【ラブライブ】千歌「テニスをしよう!!」【サンシャイン】

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78 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 21:34:27.70 ID:IWastb5UO

梨子「そ、そんなこと……っ」



鞠莉「よく考えたら、自分が見てる『色』とワタシに見せてる『色』」

鞠莉「2つも考えながら、playしてるわけだものね」



梨子「うっ……」

鞠莉「あら〜? その顔は……ズボシ?」

梨子「そ、そんなことないですっ!」

鞠莉「必死になってるのも、とってもアヤシイわヨ♪」

梨子「っ」



鞠莉「さ、早くサーブを打って!」

鞠莉「続き、やりましょ♪」

79 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 21:40:41.44 ID:IWastb5UO
梨子「……っ」ターンターン

鞠莉「フフッ」

梨子「まだ、私はーー」スッ



梨子「ーーできるっ!」パァァァン



鞠莉「ボールはred、コートはgreen……」

鞠莉「そして、梨子は……」



鞠莉「Blueな表情ね♪」パァァァン



「くっ、打ち返したわッ」
「余裕ずら……!」

梨子「はっ、そんなことないです……っ!」スッ



梨子「はあっ!」パァァン



鞠莉「そう?」

鞠莉「無理はキンモツよ?」

鞠莉「Strokeも、こんなにっ!」



鞠莉「カヨワイもの!」スッ

梨子「っ、しまっーー」



ーー カンッ ーー



鞠莉「『妙技・綱渡り』!」



ーー ツツツツツーッ ーー


ーー トンッ ーー



『鞠莉 30 - 40 梨子』
80 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 21:45:04.25 ID:IWastb5UO

梨子「っ、まだ……です」ターンターン

鞠莉「そう?」

梨子「ーーっ!」スッ



梨子「やあっ!」シャァァァ



鞠莉「……うーん? もうサーブにも力がないわよ?」

鞠莉「フラットが、スライスになっちゃってる」グッ



鞠莉「はっ!!」パァァァン



梨子「っ、やっ!」パァァァン

鞠莉「フフッ」



鞠莉「シャイニー!!」パァァァン



梨子「っ、はっ……」

「リリー!」
「梨子さんっ」

梨子「!」グッ



梨子「やっ」シャァァァ



81 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 21:51:49.67 ID:IWastb5UO
ーーーーーー



果南「鞠莉の『妙技』が息を吹き返しはじめた、か」

曜「色に慣れたってこと?」

果南「たぶん、そうだろうね」

千歌「ほえぇ」



果南「梨子ちゃんの『色覚』は完全じゃない」

果南「何の色になるかは、梨子ちゃんがコントロールできないんだ」



曜「え? でも、ボールを消したりしてたよね?」

果南「あれは、その色になるのに合わせてたんだと思う。水色になる時にロブを出して、緑になりそうな時にサーブを打つって感じにさ」

千歌「えぇ!? それってかなり難しいよね!?」

果南「そうだね」

曜「あ! だからなんだ。梨子ちゃんがあんなに疲れてるのって……」

果南「うん。その通り」
82 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 21:55:34.30 ID:IWastb5UO

果南「…………」

千歌「果南ちゃん」

果南「ん? なに?」

千歌「やっぱり、果南ちゃんがそこまで詳しく知ってるってことはさ、梨子ちゃんとの試合は……」

果南「…………」



千歌「果南ちゃんの勝ちだったんでしょ?」



果南「…………」

曜「果南ちゃん……?」

果南「…………」

千歌「ねぇ、果南ちゃん!」


果南「…………千歌」


千歌「! なに?」

果南「…………静かに見てよう」

千歌「え……?」




果南「そろそろ、終わるよ」




ーーーーーー
83 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 22:01:16.36 ID:IWastb5UO



ーー カンッ ーー



梨子「っ、今度は……!?」



鞠莉「『妙技・鉄柱当て』!」



ーー ポーーーーーン ーー


ーー トンッ ーー




『鞠莉 40 - 40 梨子』



梨子「もう、完全に……」

鞠莉「Yes! 梨子の『色覚の侵略者』コーリャクしたわ!!」

梨子「そう、ですか……」ウツムキ



鞠莉「うーん。あと2pointだし、もうひとつ『妙技』見せちゃおっかな♪」



「えぇ!?」
「まだ、あるずら!?」
「そ、そんなの卑怯よ!!」

鞠莉「善子?」

「ヨハネ!」

鞠莉「ショーブの世界に卑怯なんて言葉はないのデース!!」ビシッ

「うっ」

鞠莉「そうよね! 梨子!」

梨子「……っ、はい」
84 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 22:07:04.71 ID:IWastb5UO
梨子「…………」ターンターン

