勇者「スライムですら倒すのに6ターンかかるおれって」

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105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 22:27:42.07 ID:DuDQHzLE0
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 23:30:23.09 ID:aaGJJ7UDO
>>104
乙&お大事に
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/21(日) 21:50:51.99 ID:9L5H4Up20
〜教団の里〜

角娘「この奥に本拠地がある。」

侍「それにしても、只の村にしか思えませんね。平和そうですし。」

角娘「無関係の人は巻き込まないから。」

勇者「それは教義とやらの1つですか?」

角娘「そう」

侍「ウムム…。実はいい人達?なんですかね?」

勇者「話し合いですむならそれが最上なんですが。むこうは奇襲をかけてきていますからね…。」

角娘「そろそろ、つく。」



108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/21(日) 23:45:37.64 ID:eJdTWWHho
違和感なく唐突に始まったけど誤爆か何かかと
ご自愛ください
おつおつ
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/22(月) 13:25:05.08 ID:lU8eyBa70
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/22(月) 21:13:20.07 ID:71yPc/Kc0
首領「鋼の勇者に、里の忌み子、それに倭国の姫君か、なかなか面白い面が揃ってるな。」

侍「む、何者だ!」

角娘「この声は…。」

首領「久しぶりだな、角娘。」

勇者「ッ!(いつの間にっ!)」サッ

首領「ハハハ、そう畏れるな。まあ、座れ。話をしよう。」

侍「…。」オズオズ

角娘「…。」スッ

勇者「…。」オズオズ

首領「何となく予想はついてるが、用件ってのを聞かせてもらえるかい?」

勇者「先日、僕達は襲撃を受けました。鮮やかな手口で、とても野盗の動きなどには思えませんでした。」

首領「ああ、それがどうした?」

勇者「単刀直入に聞きます。貴方達の仕業ではないですか?」

首領「そうだ、俺の差し金で、俺の同志がやった。徹頭徹尾俺達のやったことだ。」

勇者「目的は?」

首領「そんなもの、お前らがよく知ってるだろう?」

勇者「…。はっきりと申し上げておくと、貴方達のもとに角娘さんを帰す気は毛頭ありません。」

首領「………………………………………………………………………角娘?」




111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 18:51:31.85 ID:JP/e2GBN0
首領「おいおい、話がわからなくなったぞ。俺らが角娘を連れ戻す?んなことあるわけねぇだろ、」

勇者「それは本当ですか?」

首領「ああ、俺達の神に誓ってもいいね。」

侍「うっ、だとすると」

勇者(あの里の前のやりとりは…、)

侍(茶番みたいなもので…、)

角娘(それってすっごく、)

角侍勇(恥ずかしい…。)

勇者「ん"ん"…。では貴方達の本当の目的は何なんですか?」

首領「俺達の目的は、其処でジタバタしてる侍の嬢さまだよ。」

侍「?…ハッ!」

角娘「彼女は何者なの?」

首領「まさか今まで知らずに一緒にいたのか?
そいつは倭国初代大君直系の血を汲む皇族の娘にして、現倭国元首の長女、ま、平たく言うとジパングの王女様、ならぬ皇女様ってこった。」

勇者「なっ…!」

角娘「あなた、お姫様だったの。」

侍「…。」


112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/25(木) 20:46:49.16 ID:1YF43Zhc0
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/27(土) 00:00:22.62 ID:hwzsoKYA0
勇者「今の話は本当ですか?」

侍「ええ、確かに私は倭国では姫…、こちらでいう王女の立場にあります。で、でも騙すつもりはありませんでした。それに、旅を楽しむ気持ちにも、嘘はないです…。」

勇者「知ってますよ。貴方がどんな産まれでも、どんな育ちでも、僕達にとって女侍さんは女侍さんですから。」

角娘「…。」コクン

侍「ありがとうございます…。」

首領「…さてと、話は纏まったな。つーことで嬢ちゃんの身は俺達が預からせてもらう。あとの二人は魔界なり冥界なり好きな所へ行きな。」

勇者「どちらにせよお断りします。侍さんも角娘さんも大切な仲間に変わりはありませんので。」

首領「ほう…。敵の本拠地で啖呵を切るからにゃ相応の覚悟があるんだろうなぁ…?」

勇者「いいでしょう。勇者一行が相手になります!」

首領「よく吠えた、そして死ね!」

暗殺者ABC「…。」シュンッ

勇者「おおお!」ブンッ

首領(ほお…、完全に気配をした状態からの奇襲を身1つで受けきったか…。)

暗殺者A「燕射ち」シュッ

暗殺者B「無影斬」ザッ

暗殺者C「震打」ドシュッ

勇者「シールドウォール」ゴキィン

角娘「影縫い」ビュッ

暗殺者A「ウッ」

侍「受けよ!三連斬!」シャッ

暗殺者B「クッ」スッ

暗殺者C「チィッ」キィン

首領(勇者が受け、角娘が仕掛け、侍が下す。…厄介だな。)

首領「俺も混ぜろッ!」ビュンッ

勇者「グッ」(一撃が重い…。)ズズ

首領「喰らえ、鉄金掌!」ドン?

