30:28.82 ID:ivlDCk0v0
乙〜
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 00:03:46.74 ID:vY178HBA0
乙です
鶴姫さんのスーパープレイにミッポさんと哩ぶちょー静かに闘志を燃やして居ますね
今度はミッポさんと哩ぶちょーがコンビネーションで鶴姫さんの嫉妬を買いましょう!
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 01:50:03.16 ID:aLk+8B2s0
乙です
720 : ◆3laD8YXeHGz8 [saga sage]:2017/05/31(水) 22:47:33.38 ID:oR3pcBWA0
こんばんわ。本日も更新はお休みさせていただきます。ご了承ください。
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 02:17:27.43 ID:exajtumIO
てょ好投したから京太郎も無失点で投げ続けて貰いたいなー
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 07:32:11.97 ID:8tCBLIN8O
打線はてょ相手に沈黙したんだよなあ
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 19:22:28.39 ID:YEzMx3ilo
このカード4番の差で終わりそう 悲しいなあ
724 : ◆3laD8YXeHGz8 [saga sage]:2017/06/01(木) 21:31:17.95 ID:gXsaZ8rW0
申し訳ありませんが本日も更新はお休みさせていただきます。明日は出来ると思います。それでは。
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 03:32:11.84 ID:c+KeFncAO
今日はソフトバンク戦か〜観戦に行きたいわ〜
726 : ◆3laD8YXeHGz8 [saga sage]:2017/06/02(金) 21:25:06.35 ID:w3LMQ12I0
ごめんなさい、昨日今日は出来ると思いますと言いましたがちょっと難しいです。
申し訳ないです。
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 22:01:57.13 ID:fu6OCZBro
はい
728 : ◆3laD8YXeHGz8 [saga sage]:2017/06/03(土) 23:20:32.02 ID:yE4NP13L0
明日は必ずやりますので本日もお休みさせていただきます。
更新が滞って申し訳ないです。
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:30:00.59 ID:K1SZ3gIJo
はい
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 09:25:48.77 ID:25iRaYiI0
お疲れ様です。頑張ってください
731 : ◆3laD8YXeHGz8 [saga sage]:2017/06/04(日) 21:45:05.93 ID:bLynq6pU0
乙ありです。なんとか今日は勝てて良かった、これで3タテ回避継続中ですね。
もう少ししたら再開します。
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 21:50:00.67 ID:9xtjw3Mio
今の筒香を敬遠したホークスベンチよ
サンキュー戸柱
733 : ◆3laD8YXeHGz8 [saga sage]:2017/06/04(日) 22:11:30.99 ID:bLynq6pU0
京太郎「…………」ポンポン

そして、3回の表。
マウンドに上がった京太郎は手の中で白球を弄びながらバックスクリーンに表示されたスコアを見る。
3−0。
序盤、立て続けの連打で一挙3得点を挙げてくれたとはいえ、先ほどの回では玄の前に三者凡退。
先頭のザコプロはともかく、続く美穂子、哩も打ち取られたのだ。

京太郎「(やっぱそう簡単にはいかないよなぁ……)」

伊達や酔狂で相手チームのエースを務めている訳ではないだろう。
傍から見てもわかる程にメンタルでの弱さが目立つ玄ではあるが、
やはり持っている実力自体は侮れるものではない。

京太郎「(さっきの三凡で調子を上向けられたら厄介だしなぁ……)」

ザッ

DJ「7番 レフト ザコプロくん」

ザコプロ「バッチコーイ!」

京太郎「(なら……俺がここでしっかり抑えて、流れを向こうにやらないようにしないとな)」

バッターボックスに入るザコプロを見やりながら、今一度帽子をかぶりなおし相対する京太郎。
基本的にお調子者の気はあるが、それ相応には奥手で慎重派でもある彼に、
慢心の2文字というものは無いのであった。
734 : ◆nG.043D0VA [saga]:2017/06/04(日) 22:18:41.18 ID:bLynq6pU0
………

智葉「……流れが来ればいい、とは言ったが、そういえばこの回は7番からか」

一方、ドラゴンズ側ベンチはといえばやはりあまりムードはよくない。
玄がようやく三者凡退で抑え、その実力を発揮したとはいえ、3点ビハインド。
それだけならばまだいいが、この回は7番からの攻撃。
ザコプロ、ザコプロ、そして本来は投手が打席に入らないパ・リーグに在籍をしていたカードを持つ玄の打席が回る回である。

はっきり言えば、期待が出来ない。

漫「やっぱり厳しいですね……ザコプロさんも色々試してくれてますけど」

智葉「……あまり効果が無さそうだからな」

彼女たちの視線の先では、今、まさにザコプロが打席に入って京太郎に挑んでいた。
当然、格上となる京太郎相手にザコプロも無策ではなく、
バントの構えから京太郎らバッテリーを引っ掻き回すよう――小細工を弄していた。

ただ、問題点があるとすれば京太郎も霞もその行為にあまり慌てていないという点である。

竜華「ザコプロくんファイトー! かっとばせかっとばせザッコプロー!!」

健夜「が、がんばれ〜」

唯一、能天気に応援している竜華と応援くらいしかする事が無い健夜だけがベンチの癒しである。

レフト側守備力合計:20+85+50+27=182
センター側守備力:35+85+45+55=220
ライト側守備力:25+45+20+27=117

↓1 投手選択肢・コンマ判定(内角攻め・外角攻め・低めに集める・くさいところ・敬遠)
↓2 打者側コンマ判定
↓3 打撃結果判定
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:19:13.80 ID:OtHcFkIio
内角
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:20:30.60 ID:S5Lq0JSzo
ほい
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:20:43.62 ID:9xtjw3Mio
ほい
738 : ◆nG.043D0VA [saga sage]:2017/06/04(日) 22:33:51.28 ID:bLynq6pU0
>◆nG.043D0VA=真ん中返し
>京太郎:変化55+コンマ80=135
>ザコプロ:巧打20+コンマ60−読み違い−10=70
>【アウト】

バシィッ!! アァァァァイイッ!!!!

ザコプロ「うえええぇぇぇぇっ!? 今の入ってんのかよ!?」

霞「ナイスボール、京太郎くん!」ビュッ

京太郎「あざっす」パシッ

バントの構えをして揺さぶろうとしていたザコプロだったが、京太郎達はこれに構わず通常通りに攻めた。
例えばこれでザコプロが特別バントの名手だったという事ならば、警戒をしたかもしれない。
絶妙に打球を転がしたバントを一塁側と投手側の間に転がされていたら、やえの守備力を考えれば何かが起こっていたかもしれない。
或いはそうでなくても、ザコプロが足の速い選手だったならば、それだけで警戒をしたくなるだろう。

ただ、残念ながらザコプロは何をとっても平凡な選手であり、京太郎と霞もそれを知っていた。
だからこそ不用意に警戒する事なく、普段通りに攻めたのである。

結果、ザコプロは内角ギリギリいっぱいに決まったボールにバットを引いての見逃しの三振。
仮にバットを合わせていたとしても、うまく転がせていたかもわからないほどにそのボールには威力があった。
739 : ◆obZt3FCa4g [saga]:2017/06/04(日) 22:46:08.84 ID:bLynq6pU0
DJ「8番 ライト ザコプロくん」