鞠莉「フフッ」

梨子「っ」スッ



梨子「やっ!」シャァァァ



「またスライス!」
「もう力が……」

「……?」
「お、おねえちゃん……?」

鞠莉「スライスとトップスピン」

鞠莉「交互に打って、体力を温存するつもり?」

鞠莉「でも、体力温存なんて、もう心配しなくてもーー」



鞠莉「ーーいいわっ!」パァァァン



梨子「……っ」

鞠莉「あと2pointで楽になるから!」

梨子「…………」スッ




梨子「…………ごめん、なさい」パァァァン




鞠莉「フフッ、なんで謝るの?」

鞠莉「そんな必要はーー」グッ





ーー カランッ ーー





鞠莉「え……?」
85 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 22:16:11.81 ID:IWastb5UO
鞠莉「What's……?」

梨子「…………」

鞠莉「な、なに? なんで、力が……入らない……?」

梨子「…………」

「なんで、鞠莉さん、ラケットを……?」
「ず、ずら……?」

「こ、これは……まさかっ!?」




「トップスピンとスライス」

「ほぼ同じ回転数のショットを交互に打ち続けることで、一瞬腕が硬直する」




梨子「『スポット』」



梨子「そういうんだそうです」

鞠莉「り、りこ? 『色』を狂わせるのがあなたのテニスじゃ……」

梨子「……いいえ」ブンブン

鞠莉「でも、『色覚の侵略者』って、果南が……」



梨子「……鞠莉さん、それ違うんです」

鞠莉「……え?」

梨子「間違ってるんです。私は『色覚の侵略者』じゃなくて……」




梨子「『知覚の侵略者』」




梨子「『色』だけじゃなくて『触覚』も狂わせることが出来るんです」

鞠莉「なっ!?」

梨子「それに……『音』も」

「ま、まだ上があるの!?」
「『音』まで……?」




梨子「鞠莉さん」

梨子「『侵略』させてもらいますね……?」




鞠莉「ッ」ゾワッ
86 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 22:19:41.55 ID:IWastb5UO
ーーーーーー



果南「ねぇ、千歌」

果南「さっき、私と梨子ちゃん、どっちが勝ったか聞いたよね?」

果南「……うん。わかったかな?」




果南「梨子ちゃんの勝ちだった」




果南「鞠莉は強い」

果南「その鞠莉が1番手で出てくるのは予想がついてた」

果南「だから、梨子ちゃんを当てたんだよ」




果南「チーム2の中では一番強い梨子ちゃんをね」




ーーーーーー
87 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 22:23:36.64 ID:IWastb5UO
ーーーーーー




『鞠莉 B - D 梨子』



『勝者 桜内梨子』




ーーーーーー
88 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/09(日) 22:24:54.35 ID:IWastb5UO
本日はここまで。
更新が遅くなりがちですが、お付き合いいただけると幸いです。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/13(木) 00:25:40.49 ID:T3GtQFpnO
スクフェスもテニス編だったな
いやこっちはテニヌか
90 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 09:43:58.33 ID:ugMguQs8O
本日更新予定です。
91 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 20:03:39.35 ID:NefOYmRpO
ーーーーーー



梨子「ごめんなさい! ごめんなさい!」



鞠莉「す、ストップ! もういいわよっ」アセアセ

梨子「で、でも……」

鞠莉「確かに、まだ目はチカチカしてるし、腕もなんだか違和感あるけど」



鞠莉「全力で戦って、負けた」

鞠莉「それが今はキモチイイのよ」ニコリ



鞠莉「だ・か・ら!」ビシッ

鞠莉「謝るのはNothingよ!」

梨子「うぅ……」

鞠莉「…………ね?」

梨子「はい……」



千歌「むぅ……」



鞠莉「Sorry! ちかっち!」

千歌「なんだかソガイカン……」

梨子「ち、千歌ちゃん……?」

千歌「いいよね、みんなは……。テニスしてもっと仲良くなってさぁ……」

梨子「あわわっ」アセアセ

鞠莉「スネちかっちになってるわね」

千歌「どーせ、わたしは外れですよぉ、だ」イジイジ

梨子「ど、どうしよう……っ」

鞠莉「……フム!」



鞠莉「ちかっち〜、ちょっと」クイクイ

千歌「……?」



ーーーーーー



千歌「さぁ! 次の対戦はダブルス!」

千歌「戦うのはこの二組だよっ!!」



梨子「……鞠莉さん、なにを?」

鞠莉「フフフッ、ちょっとね♪」
92 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 20:14:24.02 ID:NefOYmRpO
「いくわよ……って」

