【まほいく安価】プフレ「魔王は倒さなければならない」【魔法少女育成計画restart】

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406 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:22:50.76 ID:/FyhK3O+o

ユウキ「時間はある。長くはしないつもりじゃが、まぁ聞け」


全員が傾注する。アカネも興味津々といった顔で覗き込んで来た


ユウキ「ぶっちゃけワシが魔法少女なんぞになった時は何かの間違いじゃと、これは夢じゃと思ったわ。まぁ同じ思いだった奴もいるじゃろうが」


ゴスロリの美少女など、ジジイの自分にはどう考えても合わない。というより合う想定でこの世界は回っていない

それは3日もすれば慣れた。適当に人助けをして過ごせとファヴを名乗る電子妖精には言われた

慶市の住んでいる町は郊外とも言うべき町の、さらに田舎ともいえる所だった。人口はそれほど多くなく、別に全員が顔見知りというわけではないがコミュニティは分かりやすい

担当地域と呼ばれる区域は結構広く、数週間かけて人助けをして回った

老後の楽しみが映画と筋トレと孫以外に出来たことを喜んだ。だがそれはあくまで最初だけだった
407 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:27:20.76 ID:/FyhK3O+o

・・・・・・


ユウキ「よし、今日はこのくらいにしとくか。あまり長く開けすぎるとばあさんも心配するしな」

ユウキ「しかしファヴと言ったか……魔法少女になった時以来てんで姿を見せんで……いいかげん飽きてきたぞ」


その日の夜も、人助けをしていた。ただ魔法少女になり、何の目的も無く闇雲に人助け。魔法少女になってから数週間でそろそろモチベーションも下がって来ていた

そんなタイミングを見計らってか、魔法の端末にあるメールが送られてくる


ユウキ「ん? 魔法少女選手権……?」


この町にはユウキの他にも数人の魔法少女が居ることは教えられていた。魔法少女選手権とは隣町とさらに隣町を含めた3つの町の魔法少女が何かを競い合うらしい

しかも参加は強制ときた
408 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:33:27.01 ID:/FyhK3O+o

クラムベリー「ようこそ魔法少女選手権へ。私は魔法の国より遣わされた司会兼審査員の、森の音楽家クラムベリーと申します」


選手権の会場である山奥に行ってみると、そこには数十人の魔法少女と、簡易に作られた台座の上に音楽家と名乗る魔法少女が居た


クラムベリー「それでは、皆さんにはこの首飾りを配ります。これを取られたら脱落となります」

クラムベリー「ルールは簡単です。脱落せずに最後まで首飾りを守り抜いた魔法少女が、魔法の国公認の正式な魔法少女になれます」

クラムベリー「皆さんが初めて会ったファヴというマスコットから説明が無かった方にはこの場を借りてお詫び申し上げます」


誰もが不満を漏らしながらも首飾りを受け取っていく。ユウキも何が何だか状況がよく分からなかったがとりあえず受け取った


クラムベリー「選手権といいつつ試験のようですがお気になさらず。では始めてください」
409 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:36:35.21 ID:/FyhK3O+o

まず、血の気の多そうな魔法少女が乱暴に隣に居た魔法少女から首飾りをちぎり取った


「ハハッ、ノロマだなぁ。まぁ今回はアタシの勝ちってことで早く帰んなよ」


どうやら2人は友達同士らしい。取った魔法少女が片割れの肩をポンポンと叩く

そのまま首飾りを取られた魔法少女は倒れた


「は?」


遠目から見ていたユウキだったが、倒れた魔法少女の変身が解けているのが見えた。あれはユウキの担当地区にある学校の制服だ


「え? ちょっと悪かったって。そんな脅かさないでよ」


その数秒後、悲鳴とどよめきが山奥を包む
410 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:38:27.51 ID:/FyhK3O+o

ユウキ「ハァッ、ハァッ、ハァッ……!」


分かったことが3つある

まず、この首飾りを取られると死ぬ

自分で取っても死ぬ。つまり棄権=死だ

そして、こうして逃げなければ誰かが自分の首飾りを奪いにくる


「もらった!」

ユウキ「ッ!」

「チッ、避けるのか……」
411 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:42:57.20 ID:/FyhK3O+o

背後から攻撃。槍だ

最初の1人が脱落してから、魔法少女は大きく2つに分かれた

他の首飾りを取ろうとする者と、なすすべなく逃げる者だ

ユウキは後者だった。いくら戦場帰りといっても、急な殺し合いに対応できるほど壊れてなければそういう空気に対してのブランクなんて数十年


「大人しく首飾り渡すか、私の目の前で外しな。そうすりゃ見逃してやる」

ユウキ「な、なぁお嬢ちゃん。それってワシ一択しか残されてない気がするんじゃが」

「……私だって、好きで奪うわけじゃない」


死にたくないから。そう言いながら必至に槍を振るう魔法少女

ユウキの身体能力は高い。特に槍に扱いなれているわけでもない小娘に遅れはとらないが、状況を飲み込み切れていない分反撃が遅れる
412 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:45:02.34 ID:/FyhK3O+o

だが、そういつまでも避けられるものではない

槍の穂先が肩口を傷付け、血が服を汚す


「これで!」

ユウキ「ッッ!」


 身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→槍を奪い取り、反撃
 失敗→今度は脚を突かれる
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 22:45:41.87 ID:OD3SV8lDO
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 22:50:18.89 ID:zlT6lIS7o
過去編でもコンマはあるのか
ジャストはどっちだろう?
415 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:51:06.48 ID:/FyhK3O+o

 87……成功!
 
