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【ボトムズ??ガルパン】キリコ『ボトムズと戦車と』
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 14:35:55.57 ID:V0gQ0AWM0
前回書いた
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1469354806
の続編です。
相変わらず未熟な作品ですが読んでもらえたら幸いです。
ボトムズと戦車では戦力差がありすぎみたいに思われますが
そこはスパロボマジック感覚でお願い致します。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1492320955
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 14:38:50.12 ID:V0gQ0AWM0
『いけ!そこだ!』
『まだだ!まだやれる!』
男が訪れたその場所では、彼方此方から激しい声援ともヤジとも言える声が飛び交っていた。
その場所は戦車道連盟公認の練習場。
しかし唯の戦車道の試合では無いのは直ぐに分かった。
戦車はまだしもATが参戦し観客は試合会場内にギャラリーがいる。
これでは下手したら流れ弾が当たる可能性もある。
そんな訳も分からない状況を漠然と見ていた時1人の少女が声をかけてきた。
『もしもし?そこのお兄さん!耐圧服着てるってコトはボトムズ乗りだね!』
どうやらこの場所で出店のイタリア料理を出しているらしい少女は語る。
『ああ、そうだ。』
そう答えるこの青い髪、冷たい瞳、
赤い耐圧服に身を包んだ男の名はキリコ・キュービー。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 15:12:06.48 ID:V0gQ0AWM0
『だと思ったっスよ〜!
でもその様子だと何も知らないみたいだから色々教えてあげるっスよ!』
『こら〜!ペパロニ!無駄口叩いてないで働け〜!』
ペパロニ『すいません〜アンチョビ姐さん!
今、このお兄さんにここの説明しようと思いましてね?』
と、料理服に身を包んだツインテールの少女に言う。
アンチョビ『は〜なるほどね!おたく、タンカスロンは初めてみたいだね?
教えてあげても良いがここは料理ヤだよ?』
キリコ『そうだな。ちょうど腹が減ったところだ。
何か有り合わせで頼む。』
ペパロニ『あ、有り合わせでって言われても困るっスけどね〜
よし!なら私の自信作を御馳走するっスよ!』
と言うとペパロニは手際よく自信作である鉄板ナポリタンを調理した。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 15:15:20.93 ID:V0gQ0AWM0
ペパロニ『はいよ!お待ちどう!お代は三百万リラね!』
キリコ『・・・三百円で良いのか?』
アンチョビ『ペパロニ、あんましお客さんを困らすな?』
ペパロニ『あははは〜すいません、
まあそれはさて置き食べてみてよ!お兄さん!』
キリコ『そうさせてもらおうか。』
そのナポリタンは今まで食べてきた料理で一番と言っても過言では無い味だった。
キリコは無言ですぐにナポリタンを完食した。
ペパロニ『ははは!良い食べっぷりっスね!
お兄さん!作った甲斐があったスよ!』
キリコ『美味しかったよ。所で・・・』
食事の感想を言うと少し真剣な顔になり
キリコ『そろそろ説明して貰えると助かるんだが。』
アンチョビ『ああ、勿論だ!
こんなに美味しそうに食べてもらったしな!なんでも教えよう!』
キリコ『助かる。』
アンチョビ『先ずはこの試合場で起きているタンカスロンについて説明しようか。』
キリコ『あれは戦車道ではないのか?』
アンチョビ『ああ、似て非なるものだな。
あっちは公式試合でタンカスロンは戦車乗りが独自に行う野良試合なのさ。』
キリコ『野良試合?ルールは無いのか?』
アンチョビ『いや、只の一つだけある"10トン以下の戦車である事"だけだ。』
ペパロニ『しかも主催者も居ないから観客も全員自己責任で試合会場内で観戦可能なんスよ!』
なるほどな、だからこの試合会場では観客が中に入るのか?
これではやってる事がバトリングと大差無いな、
とキリコは半分呆れながら思った。
キリコ『しかしだ』
一つの疑問をぶつけた。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 19:52:00.62 ID:V0gQ0AWM0
キリコ『何故、ATも参加しているんだ?』
アンチョビ『まあ当然気になるか?
