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【ヤンデレCD】ヤンデレロンパ〜希望のヤンデレと絶望の兄〜2スレ目
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43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/02(火) 08:30:08.09 ID:99WW/07Io
なんかもう死亡フラグが立った気がする…
乙です
44 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:25:21.08 ID:5no1+VtX0
澪の食事が終わって、口の周りを優しく拭う。
うん、綺麗になったかな。食べこぼしもないし。
食べてすぐ……っていうか、寝ながら食べるのはどうかとは思ったけど。
コウモト アヤセ
「……ねぇ、澪。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いい?」
ノノハラ レイ
「人が食べ終わって早々、何を聞きたいっていうのさ」
コウモト アヤセ
「澪は、まだ諦めてないんでしょ?この合宿生活を支配すること」
ノノハラ レイ
「当たり前じゃない。でなきゃ、交渉の提案なんてしないよ」
コウモト アヤセ
「でも、ここから出ることも諦めきれてない。外の世界に未練を捨てきれていない。そうでしょ?」
ノノハラ レイ
「……なんでそう思うのかな。いや、あの提案から察することもできるだろうけどさ」
コウモト アヤセ
「何年あなたの隣にいると思ってるの?あなたが何を考えているかは、目を見ればわかるわ」
45 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:26:30.05 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「――敵わないなぁ、綾瀬には。うん、そうだよ。外の世界で、やり残したことはある。
ここから脱出できなきゃ叶えられない、どうしても果たしたい夢が、ね」
コウモト アヤセ
「でもそれって矛盾してない?」
ノノハラ レイ
「……モノクマが提示した、ここから出られる条件を覚えてる?」
コウモト アヤセ
「コロシアイでクロになって……、学級裁判でシロをだまし切って生き残ること、だよね?」
ノノハラ レイ
「確かに、それが最も手っ取り早い方法だけど……、それは精確な正解じゃないね」
46 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:28:37.56 ID:5no1+VtX0
――――
モノクマ
『オマエラには招待状にも書いてある通り、 これから希望ヶ峰学園の生徒として相応しくなってもらうための強化合宿に参加してもらいます!
期限は一生!学園長ことこのモノクマが、オマエラを希望ヶ峰学園の生徒として相応しい人物になったと判断するまでずっとです!』
――――
47 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:29:19.64 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「つまりさ、ボクらが希望ヶ峰学園の生徒として相応しい人物になりさえすれば、コロシアイなんてしなくてもここから出られるってことなんじゃないかな」
コウモト アヤセ
「それは確かに、そうかもしれないけど……、それって結局、モノクマのさじ加減一つでしょ?
わたしたちにコロシアイを強要しているなら、どんなに頑張ったって難癖付けられて結局出られないんじゃない?」
ノノハラ レイ
「デスゲームのゲームマスターであるモノクマが、コロシアイ以外に出られる条件を提示したってことは、何らかの意味がそこにはあるはずなんだよ。
ボクらにコロシアイを強要したうえで、取り返しのつかない状況になった時、真実を明かせば、それはこれ以上ないくらいの“絶望”だよね。
きっとその時モノクマはこういうんだ――」
48 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:29:57.74 ID:5no1+VtX0
『ボクは最初から言ったよね?条件を満たせばここから出られるって。
この条件を満たせばコロシアイなんて必要なかったっていうのにオマエラと来たら!
ぶひゃひゃひゃひゃ!』
49 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:30:56.74 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「――ってさ。ヒントが目の前にあるのに、それに気づかないでコロシアイを始めてるボクらを嘲笑うつもりなんだぜ、きっと」
コウモト アヤセ
「ひょっとして澪がこの合宿生活を支配しようとしているのは、その満たすべき条件が何なのか探るためなの?」
ノノハラ レイ
「それもあるよ。だからここでの生活を受け入れることとここから出ることは矛盾しないんだ。
希望的観測で言うなら、全員がここから出られるからさ」
コウモト アヤセ
「それはそうかもしれないけど……、勝算はあるの?」
ノノハラ レイ
「なけりゃ豪語しないよ」
コウモト アヤセ
「嘘……、じゃないけど、本当のことでもないよね?
じゃなきゃ、皆に交渉なんて持ち掛けないもんね?」
人数を制限して、自分に取り入る人間を集めようなんて、みんなで脱出しようと考えている人が考えることじゃないし。
50 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:36:53.58 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「……そうだね。必ず勝てるってわけでもないからさ。保険はうっておこうと思って」
コウモト アヤセ
「わたしは澪のやることに口出しはしないけど……、相談くらいはしてもいいのよ?」
ノノハラ レイ
「……うん。どうしようもなくなった時は、必ず、ね」
わたしは澪さえいればいい。
澪が隣にいてくれれば、わたしはここから脱出できなくったって構わない。
澪の提案、最大七人が脱出できて、その枠が残り四人ってことは、澪と私と、ついでに渚ちゃんは確定って事でいいと思うし。
澪がどんな決断をしたって、わたしが隣にいるのなら、わたしはそれで満足だから。
51 :
♪New Classmate of the Dead
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:37:49.99 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「……あ」
コウモト アヤセ
「どうしたの?」
ノノハラ レイ
「どうやらボクは大変なことに気付いてしまったらしい。取り返しのつかない見落としをしていたよ!」
コウモト アヤセ
「えっ、ちょっと、それってどういうこと?!」
ノノハラ レイ
「こんな重大なことに今まで気が付かないなんて……、くそっ!」
コウモト アヤセ
「何?! 何があったの?!」
52 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:38:45.74 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「――この状態じゃ服が脱げないじゃん!」
53 :
♪Finding Peace Party
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:40:34.69 ID:5no1+VtX0
コウモト アヤセ
「……」
ノノハラ レイ
「……」
コウモト アヤセ
「……」
ノノハラ レイ
「……いやさ、このコートも汚れちゃったしさ、モノクマに汚れ落とすように頼んじゃった手前それを反故にするのはどうかと思うんだよ」
コウモト アヤセ
「……」
ノノハラ レイ
「それに服を着たままお風呂入るわけにはいかないし……、寝るときはパジャマに着替えておきたいし……」
コウモト アヤセ
「……」
ノノハラ レイ
「あのー、ね? だからさ、その、真顔で沈黙はやめてくれないかなぁ?」
コウモト アヤセ
「……はぁ」
たまに、本当にたまに、ついていけなくなっちゃうときがあるのが玉に瑕っていうか……。
濡れタオルで拭いておけばいいかなぁ……。
役得と言えば役得なんだけど……、正直素直に喜べないよ……。
54 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:43:33.82 ID:5no1+VtX0
――「キーン、コーン…カーン、コーン…」
モノクマ
「えー、希望ヶ峰学園候補生強化合宿実行委員会がお知らせします。ただいま午後9時50分になりました。間もなく消灯時間です。
消灯時間を過ぎると個室以外の暖房が切られるので、温かいままでいたいなら速やかに個室に戻ってください。
部屋はオートロックなので、鍵になる電子生徒手帳は忘れずに。では、おやすみなさい」
55 :
♪Heartless Journey
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 22:56:11.30 ID:5no1+VtX0
澪の体を拭いた後、色々と時間を潰していると、もう聞きなれたアナウンスが聞こえてきた。
コウモト アヤセ
「あ、もうそんな時間なんだ」
ノノハラ レイ
「縛られてるボクとしてはまだそんな時間なんだ、なんだけどね」
コウモト アヤセ
「……澪のことだから何だか白々しく聞こえるんだけど?」
ノノハラ レイ
「ひどいや。何を根拠に」
コウモト アヤセ
「今日の所は捕まっておいてあげる、だったっけ? じゃぁ、日付が変われば問題ないって言って、もう抜け出す準備とか出来てるんじゃないの?」
ノノハラ レイ
「うーん、それも考えたは考えたんだけど、みんなの様子を見る限り縛られたままの方が得策かなと」
コウモト アヤセ
「色々と楽が出来るから?」
ノノハラ レイ
「うん、大正解。このまま綾瀬に甘え続けるのもいいかなーって、思いはじめてもいるんだなぁ」
コウモト アヤセ
「……ま、まぁ、悪い気はしない……、けど……。
でもダメだからね、そのままじゃ。明日、巴ちゃんにかけあって拘束は外してもらうようにするから」
ノノハラ レイ
「えぇー?」
コウモト アヤセ
「すねたってダメよ。ほら、もう寝ないと」
56 :
♪Heartless Journey
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:02:28.85 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「むぅー……、え、ちょっと待って」
コウモト アヤセ
「どうしたの?」
ノノハラ レイ
「一応聞いておきたいんだけど、綾瀬は何処で寝るつもりなの?」
コウモト アヤセ
「何処って、ベッドだけど?」
ノノハラ レイ
「だよねぇ。じゃぁさ、ボクは何処で寝ればいいんだい?」
コウモト アヤセ
「ベッドでしょ?」
57 :
♪Heartless Journey
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:03:25.35 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「いやいやいやいや、落ち着きなって。このベッドシングルサイズじゃん。二人だと狭いよ?」
コウモト アヤセ
「抱き合って寝ればいいんじゃない?」
ノノハラ レイ
「待って、ホントマジで待って。この状態でそのシチュエーションは流石に、ね?ヤバいでしょ?」
コウモト アヤセ
「大丈夫! わたしは気にしないから!」
ノノハラ レイ
「ボクが気にするの!」
コウモト アヤセ
「澪は、私と一緒に寝るの、嫌?」
ノノハラ レイ
「……ずるいと思うよ。そんな答えが分かりきってる質問あえてしてくるなんて」
コウモト アヤセ
「じゃぁ、問題ないわね?」
58 :
♪Heartless Journey
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:10:03.03 ID:5no1+VtX0
……なんて、軽く誘ってみたのはいいけど。
どうしよう、思いのほかすごく大胆なことしちゃったんじゃない?!