 
痛みと共に長らく忘れていた死の実感が込み上げてきた

同時に走馬灯。ばあさんの顔と娘夫婦の顔、孫の可愛い顔が浮かんでくる


ユウキ「ッ、ああああ……!!」


突き出された槍を避け、ガシリと柄を掴む


「なっ……!」

ユウキ「ワシも、まだ……死ねんわ!」


腹に力加減を完全に無視した渾身の蹴りを一発入れる。体をくの字に曲げた魔法少女が吹っ飛び、木に叩きつけられた
416 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:54:07.39 ID:/FyhK3O+o

「ガッ……! う、ぐ……!」


槍を捨て、その魔法少女に歩み寄る


「あ、や……助け……て……!」

ユウキ「…………」


先程までとは打って変わって、怯えた小動物のような目で懇願してくる。容姿の可愛らしさも相まって、思わず頬ずりしたくなるほどの可憐さだった


ユウキ「…………」


 目の前の魔法少女に対し……>>417
 
 1.見逃す
 2.首飾りを取る
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 22:55:04.20 ID:uKW21Otbo
418 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:00:32.90 ID:/FyhK3O+o

浅はかだとは思わない。生き残りたいのは皆同じだ

ましてや相手は確実に自分よりは年下の娘。手をかけるなど


ユウキ「……もう、ワシを狙うな。なんとかして皆が生き残る方法を探すんじゃ」

「は、はい……だから、殺さないで……」

ユウキ「分かった。だから殺すな」


背を向け、立ち去る。追撃の気配は無かった

が、悲鳴が聞こえてきた


ユウキ「ッ!?」


振り返ると先程まで自分が見下ろしていた魔法少女の変身が解けて、地面に突っ伏していた
419 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:06:31.32 ID:/FyhK3O+o

「そんな甘い考えならいっそアタシにそれ寄越せよぉ!」


また別の魔法少女だった。まるで虎のような模様の毛が全身に生え、巨大な爪を振りかざし突進してくる


ユウキ「お前、その子を!」

「どうせなら互いにやり合って漁夫狙いたかったんだけど、まぁ今となっちゃお前を殺すだけだねぇ!」


大振りな爪を避ける。ゴスロリとはいえ動きにくいということが無いのが救いだ


「ほらほらぁ、アタシを殺さないとお前が死ぬよぉ!」

ユウキ「くっ……!」


 身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→槍を拾い突き刺す
 失敗→爪で左腕に深く食いこむ
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 23:07:29.29 ID:zlT6lIS7o
01
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 23:07:53.17 ID:mmEUhyI/o
422 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:12:16.18 ID:/FyhK3O+o

 29……成功!
 
 
横に薙ぎ払うように振るわれた爪を屈んで避け、すれ違うように前に跳ぶ

跳んだ先には先ほどの魔法少女の槍があった


ユウキ「…………!」


死んでも何故槍が残っているのかは分からないが、無我夢中だ

背後に強い殺気。ユウキは槍を掴み、振り返りざまに突き出した


「な……ッ、あ、が……!?」

ユウキ「ハァッ、ハァッ……!」


槍は見事に胸を貫いていた
423 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:16:41.40 ID:/FyhK3O+o

虎の魔法少女の変身が解け、女子高生らしき女の子が地面に血を流しながら倒れこむ

数秒間はパクパクと息をしていたが、ユウキが彼女に駆け寄った時には既に止まっていた


ユウキ「……ぁ、ワシは…………なにを……!」


その場にしゃがみ込んだ

ここは日本だ。満州でも中国でもないはずだ


ユウキ「まるで、戦場じゃないか……」


だが命の奪い合いがこの場にはあった

そして自分も1つ奪ってしまった

殺されそうだったから、と言い訳はできるだろう。だが殺した相手はまだ成人もしていない若者だ

自分の行いの罪深さを呪った
424 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:20:31.25 ID:/FyhK3O+o

ユウキ「……や、やめさせねば」


ヨロヨロと立ち上がる。こんなバカげた状況を作り出したのは魔法少女選手権などと皆を集めた者だ


ユウキ「確か、森の音楽家といったか……」


これ以上人死にが出る前にクラムベリーを探し、やめさせる。ユウキはしっかりと合掌した後、槍を持ち森を駆け出した


ユウキ「(周りに気配……動物ではないな)」


横にユウキと同じスピードで移動する気配がある。尾行しているつもりだろうが、バレバレだ


ユウキ「(危害を加えてこないのなら、こちらから仕掛ける必要は無いな)」
425 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:23:26.44 ID:/FyhK3O+o

クラムベリーを見つけるのに時間はかからなかった。最初に集まっていた場所でクラムベリーは呑気に台座に腰かけていたのだ


ユウキ「おい」

クラムベリー「おや、あなたが最後の1人ですか?」

ユウキ「それは知らん。じゃがこんなバカげたことは即刻終わらせぃ!」

クラムベリー「……? 何を言っているのですか? これは選手権ですよ。皆頑張ってるのに終わらせられませんよ」

ユウキ「誰が頑張らせていると思っている!」

クラムベリー「そう怒らないでください。その槍……あなたのではないでしょう? あなたも頑張ったんじゃないですか」

ユウキ「…………」

クラムベリー「どうしてもやめさせたいのなら、私を倒してみせたら考えましょう」
426 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:27:09.50 ID:/FyhK3O+o

ユウキ「言ったな?」

クラムベリー「ええ。約束します。その前にあなたの背中を狙っている鼠をなんとかしてはいかがです?」

「ひっ……!」

ユウキ「(さっきからつけて来ていた奴か……)」

ユウキ「ワシを狙おうと思うな。今から全部やめさせる。それまで待て」


後ろの魔法少女は気弱な少女だったらしく、すぐにどこかへと走り去っていった


クラムベリー「おやおや、あれでは生き残れませんね」

ユウキ「早くやるぞ。お前の目的やら色々聞きたいが、終わってからじゃ」

クラムベリー「終わってからでは聞けないのでは? あなたが死んでいるかもしれませんが」

ユウキ「死ぬかッ!」
427 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:29:08.56 ID:/FyhK3O+o

槍を持って突撃する

銃剣突撃なんて結局実戦でやることはなかったが、今は攻めねば勝てない

素早く一閃。避けられた


ユウキ「ッ……!」

クラムベリー「フフッ」


 身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→槍がクラムベリーを掠める
 失敗→まったく当たらない
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 23:29:56.63 ID:zlT6lIS7o
Hit
429 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:35:45.97 ID:/FyhK3O+o

 63……成功!
 