お兄さん、ついこの前に戦車道の大洗女子学園と
ATのホワイトディンゴの試合があったの知ってるかい?』
キリコ『ああ、知ってる。』
アンチョビ『あの試合の後、戦車とATが戦うのが急激に増えてきたんだよ。
しかしお堅い公式試合にはまだまだ大企業のチームしか参戦出来ない。
で、ならばこのなんでもアリのタンカスロンでやろうって話さ!』
キリコ『ではあのATに乗っている連中はフリーのボトムズ乗りなのか?』
アンチョビ『大半はそうだろうね。
傭兵まがいの金稼ぎだよ。
たまに企業の専属AT乗りとかも来るけどね。』
キリコ『しかし、ではあのAT乗りの機体は安全性はない訳だな?』
アンチョビ『勿論だ。
新素材の装甲強化型は一部の大企業のATにしかまだ使われてないからね。
あの薄いカーボン装甲ってわけ。』
キリコ『そうか、ありがとう大体話はわかったよ。』
といいつつタンカスロンの試合を見ながら思ったのは、
確かにこの戦場はボトムズにはお似合いだという事だ。
アンチョビ『それは良かった。』
キリコ『それとは別に最後に一つ聞きたい。』
アンチョビ『まだ、なんかあるのか?』
キリコ『最近、この辺りで凄腕のATがいると聞く。
それについての情報を持って無いか?
おれはそいつに会いにここまできたんだ。』
キリコの顔付きの真剣具合をアンチョビも理解した。
アンチョビ『なるほどねぇ、情報は無い事は無いよ。でも少し高いよ?』
と言うと店に並んであるワインを指差した。
キリコ『・・・一番のを頼む。』
アンチョビ『シー?』
アンチョビは1番上の棚にある豪勢なラベルのワインを開けキリコのワイングラスに注ぎながら喋り始めた。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 20:06:02.98 ID:8lupuFARo
キリコは酒飲めないよ
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 20:37:08.38 ID:XnKtvQ2SO
飲めない酒を頼むのが格好良い
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 22:24:20.89 ID:V0gQ0AWM0
アンチョビ『あんたが言ってるここいらでの凄腕のAT
、乗りってのは恐らくクメンの内乱に参加してるよ』
はいよとキリコのテーブルにワイングラスを置きつつ、
またもや知らない話題が出てきた。
キリコ『何なんだ?そのクメンの内乱というのは?』
アンチョビ『知らないかい?大企業クメンの事さ。
AT関連なら何でもお任せっていう会社でね、
その会社内で今後の方針について改革派と否定派に意
見が真っ二つに分かれてね?
その決着をATと戦車の参加する特別試合でつけようっ
てしてるのさ。
試合場は此処から近くの巨大な熱帯雨林地帯で行われ
ているんだけどね。』
キリコ『それはルールは殲滅戦か、それともフラッグ
戦なのか?』
アンチョビ『いいや、どちらでも無いよ。
今回の場合は特殊ルールでね。
お互い本拠地にしている場所を制圧されたら負けなんだよ。
サバイバルゲームみたいなもんだね。』
とアンチョビは言うと笑いながら話す。
アンチョビ『どうだい?馬鹿げた話だろう?
こんな話に飛びつくのは傭兵まがいのボトムズ乗りが大半さ。
少しはタンカスロンからも参加はしてるらしいけどね?』
キリコ『その試合にはまだ参加は出来るのか?』
アンチョビ『確か今日が最後の兵員募集日だったはずだよ。
まだ間に合うから行ってみたらどうだい?』
ペパロニ『お兄さんついてるっすねー』
とペパロニが笑いながら話す。
キリコ『助かったよ。じゃあ行ってみるか。』
といいながらワインを一口飲んだ。
キリコ『・・・!、ゴホッ』
アンチョビ『ど、どうした??もしかして不味かったのか??』
急な出来事に流石に慌てるアンチョビに対してキリコは一呼吸入れてから話す
キリコ『不思議だ。なんでこんなものをみんな美味し
そうに飲むんだ?』
その様子を見てアンチョビとペパロニは思わず笑ってしまった。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 23:36:29.07 ID:1D3WzBSA0
マッチメーカーの出番がありそうな話だ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 03:55:09.77 ID:BuXpU0p1O
乙
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/17(月) 19:31:23.58 ID:r1kBwGBF0
色々とコメントありがとうございます。
基本的にガルパンの世界にボトムズを突っ込んでいますので設定メチャクチャですが広い心で読んでもらえれば助かります。
ゆったりと更新して行きます。
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/17(月) 19:32:18.10 ID:r1kBwGBF0
アンチョビ『あははは!
まさかお酒は初めてだったかい??ゴメンゴメン!』
ペパロニ『ククク!
は〜しかし面白いお兄さんスッね〜
そう言えば名前はなんて言うんスか?』
キリコ『名前か?
