貴方「奴隷たちに救済を」【安価スレ】【2スレ目】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 02:24:39.16 ID:owlJMYp7O
立て乙
簡単な紹介ほしい
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 02:53:22.37 ID:YqBMi9Mzo
たて乙
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 15:27:35.22 ID:e9kFo6j10

紹介確かに欲しいな
5 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/29(水) 23:56:50.92 ID:Q++3+EyA0
それでは再開します。最初に、簡単な紹介だけして進めます。
6 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 00:08:39.28 ID:3Avv/HaN0
貴方 25歳 男性 能力値…戦闘(5) それ以外は未判定。

一週目の貴方。特級貴族の一人で、奴隷制度の廃止を目標に掲げている。

目標を見つけた理由には、ある人物が関係してるらしいが…?忘れさられているが、実は熱血漢。

超が付くほどの辛党だが、甘いのも全然イケる。25歳だが、童☆貞であり、交際経験もない。胃薬常備。探知魔法が得意。

ロリコンではないが、買った奴隷はなぜか二人ともロリ。まんざらでもないからやっぱりロリコンなのかもしれない。

献血などのボランティアをたまにするが、よく自滅しているので意外とマヌケ。趣味で薬を調合してたりする。

背中に火傷の痕があるが、それはアリサと出会い、救った証である。本人は醜いので疎ましく、だが誇らしくも思っている。
7 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 00:24:46.27 ID:3Avv/HaN0
アリサ・ブラックウッド 女性 20歳 人間 能力値…戦闘(8) 清掃(9) 炊事(1) 馬術(8) それ以外は未判定。

金髪ロングのいたって普通なスタイルのメイド。諸事情により、右足は太ももから先は義足、脇腹に火傷の痕がある。

仕事熱心で尽くすタイプ、プライベートと仕事でスイッチを切り替える出来る子なのだが、仕事モード時はどこかおかしい。

魔法に精通しており(というかし過ぎている)、ほとんどの魔法を使える。しかし、ごく一部の一族しか受け継がない魔法等は不可能。

使用武器は弓とナイフで、弓は貴方と攻略したダンジョンの戦利品、ナイフは貴方からの就任のプレゼント。

自称か弱い乙女だが、近接戦闘も充分強く、遠距離戦闘では手が付けられない。なんだかんだで脳筋。

ナイフは普通に使ったり、結界の破壊や解除、防御行動などに使う。もちろん投擲もする。瞬間移動もお手の物。

弓は魔力で生成した矢を使うためのものである。貴方のことは好きだが、正直になれない。耳年増。処女である。
8 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 00:48:08.12 ID:3Avv/HaN0
カエデ・イズモ 女性 23歳 人間 能力値…戦闘(8) 清掃(2) 炊事(0) 馬術(8)

紫がかったかなり長めのポニテで、スタイル抜群なメイド。過去に雇い主たちに陵辱されたので、全身に打撲痕がある。当然非処女。

アクティブな性格で、自分が女性らしいとは思っていない。貴方のことは好きであるが、基本的に一歩引いている。

料理の腕はチートだが、これは自分らしくいれた時間が調理中だけだったのと、上手くなれば、犯されることも減ると思っていたから。

武器は一族に伝わる刀で、近接戦闘はとんでもなく強い。実は昔に鍛錬を積んでいるので、大体の武器は使いこなせる。

魔力が異常に多いが、魔法は一切使えないので持ち腐れ中。いちおう放出等ができるから無駄ではないか。ザ・脳筋。
9 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:01:27.47 ID:3Avv/HaN0
アルヴァ 女性 100歳 フェニックス 能力値…戦闘(6) 清掃(8)

紅い長髪、碧眼、臀部から二本の羽根が生えたフェニックスの少女。貴女にべったりの一途な女の子。可愛い。

その特性上、死ぬことがまずあり得ないが、痛覚自体は存在するので案外厄介な体をしている。

貴方に買ってもらった純白のワンピースがお気に入り。精神年齢は見た目相応…というか幼い。

戦闘時は肉体の一部を本来の姿に戻す。空を飛ぶことも出来る。なんだかんだで貴方よりも強い。

好きな物はお肉だが、お肉以外は食べられない。四次元胃袋の持ち主。

自分よりも子供の奴隷が増えたので、お姉ちゃんっぽく頑張っている。
10 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:14:02.46 ID:3Avv/HaN0
レイス 女性 10歳 人魚 能力値…歌唱力(9) 折り紙(5) 貴方の折り紙判定は4、アルヴァは8です。入れ忘れてすみません。

母親を目の前で殺された人魚の女の子。猜疑心が強い上、やや人間不信。ツンデレ。ただし女子に対しては働かない。

貴方のことは嫌いではないのだが、疑いまくっているので、愛想が悪くなっている。だが、感謝の言葉ちゃんと伝える。

レイスが歌ったら、その歌の内容が他者に反映される。子守り歌を歌ったら周りの人が眠る、テンションが上がる曲なら力が出る等。

陸上での行動は苦手で、基本、他の人に手伝ってもらう。貴方絡みでなければ、ただの可愛い子供。
11 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:16:53.50 ID:3Avv/HaN0
とりあえず、これくらいでいいでしょうか…。他のキャラは、もう少しコミュったりした後で紹介します。

今だとまだ出てきてないものばかりだから、紹介してもアレだと思うので…。本編を再開するので、しばらくお待ちください。
12 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:46:37.24 ID:3Avv/HaN0
…さて…。

色々聞きたいことはあるが、まずはお前だ。

何でここにいるんだ?

「当主様は昼頃、奴隷と会いませんでしたか?」

会ったが。

「あなたが悲しそうな顔をしてたので、助けておきました」

そう言いながら、ピースをするアリサ。

どういうことなの…?

