【艦これ】北方のとある鎮守府の話・改

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216 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/12(土) 21:13:07.77 ID:xNBz1dDeO

神風「最悪です」

提督「・・・ですよねー」

217 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/12(土) 21:16:27.06 ID:xNBz1dDeO
とりあえずここまで
読んでくれた人いたら、感謝です

神風型と秋月型はいいぞ
218 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/13(日) 01:16:19.97 ID:sjEiGhKp0
>>211の神風のセリフ

神風「そう言えば、提督はどうして軍靴を履かれていないんですか?」

の「提督」は「司令官」でした
細かいことだけど、申し訳ないです
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 02:50:28.14 ID:+NEUTDwqo
おつ
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 09:31:17.24 ID:58lbgAR20
乙です
221 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:16:28.62 ID:CMU318IJO
>>216から続き

旗風可愛いぞ!流石は神風の妹だ!てかもう神風型はみんな可愛いぞ!まったく、駆逐艦は最高だぜ!
222 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:17:46.20 ID:CMU318IJO
神風「いやもう本当に・・・突っ込みどころばかりで、どこから聞いたらいいのか・・・」ハァ-

提督「いやあ・・・」テヘヘ

神風「褒めてないです・・・」ゲンナリ

提督「あはは・・・で、でもしょうがないんだよ。私たちにも色々と事情があってね」

神風「事情・・・ですか・・・」

提督「そうそう」

神風「はぁ・・・」

提督「・・・」ニコッ

神風「・・・」ジイッ

神風「・・・わかりました。その辺りのことは、また別の機会にお話してもらいます」ハァ

提督「そうしてくれると助かるよ〜」

神風「・・・」ムゥ

提督(・・・)

223 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:18:15.18 ID:CMU318IJO
神風「ですが、それにしても鎮守府や辺りの惨状は一体どういうことなんですか?」キョロキョロ

神風「これではまるで、つい最近この辺りで戦闘が行われたように見えますけど・・・」

提督「あー、うん。えっと、それはね・・・」

224 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:19:05.43 ID:CMU318IJO

数分後

神風「・・・なるほど。概ね理解できました」

神風「鎮守府周りの荒れ方は尋常じゃないとは思っていましたが・・・やはり深海棲艦による被害だったんですね」

提督「まったく、迷惑な話だよねぇ」

神風「・・・ですが、戦いとはそういうものです。敵は私たちが準備を済ませるのを待ってはくれません。むしろ、私たちの隙を狙ってくるものです」

神風「今回、この鎮守府が強襲されたのは、恐らく敵が鎮守府に十分な戦力が整っていないことを感知したためでしょう」

提督「うーん・・・でも、そんなのってわかるものなの?」

神風「え・・・?」

提督「ん?」

神風「あ、いえ、その・・・」チラ

神風「・・・」

神風(この人・・・)

225 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:19:43.78 ID:CMU318IJO
神風「・・・敵が戦闘を行えるかどうかを判断することは容易です。例えば、遠方から偵察機を飛ばして様子を窺ったり、偵察や哨戒をどの程度の頻度で行なっているか、などを確認することで、敵の内情を大まかに把握することはできます」

提督「ほえ〜・・・なるほど・・・」ポワポワ

神風「・・・敵方のそういった動きは確認できませんでしたか?」

提督「うーん・・・どうだろ・・・」ムムム

神風「・・・まさか、警戒していなかったんですか?」ジト-

提督「いやぁ・・・そういうわけじゃないんだけど・・・」ポリポリ

提督「・・・だって敵の動向を確認しようにも、ウチには偵察機なんて無いし・・・そもそも偵察やら哨戒なんてやったことないからなぁ・・・」

神風「・・・」ポカン

神風「・・・」

神風「・・・は?」

226 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:20:41.96 ID:CMU318IJO
神風「え・・・あ、あの・・・い、今、なんて・・・?」プルプル

提督「ん・・・?えっと、だからね。この鎮守府には偵察機なんて一機も無いし、そもそも飛ばせる人もいないし・・・あとあと、神風ちゃんが来てくれるまでは艦娘は大和一人だったんだけど、艤装も資材も素寒貧だったから、出撃することもできなかったんだよねぇ」