 
突き、払いを組み合わせるが、なかなか当たらない

穏やかな物腰とは裏腹になかなかの武闘派のようだ


ユウキ「(なら……!)」


今度は自分の足でクラムベリーに足払いを仕掛ける

思った通り、クラムベリーはそれを跳んで避けた

すかさず槍で斬り払う。手応えは無かったが、上着の襟部分を斬ることに成功したようだ


クラムベリー「おや」

ユウキ「(よし、奴も完全にすべてを避けられるわけではない!)」
430 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:39:07.76 ID:/FyhK3O+o

今度はパンチとキックも組み合わせ、クラムベリーに攻撃をしかけていく

槍が片手で扱えるほどの長さだったのも幸いして、避けられるよりも受け止められるの方が多くなってきた


クラムベリー「ふむ、なかなかやるようですね」

ユウキ「お褒めいただき光栄じゃなッ!」


その瞬間、ガサガサと背後の草むらが音を立てた


ユウキ「ッ!」


まさかこの戦いに乗じて奇襲かと思わされた。先ほども漁夫の利を狙っていた者がいるくらいだから乱入してきてもおかしくはない

だが振り返っても誰もいない。ユウキはその一瞬の隙を突かれることになる
431 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:41:54.94 ID:/FyhK3O+o

腹に重いのを一発貰った

クラムベリーの拳がミシミシと食い込んでいる


ユウキ「がっ……ぐ……!」

クラムベリー「誰かいましたか?」

ユウキ「(なんじゃ……今のは……!)」

クラムベリー「気絶させるつもりで殴りましたが、思ったよりも頑丈ですね」

ユウキ「ああ、鍛えてるから、の!」


槍を持っていない左手を握りしめ、クラムベリーの腹目がけ思い切り振りかぶった


 クラムベリーへの攻撃は……>>直下コンマ二桁
 
 成功→腹パン成功
 失敗→受け止められる
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 23:43:10.25 ID:uKW21Otbo
433 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:47:30.67 ID:/FyhK3O+o

 25……成功!
 
 
クラムベリー「っ……」

ユウキ「な? 鍛えてるって感じのパンチじゃろ」

クラムベリー「ええ。そのようですね。久々に楽しめそうです」


ニヤリとクラムベリーが笑う。熱くなっていた頭が少し冷えるほどに、その笑みは恐ろしさを感じさせられた


クラムベリー「では、こういうのはどうでしょうか」


食いこんだままの拳から、何かが流れ込んでくる感触がある

それが何かを確認する前に、腹を襲う強烈な衝撃波でユウキは吹っ飛ぶことになった
434 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 23:51:40.24 ID:/FyhK3O+o

ユウキ「ぐあっ、な、に……!」

クラムベリー「昔無理やり技名を考えさせられたときを思い出して嫌なのですが、やはり使えば使ったで差が出来過ぎますね」

ユウキ「(魔法か……!)」


衝撃波を巻き起こす魔法だろうか。戦闘向けだ

対してこちらが持っている魔法はなんとも貧弱極まりない


ユウキ「(……いや、使えるか? 頭の中を12年前に戻してやればもしかしたら……)」


止められるかもしれない


 ユウキは……>>435
 
 1.魔法でクラムベリーの記憶を逆行させる
 2.魔法を使っても記憶が無いんじゃ止められないのではと思い使わない
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/05(火) 00:00:47.71 ID:uJV+A1k7o
1を試す
436 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/05(火) 00:08:45.76 ID:fKhDYWhXo

ユウキ「(よし、奴に触れれば……!)」


服の上から触っても魔法が使えることは一般人で証明済みだ。あとは触れること……は簡単だろう。肉弾戦タイプならチャンスだらけだ


ユウキ「随分強力な魔法じゃな」

クラムベリー「ええ。強力すぎて使いどころが見当たらないんです」

ユウキ「そうか、じゃあ使わずに負けてくれッ!」


駆け出し、槍ではなくパンチの構えになる

触れることが目的だ。たとえカウンターをくらっても魔法は使える


ユウキ「オラッ!」

クラムベリー「その速さでは捉えきれませんよ」


クラムベリーが拳を握っているのが見えた。予定通りだ
437 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/05(火) 00:10:34.93 ID:fKhDYWhXo

今度は思い切り頬を殴られた


ユウキ「ぐっ……!」

ユウキ「(顔はやめて! と言いたいが、これで!)」


魔法を使う意識をする。対象は、今顔に触れている拳を持った者


ユウキ「……」ニィ

クラムベリー「……?」


眉をひそめたクラムベリーだったが、その顔がすぐに変わるのをユウキは見逃さなかった


クラムベリー「………………? 誰?」
438 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/05(火) 00:14:25.33 ID:fKhDYWhXo

ユウキ「(よぉし……作戦成功じゃ)」

ユウキ「ふぅ……お嬢ちゃん、なかなか強いパンチじゃのぉ」

クラムベリー「へ?」


いい大人の姿をした人間が子供のような表情と仕草をするのは何度見ても違和感を拭えない

だがこんな選手権などという殺し合いを早く終わらせなければ


ユウキ「よく聞いてくれ。自分の名前は分かるか?」

クラムベリー「クラムベリー……」

ユウキ「よしよし、いいか? 今クラムベリーはちょっといけないことを皆にさせてるんじゃ。それを止めさせてくれるか」

クラムベリー「…………?」
439 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/05(火) 00:17:58.51 ID:fKhDYWhXo

クラムベリー「ねぇ」

ユウキ「なんじゃ? 質問なら一緒に殺し合いを止めさせてからじゃ」

クラムベリー「殺し合い……?」

ユウキ「そうじゃ。皆が殺し合っている。じゃがクラムベリーなら止められるんじゃ。一緒に止めに行こう」

クラムベリー「なんで?」

ユウキ「なんでって、いけないことじゃからじゃ」

クラムベリー「いけないこと? なんで?」

ユウキ「……道徳の授業なら学校でな」

クラムベリー「だって、皆殺し合ってるんでしょ?」

ユウキ「ああそうじゃ。今もワシらがそうしておった。はよぉせんと」

クラムベリー「なら止める理由は無いじゃない」

ユウキ「は?」
440 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/05(火) 00:20:10.19 ID:fKhDYWhXo

クラムベリー「よく分からないけど、早く続きをしようよ」

ユウキ「おい、何を……」


突然、鋭い何かがユウキを襲った

服が切れ、第六感がヤバいと信号を鳴らす

次の瞬間、槍が輪切りにされていた


 身体能力(87-30=57)ロール……>>直下コンマ
 不意討ちにより-30
 
 成功→瞬時に跳び退く
 失敗→斬り刻まれる
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/05(火) 00:21:48.52 ID:WdoHGcPUo
442 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/05(火) 00:30:12.24 ID:fKhDYWhXo

 52……成功!
 
