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【安価】京太郎「冥球島?」美穂子「ズバッと三振毎度ありっ!」【咲-Saki-】
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345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/05(金) 23:14:57.88 ID:OYoDET/6o
ほい
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/05(金) 23:16:34.97 ID:3zxvOHRG0
おしい
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/05(金) 23:16:45.49 ID:AC+jyIIJ0
ダブルで惜しいな
348 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/05(金) 23:16:54.65 ID:DftT83E60
>コンマ89 獲得経験値3
>やえ合計経験値6
経験値が5に達したので、スキルを習得or削除できます。
やえスキル群
【フルスイング】pt5
任意発動。巧打力−20、長打力+30。
【得点帝国】pt5
その回得点をしている際発動。その回に入った得点×10、巧打・長打にプラス補正。
ただし最大で×30まで。
【ここで決める乙女】pt5[チャンスに強い発展形]
得点圏にランナーがいる際、巧打力+20。
習得or削除するスキルを選択してください。
1.【フルスイング】
2.【得点帝国】
3.【ここで決める乙女】[チャンスに強い発展形]
4.サブポジ習得(覚えるサブポジ併記)
5.保留
↓1
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/05(金) 23:17:34.32 ID:AC+jyIIJ0
3
350 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/05(金) 23:34:16.38 ID:DftT83E60
>3.【ここで決める乙女】
何度も言うようだが、小走やえはメンタルの調子によって打撃に影響をモロに受ける。
ならば、今のように明らかに調子に乗っている――。
もとい、気を良くしている状況では、先ほどの久のように軽口をたたきながら打席に立つのか。
クイッ
やえ「………………」
答えは否である。
無論、試合中、打席に入る際に相手に挑発めいた言葉を投げかけ、或いは自身を鼓舞するようにする時も前回の試合では散見された。
しかしながら、基本的に彼女の根本は真面目なのである。
ただ、少しだけポンコツなだけで。
そんな彼女は気合を入れ直すと、真剣な面持ちで京太郎の投球を待った。
京太郎「……ふっ!!」
ビュッ!!
やえ「!」
そして投じられる、京太郎の速球。
内角ギリギリを突こうとするそれは、今日一日やはり練習に励んだ為か些か球速は出ていない。
出ていないが、それでも球威ある――まともにバットを振れば、詰まらせて押し負けるだろうボールだった。
やえ「(だが……!)」
スッ……! グイッ!!
これに対して、やえはノーステップでバットを合わせた。
速球の速度に押し負けないように、バットを振る際の動作を極力減らした形である。
351 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/05(金) 23:44:55.89 ID:DftT83E60
これにより、差し込まれる筈だったボールは丁度打ち頃のタイミングでやえの前を通過しようとする。
当然、これを逃がすような打者がこのチームの4番を張っている訳がない。
カキィイイイイイイイイイイインッ!!
京太郎「うおあ!?」
やえ「ふっ」ドヤァ
捉えた打球はそのままライト方向へと鋭い打球となって飛んでいく。
弾道が低かった為に、この狭いグラウンドでもホームランとはいかなかったが、フェンスダイレクト。
右中間を抜けるツーベース、といった所だろう。
間の抜けた声を出す京太郎に対して、やえは自慢げだ。
やえ「どうだ京太郎、綺麗に打ち返してやったぞ!」
京太郎「はは……いや、まったくもって。 ぐうの音も出ないです」
実際、これだけ上手くはじき返されれば京太郎としてもなんとも言えない。
上手くノーステップで合わせた事も踏まえて、やえの実力はやはり本物だ。
京太郎「しかし、てっきりもっと踏み込んでホームラン狙ってくると思ったんですけど……結構コンパクトに振りましたね。
(それでいて、あれだけ飛ばされるんだからたまったもんじゃないんだけど)」
やえ「ふん、まあ……次の相手は松実だからな」
それにしても、と、一発狙いではなくコンスタントに安打を習っていく姿勢だったやえの打撃に対して京太郎は疑問を口にするのだが、
やえから出てきた言葉はやはり玄に対するライバル心である。
やえ「前の合同練習の時にも見たが、奴はコントロールこそ壊滅的だが球威に関しては京太郎にも負けずとも劣らず、といった所だ。
そう容易く一発を打てるとも思っていない。 ……口では50本打つと以前は言ったがな」
京太郎「(いや、だから50本もホームランを打つ……50打席も回ってきたらえらいことですって)」
内心突っ込みながらも、京太郎はやえの独白を聞く。
352 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/05(金) 23:54:06.82 ID:DftT83E60
やえ「打てない一発よりは、狙えるタイムリーだ。
私の実力ならば押し負ける事は無い、強く振りすぎなくてもスタンドには届かずとも外野の頭を超える事はある。
そうでなくても、安直なポップフライなどというつまらん結果にもなりにくい。芯を食えば最低単打にはなる」
やえ「4番の仕事とは、ホームランを打つ事でなくランナーをかえす事だからな」
誤解されがちではあるが、何度も言うように彼女は決してバカではない。
学力的には平均以上はあるし、名門晩成の部長を務めた少女でもある。
何よりも、あの松実玄と初見で対戦しておきながら――彼女の得点には大きく及ばなくとも、
最終的には局をプラス収支で終わらせた程度には不意を突かれても冷静に打てるだけの力は持ち合わせている。
どうするのがチームの為になるか、どうすれば勝てるか。
それを冷静に考えられるだけの頭脳も持ち合わせていた。
やえ「前回の試合から比べて、こちらも打者が潤沢したからな、私の前にランナーが溜まる事も多くなるだろう。
その時こそはあの松実をギッタンギッタンのけちょんけちょんに点をむしり取ってやろう!!」
京太郎「(ぎったんぎったんって……)」
なお、冷静ではあっても、やはりライバル心だけは隠す事が出来ないもよう。
※やえの好感度が+1され、28になりました。
※やえが【ここで決める乙女】を習得しました。
※やえの新スキル【遠く遠く派手に飛ばせ】、【王者の豪砲】が解放されました。
【遠く遠く派手に飛ばせ】pt5
ホームランが出れば逆転の場面で、長打力+20。
【王者の豪砲】pt10
ランナーが2人いる際、長打力+30。
353 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/06(土) 00:06:01.65 ID:dbpc49YZ0
………
その後、練習を終えた一同は寮へと帰り着いた。
シャワーを浴びて、人心地。夕食の時間となったので食堂へと向かってみれば……。
京太郎「あれは……肉!?」
そこには前回、試合後にご褒美として振る舞われた時と同様、焼き肉の準備が。
思わず京太郎が驚嘆する中、いそいそと準備をする美穂子と霞は笑みを浮かべて答える。
恐らく彼女たちも焼き肉が楽しみなのだろう。
女子高生も、肉は好き。
美穂子「監督が、明日の勝利の前祝……じゃないけれど、決起集会的なものとして用意してくれたようなの」
良子「明日の試合に、これを食べて英気を養いましょう」
恐らくはわざわざ車を出して買い出しに行ってくれたに違いない。
なんともありがたい事である。
京太郎「一週間に二度も焼き肉が食えるなんて贅沢だなぁ」
久「まったくね。 これだけでも企画に参加した甲斐があるわ」
哩「大げさやね……」
そして、全員が席に着いた所で一同は一斉に肉を焼き始める。
とにかく肉ばかりを食べる者、焼き肉と言えば白米でしょうよとばかりにご飯を食べるもの、肉と野菜をバランス良く食べる者。
さまざまであったが、その中でもふるふると何故か感動に打ちひしがれながら食を進めていたのは睦月であった。
霞「睦月ちゃん? えっと……どうかしたのかしら?」
睦月「いえ、嬉しくて……やっぱり、ベイスターズの決起集会といえば焼き肉ですよね」
睦月「ヨシコビーフパワーで、明日の試合も頑張りましょう!!」
良子「(ヨシコビーフパワー……え、なんですかそれ)」
【TIPS・○○ビーフパワー】
とある選手が後輩に焼き肉・ステーキ、などを奢ると翌日その後輩が活躍する、という謎のジンクス。
ちなみに焼き肉文化自体はベイスターズのみならず他球団でも習慣づいている。
が、やはりベイスターズといえば焼き肉である。
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 00:06:50.99 ID:FFa2Lrhso
三浦ビーフ・・・
355 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/06(土) 00:10:34.52 ID:dbpc49YZ0
………
京太郎「げふ……うーむ、やはり食べ過ぎてしまった」
その後、楽しい美味しい夕食の席も無事に終わり、
京太郎は大きく膨らんだ腹部を摩りながら食堂でウーロン茶を飲んでいた。
今日も一日練習に励んだせいか、夕食時には空腹。
そして肉となれば、成長期で人並み以上のガタイを持つ京太郎はもりもりと食べる。
食べるのだが、今日に関しては食べ過ぎだった。
京太郎「まあこれで体調不良って事はまずないだろうな。 明日はナイターらしいし、それまでにはちゃんと動けるようになるだろ。
さてと、いよいよ……いよいよ明日が二試合目だ。 初戦以上の強敵なのは間違いない。
ゆっくりと体を休めた方がいいのかもしれないけど、やっぱ興奮して眠れないな……。
眠くなるまで、何しようか」
夜行動1回目(1/2)
チームメイト
【睦月・美穂子・やえ・霞・良子】
【久・哩】
入手連絡先
【優希・まこ・和・咲・穏乃】
↓1 交流or電話する相手
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 00:11:10.23 ID:CFwa0pSso
良子
357 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/06(土) 00:12:43.66 ID:dbpc49YZ0
良子さんに決まった所で、一旦ここで区切らせていただきます。
明日土曜日は、申し訳ないですが用事があるので更新出来ないと思います。
再開は日曜日からでお願いします。
それでは、おやすみなさい。
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 00:19:48.87 ID:NjHcMbiX0
乙ー
GW明けくらいからいよいよ第二試合突入か。今回も勝ちたいねぇ
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 00:20:41.27 ID:kRYeVv0Z0
乙
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 00:24:35.15 ID:FFa2Lrhso
乙
361 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 00:30:14.18 ID:yq5QxN/A0
乙です
本来なら京太郎の練習は登板前日の先発がやっちゃ駄目なレベルになってそう
持ってるカードの人数分調整してると思えばいいのか
362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 18:57:04.48 ID:dmvacIGqo
勝ったDe
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 19:09:16.17 ID:FFa2Lrhso
初回でこの試合終わったと思ってすみませんでした!