おれの名はキリコ・キュービーという。』
とキリコが名乗るとアンチョビは急に真剣な顔になった。
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/17(月) 19:38:02.31 ID:r1kBwGBF0
アンチョビ『・・・キリコ?そうか!じゃああんたが!』
ペパロニ『あれ?知ってるすか?アンチョビ姐さん?』
アンチョビ『ああ。
なにせキリコと言えばこの前の戦車道とボトムズ道の試合で大洗を破りチームを勝利に導いた立役者だからな!』
その時のアンチョビは料理人の顔ではなく1人の戦車乗りとして獲物を見る顔であった。
ペパロニ『このお兄さんが、あの大洗を??』
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/17(月) 19:41:05.86 ID:r1kBwGBF0
その話が周りにいたギャラリーにも聞こえ辺り一面が騒ぎ始めた時、
一つの集団がキリコの前に近づいてきた。
『少し、よろしいかな?』
キリコ『何か用か?』
『単刀直入に申上げよう。我々とタンカスロンで試合して貰いたい。』
この一言で周りのギャラリーは一気に騒ぎ出した。
『お、おい見てみろよ!あの制服!ありゃあボンプル高校だぜ??』
『まじか??タンカスロン王者かよ??』
とギャラリーたちが口々に話しているとボンプル高校の1人が言う。
『正直な話、迷惑なのですよ。貴方たちAT乗りはタンカスロンに最近急激に参加してきている事が。』
キリコ『それと俺とは関係ないだろう。』
と苦手なワインを少し飲みながら冷静に話す。
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/17(月) 20:12:03.37 ID:r1kBwGBF0
『いいえ、貴方があの試合をしたせいで、タンカスロンにAT乗りが入って来ました。つまり貴方の責任です。』
と随分とこじ付けな話をするとアンチョビが割って入った。
アンチョビ『ちょっと聞いてれば言い掛かりもいいとこじゃないか!キリコは別に悪くないだろ!』
『アンチョビさんですか?そんなんだから大洗にも負けるんですよ?』
アンチョビ『な??今はそれは関係ないだろう??』
『貴女達も大洗も生温い戦車道でもやってればいいんですよ。勿論、貴方たちボトムズ乗りもね。』
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/17(月) 20:13:20.62 ID:r1kBwGBF0
と言うとボンプル高校生はさらに話す
『まああれだけの戦力差で辛勝だったなんて貴方のチームも大したことも無いみたいですけどね。』
と言うと即座に返すようにキリコは言った。
キリコ『聞き捨てならないな。今の言葉。』
と少し強張った表情でボンプル生に言う
『ほう?ではどうします?』
キリコ『試合を受ける。』
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/17(月) 20:15:24.87 ID:r1kBwGBF0
と、キリコが返すとギャラリーの騒ぎ具合もさらにヒートアップした。
『まじかよ??こんなところでキリコとボンプル高校の試合をみれるなんて??』
『ははははは!こりゃあお手並み拝見だなあ!』
とギャラリーが騒いでる中でボンプル高校生は言う
『ふふふ、試合を受けて頂いて感謝します。ではルールはフラッグ戦で戦車の台数は・・・』
そこでキリコは割って話す
キリコ『今、あんたらが出せる車両は何輌だ?』
『?、7輌ですが?』
キリコ『なら全部まとめて来い。』
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/18(火) 18:58:24.17 ID:qbpXrtgA0
前作ではストライクドッグが登場したのにアイアンクローを活用しなかったな
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:27:09.65 ID:rIqV7Je00
>
>>18
ワザワザ前作を見て頂き有難うございます!
