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永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/07(日) 01:35:23.72 ID:qbKvk9zbo
レイセン「ただその時、唯一ひとつだけ誤算があった……」
レイセン「それは、永琳はその時点では、”まだ蓬莱の薬を飲んでいなかった”事」
レイセン「二人仲良く地上に突き落としてやろうと思ったのに……ムカつく事に、永琳だけは上手い事罪を免れやがった」
薬売り「…………」
レイセン「そして無事月に残れたのにも関わらず……まだ果たそうとしなかった」
レイセン「あたしとの約束を、未だに!」
薬売り「……ふふ」
「絡まる線が繋がって行く――――」薬売りは小さくそう呟いた。
その表情はどこかうれしそうであり、いつしか兎の話に魅了されている薬売りの姿が、そこにはあった。
そりゃ嬉しいだろうて。
散々に手こずらされた、永遠亭を取り巻く複雑極まれり因果が、ご丁寧に芝居形式でお披露目されるとあらばな。
レイセン「いつしかもう、名前なんでどうでもよくなってたわ……」
レイセン「その時は、何とかして”こいつも落とさなきゃ”。その事しか頭になかった」
レイセン「だってこいつは罪人なんだもの。飲んではいけない薬を、最初から飲む為に作った、黒幕兼発端の大罪人」
うどんげ「…………」
レイセン「あ”〜〜〜! 思い出したらなんかまたムカついてきたわ! なんか逆に、テンションあがってきた!」
レイセン「行くわよ鈴仙! お前の歩んだ半生、その一部始終!」
レイセン「このちんどん屋に……とくと見てもらうがいいわ!」
にしても、よくしゃべる兎だな……
話し好きの兎など、今迄聞いたこともないが。
その鋭い耳で覚えたのかのう。
人語を見よう見まねで発する兎……っと、そりゃオウムじゃな。
薬売り「もはや抵抗すら……しません、か」
【鈴仙の半生・第二幕】
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