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 19:19:46.73 ID:rAXxH/9vO
石川のフィルダースチョイスでそっとじしてすまんな
365 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/07(日) 21:36:00.15 ID:wyGz83820
乙ありです。
>>361
そこらへんはゲームシステムの都合上仕方なしですね。
まあ多分京太郎の肩がすこぶる頑丈なのでしょう。
もう少ししたら再開します。
366 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/07(日) 21:58:14.52 ID:wyGz83820
>良子
京太郎「そうだな……試合前だし、監督と一度ゆっくり話しておこう」
思えば、前回の試合前日も落ち着かず、良子と話をする中で気持ちに整理をつけた。
あの時程は京太郎も緊張をしていないとはいえ、監督と意識の摺り合わせをしておくことは重要だろう。
そう考えた京太郎は監督室へと向かいノックをすると、中からの返事を待ってからその扉を開ける。
良子「おや、どうしました須賀くん?」
京太郎「いえ、特に用事は無いんですけど……前の時も監督とは試合前に話してたじゃないですか。
今回も、少しお話が出来たらなと思って。 ……お忙しいですか?」
良子「ふむ。 いえ、色々と考え事はしていましたが、ノープロブレムです。
では、かけてください」
京太郎が顔を見せると、良子は少しだけ驚いたような顔をしていたが、
それでもすぐにいつものポーカーフェイスへと戻ると京太郎に椅子にかけるよう促す。
礼を言いながら京太郎は着席すると、まずは監督の座る卓に視線が向いた。
整理はされているが、先ほどまで考え事をしていたというのは本当なのだろう。
開かれたままのノートパソコンや、書類などがそこには並べられている。
京太郎「考え事って、やっぱり明日の試合の事ですか?」
良子「イエス。 こちらの戦力も初戦を戦った時に比較をし、竹井さんや白水さんが加入した事で上昇しました。
監督としては、タクトの執り方に張り合いが出るというものです」
少ない戦力で勝ちに行くときこそ監督の手腕が試される、とも言われるが、
しかしながらこのチームの場合、主力選手以外は全員一律能力が同じザコプロ達なのである。
タクトを執るも何もあったものではない。
その点、戦力がある程度充実してくれば打順などの采配を考えるのにも張り合いが出てくるというものだ。
367 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/07(日) 22:14:43.72 ID:wyGz83820
良子「ただ、それは相手にも言える事です」
しかしながらそれだけ戦力が充足しているという事は、逆に言えば相手も同様である。
初戦を勝ち抜いた相手チームの主力メンバーは計7人。
投手に関してはいまいち平凡と言うべきか、そこまで驚異は感じないものの、
クリーンナップについては正直投手である京太郎としてはかなり不安な並びである。
京太郎「カードだけで見れば立浪……さん、ブランコ、和田ですからね。
こっちは……多分クリーンナップは睦月さん、やえ先輩、久先輩になるんでしょうけど」
良子「ええ、その並びで考えています」
京太郎「(カードで言えば乙坂、T−岡田、金城……名前だけ見れば負けてるよなぁ)」
勿論、野球は名前でやるものではない。それは前回の試合で、京太郎たちが証明をした事だ。
ただ、だからといって前回の試合のように簡単に完投完封といける程甘くないだろう。
そもそも前回の試合では、誠子がスランプにあった為に一発長打を警戒するのは久と佳織の2人。
佳織に関しては落ちる球だけを投げていればド安牌だった為、実質1人だけだった。
京太郎「(今度も誰かがスランプに陥ってる……なんて都合のいい事は無いだろうし)」
良子「そういった意味でも、明日の試合は須賀くんの出来にかかっていると思いますが……。
須賀くん、明日のピッチングについて思う所はありますか?」
京太郎「え? そ、そうですね……」
1.「誰が相手だろうと0に抑える、そういう気持ちで臨みます」
2.「状況によっては勝負も避けていくべきかなと思ってます。 不用意に勝負をする事だけはしないようにと」
3.「いつも通り、俺は俺が投げられる最高の球を霞さんに受けてもらうだけですよ」
↓1
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 22:16:13.93 ID:CCjWTy6A0
3
369 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/07(日) 22:35:00.18 ID:wyGz83820
>3.「いつも通り、俺は俺が投げられる最高の球を霞さんに受けてもらうだけですよ」
不意に良子に振られた京太郎だったが、結局の所京太郎が出来る事など限られている。
信頼出来る恋女房目掛け、彼女のサイン通りにボールを投げ込むだけだ。
呆気らかんとそう言うと、良子は少しだけ苦笑しながらも軽くうなずいて見せた。
良子「キャッチャーとの信頼関係がある事は結構……ですが、自分でも考えて投げるようにはしてくださいね。
……将来的には、霞がスターティングメンバーから外れるという可能性もあるのですから」
京太郎「え!?」
良子「試合に勝ち進んでいけば、そうなる可能性もある……という話ですよ」
確かに良子の言う通り、このまま試合に勝ち進んでいけばいずれ人数は9人を超えるだろう。
そして、野球において試合に出場出来る先発メンバーは9人しかいない。
無論、それはあくまで1つの可能性としての話ではあるが、
霞の所有するカードも決して有名選手のカードという訳ではないのだ。
この先、名捕手と呼ばれた有名選手のカードを持つ選手が加入をした場合、
彼女がスタメンを外れるという可能性も多分にある。
あくまで、そういった可能性がある……というレベルではあるが。
京太郎「(でも……霞先輩が俺の球を受けてくれないなんて、考えたくもないけどなぁ)」
ここまでの生活で相応に親しくなり、おまけに前回の試合でも頼もしく京太郎をリードしてくれた霞。
おまけに彼女はキャプテンという肩書持ちである。
そんな彼女がスタメンから外れるかもしれない、というのは、京太郎としてはあまり考えたくはない未来予想図であった。
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 22:41:57.10 ID:1KaiYODIo
野村古田阿部辺りか? ギリギリ阿部がいるかも程度のような
371 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/07(日) 22:53:13.84 ID:wyGz83820
良子「まあ、意気込みはわかりました。 下手に気負うよりはいいでしょう」
京太郎「初戦の前は緊張しましたけどね、今回は2回目って事で流石に前よりは気持ちも安定してますよ」
それでも、と気を取り直し、京太郎は良子の言葉に反応をする。
実際、緊張をしている事はしているが、それは明日の試合を目前に控えた気分の高揚によるものだ。
一度試合を経験し、マウンドに立っているからか、ガチガチに固まるという事は無い。
しかし、そんな京太郎の言葉を聞くと、良子はクスクスと笑いながらその口を開く。
良子「おや、明日の試合に勝てば私を名前で呼んでくれるようですから、てっきり緊張しているものだと思ったのですけどね」
京太郎「うぐっ……!」
以前、買い出しに行った際、車の中で交わした約束。
勝てば良子の聞ける範囲での願いなら叶えるという言葉に、京太郎は確かにそう約束をした。
良子はその言葉を聞いた時と同じように、生暖かいというか面白いものを見るような目で見てくるが、
京太郎としては恥ずかしいやらなんとやらである。
良子「いずれにしろ、明日の試合に勝てなければどのみちこのチームは解散です。
どっちみち、名前で呼べるという機会も無くなるでしょうし……。
是非とも、須賀くんにはナイスピッチをしてもらって勝ちに貢献して貰いたいものですね」
1.「わかってますよ、監督の事を名前で呼びたいですしね」
2.「そういうのとは関係無く、勝ちは目指しますよ」
3.「(からかわれっぱなしも癪だなぁ……次の試合、勝った時には名前呼びは名前呼びでも呼び捨てで呼んでみよう)」
↓1
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 22:53:55.33 ID:WN2EfTeE0