正直、クローアームを活躍させたかったんですが 戦車相手に中々使い所が無く断念しました。
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:29:06.40 ID:rIqV7Je00
とキリコが淡々と言うとさすがにボンプル生もおだやかではいられなかった。
『!、なんですか?馬鹿にしてるんですか?それとも負けた時の言い訳にする気ですか?』
キリコ『負けるつもりは無い。』
『な、なら負けたら二度とタンカスロンには出ないで貰いますよ!』
キリコ『ああ、わかった。』
そこで一呼吸いれてキリコは話す
キリコ『ただしあんたらが負けた時は俺のチームと大洗、それにこいつらを侮辱した事を謝罪して貰おう。』
『了解した。もしも私たちが負けたらですがね?』
では準備出来次第試合開始すると言いボンプル生達は戦車の元に行った。
キリコ『すまん。騒がせたな。』
とアンチョビとペパロニに謝る
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:31:06.75 ID:rIqV7Je00
アンチョビ『いや、ウチらは構わないけど流石に無謀だって!あんたの腕を疑うわけじゃ無いけどさ!』
ペパロニ『そうっスよ?今の連中は隊長のヤイカや副隊長もいなかったけどだからって7輌は??』
アンチョビ『第一、ボトムズはあるのか??』
キリコ『ああ、スクラップからレストアしたスコープドッグがある。問題無いな。』
アンチョビ『スクラップ?レストア?お、おいそんな機体で試合するのか?』
キリコ『じゃあもういくよ。食事美味しかった。』
と言うと最後のワインの一口を飲み、自分のボトムズの所に歩いて行った。
ペパロニ『アンチョビ姐さん??いくらなんでも無謀っスよ?いいんスか?止めないで』
アンチョビ『自分でやると言ったんだ。止めてもムダだよ。
それに自分のチームだけで無く大洗や私たちが馬鹿にされたことにも怒ってくれるなんて、見かけによらずいい奴だな。』
ペパロニ『あれ?もしかしたら一目惚れですか?アンチョビ姐さん?』
とペパロニに言われると顔を真っ赤にし
アンチョビ『そ、そんなわけ無いだろ??な、何言ってるんだお前は??』
ペパロニ『じょ、冗談ですよ?アンチョビ姐さん?』
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:45:49.03 ID:rIqV7Je00
試合場には既にボンプル高校の戦車7輌がスタンバイしていた。
戦車は豆戦車と言われるTKSが6輌、軽戦車7TP単砲塔型一輌
ボンプル高校が静かに待つ中ローラーダッシュで一機のATが到着した。
『来たか。』
そこに現れたのはスコープドッグだがその前身は異様に汚く所どころ塗装が剥げていた。
もとのグリーンカラーも見る影も無い感じであった。
キリコ『待たせたな。』
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:46:51.08 ID:rIqV7Je00
『ほんとにそんな機体で戦うつもりですか?』
キリコ『この機体で充分だ。』
『なら構いません。お互い開始地点に行きますか。』
と言うとキリコは自身のスタート地点である森林エリアにボンプル高校は平原エリアに向かった。
ペパロニ『アンチョビ姐さん!これってキリコに勝ち目はあるスか?』
アンチョビ『無いとは言えない。幸いキリコの開始地点は森林だ。上手く誘い込み各個撃破すれば、あるいは・・・』
『試合開始!』
と、開始時間になったのでボンプル生が声高らかにいう。
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/18(火) 20:48:16.78 ID:88icayipo
ATって単語を使ってるのに、AT乗りがボトムズ乗りになってるんだよなぁ。
どこのハッテン場だよって言うね……。
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:48:54.32 ID:rIqV7Je00
『先ずは4輌が先行して森林エリアに進行!フラッグ車を含めた三輌はココで待機!』
と言うと微速で4輌が森林エリアに向かっていく。
アンチョビ『マズイな?』
ペパロニ『な、何がっスか?』
アンチョビ『もしキリコが森林に来た敵を迎撃して
もそのうちに残りの三輌が森林に入り包囲される。
だからと言ってフラッグ車目掛けて突っ込んでも、今度は後ろから4輌来るからハサミ打ちになるんだよ。』
ペパロニ『じゃあ打つ手なんスか??』
アンチョビ『どうする気だ?キリコ。』
『・・・』
この時フラッグ者のボンプル生は思っていた。
私達は今迄、何回かはボトムズ乗りと戦ってきた。だけど全員大したことなかった。
だから今回も油断さえしなければなんの問題も無いと考えていた。
『大洗を倒した立役者?所詮は生温い戦車道での話。このタンカスロンで倒し、勝利をヤイカ隊長に捧げるのだ!』
と言い終わる直後に森林から一つの機影が飛び出した。
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:52:36.23 ID:rIqV7Je00
『何?』
ボンプル高校が動揺するのは無理も無い。キリコは自ら有利な森林地帯から7輌のど真ん中に突っ込んで行ったのだ。
