経営者「安価で王都を作るよ!」

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1 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:01:25.01 ID:7bzE96do0

経営者「…王国主催の都市開発の大会。それに正式名称は存在しないが、四年に一度開かれる伝統的な大会だ」

経営者「二ヶ月間という短い期間で開催されるその大会には、階級や生まれなんでモンハン関係無い」

経営者「上流階級の人間にも認められるような実力と実績さえあれば…誰でも出場できる」

経営者「まあ、出場者は募集してなくって…全員がスカウトされるような形式で出場するんだけどね」

経営者「…で、アタシはその大会への出場権を見事得た」

経営者「……出場確定を知ってから、親友に聞きたいことも聞けないまま気付けば大会前日」

経営者「今アタシが居るのは待機のためにと用意された、王都の中心部に位置する高級ホテルの一室…」

経営者「…一応、もう直ぐお嬢様や親友と通信機器を通じて会話ができるはずだ」


・第一回:ショッピングモール編『http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488094515/
・前々回:テーマパーク編『http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488610605/
・前回:冒険者ギルド編『http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489295275/

※開拓者シリーズのリスペクトssです。あの方とは別人ですので予め御了承下さい。
また、あちらに迷惑がかかるような行為も絶対におやめ下さい。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490770884
2 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:01:50.38 ID:7bzE96do0
[〜あらすじ〜]

・様々な施設や店を転々と渡り歩き、経営の手助けをしてきた女性、経営者。

そんな彼女の、なんでも無いある日のこと……

彼女は長年の親友から、自分が町長を務めている町でショッピングモールを経営しないかと話をされる。
そしてそのショッピングモールの経営は無事成功し、安定した安心感のある仕事ぶりが評判となった。

資金運用や都市開発を行なっている女性、お嬢様もその評判を耳にし、テーマパーク経営の依頼をしてきた。
テーマパークも無事成功を収めた経営者だったが、次は冒険者ギルドの経営をすることに。

慣れないながらもギルドを完成させ、問題となっていた龍を倒し、魔物と人間の和解の道へと導いたのだった。

…そして龍を退治した直後、経営者は他のギルドマスターと共に大会への出場権利を得る。
さらに長年にわたる付き合いをしてきた親友が、この国の第九王子だということを知ったのだった…。

[〜あらすじ、終〜]
3 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:02:51.26 ID:7bzE96do0
ピッ

経営者「…二人とも、通信の方、繋がってるかい?」

お嬢様『此方は問題ありません。きちんと二画面の同時表示がされていますわ』

親友『うん、僕の方も大丈夫そうだよ。音声もちゃんと聞こえてるから』

経営者「そうかい?…なら、親友……どういうことだか、説明してくれるかねぇ?」

経営者「…いや、説明してくださいますか、と言うべきかい?」

親友『う、その……怒ってる…よね』

親友『…隠していたことは、本当にごめん。 あと…君の敬語はなんだか怖いからやめてほしいな…』

経営者「…隠されていたってことは別に良いよ?アタシは」

経営者「けど、今までのアタシのアンタへの態度は……もしかしたら捕まってたかもしれないんだ」

経営者「そこんところ、ちゃんと考えててほしいんだけどねぇ…ってだけさ」

親友『そこは…その、僕が大っぴらにしていたら…』

親友『それを知った輩のせいで、君をはじめとする僕が協力してる人達に、多大な迷惑がかかると思ってね…』

お嬢様『あら……単純に経営者さんと仲良くなりたかった、と云う思いもあるのでしょう?』

親友『ちょっとお嬢様!?……まあ、確かにそうなんだけど…』

お嬢様『公私混合、ですわね?』

親友『…ごめん』
4 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:03:21.87 ID:7bzE96do0
経営者「……そんな嬉しい理由じゃあ、これ以上責めるに責められないねぇ…」

経営者「と、云うかそもそも…アンタら二人は一体どういう関係性なんだい?」

経営者「…まさか、婚約者とかそういう御関係で…?」

親友『…ただの幼馴染だよ。お嬢様の一族は王族と深く関わりを持ってるから、自然にね』

お嬢様『……わたくしは長男がいる上に第三女、と…家の次期継承者とは離れていますからね』

お嬢様『運動も勉強も優れておらず、民衆にもあまり知られていない九番目の王子とは縁を感じておりまして』

お嬢様『…二人とも都市開発やら町づくりだので似たような仕事をしているのも、その縁かもしれませんわ』

経営者「へえ…そうだったんだねぇ…」

経営者「……ついでだし、大会のコツとかについて聞くってのは…」

親友『流石にそれは親友の僕でも無理だよ。うっかり話が漏れたりしたら、責められるのは二人ともだからね』

親友『ま、でも今まで通り君の要望を聞くことはできるよ』

親友『この機器を介してだけど…参加者全員から聞いて回る予定だから、別に贔屓にはならないはずだよ』

親友『今までとは違って王国全面協力だからね!精一杯協力するよ!』

経営者「そいつは頼もしいねぇ…。そん時は是非ともよろしく頼むよ」
5 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:03:55.94 ID:7bzE96do0
親友『…え?………はい…、はい…わかりました。では……ええ…』