3
373 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/07(日) 23:17:33.17 ID:wyGz83820
>3.「(からかわれっぱなしも癪だなぁ……次の試合、勝った時には名前呼びは名前呼びでも呼び捨てで呼んでみよう)」
名前で呼ぶ、呼ぶとは言ったが――その具体的な呼び方については取り決めをしていない。
つまりは「さん」をつけようが「ちゃん」をつけようが、
或いは呼び捨てにしようが選択権は京太郎側にあるという事である。
まあ、常識的に考えれば立場上は選手と監督。年齢的にもあちらが年長。
となれば普通ならば下に敬称をつけるのが普通だ。
ただ、ここで普通に敬称をつけて呼んだ所でまた何かとからかわれるのがオチだろうと京太郎もそろそろ理解をしてきた。
思い起こせば久の時も、散々名前呼びの件ではからかわれたのだ。
あの時は久を呼び捨てで呼び、結果、久は大笑いをしながらもその場を退散。
京太郎としても割と失敗をしたかなとは思ったものの、それでも鬱憤は張らせた気持ちだった。
因みに、あの時はあの時で久に割と大きなダメージを与えていたのだが、京太郎はその事を知らない。
京太郎「(このまま手を拱いてても、からかわれ続けるのが関の山だもんな。
カウンターパンチを決めてやろう)」グッ
良子「どうしました、急に握りこぶしなんて作って?」
京太郎「ああいえ、こう、明日の試合頑張るぞーって!」
良子「ふむ……さて、須賀くん、もういい時間です。 私も明日は朝から忙しいので、そろそろ休む予定ですので……」
京太郎「あっ、そうですね! すみません、遅い時間まで……」
良子「ノープロブレム、気にしないでください。 須賀くんも、あまり夜更かしはせず、明日に向けて体調を整えていてくださいね」
京太郎「はい!」
そこまで言い、京太郎を見送った良子は、やはりいつものポーカーフェイスであった。
果たして京太郎が呼び捨てにした際、彼女のそれがどのように変化をするのか。
それは京太郎が口にする時まで、わからない。
※良子の好感度が1回目+1、2回目+?(ゾロ目で2倍)され39+?になりました。
374 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/07(日) 23:19:49.98 ID:wyGz83820
………
その後、良子に礼を言ってから監督室を出た京太郎。
確かに良子の言う通り、結構な時間を話し込んでいたのか先ほど部屋に入る前に比べて時計の短針は進んでいる。
そろそろ床についてもいい頃合いなのかもしれないが……。
京太郎「うーん、とはいえやっぱり気持ちが高ぶってるのか眠気がまるでないんだよなぁ。
休んだ方がいいとはわかってるんだけど……」
夜行動2回目(2/2)
チームメイト
【睦月・美穂子・やえ・霞・良子】
【久・哩】
入手連絡先
【優希・まこ・和・咲・穏乃】
↓1 交流or電話する相手
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 23:19:59.06 ID:CCjWTy6A0
霞
376 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/07(日) 23:21:03.54 ID:wyGz83820
霞さんに決まった所で、申し訳ありませんが眠いので短いですが一旦区切らせてもらいます。
おやすみなさい。
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 23:21:33.77 ID:1KaiYODIo
乙
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 23:23:46.53 ID:CCjWTy6A0
乙です
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 23:23:58.39 ID:WN2EfTeE0
乙
良子さんの反応が楽しみだ
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 23:25:36.24 ID:UF8BiQjF0
乙です
最近ここの影響で阪神ファンですが横浜のことが好きになってきました。
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/07(日) 23:32:24.18 ID:2F91FUKm0
乙ー
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 00:06:12.58 ID:T4yLqHbA0
乙です
霞さんが横浜(太洋時代の選手も含む)の伝説の捕手のカード(谷繁さんや若菜さん等)を入手出来れば良いと思いますが
どう成りますかね?
って言うかむっきーさんが横浜(太洋時代の投手含む)の伝説のクローザーのカード(大魔神やクルーン等)を入手出来る可能性と
別の横浜(太洋)メインのチームと戦う可能性どちらが高いんでしょうね?
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 02:10:58.80 ID:h5SiZBBt0
あるかは分からないけど京太郎がこの先投手のカードを入手するとして左投手のカードを入手する事ってあり得るのかな?
両投げ投手になっちゃうけど可能なら吉見とか欲しいなあ
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 03:52:36.90 ID:cdVl7t+1O
吉見は打撃を考えても京太郎にイイと思う。
後、レジェンドで言えば鈴木尚典は出て欲しいもんですね〜
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 20:04:32.33 ID:NV7Q+7lA0
野球のまとめサイト見てたら加賀がバレンティンに打たれた記事あるやんか
ガッツポからの記念ボール要求はかなり嬉しかったんだな
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 20:09:30.37 ID:+JgZ9Fqfo
21打席目にして初だっけ 加賀の仕事がなくなってしまう
387 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/08(月) 21:44:15.58 ID:dAb/UUKn0
どうも乙ありです。
>>380
横浜ファンが増えてくれるのはとても嬉しいです。
同一リーグ内でも贔屓が2つあるという人もそこまで珍しくないようですし、兼任やおまけでいいので応援してくれればなと思います。
>>383-384
追加でカード入手は考えてはいます。ただ色々と候補を絞るのも難しいですね。
>>385-386
バレンティンは加賀の顔を見るのも嫌だとどこかの記事で漏らしてたくらいらしいですからね。
とはいえ苦手は苦手な筈なので、これからも加賀にはバレキラーを頑張って欲しいです。
もう少ししたら再開します。
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 22:01:59.39 ID:wDohncBLO
カード入手はある程度候補絞って安価かコンマにすれば?
389 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/08(月) 22:04:22.16 ID:dAb/UUKn0
>霞
気持ちが昂り寝付けそうに無い、とはいえ流石に休んだ方がいいだろうとは先ほど京太郎が口にしたばかりだ。
寝る寝ないにかかわらず、ひとまず部屋に戻った京太郎は、
当然のように課題には取り掛かる気にはなれず、仕方なしに適当な雑誌を読んでいたのだが……。
コンコン
京太郎「あれ? 誰だろ……はい」
霞「夜分遅くにごめんなさい、まだ起きてたかしら?」
京太郎「霞先輩?」
不意の来客がノックをし、京太郎が出るとそこには霞の姿があった。
時計の短針は既に9時を過ぎている。
いまどき小学生でも寝ていないような時間ではあるが、かといって女性が男性の部屋を訪れるには遅い時間帯だ。
京太郎は意味も無くドキドキしながらも、霞の用件をまずは聞く。
霞「明日の試合について、少しだけ打ち合わせをしておきたいと思って。
早朝でも良かったのかもしれないけれど、試合当日だとゴタゴタしてしまうかもしれないから……」
京太郎「ああ、なるほど。 丁度俺も寝付けなかった所なんで、オッケーです!