鼓動がすごく早くなってるし、顔も熱いし、振り返ってみるとすごく恥ずかしいこと言っちゃってないかなぁ?!
明かりを消すと余計近くにいる澪が感じとれるようになって、すごく、その、恥ずかしい!
どうしよう! こんな状態じゃ眠れないし、澪に気付かれちゃうよ!
59 :
♪Heartless Journey
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:18:05.44 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「……ねぇ、綾瀬。まだ、起きてる?」
コウモト アヤセ
「う、うん。まだ、起きてる、よ?」
ば、ばれてない、よね?
今更になってすごく緊張してるとか、いろいろと!
ノノハラ レイ
「――懐かしいよね。こうやって二人一緒に寝るのって」
コウモト アヤセ
「……うん」
そう言われてみれば、こうして澪と一緒に寝たのって、どれくらい前の事だったんだろう。
コウモト アヤセ
「昔は一緒に遊んでたし、一緒のお箸とか使ってたよね」
ノノハラ レイ
「懐かしいなぁ。お医者さんごっことかしてたよね。あ、そうだ。一緒にお風呂も入ってたっけ?」
コウモト アヤセ
「もう、澪ったら。そういう事ばっかり思い出しちゃって」
ノノハラ レイ
「こういう状況に持ってきた綾瀬が言えることじゃないでしょ」
コウモト アヤセ
「そ、それは言わないでよ!」
60 :
♪Clair de Lune
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:30:55.93 ID:5no1+VtX0
コウモト アヤセ
「……でも、いつからかな。一緒に遊ばなくなったのは」
ノノハラ レイ
「中学校に入るちょっと前ぐらいだったと思うけど」
コウモト アヤセ
「昔は泣き虫だったあなたが、わたしに守られることも無くなって……。
背もいつの間にか抜かれちゃって、だんだん、あなたが遠くに行っちゃうような気がして……」
ノノハラ レイ
「……いつまでも守られてばっかりじゃいられない、って思ったからね。
頑張ったんだよ? 綾瀬を守れるくらい強くなれるように、さ」
コウモト アヤセ
「それは嬉しいけど……、あの時の澪ったら、そんなこと全然言ってくれなかったじゃない。
わたし、ちょっとだけ寂しかった」
ノノハラ レイ
「それは……、その、ごめん」
コウモト アヤセ
「うぅん。今はね、こうしているだけでも幸せなの。
最初はね? 希望ヶ峰学園に入学することになって、このままあなたと離れ離れになっちゃったらどうしよう、って思ってた。
けど、すぐにあなたが来てくれて、あなたと一緒なら、って思ったの」
ノノハラ レイ
「綾瀬……」
61 :
♪Clair de Lune
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:35:54.47 ID:5no1+VtX0
コウモト アヤセ
「わたしは、あなたの事が好き。大好き。あなたの為なら、何でもするわ?」
ノノハラ レイ
「……やっぱりずるいよ、綾瀬は。ボクが言いたいセリフ先に言っちゃうんだもん」
――結局、わたし達は朝まで語らい続けた。
62 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:38:11.82 ID:5no1+VtX0
――「キーン、コーン…カーン、コーン…」
モノクマ
「えーと、希望ヶ峰学園候補生強化合宿実行委員会がお知らせします。
オマエラ、グッモーニン!本日も最高のコロシアイ日和ですよー!
さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょ〜!」
63 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:45:39.25 ID:5no1+VtX0
コウモト アヤセ
「あ……、もうこんな時間……」
ノノハラ レイ
「うん……、みたい、だね」
コウモト アヤセ
「どうしよっか?」
ノノハラ レイ
「どうするもなにも、ボクはこの状態じゃ何もできないし……、とりあえず綾瀬は外に出してもらって、朝食じゃないかな。
その帰りに、ボクの朝食持って来てくれればいいからさ」
コウモト アヤセ
「……うん、そうだね。流石に澪をこのまま持ち運ぶわけにもいかないもんね!」
ノノハラ レイ
「素直に言ってくれていいんだよ。ボクが食堂に行けば、確実に空気が悪くなるってさ。
ボクは気にしないから、遠慮せず行っておいで」
コウモト アヤセ
「……うん」
ノノハラ レイ
「ボクは二度寝するからさ!」
コウモト アヤセ
「ちょっと!」
ノノハラ レイ
「ははっ、冗談だよ、冗談。ほら、早く行っておいで」
コウモト アヤセ
「もう……。いってきます」
ノノハラ レイ
「いってらっしゃい♪」
64 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:51:33.72 ID:5no1+VtX0
コウモト アヤセ
「おはよう、渚ちゃん」
ノノハラ ナギサ
「……おはよう、ございます」
あれ、ちょっと機嫌悪い?
ノノハラ ナギサ
「これ、返しますね」
突き放すようにわたしの電子生徒手帳を押し付けて、渚ちゃんはそそくさとエレベーターへ向かってしまった。
……ちょっと渚ちゃんには悪いことしちゃったかな。
なんだか不安だけど……、今は食堂に向かうべきかな?
65 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:54:28.73 ID:5no1+VtX0
食堂に着いた……、のはいいけど……。
なんか、凄い視線を感じるなぁ……。
こう、最後に食堂に到着したのとは別の注目を浴びてる気が……。
ううん、気のせい気のせい!
66 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:56:52.98 ID:5no1+VtX0
一応覚悟はしていたんだけど、つつがなく朝食が終わって少し拍子抜けしちゃったのは内緒。
……だったんだけど、ちょうどみんなが食べ終わるくらいに、エレベーターがこの階に止まった音が聞こえる。
すごく、とてもすごく嫌な予感がするなー……。
67 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/01(木) 23:59:45.03 ID:5no1+VtX0
ノノハラ レイ
「やあ皆、おはよう」
なんで普通に来ちゃってるのかなぁ?
どうやって拘束を解いたんだとか、さっき食堂には来ない感じだしてたじゃんとか、いろいろ言いたいことがありすぎて、もう呆れるしかないんじゃない?
68 :
♪モノクマ先生の課外授業
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/02(金) 00:08:28.98 ID:6mFwQFCk0
ノノハラ レイ
「あー、うんいやね、キミたちの言いたいことはよぉく解かるよ。でも仕方ないじゃん。
重大発表があるからってこの綿埃が言うからさ」
モノクマの頭を鷲掴みにして皆の前につるし上げるとか、ちょっともう何考えてるのかわからないんですけど。
モノクマ
「綿埃とは何さ!っていうかいい加減離してよ!」
ノノハラ レイ
「ほい」
モノクマ
「うわぁ!」
ひゅー、どすん。みたいに、モノクマは落とされて、ヌイグルミとは思えない重量感のある音を立てる。
モノクマ
「こら!学園長ことモノクマへの暴力は規則違反だぞ!」
ノノハラ レイ
「これは暴力じゃないよ。キミをここまで運んでやっただけじゃない。
むしろ滂沱の涙を流し、土下座して靴を舐めながら感謝の意を述べるべきだよ」
モノクマ
「何という上から目線!? ボクは学園長なんだぞ! 一番偉い先生なんだぞ!」
ノノハラ レイ
「え? 先生って生徒にパシられるのが生きがいみたいなものじゃないの?」
コウモト アヤセ
「澪、それは流石におかしいから」
いつにもまして暴走してるなー、澪。
どうしよう、ブレーキかけられるかなぁ?