勇者「グッ!」バギッ

首領「それをもろに受けて立ってたやつは久しぶりだ。お前ら!そいつらの相手をしてな!おれはこいつとサシでやる。」

暗殺者C「了解」

首領「さあ、楽しくなってきたぜ。」

暗殺者D「お待ちください」

首領「あン?なんだよ、これからいいとこなのによ。」

暗殺者D「祈祷師様がお見えです。」

首領「祈祷師のババァが…?まぁいい。命拾いしたな。」


114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/27(土) 01:43:09.94 ID:hwzsoKYA0
勇者「まだまだ…やれますよ…。」ギロリ

首領「いいねぇ、その目。殺したくなるぜ。」

勇者「…」ジリ

首領「…と、いきたいところだが、祈祷師のババ様がお前達に会いたいそうだ。殺し合いはそれまでお預けだな。ついてこい。」

角娘「…。」スタスタ

侍「行っていいのですか?」

角娘「大丈夫。」コクン

勇者「わかりました。では此方も剣を納めましょう。」



115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/27(土) 12:14:54.91 ID:hwzsoKYA0
〜教団・礼拝堂〜

首領「連れて来たぜ、ババ様。」

祈祷師「ほう、お主が勇者かえ」

勇者「は、はい。」

侍(ババ様、なんて言うからしわくちゃのお婆ちゃんなのかとと思ったら、若い…。)

祈祷師「ふむふむ、優しい目をしておるわ…。」

勇者「あ、ありがとうございます」ドキドキ

侍(ああやって色気を振り撒くのは面白くないですけど!)

祈祷師「先々代を思い出すわ。」

勇者「先々代とは、先々代の勇者ということですか?!」

首領「外見に惑わされるな。そいつは俺の祖父さんがガキの頃からその見かけだ。」

侍「…、失礼ですが、お年はおいくつになるんですか?」

祈祷師「28じゃ!……300と」

角娘「ババ様呼びも納得。」

祈祷師「貴様祟り殺すぞ。」

角娘「ごめんなさい。」

祈祷師「…こほん、首領よ、勇者一行を解放せよ。もちろん、侍も一緒にの。」

首領「はぁ?何でだよ。こいつは悲願の為に必要なんじゃないのか。」

祈祷師「その悲願の為じゃ。納得せよ。」

首領「…チッ」

侍「悲願…とはなんですか?」

祈祷師「そうじゃの。お主らには知る権利がある。そこの壁に書いてある文字と絵が見えるか?」

勇者「禍々しい姿の者と、何かが迎いあっていますね。真ん中にあるのは階段…でしょうか。劣化でよく見えせんね。階段の先には、太陽?」

祈祷師「文字のほうはどうじゃ。」

角娘「…」フルフル

勇者「古代文字…でしょうか。正直さっぱりです。」

侍「…と魔の争いの末、道は開かれん。争いを制せし者、三種の力を携え…と相対するとき、悲願は果たされん。
三種の力とは何か?神に…し者也。神に奉じられし者也。神に…し者也。
悲願とは何か?繰り返す…と…の円環に終止符を打つ事也。所々掠れて読めませんね。」

角娘「すごい」パチパチ

首領「倭国の姫君ってのは古代文字も習うのかい。ご苦労なこった。」

侍「いえ、習った覚えは全くないのですが、何故か口から言葉が出てきました。」

祈祷師「やはりの、それはお主が光の巫女の血を汲むものだからじゃ。」









116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 12:24:27.25 ID:Zw/6TP67O
み↑こ↓
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 17:08:39.29 ID:hwzsoKYA0
唐突な淫夢に草
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/27(土) 17:54:51.68 ID:7RnCe7sKO
勇者「光の巫女…とは?」