神風「え」

提督「うぅ〜ん・・・一応目視で巡回はしてるんだけど・・・でも、やっぱりそうだよね・・・むぅ、困ったなぁ・・・」ブツブツ

神風「」

提督「んぅ・・・ん?神風ちゃん?どしたの?」

神風「」

提督「おーい。神風ちゃーん?おーい!」ヒラヒラ

神風「」チ-ン

227 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:21:12.75 ID:CMU318IJO

・・・・・

【鎮守府・寝室】

神風「・・・」

神風「・・・」

神風「・・・はっ!?」パッ

228 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:23:18.86 ID:CMU318IJO
神風「・・・こ、ここは・・・」キョロキョロ

提督「・・・あ。やっと戻ってきたね」

神風「ぁ・・・し、司令官・・・?」

提督「神風ちゃんったら、急に動かなくなっちゃうんだから、私もビックリしたよ〜」

提督「どう?身体は大丈夫?どこかおかしい所とかない?」

神風「あ・・・はい・・・それは、問題ない・・・」スッ

神風「・・・?」

神風(あれ・・・なんだろ・・・少し、違和感が・・・)モジッ

229 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:24:07.32 ID:CMU318IJO
提督「ん・・・?どうかしたの?」キョトン

神風「あっ・・・えっと、その・・・」ワタワタ

神風「・・・し、司令官が、私をここへ・・・?」チラ

提督「うん。だって神風ちゃん、何しても反応なくって、とりあえず外に放置するのもなんだったから」

神風「そ、そう・・・ですか・・・」

スッ

神風「・・・その、ご迷惑をおかけして、ごめんなさい」ペコリ

提督「いーよいーよ。気にしないで。私もよく立ったまま居眠りしちゃうもん」アハハ

神風「あ、あはは・・・」

神風「・・・」

神風「はぁ・・・」

230 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:24:34.62 ID:CMU318IJO


・・・・・


231 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:25:52.42 ID:CMU318IJO
神風(・・・聞いた話によれば、この鎮守府にはありとあらゆるモノが不足しているらしい)

神風(艦娘、艤装、資材、食料、その他諸々の設備・・・挙げ始めればキリがないわね。良くこの状態で鎮守府を維持できていたものだわ)

神風(・・・)

神風(でも・・・この鎮守府の一番の問題は、間違いなくあの司令官)
232 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:26:49.79 ID:CMU318IJO
神風(私は今までに多くの提督を見てきたけれど、ここまで酷いのを見たのは初めてね。彼女は私の中での過去最低を鮮やかに更新してくれたわ)

神風(戦場を正確に俯瞰し、そこからありとあらゆる可能性を読み取る洞察力。豊富な知識と経験に裏打ちされた、適切な判断力。そして、部下を力強く牽引し、勝利を導くカリスマ性)

神風(そういった要素全てを兼ね備えてこそ、司令官たる立場に相応しい人間と言える。なのにあの人は、それらの要素の何一つとして基準を満たしているように見えなかった)

神風(ずさんな調査、行き当たりばったりの行動、浮わついた態度・・・どれをとっても司令官にあるまじきものだわ・・・おまけに凄く不健康そうだし・・・)

神風(どうして彼女が提督になれたのか、どうして鎮守府がこんな有様のままなのか・・・疑問は尽きないわね。大本営は一体何を考えているのかしら・・・)

神風(・・・)

神風(・・・まあ、だからと言って、私が何か口を出すことはないだろうけど)

233 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:27:20.30 ID:CMU318IJO


・・・・・


234 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:29:11.66 ID:CMU318IJO

私は彼女に対して、一切意見をぶつけることもないし、こちらから何かを進言することもない。

ただ、彼女から命じられたことを、粛々とこなすだけ。

ただ、彼女の心に従うだけ。

この環境は私にとってあまりにも厳しいけれど・・・関係ない。そんなことは。

235 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:29:45.78 ID:CMU318IJO


だって・・・そうじゃないと、また捨てられちゃうもの、ね


236 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 10:35:24.23 ID:CMU318IJO
とりあえずここまで
読んでくれた人いたら、ありがとう

アークなんたらさんを手に入れたら続き投下するよ
237 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:53:49.43 ID:btgUAqK10
>>235から続き

アークなんたらさんは…うん…無理やこれ…
238 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:54:26.98 ID:btgUAqK10
同日・夜

【海岸】

提督「・・・」ジ-

提督「・・・」

提督「・・・」

ピクッ

提督「!」

提督「ここだぁ!」バッ

ザバァッ!