えっと……場所は俺の部屋でいいですか?」
霞「私は構わないけど……いいのかしら?」
京太郎「勿論です!」
一旦部屋に戻った為に今更食堂に向かうというのも億劫。
このまま京太郎の部屋で、話し合おうと告げると、霞は快く受け入れてくれた。
乙女霞、特別意識をしたりはしない大人の余裕。
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 22:09:39.30 ID:Q4GE+ljao
バレは加賀と対決したら数日間誰の外スラにもクルクルするからちなヤクとしてはそちらが心配。
記念ボールは無事貰ってご機嫌でした。
391 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/08(月) 22:27:24.36 ID:dAb/UUKn0
逆に京太郎としては霞のような女性を部屋に招き入れるというだけで色々と滾るものがある。
以前も部屋に女性を招いた事はあったが、色々とモノが違うのだ。
適当な座布団を渡し、そのまま卓につく京太郎と霞。
育ちが違うのかやはり霞は正座をしており、その背筋もピンと立っている……それでいて落ち着いた雰囲気を持っているのだから年季が違う。
京太郎も正座をするべきか迷ったが、どうせすぐに痺れるだろうと考え、特に気張る事も無いと胡坐をかいていた。
そうして、はじまる明日の試合に向けての打ち合わせ。
京太郎が熱心に練習に取り組んでいた中、霞も練習はしていたがそれだけではない。
彼女は前回の合同練習から良子と共に相手チームの打者を研究してきたのだ。
その成果について丁寧に懇々と説明する霞に、京太郎は時折質問をしたりしながら応答をする。
霞「……とまぁ、こんなところかしら?」
京太郎「ふむふむ……なるほど、いや、ありがとうございます。 野球には不慣れな筈なのにこんな事までやらせてしまって」
霞「ふふ、気にしないで。 これで結構、相手を研究したりするのは楽しかったりするのよ」
京太郎としては、自身が練習ばかりにかまけ、こういった事を監督である良子はともかく、
霞にまで押し付けた事に申し訳なさが募るのだが、霞は笑って受け流した。
彼女の言う通り、彼女自身こういった事を楽しんでいる節がある。
霞「別にデータを集めて解析するという行為自体が楽しい、という訳じゃないのだけどね……。
ただ、こうして麻雀やお役目とも違った事をするのがやはり新鮮なのよ」
そう言う霞の表情は晴れやかで、事実を言っているように見える。
実際、今までの霞の人生からしてみれば、こうして野球に触れるというだけでもまず無かった事だろう。
その上で、永水にいる仲間たちとはまた違うチームメイトと寝食を共にし、切磋琢磨しながら1つの目標を目指す。
その為にデータの解析などという地味な事に手を伸ばすのも、今の霞にとっては楽しい事だった。
以前京太郎が声をかけた通り、今の状況をなるべく楽しめるように、と気持ちを切り替えた末の心境の変化である。
霞「小蒔ちゃんたちの事が気になるのも、事実ではあるのだけどね」
京太郎「うーん……」
1.「そういや永水の人たちとは、まだ前回も今回も当たってないですもんね」
2.「でも野球ばっかりにかまけていても駄目じゃないですかね。 結局永水にいた頃と同じで1つの事に集中し過ぎている状況は同じですし」
3.「データの解析までして、練習にも出て、キャプテンとして監督とも色々話してますよね……パンクしません?」
↓1
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 22:30:09.99 ID:qCm855SVO
3
393 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/08(月) 22:41:16.06 ID:dAb/UUKn0
>3.「データの解析までして、練習にも出て、キャプテンとして監督とも色々話してますよね……パンクしません?」
京太郎が気がかりだったのは、霞が無理をしていないかという点だった。
以前、美穂子が隠れて(本人は隠れているつもりはなかったのだろうが)ボール磨きなどの雑用をしていた際にも感じた事だが、
兎角、彼女たちは1人で抱えがちな性分だ。
勿論2人が同じ年上の綺麗なお姉さん枠とはいえ、性格も本質も違う。
それでも苦労性で、面倒事を率先してやるという共通点は非常に似通っていた。
あの時同様、京太郎としては霞の事が心配だったのだが、霞は苦笑をしながらも首を振って否定した。
霞「監督とのお話も毎日という訳でもないし、解析はさっきも言った通り監督と共同してやっているから……。
大丈夫よ、ありがとう心配してくれて」
京太郎「ならいいですけど……これから人数が増えてきたら、その分負担も増えると思いますから。
何か俺に手伝える事があったら、何でも言ってください」
霞「ええ、その時は頼りにさせてもらうわね」
心配ではあるが、当人が大丈夫と言っているならこれ以上京太郎としても突っ込む事は出来ない。
何より美穂子の際は無理をしている現場に直接遭遇をした為に強引に近い形でストップをかけられたが、
今回は既に霞はやる事を終わらせてしまっているのだ。
ここまでの過程というものを具体的に知らない京太郎が、あまり強く言う事は出来なかった。
京太郎「それに、あんまり野球野球ばっかりだと息も詰まりますよ」
霞「あら、京太郎くんがそれを言うのかしら?」
京太郎「ぐむ……」
ならば、とここは意識を他に向けさせようとしたが、あえなく玉砕である。
京太郎が野球にばかりかまけるなと言った所で、説得力など皆無な為に霞の突っ込みは正しい。
394 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/08(月) 22:58:01.08 ID:dAb/UUKn0
霞「ああでも……そういえば、白水さんから明後日にお出かけをするから……ってお話があったわね」
京太郎「……ああ!」
話が野球以外の事に及んだ所で、霞は思い出したようにそう呟いた。
以前から京太郎と哩との間で進めてきた、冥球島のレジャー施設で遊ぶ計画。
監督から許可を取り、後は全員に予定の確認と行き先を決めるだけ、となっていた筈だが、
どうやら既に哩の方から連絡自体はあったらしい。
霞「京太郎くんは大丈夫? 投げた翌日は前回かなり辛そうだったけど」
京太郎「あの時は球数も投げましたからね……それに1回経験してる分、なんとかなると思いますよ。
ところで、霞先輩はどこか行きたい所とかってあるんですか?
あ、この雑誌見てください。 この島のレジャー施設とか色々載ってるんで」
霞「ありがとう」
言いながら、京太郎は先ほどまで読んでいた雑誌――『冥球島100のデートスポット』を霞へと渡した。
なんとなくその行為に言いも知れない興奮を覚えるが、そんな京太郎を放っておいて霞はパラパラとページを捲っていく。
ふんふむ、と色々と考え込みながらも、その手は決して止まらず、あまり霞のお眼鏡にかなうような場所は無いようだったが……。
ピクッ
霞「………………」
京太郎「ん?」
とあるページで、霞の手が止まった。
京太郎「何か見つかりました?」
霞「え? あ、いえ……なんでもないわ。 そうね……やっぱり私はこういうのは詳しくないから、他の人に決めて貰った方がいいと思うの。
白水さんの話だと、映画館が候補の1つだったのよね?」
京太郎「そうですね」
京太郎が声をかけると、霞はどこか歯切れ悪くも答えつつ、手を止めたページをそのまま京太郎に見せてきた。
そこには――なるほど、確かに映画館の情報が載ってある。
395 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/08(月) 23:08:01.69 ID:dAb/UUKn0
京太郎「(ただ……なんであんな反応したんだ?)」
霞から再び雑誌を受け取りながら、首を捻る京太郎。
映画館が候補である、というのは事実である。
試合をした翌日、あまり動き回りたくないという京太郎の気持ちを汲み、哩も考えてくれた案の1つだ。
ただ、それ自体は先ほど霞が言った通り、事前に聞いていた筈である。
雑誌を流し読みしていて見つけたからといって、ピタリとそこで止めてわざわざ凝視するような必要も無ければ、
その後慌てたように京太郎の言葉をはぐらかし、歯切れ悪く他の人に任せるなどと言う必要など無い。
京太郎「(となると、行きたい場所はあるけど遠慮した……とか?)」
受け取った雑誌をもう一度開き、霞の手が止まったページを探し当てる京太郎。
京太郎「(或いは……あんまり言いにくい所が行きたい場所だったとかか?)」
そこには映画館の他に、遊園地、そしてショッピングモールという2つの施設が載ってある。
京太郎「(遊園地……いや、これはテーマパークって感じかな?
違いはよくわからないけど、なんかキャラものを全面に出してる感じの遊園地だ。
ハードなアトラクションもあるんだろうけど、どっちかというとキャラクターありきって感じのファンシーなテーマパークだな。
ショッピングモールは……うーん、色々なブランドが出店してると。
霞さん、いつも巫女服だし買いに行きたいけど、男が俺1人だし荷物持ちにするのが申し訳なくて言い出せない……とか?
