永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」

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169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/07(金) 01:53:53.59 ID:u90rax9no

うどんげ「何が幸運の使者よ! 余計な事ばっかして、そんなに人が苦しむのが楽しい!?」

うどんげ「お師匠様に近づいたのも、どうせよからぬ事を考えてたんでしょ!? あんたは不幸の元凶よ!」


 あーあーもう……始まりよった。おなごの争いはいつ見ても見苦しい物よ。
 こうなったおなごはある意味アヤカシよりもタチが悪い。一度堰を切ればそれはまさに災いと同義。
 故に、万一遭遇してもむやみに首を突っ込んではならぬぞ? 
 嵐が過ぎ去るまで、ひたすらに、ただひたすら〜に耐え忍ぶが吉と、そう心得よ。


てゐ「んだとゴルァ! じゃあお前に四つ葉のクローバーが見つけられんのか!?」

てゐ「月の兎の分際で百発百中で罠にかかりやがって! お前みたいな阿呆がまだ残ってるのが不思議でしょうがねーよ!」


 薬売りもその辺はしかと心得ているようで、二人の兎の言い争いをじぃ〜っと耐え忍んでおった。
 ……わけではなく。どうやらこの時、静かに聞き耳を立てていたらしい。
 曰く、傍から見ればただの醜き言い争い。
 しかしまた一方から見れば、言葉の節々から、歪に歪んだ”理の欠片”が、密やかに漏れ出ていたとか、なんとか。


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うどんげ「今日と言う今日は許せないわ……てゐ、覚悟しなさい!」


てゐ「あ? 上等だこの野郎! その弾幕勝負、受けて立ってやるよ!」



 言い争いはいよいよ持って行き着く所に行き着かんとしていたが、それでもまだ、薬売りはただ静かに聞き耳を立て続けるままであった。
 間もなくして、ペラリと小さな音が聞こえた……例の「すぺるかぅど」とやらである。
 言い争いは決闘に形を変えようとしている。
 だがそれでも薬売りは依然として静寂を貫き、二匹と同じく例の「すぺるかぅど」を手に取り、これまた二匹と同じく、ペラリと小さな音を立てた。




薬売り「…………」




 それは――――姫君の残せし”最後の一手”であった。

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