「…実を言うと、当主様が遠出をした時は、こちらも水晶玉に投影して視てるんです」

「あなたが危険な目に遭ってないか、とか」

プライバシー侵害だ。

訴訟も辞さない。

「内緒にしてたのは申し訳ありません」

「ですが、彼女たちを救えたので手打ちにしてくれませんか?」

まあ…。

………。

…今回だけだぞ。

「…すみません」

そういえば、助けた子供たちはどうするんだ?

おそらく、身寄りは無いだろうから町に戻すのは無理だぞ?

「アイリス様に預けようと思っています」

「彼女自体は誰からも見られていませんから」

「ですので、子供数人を裏で養うのも可能でしょう」

「むしろ、イメージアップにも繋がるかもしれません」

アイリス様自体はただの良い人だからな…。

権力とかを封じてるリゼルその他諸々がクソなだけで。

アイリス様に任せてあげてくれ。

俺みたいなどんな人なのか分からない男よりも、女性の方が心を開くだろう。

「了解しました」

次は…あんただな。

「…そうだな」
13 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 02:25:34.98 ID:3Avv/HaN0
いったい、どういうことなのか説明してほしい。

嫌なら別に言わなくてもいいが。

「…主君に隠し事をするのは好きではないよ」

「分かった…全て話そう」

「私は50年ほど前に、ある村で過ごしていた」

「平和だったよ…本当に平和だった…」

「…だけど、人間の傭兵たちに襲撃されたのさ」

「必死に抵抗したが住人を逃がす間もなく、全員が殺された」

「その時、私は二つの未練を持ったんだ」

「一つは、同胞たちの敵を討つこと」

「そして二つ目は、我々と同じような目に遭う人がいなくなる…そんな世界を目にしたい…ということさ」

「一つ目は、もう果たせないだろう」

「あれから50年も経ったから、きっと既に死んでいるはずだ」

「私は敵だからといって、同じ人間だからといって、無関係の人を殺めることはできない」

「…それに、私は見たいんだ」

「亜人が人と共に笑いあう姿を…」

…大体のことは分かった。

お前も辛かっただろう。

「まあ…ね…」

憑依する対象は自由なのか?

「まさか」

「これでも私は怨霊だ」

「故に、憎悪の感情を抱いている者にしか憑依できない」

「憑依している間は、完全に持ち主の意識は眠るがね」

つまり、情報を取るために憑依させたり、ということは出来ないか。

デメリットはあるのか?

「敢えて言うなら、憑依中に肉体が死んだら私も死ぬということ」

「それと、魂だけでは誰にも認識されないくらいだろう」

「結構大きいデメリットではあるがね」

ふむ…。

…お前の名前は何だ?

「え?」

いつまでもお前とかあんたとは呼べないだろう。

「…すまない」

「ここ50年ずっと呼ばれてなかったから、私も忘れた」

…そうか…。

…『ユウ』、という名前はどうだ?

安直ではあるが。

「…好きに呼んでくれて構わないさ」

「だけど、ありがとう」

「私を正当なものとして扱ってくれて」

仲間なのだから、当然だ。
14 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 02:31:43.93 ID:3Avv/HaN0
ユウに、他に聞きたいことがあれば↓1〜3にお願いします。

今回はこれで終了とさせていただきます。キャラ紹介に時間を掛けてすみませんでした…。

次回更新も24時頃を予定しております。お疲れ様でした。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 02:42:09.25 ID:EppMtKFwo

自分以外の幽霊を見聞きしたことがあるか
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 04:01:01.77 ID:tsVekS29O
襲撃してきた人間の顔や名前を覚えているか

最終的には仇とってやりたいよな
仇が生きてるか知らんが
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:20:00.98 ID:4TdF4AcDO
生前の情報
18 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 23:55:12.18 ID:usvdsH8+0
今から再開します。まず。情報についての判定を二つ行います。↓1、2コンマがそれぞれ5以上で成功です。

記憶の摩耗:↓2コンマ-2
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 23:56:43.84 ID:1d/xhL7nO
ほぇ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 00:05:47.05 ID:qiXrBxYSo
失敗か
そしてレジスタンスの情報は聞かないか
21 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 00:35:17.75 ID:giqfs4DT0
襲撃した人のことは憶えているか?

それか、生前の自分のこととかは?

「…あれから50年が経過してるんだ」

「残念ながら、記憶が摩耗してしまって思い出せないよ」

「憶えているのは、そういう事象があったということだけさ」

なるほど…。

名前を忘れていたのだから、そういう可能性もあったな。

では、幽霊がいたとかいう情報は持っているか?

「私は聞いたことがないね」

「この近くで戦争があったから、怨霊の一つや二つでも生まれるかと思っていたが」

「もしや、聖職者がいるのかもしれないね」

「彼らがいる時はお手上げだ」

「私も浄化されてしまう」

憑依していてもダメなのか?

「彼らはアリサ嬢とは異なるが、皆霊魂や死霊等を察知できる能力を持っている」

「これらは、いかなる状態でも発揮されるのさ」

「強力な死霊は視認できるがね」

無敵というわけでもないのか。

「まあ、魂が剥き出しな分、弱点も多いのだろう」

「貴殿らはこのようにならないようにね」

言葉の重みが違うな。

「ああそうだ、このまま戻るのは少々不味いのではないか?」

警備だと言い張れば問題なさそうだがな。

「違う違う」

む?

「私が言いたいのは、人間が多いところにオークが入り込むのが不味いということだ」

あー…。

たしかに少しヤバいかもしれないな。

「…この肉体で過ごした間、人間には虐げられたからね…」

「貴殿らにも影響が出るなら、極力避けたいのさ」

「不本意ではあるが、この肉体を廃棄しても構わない」

「…私としては、持ち主に申し訳ないがね…」

抜けた後はどうするんだ?