うーん……)」
霞「あの……京太郎くん?」
京太郎「ああいや、すみません。 えーっと……」
1.「やっぱり映画館が良さそうですね。 好みのジャンルとかってあります?」
2.「俺は遊園地も行きたいですね。 こういう場所に行った方が遊んでる!って実感沸きますし」
3.「ショッピングモールとか楽しそうですけどね。 色々店があるみたいですから覗くだけで楽しいでしょうし」
↓1
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/08(月) 23:09:53.82 ID:og8YWsHuo
2
397 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/08(月) 23:24:12.85 ID:dAb/UUKn0
>2.「俺は遊園地も行きたいですね。 こういう場所に行った方が遊んでる!って実感沸きますし」
霞「本当!?」
京太郎「うぇっ……」
霞「あ……コホン。 そう、京太郎くんは遊園地に行きたいのね?」
京太郎「え、ええ、まあ……。 そうですね、候補の中には入るかと思います」
京太郎が発言した瞬間、霞はやや食い気味に身を乗り出してきた。
その後、気を取り直したかのように咳払いをして落ち着いた様相を見せたものの……。
京太郎「(これは……大当たりだろうなぁ)」
まず間違いなく、霞のお目当てはこの遊園地だったのだろう、と京太郎は感づいた。
彼はベジタリアン系ではあるが、鈍感系ではないのだ。
これだけわかりやすい反応をすれば、流石に気づく。
一体どうして隠すのだろうか、とも京太郎は思うが……。
改めて雑誌を見てみても、確かに霞のイメージとは少々かけ離れているようには感じる。
自分に似合わないかもしれない、と思えばそれに対して躊躇をするというのが人間だ。
京太郎「(落ち着いたお姉さん、巫女さん、大人っぽいと……まあこういうファンシー系とは程遠い所にいるもんなぁ)」
霞が口を噤んだのも、京太郎には理解が出来た。
398 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/08(月) 23:43:38.96 ID:dAb/UUKn0
京太郎「まあ、とりあえずこの件も哩先輩に話してみて……そこからどうなるかですかね」
霞「そう……時間的に、映画館と遊園地両方に行くというのは無理かしら?」
京太郎「ああ、それもありですかね。 映画館は映画一本見るのにそこまで時間かからないですし」
映画の上映時間など、大体が2時間程度だ。
もう少し長くなったとしても、朝に行けば昼前には見るものも終わる。
映画好きならそのままぶっ続けで2本目に他の物、或いは同じものでも見るのかもしれないが、
京太郎はそこまでの趣味は無いし、それは他の者たちも同じだろう。
映画を見終わった後、遊園地に直行。
同じページで紹介されている事からわかる通り、この2つの施設は比較的近場に寄っているらしい。
昼からになってしまうが、十分遊べる範疇だろう。
京太郎「(っていうか、そもそも……)」
霞「ふふ、そう……候補としては、ありなのね。 うん」ニコニコ
京太郎「(これだけ喜んでる霞先輩にノーとは言えない……)」
恐らく喜びを隠そうとはしているのだろうが、まったく隠しきれていない。
普段は凛として大人びているが、今の様子はまるで遠足前の子供のようだ。
そんな霞を前にして、やっぱりナシで、と言えるような度胸は京太郎にはなかった。
京太郎「(まあ俺も別に嫌な訳じゃないしな。はしゃぐ霞先輩も見てみたいし)」
石戸、遊園地で遊んではしゃぐ。……となるかどうか。
京太郎「ただ、遊びに行くのも試合に勝ってこそですからね。 気合入れて、明日の試合頑張りましょう」
霞「ええ!」ゴッ
京太郎「ひぇっ……」
思わず気合を入れすぎてゴッしちゃう霞に怯えながら、こうして試合前日の夜は更けていった。
なおこの後霞は落ち着きを取り戻し無事に部屋に戻ったもよう。
※霞の好感度が1回目+1(ゾロ目+2)、2回目+2され32になりました。
399 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/08(月) 23:52:53.33 ID:dAb/UUKn0
7日目 試合当日
やえ「ふふふ……ついに来たな、この時が」
京太郎「(テンション高いなぁ、やえ先輩……)」
あくる日。
ナイトゲームという事で前回の時よりは慌ただしくはなかったものの、
それでも試合当日という事もあってかチームには程よい緊張感が漂っていた。
京太郎や睦月といった、普段は大人しい選手たちも前回の試合を経験した事で相応には落ち着いている。
久と哩、前回敗退をした2人もまた、敗北をしたとはいえその事実に気負う事もなくいつも通りに見えた。
京太郎も、昨夜の霞との一件――というより遊びに向かう先の候補について、哩に話す余裕がある程である。
そんな中、いつも以上にやる気に満ち満ちていたのはやえである。
何度も言っているように、今日の試合――相手の先発は間違いなく松実玄。
彼女に対してリベンジに燃えるやえがこれだけテンションを上げているのも、無理からぬ事である。
久「まあそれはそれとして、よ……」
霞「みんな、今日の試合……絶対に勝ちましょう!!」ゴッ
久「こっちはどうしてこうなったの」
そして、当然のように霞もまたやる気であった。
理由は京太郎しか知らない事だが、わざわざ説明する事もない。
というより、説明しては霞に対して悪いだろう。
哩「まあやる気がなかってこつよりは何倍もよかよ。 竹井も、今度は負けるつもりもなかとやろ?」
久「とーぜん。 私だって負けるのは嫌いなんだから、そりゃ勝ちに行くわよ」
美穂子「頑張りましょう」
睦月「うむ!」
勿論、他の面子もやる気が無い訳ではない。
彼女たちも静かに燃えている。
400 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/09(火) 00:02:51.14 ID:jF4g7aqk0
良子「グッド、皆さんモチベーションは最高潮のようですね。 では……そろそろ向かうとしましょう」
やえ「ん? もう行くのか……試合開始は18:00じゃなかったか?」
一同を満足げに見やった後、告げた良子の一言にやえが突っ込みを入れる。
現在の時刻は昼食を取った後――試合開始まではまだ時間がありすぎる。
が、試合開始前に球場に行ってやらなければならないものもある。
良子「試合前の練習や、最終的なコンディションのチェックもありますからね。 今から行って早すぎるという事はありません」
美穂子「そういえば、前回の試合でも開始時間より凄く早く球場入りしていましたね」
良子「イエス。 それに、球場の空気に慣れるには早めに到着して体を慣らせるのが1番です。
準備が出来たら玄関へ集合してください、オーケー?」
京太郎「はい!」
その後、京太郎たちは手早く準備を終えると、いつものように良子がバスを運転しこれに乗車。
一路、今日の試合会場へと向かう。
バスの中でも、やはり選手たちの行動はさまざまだ。
久と美穂子は隣同士に座って何やら話し込んでいるし、やえは落ち着かないのかそわそわとしている。
霞は逆に落ち着いてきたのか、椅子に座って外の景色を眺め――。
哩は姫子と再び会える事を心待ちにしている様子で、自然とそのクール(に見える)表情を破顔させていた。
京太郎はそんな一同の様子を見ながら、近くに座っていた睦月へと話しかける。
京太郎「そういえば……今日の試合会場ってどこでしたっけ?」
睦月「うむ? あれ、前に監督から話されてたよね?」
京太郎「いや、ちょっと度忘れしちゃって……前回はハマスタでしたけど」
睦月「うむ! あの時は本当に嬉しかったなぁ……お立ち台に上れたし。 ……あ、そうそう、今日の球場だったね。
今日は……」
下コンマ1桁偶数 ナゴヤドーム……にそっくりな何か
下コンマ1桁奇数 横浜スタジアム……にそっくりな何か
↓1
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 00:03:43.11 ID:Cj3/DNMAo
ほい
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 00:03:44.43 ID:i7/6Yw0DO
あ
403 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/09(火) 00:06:08.67 ID:jF4g7aqk0
ハマスタに決定、という所で一旦ここで区切らせていただきます。
それではおやすみなさい。
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 00:07:59.66 ID:UPejpQ+E0
乙
折角のゾロ目だから何か欲しいけどなー。無理だろうな……
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 00:10:51.96 ID:Cj3/DNMAo
乙
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 00:12:22.90 ID:uVNFGAUA0
乙です
ゾロ目って言う事で観客の八割以上を横浜応援団(太洋応援団含む)にするって言うのは如何でしょうか?
ま…そんな環境だと玄ちゃーは涙目確実でしょうけど
智葉先生や弘世様は闘志むき出し状態に成りそうですよね
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 00:14:08.17 ID:hN2bQreA0
乙です
まさか神戸のネタを挟んでくるとは思わんかった
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 00:24:38.80 ID:Q1IsCqT00
乙
二試合目か。取りたいキャラ多くて悩むわ
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 18:15:07.97 ID:vOAZHmGe0
乙です
京太郎が持ってるカードの3人もドンドン活躍して欲しいと思いつつ見てます
410 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/09(火) 22:34:49.60 ID:jF4g7aqk0
乙ありです。遅くなりましたがもう少ししたら再開します。
411 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/09(火) 23:04:41.49 ID:jF4g7aqk0