69 :
♪モノクマ先生の課外授業
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/02(金) 00:11:52.38 ID:6mFwQFCk0
オモヒト コウ
「……それで? 茶番はそこまでにして、はやく本題に入れよ。重大発表とやらは?」
モノクマ
「オマエラ先生に対するリスペクトが足りないぞ!
あーもう! わかったよ! どーせさっさと言えって言うんでしょ?! じゃぁ用件だけ言ってとっとこ消えてやるもんね!」
70 :
♪モノクマ先生の課外授業
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/02(金) 00:16:47.37 ID:6mFwQFCk0
モノクマ
「新しいエリアを解放しました! じゃ、バーイクマー!」
……本当に言うだけ言って帰っちゃった。
マスタ イサム
「各々言いたいことはあるだろうが……、今のところは我慢して、全員で手分けしてその新エリアとやらを探すぞ。いいな?」
増田君の気迫も相まって、ここは澪を含めたみんなで調査することになった。
71 :
テンノコエ
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/06/02(金) 00:18:22.57 ID:6mFwQFCk0
――本日はここまでとなります。
――完結目指して頑張っておりますので、応援のほど、よろしくお願い致します。
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 00:22:37.82 ID:pXW6cLJJ0
綾瀬視点まだ続く感じかな
乙です
楽しみにしてます
73 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 19:30:39.13 ID:/WApGs810
調査はいつも通り二人一組で行うことになって、わたしの相手は澪。
昨日からの流れを踏めば、いたって自然、なのかな。
コウモト アヤセ
「ねぇ、澪。どう思う?」
ノノハラ レイ
「新エリア解放の理由かい? 簡単な話だと思うけどね。
皆が活動する範囲が増えれば、それだけ人目に付かない場所――つまり、トリックを仕込みやすい場所が増えるわけで……。
あとは、トリックに組み込みやすい舞台装置とか……」
コウモト アヤセ
「やっぱり、そう思う?」
ノノハラ レイ
「それ以外考えられないよ。まさかあの悪趣味なヌイグルミ未満がボクらを喜ばせるためだけにこんな大掛かりなことしないだろうし」
つまりこれは、モノクマがわたし達にまだコロシアイが終わっていないことを暗に伝えている、ということ。
74 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 19:34:22.06 ID:/WApGs810
コウモト アヤセ
「澪の探している物も見つかるのかな?」
ノノハラ レイ
「どうだろうね。むしろ最初からこのホテルにあるとは思うんだけど……。
まだ見つかっていない現状を鑑みると、新エリアにヒントがあるかもしれない」
コウモト アヤセ
「だと良いんだけど……。
そういえば、新エリアってなんだろう?」
ノノハラ レイ
「このホテル、目の前にゲレンデがあるけどさ、リフトは稼働してなかったよね」
コウモト アヤセ
「位置も遠いしね。誰も上には登ってないんだっけ?」
ノノハラ レイ
「そのはずだよ。新雪が深くて足を取られるし、ラッセル訓練の要領でも登りきるまで体力がもたないしで、初日に挑戦した人は皆序盤でリタイアしたんじゃないかな」
コウモト アヤセ
「増田君でも?」
ノノハラ レイ
「むしろ彼は雪崩を警戒したみたい。夜は猛吹雪で昼間は快晴っていうのは表層雪崩が起きやすい条件が整っているんじゃないかって。
それ以来ゲレンデを踏破しようとする猛者はいなくなったと思うよ」
コウモト アヤセ
「ナナちゃんとノノちゃんがずっと雪合戦してるの見たんだけど」
ノノハラ レイ
「あれはただ純粋に遊んでるだけだよ、多分」
あの二人、本当に高校生なのかな……?
ひょっとして、“候補生”ってそういう意味も含んでたりするの?
じゃぁ、まさか、その条件って――
75 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 19:36:49.25 ID:/WApGs810
ノノハラ レイ
「どうしたの? そんな怖い顔して」
コウモト アヤセ
「その、ね? ひょっとしたら、ここから出られるのは何年か後になるんじゃないかって……」
ノノハラ レイ
「ま、ずっと平和に過ごしていればさしものモノクマも飽きるだろうけど……。そういう意味じゃないっぽいね」
コウモト アヤセ
「あのね、これはただのわたしの思いつきだから、間違ってると思ったら否定してほしいんだけど……。
ナナちゃんとノノちゃんが超高校級の双子“候補生”なのは、あの二人がまだ高校生じゃないからってことなんじゃないかと思って」
ノノハラ レイ
「……なるほど。だから、あの二人が高校生になるまで年を取らないとボクらも出られない、と。
安心していいんじゃないかな。多分それはないと思う」
コウモト アヤセ
「どうして?」
ノノハラ レイ
「考えてもみなよ。どう見たって小学校高学年から中学一年生ぐらいのあの二人が高校生になるまで待ってたら、今度はボクらが高校生じゃなくなっちゃうじゃない。
希望ヶ峰学園の入学資格には現役の高校生であることも含まれてるんだよ?」
コウモト アヤセ
「じゃぁなんであの二人はここに居るの?」
ノノハラ レイ
「さぁ? ボクはモノクマじゃないからわからないし、モノクマがそんなこと応えてくれるとは思えないし。
確かに時間経過が鍵だという考え方もあるけど、年単位ではないと思う」
76 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 20:39:39.20 ID:/WApGs810
コウモト アヤセ
「……そっか。ゴメンね? 話を遮っちゃって」
ノノハラ レイ
「いいよ。えーっと、そうそう、ゲレンデはあるのにリフトが動いてないって話だったね。
新エリアって言うのは、そのリフトに乗って移動した先にあるんじゃないかって」
コウモト アヤセ
「えーっと、っていうことは、脱出とは関係ないんじゃ……」
ノノハラ レイ
「どうかな? 脱出への道のりが下山する方向にあるとは限らない。回り道も必要なんじゃないかな?」
コウモト アヤセ
「……本当にそう考えてる?」
ノノハラ レイ
「はは、ちょっと自信ないや。
でもまぁ、あのモノクマのことだし、真っすぐ行っても勝てやしないよ。裏の裏の裏をかくぐらいしないと」
オモヒト コウ
「おいお前ら、サボって何話してるんだ」
ノノハラ レイ
「おっといけない、退散しようぜ」
コウモト アヤセ
「あ、ちょっと、待ってよ!」
77 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 21:28:40.53 ID:/WApGs810
澪を追った先は、リフト乗り場だった。
ゴンドラリフトそのものは動いていないけど、封鎖は解かれているみたい。
コウモト アヤセ
「……澪の予想通りだったね」
ノノハラ レイ
「いや、予想したボク自身が言うのもアレだけど、ここまで一致すると流石に軽く引く」
コウモト アヤセ
「でもこれどうやって動かすんだろう? こういうのって普通は係員の人が管理してるんだよね?」
ノノハラ レイ
「管制室みたいなところもないし……、モノクマが動かすってわけでもないみたいだし、ねぇ。
多分ボクらが自力で何とかできるぐらいに簡便化されているはずだとは思うけど」
コウモト アヤセ
「じゃぁ、ここを調べてみれば操作の仕方も分かるかもしれないってこと?」
ノノハラ レイ
「うん。マニュアルがどこかにあるはずだよ。そんなに広くないし、すぐ見つかるんじゃないかな」
78 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 21:43:10.52 ID:/WApGs810
乗り場にあるゴンドラリフトは一つだけ。
大きさは……、どうだろう、結構大きいのかな。二十人弱ぐらいは乗れそう。
白と黒の半々なんていう嫌でもモノクマを連想するデザインはちょっとアレだけど。
ゴンドラのドアは開いているから、一応乗ることもできるけど、動かないんじゃ意味はないよね。
ノノハラ レイ
「あ、これかな」
澪はゴンドラに乗り込んで、中を探していたみたい。
確認する為に、わたしもゴンドラの中に入る。
79 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 21:44:27.22 ID:/WApGs810
コウモト アヤセ
「見つけたの?」
ノノハラ レイ
「うん。どうやら、このゴンドラに乗り込んでドアを閉めると、自動で運転してくれるみたいだね」
コウモト アヤセ
「あ、これだね」
ノノハラ レイ
「え、ちょっ、待って――」
ドアの取っ手に手をかけると、ドアはあっさりとスライドしていく。
もっと力がいると思っていたけど、誰でも使えるようにしているのかな。
80 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 21:51:47.38 ID:/WApGs810
コウモト アヤセ
「あ、ホントだ。動いたよ、澪!」
ノノハラ レイ
「うん、そうだね。けどさ、これ他の皆呼ばなくてよかったの?」
コウモト アヤセ
「あ」
一台しかないゴンドラを私たち二人で使っちゃったら他のみんなが上に行けないじゃない!