経営者「…呼ばれたかい?」

親友『うん、ちょっとで終わるとは思うんだけど……とりあえず今日のところは通信は終わるね』

経営者「そうかい……なら、じゃあ、また」

親友『うんっ! 頑張ってね、経営者さん。君なら必ず、必ず優勝できるから!』プツッ

経営者「……優勝、ねぇ。本当に一経営者のアタシなんかにできるのかねぇ…」

お嬢様『………優勝の可能性がゼロの人間に、出場権が与えられるとでも?』

経営者「えっ、なんで……ってああ、別の機器から個別に通信してたんだったっけ」

経営者「……まあ、アンタの言う通りではあるんだろうけどさ…どうにも、ねぇ」

お嬢様『ならば……そうですね、過去に優勝した人間のひとり言でも貴方は聞いてくださいな』

経営者「…へっ? か、過去に優勝…って……アンタが!?」

お嬢様『…ただのひとり言ですわ。たまたま通信を切り忘れた人間の言葉ですから、聞き流してくださいな』

お嬢様『例えこれが不正扱いになったとしても…まあ、ひとり言ですから、ね?』

経営者「…そうかい、ひとり言…ひとり言、か。わかったよ」
6 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:04:32.26 ID:7bzE96do0
お嬢様『……この大会で優勝した町…いえ、都市は、大抵の場合城や宮が設けられ、王都とされます』

お嬢様『ので、優勝を目指すのであれば…それを前提として頭に置いた方がよろしいかと思われます』

お嬢様『更に……何もゼロから、一から町を作るわけではありません』

お嬢様『既に存在している町の土地や特徴を如何にどう利用するか…どう“経営”するか…』

お嬢様『…それが鍵となりますわ』

お嬢様『経営者さんは既に更地の状態からテーマパークを作り上げた経験がありますから…』

お嬢様『そう難しいことでは無いはずですわ』

経営者「なるほどねぇ…。 ありがとうね、お嬢様」

お嬢様『……あら、わたくしはひとり言を言っていただけですわ』

お嬢様『まあ、わたくしも今日はこの辺で……次は貴方が優勝を果たした後に、お会いしましょう』

お嬢様『おやすみないませ、経営者さん。 ご健闘を御祈りいたしますわ』

経営者「…ん、おやすみ」

プツンッ……
7 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:05:00.07 ID:7bzE96do0
経営者「…さて、アタシも寝ようかと思ったけど…せめて土地の再確認くらいはしとこうかねぇ…」

経営者「確か…他の出場者が担当する町も含め、何枚かの紙にわけてまとめて書いてはずだったから…」

経営者「…ええっと……これだったかねぇ?」

経営者「…王都を作ると考えれば、必要な要素は明確にできるはずだから…上げてみようかね」

経営者「人を集められる観光地としての魅力。治安維持や他国への対抗ができる戦闘力や…」

経営者「大きな町…つまり都市を機能させるための商業施設や技術」

経営者「他にも道路や駅、飛行場なんかの交通設備も重要になるのかねぇ……」

経営者「それに大抵の町は、既に主となる施設か何かが存在しているはずだ」

経営者「それが町の要素の主を補ってくれるはず…どう生かせるかが重要になるだろうねぇ…」

経営者「別にそっちの経営に手を出せるわけじゃあないけど、そういうものを疎かにはしたくない」

経営者「…扱い易い土地にある町だと助かるんだけど…どうだろうねぇ」


・草原の町……ひたすらに平坦な草原が続いている。良くも悪くも特徴が無いそこそこ大きな町。
・山中の町……山に囲まれている。立派なギルドがあり戦闘を好む者が多いが、交通面が悪い。
・地底の町……街全体が大規模な市場、交易場となっているが、治安も観光面もあまり良くない。
・海辺の町……美しい海を見渡せる隠れた観光名所だが、商業はほとんど発展してない。
【↑の四つの町から一つ、選択してください。 二票先取された町を舞台にします】
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 16:06:02.12 ID:KtypBXFl0
海辺かな
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 16:06:13.10 ID:9Xt+Uzfao
海辺の町
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 16:06:43.64 ID:Os8s59rk0
地底で
11 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:19:39.27 ID:7bzE96do0
経営者「…アタシが行くのは海辺の町、か」

経営者「この紙によると…古くから存在する美しい海のすぐ側に存在する町らしい」

経営者「旅人の間で度々話題に上がるほど、その海は魅力的」

経営者「住民も穏やかで無欲の者が多いが、そのかわり商業の発展はあまりされていなくって…」

経営者「そのため旅人以外の一般人が立ち寄ったり旅行に行くことは少ないとのことだ」

経営者「…で、結果として…その町の海は隠れた観光名所と呼ばれているってわけか」

経営者「景観を崩さないよう配慮をしながら…海を活用した産業ができたら良いのかねぇ」

経営者「まあ、全方位が海ってわけじゃあないし…取り組むべきところは沢山あるからねぇ」

経営者「実際に町で暮らして、どうするかじっくり決めてかないとねぇ…」
12 : ◆rEvr4ZSeHI [saga]:2017/03/29(水) 16:20:08.23 ID:7bzE96do0
経営者「…じゃあ、町の確認をしたことだしそろそろ寝……ちゃダメだ!」

経営者「……一番大事なことが残っていたじゃあないか…」

経営者「…アタシは様々な種類の経営をして、ようやく一つ、進歩した」

経営者「主な進歩の要因としては冒険者ギルドでの、今までとは全く違う形式の経営だったんだけど…」

経営者「…今のアタシなら、一週間に施設か人材育成のどちらかを三回行えるだけの能力が備わっている」

経営者「まあ、悲しいことに両方三回ってのはできないんだけどさ」

経営者「一週間に施設を三つ作って人材育成は二回だけにするか…」

経営者「一週間に人材育成を三回行って、施設作りは二回に抑えるか……」

経営者「そのどっちの方針で進めていくか、決めないとねぇ」

経営者「ここで全体の進行のペース配分を決めることになるから…途中変更は不可能だよ」


【1:施設作り三回、人材育成二回  2:人材育成三回、施設作り二回  二票先取で決定します】
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 16:21:41.73 ID:/WEK/esDO
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