晶葉「出来たぞ助手! 森久保クローン製造マシーンだ!」

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1 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 11:48:33.99 ID:ILXcLw1B0
タイトル通りの内容です。
以前落としてしまった物を修正しつつ、投稿します。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492224513
2 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 11:49:09.10 ID:ILXcLw1B0
モバP(以下P)「晶葉から妙に機嫌のいい声で研究室に来るように言われたけど……」

P「まあ、十中八九新しい発明品のお披露目だろうな」

P「今回はどんな発明なのか、楽しみだな」ワクワク
3 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 11:51:06.20 ID:ILXcLw1B0
☆池袋晶葉研究室☆

シュイーン

P「晶葉ー。来たぞー」

晶葉「む! ようやく来たか助手よ!」クルッストン

P(微妙に足が届いてない回転椅子でくるっと回って着地するこの動作……好きかも)

晶葉「さあさあ早くこっちに。見せたい物があるんだ!」グイグイ

P「分かった分かった。行くから引っ張るなって」

P「見せたい物ってのは、やっぱり新しい発明品か?」

晶葉「うむ。今回のはかなり自信作だぞ!」

P「今回のも、だろ?」

晶葉「……ふっ、ふっふっふ! ああその通りだとも! 流石私の助手、よく分かってるじゃないか」
4 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 11:54:05.61 ID:ILXcLw1B0

晶葉「これが新しい発明品だ」

P「こ、これは……!」

>洗濯機×2

P「……」

P「その、俺には……ただの洗濯機に見えるんだけど。ドラム式の洗濯機が2つ並んでるようにしか見えないんだが」

P(洗濯機同士は何やらチューブやら配線で繋がれ、全体的にゴテゴテしている。だが一見ただの洗濯機だ)

晶葉「ん? ああ、見た目はな。事務所で壊れたまま放置されていた洗濯機があったからな、それを譲ってもらって改造して再利用したんだ」

晶葉「どうだ? エコを忘れない私は偉いだろう?」フフン

P「偉い偉い」ナデナデ

晶葉「……ふへへ」
5 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 11:54:50.87 ID:ILXcLw1B0
P「で、この洗濯機に見える物は一体どんな発明品なんだ?」

晶葉「うむ、ずばり――クローン製造マシーンだ」

P「ク、クローン?」

晶葉「まず片方の洗濯機に生物を入れるんだ。そしてその生物の遺伝子情報を読み取る。それからまあ、Pには恐らく理解できないだろうから説明を端折るがアレコレ色々して、もう片方の洗濯機からその生物のクローンが生み出される、というわけだ」

晶葉「どうだ? 凄い発明だろう?」

P「す、凄いけど……クローンって法的にどうなんだ?」

晶葉「む、そうか。法的に問題があったか」ウムム

晶葉「じゃあコピー製造マシーンに改名しよう。よし問題解決!」

P(そういう問題じゃない気がするが、晶葉が楽しそうだしいいか)
6 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 11:57:20.30 ID:ILXcLw1B0
P(しかしクローン……いや、コピーか。凄い発明品だな……)

P「でも、何でこんな発明を?」

晶葉「え? あ、いや、それは……」

晶葉「その、なんだ。ほら、Pは色々と忙しいだろう? 膨大な量の仕事だけじゃなく、私達アイドル1人1人と過ごす時間まで作っている。休みなんてあったもんじゃない」ポリポリ