『愚かな!全車両!うろたえず狙いを定めて砲撃開始!』
この時ボンプル高校生の誰一人油断はしてなかった。あいてのボトムズ乗りが弱くは無いと理解していた。
・・・しかし
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:54:06.70 ID:rIqV7Je00
『うわ!』
『そんな!』
しかしキリコが全国屈指のボトムズ乗りとは理解していなかった。
キリコの錆び付いたスコープドッグは、7輌の砲撃をグライディングホイールを巧みに使いこなしながらかわしていき、遠き敵はマシンガンで、近しい的にはアームパンチで、森林に進行していた4輌を瞬く間に倒した。
『ば、馬鹿な』
あぜんとするボンプル生に対しさらにスコープドッグは突っ込んでくる。
『う、何をしている!護衛の二輌!突っ込め!体当たりでもいい!』
狙いはフラッグ車のハズ。なら二輌を無視して来る!そこをハサミ打ちにする。
という思考をしている間にスコープドッグは突っ込んできた二輌に猛接近した
TKSの銃撃を多少食らいながら、アームパンチの射程に入り二輌を吹き飛ばした。
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:55:16.49 ID:rIqV7Je00
『は、そんな・・・』
フラッグ車のボンプル生に既に戦意はなかった。
全く動かない7TPにたいし無慈悲なマシンガンの音が鳴り響き決着は付いた。
『うおおおおお!!すげえ!7輌全部食っちまったぜ!あのAT!』
『やっぱり大洗を倒したのは本当だったんだ!』
とギャラリーたちは物凄い歓声を上げ続けた。
ペパロニ『アンチョビ姐さん、これは!』
アンチョビ『ああ、こんな凄い試合見せられたら私達も黙ってられないな!』
とアンチョビは好戦的な笑みを浮かべながら言った。
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:56:11.17 ID:rIqV7Je00
『うう、』
驚愕するボンプル生に対しスコープドッグのハッチを開きキリコは話す
キリコ『約束通り謝罪して貰おうか。』
『も、申し訳なかった。私達が悪かった。』
と力の無い声で言う。そして続けて質問した。
『なぜフラッグ車だけ狙わなかった?』
キリコ『そんなことをすれば周りに囲まれてやられていただろうさ。
まあこの程度なら副隊長は勿論、隊長にも出来るだろうな。』
と皮肉交じりに言う。
『・・・完敗だ。』
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/18(火) 20:57:19.74 ID:rIqV7Je00
とそこに一つの戦車が近づいてきた。
その戦車は全身が紅く染められていて、百足のマークが付いていた。
アンチョビ『あの戦車ってことは??』
ペパロニ『あいつらっスか!』
キリコのスコープドッグに近づいたその戦車には一人の少女が身を乗り出していた。
学校の制服に頭に特徴的な大きな赤いリボンをしていた。
『ただいまの試合、誠に見事であった!』
と少女と似つかわしく無い古風な口調で喋る。
『身共は楯無高校、鶴姫しずかと申す!』
と名乗る少女にたいしキリコは耐圧服のヘルメットを外し
キリコ『キリコ、キリコ・キュービーだ』
と返した。
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/19(水) 00:11:28.02 ID:Sdp2ds/A0
WW2以前の7TPにも装甲厚ではスコープドッグの負け
なおアイアンクローは切りつけたり引っ掻いたりするものではなくアームパンチ機構でブチ込むものなり
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/19(水) 15:54:59.77 ID:IL89sgjTo
カバヤかなんかの300円の食玩(うろ覚え)好きだったな
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/21(金) 19:15:51.83 ID:3gvGGHcb0
しずか『名乗って頂き感謝する。』
と軽く会釈すると含みのある笑みを浮かべながら話し出した。
しずか『キリコ殿、急で申し訳ないが此処で立ち合って貰いたい。』
と言うと周りのギャラリーもどよめき出した。
キリコ『立ち合う?試合のことか?すまないが俺は急ぎの用があるんだ。また今度にしてくれないか?』
しずか『否、今直ぐを所望する。それに我はそなたと立ち合う理由がある!』
キリコ『理由?俺はあんたとは初対面のはずだが?』
しずか『無論、そなたとは会うのは初めてだが、因縁がある。』
ペパロニ『い、因縁?姐さん、あいつ何言う気ですかね?』
アンチョビ『なんとなくわかる気がする・・・』
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/21(金) 19:17:06.17 ID:3gvGGHcb0
しずか『因縁、それはそなたらが我が倒すはずだった大洗を倒したことだ!』
キリコ『・・・何を言っている』
と半ば呆れながら言う
しずか『本来ならば我らが大洗の伝説を打ち破るはずだったのだ!これを因縁と言わずなんという?』
