【艦これ】北方のとある鎮守府の話・改

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 03:20:24.97 ID:Zm8otfVcO
総選挙応援しなきゃ…(使命感)

【艦これ】北方のとある鎮守府の話
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1490295601/
の続きになるよ

短編→長編→短編→長編 ?
こんな感じの第二章になるよ
何回かに分けてまとめて投下するからGW辺りには終わると思うけど、原田美世専属Pとしての戦いは永遠に終わらない
?ダチャーンPもダチャーンSSももっと増えてー!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493144424
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 03:21:48.13 ID:Zm8otfVcO
とりあえず、こんな感じ

【北方のとある鎮守府】

すっごく寒い所にあるらしい鎮守府。「海に面してるから色々危なくない?」とは提督談。結局その心配が見事的中し、先日敵の攻撃を受け、現在は執務室と一部の施設が機能停止している
工廠も酒保も資材も装備も無く、お風呂はドラム缶、寝室は一つと、そもそも鎮守府として機能しているのか怪しいレベル
近くに鳳翔さんのお店がある。直線距離で500mくらい?
最近の悩みは潮風で洗濯物の乾きが悪いこととお風呂関係全般

【主な登場人物】

・提督
女の人
黒髪ショートポニー、赤目と青目のオッドアイ、肌がやたら白い、アホ
「基本的に不真面目で子供っぽいが、決める時はそれなりにちゃんと決める人」とは大和談
知識の偏りが酷い
時々、人間を卒業したレベルの力を見せる
趣味は釣りと昼寝

・大和
運用コストの高さから、呉では腫れ物扱いされていた戦艦艦娘。提督に関しても最初はあまり信用していなかったが、なんやかんやあって現在は提督の良き保護者

・鳳翔
第一線を退いた空母。現在は鎮守府近くで居酒屋を営んでいる
提督と大和はよくこの居酒屋を訪れており、鳳翔も交えて歓談に花を咲かせている
お艦
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 03:22:29.27 ID:Zm8otfVcO
最初に3つくらい短編
《東方のとある鎮守府の話》
《夢追人》
《ファイアーフォーメーション》
この辺りで

それはそうと、肇関ちゃん柚辺りは声つきそうですね…おめでとございます
個人的には柚とか大好きだし、結構嬉しかったり
あと、今井ちゃんとか茄子さんも良い線いってるから、その辺りも含めて全員声ついて欲しいなあ
でも、まだまだ終わってないから、とにかく最後までダチャーンの支援がんばるよ
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 03:25:24.29 ID:Zm8otfVcO
スレタイ間違えてすいませんでした
【艦これ】って入れるの大事だしね…
というわけで、こちらの方のスレを使っていきますね
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 09:58:55.95 ID:tyK/lDDSO
>>1乙です
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 11:24:25.88 ID:1dduJ2E0o
おう、舞ってる
7 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 02:24:44.84 ID:+H88ZG6CO
てすてす
なんとなくこれからはこの酉でいきます
そういや今はGWなんだね…知らなかったなあ…(すっとぼけ)
8 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 02:34:05.07 ID:+H88ZG6CO


《東方のとある鎮守府の話》


9 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:02:02.20 ID:+H88ZG6CO
四月某日・夜

【東方のとある鎮守府・工廠】

カーンカーンカーン・・・

バーン!

オワアッ!?

長門「・・・」

提督「チッ!また失敗かよ・・・」

長門「・・・」

提督「くそっ・・・どうすっかなあ・・・」

長門「・・・」ハァ

長門「まったく・・・」

提督「・・・!」チラ

提督「なんだ、長門かよ・・・」

長門「せっかくの装備をこんなにも・・・」

ボロッ

長門「・・・」

提督「俺は今までこんなこと、一度もやったことなかったからな。仕方ねえだろ」

長門「・・・ともかく。これはお前が準備を怠ったからだ。猛省しておくんだな」

提督「チッ・・・まあ・・・悪かった」

提督「いや、だが、まさかなあ・・・」

長門「・・・」フー

長門「・・・お前がやったんだ。後始末は自分でやるんだぞ。いいな?」

提督「わーったわーった・・・チッ・・・ったく、そもそも明石もいないってのに、なんだって俺はこんなことを・・・」ブツブツ

ガチャンガチャン

長門「・・・」フゥ
10 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:04:10.77 ID:+H88ZG6CO
【東方のとある鎮守府・食堂】

ガチャ

長門「はぁ・・・まったく、いつになっても提督としての自覚が足りていないな・・・今度、改めてキツく言っておかなければ・・・」ブツブツ

??「あ・・・!」ピクッ

??「長門さん!グーテナハト!」

長門「ん・・・?」チラ

長門「ああ、ろーか」

呂500「はい!ろーちゃんですって!」
11 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:05:28.37 ID:+H88ZG6CO
長門「帰っていたんだな・・・今、夕食か?」