晶葉「だから、Pのコピーを作れば、その……少しはPの負担が減るんじゃないか……そう思って」

晶葉「それであわゆくば、私と過ごす時間も増えたらいいなぁ……なんて」モジモジ

P「あ、晶葉……お前……」ジワァ

晶葉「ま、待て待て! 感動してくれるのは嬉しいが、そういう意味ではこの発明品は失敗作なんだ!」

P「へ?」

晶葉「何度か実験したが、どうもコピーを作ることが出来る対象が限られているんだ」

P「対象って?」

晶葉「まあ……アイドルだ」

P「アイドル?」

晶葉「ああ、それもごく一部のアイドルに限られる」

晶葉「この機械は、何故かごく一部のアイドル対象じゃないと効果を発現しないんだ」

晶葉「恐らくは、最近私が発見した、アイドルのみが発する独自のエネルギーが作用していると考えてられるんだが……」

P「よく分からないんだが……」

晶葉「いや、いい。とにかくこの機械は使用できる対象が限られている。その原因を詳しく調べる為にも、とにかくデータが必要なんだ」

晶葉「というわけで例によって、Pには実験た……んんっ、協力者を連れてきてもらいたい。対象者はこのリストに書いてある」

晶葉「お願いできるか?」

P「オッケー博士!」
7 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 12:02:44.71 ID:ILXcLw1B0
・・・・・・・
・・・・・
・・・

シュイーン

乃々「お、お邪魔します……」オソルオソル

乃々「あれ? 部屋が真っ暗なんですけど……」

乃々「おかしいですね……。プロデューサーさんがランチに連れて行ってくれるから、ここで待ってるように言われたんはずなんですけど……」

乃々「あ、あのー、プロデューサーさーん。もりくぼ来たんですけどー」

ガチャン

乃々「ひぅっ!?」ビクッ

乃々「あ、あれぇ? は、入ってきた扉から何やら鍵がかかるような音が……」

乃々「えっと……あれ? あ、開かないんですけど……?」ガチャガチャ

パッパッパ

乃々「で、電気が急に……!?」
8 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 12:11:12.38 ID:ILXcLw1B0
シュゥゥゥゥ

乃々「ど、どこからか白い煙が……」

P「ふっふっふ……」

晶葉「くっくっく……」

乃々「ひっ! だ、誰ですか……!?」ビクビク

P「ようこそ乃々。よく来てくれたな、ふっふっふ……」ウデクミ

晶葉「歓迎するぞ。ふっふっふ……」ウデクミ

乃々「プ、プロデューサーさんに晶葉さん?」

乃々「……」

乃々(あ)

乃々(これ、何かもりくぼが酷い目に会うパターンのやつです)

乃々(もりくぼは詳しいんです。……もう何度も同じような目にあってるので)

乃々「も、もりくぼ帰ります……! お家に帰りますから……!」ガチャガチャ

晶葉「おっと、大切な実験た……んんっ、協力者を逃がすわけはないだろう? その扉の鍵は私が許可しない限り開かないぞ」

乃々「ううっ……! プ、プロデューサーさぁん……!」ジワァ

P「すまん乃々。晶葉の実験に付き合ってくれ。後でちゃんとランチには連れて行くから」

9 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 12:15:45.56 ID:ILXcLw1B0
乃々「うぅ……酷いです。もりくぼを騙すなんて、プロデューサさんの鬼……悪魔……グスン」

P「ほんとスマン。ほら、こんな事頼めるの乃々くらいしかいなくてさ」

P「それに、ほら。前に言ってたじゃん? 俺に騙されるのが好きになってきたとか、なんとか」

乃々「こ、こういう騙され方は望んでないんですけど……!?」

乃々「む、むぅー」グヌヌ

乃々「……」

乃々「……はぁ。もういいです。分かりました。やりますよ……や、やればいいんでしょう?」

乃々「プロデューサーさんにいぢめられるのは、もう慣れましたから」

乃々「そ、その代わり、ちゃんとランチには連れて行って欲しいんですけど……!」

P「ああ、連れてくって。約束だ。わざわざ実験に付き合ってもらうんだから、結構高めの飯屋に連れてくよ」

乃々「……!」ハッ

乃々「……だ、だったら、そ、その……ディナーもお願いしたいんですけど。そ、それもオシャレな感じの……」

乃々「この条件を飲んでくれるなら、手伝ってあげても、いいかなぁって、思ったり思わなかったり……」チラチラ

P「へぇ、乃々がこんな風に駆け引きしてくるなんて珍しいな」

乃々「ど、どうなんですか……?」ドキドキ

P「いいよ。分かった。ランチとディナーをご馳走する」

乃々(や、やりました……! ま、まさかレナさんから教えてもらった駆け引きのテクニックがこんな風に役立つなんて……!)