 
指まで輪切りにされる前に跳び退いた

ボトボトと槍の残骸が地面に落ちる


ユウキ「お、オイオイ……記憶は戻したはずじゃろ……」

クラムベリー「へぇ、強いんだ」

ユウキ「まさか昔からこうだったとか言わせんぞ……」

クラムベリー「魔法沢山使っちゃおう♪」

ユウキ「(……これは、本当に死ぬかもしれんな)」
443 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/05(火) 00:32:35.32 ID:fKhDYWhXo

今日はここまで
そうちゃんには戦闘狂になりたての幼クラムベリーに無邪気に搾られて男の尊厳を失ってほしい
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/05(火) 00:35:25.38 ID:uJV+A1k7o

あの世界では多分クラムベリーが居なくてもそうちゃんの尊厳は失っていたはず
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/05(火) 14:22:41.33 ID:j/+b9Y0Q0
おもしろい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/07(木) 13:53:43.08 ID:62ODXug00
【まほいく安価】プフレ「魔王パムは倒さなければならない」【魔法少女育成計画restart】
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 16:33:49.70 ID:pyjQ1rfo0
再開してたんだ(´・ω・`)面白い
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/08(金) 06:38:05.86 ID:qoM2wmYR0
雷田 矛平
@raida_hokohira
ネットの片隅に生息する物書き。小説家になろうやss速報に出没します。なろうでは同名義で、ssはYySYGxxFkUの酉です。Twitter初心者のため分からないことばかりです……。基本創作に関わることだけを呟いてます
mypage.syosetu.com/240189/
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/09(土) 19:57:13.06 ID:8vLxct4W0
車内意識不明の1歳女児死亡 焼津、熱中症か (2017/9/9 09:39)
 焼津市内の駐車場で車内に長時間いて意識不明の状態で病院に搬送された1歳の女児が、その後、死亡していたことが8日、関係者への取材で分かった。
 女児は6日午前から、同市の駐車場で数時間にわたり、家族が運転してきた車内に1人でいたとみられる。家族が呼吸をしていない女児に気付き、午後4時半ごろ119番した。熱中症の疑いで病院に搬送されたが、同日中に死亡が確認された。
450 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 20:48:04.32 ID:YAAlSt+zo

クラムベリー「最近覚えたの。これ♪」


殺気。急いでその場から横っ飛び

次の瞬間には地面に深い切れ込みが入っていた


クラムベリー「避けた? それなりに速いはずなのに」

ユウキ「(真っすぐ飛んでくる見えない速い刃、と考えれば……相手が素振りを見せたら避けることもできるか)」

クラムベリー「じゃあ今度は……ッ」

ユウキ「(ッ、突っ込んで来た!)」


 ユウキは……>>451
 
 1.その場で迎撃
 2.距離をとる
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 20:48:35.23 ID:QHIQEs9qo
452 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 20:58:43.47 ID:YAAlSt+zo

速い。背を向けて逃げるには遅すぎる


ユウキ「来る……ッ!」


魔法を使っても意味が無いと知れた以上、暴走とも言えるクラムベリーを止めるのは自分の責任だ

骨の数本ブチ折ってでも止める


ユウキ「(これが映画ならただの殴り合いで済んだんじゃがな……)」

クラムベリー「シッ!」


クラムベリーが宙を舞い、鋭い蹴りが飛んできた

それを間一髪で避け、左手で掴む
453 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:04:12.13 ID:YAAlSt+zo

クラムベリー「!?」


目に見えて動揺していた

いくら記憶が12年前になったとはいえ本人からすれば体が大きくなっている。リーチや動かし方が不自然で戸惑っているのだろう

今の蹴りもそのお陰で掴めたようなものだ


ユウキ「(よし、脚を折ってやる!)」


空いた右手でクラムベリーの右膝目がけ掌底。足さえ潰せば相手は戦いを続けられないはずだ

何をされるのか察したクラムベリーが掌をこちらに向けてきた。右腕がミシミシ鳴っている。魔法を使われているのか


 身体能力(87-30=57)ロール……>>直下コンマ
 クラムベリーの抵抗-30
 
 成功→クラムベリーの右足を折る
 失敗→右腕が潰れ拘束が解ける
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 21:06:06.66 ID:/a3yiLJDO
455 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:12:10.31 ID:YAAlSt+zo

 66……失敗
 

手が膝に届くか、右腕ごと潰れるかの速さ対決だったが、ユウキに軍配は上がらなかった


ユウキ「なっ、ぐ……ぁぁぁぁぁ……!?」

クラムベリー「音圧も最大レベルに上げるとね、プレス機みたいになるんだって!」


凄まじい重低音が右腕から鳴る。骨が、身がという音ではない

だがグシャリと生々しい音が遅れてやって来た


ユウキ「ぎあああぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっっ!!」


肘から先が無残に潰れ、膝を狙った攻撃はプランと垂れた

あまりの痛みにクラムベリーを放し、腕を抑え転げまわる
456 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:15:26.82 ID:YAAlSt+zo

クラムベリー「結構強いかもって思ったけど、こんなもんか」


涙を流しながら、クラムベリーを見上げる

彼女はせっかく買った玩具が壊れたような、がっかりした顔で見下ろしていた


ユウキ「ぁ、ハァッ、ぅ、くっ……!」


怖い


クラムベリー「立てる? 続きやれる?」


歯がガチガチと当たる音で気付いた。口が震えている

口だけではない。全身が目の前にある死の恐怖に震えていた
457 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:19:21.20 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「(だ、駄目だ馬鹿野郎……! 今さら死を恐れてどうする!)」


忘れていた銃声と爆音がフラッシュバックしてくる

だがここに突撃を指揮する上官はいない。体が命令で動いてくれない


ユウキ「ッ、動け……動け……動け動け、動け……!」

クラムベリー「そうそう。そうやって立ち上がって」


腕をおさえながら立ち上がる。富豪の令嬢もかくやというほどの美しい服は土と草で汚れ、目も当てられない


クラムベリー「次はあなたが折ろうとした足で、あなたの足を折ってあげる」
458 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:23:33.59 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「(やはり、若い……それに、音とは……)」


わざわざ狙いと手段を言うことも、先ほど少しだけ見せた魔法の情報も、12年前が何歳かは分からないが若さを感じさせる


ユウキ「(魔法は考えている暇は無い。今は、とにかく……)」

クラムベリー「いくよ。せーのっ」


下段の蹴りが飛んでくる。バックステップで回避

追撃、まるでコマのように回りながら2撃目が来る。今度は高く跳んで回避した


クラムベリー「ふふっ、跳んじゃ避けられない」

ユウキ「避ける必要は無いッ!」
459 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:27:23.36 ID:YAAlSt+zo