侍「倭国初代大君の娘のことです。国を鬼道によって導き、倭国はそのためにどこの属国にもならずにすんだとか。」

首領「だから、皇族であるそこの嬢ちゃんは光の巫女の血族ってワケだ。」

勇者「なるほど…。では何故悲願に光の巫女の血が必要なのですか?」

祈祷師「そこの壁の文字に有ろう。…その壁は何代かまえの首領が作ったレプリカで、本物は魔界と人間界を隔てる壁の一部なんじゃが…、神に奉じられし者、と。」

角娘「どういうこと?」

首領「光の巫女は、その最期、国の将来の為にその身を神に捧げ、倭国に祝福をもたらしたという…。」

勇者「なるほど、預言にある神に奉じられし者とは、光の巫女をさすということですね。」

祈祷師「少なくとも妾達はそう考えておる。そして、光の巫女の力を覚醒させる為には三つの条件が必要での。見たところ、全て満たしてそうじゃが…。巫女の血を汲むこと、善人であること、そして、乙女であること…、ようは処女ってことじゃな。」

侍「なっ…。わ、わた、わたしは…。」カァァ

首領「もっと言い方って物があるだろババ様よ。だから年寄りって言われるんだぜ。」

祈祷師「落雷呪。」

首領「ウオッ」ビリビリ

祈祷師「じゃが、今し方お主の目をみて、行く末を占ったところ、光の巫女はお前に預けておいたほうが良さそうじゃとわかっての。そういうワケじゃから、」

勇者「はい、ありがとうございました…。」
(にしても…)

角娘「…。」ツンツン

首領「 」

侍「し、し、処、処女…。」バタバタ

勇者(死屍累々って感じですね。恐るべし、里の長…。)





119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/28(日) 14:45:39.56 ID:nC8/1V1F0
首領「つー訳で、お前らは自由らしい。ま、そこのにーちゃんと闘りあえないのは残念だが、これも我が神の為だ。ここで暫くゆっくりしてけや。」

勇者「では、2、3日滞在させていただきます。ここの宿はどこですか?」

首領「この里に宿屋なんて気の効いたもんはない。その代わり、うちの客間を貸そう。角娘にとっちゃ馴染み深いだろうよ。」

勇者「わかりました。三人とも同じ部屋ですが大丈夫ですか?」

侍「私は別に構いません。」

角娘「…。」コクン

首領「おい、これからこいつらは客人だ。案内してやれ。」

暗殺者D「了解しました。こちらへ、」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/31(水) 23:15:07.84 ID:rXGtK82S0
〜次の日・朝〜
勇者(日課の鍛練をしなくては)

勇者「もしもし、朝ですよ。起きてください。」ユサユサ

侍「んう…、あされんですね…、もうじきおきます。」ムニャムニャ

勇者「わかりました、先に行ってますからね。」

〜鍛練場〜

勇者「たしか、昨日の話だと、ここですね…。」
(ん、あれは…、)

首領「我らが神は絶対にして唯一、貴方のみを主と認め、預言者の言に従い、ここに祈りを捧げる。礼拝は睡眠に勝る喜びである。
礼拝の為に来たれ、成功の為に来たれ、悲願の為に来たれ。
我らが神は、絶対にして唯一である。仁慈あまねく慈悲深き、我が神のみ名によって。」

勇者「…。」

首領「ん、珍しいか?朝の礼拝だが、」

勇者「いえ、角娘さんがたまにやっているのを見かけるので…。それよりも何故こんなところで?」

首領「他のやつらは礼拝堂でやってるよ。俺はちょっと特殊でな…。そんなことはいいんだ、実践訓練だ、付き合ってもらおうか。」

121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/09(金) 23:05:52.69 ID:gxSHTLXN0
首領「フッ」ダッ

勇者「はっ速…。」

首領「旋脚」ズンッ

勇者「ッ」ザリ

首領(チッ、鉄壁を蹴ったみてぇな手応えだ…。)スッ

勇者「ハァッ」ブンッ

首領(なかなかの威力だが…、攻撃自体は力任せ、虚実すらない…)
「流水落岩」ドカッ

勇者「グッ」(カウンター…!?)