ペパロニ『大分、無茶苦茶言ってますね〜』
アンチョビ『まあ理由は何であれキリコと戦いたいんだろうさ。あんな試合見せられたら当たり前だろうけど。』
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/21(金) 19:18:26.14 ID:3gvGGHcb0
しずか『で、どうか?試合は受けて頂けるか?』
キリコ『わかった。受けよう。』
本来なら試合などせずに目的を済ませたいのだが目の前の少女は幾らでも食い下がるだろうと観念するキリコだった。
しずか『感謝する。』
『ちょっとちょっと!』
としずかに話すのはしずかの乗る九七式軽装甲車、通称テケ車の操縦手、松風鈴である。
しずか『なんだ?鈴?』
鈴『なんだ、じゃないよ!イキナリすぎだよ??相手は伝説の大洗のあんこうチームを倒したキリコさんなんだよ?』
しずか『上等ではないか。それにいずれ闘うであろう大洗と立ち合った者だ。必ずいい経験になる。』
鈴『そ、そうかもだけどさ』
しずか『それと新しくなった此奴を試すのにはもってこいでは無いか?』
鈴『まあこの子は、もう以前とは比べものにならないスペックだけどさ?』
しずか『それにだ・・・』
少女は不敵な笑みを浮かべながら言った
しずか『相手がスコープドッグとは、正しく犬追物ではないか?』
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/21(金) 19:19:46.48 ID:3gvGGHcb0
両者が所定の位置に着き、試合が始まる直前になると観客たちも興奮を隠せずにいた。
『なあどっちが勝つと思う?』
『そりゃあキリコだろ!さっきのボンプル戦みればわかりきってるだろ!』
『いや、わからんぞ!あのテケ車、以前サンダースやBC自由学園を倒したからな!もしかしたらもしかするかもしれんぞ!』
『いや、サンダースには負けただろ。』
ペパロニ『アンチョビ姐さんはムカデさんチームに勝ち目あると思うっスか?』
アンチョビ『・・・ボンプルが負けたのは、相手が戦車を想定した戦術をしてしまったのがデカイ。
ムカデさんチームも同じように戦うなら敗北は必死だろう。』
ペパロニ『ならダメですかね?』
アンチョビ『正直な所、わからないな、けどムカデさんチームなら何かするかもな。』
既に試合開始地点付近には間近で見たい観客が少なからずスタンバイしていた。
最悪、大怪我になる恐れもあるにも関わらずスリルを求める衝動に勝てないということなのかも知れない。
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/21(金) 19:20:43.49 ID:3gvGGHcb0
しずか『・・・』
鈴『しずか姫、ちょっと!正直、ATの機動性についていけるか分からないよ??』
しずか『委細承知している。しかしだだからこそ面白い!』
そして試合開始時間になり
しずか『では・・・百足組参る!』
としずかが意気込んだとほぼ同時にキリコのスコープドッグがローラーダッシュ音を効かせながら突っ込んできた。
キリコ『悪いが長引かせるつもりはない。』
射程に入ったテケ車にヘヴィマシンガンを連射した。
しずか『・・・!』グイ
鈴『!』
しずかが言葉では無く、足で鈴に指示を出すと驚異的な速さで加速しマシンガンを交わした。
と同時にテケ車が砲撃したがキリコは少しの動きでかわす。
しずか『やはり躱されたか!しかしかわわぬ、鈴、このまま最大速度で走り抜けろ!』
鈴『わ、わかってるよ〜〜!』
ペパロニ『ははは!なんだあのテケ車!滅茶苦茶速いじゃないっスか??』
アンチョビ『恐らく相当な改造をしたなあ〜10式とでもやり合う気なのか?』
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/21(金) 19:23:28.10 ID:3gvGGHcb0
この時、キリコは少なからず驚いていた。
さっきの試合も含め対戦車戦では装甲と火力だけを注
意すれば良かったが今の敵はちがう、
ATに追随する機動性で渡り合ってくる。
しかしむしろ新鮮味より懐かしさがあった。
まるでボトムズを相手にしているような。
ダダダダダダッ
キリコは高速で走るテケ車にたいし銃撃を続けるがお
互いに複雑に動きあってるため決定打にかけていた。
鈴『ど、どうするのしずか姫??このままじゃ戦車が持たないよ!』
しずか『このまま進みあの場所で、静止だ!』
鈴『え?止まったら的になるよ?』
しずか『我を信じてくれ!』
鈴『もー!わかったよ!』
と言うとテケ車はある地点で止まった。
恐らくブレーキも改造しているのであろう。
最大速度からの急停止でも問題なかった。
キリコ『・・・』
キリコは相手が一か八か命中精度の高い静止射撃の為に止まって此方より先に打つ気なのだと思った。
しかし此方の方が早くマシンガンを打てる自信があった。
相手が止まっているなら此方にも好都合だからだ。
しかしあいてと此方の位置、それでひとつ決定的に違う所があった。
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/21(金) 22:18:19.73 ID:3gvGGHcb0
キリコ『人が?』