「依代を見つけるまでは、貴殿に同行するよ」

「デリカシーは持ち合わせてあるから、風呂やトイレの時は外すよ」

覗いたりとかはしないのか。

「そんなことをしても意味がないのさ」

「そんな感情、とっくの昔に喪失してるからね」

「今の私にあるのは、死ぬ瞬間に抱いた願望を尊守する意志と、生前から守ってきた信念くらいだ」

それをずっと守れるのは凄いと思うぞ。

「どうも」
22 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 00:38:40.96 ID:giqfs4DT0
直下に、今の肉体を捨てさせるかをお願いします。

そのまま使うデメリット

目を付けられるリスクが上がる。行動に制限が付けられやすい。

捨てるデメリット

肉体を入手するまで、コミュニケーションが取れない。最悪、持ち腐れになってしまう。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 00:42:28.03 ID:qiXrBxYSo
そのまま
24 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:08:16.39 ID:giqfs4DT0
「それで、私はどうすればいいんだい?」

そうは言われても、立場上慣れてることだしな。

そのままでいい。

「おや、いいのかい」

嫌がらせをするやつなど、たかが知れてる。

その程度のやつのすることは、無視してしまえばいい。

しつこい場合は、色々対処も出来るしな。

「…了解だ」

それでもというなら、何か布を羽織ればいい。

「…いや、私も隠しはしないよ」

「主が堂々とするなら、従者の私も同じようにしないとね」

これは頼もしい。

「私で良ければ、存分に頼ってくれていいさ」

「…話は終わりましたか?」

ああ。

「では、私は子供たちをアイリス様のところに輸送してきます」

「皆さんが家に着くころには戻っていますので、ご安心を」

了解だ。

「では失礼」

そう言ってアリサは姿を消す。

俺の仲間には人外しかいないのか。

「私は人間だ」

人間は分身してるようなスピードで動かない。

「えぇ…」

…あと数時間掛かるが頑張ろう。

今日中には到着するはずだ。

「そうだな…」

運転代わろうか?

「いや、私がやるよ」

疲れたら休んでくれよ。

「無茶はしないさ」

…それならいいが。
25 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:24:59.96 ID:giqfs4DT0
どうにかこうにか、本日中に戻ってはこれた。

「おや、視察しに行ってませんでしたか?」

こんな夜中にも警備しているとは、仕事熱心なものだ。

あのクソ貴族どもに、爪の垢を煎じて飲ませたいよ。

真面目に。

町長がいきなり攻撃してきたから、仕方なく逃げてきたんだ。

「…お疲れ様でした!」

ホントに疲れたよ。

襲撃されてる時点で予想はついてたけども。

「心中ご察しします」

「他の貴族には困りますよね…」

「ろくに仕事をせず、遊び呆けてばっかりで…」

「アイリス様がかわいそうです…」

どんな風にだ?

「あの人が統治する国なのに、王女様は一切関与できないところです」

「せいぜい、外交するのが関の山でしょう?」

今のところはそうだな。

「…ですが、権力を封じた貴族たちはあのザマです」

「貴方様やアーバン様が頑張っていなかったら、どうなっているか…」

「リゼル様も働いてはいますが、正直ただの犯罪ですし…」

兵士は、沈痛な表情を浮かべて頭を下げる。

「…どうか、この国を救ってください」

「このままでは、腐りきってしまいます…」

あ、ああ…。

…こりゃ真面目にマズい状況だな。

兵士がこんなことを言うとかとんでもないぞ。

…俺がやることがこの国を救うとは限らないのだがな。

「そういえば、そこのオークはどなたですか?」

色々あって、警備として採用したんだ。

「なるほど」

「そろそろ閉門するので、お入りください」

分かった。

「本当に、お疲れ様でした」

お前たちこそな。
26 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:35:49.08 ID:giqfs4DT0
家に戻り、門の鈴を鳴らす。

そうしたら、静かに門が開いていく。

「私は馬を戻してくる」

「みんなは先に入っていてくれ」

了解、と言葉を返し、ドアを開ける。

アルヴァは既に夢の中で、静かに寝息を立てている。

「フェニックスとは思えない、可愛らしい寝顔だな」

知っているのか?

「いや、ただそう思っただけさ」

そうか。

「私はどうすればいいのだろうね」

部屋はまだ空いていたはずだ。

アリサに案内してもらってくれ。

起きていたら、だが。

「お呼びですか?」

だから…ね…。

「ユウさんの部屋はこちらですよ」

「その、なんだ」

「貴殿も苦労しているのだな…」

ホントだよ…。

第5週 終了
27 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:40:19.21 ID:giqfs4DT0
それでは、六週目を始めます。今回動かしたいキャラの名前(貴方組限定)を直下にお願いします。

これからの終了時の視点コンマ判定は、偶数週だけにしようと思います。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 01:43:24.44 ID:rpqBPXPoO
アルヴァ
29 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 02:09:12.38 ID:giqfs4DT0
先週の視察は、酷いことになりました。

あの屋敷に入った途端、いきなり矢が飛んで来て…。

それから…。

…これ以上は思い出したくないです。

ご主人様のためだけど、それでも人を殺すのは…。

…だけど、私が戦うことで、ご主人様を守れるなら。

私が戦わなきゃ、ご主人様が死んじゃうのなら。

その時は、私も躊躇わない。

もしご主人様が死んだりしたら、私は一生後悔する。

そんなの嫌だ。

もっと、ご主人様と一緒にいたい。

もっと、ご主人様に褒めてもらいたい。

もっと…。

…ダメ。

こんなことを言ってたら、本当にご主人様が死んじゃいそう。

ご主人様は絶対に死なない。

絶対に死なせない。

私が、ご主人様を守るんだ。

朝の時間はご飯がちょっと少ない。

お腹いっぱい食べたら、眠たくなっちゃうから仕方ないのかもだけど。

レイスちゃんはまだ、ご主人様が嫌いみたい。

どうしたら仲良くなれるんだろう?
30 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 02:10:43.93 ID:giqfs4DT0
朝の行動を直下にお願いします。