首領「鉄金拳」ゴンッ

勇者「ウォールッ!」ズンッ

首領(やはり硬いか…。ならば、)
「刃拳から打鞭肘まで…、混成打撃接続五十六連」

勇者「フォートレスッ!」ズズズ

首領「今のを受けて立っているか…。いいねえ、楽しくなって来たぜ?」

勇者「シールドラッシュッ!」ビュンッ

首領「フッ」ガン

勇者「グッ!?」ズザザ

首領「…。」

勇者「ハァ、ハァ…。」

首領「ほんとのことを言うともっとやりあいたいんだが…、そろそろ朝餉だ。ここらでワケにしようや。」

勇者「ハァハァ…。はい」フラフラ

首領「俺とお前の肉体の練度にさしたる差はない。どころか耐久だけならお前が一枚も二枚も上だろう…。なのにこうなるのはお前に圧倒的に欠けているものが有るからだ。」

勇者「それは…、なんでしょうか?」

首領「お前には技がない。知性のないモンスターならともかく、幹部クラスなら…、死ぬぞ。」

勇者「…はい。」

首領「わかったなら飯だ。ホレ、行くぞ。」

勇者「…。」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 18:14:41.80 ID:khYq9atDO
来てたか乙
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/11(日) 01:34:10.95 ID:axLMcOF10
〜食堂〜

勇者「暫くここに滞在しようと思います。」

侍「わかりましたが…、いったい何故?」

勇者「ここで僕は技を学びたいのです。」

侍「えぇと、稽古を誰かに付けてもらおうということですか?」

勇者「はい。侍さんや、角娘さんからは倣えないものですので…。」

侍「そうですか…、確かに勇者さんは、私のように速さで相手を制す柔ではなく、膂力で相手を断つ剛のタイプですものね…。」

勇者「はい、首領さんと模擬戦をしたのですが、見事にのされてしまいまして…、」

侍「ふぅん、それにしても…、」ジトォ

勇者「?」

侍「付き合いの長い私より、勇者さんは首領さんを師匠に選ぶんですね。」ムスッ

勇者「なんというか…、ホラ、侍さんは柔のタイプですし…。勝手が違うといいますか…、」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/11(日) 11:10:59.55 ID:axLMcOF10
角娘「ここにいるなら、よりたいところがある。」

勇者「構いませんが…、どこですか?」

角娘「里の外れの小屋、今日の夕べまでには帰る。」

侍「お気を付けてー。」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 17:28:13.52 ID:K60FwflN0
勇者「僕は僕でこのあと寄るべきところがあるので…、夕べまでには戻れるとおもいます。」

侍「そうですか。ではまた。」

勇者「ええ、」スタスタ




126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 17:54:41.90 ID:K60FwflN0
角娘side〜里外れ・小屋〜

角娘「…。」ギイイ

研究者「いゃあお帰りぃ〜!待ってたよぉ〜。里に戻ったって聞いたときは驚いたよ。でもまさか角娘ちゃんから会いに来てくれるなんてぇ〜。やっぱりお母さんの子ね!」

角娘「用ながなければここには来ない。」

研究者「んもぅそんなこといわないの。お母さん悲しいワー。でもでも、角娘ちゃんからのお願いだったらなんでも聞いちゃうわ。何でも言って!」

角娘「お願いではなく要件、」

研究者「照れちゃって、いいからその要件を言ってくださいな。」

角娘「次の暴走はいつになりそう?」

研究者「んー?難しい質問ね。暫く看ていないうえに、魔法使いのから厄介な封印まで受けてるし…、それもそろそろ限界ね。詳しくはわからないから、検査の必要がいるわ。」

127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 17:59:06.61 ID:K60FwflN0
侍side〜食堂〜

侍「もう、食事は終りましたし、二人は行ってしまいましたし。」

シーン

侍「なんというか…、暇ですね。」

侍「里をぶらつきましょうか。」

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/18(日) 02:14:20.87 ID:Mt3BKQDDO
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 00:09:39.78 ID:gyInjtQz0
勇者side〜聖堂〜

勇者「祈祷師さんはいらっしゃいますか?」

女中「祈祷師様は今お祈りの最中ですから、もう少しお待ちください。」

勇者「わかりました」
(それまで壁画でも見直しておくか…、恐
らく僕達にも無関係では無いだろうし…。)

勇者(しかし…、この壁画、碑文もそうだが、肝心な所ばかりが掠れている。まるで誰かに意図的にそうされたように…。)