コウモト アヤセ
「ど、どうしよう……!」
ノノハラ レイ
「……まぁ、こういうのって反対側と連動してるから、向こう側にも一台あるはずだよ。
ボクらが向こうに着くころに、もう一台はこっちに着いてるんじゃないかな」
コウモト アヤセ
「あ、そっか。じゃぁ一応皆にこれのことを知らせて、乗ってもらえば問題ないって事ね」
ノノハラ レイ
「それに、何人かはもう向こうに行っているのかもしれないし。
何があるかはついてからのお楽しみだけど」
81 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 23:27:42.77 ID:/WApGs810
『ゴンドラリフトについて
・当機の定員は16名となっております。それ以上の重量を検知するとブザーが鳴りますのでご注意ください。
・誰かがドアに乗った状態でドアが閉まると運転が開始されます。巻き込みには充分ご注意ください。
・乗り場に到着すると自動でドアが開きます。巻き込みには十分ご注意ください。
・出発から到着までの所要時間は10分です。
・当機の搭乗可能時間は6:00〜23:00となっております。23:00〜翌6:00は搭乗されても運転できませんのでご注意ください。』
澪が見つけたゴンドラの操作方法は、ドアの淵にシールで貼られていたものだった。
わたしがこの注意書きを呼んでいる間にもゴンドラは上へ上へと昇っていく。
窓からは、これがコロシアイでなければ最高の景色が見える。
澄んだ空、白いゲレンデ、遠くに見える峰や麓。
わたし達が泊まっているホテルが遠く、小さくなっていく。
わたし達を閉じ込めている壁も、今なら軽く飛び越えられそうに見えるくらいだ。
82 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/01(土) 23:48:00.53 ID:/WApGs810
ノノハラ レイ
「……どうやら、かなり広い範囲を壁で覆ってるみたいだね。
この分だとこのリフトが到着する先も壁の中かもしれない」
コウモト アヤセ
「解るの?」
ノノハラ レイ
「流石に増田クンには劣るけど、ボクも目はいい方だから。
こりゃ壁の脆い部分を探すのは非現実的かな?」
コウモト アヤセ
「それはもう諦めてたんじゃないの?」
ノノハラ レイ
「梅園クンから聞いたんだけどね、一度仕掛けがないことを確認させてから直前に種を仕込むのはマジックの常道らしいんだ。
だから、壁を抜けて脱出することは不可能と思わせておいて実は……、とか思ってたんだけど。
流石にこんなに広い範囲を詳しく調べる気にはなれないかなって」
コウモト アヤセ
「そっか。でも、これから行くところにヒントくらいはあるんじゃない?」
ノノハラ レイ
「だと、うれしいね」
83 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/02(日) 00:00:18.78 ID:k43dX9zP0
しばらくして、リフト乗り場が見え始める。
ゴンドラは徐々に減速して、やがて停止した。
ドアが音もなくゆっくりと開く。
ノノハラ レイ
「到着っと。綾瀬、足元に気を付けてね。段差あるから」
コウモト アヤセ
「うん、ありがと」
澪が私の手を取って、エスコートしてくれる。
こういうことを自然にやってくれるから、好き。
84 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/02(日) 00:24:38.34 ID:k43dX9zP0
リフト乗り場を出ると、エスポワールよりも少し小さい洋館が見えた。
あれが本当の新エリアって事かな。
ノノハラ レイ
「これも宿泊施設なのかな」
コウモト アヤセ
「そうじゃない? 定礎って書いてあるプレートの上に、名前と家紋が彫ってあるみたいだし」
名前の方は『ἐλπίς』でそもそも何語で書かれているかもわからないし、家紋の方は綾小路家のじゃないってことがわかるだけで。
でも家紋がユニコーンに地球儀って、ちょっと現代的すぎない?
85 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/02(日) 00:25:58.61 ID:k43dX9zP0
ノノハラ レイ
「……ふーん? そういうこと」
コウモト アヤセ
「え、何か分かったの?」
ノノハラ レイ
「多分、これはホテルエスポワールの姉妹館……、別館ってやつじゃないかな」
コウモト アヤセ
「どうしてそんなこと、名前を見ただけでわかるの? っていうか、あれなんて書いてあるの?」
ノノハラ レイ
「古代ギリシャ語でエルピスって書かれてあるんだよ。日本語に訳すと、希望や予兆になる」
コウモト アヤセ
「あ、そっか。エスポワールはフランス語で希望って意味だったもんね。
名前が同じ希望だから、姉妹館って言えるんだ」
86 :
♪わたし達は世界を変えることができない
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/02(日) 00:35:30.32 ID:k43dX9zP0
ノノハラ レイ
「ついでに、あの家紋が何処の物なのかもボクは知ってるんだよね」
コウモト アヤセ
「えっ、そうなの?」
ノノハラ レイ
「うん。……でも、だとすると、ボクらはとんでもない相手と戦わなくちゃならなくなるかもしれない」
コウモト アヤセ
「どういうこと? ひょっとして、綾小路家と同じくらいの資産家、とか?」
ノノハラ レイ
「そっちのがまだましだと思うよ。何せ、天聖院家の家紋だ。
私立希望ヶ峰学園にも匹敵する、あるいはそれ以上の学園都市、天聖院学園を有する日本きっての名家なんだからね」
87 :
テンノコエ
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/07/02(日) 00:36:30.85 ID:k43dX9zP0
――本日はここまでとなります。
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/02(日) 13:25:18.64 ID:xgHPZBZWO
追いついた
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/02(日) 16:39:05.22 ID:mrC2G7Bwo
思いっきり殺人のトリックに使われそうな舞台装置が…
乙です
90 :
♪わたし達は世界を変えることができない
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 20:52:00.23 ID:BtxqCyAK0
コウモト アヤセ
「……噓でしょ?」
ノノハラ レイ
「こんなところで嘘なんてつかないよ。まぁ、納得は出来たかな。
天聖院家が黒幕なら咲夜さんが拉致されたって綾小路家は何も言えないわけさ。
その気になれば、この地球上から綾小路の名を消すぐらい天聖院なら卵の殻をむくようなものだろうし」
コウモト アヤセ
「ちょ、ちょっと、待って。
澪がどうしてそういう事を知っているかどうかは置いておくとしても、それってわたし達に勝ち目がないって事じゃない?」
ノノハラ レイ
「かも知れないね。ボクらにはどうしようもできない。
ひょっとしたら逆らうだけ無駄なのかもしれない」
コウモト アヤセ
「そんな……!」
ノノハラ レイ
「でもだからって、ボクは諦めない。寧ろね、燃えてきたんだ。
何せ、天聖院学園はボクの志望校だった。でも落とされた。なら、これはリベンジできる絶好のチャンスじゃないか。
希望ヶ峰学園と天聖院学園が手を組んで企画したコロシアイ、それを根底から覆してやればボクの才能は本物だと証明される」
コウモト アヤセ
「れ、澪……? それってどういう――」
91 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 20:53:12.19 ID:BtxqCyAK0
ノノハラ レイ
「いい加減中に入ろうか。いつまでもこんなところに突っ立ってないでさ」
コウモト アヤセ
「う、うん……」
無理矢理はぐらかされちゃった。
わたし、澪が天聖院学園に入学しようとしてただなんて聞いてない。
なんでそんな大事なこと今まで黙ってたのか、聞きたかったのに。
それとも、聞かれたくなかったから、なのかな……?
92 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 20:56:11.74 ID:BtxqCyAK0
エルピスと名付けられた建物の中に入ると、エスポワールと同じようなエントランスホールが広がっていた。
正面には、豪奢な装飾を施された、誰もいないフロント。
ホールの中央には、煌びやかなシャンデリアの下に鎮座している、グランドピアノ。
ノノハラ レイ
「うっひょー! 凄いよこれ! スタンウェイじゃん! このモデルだと大体2000万ぐらい?
綾瀬の家にあるのはヤマハの300万ぐらいのやつだっけ?