落下中、ユウキの視線の先にあるのは、クラムベリーの首

絞め殺している時間は無い。先ほどのように腕ごと潰される

ならばどうするべきか。締めるというプロセス無く殺す。それを可能にするには


ユウキ「おあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

クラムベリー「……?」


手を手刀の形にし、思い切り突き出した


クラムベリー「ッ!」


地面に血が飛ぶ
460 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:30:50.09 ID:YAAlSt+zo

手が地面に突き刺さった


ユウキ「くっ……!」

クラムベリー「っつ……!」


クラムベリーの首が僅かに切り裂かれている。あと数mmで脈を切り致命傷に出来たが、避けられた

腕を引き抜きもう一撃、とまではいかなかった。ボォンという重低音と共にユウキの体が吹っ飛ばされる


ユウキ「ぐあっ……! っぐぅ……」

ユウキ「(一瞬、一瞬じゃが……焦りが見えた)」

クラムベリー「危なかったぁ。やっぱり結構強いんだね」
461 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:37:19.41 ID:YAAlSt+zo


左手を見る。思い切り地面に突き刺したというのに傷一つ無い

勝機が少しだけ見えてきた


ユウキ「(……もしかして、ターミネーターみたいに手で胸を突き刺せるか?)」


試してみる価値はある

クラムベリーが起き上がると同時にユウキは一気に駆け出した


ユウキ「オラッ!」

クラムベリー「……」


槍のように突き出す。だが1度喰らった手は通じないのか、避けられた

だが残された武器はこの腕しかない。これでいくしかないのだ
462 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:42:04.49 ID:YAAlSt+zo

クラムベリー「単調じゃだめだよ。ほらっ!」


下から何かが飛んできた。蹴りだ

サマーソルトがユウキの服を掠め、縦に切る


ユウキ「ッ!」


頭の中で何かが光った

クラムベリーが着地する瞬間を狙う


クラムベリー「またその槍みたいな攻撃? それじゃ私は倒せない」

ユウキ「槍ではない」
463 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:45:11.57 ID:YAAlSt+zo

クラムベリーの蹴りは鋭い。ユウキの服をまるでカッターで切るかのように裂いた

ならば同じことができるはずだ

手刀を振りかぶる


ユウキ「剣じゃッ!」


突きが来ると予想していたクラムベリーの回避行動では薙ぎ払う攻撃を躱しきれない

袈裟がけにクラムベリーの肩から腰まで手刀を振りぬいた


クラムベリー「ッ……ぐ、はっ……!」


今度はクリーンヒットだった
464 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:48:58.87 ID:YAAlSt+zo

服を斬り、肌も斬り裂いた

血がクラムベリーの白と緑の服を染めていく


ユウキ「(やはり、若いから油断する)」


油断は命取りだ。そこを突けば格上だろうが


クラムベリー「…………キヒッ」


頭上から何かがのしかかってきた


ユウキ「ぐ……!?」


いや、何ものしかかってきてはいない。見えない何かに押し付けられている
465 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:53:49.94 ID:YAAlSt+zo

クラムベリー「面白いね、今の」


ゆっくりと、クラムベリーが近づいてくる

動こうにも動けない。両足を踏ん張らなければ立ってもいられないほどの重さが上から襲っている

ステップで避けようにも体勢を変えた瞬間地に這いつくばるだろう


クラムベリー「私もできるよ。こうやって」


甲高い音が腹をすり抜けたかと思うと、ドパッと血が噴き出した

クラムベリーは腕をこちらに振っただけだ。ユウキのそれと違い、速度がまるで無かった


ユウキ「(かまいたちを、手にまとわせた……のか……っ!)」
466 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 21:58:28.96 ID:YAAlSt+zo

幸い、中身が出るほど深くは無い。だが腹筋を総動員しなければ失血死だ


クラムベリー「槍だってこうやって」


今度は見えない槍が左肩を貫いた


ユウキ「ぐ、ううぅぅッ!」


なりふり構わず手刀を振るう。速度も威力も落ちたが、クラムベリーは無防備だ

だというのに、手刀は何かに弾かれるように、クラムベリーには届かなかった


クラムベリー「ははは、はははは!」

ユウキ「な……」

クラムベリー「私の魔法は強いんだぁ。誰にも負けない。だからもっと強い人がいないかなぁって」
467 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:02:48.86 ID:YAAlSt+zo

ファヴ「マスター! マスター!」

クラムベリー「ファヴ?」

ファヴ「参加者が全員死んじゃったぽん」

クラムベリー「? 参加者?」

ファヴ「ああそうだった。ユウキの魔法で記憶が戻ってるんだったぽん」

クラムベリー「??」

ファヴ「ユウキ、クラムベリーの記憶を戻してほしいぽん。この選手権は他の奴らの同士討ちでユウキの優勝ぽん」

ユウキ「ぁ……?」
468 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:08:11.96 ID:YAAlSt+zo

ファヴ「マスターは今記憶を操られて12年前に戻ってるぽん。早く戻すぽん」

クラムベリー「…………ああ、だからいきなり変な場所でこの人と戦ってたんだ」

ファヴ「だからユウキ、早く戻すぽん」

ユウキ「でき、るか……!」


いい加減もう戦う力が残っていない。膝をつき、左手で腹をおさえながら宙でふよふよ浮かぶ白黒金魚を睨みつけた


ファヴ「別に今でも強いけどクラムベリーもそれなりに要職につきつつあるぽん。記憶が無いのは色々困るぽん」

ユウキ「戻してどうなる、コイツを説得してやめさせてくれるか? ふざけるな!」

ファヴ「……あんまり断ると、ユウキ以外にも被害が及ぶぽん?」

ユウキ「どういう意味じゃ……」

ファヴ「2人暮らしで大変ぽん。それが1人暮らしになっちゃうのはもっと大変ぽん。介護の人雇わないとぽん」

ユウキ「ッ、貴様! 婆さんを……!」
469 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:15:29.12 ID:YAAlSt+zo