参考

奴隷市場に行くと、珍しい奴隷の情報が来る可能性あり。昼に、戦争の結果が判明します。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 02:43:06.86 ID:qiXrBxYSo
レジスタンスが王都まで来た時のために住民の避難経路の確保


しかし軍部と主人公は無関係か
32 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:13:44.69 ID:giqfs4DT0
ご主人様は、今日戦争が始まるって言ってた。

もし、兵隊さんが負けたとしたら、こっちまでやってくるってことになる。

このまま何もしなかったら、関係ない人が死んじゃう。

その時に備えて、逃げ道を作っておきたい。

ご主人様も逃げさせられるように。

そうと決まれば、ご主人様に言わなきゃ。

ご主人様ー!

「どうしたんだ?」

あのね、もし、兵隊さんたちが負けたら…。

「言わなくていいよ」

「大体のことは分かってるからな」

「今から、そのあたりの申請を軍部にするところだったんだ」

「おそらく、許可は出されるはずだ」

「この紙を港まで持って行きなさい」

「こっちで申請は済ませておく」

はい!

「あとこれはお駄賃だ」

そう言って、ご主人様は札束を渡して来た。

ちょっと重い。

「これで、好きな物を買っていいぞ」

こんなにいらないよぉ…。

「気にするな」

「特別ボーナスと思ってくれ」

それなら…。

「ほほう?」

「私たちにはボーナスなんかくれないじゃないですか」

「何とか言ってくださいよロリコン」

「ロリコンちゃうわ!」

「そもそも給料自体バカ高いんだからいいだろ?」

「そういうことじゃないんですよねぇ」

「あ、私もロリっ子になった方がいいですか?」

「やめろぉ!」

あはは…。

「アルヴァは港に行ってくれ!」

りょ、了解!
33 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:32:40.57 ID:giqfs4DT0
ドアを開けて、背中から羽を出して空を飛ぶ。

腕を翼にすることも出来るけど、そうしたら紙が燃えちゃうから、やめておく。

背中から出す時は、炎にならないからありがたいなぁ。

…飛ぶ時に火の粉が飛ぶけど。

空を飛ぶのも気持ちいいけど、みんなと一緒にいるのが一番好き。

絶対に壊させるもんか。

チラチラ人に見られるのが気になるけど、急いで港に向かう。

…もしかして、スカートの中を見られてるのかも?

あうう…。

そう考えたら恥ずかしくなってきた…。

スカートを抑えたら大丈夫かな…。

港に着いたけど、その間ずっと見られてた。

やっぱり恥ずかしい…。

大きな男の人が船の前に立ってるから近づいていく。

「今日は荷物を積み込むだけだぞー」

「メイドさんがここに何の用だい?」

これ、お願いします。

紙を読んだ男の人は、ビックリした顔をする。

「軍部の印鑑は無いが、正真正銘の特級貴族のやつか…」

「…こりゃ無視できねえな」

「お前ら!」

「荷物の積み込みはいったん中止だ!」

「積み込むもんは保存食に限定!」

「民間人を出来るだけ積めるようにするんだ!」

「さっさとしろ!」

「俺たちの働きに、命が懸かってるんだ!」

イエッサーという掛け声が、周りから聞こえてくる。

凄く力強くて、こっちがビックリした。

「これが来たってことは、後で軍のやつが来るだろうな…」

「メイドさんは帰りな」

「お前さんたちも逃げなきゃ、ヤバくなるかもしれないぞ」

あ、はい。

ありがとうございました!

急いでこの場を離れる。

早くご主人様に伝えよう。

「おう」

「って、凄い女の子だな…」

「亜人だったのか…」

「見かけによらないもんだなぁ」
34 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:49:21.19 ID:giqfs4DT0
帰りに飛んでる間も、兵隊さんは港に行ったり門まで行ったりしてた。

本当に戦争があるって実感する。

あの塀の奥で、人が死んでるのかな…。

「アルヴァー、こっちだこっちー」

家に着く直前に、奥の王宮に続く道に立ってるご主人様を見つけた。

手には書類があるので、色々な仕事を済ませてきたのだろう。

「お疲れ様」

…どうなるのかな…。

「それはまだ分からんな」

「もうすぐ、伝令がやってくるはずだ」

「それを待つしかない」

…ここが戦場になったりしないよね…?

「…そうならないことを祈ってるさ」

…私たち、ずっと一緒にいれるよね。

「…ああ」

もう、一人ぼっちは嫌だよぉ…。

「そんなことさせないさ」

「まったく…」

「こんなことになったケジメ、リゼルに払わせないとな」
35 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:51:06.53 ID:giqfs4DT0
直下コンマとの合計が5以上で、勝利となります。5以下の場合は、防衛戦が始まります。

戦力上有利:+1
キメラ保有:+2
???:-1
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 03:52:19.46 ID:Gtf9f3dqO
ぐえー
37 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:59:09.33 ID:giqfs4DT0
損害をあまり出すことなく、戦争に勝利しました。同時にキメラの有用性が認められたので、リゼルの権力が増加しました。