「う、うゅ……」ビクビク

「…………不安?」

「…………ぅん」

「大丈夫よ。わたくしがついていますわ」

「…………」

「それに、貴女はーーーー」ボソッ

「え?」

「さぁ! いきますわよ!」



ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「っ、ぅん! おねえちゃんっ」




「…………うぅぅぅ、恥ずかしいずら……///」

「恥ずかしい? なに言ってるのよ!」

「だって、普通のてにすうぇあならともかく、こんな……はぁぁぁ」

「ちょっと!! なに!? 嫌なの!?」

「うん」

「即答!? せっかくカッコよくコーディネートしてあげたのに!」

「…………だって、てにすするのに、堕天使ファッションはないずら」

「その方が調子出るの!」

「なら、自分だけで着ればいいのに……」

「もうっ! ウダウダ言ってないで、合わせなさいよ!」



善子「†ヨハネ降臨†」

花丸「……ずらえる……降臨ずら……///」
93 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 20:17:21.89 ID:NefOYmRpO
ーーーーーー




ダブルス1



黒澤ルビィ   国木田花丸
黒澤ダイヤ vs 津島善子



試合開始




ーーーーーー
94 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 20:27:55.60 ID:NefOYmRpO
『1セットマッチ』
『サービス 善子』



善子「さぁ、我が堕天使サーブを受けてみなさい!」ターンターン

ダイヤ「ふぅ……来なさい」スッ



ルビィ「はなまるちゃん、はなまるちゃん」コソッ

花丸「どうしたの? ルビィちゃん?」コソッ

ルビィ「その服、すごいね!」

花丸「うっ/// まるは着たくなかったんだけど、善子ちゃんがこれじゃないと嫌だって言うから……」

ルビィ「そっかぁ、暑くない?」

花丸「うーん、それは大丈夫だよ。なんだか通気性はいいみたいだから」

ルビィ「そうなんだぁ」

花丸「動きづらいとは思うけど……」



ーー パァァァン ーー



花丸「あっ」

ルビィ「え?」



『よしまる 15 - 0 ダイルビ』



花丸「もう始まっちゃってたね」

ルビィ「ぅ、ぅゅ……おねえちゃんに怒られる……」

花丸「じゃあ、集中しよっか」

ルビィ「ぅん!」
95 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 20:37:18.25 ID:NefOYmRpO
ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「ご、ごめんなさい……」

ダイヤ「はぁぁ、まったく花丸さんと話していたんですの?」

ルビィ「う、ぅん……」

ダイヤ「集中なさい。ボールが当たってしまったら危ないのですから」

ルビィ「ぅ、ぅん……」スッ



善子「さぁ! ルビィ!」ターンターン

善子「堕天使サーブーー」



善子「ーー食らいなさい!」パァァァン



ルビィ「っ、だてんし……」ビクッ

ダイヤ「ルビィ!」

ダイヤ「善子さんがなにか言っていますが、ただのサービスですわ! 返せます!」

ルビィ「ぅん!」



ルビィ「えいっ!」ベシッ



善子「くっ、返されたわ!」ダッ

善子「でも、これならどうっ!」グッ



善子「漆黒の軌跡を辿りなさい!」パァァァン



ダイヤ「ルビィ、前へ!」

ルビィ「っ」ダッ

ダイヤ「それもーー」グッ



ダイヤ「ただのストロークですわ!!」パァァァン



善子「……えぇ、そうよ」

善子「ふっ」ポスッ



ーー トンッ ーー



『よしまる 30 - 0 ダイルビ』
96 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 20:44:42.33 ID:NefOYmRpO
ダイヤ「っ、また……」

ルビィ「ご、ごめん、おねえちゃん。ルビィがとれば……」

ダイヤ「いいえ。あれはわたくしのミスよ。気にしないで」ナデナデ

ルビィ「ぅぅゅ……」



ダイヤ(……とは言いましたが)