祈祷師「…。」

勇者「碑文の神に関係する三者についても気になる。それは僕達の旅に益をもたらすのか、災禍をもたらすのか…。」ブツブツ

祈祷師「ん"ん"、ごほん」

勇者「わっ!すみません!考え事をしていて、気付きませんでした。」

祈祷師「まぁ、構わんわ。ところで、妾に要件と聞いたが何かや?」

勇者「はい、実は、その壁画についてなのですが…。」

祈祷師「気になるかえ?そうかそうか、やはりお主も勇者じゃのう。」クスクス

勇者「?」

祈祷師「歴代の勇者達は皆…妾があったのは三人だけじゃが、その壁画に興味をもっておったよ。」

勇者「そうですか…。僕が聞きたいのは1つ、何故そこまでその壁画が劣化しているのか?です。しかも肝心な所ばかり。」

祈祷師「烈火は年月によるものと、人為的なものがある。壁画が掠れておるのは先々代の勇者が削り取ったからじゃ。」

勇者「なぜそんなことを?」

祈祷師「理由はいえん。自ずと知れる時が来るじゃろう。」

勇者「やはり、削れたその部分には、僕達の運命の重要な一端があるのですね。」

祈祷師「さて…の。唯1つ云えるのは、運命からは逃げられん、ということじゃ。決して絶望するな。」

勇者「わかりました、肝に命じておきます。」

祈祷師「年寄りの繰り言はここまでじゃ。さ、かえれかえれ」ヒラヒラ

勇者「失礼しました」スタスタ

祈祷師(果たしてその時、奴は耐えきれるか…の?)



130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 05:47:08.87 ID:3BjxZwDA0
やっと追いついた

しかしケガだけじゃなくアルコールや毒ガスにも対応する超回復力すげーな
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 18:40:37.61 ID:gyInjtQz0
undefined
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/20(火) 22:23:03.18 ID:gyInjtQz0
侍side〜里外れ〜

侍「フンッ」

砂猪「ピギャァ!」ドタッ

侍「ふふふ、いい手土産ができましたね。」

首領「珍しいな。嬢ちゃん一人でいるなんてよ。」

侍「二人とも用事があるらしいですからね。それと、私を嬢ちゃんと呼ぶのはやめてください。」

首領「へいへい、ソレで、お姫さまの護衛をほっぽり出して二人はどこへ行っちまったのか?」

侍「ムッ…、まぁいいです。勇者さんは祈祷師さんに尋ねることがあって聖堂へ、角娘さんは、どこかの小屋に行くと言っていましたね。」

首領「ゲッ!?あの変態学者のところかよ。」

侍「変態学者?」

首領「あいつの親だよ。何で変態かっていうと…、まぁ、会えばわかる」

侍「成る程…、では、角娘さんは親に再開しに行ったのですね。」

首領「まぁ、違うと思うがな。大方、次の暴走までの猶予でも聞きに行ったんだろうよ。あいつは親だからって会いに行くようなやつでは無ぇ。」

侍「そう言えば何故角娘さんは暴走するんですか?魔人化のモデルの影響と聞きましたが。それとも人造魔人自体が暴走しやすいのですか?」

首領「俺の同志にも人造魔人は何人がいるが、暴走なんて話は全く聞かんな。あいつの場合、モデルが特殊すぎる。」

侍「そう言えば、角娘さんのモデルはなんなんですか?」


133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 10:18:54.42 ID:HWuhhATvO
おつ
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 11:58:26.24 ID:+5mXTySA0
期待
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/25(日) 13:07:58.46 ID:Sm+tLJoH0
undefined
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/26(月) 16:52:17.80 ID:FX6r/vXXO
なんかうまく書き込めませんね(´・ω・`)
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/07(金) 19:15:48.71 ID:AP5g2CEX0
首領「ハハハ、こりゃあ傑作だな。お前らお互いについてなんにも知らねぇのか。」

侍「ムッ、それは私は隠していましたし…、角娘さんは寡黙なほうですし…。」

首領「フム、知らないのも問題だな。その前に、人造魔人についての基礎知識はあるか?」

侍「ええ、目的に応じて動物の因子を胎児に組み込み、強靱な戦士を得る、ですね。」

首領「そうだ、勇猛果敢な戦士を欲するなら獅子の因子、隠密性に特化した暗殺者などを欲するなら蛇の因子、という風にな。ただし、角娘の中にいるやつはそんなまっちょろい物じゃない。」