提督「よーし手応えあり!今度こそ、大物が・・・」パシッ

提督「・・・ん?」

古びた靴「Good evening.」

提督「・・・」

古びた靴「・・・」

提督「ぬあああああ!」ポ-イ

古びた靴「Good‐by.」

ジャボン!
239 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:55:36.30 ID:btgUAqK10

提督「うぬぬぅ・・・なんで釣れないの・・・これだけやってれば、一匹くらいはいけると思ったのにぃ・・・くそぅ・・・」ギリギリ

提督「・・・いや!諦めるもんか!今度こそ、もう一度・・・よ〜し、いっく・・・!」ヒュンヒュン

「・・・こんな時間に何やってるんですか」

提督「ぞおぉぉぉう!?」ズルッ

ドテッ!

ポチャン!

提督「いったたたぁ・・・またお尻ぃ・・・」

コッコッコッ

「熊野さんみたいな声を出して・・・大丈夫ですか?提督?」

提督「あ、うん。大丈夫・・・」チラ

提督「・・・って、大和!?」ビシッ

大和「・・・?はい、そうですけど・・・」

提督「もぉ〜!こんな時間までどこ行ってたの!?夜は真っ暗だし、一人で出歩くのは危ないんだよ!」プンスカ

大和「私は艦娘ですから、何かあっても十分対処できますよ」

提督「そーゆー問題じゃないでしょー!女の子の夜の一人歩きなんて、提督は許しませんー!」

大和「・・・」ム

大和「・・・そう言う提督も一人歩きしてますけど?」フイッ

提督「私はいいの!だって、提督だもん!」ドヤア

大和「それ、理由になってませんから・・・」ハァ
240 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:56:47.95 ID:btgUAqK10
大和「・・・ところで、神風さんは?」ストッ

提督「もう寝ちゃったみたい。移動とかで疲れてたみたいだしね。仕方ないよ」

大和「そうですか」

提督「うん」

大和「・・・」

提督「・・・」
241 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:57:17.61 ID:btgUAqK10
ザアァァァ

提督「・・・」

提督「・・・あ。そういえば」

大和「はい」

提督「さっき。どこ行ってたの?」

大和「・・・鳳翔さんのところですよ。色々と聞いておきたいこともありましたから」

提督「ふぅん・・・そっか」

大和「はい」

提督「・・・」

大和「・・・」
242 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:58:12.47 ID:btgUAqK10
ザアァァァ

提督「・・・あーあ。釣れないなぁ・・・」ポイッ

大和「この辺りは魚が少ないのかもしれないですね」

提督「それにしても、これだけ続けて一匹も釣れないなんて・・・はぁ・・・私って釣りの才能無いのかなぁ・・・」グニャリ

大和「・・・」ジッ

大和「ふふっ・・・」

提督「・・・なによ」ム-

大和「いえ、その・・・」クスクス

大和「・・・」チラ

大和「・・・可愛いな、と思っただけです」

提督「・・・」ムスッ

提督「・・・ふーんだ。褒めても何も出ませんよーだ」プイッ

大和「もう、拗ねないでください」クスクス

提督「拗ねてないもん」ツ-ン

大和「ふふふ・・・」クスクス
243 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:59:09.90 ID:btgUAqK10
提督「はぁ・・・でも、このままじゃまずいよねぇ・・・」

提督「神風ちゃんが来てくれたのは嬉しいけど、食糧は底をついてるし、相変わらず艤装や資材のアテも無いし・・・」

大和「・・・そうですね」スッ

提督「う〜ん・・・どうしたものか・・・」ムムム

大和「・・・」ジイッ
244 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 20:59:53.51 ID:btgUAqK10
提督「むむむ・・・」

大和「・・・」ハァ

大和「・・・そういえば、さっき・・・鳳翔さんと少しお話をしていた時に、気になる噂を耳にしました」

提督「む・・・気になる噂・・・?」チラ

大和「はい。なんでも近々、北方方面にも補給艦を派遣する計画があるそうです。まだ具体的な部分まではわからないそうですが・・・」

提督「補給艦・・・」
245 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 21:02:45.22 ID:btgUAqK10
提督「う〜ん・・・もしそれがほんとなら、私たちにとっては願ってもないことだけど・・・」ムムム

