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永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/06(土) 21:58:37.91 ID:JykFf7uxo
【戌】
(どうして姫様が……地上に?)
そんな事など知る由もない兎、元いレイセンは、あくる日、とある月人の下に配属されました。
その月人は「八意・永琳」と言う名がありました。
レイセンは不思議に思いました。
「どうしてこの人間は名が二つあるのだろう?」
永琳は答えました。
「人間には、名前の前に名字と言う物があるのですよ」と。
レイセンはその説明をいまいち理解していませんでしたが、それでもなんとなく「カッコイイ」物なんだと、そう理解しました。
姓と名。この二つに別れた気品溢るる名前を、レイセンは大変羨みました。
そして言いました。
「自分もそのような名が欲しい」。
出会って早々に唐突な要求でしたが、それでも永琳は、笑顔で答えました。
「では職務を懸命に尽くせば、いつしか私が与えてあげましょう」と。
レイセンはお仕事を一生懸命頑張ろうと、そう心に決めました。
【酉】
(本当にごめんなさい……あたしが至らぬばっかりに……)
(あたしの力不足だったばっかりに……こんな事に……)
しかしその決意は、ほどなくして露と消えます――――。
「楽しくない」。
初めて体験する「お仕事」は、都の人気者だった頃に比べれば、それはもう退屈極まりない物だったのです。
【暮六つ】
【宵】
(――――キャッハッハ、バッカじゃないの)
【明暗】
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