呂500「はい!日本食、慣れたら美味しい、ですって、はい!」

呂500「特にこのカレーは、最高、なんですって!」

長門「そうか」フッ

長門「今日はカレー洋か?」

呂500「はい!イムヤとはっちゃんとろーちゃんで、行ってきましたって!」

呂500「鋼材、たっくさん、確保しましたって!」フンスー

長門「そうか・・・」

長門「・・・」
12 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:06:48.21 ID:+H88ZG6CO
呂500「???」

呂500「長門さん?どうしたのって?」

長門「ん・・・ああ、いや、な」

長門「・・・お前は慣れない環境の中、本当に良くやってくれている」

長門「これからも、よろしく頼むぞ」クシャクシャ

呂500「・・・!」パアッ

呂500「ダンケ!です!長門さん!」

呂500「これからも、ろーちゃんがんばりますって!」ガルルー

長門「・・・ああ。無茶だけはするなよ」
13 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:08:00.50 ID:+H88ZG6CO
長門「そういえば、お前一人か?他の者たちの姿が見えないが・・・」キョロキョロ

呂500「えっと・・・イムヤは疲れたから今日はもう寝るって。はっちゃんはさっきまで一緒にいたよ。でも、お風呂入るーって、言ってたって!」

長門「そうか・・・」

長門「・・・ん?では、朧はどこだ?」

呂500「朧?んー・・・」ポクポク

呂500「・・・そういえば、今日は見てないですって。どこにいるんだろ?」

長門「む。お前も見ていないのか・・・」

長門「あいつ・・・一体どこをほっつき歩いてるんだ・・・」ムムム
14 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:09:38.96 ID:+H88ZG6CO
長門「ふぅ・・・食事の邪魔をして悪かったな。ろー」サッ

呂500「んー?長門さん、夕食、食べないですって?」

長門「元々はそのつもりだったんだがな・・・とりあえず、先に朧を見つけて来る」

長門「お前は気にしなくていいから、今日はもうゆっくり休むんだぞ」ガチャ

呂500「はい!了解、ですって!」

呂500「長門さん。お疲れ様でしたって!」

長門「ああ。ではな」

バタン
15 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:11:48.50 ID:+H88ZG6CO

・・・・・

バタン

長門「部屋にもいない・・・か」

長門「・・・」チラ

長門(もう夜も遅い・・・)

長門(鎮守府の中にいないとなると・・・外か?こんな時間に用も無く外に出るとは思えんが・・・)

長門(・・・)

長門(・・・そう言えばここ数日、なんとなく元気が無いように見えたな)

長門(・・・)

長門「一応、後で憲兵にも確認しておくか・・・」チラリ

長門「・・・ん?」

長門(今・・・)ヒョコ

長門(・・・)ジー

長門(あれは・・・)
16 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/01(月) 03:16:09.77 ID:+H88ZG6CO
残りは明日にするよ
長編まだ半分くらいしか書けてない…なかなか時間ないんだよねえ
提督がなんでもするらしいから許してください
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 03:53:22.50 ID:RiYG5x2eo
じゃあ提督は>>1の仕事手伝ってよ
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 12:36:34.97 ID:F7xRjbC/o
おつ
19 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 12:53:16.12 ID:6PzCY4BCO
>>17
余計な手間がかかるだけだから…(真顔)

ちょっとゴタゴタしてるのがあと何日かで終わりそうだから、そこからはささっと終わりまで行きたい



それと、原田美世を知らない人のために、今度から少しずつ画像を貼っていくぞ!ああもう可愛いなあ!誰がなんと言おうと、ダチャーンがナンバーワンだ!
20 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 22:50:44.04 ID:6PzCY4BCO
続きいくよ
21 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:39:19.40 ID:6PzCY4BCO
【海岸】

ザアァァァ・・・

蟹「」トコトコ

朧「・・・」ジー

蟹「」ジー

朧「・・・」ジー

蟹「」トコトコ

朧「・・・」
22 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:40:21.79 ID:6PzCY4BCO
「なんだ、こんなところにいたのか」

朧「・・・?」クルッ

朧「あ、長門さん・・・」

長門「もう就寝時間だぞ・・・夜間の一人歩きは感心しないな」

朧「う・・・ごめんなさい・・・」

長門「・・・なにをしているんだ?」

朧「えっと、その、カニさんを見てたんです」

長門「・・・こんな時間にか?」

朧「あ、あはは・・・すいません・・・」ポリポリ

長門「あぁ、いや・・・」

長門「・・・」
23 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:40:56.39 ID:6PzCY4BCO
朧「・・・?」

朧「長門さん?」

長門「・・・朧」

朧「は、はい?」

長門「お前・・・」

長門「ん・・・」

朧「・・・」ジッ
24 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:41:30.05 ID:6PzCY4BCO
長門「・・・」

長門「いや・・・すまない。なんでもない」

朧「え・・・?」

長門「・・・そろそろ部屋に戻れ。また明日も早いぞ」クルッ

ザッザッザッ・・・

朧「あ、はい・・・」
25 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:42:09.01 ID:6PzCY4BCO
朧「・・・」