大和「そうですね・・・」チラ

大和「・・・」

大和「・・・まあ、とは言ってもこの鎮守府に派遣される可能性は、残念ながら低いと思います」

大和「場所や規模を鑑みる限り、優先度では他の鎮守府や基地には劣るでしょうから・・・」

提督「そっかぁ・・・うぅむ・・・」

大和「・・・」チラ

大和「・・・ごめんなさい。変に期待させてしまって・・・」ペコリ

提督「・・・ううん、大和は悪くないよ。むしろ・・・ありがと」ニコッ

大和「え・・・?」
246 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 21:03:35.17 ID:btgUAqK10
スクッ

提督「なにも可能性が無いわけじゃないんだもん。もしかしたら、その補給艦がこの鎮守府に来てくれることだってあるかもしれないじゃない。それに、大本営からの贈り物だって届いてないし・・・これから何が起こるかなんてわからないものだよ。悪い方に転ぶかもしれないけど、良い方に転ぶことだってあるよ、きっと」

提督「大和が教えてくれたから、こうやって色々と考えられるわけだもん。それって、すっごく無駄な希望的観測かもしれないけど・・・それって今の私たちにとっては必要なことだよ。きっと」

大和「必要なこと・・・」

提督「うん。だってほら、希望的観測や憶測は良くないっていう人が昔いたみたいだけどさ、私はそれが生きる活力になるのなら、別に構わないと思うから。だって、妄想するのはタダだしね」クスッ

提督「常にリスクを考えて行動するのは大切だけど・・・悪い結果ばっかり考えてたら、結局現実もそっちに寄って行っちゃうよ」

提督「こんな状況だもん。少しでも前向きにいかないと!」グッ

大和「提督・・・」
247 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 21:04:38.38 ID:btgUAqK10
提督「ね?だから・・・あーだこーだ言いながら、せいぜい期待しないで待ってよ?」パチッ

大和「・・・」

大和「・・・」フッ

大和「・・・そうですね。そうしましょう」

提督「うんうん。良きに計らえ」ドヤア

大和「ふふっ」クスクス

大和「・・・」チラ

大和「・・・ありがとうございます。提督」ボソッ
248 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 21:05:57.91 ID:btgUAqK10

・・・・・

(大和の手前、ああは言ったけど・・・ほんとどうしたらいいんだろ・・・)

(結局何も解決しないまま、時間ばっかりが過ぎていってる)

(このままじゃ・・・)

(・・・)

(早く・・・早くなんとかしないと・・・)

(こんな時だからこそ、提督の私がなんとかしないと・・・)

(なんとか・・・)

(・・・)

・・・・・

249 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/16(水) 21:14:59.40 ID:btgUAqK10
とりあえずこの辺りで
読んでくれた人いたら、ありがと

なんかやたら指示語連続してるとこ多いのはミスです。ごめんなさい!提督が何でもするから許してください!

…それはそうと、実は後1レスで二章を畳むことができる…けど、どうしようか考え中
そもそも今回の提督と大和の会話とか無しで、凄いあっさり終わるはずだったのに…ドウシテコウナッタ

今後についてはやっぱり未定
なんか要望とかあったら言ってもらえると嬉しいです(実行するとは言ってない)
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 02:33:25.62 ID:Or4ubPJ+o
乙カレー
251 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:01:49.07 ID:WrVuxSjmO
>>248から続き

明日で休みが終わって即中国送りなんて、嘘に決まってるさ…hahaha…
252 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:02:19.28 ID:WrVuxSjmO

気がついたら、暗闇にいた

深海よりも暗い世界に放り込まれて、自分の姿すら視認できない

音も、匂いも、気配も、なーんにも感じない

そこまで意識して、ようやくこれが夢なんだなって思い出す

そうして、私は私なんだと思い知る

253 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:02:56.40 ID:WrVuxSjmO

ーーーで、何を悩んでいるのーーー

不意に、頭に声が響く

いや、正確には頭がどこにあるのか、そもそも頭ってなんなのか、よくわからないんだけど

とにかく、私に向けられた言葉には違いない

相手の姿は見えない

その声は鈴を転がすようでありながら、厳しさと優しさを多分に含んだ声だった

多分、聞いたことのない声

じゃあ、私が知らない人なんだろうね、きっと

254 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:05:52.20 ID:WrVuxSjmO

う〜ん・・・でも、初対面の人にいきなり人生相談っていうのもなあ・・・

あ。もしかして、貴方って占い師か何か?