侍「もしかして、魔獣のような危険なものですか?」

首領「魔獣か…、それよりもっと強靱で、狂暴で、それでいて高貴な物だ。」

侍「それは…、」

首領「それはドラゴン、生きる天災そのもの。神にさえ歯向かった禁忌だ。」

侍「ドラゴン…。神代の王者…。」

首領「そんなやつが暴れ出すんだ。恐ろしいだろう?」

侍「ええ、怖いです。その時のことを思うと。」

首領「その割りには、胆の据わった目に見えるがね。」

侍「ええ、だってだからといって私達が角娘さんと向き合わない理由にはなりませんから。」

首領「…。やはりアイツ同様、いい目だ。お前、魔王討伐が終わったら、俺の女にならないか?」

侍「え?ええええ!いやいやちょっと待ってください。やっぱり私にはまだええと、あの…その…。」

首領「答えは魔王討伐後でもゆっくり考えてくれればいいさ。俺は警邏にもどる。」

侍「あ、ああ。お、お気をつけて。」

首領「おう。それと、その猪だが、」

侍「?」

首領「今夜から肉絶ちの儀だ。食うのは無理だと思ってくれ。」

侍「 」



138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/07(金) 23:30:17.18 ID:AP5g2CEX0
〜夜〜

勇者「帰りましたよ。…、二人とも先に帰っていたんですか。」

角娘「おかえり。」

侍「お帰りなさい。」

勇者「全員いるのなら好都合です。皆さんに報告することがあります。」

角娘「何?」

勇者「次の目的地が決まりました。昨日のあの壁画の本体を見に行きます。」

侍「わかりました。しかし、魔界との境界ですか…、遠いですね。」

勇者「ええ、それにこれ迄より戦いも厳しくなるでしょう。ですので寄り道もしながら、最終的な場所としてそこを目指します。」

侍「了解しました。」

角娘「わかった。」

勇者「僕からは以上です。」

角娘「私からも話がある。」

侍「なんです?」

角娘「次に暴走する日がわかった。」

勇者「いつなんですか?」

角娘「次の新月の日。魔法使いの封印がとけたみたい。」

侍「角娘さん大人しいと思ったら、成る程そういう訳だったんですね。」

勇者「わかりました。覚悟はしておきます。」

侍「そう言えば、聞きそびれていたゆですけど。角娘さんのモデルはドラゴンですよね?」

角娘「そう。知らなかったの?」

侍「ええ、今日首領さんに聞くまでは。」

勇者「え、侍さんあれだけ一緒にいて気付かなかったんですか?」

侍「勇者さん、気付いてたんですか?!」

勇者「ええ。流石にあんな身体能力や回復力、挙げ句、火なんか噴かれてしまえば否が応でも気付くものです。」

侍「あれはてっきりそういう体質なのかと…。」

勇者「火を噴いたり切傷が一瞬で回復したりするのは体質なのでしょうか…。」

侍「だ、だって勇者さんもケガの治り異様に早いし、うちの爺やだって火噴けてたし!」

角娘「何その爺やこわい。」

侍「そうですか…、知らぬは我が身のみ…と。」

139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/11(火) 22:24:43.29 ID:2G1vTvzo0
〜数日後〜

勇者「これまでありがとうございました。お蔭で技の基礎の基礎くらいは身に付きました。」

首領「かまわん。減るもんでもないしな。」

研究者「そうそう、旅立つ君達に渡すものがあるのよ。ハイ、これ」

侍「ありがとうございます。これは…?」

研究者「角娘ちゃんが暴走しちゃった、って時のマニュアルよ。他にもイロイロのせてあるわ。一種の虎の巻ね。角娘ちゃんは竜だけど。アハハ」

角娘「下らない冗談はいい。」

研究者「まぁ、そんなこと言って、お母さん悲しいワー。」

勇者(これが角娘さんの…、なんというか)

侍(聞きしに勝って、濃い…ですねぇ。)

勇者「ありがとうございます。何から何まで。」

研究者「当然のことをしただけよ。研究員として、母として。」

侍「そうですか…。では、名残は尽きませんが、行きましょうか。」

勇者「ええ、お世話になりました」

首領「おう。またな。」

角娘「さよなら。」

研究者「気をつけてねー。」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/14(金) 00:55:35.97 ID:SLlIOnBDO
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/17(月) 23:47:07.27 ID:/xU3apxk0
〜草原〜

侍「この何日かで何か掴めるものはありましたか?」

勇者「はい、僕はタンク役なので攻撃のいなし方やカウンターなどを重点的に学びましたが…、」

角娘「後方20メートル、刀を持った5人組。此方をつけてる。」ボソボソ

勇者「ッ!…穏やかではないですね。無力化できそうですか?」

角娘「5人の内3人は可能。あと2人は達人級。」

侍「野盗の類ではないようですね。撒けますか?」

角娘「不可能。」

侍「ならば声をかけてみましょうか。」

142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/26(日) 10:22:31.31 ID:xUBcfHuSo
角娘かあいい
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