ザコプロ「くくく、6番のザコプロも7番のザコプロも所詮はこの俺の前座でしかない」

全く同じ顔をした8番打者のザコプロが打席に向かう中、ネクストには玄が向かう。

玄「よいしょ……それでは松実玄、いってまいります!!」

慣れないヘルメットをかぶり、バットを片手にベンチを出る玄。
異常に入っているらしい気合を見て、思わず菫が声をかける。

菫「無理にボールに当てようとしなくていいぞ、松実。 相手の須賀は2アウトまで取った後、そのままテンポよく3アウトも取ってくる。
  この中にいる誰でもそう容易くヒット性の当たりは出せない。
  おまけに、球威もとんでもないからな……下手に手に負担をかける訳にはいかんぞ」

玄「えっ……でも、3点差ありますから! やれるだけ、やってきます!」フンス

菫「……ああ、ただ、何度も言うが無理だけはするなよ」

玄「お任せあれっ!!」

レフト側守備力合計:20+85+50+27=182
センター側守備力:35+85+45+55=220
ライト側守備力:25+45+20+27=117

↓1 投手選択肢・コンマ判定(内角攻め・外角攻め・低めに集める・くさいところ・敬遠)
↓2 打者側コンマ判定
↓3 打撃結果判定
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:47:29.93 ID:tjF7hZRxO
低め
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:47:52.04 ID:RuW0e+yIO
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:48:22.94 ID:mo9i0gXDO
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:49:49.33 ID:9xtjw3Mio
外角
744 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga]:2017/06/04(日) 23:08:54.26 ID:bLynq6pU0
>◆obZt3FCa4g=zako内角
>京太郎:変化55+コンマ93=148
>ザコプロ:巧打20+コンマ04−読み違い−30=−6
>【アウト】

ブンッ!! ズバァンッ!! アァァァァァイイイッ!!!

ザコプロ「………………」

京太郎「よし!」

玄「(うわぁ……やっぱり間近で見ると凄い速い……)」

大きな事を言った割には、やはりザコプロは悲しい事にザコプロであった。
あまりにもあっさりと三球三振。
バットにまるで掠りもしないそのボールの威力を見て、思わず玄も息を呑む。

DJ「9番 ピッチャー 松実玄」

玄「でも、頑張らないと……だもんね! よーし、打つぞー!」フンス

京太郎「ふぅ……」

須賀京太郎の【攻撃に繋がるリズム】発動中 球威・変化+20

京太郎「(最後まで気を抜かず、この回も3人で仕留める!)」

レフト側守備力合計:20+85+50+27=182
センター側守備力:35+85+45+55=220
ライト側守備力:25+45+20+27=117

↓1 投手選択肢・コンマ判定(内角攻め・外角攻め・低めに集める・くさいところ・敬遠)
↓2 打者側コンマ判定
↓3 打撃結果判定
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:13:21.86 ID:9xtjw3Mio
外角
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:13:58.09 ID:OtHcFkIio
747 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga sage]:2017/06/04(日) 23:19:27.92 ID:bLynq6pU0
>◆tnzV9X3uAFVy=センタークロチャー
>京太郎:変化75+コンマ86=161
>玄:巧打20+コンマ09−読み違い−10=19
>【アウト】 【3アウトチェンジ】

789とあっさり三者凡退、という所で短いですが一旦ここで区切らせていただきます。
それではお付き合いありがとうございました。
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:21:14.75 ID:9xtjw3Mio
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:21:37.48 ID:OtHcFkIio
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 00:36:40.12 ID:n/8gC/Tj0
乙ー
やっぱ京ちゃんは安定してんなー
751 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga sage]:2017/06/05(月) 23:26:02.37 ID:uCG6hSas0
本日も更新はお休みさせていただきます。お疲れ様です。
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 00:52:35.07 ID:cxC4aVhM0
お疲れ様です。
753 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga sage]:2017/06/06(火) 23:04:12.37 ID:F37/Kdck0
本日も更新をお休みさせたいただきます。明日は出来ると思いますのでよろしくお願いします。
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 20:52:09.97 ID:PwP7ffAT0
了解しました。楽しみに待ってます。
755 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga sage]:2017/06/07(水) 22:02:17.77 ID:2hQvaXdn0
楽天相手に勝ち越しとは夢にも思いませんでしたね
もう少ししたら再開します。
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 22:09:29.77 ID:YtmuTbSYo
だいぶ楽天の自滅だったけどなww
今日の倉本くんは猛打賞だけどゆるさないよ
757 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga sage]:2017/06/07(水) 22:44:42.63 ID:2hQvaXdn0
>◆tnzV9X3uAFVy=センタークロチャー
>京太郎:変化75+コンマ86=161
>玄:巧打20+コンマ09−読み違い−10=19
>【アウト】 【3アウトチェンジ】

ビュッ!!

玄「えいっ!!」ブーン

ビュッ!!!

玄「やぁっ!!」ブーン

ストンッ

玄「それっ!!」ブーン

アァァァァァイイッ!!!

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玄「あれ!? もうアウト!?」

京太郎「(打席に立つのに慣れてない……にしても何も考えず振り回し過ぎでしょ……)」
758 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga sage]:2017/06/07(水) 22:58:27.25 ID:2hQvaXdn0
何度も言うように、玄の打者としての能力は高くは無い。
彼女が持つ一場のカードは、選手生活後半DH制を採用していないセ・リーグ球団へと移籍をしてたが、
そこでもイマイチパッとしなかった彼は打席に立つ機会が少なかった。

その程度の打撃能力を持ち、更には気合が空回りする事に定評のある玄である。
素人目から見てもぐちゃぐちゃなバッティングフォームからバットを無暗に振り回すバッティングは、
京太郎のボールを捉える事が出来ず……最後には大きく落ちるフォークを振らされ、三球三振に終わるのだった。

ワアアアアアアアアアアアアッ!!

横浜応援団「3回パーフェクト!」「ノーノーある?」「ノーノーどころか完全試合いけそう」

京太郎「観客の人もポジティブ過ぎる……」

美穂子「でも実際、京太郎くんここまで危なげないから……」

京太郎「いやいや、さっきの回もヒヤリとした打球はありましたし3回抑えたくらいでノーノー意識させられたらたまったもんじゃないですよ」

とぼとぼとベンチに戻る玄の背中を見送りつつ、京太郎もまた内野陣と共に下がる。
そんな京太郎に観客たちからは歓声と期待の声が浴びせられるのだが、京太郎の言う通りまだ3回。
ノーヒットノーラン、完全試合を期待されても……という気持ちになるのも致し方ない事である。

霞「ノーヒットノーランとかはともかく……体力的にはどうかしら? 球数はこの回かなり抑えて投げられたと思うけれど」

京太郎「このペースなら6回までなら問題ないと思います」現在体力50/70

霞「そう。 ……後ろには睦月ちゃんもいるのだもの、配分は考えず飛ばしていきましょう」

京太郎「はい!」
759 : ◆tnzV9X3uAFVy [saga sage]:2017/06/07(水) 23:30:35.73 ID:2hQvaXdn0
………

DJ「3回裏 ベイスターズの攻撃は 3番 レフト 津山ぁぁぁぁぁ睦月ぃぃぃぃぃ」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

