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永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/21(日) 22:55:04.32 ID:eRuspO3go
レイセン(ウソ……)
いやぁ、にしても……何と言おうか……
竹取物語などさして興味はなかったが……なんだか、段々と身共も興が湧いて来たわ。
レイセン(じゃあ……あたしは……あたしには……!)
月よりいずるかぐや姫……か。
まだこの地上におるならば、是非一度お会いしたいものよ。
薬売り「恐れる必要はなかった……いや、恐れなど、最初からありはしなかった」
うどんげ「ありもしない恐れに怯え、ありもしない幻に、勝手に狂気に満ちた鬼を想像していた……」
……阿呆! 求婚を申し込みに行くわけではないわ!
身共はただ、測りたいのだよ。
この聡明精錬にして明晰な頭脳を存分に発揮できる、知恵比べ相手としてな。
【至】
薬売り「あるのただ、単純な一つの事実のみだった」
うどんげ「あたしがお師匠様から最初に教わった、教え……それが全てだった」
レイセン(あたしが…………あたしも…………)
【答】
薬売り・うどんげ「――――(私・貴方)は”愛されていた”」
ブワリ――――その瞬間、薬売りが貸し与えた札が、辺り一面に飛び散った。
ひらひらと周囲に舞い散り、瞬く間に闇夜に消えゆく札。
それはまるで、春の終わりを告げる桜の花びらのようであった。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1256500.png
しかしそこに、風はなかった。
風無き空に札だけが舞う……そうじゃ。
兎の中の”恐れ”だけが、形を失ったのだ。
【解】 【恐】 【之】
【放】 【怖】 【殻】
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