ですが、勝利に繋がる貢献をしたとして、貴方の権力も増加しました。昼の行動を直下にお願いします。

同時に、捕虜の判定を行います。↓2コンマが5以上だと、オートで尋問が行われ、情報が入手できます。

その捕虜をどうするかは、コンマ判定で後ほど決定します。

今回はこれで終了です。次回更新は、一週間ほど空いてしまうと思います。再開の前日に報告をする予定です。遅くまでお疲れ様でした。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:05:08.69 ID:qiXrBxYSo

亜人の捕虜が居る=キメラが増える


ところでリゼルの犯罪というのは亜人狩りとは関係なく汚職?
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:05:47.75 ID:qiXrBxYSo
ごめんなさい安価は下
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:15:10.64 ID:Gtf9f3dqO
行動がどうにも自由でようわからん
41 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 04:30:11.77 ID:giqfs4DT0
>>38、とりあえず返答だけでも。リゼルがしている犯罪は、はっきり言って色々なものを内包してします。

亜人狩りや汚職だったり、倫理的な問題を孕むキメラ製造だったり…。特級貴族の権力でそれらを握り潰しているので、まだ捕まえることはできません。

行動安価は自由ですが、貴方を同行させることはできません。ですが、貴方に同行することはできます。

今判明してる予定関係は、奴隷市場に行けば、珍しい奴隷の情報が入ってくる可能性がある、貴方が後ほど尋問を行う、の2つくらいです。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:37:16.78 ID:fe1XO0jeo
地の利を得るべく周辺の散策
いつか役に立つ日も来よう
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 22:38:58.30 ID:qiXrBxYSo
法的には亜人も人として見られる権利はあるのか
リゼルにも法律を変えるほどの権力支持は無いってことか
44 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/05(水) 08:15:21.55 ID:Ddl4x3ayO
今日の夜に更新したいと思います。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/05(水) 11:22:47.23 ID:MUh0e9pL0
備えよう
46 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/04/06(木) 00:40:56.01 ID:YuqzFPus0
>>43、この国では、民間人か奴隷か、の二つの区分で分けられています。残念ながら、奴隷には人権は一切ありません。

民間人には、貿易が盛んなのもあって、人間や亜人、その他の種族も含まれています。日を跨いでしまいましたが、今から再開します。
47 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 00:41:57.39 ID:YuqzFPus0
すみません、酉ミスです。
48 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 01:49:32.12 ID:YuqzFPus0
ご主人様は、これから仕事があるみたいで王宮に向かって行った。

私は自由にしていいらしい。

そういえば、私は外に出たことがない。

外と言っても、この街から出たことがないって意味なんだけど。

でも、視察の時に一回外に出てるなぁ…。

とにかく、この周りがどうなってるのかを知っていて損はしないと思う。

戦争があったところを避けておけば大丈夫なはず。

というわけで出発!

壁の上を飛んで外に出ると、そこには…。

何も無かった。

冗談でもなんでもなく。

近くに海があるからなのか、岩肌が剥き出しになっていて、草が少ししか生えてない。

自給することが厳しい国みたいだ。

だから、貿易が盛んなのかな、と思ったら納得する。

遠くには山が見えていて、山はけっこう緑でいっぱいになってる。

しばらく飛んでいたら、大きなドラゴンに追いかけられた。

そこまで速くなかったから、思いっきりスピードを出したら逃げられたけど。

街から少し離れたところに平原が見える。

煙が立ち上っていたり、えぐれていたりしている。

かなり大規模な戦いだったみたいだ。

もし負けていたら、と思ったら怖くなってくる。

兵隊さん、勝ってくれてありがとう。
49 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 01:50:17.98 ID:YuqzFPus0
直下コンマで情報判定です。5以上で成功です。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 01:56:35.53 ID:e2Q8p5JK0
ふむ
51 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:03:06.35 ID:YuqzFPus0
では、捕虜の処遇を直下コンマで判定します。

1〜3:リゼルが管理
4〜6:アーバンが管理(交渉すれば回収できるかも)
7〜9:自分たちで勾留(実質保護)
ゾロ目、0:処刑スタート
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 02:11:12.08 ID:jo5kOFI9o
軍権は誰が
53 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:25:41.94 ID:YuqzFPus0
>>52、軍権自体は独立していますが、金銭的な意味での運営は特級貴族頼りなので、ある程度の干渉は可能です。

とは言っても、捕虜の尋問や管理くらいしかできないのですが…。

捕虜を入手しました。尋問で、情報を聞き出すことが可能です。
54 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:28:46.13 ID:YuqzFPus0
短い…というか、本編が少ししか進んでいませんが、今回はこれで終了にさせてください…。

次回更新は24時頃を予定しております。すみません…。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 02:38:31.36 ID:jo5kOFI9o

主人公がレジスタンス事情を知らなくてアーバンが交渉次第で捕虜から情報を引き出させてくれるなら黒幕は見えたな
密偵を雇えないコネしか無い主人公がどうやって信憑性を持たせるんだろう
56 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:15:35.09 ID:weMAP0C40
遅れました。今から再開します。今回は捕虜の設定をしたいと思います。
57 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:17:13.87 ID:weMAP0C40
↓1〜3に種族をお願いします。亜人系統限定です。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:18:59.73 ID:H99wWZT8O
ゴーレム
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:19:33.12 ID:7CYxK7vCO
ワーウルフ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:27:41.24 ID:0maSSj0O0
竜人
61 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:30:47.79 ID:weMAP0C40
では、直下コンマで決定します。