睦月「うむっ!」

そして、攻守交代。
この回ベイスターズの攻撃は3番睦月からの好打順である。
ここでなんとしても追加点をと観客からの歓声も一際大きくなり、その声を聞きながら睦月はバッターボックスへ。

睦月「(この回は私が先頭……なんとしても出塁して小走さんや竹井さんに繋げたい……。そして……)」

睦月の【道を切り開け】発動中 巧打力+20

睦月「さっきの打席でツーベースを打って、私の筋肉もエキサイトしている!」

睦月の【道を切り開け】発動中 長打力+20

菫「(……何を言っているんだこいつは)」

鼻息荒く、素振りをして筋肉のエキサイト具合を確認する睦月。
彼女の様子を見て菫は呆れ混じりに嘆息するが、決して侮る事はしない。
睦月の素振りは先ほどの打席に比べ、鋭く速い。
彼女の言っている言葉の意味は理解できないが、少なくとも調子を上げているというのは事実だと判断出来たからである。
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 23:30:51.71 ID:PwP7ffAT0
ここのクロチャーはやたらポンコツ可愛いな
クロチャー以外のポンコツたちも可愛いが
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 23:34:27.95 ID:YtmuTbSYo
バカか? と言わない有情さ
762 : ◆bofbP1QQ9k [saga]:2017/06/07(水) 23:51:13.19 ID:2hQvaXdn0
菫「(とにかく先頭を切る事だ。 この回を抑えれば、次の私たちの攻撃は1番の鶴田から……。
   いい流れで攻撃に移れるように、まずは1つアウトを取るぞ)」

玄「(お任せあれ!)」

とにもかくにも、ここを抑えないと話にはならない。
既に3点のビハインドを喫している以上、この先のスコアボードに0を並べ続けなければ逆転も難しい。
打者が一巡し、京太郎の投球を見たうえで、
彼から大量点を奪う事は難しいと菫のみならず他の者たちも考えていたのだから。

そんな気持ちを知ってか知らずか、玄は強く首を縦に振る。
先ほどの打席では結果が出せなかったとはいえ、その前をしっかりと三者凡退で抑えられた事で、いくばくかは気持ちも落ち着いたようである。

玄「(これ以上点を取られる訳にはいかないよね……この回も、きっちり抑えるんだ!)」

レフト側守備力合計:20+62+20+15=117
センター側守備力:30+62+60+30=182
ライト側守備力:10+60+20+15=105

↓1 打者選択肢・コンマ判定(引っ張り・流し打ち・センター返し)
↓2 投手側コンマ判定
↓3 打撃結果判定
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 23:52:03.89 ID:YtmuTbSYo
センター返し
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 23:52:49.97 ID:ve6WNccA0
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 23:53:12.69 ID:pX89jOv6o
766 : ◆bofbP1QQ9k [saga sage]:2017/06/08(木) 00:06:39.85 ID:JCCCGa+40
>◆bofbP1QQ9k=インクロー
>睦月:巧打80(横浜愛・道を切り開け・リズム加算済み)+コンマ89−読み違い−10=159
>玄:変化25+コンマ97=122

>玄:球威55+(睦月:長打90−読み外し−30)=−5
>打撃結果判定69 【シングルヒット】

クロチャー早速被安打という所で短いですが一旦ここで区切らせていただきます。
中々思うように書けず申し訳ないです。お疲れ様でした。
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 00:08:42.26 ID:yVNTaI3ho
基本じゃなくて一番自信のあるボールできたか
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 22:33:29.12 ID:SFg90Bwe0
乙です。
769 : ◆bofbP1QQ9k [saga sage]:2017/06/09(金) 00:09:43.44 ID:0FfeIFWN0
帰宅が遅くなってこの時間でした。
申し訳ありませんが今日もお休みさせていただきます。
770 : ◆bofbP1QQ9k [saga sage]:2017/06/09(金) 21:37:07.38 ID:0FfeIFWN0
本日もお休みさせていただきます。明日は更新出来ると思います。
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 22:15:46.47 ID:k0zMTEq60
お疲れ様です。頑張ってください
772 : ◆bofbP1QQ9k [saga sage]:2017/06/10(土) 22:18:13.71 ID:JuLc4owg0
乙ありです。もう少ししたら再開します。
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 22:27:04.31 ID:mX0rt95S0
やったぁ!
774 : ◆bofbP1QQ9k [saga sage]:2017/06/10(土) 22:43:55.28 ID:JuLc4owg0
>◆bofbP1QQ9k=インクロー
>睦月:巧打80(横浜愛・道を切り開け・リズム加算済み)+コンマ89−読み違い−10=159
>玄:変化25+コンマ97=122

>玄:球威55+(睦月:長打90−読み外し−30)=−5
>打撃結果判定69 【シングルヒット】

ガギィンッ!!

睦月「(さっきよりも球威が増してる? 結構球数も投げた筈なのに……)」

菫「(よし……やはりランナーさえ溜まらなければ、松実の球はそう簡単には打たれない)」

先ほどの打席では美穂子、哩と立て続けにヒットを許し、動揺をしていた為に本調子には程遠かった玄。
しかしながら今はランナー無し。
その直球には威力があり、睦月は捉えた筈の当たりを立て続けにファウルにしてしまう。
カウントはノーボール2ストライク。

菫「(今度もインだ。 腕を強く振って投げ込め)」スッ

腕を振るジェスチャーをしながら、強くミットを叩いてサインを出す菫。
これに対して玄もまたコクリと頷くと、3球目を投じるのだが――。

睦月「(またインコース! しまった!!)」

グギィンッ!!

玄「や、やった!」

菫「! (まずい……微妙な!)」

この速球にも睦月は手を出し、しかし当たりそこないのフライとなってセンター方向へと飛んでいく。
これを見て玄はホッと一息つくのだが……その軌道を見て、菫は小さく歯噛みをした。
775 : ◆bofbP1QQ9k [saga sage]:2017/06/10(土) 22:58:24.36 ID:JuLc4owg0
ポーンッ!!

姫子「くっ……!」

漫「アカン!」

玄「あ、あれ?」

確実に押し込んではいたが、それでも睦月の長打力も筋肉がエキサイトした事により上がっている。
ボールは明らかに打ち取った当たりではあるが、半端な飛距離。
セカンドが下がって取るには後ろ過ぎ、そしてセンターが前に出て取るには前過ぎる。

いわゆる、テキサスヒットとなってセカンドとセンターの間に落下。

睦月「……ラッキーだった(とりあえず出られて良かったけど、ああも厳しく突かれたらやっぱりそうそう打てないなぁ)」

ラッキーなヒットとなった睦月はファーストベース上で苦笑いをするのだが、
一方で打ち取った筈の当たりがヒットになってしまったアンラッキーな玄はガックリと、
それはそれは目に見えて落ち込み肩を落とすのだった。

