永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」

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205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 11:06:36.30 ID:/9MplgHao

(はい出た現実逃避。もういいから、そーゆーの)

(いい事? こいつはね……こうやって事実を捻じ曲げて、自分に都合の悪い事はなかったことにする悪癖があるの)

(だから、騙されちゃダメよ……今のこいつは、あんたから”言い逃れる”事しか頭にないんだから)



薬売り「見ざる聞かざる言わざる……っと失敬。あれは猿でしたな」



(まぁ似たよーなもんよ。むしろ学ばない分、そこらのエテ公よりタチが悪いわ)

(現実と絶対に目を合わせようとしない……目を逸らしたまま、事が過ぎ去るのを、ただ待つだけ)

(そーやって知らぬ存ぜぬってやってるから、何度も落ちるのよ)

(次から次へと……どっかの穴にね)



薬売り「ならば声よりも、直接見せた方が速いのでは……」



(同感ねちんどん屋。気が合うついでに”形”貸して下さらない?)

(無駄に大量所持してるあの札でいいわ。キモいデザインだけど、今のコイツにはむしろ効果的だし)



薬売り「よろしいので……? また、封じられますよ」



(だって、あんたの札……まるで”目”みたいなんだもん)

(あたしと同じ、赤い目……全てを狂わす狂気の瞳)



薬売り「そこまで言うなら……では」



 そしてわけのわからぬままに、その誰かの指示に応えたらしき薬売りは、形と称して札をバラまき始めた。
 薬売りの持つあの、赤い目玉のような模様の札である。
 その札の束が、薬売りの荷の中から一人でに飛び出て行く。
 ブワリ・バラバラ。ハラリヒラリ……まるでその場にだけ突風が吹いているように。



薬売り「姉弟子様の、おおせのままに……」



うどんげ「バッ―――― や め ろ ! 」



 そしてヒラヒラと舞い散る札が、今度は一枚一枚、緩やかに集まり始めた。
 ペタリ、ペタリ、またペタリ――――
 重なりに重なりを重ね、いつしか、確かなる形が出来上がっていくではないか。



(栄えすぎて、皆が皆腐り堕ちていく哀れな都…………ねえ)

(ホント、どの口が言ってんだか……出まかせにしたって、よくぞそこまで言えたもんよね)

(文明に胡坐をかいて、怠惰を貪っていたのは……月には”たった一羽しかいなかった”のに)



【形】
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