乃々(ここは指南に乗っ取って、倍プッシュなんですけど……!)

乃々「じゃ、じゃあ……その……あ、朝ご飯もついでに、一緒に食べてくれたら……い、いいなぁって」

乃々「な、なんて! さ、流石にこれはもりくぼの癖に厚かましいですよねっ、今のは無かったことに……!」ワタワタ

P「いや、いいぞ。こんなに積極的な乃々は初めてだからな。何か感動した。アイドルとして成長したお陰か……」シミジミ

乃々(や、やりました……! 朝ごはんまで……! こ、これは夜明けのコーヒーも確定ということで、いいんですよね? も、もりくぼ悪女です……! プロデューサーさんを手玉に取っちゃったんですけど……!)

10 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 12:18:19.66 ID:ILXcLw1B0

晶葉「ふむ。話はついたかな?」

P「ああ。快く協力してくれるってさ」

乃々「で、でも痛いのとか苦しいのは嫌なんですけど……」

晶葉「その点は安心をして欲しい。同じ事務所の仲間にそんな酷いことはしない」

乃々「……ふ、普通は、事務所の仲間を実験に付き合わせたりはしないと思うんですけど」ジトー

晶葉「昔の偉い人は言っていた。科学の発展に犠牲はツキモノデース、と」

乃々「え……犠牲?」

晶葉「よし、じゃあこの中に入ってくれ」パカ

乃々「あ、はい。う、うぅ……こんな狭い洗濯機の中に閉じ込められて、もりくぼ何されちゃうんでしょうか……」

乃々「あ、でも以外と落ち着くかも……」

P(狭くて少し湿っぽい。洗濯機の中と俺の机の下は同じ環境なのかもしれないな)

P(しかし洗濯機の中にいる乃々……凄い絵面だな。とりあえず写メとっとこ)パシャパシャ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/15(土) 12:36:08.95 ID:cCZcludto
ちなみに洗濯機に閉じ込められると中からは(サイズ的に入れないけど)大人の力でも蓋を開けられらません
12 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 13:03:59.38 ID:ILXcLw1B0
晶葉「ではスイッチを入れるぞ」ポチッ

ゴウンゴウンゴウン

P「お、回り始めたな」

乃々「……! ……!? ……っ!?」ドンドンドン

P「そして当たり前だが、中に入ってる乃々も回り始めたな」

晶葉「まあ洗濯機だからな。回るだろうさ」

ゴウンゴウンゴウン

晶葉「現在、森久保乃々の遺伝子情報を読み取っている。後は待つだけだな」

乃々「〜〜〜〜〜〜っ! 〜〜〜〜っ!!!」ドンドンドン

P「中にいる乃々がヤバそうなんだが。涙目ですんげえ扉叩いてるわ」

晶葉「安心しろ。いざという時の為に、エチケット袋も一緒に入れている」

ゴウンゴウンゴウン

乃々「」

P「気絶した」

晶葉「エチケット袋の必要はなかったか……ん、そろそろ終了だ」

ピピーピピー
13 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 13:07:05.16 ID:ILXcLw1B0
晶葉「これでもう片方の洗濯機から、森久保乃々のコピーが洗われる……もとい、現れるわけだが」

晶葉「コピーと言っても、そのまま全く同じ森久保乃々が現れるわけではない」

P「ん? どういうことだ?」

晶葉「完璧なコピーではないということだ。まだまだ未完成だからな」

晶葉「あくまで森久保乃々の遺伝子情報を持った生き物が現れる」

晶葉「そうだな……森久保乃々っぽいナニカと言えばいいか」

晶葉「見た目は森久保乃々でも、身体的特徴や性格に何らかの差異が現れるはずだ」

プシュー

晶葉「まあ見てもらった方が分かるだろう。さあ……出てくるぞ」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/15(土) 13:07:34.99 ID:fhejMjz6o
ダイジョーブ博士w
俺も随分と犠牲を払ったものだ…
15 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 14:45:07.76 ID:ILXcLw1B0
スポーン!