やっぱりこういうところに金かけてる所を見せつけられると、希望ヶ峰学園と天聖院学園の権力ってやつをまざまざと感じるよね!」
コウモト アヤセ
「わかったから、ちょっと落ち着こうねー。
でも、こんな高いピアノ、ここまでどうやって運んだんだろ……?」
ノノハラ レイ
「……案外、そこに脱出のヒントがあったりしてね。
じゃぁさ、何か一曲弾いてもらおうかな?」
コウモト アヤセ
「いきなり? あ、もしかして、特定の曲を弾いたら隠し扉が開くとか?」
ノノハラ レイ
「だと面白いんだけどね。それらしい楽譜は見つかってないし。
今は単に聴き比べがしたい気分なんだよね。いつも綾瀬が弾くピアノと、ここで弾くピアノとをさ」
コウモト アヤセ
「それはいいけど……、今はちょっと無理かな。楽譜もないし。
それに、もっと他の場所を調べた方がいいでしょ? ちゃんと後で弾いてあげるから」
ノノハラ レイ
「……ま、それもそうだね。ひょっとしたら、何処かに楽譜が隠されているかも知れない」
そこひっぱるんだ……。
93 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 21:11:04.37 ID:BtxqCyAK0
入り口から見て左手にエレベーター。右手にはゲームコーナーのようなスペースと、その隣に「男」「女」と書かれた暖簾。
ひょっとしてこの別館って……、温泉施設?
ノノハラ レイ
「ひょっとして、露天風呂とかあるんじゃないかな?!
やっぱスキーリゾートとくれば温泉だよね!」
コウモト アヤセ
「うん。コロシアイさえなければ最高の合宿なんだよねぇ……」
ノノハラ レイ
「なら話は簡単だね。殺し合いを起こさせなければいい」
コウモト アヤセ
「だからって、前みたいなことはしないでね?」
ノノハラ レイ
「解ってるってばさ。
……さて、じゃぁ上の階から調べてみようか?」
コウモト アヤセ
「あっちは後回しって事? どうして?」
ノノハラ レイ
「時間いっぱい遊び倒してもいいって言うならあっちからにするよ?」
コウモト アヤセ
「上から調べよっか」
そういえば、澪ってそういうタイプだったっけ。
部屋の掃除の最中なのに、ゲームが目に入ったら掃除そっちのけでゲーム始めたりする。
そういうところは、直してほしいと思ってるんだけど。
94 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 21:54:03.85 ID:BtxqCyAK0
エレベーターに乗って、二階に上がった。
階数を表すボタンが1と2の二つしかないから、この別館は二階建て。
つまりわたし達が調べられるのはさっきまでいた一階と今いる二階しかない。
ノノハラ レイ
「あ、増田クン。ユーミアさんと朝倉さんも一緒なんだ。
水臭いなぁ。どうせここに来るならみんな集めてからにしてくれても良かったのに」
マスタ イサム
「……それはブーメランとして捉えてもいいのか?
まぁ、いいさ。こっちは俺たちが先に調べておいたぞ。特にめぼしいものはなかったな」
コウモト アヤセ
「ここには何があるの?」
アサクラ トモエ
「多目的ホール、みたいだよ。見た目が完全に体育館だけど。
ご丁寧に、男子更衣室と女子更衣室まで作っちゃってさ」
ユーミア
「更衣室には、体操服のほかに各種ジャージが備え付けられているようです。
それと、シアタールームもありました。規模は小さいですが、各種映像作品が揃っていますね」
ノノハラ レイ
「……なるほどね。どれもここで過ごすにうってつけの設備ってわけ。
そろそろ真剣にここでの永住も視野に入れておこうかな?」
コウモト アヤセ
「冗談になってないわよ」
マスタ イサム
「確かに、脱出の手掛かりはなさそうだったが。俺たちはお前と違って諦めてないからな。
何を企もうと構わないが、邪魔だけはするなよ?」
ノノハラ レイ
「酷いなぁ。ヒトをモノクマみたいに扱うのはよしてよ」
……ごめん。今一瞬だけど「ひょっとして澪とモノクマって中身一緒なんじゃ?」とか思っちゃった。
何だかすごく仲良くしている時とか、あるし。
95 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 22:09:50.52 ID:BtxqCyAK0
エレベーターから見て左手に更衣室。右手にシアタールーム。そして、奥に多目的ホールの入り口。
更衣室は、手前側が男子更衣室で、奥側が女子更衣室みたい。
コウモト アヤセ
「どうしよっか?」
ノノハラ レイ
「うーん。多分更衣室は調べなくてもいいんじゃないかな。
広さから考えて一人でも十分に調べられそうだし、見落としも多分ないと思う。
多目的ホールも見るだけ見るとして、まずはシアタールームかな?」
コウモト アヤセ
「……ひょっとして、中にある作品片っ端から調べようって事?」
ノノハラ レイ
「内容まで全部見るつもりはないけどね。何か弾くべき曲のヒントがあるかもしれないし」
あれ、わりと本気だったんだ?
96 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 22:23:39.10 ID:BtxqCyAK0
シアタールームの棚には、DVDが所狭しと並んでいた。
明かりを消すと真っ暗になって、プロジェクターの映像をスクリーンに投影するあたり、かなり本格的だ。
ノノハラ レイ
「映画は……、特撮、アニメ、アクション、サスペンス、ホラー、恋愛……、邦画も洋画もジャンルを問わず、って感じだね」
コウモト アヤセ
「ドラマもアニメも、本当にいろいろあるみたい。
……この中に曲のヒントなんてあるの?」
ノノハラ レイ
「控えめに言ってないかな?」
コウモト アヤセ
「ちょっと」
ノノハラ レイ
「この中のどれか一つにピアノの演奏シーンがあって、それと同じ曲を弾いたら隠し扉が……、とか言う可能性も考えたんだけど。
それは余りに現実味がなさすぎるしね」
うん。それは流石に無理。
ちょっとした店を開けるくらいに種類があるDVDの中から一つしかない正解を引き当てろなんて流石に考えたくない。
97 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 22:42:18.58 ID:BtxqCyAK0
結局何も得られなかったシアタールームを後にして、今度は多目的ホールだ。
ノノハラ レイ
「こりゃまた、ものの見事に体育館だね」
コウモト アヤセ
「うん。多目的ホールって言う名前だけど、完全に体育館よね、これ」
木製の床に、コートを模した色とりどりのラインが引いてあって、壁にはご丁寧にバスケのゴールも設置してある。
ステージ上には校旗が掲揚してあって、舞台幕も学校でよく見る感じの色合い。
誰がどう見ても、体育館としか表現できそうにない。
98 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 22:45:59.19 ID:BtxqCyAK0
ノノハラ レイ
「これで袖にピアノでもあれば完璧なんだけどね。体育館としては」
コウモト アヤセ
「それでそのピアノの調律が目茶苦茶だったらさらに完璧ね。……じゃなくて。
何でスキーリゾートに体育館なんて作っちゃってるの?!」
ノノハラ レイ
「そりゃ、まぁ。学園の所有物だから?」
コウモト アヤセ
「だからってこれは流石にあんまりじゃない? せめてホテルの宴会場みたいに統一感だしてよ!」
ノノハラ レイ
「文句は希望ヶ峰学園か天聖院学園に言ってよ……。ん、待てよ?
ひょっとしてこれは大ヒントなんじゃないのか?」
99 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 22:59:58.67 ID:BtxqCyAK0
コウモト アヤセ
「どういう事?」
ノノハラ レイ
「さっき言ったよね? 舞台袖にピアノがあれば体育館としては完璧だって。
体育館を再現するくらいなら、それくらいやってしかるべきなのにそうしなかったのは何故だい?」
コウモト アヤセ
「何故って……、下にピアノがあるから?」
ノノハラ レイ
「そう。でもそれなら、どうしてそのピアノをこっちに持ってこなかったんだ?」
コウモト アヤセ
「どうしてって……、やっぱりああいうピアノって目立つところに置いておきたいんじゃない?」
ノノハラ レイ
「確かにそれもあるかもしれないけど、ひょっとしたら、やっぱり隠し通路か何かがあるんじゃないのかな?」
コウモト アヤセ
「あくまでそれにこだわるの?
えーっと、つまり澪は、この体育館のような多目的ホールのどこかに、楽譜があるって考えてるってこと?」
ノノハラ レイ
「その通り。ピアノを置いてあるはずの場所……、多分、袖のどっちか……。いや、待てよ?