姫子「す、すまんね。 あいだけ守備ば任せって言うとって取れんで」

玄「あ、いえ! だ、大丈夫!! あとを抑えれば問題無いもんね!」

姫子「ん……今度はしっかり止めるけん、頼むばい」

しかしながら、玄としても姫子たちに当たる訳にはいかない。
申し訳なさそうにしてマウンドに駆け寄ってくる姫子を相手に笑みを浮かべるのだが……。

玄「はぁぁ……」

菫「(どこからどう見ても空元気だ……というかそういう態度を表に出すなとあれほど言ったのに……)」

不運と思っていてもやりきれない、そんな表情の玄を見て菫も溜息を吐きたくなるが、気を引き締める。

ザッ

やえ「ずいぶんと湿気た顔をするようになったな松実は……」

菫「(言ってくれる……しかし、ここで4番の小走か……)」
776 : ◆DmzO5Qz43c [saga]:2017/06/10(土) 23:12:06.14 ID:JuLc4owg0
今日の試合でもタイムリー、前回の試合ではホームランも放っているベイスターズ不動の4番やえ。
ランナーのいる場面で迎えたくない打者。
出来れば勝負は避けたいが、ここで歩かせる訳にもいかない。
玄の精神的にも、そして戦術的にも無しである。

やえ「そろそろ引導を渡してやろう。 5点も差が開けば諦めもつくだろう」

菫「(減らない口だが、相手にする事は無い。 ……しかし、5点? 一発狙いのつもりか?
   いや、いや……相手にするな。 私が動揺してどうする)」

玄「………………」

菫「(松実がああな以上、私が冷静にならなければ……。 ……よし)」

やえの軽口に惑わされないように、と気合を込め直し、サインを送る菫。
玄は少しだけ目を泳がせた後、一つ頷いた。
彼女がやえの方を見ようとしなかったのは、意識的だったのか無意識だったのか、本人にもわかっていない。
ただ1つ言える事は、この状況、やはり玄はやえの事を恐れていたという事だけである。

レフト側守備力合計:20+62+20+15=117
センター側守備力:30+62+60+30=182
ライト側守備力:10+60+20+15=105

↓1 打者選択肢・コンマ判定(引っ張り・流し打ち・センター返し)
↓2 投手側コンマ判定
↓3 打撃結果判定
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 23:13:11.82 ID:VmbeZS2oo
流し打ち
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 23:13:43.17 ID:mX0rt95S0
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 23:13:47.73 ID:gbffCWXuO
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 23:24:55.52 ID:UDMHksh+0
あれこれクロチャーヤバイ?
781 : ◆DmzO5Qz43c [saga sage]:2017/06/10(土) 23:42:59.06 ID:JuLc4owg0
>◆DmzO5Qz43c=徹底にイン
>やえ:巧打55+コンマ82−読み外し−14(ノーステップ効果)=123
>玄:変化25+コンマ17=42

>玄:球威55+(やえ:長打75−読み外し−30)=10
>打撃結果判定73 【ツーベースヒット】

ズバァンッ!!

やえ「………………」

菫「(振ってこない……何を待っている?)」

ここまで菫が要求したボールは、打ち気を誘ってのストライクからボールになる変化球、
構えたのはボールだったが逆玉が上手くインコースに決まった形のストレート、
そしてインハイ高めへのストレートの3つである。
いずれもやえはバットを振らず、最後の球は胸元への速球だったにも関わらず軽く避ける動作を見せるだけ。
驚いた様子もなければ怖気づいた様子も無い。

菫「(少しは臆してくれた方がやりやすいのだが……低めも見逃し、インコースにも手を出さない。
   ならば外か? ……松実、もう一球。 今度はゾーンに入れる)」

玄「(インコース高め……大丈夫、かなぁ。 小走さんのパワーだったら、持ってかれるんじゃ……)」

やえの読みに当たりをつけた菫は、もう一度インコースへのボールを要求。
これに玄は不安を抱きながらも、やはり首を振る事はなくその腕を振り一球を投じるのだが……。

ビュッ!!

玄「あっ」

菫「!?」

やえ「ふっ……!!」

ブゥンンッ!!
782 : ◆DmzO5Qz43c [saga sage]:2017/06/10(土) 23:51:37.62 ID:JuLc4owg0
ガキィイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!!!

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

玄「あ、あ、ああっ!!」

菫「(失投だ! よりにもよって外角に甘いボールを!!)」

菫の配球に疑問を持ち、腕がいつもより振れていなかったのかもしれない。
やえの絶対的な自信を前にして委縮をし、いつもより制球が甘くなってしまったのかもしれない。

過程はわからないし、今論ずる事ではない。
今あるのは、結果。
玄の投じた一球はやえの狙いすました外角の甘い半速球。
打ち頃のそれをやえが見逃す筈もなく、思い切りスイングしたバットは的確にボールを捉えてレフト方向へ。

ドンッ!!

ザコプロ「うおっ!?」

智葉「ザコプロ、早くしろ!」

ザコプロ「は、はい!!」

不幸中の幸いとしてスタンドに入るには飛距離が足りなかったが、それでもフェンス直撃。
クッションボールを拾ったザコプロは慌てて中継に入った智葉へと送球し……。

3塁コーチャーザコプロ「津山さんストップストップ!」

睦月「う、うむ!」

思ったより処理にもたつかなかった為か、ファーストランナーの睦月は3塁ストップ。
まだ、点は入ってない。入っていないが……。
誰がどう見ても、ベイスターズの得点チャンス。そして、ドラゴンズにとって……玄にとってのピンチであった。

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783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:11:11.35 ID:6YqC0YQA0
宥姉さんが居ない状況で玄ちゃーが頼れる人は誰か?
そんな中久部長が玄ちゃーに引導を渡すのか?
784 : ◆DmzO5Qz43c [saga sage]:2017/06/11(日) 00:12:41.28 ID:dP6zRIJ90
………

佳織「わー、津山さん凄く速い! 今のって帰れなかったのかなぁ?」

泉「レフト方向への打球ですし、難しいんちゃいます? 止めて正解やと思いますよ、無理する場面やないし。
  でも……こらもう1点、2点は覚悟せんとアカン展開やなぁドラゴンズ側は」

誠子「5点差になると厳しいね。 今日も須賀くんは絶好調みたいだから」

一方、この試合を観戦していた前回京太郎達が対戦をした3人組。
彼女たちはこの展開を見て各々感想を言い合いつつ、しかし1つの結論を出しつつあった。
ここまでの試合展開、そしてこの局面を見てもやはりベイスターズが優勢。
既に3点ビハインドの中、ドラゴンズ側は更なるピンチを迎えている。
玄の調子を見ても、ここを無失点で切り抜けるというのはあまりにも厳しい。

誠子「後ろには竹井さんがいるし、石戸さん須賀くんと続いていく。
   ……後者2人はクリーンナップよりはくみし易い相手かもしれないけど、
   それでもザコプロさん達よりは厳しい相手だし」

泉「何より竹井さんに犠牲フライすら打たせへんってのも難しいですね」

佳織「よくわからないけど、1塁が空いてるから歩かせちゃうのは駄目なのかなぁ?」

誠子・泉「「松実さんのコントロールで満塁とか自殺行為」」

佳織「そ、そうなんだ……」

誠子「(それにしても……一場、だっけ……)」
785 : ◆DmzO5Qz43c [saga sage]:2017/06/11(日) 00:25:05.20 ID:dP6zRIJ90
マウンドで項垂れる玄を見ながら、玄のカードを思い出す誠子。
彼女自身、玄のカードを見たり聞いたりした訳ではないが、背番号と投球フォーム。
そしてあまりのピリッとしない感じを見て、大よその予想はつけていた。