ファヴ「どうするぽん? ユウキは選手権で生き残ったから五体満足でちゃーんと助けるぽん」

ユウキ「………………」


まるで悪党だ。ファヴは自分を魔法少女にしたきり現れない変な奴だと思っていたが、ロクでもなかった

ユウキは揺らいだ。今ここでクラムベリーをどうにかしないと、また同じことが起こる。だがこうなった以上勝てる見込みは薄い

記憶を戻せば見逃してもらえる上にばあさんも狙われることは無くなる


ユウキ「…………ぐ、ぐぅ……!」

ファヴ「さぁさぁ早くするぽん。もう魔法の国に合格者はユウキって報告しちゃったぽん」

ユウキ「………………………………」


 ユウキは……>>470

 1.ファヴの言うことを聞いた
 2.クラムベリーに襲い掛かった
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 22:21:03.01 ID:ta0zBKGvO
471 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:25:39.89 ID:YAAlSt+zo

クラムベリー「終わった?」

ファヴ「OKぽん。さぁマスター、ユウキに触れるぽん」


クラムベリーがユウキの肩に手を乗せた


クラムベリー「あなたも結構強かったけど、やっぱり私の方が強かったね」

クラムベリー「その、剣だっけ? また真似するね」

ユウキ「…………こ……す」

クラムベリー「?」

ユウキ「ころ、す……!」


コイツを野放しにしてはならない。すべての感覚がそう告げていた

無力化では温すぎる。絶対に殺す


ユウキ「(記憶が戻った瞬間に……!)」


いくらクラムベリーと言っても記憶の混濁がある状態なら隙ができるはずだ。そこを突く
472 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:28:08.63 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「(一撃で、絶対に殺す……この剣で!)」

ユウキ「(そうじゃ、ワシの手刀は、絶対に殺す剣じゃ……届けば、殺せる!)」


魔法を解いた


クラムベリー「っ……」

ユウキ「ハァァァァァァァァッ!!」

ファヴ「!?」


 身体能力(87-60=27)ロール……>>直下コンマ
 瀕死の一撃-60
 
 成功→クラムベリーの脇腹に深く突き刺さる
 失敗→返り討ち
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/10(日) 22:28:56.81 ID:uAS2tSxv0
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 22:30:41.29 ID:04SnEmzVo
475 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:36:02.09 ID:YAAlSt+zo

 81……失敗
 
 
記憶を戻したことでのしかかっていた重い何かも消えた。今なら動ける

ユウキの肩に置かれた右手の先、がら空きの脇腹に手刀を吸い込ませ――


クラムベリー「ッッ!」


カッと目を見開いたクラムベリーが脇腹にピンポイントでバリアを張り、手刀はあっけなく弾かれた

続けざまに放たれた蹴りがユウキの顎を襲い、ユウキは無様に仰向けに倒れる


ユウキ「が…………ぁ……………………」

クラムベリー「……なるほど、記憶を奪う魔法ですか」

ファヴ「流石マスターぽん! 今のはファヴもヒヤッとしたぽん!」
476 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:40:19.84 ID:YAAlSt+zo

クラムベリー「私もですよ。それに、未熟だった頃とはいえ私に傷を負わせたのですから……命だけは助けましょう。合格者ですしね」

ファヴ「生きてるぽん?」

クラムベリー「息はあるようですよ。意識は知りませんが」


ユウキの意識は今にも落ちそうだった

クラムベリーを倒す。その意志だけでつないでいる意識だ


ユウキ「(ぐ……も、う……駄目なのか……?)」

ユウキ「(絶対に殺す剣、か……大層なこと言ったが、このザマか……)」

ユウキ「(スマン……)」


ユウキは謝った。誰にでもなく、これからクラムベリーに関わるであろう未来の魔法少女達に

逆らったが、婆さんは見逃してくれるのか。そんなことを考える自分が情けなくて涙が出てくる
477 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:45:05.65 ID:YAAlSt+zo

「あらあら、かわいそうに」

クラムベリー「おや、ずっと見ていたのですか?」

「まぁ気になりましてね」

ファヴ「アンタを引き合いに出しても反抗してくるとは思わなかったぽん」

「この人はそういう人なんですよ。正義感は強くてねぇ……そこに惚れたってのもありますし」

クラムベリー「あなたが推薦するからどんなものかと思いましたが、思わぬ掘り出し物でしたね。強かったですよ」

「そうですか。それはよかった」

クラムベリー「そういえば、お弟子さんは見つかりますか?」

「それが難航していて……早く強い子がいればいいんですけどねぇ」


クラムベリーと誰かが話しているのは分かる。だがこの会話の意味も、誰が話しているのかもユウキの薄れゆく意識では理解することができなかった
478 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:49:11.24 ID:YAAlSt+zo

「そろそろ本腰を入れたいところなので、この人には適当に私が死んだ記憶にでも書き換えてください」

ファヴ「行方不明になるぽん?」

「戸籍なんていくらでも買えますからね。1度鬼籍に入ってみるのもいいでしょう」

クラムベリー「では、そうやってみますか。ファヴ、記憶の書き換えを。遺体の偽造もしなければ」

ファヴ「分かったぽん」

クラムベリー「意識は……無いですね。さようなら、ユウキ」


翌日、名守慶市はいつも通り布団で目を覚ました

だが、長年連れ添った愛する妻が交通事故に遭い死亡したとの連絡を受け、数週間塞ぎ込むこととなる
479 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:56:11.83 ID:YAAlSt+zo

・・・・・・


ユウキ「――とまぁこんな感じじゃ。記憶を失う直前に絶対に殺す剣を途切れ途切れ呟いてたらしく『絶剣』というワードが残っておってのぉ。完全に意識を手放す前にファヴに『絶剣って何だぽん?』と言われた覚えがあるわい」


ユウキは記憶を取り戻したといえどクラムベリーが誰かと会話していたことまではよく分からない。結局婆さんはクラムベリーに殺されたのだと、そう思うとますます怒りが込み上げてきたが他の者達の手前我慢した

皆には婆さんと自分の素性を省いて話した

ただクラムベリーの試験で死にかけたが合格した魔法少女だと


クランテイル「そうか……殺されかけて」

ペチカ「あ、危なかったんですね」

ユウキ「まぁな」

那子「Hardな体験デース……」


アカネは無言で撫でてきたため、撫で返した
480 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 22:58:26.21 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「……そういえば今何時じゃ?」

クランテイル「随分聞きこんでしまったな」

ペチカ「えっと……」


 今は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→3日目に入ったばかり
 偶数→ログアウト直前
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 22:59:06.79 ID:QHIQEs9qo
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 23:05:16.25 ID:uAS2tSxv0
記憶が逆行したベリーさんはまるで、福本漫画の中年アカギだったのが全盛期のアカギみたいに変貌しちゃったな…
483 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 23:09:20.23 ID:YAAlSt+zo