キリコがマシンガンの発射トリガーを押そうとした瞬間、テケ車の後ろに観客がいるのが分かり一瞬だけ反応が遅れた。
しずか『・・・好機也!』
無論、キリコほどの腕なら近くにいる観客に当てずにテケ車だけ狙うことも可能だろう。しかしそれは事前にそういう状況とわかっていればの話しであり、急にその状況に落とされれば一瞬だけ反応が遅れたのは仕方のない事なのかも知れない。
テケ車の砲撃はスコープドッグのスコープ目掛けて発射されたが、キリコはマシンガンを犠牲にし後ろに吹っ飛びながらも、致命傷は避けた。
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/21(金) 22:36:05.60 ID:6DsH/hCA0
へーい、キリコに1ギルダン☆
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/21(金) 23:54:40.28 ID:6DsH/hCA0
つかキリコが勝った時の報酬が何も提示されてないよな
これだからマッチメーカーが必要だと
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/22(土) 21:49:51.07 ID:XUllbCVR0
『うおおおおお!あ、あぶねースリルあるなあ!』
『これだからタンカスロンは止められない!』
ペパロニ『あちゃーあんなとこに観客がいなければなあ??』
アンチョビ『ムカデさんチームはそれを計算に入れてあそこにおびき出したんだろうさ。
まあ戦車道では到底出来ない邪道さ。しかしこれはタンカスロンだからな。』
と話している間にしずかの駆るテケ車は体勢を崩したキリコのスコープドッグに追撃した。
しずか『鈴!このまま接近して勝負に出る!』
鈴『わ、わかったよ!』
テケ車はスコープドッグに限界で接近した。
戦車の砲撃は連射が効かない。
必中の間合いに近づき一撃で倒すのがベストなのだ。少なくともこの場合では。
しずか『組み打ち!』
キリコ『くっ!』
テケ車の超近距離からの砲撃がスコープドッグに当たる直前にキリコは片脚のターンピックを軸に機体を回転し放たれた弾は肩のショルダーを弾くだけに留まった。
しずか『ふはは!流石の身のこなし!戦い甲斐がある!』
キリコ『やるな!』
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/22(土) 21:51:26.18 ID:XUllbCVR0
両者の戦いは正しく最終局面を迎えようとしていた。騒がしかったギャラリーも立たずを飲んで見守っていた。
その時にあれは現れた。
いきなり現れた青き影はキリコのスコープドッグを掴んだまま数十メートル進み放り投げた。
突然の乱入者に観客たちも唖然としたがそのATの鮮やかな青のカラーリングをみて、皆が口々に騒ぎ出した。
『お、おいあの青いカラーのスタンディングタートルって、まさかブルーATか??』
『まさか?あいつがブルーATなのか??』
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/22(土) 22:24:25.62 ID:zs9TnTXvO
邪道どころか外道ともとれるんですが
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/23(日) 00:46:04.79 ID:KOnppI0A0
この試合が面白くねェって野郎はトーシロだ!金返してやるから帰ェんな!
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/28(金) 22:49:57.26 ID:md8Wdzgy0
『すげー!奴が乱入してくるなんて!』
アンチョビ『不味い!実に不味いぞ!』
ペパロニ『な、なんなんスか??あの青いATがそんなに不味いんですか??』
アンチョビ『最近、急に現れ驚異的な強さで全てを粉砕してきた青いATがいるとは噂では聞いた事がある。』
ペパロニ『それがあいつなんスか??』
アンチョビ『多分、間違いない!だとしたらあんな機体で勝てるわけがない??』
アンチョビが、逃げるんだキリコと叫んだがその声がキリコに届く事は無く、キリコはブルーATに対し臨戦体勢を取っていた。
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/30(日) 22:15:28.15 ID:d5PbTuiW0
丸腰のキリコのスコープドッグを見かねてかはわからないがブルーATは装備していたハンディロケットランチャーを地に落とした。
キリコ『挑発か?それとも』
余程腕に自信があるのかと言おうとする前にブルーATは突進してきた。
キリコもそれに応じるかのように突っ込んだ。
キリコには両腕のアームパンチを構えていた。
これには勝算があった。左右の時間差によるアームパンチを仕掛ける。
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/30(日) 22:16:45.68 ID:d5PbTuiW0
キリコの長年の経験から繰り出される必殺のタイミングによる攻撃、
これで決まるはずだったがキリコの左右の機体の拳は虚しくから振るだけだった。
キリコ『ばかな??』