舞台でピアノを弾くのは下手側と決まっているから、スペースの問題がなければ移動距離が短くて済む下手側にピアノを置いてあるはず。
だから、舞台袖の下手側に楽譜か……、あるいは曲のヒントがあると思うんだ」
コウモト アヤセ
「なんだかちょっと無理矢理な考えに思えるんだけど……。
それに、さっきユーミアさん達が調べてたんでしょ? 楽譜が見つかれば教えてくれるんじゃないの?」
ノノハラ レイ
「それはそうだけど……。でも、調べたいんだ。自分の目で」
コウモト アヤセ
「……相変わらずね、澪は。そうと決めたら曲げないんだから。
そこまで言うんだったら、徹底的に探しましょ?」
100 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 23:15:18.54 ID:BtxqCyAK0
と、意気込んでみたはいいけど……。
かれこれ十分ぐらい経ったかなぁ。楽譜もヒントも、見つかる気がしないよ……。
コウモト アヤセ
「やっぱりそんな都合よくいかないんじゃない?」
ノノハラ レイ
「うーん……。間違いないと思うんだけどなぁ……」
コウモト アヤセ
「そういうときもあるって。元気出して――ひぅ!?」
ノノハラ レイ
「え、どうしたの?!」
コウモト アヤセ
「なんか足元が冷たい気がして、びっくりしちゃった……。でも何もないみたいだし、気のせいかな?」
ノノハラ レイ
「いや……、ひょっとして……? ちょっといい?」
コウモト アヤセ
「え、ちょ、ちょっと!」
澪はわたしの静止も聞かずに、ステージの床を這うように調べ始めた。
ノノハラ レイ
「そうか、わかっ――あ」
澪は何かに気付いたみたいだけど、わたしの足元に跪いて、頭を上げればどうなるか、なんてことも、行動に移す前に気付いてほしかったな、なんて。
とりあえず、結果としてはだけど、変質者まがいの行為をしでかした不届き者には鉄拳制裁を下しておかないと、ね?
101 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 23:30:27.83 ID:BtxqCyAK0
ノノハラ レイ
「うぅぅ……。何もゲンコツしなくたっていいじゃんかぁ……」
コウモト アヤセ
「一回だけで済ませたんだからむしろ優しいでしょ? それで、何が分かったの?」
ノノハラ レイ
「あまりにも強い衝撃を受けてすっぽ抜けちゃったよ」
コウモト アヤセ
「……」
ノノハラ レイ
「冗談、冗談だから無言で構えないで。
綾瀬の足元の床にね、ほんの少しだけど隙間があったんだ。このステージの床下から冷気が漏れ出てるみたいだね」
コウモト アヤセ
「……まさかとは思うけど、楽譜はその床下にあるって言うんじゃないよね?」
ノノハラ レイ
「そのまさかだよ」
コウモト アヤセ
「それで? どうやって床下に行くって言うの?」
ノノハラ レイ
「この多目的ホールが体育館を模して造られているなら、ステージの下はパイプ椅子を収納するための引き出しになっているはずだよ。
一番下手側の引き出しを抜き切ったら、人が入れるスペースが出来ると思う」
コウモト アヤセ
「……ここまできたらやるっきゃないみたいね」
102 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 23:41:36.02 ID:BtxqCyAK0
いったんステージを降りて、問題の引き出しを引っ張っていく。
大量のパイプ椅子が乗っているからとても重いと思ったけど、車輪がスムーズに回っているからそれは最初だけで、あとは勢いのまま引き切ることが出来た。
途中でつっかえることもなく、引き出しが完全に外に出る。
引き出しが無くなったことで現れた、床下への入り口。
ノノハラ レイ
「ちょっと埃っぽいね。ボク一人で行こうか?」
コウモト アヤセ
「ダメ。澪を一人になんてさせないから」
ノノハラ レイ
「わかったよ。……あまり大きく息を吸い込まないようにね」
コウモト アヤセ
「うん」
ハンカチで鼻と口を覆いながら、ゆっくりと床下へ入っていく。
床下に入ってから2メートルぐらい進むと、左へ曲がれる空間があった。
それは、さっきまでわたし達がいたステージの下手側の袖、その真下に繋がる。
ノノハラ レイ
「……あった。タイトルは書いてないけど、多分これだよ」
コウモト アヤセ
「本当にあったんだ……。後は、それの通りにピアノを弾けばいいのね?」
ノノハラ レイ
「うん。……早く戻ろうか。ここに来た誰かが勘違いで引き出しを戻さないとも限らないし」
気持ち急ぎながら床下から出て、引き出しを元に戻す。
閉じ込められなくてよかった……。あ、わたしを残そうとしたのはそうならないようにするため?
103 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 23:50:32.58 ID:BtxqCyAK0
ノノハラ レイ
「めぼしいものも見つかったし、早速これを弾いてみよっか」
コウモト アヤセ
「え、澪が弾くの?」
ノノハラ レイ
「正確には、ボクと綾瀬が、だけど。
ドヴォルザーク、交響曲第9番「新世界より」の第三楽章。連弾の楽譜みたいだからさ」
104 :
テンノコエ
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/08/01(火) 23:51:11.07 ID:BtxqCyAK0
――本日はここまで。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/02(水) 00:24:10.78 ID:GDyWi2uX0
普通にラブコメしててワロタ
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/09(水) 18:33:21.96 ID:nUGZioHB0
あげ
107 :
♪Cool Morning
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 00:29:41.76 ID:RbK85pO00
コウモト アヤセ
「ちょっと待って。タイトルは書いてなかったんでしょ? どうしてわかるの?」
ノノハラ レイ
「最初の八小節が特徴的だからね。ピアノアレンジだからちょっと戸惑ったけど、実際に弾けばわかるはずだよ」
コウモト アヤセ
「それはいいんだけど……。澪ってピアノ弾けるの?
わたし澪が弾いてるとこ見たことないんだけど」
ノノハラ レイ
「大丈夫大丈夫。世の中には人差し指でしか弾けないレベルから一気に連弾ができるレベルにまで上達する男子中学生だっているんだから!
ボクならちょっくら練習すればいけるって!」
そういう変な方向にポジティブで自信過剰なところは相変わらずよね……。
108 :
♪Cool Morning
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 00:42:33.39 ID:RbK85pO00
コウモト アヤセ
「えーっと、じゃぁどっちを弾きたい?」
ノノハラ レイ
「んー、そうだなぁ。メインを張るTもいいけど、地味に難しそうなUも捨てがたいしなぁ。
あ、でもまてよ? 資本の指を大切にしないようなピアニストにメインを任せるのは危険か?」
コウモト アヤセ
「あ、根に持ってるんだ……。でも、あれは澪の落ち度だと思うな」
ノノハラ レイ
「わかってるよ。悪かったって。
……うん、決めた。Tは綾瀬に譲るよ」
コウモト アヤセ
「いいの? わたしはどっちでもいいんだけど」
ノノハラ レイ
「超高校級のピアニスト候補生が連弾で主役張らないでどうするのさ。
それに、さっき言ったでしょ? 綾瀬のピアノが聴きたいって。一番近くで聴けるんだから、どうせなら主旋律を聴きたいじゃない?」
コウモト アヤセ
「そっか……。じゃぁ、最高の演奏にしないとね!」
そうよ。こんな機会、滅多にないじゃない。
澪の実力にはちょっと不安が残るけど、むしろ練習が必要なら付きっ切りで……。
あぁ、もう。本当に、こんな合宿じゃなかったら最高のシチュエーションだったのになぁ……。
109 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 01:25:34.48 ID:RbK85pO00
一階に戻って、ピアノの譜面台に楽譜を広げる。
ノノハラ レイ
「どうしようか、ちょっと練習する?」
コウモト アヤセ
「なに弱気になってるのよ……。さっきまでの自信はどうしたの?」
ノノハラ レイ
「いやさ、ボクも綾瀬もこの楽譜初見でしょ? そう思うとちょっとね」
コウモト アヤセ
「候補生とはいってもね、わたしだって超高校級のピアニストなの。初見の楽譜だってある程度弾けるから。