誠子「(よりにもよってというか、酷いカードを引いたな……松実さんも。
    ……まぁ、カードの性能を引き出せてなかった私が言えた義理じゃないけど)」

基本的に、今、出場をしている選手たち――ザコプロ以外の選手たちの能力は所持カードで決まる。
無論、練習をする事で更に力を伸ばす事はあるが、基本はカードの力だ。
カードは才能。練習は努力である。
誠子のように大当たりを引けてもカードの能力を引き出すには至らない可能性――。
もとい、【スランプ】という大外れスキルの能力を大きく引き出してしまう可能性もあるのだが、
それにしても玄の引いたカードは酷い、と誠子は思っていた。

何せ一場靖弘である。

色々と入団時に問題があり、その上で入団後も結果を出せずトレードに出され、その先でも結局芽が出ず。
ドラフト1位、未来のエースと期待されておきながら引退をした投手。

誠子「(私たちが引いたカードも、ある意味では共通点があるカードの筈なんだけど……)」

久ならば悪球打ちの名手、金城。悪待ちという特徴を持つ久にはうってつけ。
哩ならば姫子ありきで抜群のコンビネーションを持つ井端。
未完の大器と言われ、才能に関しては疑う余地のない大田のカードは、やはり初心者ながらも豪運を持つ佳織。
そして……あまり言えた事ではないが、ビッグマウスぶりとその結果の伴わなさから斎藤のカードは泉に。
誠子についても、恐らくは【スランプ】という所から小笠原のカードを引いたのだろう。

誠子「(そこを行くと、松実さんは期待されても結果が出せない永遠のエース候補って事かな?
    ……酷い話だけど)」

泉「……誰もマウンド集まりませんね」

誠子「下手に声かけると、余計プレッシャー与えるかも……って事なんじゃないかな。
   見るからに動揺してるし、さっき1回の攻防でも集まった後に速攻で打たれてたし」

泉「ピッチャーは結局、最後に頼れるのは自分だけですからねぇ……」

誠子「うん」

誠子「(気持ち的には、この場面は松実さんを応援したいかな……でも……やっぱり、このままだと厳しいだろうな)」
786 : ◆pm1SmnSF6s [saga]:2017/06/11(日) 00:32:48.05 ID:dP6zRIJ90
玄「あぁうぅ……」オドオド

久「なんか悪い事してる気分になってきたわね〜」ニコッ

菫「(笑顔で言う事じゃないだろうに……松実も……)」

そして、打席に入るのは久。
この絶好のチャンスで打席が回ってきた彼女は、それはそれは満面の笑みを浮かべており、
菫はそんな久の様子と玄の様子を交互に見て歯噛みをする。

菫「(ランナー2・3塁、ノーアウト、5番の竹井……)」

玄「う、うぅ……」

菫「(これで動揺しない松実じゃないか……)」

松実玄の【乱調】発動 ランナーを2人出すと発動。その回が終了するまで継続。球威・変化−10

菫「(……竹井さえ打ち取れば、後はまだやりやすい。 とにかく1アウト取るぞ……)」スッスッ

玄「(お姉ちゃんどうしよう……私、また点取られちゃうよ……!)」

レフト側守備力合計:20+62+20+15=117
センター側守備力:30+62+60+30=182
ライト側守備力:10+60+20+15=105

↓1 打者選択肢・コンマ判定(引っ張り・流し打ち・センター返し)
↓2 投手側コンマ判定
↓3 打撃結果判定
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:33:41.96 ID:W7fhO5DA0
センター返し
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:34:17.77 ID:98F5dVpo0
ほっ
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:34:27.20 ID:ly0o+7UDO
790 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/11(日) 00:38:56.48 ID:dP6zRIJ90
>◆pm1SmnSF6s=弱気に低め
>久:巧打65+コンマ96=161
>玄:変化15+コンマ77=92

>玄:球威35−(久:長打55)=−20
>打撃結果判定20+20=40 【タイムリーヒット】!

マシンガンでクロチャー粉砕という所で、短いですが一旦区切らせていただきます。
それでは。
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:43:18.64 ID:W7fhO5DA0
乙です
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:46:28.13 ID:98F5dVpo0
おつー
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:49:31.11 ID:6YqC0YQA0
乙です
いやはややっぱり打たれましたか
然も今迄ベイスターズ打線の読みを尽く外して来た弘世様のリードを読み切っての一打ですからね
益々智葉先生は玄ちゃーを見放すかも
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 03:10:24.37 ID:dm+W/kjN0
そしてすこやんは10点くらい取られるまで不調とさえ思わないんだろうな…
795 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/11(日) 21:49:23.02 ID:dP6zRIJ90
本日も更新はお休みさせていただきます。
明日はできると思いますのでよろしくお願いします。
796 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/12(月) 21:51:53.36 ID:6zGN+pkZ0
すみません、今日出来ると言いましたがちょっと難しいです。
明日は必ず更新しますのでよろしくお願いします。
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 23:25:02.35 ID:um1wJC5H0
了解待ってます
798 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/13(火) 22:20:09.80 ID:pHjQoYLc0
乙ありです。遅くなりましたがもう少ししたら更新再開します。
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 22:27:52.90 ID:UHeb5w83o
はいよー
800 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/13(火) 22:55:24.83 ID:pHjQoYLc0
>◆pm1SmnSF6s=弱気に低め
>久:巧打65+コンマ96=161
>玄:変化15+コンマ77=92

>玄:球威35−(久:長打55)=−20
>打撃結果判定20+20=40 【タイムリーヒット】!

菫「…………」

玄「…………」フルフル

久「(んー? 何投げてくるつもりかしら)」

打席に入り、久が構えると同時に――久からは見えないが、菫は玄へとサインを送る。
久の記憶の限りでは、基本的に玄はこの試合中首を振らない。
それが菫に対する信頼なのか、それとも単に思考停止で投げているだけかはわからぬが、
ともかく、これだけ玄が首を振るというのはこの試合初めての事だった。

状況が状況なだけに、玄が慎重になるというのもわかる話ではあるが――。

久「(普通なら、ここは松実さんが一番自信のある球を投げたがるってトコロなんでしょうけど)」

ピンチを抑えたい投手側の心理としては、やはり得意なボールで勝負をしたい筈である。
そして、玄の得意なボールといえばやはりストレート――それを生かすのはインコースへの抉るような際どい球である。
右投手が相手という事もあり、左打席に入っている久は右打席の時に比べてそうパワーが活かせる訳ではない。
ならばこそ、力で押し込むようにして1つアウトを取りたいと考えるのもうなずける、頷けるのだが……。

玄「…………」フルフル

久「(インコースで勝負しますって顔してないわよね……)」

玄「…………」コクッ

久「(ふーん……。 ……さて)」
801 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/13(火) 23:07:46.63 ID:pHjQoYLc0
菫「(1点は覚悟しなければならない場面……最悪ゴロを打たせようにも、
   竹井はあのツモのような叩きつけるバッティングを得意としている……ゴロの間に1点はしょうがない。
   だからこそ、インコースを突いてしまいたかったんだが……)」

玄「…………」

久の予想は当たっていた。
菫の要求したボールは、詰まらせる事を目的としたインコースへのストレート。
しかしながら玄はそのボールを頑なに投げる事を拒否した。
何故か。コントロールに悪い彼女の場合、このメンタルがあまりにも不安定な状況では最悪死球を与えて無死満塁にしてしまう危険性もある。
或いはインコースへのボールが甘く入れば、この狭い球場。簡単にスタンドへと運ばれかねない。
自分の制球にも球威にも自信が無い彼女は、インコースへと投げる事を拒んだ。

玄「(落ちる球で空振り……大丈夫、大丈夫! うまく引っかけさせればゴロだし……仮にヒットを打たれても、長打にはならない!)」

そして選んだボールは、落ちる球での空振り狙い。
玄はなけなしの勇気を胸に、投球フォームに入る。
その、初球であった。

久「残念ね……」

スッ!