>下コンマ1桁奇数 横浜スタジアム……にそっくりな何か
睦月「ハマスタだよ!」フンス
京太郎「ハマスタかぁ……」
前回と同じく、こちらのチームの主催試合。
熱狂的横浜ファンの睦月は、やはり喜んでいる様子だが……京太郎からしてみれば微妙な心境。
初戦の時のようにホームはハマスタ、ビジターでも東京ドーム――というのならともかく。
今回はもしもビジターでの試合ならばナゴヤドームで試合をする事となっていただろう。
京太郎「(ハマスタよりはナゴドで投げたいよなぁ……)」
以前、やえが放った特大のファールに見えたものが風で押し戻されてホームランになった、など。
とにかくハマスタは狭い、故にホームランが出やすい、おまけに風の影響をモロに受ける。
正直なところ、投手としてはあまり投げたくない球場だ。
逆に今回の対戦相手――中日ドラゴンズが本拠地とするナゴヤドームは、セ・リーグの中では1番広い。
それはホームランが出にくいという事を意味しており、どうせならばそちらの方が良かった、と京太郎が考えてしまうのも無理からぬ事であった。
こんな事を言ったら睦月がどんな反応をするかわからない為、黙っていたが。
こうして悶々としている中、良子の運転するバスは以前同様、
横浜スタジアムの関係者専用の駐車場に到着。
睦月は相変わらずハマスタの中に入れるというだけで興奮をしていた、のだが……。
京太郎「………………」
美穂子「あの、あれって……」
それ以外の者たちは、良子が駐車した対面――同じく止まっているマイクロバスに視線を向けた。
別におかしな事は無い。恐らくは既に対戦相手もこの球場に入っているのだろう。
ただ、問題は……。
久「思いっきりラインはみ出してるわね……」
駐車スペースを仕切る白いラインを、跨ぐようにして停まっているバス。
こちらが良子が運転をしてやってきた事を考えれば、相手チームの運転手も自ずと想像がつく。
哩「そういや前もバス停めるのに時間ばかかった言うとったな……」
良子「あまり見ないで上げてください……」
なんとも言えない気分になる京太郎たちに、良子は苦虫を噛み潰したかのような声でそう告げた。
良子としても、偉大な栄誉と称号を持つ先輩雀士が色々とアレな件については深く突っ込めないのだろう。
京太郎達は色々と察しつつ、何も見なかった事にして球場入りをするのだった。
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 23:16:57.90 ID:9+XKa/YD0
健やんぇ
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 23:19:24.51 ID:Cj3/DNMAo
出るたびに残念度が上がっていく
414 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/09(火) 23:29:40.38 ID:jF4g7aqk0
【
>>401
ゾロ目のおまけ】
睦月「うぅ……またハマスタのロッカールームを使える……」
その後、一同は揃ってロッカールームへ。
睦月はやはり自分たちのネームが書かれたロッカーに感激をしていたのだが、
京太郎としては女性陣ばかりの中に1人だけ男性という事からロッカーを使えないという事もあっていまいち感動も何もない。
久「前も思ったけど、球場は狭いけどロッカーは広いのねぇここ」
やえ「いや、多人数で使うロッカールームなのだから広いのは当然だろう」
久「ロッカーって言えば狭いもんでしょ。 なんというか落ち着かないわ」
霞「良子さん、練習開始時間はいつごろなんでしょう?」
良子「まだ時間はあります……とはいえ、まずは着替えを済ませておきましょう。
ユニフォームは届いている筈ですからね」
京太郎「届いてる? え、ユニフォームなら俺達持ってきてますよ?」
京太郎の言う通り、既にユニフォームなら支給されている。
毎日の練習で頻繁に汚れるものの、何着も用意されている為に着れるものが無いという事も無い。
事実、前回の試合でも京太郎達は自分たちで持ってきたユニフォームを着用して試合に臨んだのだから、
彼らが顔を見合わせて首を捻るのも致し方ない事である。
そんな一同の様子を愉快そうに見やりながら、良子はロッカールームの中央に置かれてあったダンボール箱に手をつける。
良子「今日はこの球場――我々の主催試合でイベントが開催されますからね。
それに伴って、ホームチームである我々も普段のユニフォームとは違うものを着用する手筈となっています」
睦月「!」ピクッ
その一言に睦月が反応する中、良子はダンボールを開け、中から未開封のユニフォームを一着取り出した。
そのユニフォームは――。
コンマがゾロ目 モザイク柄のようなマリンブルーの綺麗なユニフォーム(この試合のみ、睦月の全能力+5)
それ以外 どこか懐かしい胸にWのマークが光るユニフォーム(この試合のみ、霞の守備力+5)
↓1
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/09(火) 23:31:07.16 ID:fQzUFock0
や
416 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/09(火) 23:46:52.65 ID:jF4g7aqk0
>どこか懐かしい胸にWのマークが光るユニフォーム(この試合のみ、霞の守備力+5)
睦月「あれは……ホエールズのユニフォーム!?」
やえ「ほえーるず?」
ユニフォームを見た瞬間、口を開いたのはやはり睦月である。
その名を聞いても、ほとんどの者たちはピンと来ていなかった様子だったが、
京太郎だけは知識としては知り――そして、そのユニフォームについても見る機会自体は無い訳ではなかった。
京太郎「大洋ホエールズの復刻ユニですか……」
哩「復刻てなんのこつやね?」
京太郎「ベイスターズの前身の球団の名前が、大洋ホエールズっていうんですよ」
正確には現在京太郎たちが所属をしている――ような感じになっている球団、横浜DeNAベイスターズから数えれば、
前身は横浜ベイスターズである。
そして、その更に前が大洋ホエールズなのだが……こちらの方がわかりやすいだろう、と京太郎はあえてそのまま説明した。
大洋ホエールズ――正式な名称は横浜大洋ホエールズ。
1978年から1992年まで活動をしていた、横浜に根付いていた球団である。
親会社のゴタゴタの関係で後に横浜ベイスターズと改名をしたが、当時からのファンも多い。
その為に現在では、当時のユニフォームを着て試合をする、所謂復刻ユニフォームでの試合も執り行われる事がある。
最近の明るい、派手とも言えるユニフォームからは少し違う、レトロな雰囲気を持つユニフォームは、
横浜大洋ホエールズ時代を知らないファンからも人気が高い。
当然のように、睦月自身も当時の事は知らないとはいえこのユニフォームのファンである。
もはや感激しすぎて色々とぶっ飛んでしまうのではないかと言わんばかりの表情で自身のユニフォームをにやにやと眺め、
周囲の者たちはまあ、こういうものもあるのか……といった感じでそれに手を伸ばした。
その後、一同は着替えを済ませ(なお京太郎のみ別室)、再び集合をするのだが……。
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 00:05:13.58 ID:vwiIa+xqo
戸柱とか言う最後の大洋戦士
のコラ
418 :
◆0RbUzIT0To
[saga]:2017/05/10(水) 00:07:03.16 ID:FY/B/mh20
やえ「なんというか……こう、地味だな」
霞「そうかしら? 私はこういうのもいいとおもうけれど……」
京太郎「(いや、霞先輩似合い過ぎだろ!?)」
基本的に、いつも練習などで着用するのは普段のベイスターズのユニフォームである。
その為に一同が着ても違和感や野暮ったさというものが目立ったのだが、霞に関しては非常に似合っていた。
似合っているというよりは、何年も着ていましたというような雰囲気すら醸し出しているレベルである。
思わず京太郎も、その巨大な兵器で胸についたWマークの盛り上がりを凝視する以前に、
あまりの自然さに驚愕するレベルだった。
睦月「霞さんはよく似合ってますね」
京太郎「(うわ、突っ込んだこの人!?)」
霞「そう? 自分ではよくわからないのだけど……ありがとう、睦月ちゃん」
睦月「うむ! これぞ大洋戦士と言わんばかりの着こなしぶりです」
霞「?」
霞にとって、そして睦月にとっても幸運だったのは、霞が大洋戦士という言葉の意味をよく理解していなかった事だろう。
良子「さて……それでは着替えも終わりましたが、先ほども言いましたように練習時間までまだ時間があります。
時間にはアナウンスでお知らせする手筈となっていますので、前回同様、今回もスタジアムを自由に散策してください」
そして、やはり幸運な事に、話題は次へと転換してくれた。
深く大洋について聞かれていたら無駄に霞を傷つける結果になっていたかもしれないと感じた京太郎としては、ホッと安堵の溜息が漏れる。
京太郎「っと……それはともかく、スタジアムの散策かぁ……。
まあ、前回も回ったとはいえまだ全部を回り切れてはいないし、それもありか。 でも1人ってのも寂しいし……」
【睦月・美穂子・やえ・霞・良子】
【久・哩】から選択
↓1
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 00:08:48.32 ID:Ob+6Vj0q0
この中で一番出番少なかったキャラにしたいが……やえ?
安価↓
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 00:08:49.26 ID:r6zOrwf30
霞
421 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/10(水) 00:16:37.99 ID:FY/B/mh20
ごめんなさい、眠たいので短いですが今日はここまでで。
中々進まず申し訳ないです。
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 00:17:56.25 ID:lPI7VXSA0
乙です
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 00:19:29.91 ID:X9Lpp+Mg0
乙ー
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 00:20:43.59 ID:Ob+6Vj0q0
実際、だれが一番関り少ない?
全員均等ぐらい?