1〜3:>>58
4〜6:>>59
7〜9:>>60
0の場合は二桁目で判定。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:52:24.57 ID:7CYxK7vCO
ちょいと
63 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:56:04.76 ID:weMAP0C40
次は、性別を直下にお願いします。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:08:19.62 ID:VmniUWvFo
おとこ
65 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:10:42.24 ID:weMAP0C40
次に特徴を↓1、2にお願いします。その後に名前を決めて本日は終了とします。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:22:08.61 ID:uNW+ZfdNO
冷血
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:24:34.40 ID:7CYxK7vCO
ドジ
68 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:26:27.74 ID:weMAP0C40
最後に名前を決定します。↓1、2で募集です。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:27:10.56 ID:fph62NA4O
バジルス
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:28:38.09 ID:ilhUhygsO
コーマイド
71 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:30:38.11 ID:weMAP0C40
では、直下コンマで決定をします。本日はこれで終了です。ほとんど更新出来なくて申し訳ありません…。

次回更新は23時頃を予定しております。お疲れ様でした。

奇数:>>69
偶数:>>70
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:33:19.91 ID:VmniUWvFo

捕虜は一人しか引き受けられなかったのか
それとも生き残らなかったのか
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 03:17:35.20 ID:0maSSj0O0
乙です
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/13(木) 21:15:37.08 ID:GxMKhmg9o
大丈夫かな
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 01:27:48.73 ID:2e5lJ0V5O
さて五月に入りましたが…
76 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/05(月) 16:43:37.69 ID:e3wiC3pNO
すいません、精神的に色々と死にかけていたので顔を出せませんでした。
本日の夜頃に再開します。大変遅れてしまい申し訳ありません…。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 17:05:52.74 ID:12Tx/y33O
生きてるならよし
待機
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 17:45:46.33 ID:X89BuwbjO
カラダニキヲツケテネ!
79 : ◆rOVqyGu.Qw :2017/06/06(火) 00:01:01.77 ID:U564gzvS0
お待たせしました。それでは、二か月ぶりの更新となります。

拙いところや、前と文章が変わっていると思いますが、よしなに…。
80 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 00:25:10.07 ID:U564gzvS0
あまりに久しぶりだったからsaga付けるの忘れてました…。


屋敷に戻っていると、ご主人様が帰宅しているのが見えた。

隣には亜人の人がいた。

男の子…?だと思う。たぶん。

背中から大きな羽が生えているから、竜人なんだろう。

それにしては、ちょっと小柄だ。

まるで、今までに満足な食事にありつけなかったかのようだ。

「ご主人様ー」

「ん…?ああ、アルヴァじゃないか」

「隣の子は誰?」

「捕虜だな。さっきの戦闘で捕縛されたやつだ」

「………」

「…小さくないかな。もしかして子供…?」

「…いや、これでも二十歳は超えている」

「ただの栄養失調だ」

「え、それでも二十歳って見た目じゃ…」

「あいにく、竜人自体の成熟は非常に早くてな」

「10歳にもなれば成人だ」

「まあ、寿命は200年程度だが」

「普通の亜人で最も長生きなのは妖狐、キツネだな」

「千年生きれば九尾というものに成るらしいが、実際に見たことはないから分からん」

「へぇ〜」

「…要は、俺はもう成長しないということだ」

「故に、この体は一生治らん」

「…ごめんなさい」

「謝る必要は無かろうに」
81 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 00:42:37.18 ID:U564gzvS0
「そういえば、どこかに行ってたの?」

「民間人の避難をさせるための手続きだな」

あ、たしかお昼にそう言ってたなぁ。

「杞憂に終わったが」

「そっか」

平和なままでいれたから、それで良かったと思う。

改めて実感した。

私たちは、無数の死の上で生きていることを。

死があるから、私たちは生きていられることを。

考えてみれば当然のことなんだけど。

「それと、追撃部隊の再編だな」

「奴さんは逃げていったが、放置するわけにもいかなかった」

「だから、いくつかの部隊を追撃に向かわせた」

「うまくいけば、来週にでも指導者は捕まえることができるだろうな」

「そうすれば、この戦いも全て終わるのかな…?」

できることなら、死ぬ人は少なくなってほしい。

誰だって、人を殺すのは、殺されるのは嫌なはずだから。

「俺はそう思っているが、正直どう転ぶか分からないな」

「それまで分かっていたら、ここまで苦労はしてないさ」

「…そうだね」

未来は誰にも分からない。

だから、正しいと思ったことをするしかないのだろう。

その結果、全てを失うことになっても。

それでも、進まないといけないのだろう。

「…そう暗い顔をするな」

「お前には笑顔が一番似合ってる」

そう言って、ご主人様は私の頭を撫でる。

優しくて暖かい、私が大好きなもの。

「うん…ありがと、ご主人様」

「はは、感謝される理由が分からんな」

そっぽを向くご主人様。

まったく、ごまかし方が下手だなぁ。

…私も他の人から見たら、こうなのかな。
82 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 01:00:21.55 ID:U564gzvS0
夕方の行動を直下にお願いします。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 01:27:38.34 ID:DhvPEmY9O
ごめん、今まで何してきたんだっけ?
84 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 01:33:53.47 ID:U564gzvS0
あ、たしかに久しぶりだからその辺りも書いた方が良かったですね…。

現在の状況


戦争には勝利し、追撃戦を実行中(来週の昼にコンマ判定)

奴隷市場に移動すればレアな奴隷が優先的に手配される…かも

リゼルを失脚させるための情報、パイプ形成に奔走中(成果はゼロ)

レイスちゃんからは凄い嫌われてる(貴方だけ)


…これくらいだったと思います。足りなければ追記します。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 01:42:29.97 ID:DhvPEmY9O
じゃあ対リゼル工作を再度
86 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 02:20:08.12 ID:U564gzvS0
「ああそうだ、ちょっと一仕事頼みたいんだが」