玄「えっ!?」

カキィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!

                             ,从  , 从
           __            _, /圭7 /圭7 _ -‐' ニニ≧==ー――  ―  ー= ニ 三
        , '" 二ニ≧ー''  ,,。s≦壬圭7´ /圭7 /圭7" '"  ̄≫ '"´     __              ``
     <   / '" ̄ ,。s≦壬圭圭圭圭7  |圭7  -− '´     , . : . : . : . : . : . : . : ..,
  /         イ圭圭≫'””¨´7圭圭7,' /'´             , . : . : . : . : . : . : . : . : . : ..\
./ク __,。、 ,ィニY'"Y ニ≫”´_, -‐7圭圭7,'              /: . :./: . : . : . : . : . : . : . : . : .\
/ /´ } .} ィ==t、./   イ -−−7圭圭7              , : . : /: . : . : . .イ : . : . : . : . : . : . : ヘ
  ./ i i! , 「 ̄`i/ _,′  ーニ二7圭圭7` ー 二ニ=ー' "     , : . , ' : . : . : /: . : /: . : . : . : . : . : . : .,
  , .l ,' ,'.├‐ァイ  ̄´      7圭圭7__,>´         . : . /: . : . : , ' : . :./: . : . : . : . : . : . : . : . ト、
  { .V ./,ノ / 、_ __       7圭圭7 ̄             . : ../: . : . : /: . :., ' : . : . : . : . : ./}: . : . : . : .ヘ',
  i  {ソ  .ノ '´     ,。s≦壬圭≫”  ⌒` 、        7: .ノ: . : . :../: . :.//: . : . ; イ: .ノ .リ: . :}: . : ..i .i}
  ',    ノ    ィf壬圭圭≫'””´   _    \      7/: . : . : ., : . : /: . :>'"  '"´  ノ}: ./}: . : ..} .ii
  ヘ   〈ニ=-  >‐'””´ー ン´  , .':´. : . : . :`..‐-\__  _,ノ: . : . ノ: .ノ: . : . :./__`` 、     ノム !: . :.リ i!
.      、ー=‐ __,,> ´   /-‐ '' ‐- 、: . : . : . : . : . ヘヘ-‐'": . : . : .ノ{/ ィ芳_、     '"´  ノ: . :.,  ノ
   ∧   \ ̄ _ __     ノ'´     「 ̄>、ニニ : . : .ィノノ : . : .:_,/: .{ ‘ .乂,ュ;ノ`   ,ィf苅゙ア: . :./
    ∧       辷=―        i:;ii:;:;:;:;:;:;:;:;>‐- 、 \: . : . : . : 〈 i!     ´     ゞ-’イ: . ,   「その低い落ちる球……私が1番大好きな球なのよ」
ヘ  ヘ ∧へ、   ニ=-` ‐- /二、 ‐- ヘ:ii:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\ ` ー '' } }         ,   /: ../
    ヽ. \ ` ̄   ― ‐‐    ヽ  ヽ  ̄ ⌒ ー≦、⌒ヽ‐-\   _,'ヘ   、_      ノ: . ,
  \   ヽ  、     ニ=―    :}   }       ヘ  マ:;:;:;:; ̄´:ムノ   \   ー ’  イ: .>
\.  \ ヽ   >  ,_        ::i   i!        ヘ  マ:;:;:;:;:;:;:;:;:;ム    ` - <:.ヾr ´
\\  へ  、     >  ,_   ..:::i!   }     ',      マ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ム   / ̄: . : . /‐-、
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802 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/13(火) 23:19:00.68 ID:pHjQoYLc0
玄の落ちるボールが、決して一線級のボールという訳ではなかったというのもある。
だが、仮に一流投手のフォークボールだったとしても、久のバットに空を切らせるのは至難の業。
左打席の久は、落ちるボールにはめっぽう強い。

初球、正に読み通りだった配球に久は迷う事なくバットを出した。
掬い上げるように、しかしフライにはならぬよう絶妙な角度で。
走りながら久が打球の行方を見てみれば、ボールは綺麗な弧を描いてセンター前へ。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

玄「あ……」ヘタッ

その打球の行方を、同じく見ていた玄はその場に力無くしゃがみこみ。
急いでセンターの漫が跳ねるボールを拾っても時既に遅し。
3塁ランナーの睦月は見事に生還、2塁ランナーのやえは流石に帰れず――それでも3塁へ。

横浜応援団「いいぞ!いいぞ!竹井!!」「勝てる……勝てるんだ……!」「これはハマの龍神」

久「ふふふ、ま、ざっとこんなものね!」

タイムリーを放った久は1塁ベース上で満足げに笑みを浮かべ。

睦月「あの変態打ち……あれは間違いなく金城そのもの……」

ホームベースを踏んだ睦月は追加点に喜びながらも、久のバッティングに恍惚の溜息を吐き。

やえ「(……麻雀と野球、競技が違うとはいえ、あまりにも脆いな松実。 ……合同練習の際の意気込みはどうしたんだ)」

3塁ベース上のやえは、複雑な表情で玄へと視線を向ける。

玄は未だに立ち上がる様子すら見せなかった。
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 23:21:12.47 ID:HGdkN66Co
おまかせあれしちゃうから・・・
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 23:22:43.23 ID:LLAC/+R70
頑張ってクロチャー
805 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/13(火) 23:31:07.04 ID:pHjQoYLc0
………

健夜「あれ? これってもしかして凄くピンチなのかな?」

智紀「もしかしなくても大ピンチ」

そして、ドラゴンズ側ベンチ。
一部始終をここで見守っていたのは、リリーフ投手の智紀と監督である健夜。そして多数のザコプロさん達。
相変わらず健夜としては今がどれくらいのピンチなのか具体的にわかってはいなかったのだが、
それでも場の雰囲気やら得点の状況から割と大変である、という事だけは想像がついた。

智紀「……準備する? 今からだと、もう少し松実さんには耐えてもらわないといけないけど」

健夜「だ、駄目だよ! 沢村さんは体力無いから、早くても6回からの予定でしょ。 まだ3回だよ!」

智紀「でもこのままだとどう考えてもゲームはぶち壊し。というか今でも壊れかけ寸前」

3回裏で4点ビハインド。なおもノーアウト1・3塁。
おまけに玄は立ち直る気配すらないというおまけつきである。
ここから相手の打順は下位に向かっていくとはいえ、今の玄ではポコポコ打たれかねない。
体力的に厳しくても、智紀がここから投げるというのも致し方ない戦術ではある。