夢の中でまで占いなんて、仕事熱心なんだねぇ

ーーーー・・・早くしないと、帰るわよ?ーーー

あー!ちょっと待って!すいません!また調子に乗ってました!ごめんなさい!

そう急がないで!慌てないで!一人にしないで!私、暗いの怖いの!

わかった、今!とりあえず、今言うから!

相談でしょ!悩みでしょ!?えっと・・・

・・・

えと、えと、そのー・・・

えーっとぉ・・・

・・・

255 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:06:33.84 ID:WrVuxSjmO

ーーー?ーーー

・・・

あ、あはは・・・

悩みが多すぎて、どれを言えばいいのやら・・・

ーーー・・・ーーー

ーーーはぁ〜・・・ーーー

あ、なんかすっごい呆れられてる

それはなんとなくわかった

256 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:07:28.98 ID:WrVuxSjmO

ーーー・・・ーーー

うっ・・・な、なんか、すみません・・・

ーーー・・・いいわ。なら、せっかくこうして会えたことだし、貴女に一つだけ良いことを教えておいてあげるーーー

え、いいの?

ーーーいいの。わかったら、黙って聞いておきなさいーーー

・・・(コクコク)

ーーー・・・いい? には、気をつけなさいーーー

・・・ ?

ーーー・・・ のことよ。貴女はまだ、知らないでしょうけどーーー

???

なんでまた、 ・・・だっけ?それに気をつけないといけないの?

ーーーいいから。いつか私が言ったことの意味がわかるはずよーーー

ーーーだから、今はせいぜい頭の片隅にでも留めておきなさいーーー

う〜む・・・

257 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:09:05.14 ID:WrVuxSjmO

・・・

・・・よくわからないけど・・・とりあえず、わかったよ。占い師さんの言うことだし、一応覚えとくね

ーーー・・・そうーーー

ーーーじゃあ、もういいわね・・・ーーー



258 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:09:59.03 ID:WrVuxSjmO

そう満足げに言ったきり、声は聞こえなくなった

同時に私の意識も急速に薄れてゆく

最後にせめて声の主の姿形だけでも視界に捉えようと、よくよく辺りに目を凝らしてみると、真っ黒な視界の向こうに、なんだかユラユラ揺れているものが見えた気がした

それだけだった

259 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/17(木) 09:14:44.99 ID:WrVuxSjmO
ここまで
読んでくれた人いたら、ありがとうございます

そんなことより、今回の夏イベント厳しすぎませんかね…乙に下げたのにいける気がサッパリしない…
明日までにクリアできるかなあ…
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 11:51:11.14 ID:ej/SJtq1o
オーストラリアのつぎ
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 11:51:40.94 ID:ej/SJtq1o
は中国っすか大変っすねえ
262 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 15:04:46.72 ID:O0lu4QgL0
入れ忘れてた短編を一つ

>>261
本当にねぇ
どうせならアメリカとかヨーロッパ行きたいのになぁ
263 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 15:05:33.51 ID:O0lu4QgL0


《レポート1》


264 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 15:06:30.11 ID:O0lu4QgL0

ー1月8日ー

久し振りに昔の知り合いを尋ねてその施設に来てみれば、なにやら面白いことをやっているとのことだった。

私がここにいたのは、もう三年近くも前のことになるが、外観も辺りの風景も変わっていないので、特に代わり映えしないものだと思ったのだが、どうもそうでもないらしい。

到着して早々、旧友に案内されたのはいかにもといった風情の部屋であった。見覚えのないその部屋を牢獄と形容するのか、それとも天国と呼称するのかまでは、私の知るところではない。ともかく、非常に気色の悪い場所であることだけは確かである。空気がよどんでいる、というよりは、存在そのものが不快感を煽っているようにさえ感じられる。なんにせよ、長居はしたくないところだった。

265 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 15:07:23.12 ID:O0lu4QgL0


そこに、なにかがいた。


266 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 15:09:11.45 ID:O0lu4QgL0

部屋の中心部にいるそれを見て、私は言葉を失ってしまった。

話によれば、それは彼らの実験の賜物であるらしいが、私にはとてもそうは見えない。

そもそも、それは生物と呼ぶべきか、あるいは単なる物体と呼ぶべきか。酷く全体が砕けちったゼリーのようであり、それでいて時折思い出したかのようにピクリピクリとその口角を上げるのだから、気味が悪いといったらありゃしない。