「なになに?」

「スジャータ…憶えてるか?先週会ったあの女性だ」

「ハーブのお姉さんだよね」

「あれはハーブじゃなくてやくそ…いや、それはどうでもいいか」

「まぁ、これからはこちらに陣営を固めていきたくてな」

「アーバンが味方ではあるが、多いに越したことはない」

「ここからだいたい20分もすれば着くところなんだが…」

「分かった。スジャータさんにお願いすればいいんだよね?」

「そうだ。俺の名前を出した方が成功する確率は高い…と思う」

「場所はあそこに見える時計塔の傍にある屋敷だ」

「頼んだぞ」

「はーい!」

あの距離なら5分もしないはずだけど…。

もしかしたら、遊んでこいと言っているのかもしれない。

昼にお小遣い貰ってるし。

何はともあれ、お仕事を終わらせてから考えよう。

地面を蹴り、翼を広げる。

やっぱり、空を飛ぶのもいいなぁ。
87 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 02:22:16.44 ID:U564gzvS0
今回はこれで終了です。久しぶりだからかペースが遅い…。もっと早く書けるようになりたいなぁ…。

次回も夜12時頃に再開できると思います。お疲れ様でした。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 09:23:44.58 ID:WbLUl/fEO

久しぶりに見れてよかったよ、無理はしないでね
89 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 00:59:25.94 ID:4P67TS5x0
昨日はごめんなさい!今から再開します。
90 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 01:27:41.31 ID:4P67TS5x0
屋敷の前に到着したので、門を何度か叩く。

「動かないでください」

「ッ!?」

人が近づいている気配は一切無かった。

今、アルヴァの後頭部には銃が突きつけられている。

「変な素振りを見せたら、この場で射殺します」

いくらフェニックスのアルヴァでも動けなかった。

それほどの凄みを感じさせる声だったのだ。

「あ、あの…。私はご主人様に頼まれて来たんですけど…」

「つまり襲撃ですか?正面から堂々と来るとは、余程自信がおありなようで」

「違います!スジャータさんにお願いがあって来たんです!」

「では違うという証拠を提出願います」

「具体的には、貴女の名前、そのご主人様とやら…」

「…すみません。どこかでお会いしたことはありませんか?」

「ふぇ?」

声の覇気や辺りに漂っていた殺意が薄れる。

振り向こうとしたら頭を抑えられた。

返答は動かずに、ということだろう。

「えっと…。スジャータさんとは先週に西中島南方?みたいな場所で会ったけど…」

「…なるほど。だいたい状況は把握できました」

「無礼をお詫びします」

殺意が完全に消え、目の前の女性?は深々と頭を下げる。
91 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 01:48:55.94 ID:4P67TS5x0
「わわっ頭を下げなくていいですよっ」

突然の謝罪に慌てふためくアルヴァ。

下手に出られるのには慣れていないのだ。

「本当に申し訳ございません」

「何分、私は目が見えませんので」

「えっ…」

振り返り顔を見ると、両目を閉じた端麗な素顔が伺えた。

長い銀髪を一つ結びにして流していて、絹糸のように美しかった。

「私が胎児の時に、母親が流行り病に罹ってしまいましてね」

「産まれる前から、目が潰れてしまったのですよ」

「母親もすぐに亡くなってしまいまして、産まれた時点で奴隷の未来が確定してしまいました」

「まぁ、視力が無いので誰にも相手をされなかったわけですが」

そう言って、目の前の女性?は微笑む。

辛い過去のはずなのに、話している様は悲しそうには見えなかった。

「立ち話も何ですし、中で続きとしましょうか」

「お嬢様に用があるみたいですし、ね」

「あの、そこまで気を遣わなくても…」

「いえいえ、あのお方のメイドさん…ですよね?となれば、これくらいの配慮はしなくては」

「あうぅ…」

「それに、外にお嬢様を出すのも気が引けますよ」

「襲われる可能性は否定できませんので」

「たしかにそうですね…」

「では行きましょうか」

「ひゃわっ!?」

スジャータに仕えているであろう麗人は、アルヴァをヒョイと抱え、屋敷へと入る。

降ろされるまでの間、アルヴァの顔は真っ赤であった。
92 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 02:13:40.94 ID:4P67TS5x0
あれよあれよと客間に連れられ、目の前のテーブルには緋色のような紅茶が置かれている。

対面した席のスジャータは、優雅に紅茶に口を付けている。

何も知らないアルヴァでも、一つ一つの所作が綺麗に見えていた。

礼儀やマナーを叩き込まれた証拠だろう。

「…それで、何をしに来たのかしら?」

いきなり本題に入ってきた。

血縁関係があるからなのか、あの人とダブって見える。

「あ、はい。ご主人様に、スジャータさんと協力関係を結んでこいと言われました」

「成程。陣営を固めてリゼル卿と対等に渡り合えるようにしたい、と」

「たぶんそうだと思います」

「…先週、私はこう言ったはずよ」

「『どっちでも気にしない。私はコレクションを増やすだけ』ってね」

「その後に言った言葉は憶えてる?」

その後の言葉。

『家族のよしみもある』、『少しくらいは、サポートしてあげる』くらいだろうか。

「つまりはそういうことよ」

「私だって、きな臭いことをしている他人に従うくらいなら、家族を信じるわよ」

「なんだかんだで、あの人とは幼少期の頃からの付き合いだし」

「つ、付き合っているんですか!?」

純粋なアルヴァは、スジャータの考えている『付き合う』と別なものを連想してしまった。

「…男女の関係ではないわ。ただの家族、それだけよ」

「…この話はこれでおしまい」

「貴女は、この後時間はあるかしら?」

「終わった後のことは聞いてないです」

「そう。なら、今日はここに泊まりなさい」

「もう外は真っ暗だから危ないわ」

その言葉を聞いて、アルヴァは不安になる。

「で、でも…ご主人様に怒られるかも…」

「あの人はこれくらいじゃ怒らないわよ」

「それに、きちんと連絡もしておいてあげるから、その辺りも問題なしよ」

「うぅ…」

「…今なら、美味しいお肉もいっぱい食べられるけど…?」

「泊まります!」

「よろしい」

お肉の魔力には敵わないアルヴァであった。
93 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 02:19:03.65 ID:4P67TS5x0
本日の更新はこれで終わりです。昨日は申し訳ありませんでした…。