健夜「それでもエースは松実さんって言ったんだから、変えちゃ駄目だよ……。
   でもどうしたんだろう、本当に急に打たれるね。 気持ちを落ち着けたい所だけど……」

智紀「……一旦落ち着ける為にこういう場面だと投手コーチがマウンドに行くらしいけど、うちにはいない」

健夜「うん?」

智紀「……監督、行ってきます?」

健夜「え? 私? 行っていいの?」

智紀「別に監督がマウンドに激を飛ばしに行くのは禁止されてないから平気」

健夜「そうなんだ。 よし! それじゃあ監督らしい事してくるよ!」
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 23:39:06.96 ID:LLAC/+R70
大丈夫なんか
807 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/13(火) 23:39:54.96 ID:pHjQoYLc0
健夜「みんな〜!」タタタッ

姫子「あっ、監督……って(なんでこの人笑顔やと?)」

ようやく監督らしい事が出来る、とこの状況には相応しくない表情でマウンドへと向かう健夜。
既にその場には内野陣が集まっており、中心には玄がいるのだが……。

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            |Λ:: |l:::::::::: l|     \:Г _____ノ―-=ミ|].::::::::::|l:::::.  「うぅぅ……おねえちゃあ〜ん……」
              八 Yl::::::::::八抖芋ぅ  /   /     ヽ:::::::::|!!:::::.
                   |八ハ八Λ////// /_____|. .   \___ノ\::: |||::::::.
                   |: /|::::::::::Λ 。J   \))) |: : : \/     ∨||:::::::.
                  (__) |:::::: /:.込、о  _____  \___ノ.        Z:::::::::.
              从 |::::::::::::::: 个o。  `⌒′  Jl{: :  .:    V:::::::::::.
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            {Λ{ |::::::::::::::::: |l:::::::: /,仏{⌒ヽ::::::::::: /:        V    \
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               /|:::::::::::/  | ̄ ̄\/ ̄ ̄ ̄ ̄|: :.         V⌒ : : :|

健夜「うわっ!?」

玄は、相変わらずその場に座り込んで立てず。
おまけにボロボロと大粒の涙を零していた。
思わず健夜が驚きの声をあげたのも、無理からぬ事である。

健夜「あわわわ……ど、どうしたの松実さん。 お腹空いた?」

菫「どうしてそこでお腹が空いたという発想が出てくるんですか……」

姫子「松実、いい加減泣きやまんと……」

玄「でも、でも……みんなの点、いっぱい取られちゃったよぉ……」
808 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/14(水) 00:14:21.66 ID:Z5MuWGpY0
玄の脳裏にフラッシュバックするのは、やはり麻雀の全国大会の時の事である。
お任せあれ!と意気込んで臨んだはいいものの、点をムシャムシャと毟り取られた準決勝。
決勝はまだマシだったものの、それでもなすすべが無かったのは事実。
阿知賀の先鋒――エースとして一番手で挑んだにも関わらず、出来たのは足を引っ張る事だけ。
その事実は彼女の中でもトラウマであり、そして今また、その際と同じことをやってのけている。
エースとして先発を任されても、大量点を取られ、足を引っ張る。何も変わっていない。

智葉「……監督、やはりもう変えましょう」

健夜「ええ!? だ、だから駄目だよ。 沢村さんの体力が持たないでしょ」

智葉「それでもこのまま松実を投げさせるよりはいいでしょう。 ……もうマトモに投げられるような精神状態じゃない」

事実、今の玄がマトモに投球を続けられるかどうか――。
智葉だけでなく、周囲の者たちも薄々それは感じていた。

健夜「でも……やっぱり、松実さんに長い回投げて貰った方が勝てると思うんだけどなぁ」

菫「……松実、まだ投げられるか?」

玄「ぐすっ……。 ……でも、私が投げてもまた点入れられちゃいます」

玄自身の口からも、事実上これ以上は投げられないという言葉も出てくる。

玄「どこに投げても打たれる気しかしないし、何を投げても駄目なんじゃないかって……もうどうしたらいいかわかんないよぉ」ポロッ

竜華「ああ玄ちゃん、また泣いてる! ほらこれで拭き」

健夜「うーん……」

竜華からハンカチを受け取り、目元をぬぐう玄を見て健夜も唸る。
彼女の中では、玄を下すつもりは毛頭ない。毛頭ないが、本人にやる気が無いのならば無理強いも出来ない。
なんとかやる気を引き出せないだろうか、と頭を捻るもそんな妙案が思い浮かぶ訳もない。
小鍛治健夜。基本的には常識人枠ではあるが、ポンコツ気味で口も上手い訳ではない。
ただ、それでもなんとか励まそうと言葉を口にする。

健夜「でもまだ、松実さん全力出してないでしょ? もっとこう、ガーッとやっちゃおう!」

菫「は?」

智葉「は?」

健夜「……あれ?」
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 00:21:33.87 ID:8p/tou/A0
むう…やっぱりすこやんでは赤土先生みたいには行きませんか
って言うかすこやん…こう言う時こそ赤土先生達との麻雀バーのエピソードを話すべきかと
810 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/14(水) 00:27:31.00 ID:Z5MuWGpY0
菫「……4点取られて全力で無いって、どういう事ですか。 松実が手を抜いてるとでも?」

智葉「どこからどう見ても、全力投球ですよ……」

そして、健夜の発言は菫らによって速攻で否定をされた。
当然と言えば当然である。
先ほどの場面はこれ以上点を絶対に与えてはならないという重要な場面。
あそこで全力を出さない――すなわち、手を抜く訳もないのだから。
むしろ隠していた力があるというのならば、菫も智葉も喜んで玄を続投させていただろう。

何いってんだこいつ的な視線を向けてくる菫達に、健夜は居心地悪そうに視線を泳がせるのだが……。

健夜「だ、だってその……松実さん、打たれてすぐに蹲ったでしょ?」

智葉「……それが?」

健夜「いやその、私、あんまり野球詳しくないけど……打たれた時も、投手って……色々カバーとかに走らないといけないんじゃなかったかなー……って」

玄「……ふぇ?」

健夜の言う通り、投手はヒットを打たれた後もカバーに走る必要性がある。
このカバーリングを怠る事で、失点の機会を増やしてしまうというケースも少なくない。
先ほどのタイムリーヒットで言うならば、バックホームの際、暴投となって捕手が捕球が出来ない可能性も考えて、
捕手の後方に走り送球がそれた場合でも素早く態勢を整える為のカバーリングを投手はする必要がある。

しかしながら、当然、玄は座り込んでいた為にそのカバーが出来ていない。

健夜「どうしてマウンドに蹲ったの?」

玄「それは……だって、私、打たれて……」
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 00:38:19.33 ID:8p/tou/A0
お?
此処はすこやん赤土先生だったらこうしたよ!って言いますかね?
812 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/14(水) 00:46:23.70 ID:Z5MuWGpY0
玄としては、健夜の問いかけは予想外の言葉である。
打たれた事を詰られるのならわかる、或いは励ましてもう一度投げるようにとするのもわかる。
ただ、健夜は純粋にどうしてあの時カバーに行けなかったのか――何故蹲ったのかを聞いているのだ。

健夜「まだプレーが続いてたし、試合も続いてるんだから……自分のする事は、ちゃんとしないと駄目だよ」

打たれるのは仕方ない。ただ、その後の動作に健夜としては不満がある。
先に言っていた、『全力ではない』というのは、つまりはそういう事である。
そして、そうさせたのは、玄の心の中にある『甘え』に他ならない。