なんだこれは、と尋ねる私を、旧友しげしげと、それこそ不思議な未知の物質を見るかのように眺めていた。そして、こともなげにこう言った。

267 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 15:09:39.66 ID:O0lu4QgL0


『これが我々の新たなる兵器さ』


268 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 15:16:09.36 ID:O0lu4QgL0
《レポート1》
おしまい
読んでくれた人いたら、ありがと

ラスダン終わったら続き投下するよ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 17:40:54.85 ID:fynnOSYPo
おつかーレ
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 17:46:12.06 ID:c7udwFbW0
乙です
271 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:03:38.63 ID:O0lu4QgL0
またまた訂正

>>266
×旧友しげしげと
◯旧友はしげしげと

です。毎度毎度申し訳ない。
272 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:05:55.12 ID:O0lu4QgL0
>>258から続き

ようやっと夏イベント終わったぜ…初めてhey提督になっちまったけど、なんか女騎士みたいな艦娘も入手できて満足
273 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:06:23.15 ID:O0lu4QgL0
翌日・昼

【鎮守府・寝室】

大和「・・・」カリカリ

提督「・・・」カリカリ

大和「・・・」チラッ

提督「・・・」カリカリ

提督「・・・」ムムム-ン

大和「・・・」ジ-

大和(んん・・・?)
274 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:07:16.28 ID:O0lu4QgL0
提督「・・・」カリカリ

大和「・・・あの〜、提督・・・?」オズオズ

提督「んー?」チラ

大和「ええっと、その・・・なんと言うか・・・」

提督「?」

大和「・・・」ム-

大和「・・・何かありましたか?」

提督「・・・」ポカン

提督「・・・何かって?」

大和「それはわからないですけど・・・」

大和「なんとなく、いつもと雰囲気が違う気がしたので・・・」ジ-

提督「・・・」フム

大和「・・・」
275 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:11:14.55 ID:O0lu4QgL0
提督「・・・気のせいじゃないかな。だって、特に何もないし。私だっていつも通りだよ?」

大和「でも・・・」

提督「・・・」ム-

提督「・・・それにほら!私の目を見て?」グイッ

大和「えっ・・・て、提督・・・?」

ジ-

大和「・・・」

提督「・・・ね?これが嘘をついてる人間の目に見える?」ズイズイ

大和「えっ・・・と・・・」

提督「・・・」ジ-

大和「・・・」

大和「・・・そう、ですね。そうかもしれません」ハァ

スッ

大和「ごめんなさい、変なこと言って・・・」

提督「いいのいいの・・・さ、早く残りの書類だけかたしちゃお?」ニコッ

大和「はい」
276 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:11:59.51 ID:O0lu4QgL0
コンコンコン

大和「あら・・・珍しいですね。また来客でしょうか」

提督「鳳翔さんかな?私が出るよ」パッ

大和「あ、はい。それじゃあ、お願いします」

提督「おっけ〜」パチッ

トットットッ
277 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:13:13.69 ID:O0lu4QgL0
【鎮守府・玄関】

コンコンコン

提督「どうしたんだろ・・・は〜い!今行きますよ〜」トテトテトテ

ガチャ

提督「お待たせしました〜!今日はどういった用け・・・」

??「こんにちは!ですって!」ペコリ

提督「・・・」

??「・・・」ニコニコ

提督「・・・」

提督「・・・あ、はい。こんにちは」ペコリ
278 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:14:50.32 ID:O0lu4QgL0
提督「あの、どちら様でしょうか?」

??「はいっ。私、呉鎮守府の呂号第500潜水艦です。ろーちゃんって気軽に呼んでくださいって、はい!」

提督「えぇ〜っと・・・」

提督(鎮守府・・・潜水艦・・・)

提督(あっ・・・もしかして、この子も・・・)

呂500「?」キョトン

提督「あ、ごめんごめん」ヒラヒラ

提督「私はこの鎮守府の提督だよ。よろしくね、ろーちゃん」

呂500「はいっ!こちらこそですって!」

提督「それで、ろーちゃんは艦娘・・・で、いいのかな?」

呂500「はいっ!そうですって!」ピョン
279 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:16:26.93 ID:O0lu4QgL0
提督「なるほど・・・うん、よしわかった。じゃあ、ろーちゃん?今日はどういったご用事かな?」ヨイショ