ペチカ「今丁度3日目に入ったところですね」

ユウキ「あと1日か……」

クランテイル「まぁ話しながら色々食べたり、Rで引いたトランプとかしたものな」

ペチカ「なんでトランプがあったんだろう」

クランテイル「食器やらハリセンやらが当たるRでその疑問は無駄だな」


残り1日。何かをするには十分だ


 何をしますか……>>484
 (洞窟内の探索、脱出を試みるなど)
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 23:21:14.73 ID:HRx3uNdyO
ファルに色々聴く
485 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 23:27:27.98 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「あと1日もあるのか〜暇じゃの」

ペチカ「でもこれでもう皆とは会えなくなる……?」

ユウキ「あ、それもそうか……!」

那子「Nooooo! ペチカ、終わっても会いましょう! オフ会するネ!」

ユウキ「おふかい?」

那子「Yes!」

ユウキ「おふかいってなんじゃ?」

クランテイル「ネットの人達がリアルでも集まる、だったよな」

那子「せっかく生き残ったんだから、また皆と会いたいネ」

ユウキ「そうじゃな……また会いたいな」
486 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 23:36:12.20 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「そういえばファルと長いこと話してないな。ちょっと呼び出してみるか」


サポートコマンドを使い、ファルを呼び出す

思えばコイツはファヴとうり二つというかまったく同じ外見だ。ちょっと怒りが込み上げてきた


ファル「おひさぽん。それより何やってるぽん!」

ユウキ「お前ファヴと似てるな。殴っていいか?」

ファル「ファヴとかいう極悪野郎と一緒にしないでほしいぽん。それよりも!! 何魔王探さないでこんなことやってるぽん!」

ユウキ「………………は?」


皆、あっけにとられた

ファルはなにを言っているのか、理解ができない


ファル「そんなところで時間潰してないで、早く脱出して魔王を――」

ユウキ「ちょ、ちょ、ちょっと待て!」
487 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 23:41:35.49 ID:YAAlSt+zo

アカネを見ると、頷いてすぐにメルヴィルの死体を確認しに行った


アカネ「……」フルフル

ユウキ「メルヴィルは死んでる。魔王は倒したろうが!」

ファル「このゲームは魔王が倒されればすぐに終了になるぽん」

クランテイル「……じゃあなにか? メルヴィルは魔王じゃないと言いたいのか?」

ファル「そう考えるのが……一番ぽん」


ファルの言うことを全部信じられるかと言われれば分からない。こちらを惑わすために嘘を吐いているかもしれない

だがそのメリットが考えられない。ただクラムベリーが合格にした魔法少女を集めた試験で、いじわるをする必要はあるのか


ファル「だから、早く魔王を探し出して倒すぽん……そうじゃないとまた、犠牲者が……」
488 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 23:46:56.13 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「……………………」

那子「……じゃあ、魔王はだれなんデスか」

クランテイル「……待て。プフレ達は」


クランテイルは魔王城に通じる道がふさがっているのを思い出した

メルヴィルが死んでから、プフレとシャドウゲールは魔王城に引き籠っている。互いの場所が分かる道具で、同じパーティーである2人の場所は分かるのだから


クランテイル「何故魔王城にいる……?」

ペチカ「まさか、あの2人が……?」

ファル「2人共魔王というのはありえないぽん。魔王は1人ぽん」

クランテイル「じゃあ誰が魔王なんだ!!」
489 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/10(日) 23:54:52.74 ID:YAAlSt+zo

ユウキ「生き残りはワシら5人と、プフレ達……」

クランテイル「……あの2人のどっちか片方が魔王だろう。魔王城にいるなんてのがいい証明だ」

ユウキ「プフレと、シャドウゲール……どっちかが…………?」

クランテイル「イメージとしてはプフレだが……分からない。シャドウゲールを守るためにプフレが……?」


プフレとシャドウゲールは元から互いをよく知っているようだった。恐らく2人は現実でも親しいのだろう


ユウキ「(……じゃが、ワシらの中だって)」


いや、考えないようにしよう。共に戦った仲間が、魔王などと思いたくない

クランテイルも同じ思いだろう。だからプフレ達のどちらかだと決めつけようとしている


 ユウキは……>>491
 
 1.洞窟から脱出して魔王城に乗り込む
 2.ログアウトまで待つ
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 23:55:32.58 ID:QHIQEs9qo
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 23:55:53.16 ID:/a3yiLJDO
492 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:02:38.35 ID:0csDkAlVo

ユウキ「…………ログアウトまで待とう」

クランテイル「なに?」

ファル「何悠長なこと言ってるぽん!」

ユウキ「ログアウト前になれば全員が荒野の街に集まる。その時に聞けばいい。それに、クランテイルが破壊できない壁じゃろ?」

クランテイル「ああ。何かの仕掛けだと思ってできるかぎりの破壊を試みたが結局傷一つつかなかった」

ユウキ「クランテイルが壊せないんじゃワシらにも無理じゃ。勝手に目の前に出てくるまで待とうぞ」

ペチカ「でも……」

ユウキ「ああ。何かできないかとはワシも考えてる。じゃが下手に動き回って各個撃破は映画でよくあることじゃ」

クランテイル「………………クソッ!」

那子「まぁ数ではこっちが有利デース! ペチカはどこかに隠れて見ていてくださいネ!」

ユウキ「っ、戦う気か!?」

那子「もし本当に魔王があの2人のどっちかだったら、先にやらないとやられマス」

ユウキ「……正論じゃが…………」
493 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:07:03.42 ID:0csDkAlVo

ペチカ「あ、あの」

クランテイル「なんだ?」

ペチカ「もう1人、いるはず……」

ユウキ「ッ、ジェノサイ子!」

クランテイル「そうだ、奴はどこに!?」


ログイン時、メルヴィルと戦っている時、まったく姿を現さなかった

多数の魔法少女が戦い、デカいクレーターまで出来た戦いだ。流石に気付かないというのは不自然だ


 ジェノサイ子は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→このエリアにいる
 偶数→魔王城にいる
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 00:09:32.61 ID:FoCuoiYxo
495 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:13:45.02 ID:0csDkAlVo