ダイヤ(ミスをした感覚はありませんでした)

ダイヤ(点を取られてしまったことが正直不思議で……)

ダイヤ(単純に善子さんが巧いだけ。ならいいのですが……)チラッ



花丸「ふぅ」

善子「フフン! ヨハネたちの魔法に手も足も出ないようね!」

花丸「普通のどろっぷしょっとずら」

善子「気分の問題なの!」

花丸「ねぇ、善子ちゃん?」

善子「ヨハネよっ!」

花丸「次は……」

善子「……えぇ」



善子「…………分かってるわ」

97 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/16(日) 21:18:48.45 ID:NefOYmRpO
かなり短いですが今日はここまで。
次回からテニヌスタート。
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/22(土) 11:55:29.03 ID:6yDhn6SSO
侵略梨子娘
99 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/23(日) 21:14:14.35 ID:nwSgLQsOO
善子「……」ターンターン

ダイヤ「ルビィ、行きますわよ?」ボソッ

ルビィ「うゅ」コクッ

花丸「…………」ジーッ

善子「堕天使ーー」スッ



善子「ーーサーブ!!」パァァァン



ルビィ「っ、おねえちゃ」

ダイヤ「ええ! 甘い、ですわ」



ダイヤ「はぁっ!!」パァァァン



「まるの横を!」
「巧い! ダイヤさん、さすが!」

花丸「……」チラッ

善子「……」コクッ

善子「そっちこそーー」ダッ

ダイヤ「追いついたんですの!?」



善子「ーー甘いわよ!!」パァァァン



ダイヤ「予想外ッ……ですが!」

ルビィ「っ」ダッ

ダイヤ「ルビィ! 今ですわ!」



ルビィ「うんっ」グッ



「ルビィちゃん、ポーチに出たよ!」
「いいタイミング。流石はダイヤだね」


ルビィ(おねえちゃんのおかげだ)

ルビィ(ルビィでもこのタイミングでポーチに出ればーー)



ルビィ「やぁぁーー」

花丸「……」スッ



ルビィ「……っ、ぅゅ!」



ーー スカッ ーー




ルビィ「あ、あれ……?」




『よしまる 40 - 0 ダイルビ』
100 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/23(日) 21:22:32.55 ID:nwSgLQsOO
ルビィ「……あれ? えっ?」

ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「っ」ビクッ

ダイヤ「…………」

ルビィ「お、おねえちゃ……」



ルビィ「ごめんなさいっ」



ルビィ「ルビィのせいで、せっかくのチャンスが……」

ダイヤ「……いいえ、構いません。ミスは誰にでもありますから」

ルビィ「ぅ、ぅん……」シュン

ダイヤ「……」ナデナデ



ダイヤ(ミス)

ダイヤ(それ自体は問題ではありません。ルビィにも言いましたが、誰にでもあることですわ)

ダイヤ(ただ、ミスの仕方がおかしい)

ダイヤ(ポーチに出るタイミングも、そこからの動きもほぼ完璧でした)



ダイヤ(けれど、当たらなかった)



ダイヤ「…………一体……?」



善子「ナイスよ、ずら丸!」

花丸「うん! 善子ちゃん」ニコリ

善子「だから、ヨハネ!!」
101 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/23(日) 21:36:28.15 ID:nwSgLQsOO
善子「さ、まずはとるわよ!」

花丸「ずら!」



ダイヤ「ルビィ」ボソッ

ルビィ「っ、な、なに……?」

ダイヤ「ルビィがリターンを返したら、わたくしが前に出ますわ」

ルビィ「それって……」

ダイヤ「……いえ、様子見です」

ルビィ「…………わかった」



善子「堕天使サーブ!!」パァァァン



ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「うんっ」グッ



ルビィ「えいっ」ポーーーン



花丸「ずら!?」

「ロブ!?」
「まるの上を抜いてーー」



ダイヤ「行きますわよ!!」ダッ



「ダイヤが前に出た!」
「!! ってことは!」



善子「くっ」パァァァン


「甘い球! ダイヤさん!」


ダイヤ(『アレ』を期待してくださった曜さんには申し訳ないですが、今は違いますわ)

ダイヤ(これは様子見。わたくしならばーー)