朧「・・・」

朧「・・・っ!」パッ

朧「長門さん!」ザッ

長門「・・・」チラ

長門「・・・どうした?」

朧「・・・」ギュ

朧「長門さんは、その・・・」

朧「えっと・・・」

長門「・・・」

朧「・・・」フルフル

朧「・・・ご、ごめんなさい」フイッ

長門「・・・」

長門「・・・」フゥ
26 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:43:14.81 ID:6PzCY4BCO
長門「朧」クルッ

朧「・・・」

長門「・・・お前も聞いているかもしれんが、来月には私も南方へ転属することが決まった」

朧「・・・はい」

長門「今、深海棲艦との戦いが最も激しいのは南西方面だからな・・・私も少しばかり心残りはあるが、仕方あるまい」フゥ

長門「もうしばらくもすれば、軍の方針でほぼ全ての艦娘は南西の戦場へと集められ、東には戦艦や航空母艦はほとんどいなくなるだろうが・・・とは言え、まだまだ東方面が連中の脅威に晒されているのも事実だ」

長門「朧。私がいなくなってからも、ここの守りは頼むぞ」

朧「・・・はい」

長門「・・・」

長門「・・・」フッ

ザッザッザッ・・・

ポンポン

朧「ぁ・・・」

長門「・・・ほら、そんな顔をするな」クシャクシャ

朧「わっ、わっ!?ちょっと、長門さん!」ワタワタ

長門「ははは」クシャクシャ

朧「も、もうっ・・・」

朧「・・・」

朧「・・・」シュン
27 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:43:43.51 ID:6PzCY4BCO
長門「・・・?」

長門「朧?」

朧「・・・」

朧「私も・・・」

朧「・・・」

朧「・・・私も、一緒に行きたいな・・・」

長門「・・・」
28 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:45:12.41 ID:6PzCY4BCO
朧「・・・前はこの鎮守府にもみんなが居たのに、気がついたら、どんどんいなくなっていって・・・」

朧「ついこの間も、秋雲が西方の鎮守府に異動になって・・・」

朧「・・・それで長門さんまでいなくなったら、潜水艦の子たち以外には、もう私しか残ってないよ・・・」

長門「朧・・・」

朧「私・・・」

朧「・・・」

朧「寂しいよ・・・」

朧「また、一人になっちゃう・・・」フルフル

長門「・・・」

長門(そうか・・・)

長門(これは、“朧”の記憶・・・)

長門(・・・)

29 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:45:45.62 ID:6PzCY4BCO
サァァァ・・・

長門「・・・」

朧「・・・」

朧「スー・・・ハー・・・」

長門「・・・?」

朧「スゥー・・・」

パンッ!

朧「・・・」

朧「・・・よしっ!休憩終わりっ!」パッ

長門「・・・朧」
30 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:46:46.53 ID:6PzCY4BCO
ザアァァァ・・・

朧「・・・」

朧「・・・ね、長門さん?」

朧「昔、マキン島っていう島で、そこにいたドイツ人たちにある歌を教えて貰った駆逐艦の話・・・知ってる?」

長門「・・・」

長門「・・・ああ」

朧「・・・」フッ

クルッ

朧「・・・私、昔はいつもあっちこっちに飛び回っていたんです。中国へ行ったり、グアムに行ったり・・・それから、あのキスカ島にも・・・」

朧「・・・結局、姉妹艦と一緒にいられたことなんて、ほとんどなかったし、その時は全然気にもとめてなかった。だって、私のやるべきことは他でもない、私の大切な人や故郷を守る為に必要なことだったから・・・」

長門「そうだな・・・」

朧「それで・・・また、こうして私は独りぼっちになって・・・つい少しだけ、昔を思い出しちゃって・・・」

朧「・・・」ギュ
31 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:47:31.73 ID:6PzCY4BCO
朧「・・・でも、ね。その時も、同じだったの」

長門「・・・?」

朧「私の船員の人たち。皆んな、故郷に帰りたい、大好きな人たちに会いたい、って、いつも思ってた」

朧「あんまり口には出さなかったよ?『俺は泣く子も黙る日本男子だぞー!』なんて、いっつも強がっちゃって・・・」クスッ
32 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:48:04.13 ID:6PzCY4BCO
朧「・・・でも、だからこそ・・・マキン島で教えて貰ったあの歌は・・・蛍の光は、私たちの希望だった」

朧「どんな時でも、いつだって、楽しい思い出を胸に抱いて、またそこに帰って、また一緒に笑い合うんだって」

朧「その気持ちが、私の、ううん・・・私たちを、前に進ませてくれたの」
33 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/05/03(水) 23:48:48.54 ID:6PzCY4BCO
長門「そうか・・・」

朧「うん・・・」

朧「・・・勿論、寂しい気持ちはいつもあるんです。綾波型の子や、それ以外の皆んなにも会いたいなって」

朧「でも、それだけじゃない・・・」

朧「だからこそ、また会う為に・・・今を力一杯戦い抜こうって、思うんです」

朧「それが、それでこそ、駆逐艦の朧なんだって。ここにはいないあの人たちに、大きな声で伝えてあげられるように・・・」
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