まぁ、澪がどうしてもっていうなら、澪が練習する時間をあげてもいいけど?」
ノノハラ レイ
「……言ってくれるね。俄然やる気が出てきたよ。時間も惜しいし、さっそく弾いてみようか。
タイミングは綾瀬に任せるから」
コウモト アヤセ
「そう? ……じゃぁ、遠慮なく……」
わたしが指を鍵盤の上に乗せると、澪も所定の位置に指を置く。
……よし。
110 :
♪ピアノ連弾による交響曲第九番「新世界より」第三楽章
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 01:37:41.49 ID:RbK85pO00
弾き始めの時点で、澪の実力がすぐ理解できた。
特に合図もなく始めたけど、澪がわたしの弾き方に合わせてきている。
指の運び方から、リズムの取り方、呼吸に至るまで。
澪は初めての演奏のはずなのに、まるでずっと前からわたしとピアノを弾いてきたみたいに、完璧に。
111 :
♪ピアノ連弾による交響曲第九番「新世界より」第三楽章
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 01:42:01.68 ID:RbK85pO00
それがうれしくもあるけれど、むなしい、のかな。
昔から天才肌だとは思っていたけど、こうも簡単にやられちゃうと、澪が遠くに感じちゃうよ。
今隣に座っている澪が、腕も体も触れ合っているわたしの幼馴染が、雲の上に行ってしまっているように感じてしまう。
112 :
♪ピアノ連弾による交響曲第九番「新世界より」第三楽章
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 01:46:20.45 ID:RbK85pO00
わたしの手の届かない遠いところに行ってしまいそうな気がして、そっと澪の方を見ると、澪と目が合った。
澪は、とても楽しそうに、笑っていた。
……そうだよね。せっかくなんだもん。楽しまなきゃ。
113 :
♪ピアノ連弾による交響曲第九番「新世界より」第三楽章
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 01:55:25.92 ID:RbK85pO00
曲もそろそろフィナーレに向かいつつある。
雑念なんて最初から捨てて、澪と一緒に連弾できることをもっと楽しんでいればよかった。
こんな夢みたいな時間、もっと長く味わっていたかった。
聴く分には結構長い曲だけど、実際に弾くとなるととても短い。
最後の和音がきれいにはまって、とうとう、わたしと澪の初めての連弾が、終わってしまった。
114 :
♪Cool Morning
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 02:18:38.29 ID:RbK85pO00
ノノハラ レイ
「おやおや、皆さんお揃いで」
オモヒト コウ
「いったいどういう風の吹き回しだよ。ピアノの連弾なんて」
ウメゾノ ミノル
「その楽譜の曲を弾いたら隠し扉が開く、とか?!」
サクラノミヤ アリス
「映画の見すぎなんじゃない?」
115 :
♪Cool Morning
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 02:19:10.17 ID:RbK85pO00
サクラノミヤ エリス
「あ、あの……。うまく言えないんですが、その……、素晴らしい演奏でした」
ナナ
「ねぇ、こんどネコふんじゃったでも弾いてみない?」
ノノ
「それ、面白いかも!」
タカナシ ユメミ
「……お兄ちゃんってピアノ弾けたっけ」
ナナミヤ イオリ
「たまにはこういうのも悪くはありませんね」
116 :
♪Cool Morning
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 02:19:40.76 ID:RbK85pO00
マスタ イサム
「楽譜なんてどこにあったんだ?」
ユーミア
「おそらく、多目的ホールではないかと。あそこは隅々まで徹底的に調べた、というわけではありませんから」
アサクラ トモエ
「どうみても体育館にしか見えないから、逆に怪しくないと思っちゃったよ……。
やっぱり何かあったんだね」
117 :
♪Cool Morning
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/09/02(土) 02:20:06.91 ID:RbK85pO00
みんなが思い思いの感想を口にする中……、
ノノハラ ナギサ
「……」
渚ちゃんだけが、わたしを黙って見つめていた。
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 08:46:42.82 ID:w6WoAqzGo
修羅場が近づいてきましたね
澪ってほんと何者なんだ
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/25(月) 06:39:15.70 ID:St/BvT2G0
あげ
120 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/01(日) 22:23:27.98 ID:BYZi2pFI0
ノノハラ レイ
「渚も聴いてたなら、感想聞かせてほしいなぁ」
ノノハラ ナギサ
「すごくよかったよお兄ちゃん。初めてとは思えないくらい上手だった」
ノノハラ レイ
「そ、ありがと。ぶっつけ本番にしてはこれ以上ないくらい上出来だね」
ノノハラ ナギサ
「ところで、どうして急にピアノなんて弾いてたの?」
ノノハラ レイ
「多目的ホールのステージの床下に楽譜が隠されていたからね。
弾けば何か起こるんじゃないかと思って」
オモヒト コウ
「……とくに何か起こった様子はないみたいだが?」
ノノハラ レイ
「うーん。やっぱゲームみたいにはいかないねぇ」
モノクマ
「おめでとうございます!」
121 :
♪モノクマ先生の授業
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/01(日) 22:25:03.11 ID:BYZi2pFI0
……気のせいかな、いまピアノから出てきたように見えたんだけど。
して、もうみんな慣れたのか、いきなりモノクマが現れても全然動じない。慣れたくなかったけど。
ノノハラ レイ
「おや学園長。生徒にぞんざいに扱われてご隠居なさったのでは?」
モノクマ
「むきー! ボクはそんなガラスハートじゃないやい!
じゃなくて! さっきそこの楽譜の曲を弾いたでしょ! だから特典をプレゼントしに来たの!」
コウモト アヤセ
「特典……?」
なんだろう。絶対にロクなものじゃない気がする。
122 :
♪モノクマ先生の授業
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/01(日) 23:07:26.24 ID:BYZi2pFI0
モノクマ
「『新世界より』にちなんで――」
ノノハラ レイ
「隠し扉の鍵、とか?」
モノクマ
「もう! クマの話に水を差さない! 隠し扉の場所教えないぞ!」
コウモト アヤセ
「あ、隠し扉はあるんだ」
モノクマ
「はっ、しまった!
あー、もう! いいや! 鍵は渡すから、さっさとあの暖簾くぐってこーい!」
123 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/01(日) 23:08:24.01 ID:BYZi2pFI0
そういってモノクマはわたしと澪に鍵を投げつけて、逃げるように立ち去って行った。
鍵は二つ。赤のキーホルダーがついたものと、青のキーホルダーがついたもの。
暖簾をくぐるということはつまり……。
ノノハラ レイ
「脱出とは何の関係もなさそうかなぁ。まぁ、使うんだけどさ」
コウモト アヤセ
「えっと、どうしようか? みんなで行く?」
ノノハラ レイ
「男女に分かれた方がよさそうだけど。多分性別は違っても中身は一緒だよ」
ウメゾノ ミノル
「ちょっとちょっと、何勝手に二人で話進めてるのさ。どういうことか説明してよ!」
サクラノミヤ アリス
「ちょっとは頭使ったら? ここで暖簾って言ったらあそこしかないでしょ?」
亜梨主ちゃんが指さした先には、「男」と書かれた青の暖簾と、「女」と書かれた赤の暖簾。
つまり隠し扉は、温泉のどこかにあるということ。それも、男湯と女湯の両方に。
124 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/02(月) 00:27:01.88 ID:B3J0sMVZ0
ウメゾノ ミノル
「いやいや、待ってよ。あそこは調べたじゃん。でもそんな怪しい隠し扉なんてなかっただろ?