ダイヤ「見極めます!」



ダイヤ「っ、はぁぁぁ!!」グッ

花丸「…………」スッ




ダイヤ「え?」



ーー ベシッ ーー



ーー ポスッ ーー




『よしまる @ - 0 ダイルビ』
102 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/23(日) 21:48:52.79 ID:nwSgLQsOO
ダイヤ「……ネ、ネット……?」

ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「す、すみません。ルビィ……」

ルビィ「ううん……でも」

ダイヤ「えぇ。これ、ですか」

ルビィ「ぅ、ぅん」

ダイヤ「一瞬。ですが、確かに」



ダイヤ「打とうとした瞬間、意識が『ずらされ』た」

ダイヤ「ボールから彼女に」チラッ



花丸「っ、ずらぁ」



善子「フフッ、どうやら気づいたようね。ズラエルの真の力に!」

花丸「そ、そんなんじゃ……っ///」

ルビィ「し、しんの力……しゅごい……」

ダイヤ「…………一体、花丸さんは何を……?」

善子「教えてあげるわ!! ズラエルの真の力、それはーー」





花丸「『視線誘導』」




花丸「まるはね」

花丸「ルビィちゃんとダイヤさんの意識を、少しだけまるの方に向けることができるんだ」

花丸「ほんとに、少しだけ、だけど」

善子「そう、これこそーー」




善子「†『蠱惑の魔眼』†」




花丸「よ、よしこちゃん、その名前はちょっと……///」

善子「†『蠱惑の魔眼』†」キリッ

花丸「う、ぅぅぅぅ……///」




ーーーーーー
103 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 17:49:19.12 ID:iliJqAe+O
少しだけ更新。
104 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 17:57:54.67 ID:iliJqAe+O
ーーーーーー



千歌「つまり、どーいうこと?」ハテ

梨子「わ、私に聞かれても……」

鞠莉「フム……ねぇ、ちかっち?」

千歌「? なんですか、鞠莉さん?」

鞠莉「今からワタシ、何かするけど梨子のことだけ見ててね」

千歌「へ? あっ、うん」

梨子「え……?」

千歌「ジーッ……」

梨子「な、なんなの……っ?」

千歌「ジーッ…………」

梨子「ちょっ、ちょっと、千歌ちゃーー」



鞠莉「はぁぁぁッ!!!」ブンッ



千歌「わぁっ!?」ヒョイッ

鞠莉「……ね?」

梨子「い、いやいやいやいや! いきなりなにしてるんですか! 木刀なんてどこから!?」



千歌「…………なるほど」



梨子「って、千歌ちゃん!?」

千歌「フッフッフッ、理解したよ!」

梨子「さっきので!?」

千歌「…………それは、殺気とさっきをかけてーー」

梨子「ないから!」
105 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 18:01:37.84 ID:iliJqAe+O

梨子「結局、なんだったの!」

鞠莉「つまり、こういうこと」



鞠莉「本来なら、ボールを見てなきゃいけない場面で、花丸を見ちゃうのよ」

鞠莉「だから、missが多くなる」

鞠莉「ダイヤがあんなeasyなmissをやらかすんだもの」

鞠莉「なかなかじゃない?」



鞠莉「あの『蠱惑の魔眼』っていうのも♪」



ーーーーーー
106 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 18:09:38.32 ID:iliJqAe+O
『チェンジサービス』
『サービス ダイヤ』



ダイヤ「…………」ターンターン

善子「さぁ! 来てみなさい!」



ダイヤ「はあっ!!」パァァァン



善子「いくわよ! ずら丸!」

花丸「うんっ」ダッ


「このタイミングでポーチについた!?」
「それじゃあ、サイドががら空きだよ」


善子「ほっ!」パァァァン


ルビィ「おねえちゃっ!」

ダイヤ「わかってる!!」グッ


ダイヤ(『蠱惑の魔眼』……)

ダイヤ(ふざけた名前ですが、確かに厄介ですわね)

ダイヤ(見まいとすればするほどーー)



花丸「……」スッ



ダイヤ「っ!?」ベシッ

ルビィ「!」



ーー ポーーーン ーー



ダイヤ「ルビィ、下がっーー」

善子「ずら丸! スマッシュ!」

花丸「わかってるーー」グッ



花丸「ーーずらぁぁっ!」ベシィィィン



ーー パァァァァン ーー



『よしまる 15 - 0 ダイルビ』
107 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 18:13:08.18 ID:iliJqAe+O
ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「……大丈夫よ」