?「……」ベチョ

P「お、出てきた!」

晶葉「うむ、成功だな。見た目は……特に変わったところはないな」

P「そうだな……ん? 何か頭に付いてないか? 黒い……触角?」

?「……」ペタペペタ

晶葉「近づいてきたぞ。む、よく見ると……目にハイライトが無いな」

P「それは元の乃々でもよくある」

?「……と。……ごと」ブツブツ

P「何だ? 何か言ってるけど」

?「仕事……仕事しないと……。働かないと……誰か仕事をください……」

P「乃々にあるまじき事を呟いてるぞコイツ」
16 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 14:48:47.99 ID:ILXcLw1B0
晶葉「なるほど。分かったぞP。この黒い触覚、感情を読み取れない虫のような眼光、そしてこの社畜的発言から考えるに……」

P「ア、アリだー!」

晶葉「そうだな、アリだな。この子は、森久保乃々にアリの性質が加わった存在のようだな。それも働きアリだ」

P「乃々っぽい存在ってそういう意味なのか」

P「アリの森久保……蟻久保だな」

蟻久保「いっぱい働かないと……昼夜問わずに……休憩時間とかいらないですから……不眠不休で……」

蟻久保「でも……蟻久保何の為に働くんでしょうか……わからない、わからないですけど……仕事をしてる間は、そんなこと考えなくてもいい……」

P「思考が完全に社蓄のそれだな」

蟻久保「あ、どうも……蟻久保ですけど……」

蟻久保「な、なんでもいいので……何でもするから、蟻久保にお仕事を下さい……!」グイ

P「お、おいおい胸倉掴むなって」

蟻久保「何でもいいんです……! 他の人がやりたがらない仕事でもいいですか……! バンジージャンプだってスカイダイビングだって何でもしますから……!」グググ

P「お、落ち着けって」グググ

P「う、うおっ!? ちょっ、俺、持ち上げられてない!? 何だこの力!?」

晶葉「ふむ。蟻は自分の体重の100倍以上の物を持ち上げられるらしいからな。一般的な成人男性なら、軽々と持ち上げられるだろう」

P「アリは全部の虫の中で一番力持ち……デイ○ス艦長が言ってたのは本当だったのか……」ビリビリ

P「って裂けてる裂けてる! スーツが! スーツがオシャカになる!」パンパン

17 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 14:49:48.37 ID:ILXcLw1B0
晶葉「P! 何でもいいから仕事を与えるんだ!」

P「お、おう。え、えっと……掃除! そう掃除だ!」

蟻久保「……おそうじ?」

P「そうだ。この研究室の中を掃除してくれ。それが仕事だ!」

蟻久保「……」キョロキョロ

蟻久保「この広くて、よく分からない機械で滅茶苦茶に散らかってるこの部屋を……掃除」

晶葉「汚くて悪かったな」

蟻久保「……」

蟻久保「あーりぃー。すっごく、やりがいがあるかも……」

蟻久保「では蟻久保、お掃除してきます!」ピュー

P「凄い活き活きと駆けて行ったな……目は死んでるけど」

18 : ◆qvf.IClkDc [saga]:2017/04/15(土) 14:50:38.98 ID:ILXcLw1B0
晶葉「とまあ、コピーの具合はこんな感じだ」

P「何かこう……俺が考えてたのとちょっと違うけど」

P「これはこれで面白いな」

晶葉「そうだろうそうだろう」

晶葉「さ、まだまだ来るぞ」

P「え? まだ来るの?」

晶葉「ああ。コピーを作る原料が無くなるまでは、ノンストップで生まれ続けるぞ」

晶葉「ちなみに原料は水35L、炭素20s、アンモニア――」

P「いや、いい。聞きたくない」

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