脱衣場にも、大浴場にも、サウナにもさ」
サクラノミヤ アリス
「さっきので現れた。そう考えるしかないでしょ」
ウメゾノ ミノル
「それはそうだけど……」
サクラノミヤ エリス
「あの、とりあえず、行ってみませんか?」
マスタ イサム
「……人数はある程度絞ろう。男は全員でもいいが、女は多すぎる」
ユーミア
「モノクマの罠が待ち構えているかもわかりませんしね」
アサクラ トモエ
「あー、じゃぁボク残ってようかな。捜索はあまり得意じゃないからさ」
ナナ
「ナナたちも残りましょう? お風呂はお洋服が濡れちゃうわ」
ノノ
「お風呂は夜に入らなきゃね」
サクラノミヤ アリス
「あたしもパス。四人ぐらいがちょうどいいでしょ。慧梨主も残りなさい」
サクラノミヤ エリス
「えっ、お姉さま、私は……」
サクラノミヤ アリス
「なに? あたしの言うことが聞けないっていうの?」
サクラノミヤ エリス
「そんな、私は……!」
ウメゾノ ミノル
「喧嘩はよしなって。僕たちはさっき調べたばっかなんだから、むしろいかなきゃダメじゃん。
それこそ、演奏の前後で何か変化があればすぐに気づけるんだからさ」
サクラノミヤ アリス
「なに、さっきの仕返しのつもり? ……まぁいいわ。仕方ないから、行ってあげる」
結局、女子はわたしとユーミアさんと亜梨主ちゃんと慧梨主ちゃん。男子は全員で調べることになった。
125 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/02(月) 00:47:53.30 ID:B3J0sMVZ0
ノノハラ レイ
「じゃぁ三十分後にロビー集合ってことで」
コウモト アヤセ
「うん。……気を付けてね」
ノノハラ レイ
「多分大丈夫だと思うけどねぇ。そっちも、十分に気を付けてね」
コウモト アヤセ
「うん」
いったん澪と別れて、わたしは女風呂の暖簾をくぐった。
暖簾の先には、一般的な温泉宿泊施設の脱衣場でよく見かける、服や貴重品を入れるためのロッカーに、洗面台、給水所に……、体重計。
大浴場へ続く扉以外に、これといって怪しい扉はない、かな。
126 :
♪Beautiful Lie
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/02(月) 00:48:21.22 ID:B3J0sMVZ0
大浴場へ入っても、特に変なものは見当たらなかった。
桶に、椅子に、シャンプー、リンス、ボディソープ、シャワー。
お風呂はすごく広くて、高級リゾートっていう感じ。
サウナに、水風呂に、外……多分露天風呂に続く扉。
あれ、そういえばさっき梅園君は――。
サクラノミヤ エリス
「お姉さま、あの扉って……」
サクラノミヤ アリス
「えぇそうね。さっきまでなかったものよ。ご丁寧に、鍵までついてるし」
コウモト アヤセ
「……開けてみるね」
モノクマから受け取った鍵を鍵穴に入れて回すと、かちゃりという音がした。
やっぱりというか、なんというか。特典というのは、露天風呂だったみたい。
普通の旅行ならうれしいんだけど、殺し合いを強いられているこの状況だと、外に出られるかもなんて甘い期待を裏切られた気分。
127 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/02(月) 00:58:07.71 ID:B3J0sMVZ0
ドアを開けると、雪景色が一望できる浴槽と、さらに奥へ続く道があった。
その道をたどると、また更に扉があって、張り紙が貼ってあった。
『この先9:00〜19:00立ち入り禁止
※もしこの時間帯に立ち入った場合、校則違反とみなし厳罰に処します』
128 :
テンノコエ
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/10/02(月) 01:04:11.87 ID:B3J0sMVZ0
――本日はここまで。
――月一更新で亀進行とか本当に救いようがないね……。
――でも、もし、ボクがこのSSを描き切ったのならその時は……、ボクを超高校級の希望と呼んでくれ。
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/02(月) 12:14:15.34 ID:5AlvWgrJO
乙
面白いよ
130 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/11/02(木) 01:06:45.29 ID:cr67W4q70
ユーミア
「……どうやら、今はこの先を調べることはできないみたいですね」
コウモト アヤセ
「そうみたい。……あ、夜お風呂に入るときに行ってみようかな」
ユーミア
「少し危険ではありませんか?」
コウモト アヤセ
「こういう風に制限するってことは、多分罠じゃないと思うんだよね。
もしわたしたちを陥れるための罠なら、こんな注意書きなんてして警戒心をあおったりしないもの」
ユーミア
「それは……、そうかもしれませんが」
コウモト アヤセ
「あ、でも澪ならトリックに使えそうとか思ってるかも」
例えば現場をこの扉の先と思わせておいて、進入禁止の時間のアリバイを確保しておく、とか。
131 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/11/02(木) 01:08:47.46 ID:cr67W4q70
ユーミア
「……あの場ではマスターの手前ですので抑えましたが、ユーミアはまだあのヒトを完全に信用したわけではありません。
いずれマスターに仇なすようなら、容赦はしないつもりです」
コウモト アヤセ
「……あなたにとって増田くんが大切な人であるように、わたしにとって澪はかけがえのない人なの。
そっちこそ、澪に手を出さないでね?」
ユーミア
「ユーミアに勝てるとでも?」
澪にもしものことがあれば、わたしはわたしを保てなくなる。
だから釘はちゃんと刺しておかないと、ね?
132 :
♪Rise of the Ultimate
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/11/02(木) 01:09:15.67 ID:cr67W4q70
サクラノミヤ エリス
「お、お姉さま、どうしましょう……。と、止めないと……」
サクラノミヤ アリス
「ほっときなさい慧梨主。巻き込まれるわよ」
コウモト アヤセ
「……もうこれ以上めぼしいものもないみたいだし、時間はあるけどロビーに戻りましょうか?」
ユーミア
「そうですね。男湯もこちらと同じようなら、マスターも早く切り上げるでしょうから」
わたしたちは無言で女湯を後にした。
133 :
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/11/02(木) 01:17:12.04 ID:cr67W4q70
暖簾をくぐった先、ロビーには誰もいなかった。
もしかして男湯の方で何かあったのかな?
……まさか澪の身に何かが?!
サクラノミヤ アリス
「待ち時間が暇だからって何ゲームコーナーで遊んでるんだか……」
女湯の捜索に行かなかった女子の皆はゲームコーナーにいるみたいだけど、ひょっとして澪もそこにいるのかな。
134 :
♪Finding Peace Party
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/11/02(木) 01:23:13.89 ID:cr67W4q70
ノノハラ レイ
「ガチャ!ガチャ!またガチャががが回せるぅう!ヤッフゥゥゥウウウウア!」
ウメゾノ ミノル
「ガチャァアア!10連ガチャア!いっぱいっぱい回すのぉぉ!」
ノノハラ レイ/ウメゾノ ミノル
「「溶けるぅう!溶けちゃうう!」」
結論から言えば、澪とはじめ男子は捜索を切り上げてゲームコーナーにいた。
そして、澪と梅園君が常軌を逸した動きで喜びを表現してるんだけど……、これは、何?
何なの?
ここへ来る前に一体何が……。
135 :
♪Finding Peace Party
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/11/02(木) 01:23:46.77 ID:cr67W4q70
うん、わかってる。わかってるけど、一言だけ言わせて。
またなの?
136 :
テンノコエ
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/11/02(木) 01:31:33.24 ID:cr67W4q70
――本日はここまで。
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/02(木) 06:52:15.10 ID:Ial5/YGE0
乙
人類悪が量産されているだと…!?
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/02(木) 19:04:03.91 ID:qCwXXTQAo
またカオスの予感
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/02(木) 20:44:08.20 ID:yM84l5pQO
そういえばカッコカリの狂気はガチャ産だったか
でもどんな方法でガチャ回してんだ
140 :
♪Finding Peace Party
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/12/21(木) 22:02:26.33 ID:al/REjYb0
オモヒト コウ
「河本か。澪だけでも止めてくれよ。俺じゃもうどうしようもない」
コウモト アヤセ
「……見ればわかるんだけど、一応聞いておくね?
どうしてこうなってるの?」
オモヒト コウ
「本当に見ての通りなんだがな……。
露天風呂への扉以外に目新しいものが見つからなかったから、早めに切り上げてここに戻ったんだ。
それはお前たちも同じだろ?」
コウモト アヤセ
「うん。露天風呂の奥の扉は、今は入れなかったし」
オモヒト コウ
「やっぱりそっちも一緒だったか。
で、待機中の女子がゲームコーナーで遊んでたから、俺たちも、ってなったんだが――」
141 :
♪Finding Peace Party
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/12/21(木) 22:09:00.51 ID:al/REjYb0
ノノハラ レイ
『こういうところにあるゲームって大抵コイン必要なんだよねー。
電子マネーで決済できる最新の筐体とかあればいいんだけどなー』
オモヒト コウ
『ゲームセンターならともかく、こういった施設のゲームコーナーなんて型落ち品ばっかだろ』
ウメゾノ ミノル
『あー、でもメダル販売機は電子マネー対応らしいよ? メダルゲーム主体なのかな』
マスタ イサム
『「電子生徒手帳をかざせば、モノクマコイン一枚をモノベガスメダル百枚と交換できます」か。随分と気前のいいことで』
ノノハラ レイ
『メダル集めると景品と交換できるんだぁ。――え、ちょっと待って。モノベガスメダル百枚でモノクマメダル一枚と交換できるの?!』
マスタ イサム
『モノクマコインからモノベガスメダル、モノベガスメダルからモノクマメダルって、これ変則的な三店方式か?』
ウメゾノ ミノル
『こっちにはモノモノマシーンがあるよ! こりゃもうガチャ回せってことですねわかるとも!』
オモヒト コウ
『お前らな、数日前のことも忘れたのか?』
ノノハラ レイ
『ゲームで勝てばメダル増やし放題なんでしょ? これで回し放題だやったぜ!』
マスタ イサム
『……これは止めるべきか?』
オモヒト コウ
『どうせギャンブルでぼろ負けして泣きついてくるだろ。それまで好きにやらせればいいさ』
142 :
♪SAKE NO TUKAMIDORI
◆S7YK1FdmZg
[saga]:2017/12/21(木) 22:24:43.51 ID:al/REjYb0
ノノハラ レイ
『わーい!』
ノノハラ ナギサ
『さ、鮭が視界に入ったそばから狩りつくされてる……!』
ノノハラ レイ
『たーのしー!』
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