キリコが驚愕するとほぼ同時にブルーATはキリコのハッチ目掛けてアームパンチを繰り出した。
それは見事に直撃しキリコを後方に吹き飛ばした。
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/30(日) 22:17:33.97 ID:d5PbTuiW0
その一瞬の早業はまさに青きイカズチとでも言うのだろうか。一連の動作はH級ATのうごきとはかけ離れていた。
キリコ『この機動性、反応速度、まさか・・・!』
この時にキリコに確信はなかった。ただ確かめざるを得なかった。
キリコ『フィアナ!俺だ!キリコだ!』
アンチョビ『な??ハッチを開いて生身を晒した??』
ペパロニ『何か叫んでいるようですけど?』
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/30(日) 22:18:36.75 ID:d5PbTuiW0
この時の生身を晒した事も確かに驚いたがアンチョビ達にとっては常に冷静であったキリコが人が変わったように叫んでいるのが驚愕であった。
キリコ『わからないのか??フィアナ!』
と、耐圧服のヘルメットを殴り捨て、さらに叫けぶ。
しかしブルーATからの返答は無く無言のアームパンチが繰り出されただけであった。
キリコ『ぐっは!』
キリコは機体から放り出され地面に叩きつけられた。
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/30(日) 22:19:45.05 ID:d5PbTuiW0
キリコ『なぜだ・・・なんでわからないんだ』
全身を強く地面にうった痛みよりも目の前の現実が深く心に刺さる。
ブルーATは倒れたキリコに近きさらに生身のキリコに追い打ちを掛けようとした。
ブルーAT『!』
その時、ブルーATのうでに砲撃が命中した。吹きとびはしなかったがマトモに機能は出来なくなった。
辺りを見渡すと真紅の戦車の砲身から煙が出ていた。
そして乗り手のしずかは叫ぶ。
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/30(日) 22:20:32.37 ID:d5PbTuiW0
しずか『下がれこの下郎ッ!我らの獲物に横から手を出すのは首盗人も同然ッ!!これ程の邪魔翌立てをしたのだ!我が戦車にて今ここで成敗してくれる!』
鈴『あ、あたし死んだかも・・・』
アンチョビ『あ、あいつら正気か?』
ブルーAT『・・・』
ブルーATはしずかが叫び終わると直ぐさま落としたハンディロケットランチャーを拾い姿を消した。
しずか『ふん。名乗りもせずに立ち去るとは礼儀知らずの無礼者だな。』
鈴『心臓が止まるとこだったよ・・・って!それよりキリコさんが!』
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/30(日) 22:21:42.99 ID:d5PbTuiW0
しずか『む、そうだなもう試合どころでは無いな!キリコ殿を安静にせねばな!』
キリコ『・・・』
俺は薄れゆく意識の中で確かな手応えを感じていた。
確かにあの青いATに乗っているのは彼女だと。
しかし何故答えてくれない。俺のことを忘れてしまったのか。
どうやら全てを確認するためにも新たな戦場に行かねばならぬらしい。
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/07(日) 22:29:28.75 ID:vVXD8thA0
キリコ『・・・うっ』
アンチョビ『お!目が覚めたかい?』
キリコ『ここは?』
アンチョビ『試合場近くの休憩所だ。』
キリコ『試合からどれ位経った?』
アンチョビ『だいたい、一時間だな。あまり怪我はしてないみたいで良かったよ。』
キリコ『さっき、乱入してきたブルーATだったか?あれはクメンの内戦に参加してるんだな?』
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/07(日) 22:30:18.28 ID:vVXD8thA0
アンチョビ『ああ、それは間違いない。むしろこの試合場にいたのが驚きだよ。たしかにクメンの試合場には近いけどさ。』
キリコ『そうか。』
と言うと寝ていた身体を起こし荷物をまとめた。
アンチョビ『まあ何を言っても行くだろうから止めないけどさ怪我はするなよ!』
キリコ『わかったよ。色々と世話になったな。』
休憩所を出たキリコは先程戦っていたテケ車の2人がいた。
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/07(日) 22:31:05.10 ID:vVXD8thA0
キリコ『あんた達は・・・』
しずか『改めて名乗らせて貰おう
鶴姫しずかだ。以後お見知りおきを』
と、しずかが話し終わるやいなや鈴が興奮しながらしずかを押しのけキリコの前にたった。
鈴『あ、あの!わたし、松風鈴て言います!大洗との試合見てました!握手いいですか??』
キリコ『まあ構わないが・・・』
あまりの勢いに圧倒されつつ握手をし、押し退けられたしずかは呆れつつ鈴を見る。
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