ジェノサイ子はずっと荒野エリアに居た

そして3日目に入り、全ての準備は整った


ジェノサイ子「……よし」


そして、クレーターを前に佇んでいたジェノサイ子はバイザーを下ろし、穴に飛び込んだ


ユウキ「ッ、うおおおお!? な、なんだお前か……」

クランテイル「無事だったか……」

ジェノサイ子「そっちもね」

ユウキ「ああー、ジェノサイ子。記憶は……」

ジェノサイ子「戻ってる」

ユウキ「すまんな、あの時は皆の協力が欲しくて……」

ジェノサイ子「もう気にしてないよ。大丈夫」
496 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:17:26.62 ID:0csDkAlVo

ユウキ「そうか……にしてもいきなり現れるなんて心臓に悪いぞ」


クランテイル達は警戒している。先程誰が魔王か分からないと判明したばかりだ

こんな状況で単独行動しているジェノサイ子が怪しいと思うのは自然だが、彼女の魔法を考えると分からなくもない


ユウキ「じゃがなんでこんな穴に飛び込んで来た? ここ深くてとても脱出はできんというのに」

那子「寂しくなったデース?」

ジェノサイ子「うーん、どうだろう」

ユウキ「…………?」


 知力(14)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→怪しすぎるぞ
 失敗→敵意は無い、のか?
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 00:19:02.04 ID:OFw5ormDO
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 00:21:30.00 ID:TNqPHlGpO
ここにきてクリティカルとか主人公かな?
499 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:26:21.82 ID:0csDkAlVo

 04……クリティカル!
 クリティカル報酬 知力が1上がった!(15)
 
 
ユウキ「そうか。ところでお前は映画は見るか?」

ジェノサイ子「映画? アニメとかなら」

ユウキ「たまには洋画や邦画も見ろ。名作だっていっぱいあるぞ。コマンドーとか」

ジェノサイ子「それは見た」

ユウキ「流石だ」

ジェノサイ子「それで、それが何か関係あるの?」

ユウキ「映画じゃとな、こういう後半だったりクライマックスだったりで死んだかと思われてた奴がいきなり現れるとな、そういうのは大体敵が化けてたり洗脳されてたりなんじゃよ」

ジェノサイ子「いやいや、私死んでないし」

ユウキ「まぁ何を言いたいかというとな……お前は怪しすぎるんじゃ」

ジェノサイ子「やだなぁ、せっかく会ったのにそんなこと言われるのは」

ユウキ「それにな、素のお前がそうやって気のいい奴なのかは分からんが、今まで敵対ないし仲がよくなかった奴が急に馴れ馴れしいと怪しさMAXじゃよ」
500 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:29:35.67 ID:0csDkAlVo

ジェノサイ子「変な想像しないでよ……別に私が魔王とかじゃないし」

クランテイル「それを証明する方法はあるのか?」

ジェノサイ子「だったらクランテイルが魔王じゃないって証明は? ユウキは? 他の皆は?」

クランテイル「……」

ユウキ「メルヴィルは魔王でもないのに攻撃してきた。魔王でなくても敵はいる」

ジェノサイ子「私が敵だって?」

ユウキ「ああ。敵じゃないなら……そのバイザーを上げてもらおうか」

ジェノサイ子「………………」

那子「早く上げるネ」

ジェノサイ子「………………あー……やっぱ向いてないわ。こういうの」

ユウキ「そうじゃな。ワシもお前も多分今相当恥ずかしいぞ」
501 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:30:47.84 ID:0csDkAlVo

記載忘れがあったのでここで無理やり


 過去を話したことで皆の信頼度が上がった!

 ペチカ:05
 那子:05
 クランテイル:05
 アカネ:09
502 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:34:56.00 ID:0csDkAlVo


ジェノサイ子「じゃあ皆まとめて……ここでお陀仏だね」


ジェノサイ子のその言葉をきっかけに、天井から壁から、何かが響いてきた。まるで爆発音のようなその衝撃にガラガラと洞窟全体が音を立て始める


ユウキ「なっ……!?」

クランテイル「なんだ!?」

ペチカ「ま、まさか……ここを埋めるつもり!?」

ジェノサイ子「察しがいいね。そう。ここで皆死ぬ」

那子「ハァァァ!? 何言ってるデース!」

ジェノサイ子「ここと草原エリアには洞窟の上に地盤があるみたいでね。そこを突けばこの洞窟は一気に無くなるってわけ。面白いステージギミックだよね」

ユウキ「貴様、まさか最初から心中するつもりで……いや、お前ぇッ!」

ジェノサイ子「そ。私は死なない。この無敵のスーツがあるからね。私はここから誰も脱出させないようにするだけ」
503 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:38:20.24 ID:0csDkAlVo

ユウキ「何故じゃ! ワシらは魔王では……!」

ジェノサイ子「知ってるよ。だけど、死んでもらわないと……いけないから」


その瞬間に見せたジェノサイ子の顔は、本心から申し訳ないと思っている顔だった


ジェノサイ子「悪いけど、死んで……!」

ユウキ「黙って死ねるか!」

那子「でもどうするデース!? このままじゃ全員生き埋めデース!」

ユウキ「魔法少女が落石で死ぬか! 何が何でも生き延びるぞ!」

クランテイル「皆、私に捕まれ!」


クランテイルはその下半身をドラゴンにしていた。これなら飛べるだろう


ユウキ「なんでそれ最初からやらなかった?」

クランテイル「…………忘れてた」
504 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:42:21.93 ID:0csDkAlVo

クランテイル「崩れ始めて穴も広がっている! あれなら今まで通れなかったドラゴンの体でも通り抜けられるはずだ!」

那子「今すっごい急な言い訳しましたネ」

クランテイル「うるさい! 乗せないぞ!」

ユウキ「じゃが、それ全員乗るのか?」

クランテイル「分からん、だが乗らなきゃどっちみち生き埋めになるだけだ」

ジェノサイ子「逃がさないと言ったでしょ!」


ジェノサイ子が走ってくる。乗るにしろ乗らないにしろ、迎撃要因は必要だ


ユウキ「くっ……!」

那子「クランテイル、ペチカを乗せて先に行くデース!」

ペチカ「えっ!?」

クランテイル「なにを言っている!」

那子「ジェノサイ子は私が引き受けマース!」
505 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/11(月) 00:45:08.30 ID:0csDkAlVo

ペチカ「でも……っ!」

クランテイル「かっこつけている場合か!」


既に洞窟は大きな落石も目立ってきている。もう数分と持たないだろう


 ユウキは……>>506
 
 1.洞窟に残る
 2.クランテイルに乗る
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