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 00:22:39.11 ID:i+6yZDxYo
乙
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 00:50:46.47 ID:IxBQkVHFO
乙ー
関わりというか単純に好感度で見れば大体横並び状態
京太郎は基本絶対練習するマシーンだからそのせいもあってか戒能さんが頭一つ抜けてるけど
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 01:09:05.95 ID:W0uhkIA10
乙
>>424
強いていうなら哩? 好感度は横並びだから関わり少ないとかで言うと次にチームに入る娘取ってけばいいんじゃね
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 12:28:42.16 ID:lDYdxvTy0
乙です
現実でも三嶋と国吉のどっちかでいいから活躍して欲しいな。
429 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/10(水) 21:50:56.44 ID:FY/B/mh20
ごめんなさい、今日も更新は出来なさそうです。
ここ最近滞って申し訳ないです。
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 21:59:43.93 ID:i+6yZDxYo
勝ったからセーフ 乙
431 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 21:42:27.79 ID:Zq7ccv1b0
どうも乙ありです。
>>424
>>426-427
とりあえず今の好感度はこんな感じになっています
睦月 30
美穂子 37
やえ 28
霞 32
良子 39
久 32
哩 28
お出かけコマンドを使えば最少6、最大12と一気に増えるので(コンマ次第では更に)10くらいの差なら誤差とも言えますね。
もう少ししたら再開します。今年引っ張り方向の打球が多いと思ってましたけど、倉本ホームランは予想外でした。
432 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 21:59:09.53 ID:Zq7ccv1b0
>霞
霞「京太郎くん、1人なの?」
京太郎「あ、霞先輩」
さてどうしたものか、とロッカールームの外で考え事をしていた京太郎だったが、
そんな折、中から出てきた霞と鉢合わせをする。
手持無沙汰で暇を持て余している、といった風の京太郎は、正しくその通りであり。
京太郎は苦笑いをしながら頬をかく。
京太郎「他の皆はもうどこかに行っちゃったみたいですからね……霞先輩は?」
霞「私は……ええ、私もちょっと行きたい所があって」
京太郎「そうなんですか?」
意外そうに目を丸くする京太郎だったが、それも当然だろう。
ハマスタも、ボールパーク構想という野球だけでなくテーマパークとしても楽しんでもらえるようにという思想の元、
さまざまなアトラクションを取り入れているとはいえ、まだまだそれも途上。
基本的には野球好きが見て喜ぶような名所や展示物が置かれているばかりだ。
そんな中で、野球に関する知識が決して豊富とは言えない霞が行きたい場所があると聞いて、驚かない筈もない。
京太郎「どこです? よかったらご一緒したいんですけど」
どうせ暇なのだから、ここは霞に付き合ってぶらぶらしたい。
そう考えた京太郎が打診すると、霞は眉を潜めて少しばかり悩むようなしぐさを見せる。
霞「え、えぇと……」
京太郎「? あの……」
霞「……えぇ、そうね。 京太郎くんなら、いいかしら。 誰にも言わないって約束してくれる?」
京太郎「え? えぇ(なんだ? えらく深刻そうな顔で言われたけど……)」
ただ施設内を見て回るだけで、何故にそこまで気負ったような表情をするのか。
京太郎はまるでわからなかったが――覚悟完了した霞に連れられて移動をすると、やがてその理由にも思い至ったのだった。
433 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 22:08:30.21 ID:Zq7ccv1b0
………
……
…
京太郎が霞に連れられてやってきた場所、それは――。
ワイワイ ざわざわ
D.B.スターマン「…………」パタパタ
ドアラ「…………」直立不動
ベイスターズ、そしてドラゴンズのマスコット。
彼ら(?)が子供たちを相手に、或いは女性たちを相手に写真撮影や握手などをするアトラクションが行われている場所であった。
既にその場には大勢の女性陣や子供たちが大挙しており、マスコット達と触れ合っている。
この光景を見て、京太郎は思わずほっこりしそうになるのだが……。
京太郎「…………」
霞「か、可愛い……!」
京太郎「(霞先輩……顔が、顔が崩れてる……!)」
隣にいる霞が、だらしなく頬を緩ませている姿を見てそれどころではなかった。
薄々、感づいていた事ではあるが……。
京太郎「(もしかして、可愛いもの好きなのか霞先輩……)」
マスコット達を見る霞の目は、正しく純粋無垢な少女といった様相。
いつもの凛として落ち着き払っている姿からは想像も出来ないような顔面崩壊である。
乙女石戸、マスコットに会って胸を膨らませる(元々膨らんでる)。
434 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 22:16:00.29 ID:Zq7ccv1b0
【TIPS・D.B.スターマン】
横浜DeNAベイスターズのマスコット。
かつて横浜ベイスターズ時代に存在した星型のマスコットがペットにしていたハムスター……という設定。
ちなみにベイスターズからDeNAベイスターズになる際、その星型マスコットは宇宙に帰った。
ハムスターは地球に残った。ちゃんと連れて帰って上げろよという声も当時は多かったという。
見た目はかなりあざとい、ずんぐりむっくりなぽっちゃり体型のゆるキャラ。
ハムスターらしいが、その姿からタヌキと呼ばれる事も多い。
【TIPS・ドアラ】
中日ドラゴンズのマスコット。
恐らく、野球を知らない人に対する知名度では12球団でも群を抜いているだろう。
ダンスに飛び入り参加したり、したと思ったら直立不動で動かなかったり、
ペンとスケッチブックを持っての芸など様々な手法でファンとチームを盛り上げる。
写真集にもなった事がある。
ちなみに当初の姿と現在の姿では色々と違っている。
暇な人は見くらべてみると面白いかもしれない。
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/11(木) 22:21:06.84 ID:J0DYO0qEo
ドアラはきっとゲーム中バク宙してくれるんだろ
436 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 22:30:22.15 ID:Zq7ccv1b0
京太郎「(うーむ……しかし、いい笑顔してる……っと)霞先輩、良かったら写真撮りましょうか?」
霞「え? で、でも……いいのかしら?」
京太郎「他の人たちも握手してもらったり、写真撮って貰ったりしてるんですから問題ないですよ。
生憎と携帯のカメラしかないですけどそれでよければ」
霞「そ、そうね……それじゃあ、お願いしようかしら?」
京太郎「はい!」
ここまで来て遠慮をする事も無いだろう、と京太郎は霞の後押しをし、
霞はやはり迷いを見せながらも、やはり撮りたいものは撮りたいのだろう。
やがて意を決したかのように、その一歩を踏み出し、マスコットへと近寄って行った――。
霞「ド、ドアラちゃん……写真撮ってもいいかしら?」
ドアラ「…………」片手でOKのサイン
霞「あ、ありがとう!」
京太郎「(えっ、そっち!?)」
何故か、あざといくらいのゆるキャラであるスターマンではなく、あまり可愛いとは言えないドアラの方が目当てだったようだが。
しかしながら、ドアラに声をかけて了承を貰えた霞の表情は喜色に染まっている。
彼女の好みがイマイチわからないが、ともかく喜んでいるのならばいいだろうと京太郎は1人と1匹(?)に近づき、
ポケットからスマホを取り出して撮影に取り掛かる。
京太郎「それじゃいきますよー。 はい、チーズ」ピピッ
霞「撮れたかしら?」
京太郎「こんな感じでどうです?」
霞「……うん、うわぁ。 私とドアラちゃんが2ショット……」
京太郎「(うおっ、近い! 近いよ!?)」
撮影したものをスマホで確認する京太郎と霞であったが、興奮しているのか霞の距離がいつになく近い。
近ければ当然霞の柔らかなそれは京太郎に押し付けられる事になるのだが、霞本人はやはり興奮の為か気づいていない様子。
ただ、京太郎としては意識せざるを得ない。全神経を当てられてんのよ状態にある腕に集中させる。
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/11(木) 22:35:21.40 ID:J0DYO0qEo
ドアラちゃんwwww
438 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 22:39:34.44 ID:Zq7ccv1b0
霞「ありがとう京太郎くん、ありがとうドアラちゃん」
ドアラ「…………」フリフリ
霞「はふぅ……可愛い」ウットリ
京太郎「(おおう、離れた……もうちょっとあの感触を楽しみたかった……って、また霞先輩トリップしてる)
霞先輩、ちょっと離れましょう。 あんまり独占すると他の人の迷惑になりますし」
霞「そ、そうね。 ええ……」
その後、2人はドアラに礼を言いつつ、その場を一旦離れた。
周囲にはドラゴンズ、ベイスターズ、両軍のファンがいたが、幸いにして京太郎たちに彼らが殺到するという事はなかった。
両軍のファンも、このような場で京太郎たちにサインを求める、という程には不躾ではなかったようである。
とにもかくにも、撮れた写真を京太郎は霞のスマホへと転送。
送られてきた画像を見て霞はやはり嬉しそうにしながら、そっとそれを懐にしまう。
霞「良かったわ……本当に、いい経験が出来たわ」
京太郎「喜んでもらえて何よりですけど……ドアラの事は知ってたんですか、霞先輩?」