呂500「はいっ!今日は提督に、お手紙を持って来たんですって!」ゴソゴソ

提督「・・・手紙?私に?」キョトン

呂500「手紙に、提督さんへ、って書いてありますって!」

提督「へぇ、それをろーちゃんが持って来てくれたんだ。ごめんね、わざわざこんなところまで・・・」

呂500「んーん!全然平気ですって!」

呂500「遠征で近くを通った帰りですって、はい!」

提督「そっかそっかぁ」ポワポワ

提督(可愛い・・・)
280 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:18:15.70 ID:O0lu4QgL0
呂500「え〜と・・・ん〜と・・・あっ!あった!」ゴソゴソ

呂500「はいっ!提督、どうぞですって!」サッ

提督「はい。どうもありがと〜」ナデナデ

呂500「へへへ・・・Danke!」

提督「・・・そうだ。もし良かったら、少し休んでいく?あまり満足なおもてなしは出せないけど・・・」ポン

呂500「あ・・・んーん!平気ですって!」

呂500「はっちゃん達が向こうで待ってるから、すぐに帰りますって!」

提督(はっちゃん・・・その子も艦娘なのかな?)
281 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:18:50.28 ID:O0lu4QgL0
提督「そっか・・・ん。わかった。引き止めちゃって、ごめんね」

呂500「んーん!でも、気持ちは嬉しいですって。Danke!ですって!」ニコニコ

提督(可愛い・・・可愛すぎる・・・)ハァハァ
282 :3 ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:20:10.91 ID:O0lu4QgL0

・・・・・

提督「お手紙届けてくれてありがとね、ろーちゃん。気をつけて帰るのよ?」

呂500「はいっ!それじゃあ、Auf Wiedersehen!」ピョン

提督「ばいば〜い」ヒラヒラ

ザブン!
283 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:21:53.37 ID:O0lu4QgL0
提督「はぁ〜・・・ろーちゃん可愛かったなあ・・・もっとお話ししたかったなあ・・・」ウヘヘ

カサカサッ

提督「・・・む」チラ

提督「・・・」ジ-

提督「・・・それにしても、私宛てに手紙なんて・・・一体誰からだろ」

提督「・・・」ム-ン

提督「えっと・・・」クルッ

提督(差出人は・・・横須賀鎮守府?)

提督「・・・?」

提督(横須賀・・・鎮守府・・・)

提督「・・・」

提督「・・・まあ、中を見ればわかるか・・・」ビリビリ

ガサッ

提督「えーっと、なになに・・・」

提督「・・・」フムフム
284 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:22:22.15 ID:O0lu4QgL0


提督「合同演習のお誘い・・・?」


285 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:30:18.31 ID:O0lu4QgL0
というわけで、二章完結です。
ここまで読んでくれた人いたら、ありがとうございました。

とりあえず明日の朝に依頼出してきます。
ほんとは短編とか書き溜めてるのあるけど…まあいいや。

色々とカットしたり話の流れ変えたりしてるけど、基本結論ありきで書いてるので、大まかな流れは変わってないはず。
とりあえず言えるのは、黒幕やら元凶?はまだ一回も出てきてないのと、元凶?の関係者の一人は既に登場してる、ってことくらいですかね。後は読んでくださった方々の想像におまかせします。

そんじゃ、あでぃおすぐらっしゃー。
286 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 20:49:05.58 ID:O0lu4QgL0
大事なことを忘れてた

原田美世のSSR早く実装してーーー!!!


287 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/08/18(金) 21:01:33.20 ID:QjFDbS2gO
補足

・短編の《レポート》は同年の話

・提督の様子が変だと思った大和が提督の言葉に納得したのは、別にファンタジーな魔法とか暗示とかによるものではなく、ただの照れ隠し

・ろーちゃんが横鎮からの手紙を提督に持ってきたのは、道中で別の人物からたまたま預かったから
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 15:34:39.42 ID:z4gnaLRNo
乙だちゃーん
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 21:00:24.33 ID:UN0C6ahko
演習に費やす資源は相手方にお願いするのかな
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/26(土) 13:51:59.23 ID:yb2Oxc5K0
続編はよ(_・ω・)_バァン…
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