今回出てきた(視察編でも言及だけはしてました)護衛さんの名前を募集してます。私は『アイン』と付けようかな、と。

他に名前が出てきた場合は、気に入った名前にしようと思います。背景等は設定済みです。

何か案がありましたら、その旨をレスしていただいたらOKです。

次回こそ、夜の12時に開始したいと思います。次回こそは…!皆さん、お疲れ様でした。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 02:32:34.27 ID:yImI9TeJ0
乙です
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 03:09:51.86 ID:jDDDfYZ5o

主人公陣営の資金源ってなんだっけ?
特急貴族の資金力だとリゼルが一番強いのかな?
96 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 00:53:42.03 ID:XrlIYhHI0
>>95、資金力はリゼル>>アーバン≧貴方です。リゼルは完全なブラック、アーバンは厳しめのホワイトなのでこんな感じです。

送れましたが、今から再開です。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 01:19:38.74 ID:bYjTr39dO
ういうい
98 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:28:00.84 ID:XrlIYhHI0
>>95、ちょっと抜けてました。貴方陣営の資金源は貿易や娯楽施設の運営です。

アーバンは人材派遣や物資生産、リゼルは真っ黒なことをしています。誤字していて恥ずかしい…。


話がまとまったところで、護衛の麗人が話しかける。

「連絡は誰がしましょうか?」

「言い出しっぺの法則、よ」

「かしこまりました」

「手紙は書いておくから弾を用意しておいて」

「…なるほど。了解いたしました」

そう言って護衛は部屋から出ていく。

二人きりになり、部屋には静寂が訪れた。

アルヴァは、疑問を素直にぶつける。

「護衛さんはどういう人なんですか?」

「護衛と呼ぶのはおやめなさい。彼女にも名前がある」

「『アイン』よ。最初に購入した奴隷だからこの名前にしたわ」

「どこかの国の言葉で、『1』を表す言葉みたいだからそう名付けたの」

手を止めることなく、淡々と返答をするスジャータ。

「…スジャータさんも、奴隷は物だと思っているんですか…?」

「ええ」

「…ッ」

アルヴァの心に、僅かな怒りが生まれる。

「失望したかしら?だけど残念、私はあの人とは違うのよ」

「だけど、私は自分の物は大事にする主義なの」

「アインを、他の子を棄てることなどありえない」

「私かその子が寿命で死ぬまで、面倒を見るわよ」

表情に変化は無いが、発せられた言葉からは覚悟が伝わってきた。

早とちりで怒りを覚えた自分が恨めしい。

「…ごめんなさい」

「…?貴女が謝るところは無かったはずよ?」

「いえ、謝らないといけませんでした」

「私はそれだけのことをしましたから…」

「…よく分からないけれど、自分の非を認めて、反省できるのは優れている証拠よ」

「そう小さくならないで、自信を持ちなさい」

そう言ってスジャータは笑う。

その姿を見たアルヴァは、無自覚で言葉を漏らす。

「ご主人様に似てるなぁ…」

一瞬、手紙を書くスジャータの手が止まる。

「そうかしら?血縁者だし、似てるところがあってもおかしくないはずだけれど」

「…これでよし、と」

「続きはガールズトークの時間にしましょうか」

この後アインが連絡を行うのだが、貴方たちがアルヴァ捜索部隊を結成していたことを、二人が知ることは無かった。
99 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:54:33.38 ID:XrlIYhHI0
「美味しかった〜!」

「そう。その言葉を料理人たちに言ってあげなさい」

「きっと大喜びするわ」

予め情報を入手していたのか、テーブルには大量の肉料理が並んでいた。

カエデの料理とはまた違った味わいで格別だった。

それでも、カエデの料理が一番なのだが。

「さて、と」

「ガールズトークの前には、風呂で体を清めるのがお決まりなのよ」

「そうなんですか」

「本当なのかは知らないけれど」

「えっ」

部屋での一件(というほどのことではなかったが)後から、スジャータとアルヴァは気兼ねなく話をしている。

もっとも、アルヴァのコミュ力が高いだけなのだが。

服を素早く脱いで、浴室へと一番乗り。

「わぁ…!」

浴室は、貴方の屋敷のものとはまた違った構造をしていた。

「西中島南方にある旅館の風呂場を参考にした…らしいわ」

「ここができたのは私が産まれる前だったから分からないのよ」

「…ふむ」

「きゃっ!?」

突然、おもむろに手をアルヴァの胸に当てて、揉むスジャータ。

あまりにも唐突だったため、アルヴァは反応できなかった。

「…14くらいなら妥当な成長具合ね。結構結構」

「この調子でご飯は食べなさい」

「ふぇぇ…」

ペタン、と座り込むアルヴァを尻目に、スジャータはアインの方を向く。

「貴女は節制しすぎよ。もう少し食べるべきだと思うわ」

「そう思いますか?」

「ええ。だって貴女の胸は絶壁もいいとこじゃない」

「まだ16なんだから希望は残っているわよ」
100 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:55:14.50 ID:XrlIYhHI0
ちょっとしたコンマ判定です。直下でお願いします。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 01:57:22.17 ID:Skmse23go
386.70 KB Speed:0.3   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)