健夜「あそこでマウンドに蹲っちゃ駄目だよ」

健夜に言われた、蹲った事で出来なかった事を理解し、玄の頭は徐々に冷え始めていた。
無論、あそこでカバーに行っていた事で何かが変わった訳ではない。
どう考えてもタイムリーには変わりはないし、漫も悪送球をした訳ではないのだから問題は無い。
問題は無いが、しかし、やはりそれは玄の怠慢で、甘えである。

玄「はい……」

健夜「マウンドには、まだ立てる?」

玄「………………でも、また打たれたら」

竜華「クロちゃん、何を力んでるんや」

玄「清水谷さん……」

それでもやはり、尻込みする玄に横から声をかけたのは竜華である。
この2人、元々偶然にも全国大会前に知り合ったという経緯からか、はたまたやや天然気味な性格が合うのか、仲がいい。
そんな竜華は、玄を慰めるように声をかけた。
その目は優しかった。
813 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/14(水) 00:59:50.69 ID:Z5MuWGpY0
竜華「5点でも10点でも取られたら、うちが取り返したる!
   うちらの本拠地と違ってこれだけ狭い球場やからな、バンバン打ったるで!
   やから、点取られる事気にせんと、ブンブン投げたらええ」

玄「…………」

姫子「打たれても、私が取るけん……って、これ何度も言うちょるね。
   でも、ほんとそんつもりやけん、気負わんと投げんね」

智葉「……お前がまだ投げるつもりなら、私は何も言わん。 惰性でなく、意志を持って投げるならな。
   ここまで私たちもノーヒットに抑えられているんだ、大きな事は言えん」

竜華の言葉に呼応するように、姫子、智葉も声をかける。
交代をさせるよう進言をした智葉も、本音を言えば玄がここから抑えられる――その兆しがあるのならば、続投をさせたい。
メンタル面だけが課題の玄。そこさえ改善されれば、まだまだこの先戦える筈なのだから。

菫「……どうする、松実」

玄「弘世さん」

そして、バッテリーを組む菫が最後に声をかける。
その表情は相変わらず険しいものだったが、それでも先の一回戦から玄と共に戦ってきた戦友だ。

菫「4点ビハインド、ノーアウト1・3塁。
  続く打者はザコプロではなく石戸だ、クリーンナップに比べれば劣るが、それでも組し易いとは言い難い」

玄「………………」

健夜「ここでマウンドを降りちゃ駄目だよ、最後まで、試合が終わるまで、あきらめちゃ駄目だよ……えっと……」

健夜「クロちゃん!」

玄「………………」

玄「…………」ゴシゴシ
814 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/14(水) 01:06:04.21 ID:Z5MuWGpY0
健夜にそうハッパをかけられ、玄はもう一度目元をぬぐうと、ようやく立ち上がった。
ハンカチを竜華へと返すと、菫から白球を受け取る。

玄「(阿知賀の皆はここにはいない……お姉ちゃんもいない……でも……)」

まだ、期待をかけてくれる仲間がいる。
まだ、見捨てない女房役がいる。
まだ、甘さを喝破してくれる指導者がいる。

それは阿知賀の者たちとは違う、しかし、ここで出来た新たな絆でもある。

玄「(阿知賀の皆と一旦お別れをして……でも、こうして皆と出会えた。
   これ以上迷惑をかけたくない、だからここで降りるのも、って、思ってたけど……)」

ぐっ、と手の中の白球を握る。

玄「(まだ、私に出来る事があるなら……!)」

玄「……投げます!」

健夜「……うん、それじゃあお願いね」

菫「1アウトずつ、しっかりと取っていこう。 いけるな?」

玄「はいっ!!」

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                       `二ニ=‐-::::::::::::::::::::/:/:: {⌒゚l :::代ツ     ゞ' ハ::〈イ ヾ {
               , -‐:::二_____:::::::::__//::::::::人___l:::::|""    ` ".::l::::::ヽ_  У`ー-
. __       \、  // ̄  , ィ´:::::::::::::::::::::::::ア::://__  イ l:::::|  ( ̄ア  イ:::|:::::::|入 ̄       `ヽ   「この松実玄に、お任せあれっ!!」
_ヽ\マ、      `ー//===テ´:::::::::::::::::::::,、::::>-‐´ ̄ ̄    八 l:::::ト` x _´ .イ .l::::|:::::@ `ト         \
.\`   `>==イ`ー┴' ̄`´ ̄`ー….  ̄ - _  \     |     ヽlλ|/Yヽ_レ、 人/イ::ハ  `  、         }
.r- `  /ミ             ` ー _      - _ \  .|     ヾ「 ̄`r{:.:.:.:.{ { 彡イ::::::ヽ_  ヘ      __ノ
. `  ̄└- _                   ―       ` /        入:.:.:水\__ト |  ̄ ヽ:::::ヾ、  ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ ̄
          アァ―ァ‐‐ァ‐-‐ァ…'ー―‐--   ____/        ー、:.`:./ λ:.:/ :.    }::::::|ヽ.
          //  {::::/_ イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/ `ヽ、.      ヽ∧/  ´  |     l:j::::| リ
       `ー=ニ二二__::::::::::::イ:::::::::::::::/_r‐く    `       o      丿  ノイ:::ノ
        `ー―一'::::::::::::::/| ̄`>‐  ̄      ヽ、    ィ __    ´   ー‐ '
           ` ー―一「 ̄ ̄:.:/   くヽ         ー一o  /
                マ:.:.:.:.:./    \\       o   r´
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                rー ´:.:.:.ヽ      \    o __ィ  /__:.:|
                 ヽ:.:.:.:.:.:.:/\__      ` 大o  /:.:.:.:`ヽ
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                   {三三三天 ̄ ̄|:.:.:.:.:.:._イト----一 /|
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                          `マ ̄ ̄///ハ.////////|
                           V//////∧///////
                           ∨/////.∧//////’
                              ヽ//////ハ/////.j
815 : ◆pm1SmnSF6s [saga sage]:2017/06/14(水) 01:12:41.51 ID:Z5MuWGpY0
………

こうして玄が立ち直ろうとしていた頃。

漫「……寂しい」

主力メンバー唯一外野陣の漫は、輪に入れない事に溜息を吐いていた。
マウンドで盛り上がっている一同が、なんとなく羨ましい。

漫「でもしゃーないか……っていうか、松実さん続投なんやな。 てっきり監督も出てきたから交代なんかな思ったけど。
  ……ん?」

話し合いが終わったのか、マウンドから退散する健夜、そして散り散りになっていく内野陣。
漫はなんとなしにその背中を見ていたのだが――不意にマウンドに立つ、
玄の尻ポケットの中身が、何やら淡く光るのをその視界に収めた。

漫「……なんや?」

それはほんの一瞬の事で、しかし、見間違いにしてはやけにくっきりと――大きく光は灯った。
彼女が知る由もない。

玄「(抑えるんだ……今度こそ! 私の、全力で!!)」

自身の甘さを自覚し、それを捨てようともがく少女。
この絶望的なピンチに、逆に闘志を燃やして立ち向かおうとする少女に、
正真正銘のエースの力が今正に宿ったという事を。

【アナウンス】松実玄が新規カード【?? ??】を入手しました。
       松実玄のスキル【乱調】 【豆腐メンタル】が除去されました。
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