霞「野球はあまり見ないけれど、あのドアラちゃんは有名だもの。 機会があれば会ってみたいと思ってたの。
まさか会うだけじゃなく、写真まで撮れるなんて思ってもいなかったけれど。
でも、やっぱり直接見ると可愛さも凄いわね……ほれぼれしちゃうわ」ウットリ
京太郎「そうなんですか。 (霞先輩の趣味だと……他球団だとあれか。広島のアレとかが好みなのか? ヤクルトのアレは……見た目だけは可愛い系か)」
正直な所、霞のセンスについては色々物申したい所があるのだが、
とはいえ、その辺りは個人の趣味だ。
京太郎としても、野暮な事は聞かないのだった。
※霞の好感度が+2され、34になりました。
439 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 22:53:50.19 ID:Zq7ccv1b0
そして、マスコットとの交流が終わった所で、である。
時計を見てみればまだ練習開始までには時間がある。
京太郎「どうします? まだどこか回ってみたい所とかってありますか?」
霞「そうねぇ、私は特には……」
泉「あっ、おった! 須賀くん、石戸さん!!」
京太郎「え? って……二条さん!?」
これからどうしたものか、とぶらぶら歩きながら考えていた2人に届いたのは、前回の試合で対戦をした二条泉の声だった。
振り返れば、そこには確かに泉の姿。
更にその脇には――。
誠子「やあ、久しぶり」
佳織「こんばんわ」
京太郎「亦野さんに妹尾さん? どうしたんです、こんなところで?」
亦野誠子、妹尾佳織。
彼女たちもまた、前回の試合で戦った選手であった。
一体どうして彼女たちがこんなところに、と京太郎が疑問を持つと、泉は呆れたような表情をしながら口を開く。
泉「どうしたって見たらわかるやろ、観戦しに来たんや」
霞「まあ……スタジアムにいるとなったら、それが目的よね、普通は」
誠子「二条さんがどうしても須賀くんの投球を見たいってうるさくてね」
京太郎「えぇ!?」
泉「……あのカード持った須賀くんがどんなピッチングするか、期待してるんや。 悪いか?」
京太郎「ああ、いや、そんなつもりじゃないよ。 でも……俺達の方を応援してくれるのか?」
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/11(木) 22:59:35.53 ID:J0DYO0qEo
再登場やったぜ
441 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 23:16:24.23 ID:Zq7ccv1b0
自分たちを打ち破った相手――特に泉からしてみれば、カードを託した相手が投げる試合だ。
その試合を観戦したい、と思うのは至極当然と言える。
しかしながら、果たして彼女たちが素直に自分たちを応援してくれるのだろうか?とも、疑問に思う。
泉「清水谷先輩の事?」
誠子「うちも……弘世先輩が中日の方にいるみたいだからね」
彼女たちの元いた高校での仲間――先輩が、京太郎たちの対戦相手である。
色々と複雑な気持ちなのではないかと京太郎が思うのも無理からぬ事であるが、泉は苦笑しながらも回答をした。
泉「さっき亦野さんとも向こうに挨拶行ったけどな、まあ、やっぱ私としてはあんたらに勝って欲しいわ」
無論、彼女たちが元いた高校の先輩達に思う所が無い訳ではない。
だが、今、彼女たちがやっているのは野球であり――そして、既に敗退した彼女たちが先を託したのは京太郎たちである。
複雑は複雑ではあるが、それでも京太郎たちに勝って欲しいと思うのは当然の事でもあった。
誠子「まあ、出来るだけいい勝負をしてくれればって所かな。 弘世先輩がこっちでも苦労する姿ってのもあまり見たくないからね」
佳織「私は津山さんを今日は目いっぱい応援出来るから楽しみです」
京太郎「……ありがとうございます。 皆さんの分まで、勝って見せますよ」
誠子「うん、気合十分だね(持ってるカードはアレなのに、凄い自信だ……慢心してた私が勝てなかったのも当然なんだな。スランプ云々じゃない、気持ちの上で負けてたんだ)」
これだけ応援されては、京太郎たちも頑張らない訳にもいかない。
気合を入れる京太郎を見て、泉は嬉しげに笑みを浮かべる。
442 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 23:23:23.36 ID:Zq7ccv1b0
泉「で、まあさっき向こうに挨拶行ってきたってゆうたけど……あっちはあっちでエースが大変そうやったな」
霞「エース……というと、松実さんかしら?」
泉「そうですね、松実さんの妹さん。 ちらっと見ただけでしたけど、顔面蒼白でしたよ」
佳織「大勢の人の前で投げるって緊張するだろうしね……仕方ないと思うなぁ」
京太郎「そう……なんですか?(この前は堂々としてたんだけどなぁ)」
泉の言葉を受けて、京太郎は首を捻る。
前回の合同練習の際には、今度こそ負けない、点を失わないと豪語をしていたのが玄である。
そもそも彼女の本質は、明るく天真爛漫な性格だ。あまり気落ちをしたり緊張したり、というのとは無縁に京太郎は思っていた。
実際の所は、結構打たれ弱いのだが。
誠子「多分、色々とトラウマがあるんだと思うよ……」
そんな疑念を持った京太郎に対して、誠子が口を挟む。彼女としても、色々と思う所があるらしい。
その上で、彼女は更に言葉をつづけた。
誠子「ただ……もしもそれを乗り越えられたら、松実さんは一皮剥ける事が出来るんだと思う」
京太郎「乗り越えられたら……ですか?」
誠子「うん」
言いながら、誠子はズボンのポケットを外側からそっと撫でた。
そこには、確かに彼女が乗り越えた証のカードがある。
誠子「カードの力を引き出すのも、乗り越えるのも、心の強さが影響あると思うからね。
だから……もしも乗り越えられれば、カードがきっと応えると思うよ」
間違いなく、現状の松実玄の所持カードは強いとは言えないものだ。
それは京太郎も、そして詳しく事情を知らない誠子でもなんとなく把握出来ている。
ただ、強いとは言えないカードでも最大限まで引き出せば京太郎のように相応の力は持てる。
或いは誠子のように更なる進化を遂げる事もある。
京太郎「(松実さんか……)」
京太郎はピッチャーである以上、直接対戦をする訳ではない。
しかし、以前にも言った通り――もしも玄が本気でこちらを相手にし、点を失わないという覚悟があるのならば。
京太郎「(こっちだって、失う訳にはいかないよな……!)」
負ける訳にはいかない、京太郎にも、今はそう思えるだけの自信がある。
気持ちを新たに引き締める中、刻一刻と試合開始時間は迫ってくるのだった。
………
霞「ところで白築プロはどうしたのかしら?」
佳織「監督さんは……その……」
泉「寮にいますわ。 あの後、ドイツから旦那さんがやってきて……」
誠子「毎日のようにお出かけ……まあ、デートですね。 楽しんでるみたいですよ」
京太郎「それは、なんというか……」
泉「正直、目の毒やであれは」
なお、慕は旦那さんとヨロシクやっているもよう。
443 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 23:34:04.96 ID:Zq7ccv1b0
………
……
…
その後、時間は流れて試合開始時間30分前。
既に両軍共に練習は終えており、京太郎は今、ブルペンで最後の調整を行っていた。
それと同時刻、である。
ズバァンッ!!
菫「よし……いいボールだ、松実」
玄「は、はい!」
中日ドラゴンズ側のブルペンでは、やはりこの日先発の玄が菫を座らせ最終調整をしている。
相変わらず、京太郎や睦月といったノーコンよりも更に酷い制球を見せるが、
それでも球速は出ており、変化球もシュート、スライダーとキレも悪くは無い。
受ける菫も、今日の玄はいつになく調子が良さそうだと内心で笑みを浮かべる。
菫「……そろそろいい時間だ、ベンチに行こう」
玄「はい!」
一定の投球を終えた所でそう告げると、菫は玄を伴ってベンチへ。
その道中、先ほどからやたらと元気に返事をする玄を怪訝な目で見る菫だったが……。
菫「……もしかしなくても緊張しているのか?」
玄「はい!! あ、いえっ!! 大丈夫です!」
菫「どう考えても大丈夫に見えんぞ……」ハァ
444 :
◆0RbUzIT0To
[saga sage]:2017/05/11(木) 23:52:18.57 ID:Zq7ccv1b0
案の定、玄は緊張をしていた。
元来明るい性格である、というのは先にも述べた通りだが、その実打たれ弱いというのも先に述べた通りである。
前回の登板こそ、『おまかせあれ!』の言葉と共にマウンドに上がった彼女だったが、
結果を見てみれば現在彼女が所属をするチームのクリーンナップに打ち込まれ、べこべこのボコボコ。
そうなってしまえば次の登板が怖くなる、というのも致し方ない事である。
玄「ごめんなさい……」
菫「自信を持て、何度も言うがお前がうちでは1番の投手なんだ。 私もしっかりリードする」
玄「はい……」
菫「(口で言ってもどうにもならんか……?
あの性癖を除けば照や淡よりよっぽど性格はいいのだが、かといってこのメンタルは私には叩き直せんな……)」
竜華「あっ、玄ちゃん菫ちゃんおかえりー!」
玄を励ますもそれは空振り、どうしたものかと悩む菫だったが、そんな彼女の耳に入ったのは能天気な竜華の声。
どうやら知らない内にベンチへと戻ってきていたらしく、既にほかのメンバー達は揃っていた。
智葉「弘世、松実の調子はどうだ?」
菫「絶好調だな。 ……後は、試合でその投球が出せるかどうかだが」ボソッ
智葉「……7回3失点だ。 そこをノルマとして考えてくれ」ボソッ
菫「ああ」
漫「そろそろスタメン発表されますよー」
姫子「監督……間違えて記入とかしてなかろーか?」
健夜「流石にそこはちゃんと書いたよ! 智紀ちゃんにもチェックしてもらったからバッチリ!!」
姫子「(それでもチェックばしてもろたんや……)」
智紀「しかもオーダーを考えたのは監督じゃないしね……」
智葉「沢村……ベンチでは頼んだぞ。 守備中は私も上手く指示は出せない」
智紀「了解」
こうして、監督がいながら監督不在の空気の中、試合開始時間30分前。
両チームのスターティングメンバーが発表される。
ウグイス「長らくお待たせしました、これより横浜DeNAベイスターズ対中日ドラゴンズ。第1回戦、スターティングラインナップを発表します」
ウグイス「先行、中日ドラゴンズ」
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