ルビィ「……ぅん」



ダイヤ「…………」ターンターン

ダイヤ「っ」スッ



花丸「……」スッ



ダイヤ「っ!?」ベシッ



ーー ポスッ ーー



『フォルト』



ダイヤ「っ」

ルビィ「おねえちゃん……」

ダイヤ「…………」ターンターン



ダイヤ「はあっ!」ベシッ



ーー ポスッ ーー



『ダブルフォルト』


『よしまる 30 - 0 ダイルビ』
108 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 18:19:57.84 ID:iliJqAe+O
ーーーーーー



鞠莉「巧い、わね」

梨子「はい。ダイヤさんがサーブをする直前に技を使ってる……」

千歌「それでサーブが入らないの!?」

梨子「……うん」コクッ

千歌「それじゃ、このままだと……?」



鞠莉「いえ、それはないわ」



千歌「鞠莉さん?」

鞠莉「あの技、たぶんそこまでポンポン使える技じゃないわよ?」

千歌「そうなの?」

梨子「……いや、私に聞かれても……。まぁ、でも、そうかもしれないですね。私の『知覚の侵略者』と同じで相手が慣れてしまったら、そこまでだし」

鞠莉「そ」

千歌「でも、たくさん使ってますよ?」

鞠莉「そうね。だから、善子と花丸の目的はーー」



ーーーーーー
109 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 18:52:16.09 ID:iliJqAe+O
ダイヤ「…………」ターンターン


ダイヤ(そう)

ダイヤ(お二人の目的は恐らく短期決戦)

ダイヤ(本当にわたくしとは相性が悪いですわ……)



ダイヤ「はあっ!」パァァァン



「今度は入った!」
「まるの『蠱惑の魔眼』を見極めたの?」

善子「違うわ! 使わなかっただけよ!」グッ



善子「やっ!」パァァァン



善子「だってーー」ダッ

ルビィ「よしこちゃんも前にでた!」

ダイヤ「ルビィ! 気を付けなさい!」

善子「いくわよ! ずら丸!」

花丸「うんっ!」



ダイヤ(どちらへ打つ?)

ダイヤ(善子さんが前に出たということは恐らく善子さんが仕掛けてくるはず!)

ダイヤ(ならーー)



花丸「……ずらっ」スッ



ダイヤ「はあっ!!」パァァァァン



「まるの横を!」
「巧い! これなら!」

ダイヤ(視線誘導をされても、これなら抜ける!)

ダイヤ(って、あら……善子さんはどこに……?)



善子「これなら……」

善子「と、思ったでしょう?」クスッ




ーー トンッ ーー



110 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 18:58:02.99 ID:iliJqAe+O

ダイヤ「は……?」

ルビィ「……な、なんで……?」

ダイヤ「わたくしは……貴女の反対側、花丸さんの横を抜いたはずなのに……」




ダイヤ「なぜ、貴女がそこにいるんですの!?」

ダイヤ「善子さんッ!!」




善子「クックックッ」

善子「一体何が起きたのか分からないようね」

善子「これはヨハネとズラエルの複合魔術」




善子「†『黒の羽衣』†」ドヤッ




善子「ヨハネは闇に溶け込み、何処にでも現れるのよ!!」ドヤッ

善子「さぁ! 畏れ戦くといいわ!」



『よしまる 40 - 0 ダイルビ』
111 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 19:05:50.22 ID:iliJqAe+O
ダイヤ「くっ」ターンターン


ダイヤ(何処にでも現れる?)

ダイヤ(そんな馬鹿なことあるはずがーー)



ダイヤ「ーーないですわ!」パァァァァン



「強烈なサーブ!」

花丸「ず、ずらっ!?」ビクッ



善子「ずら丸!」



花丸「っ、うん! 善子ちゃん!」



善子「だから、ヨハーー」

花丸「すぅぅ……大丈夫!」グッ



花丸「やあっ!」ベシッ



ーー ポーーーン ーー



ダイヤ「っ、チャンスです! ルビィ!」

ルビィ「ピギィッ……っ、ぅん!」グッ



花丸「ずらぁぁ!」



ルビィ「ピギィッ!?」スカッ

ダイヤ「くっ、ここで!?」ダッ



ダイヤ「っ、はあっ!」ベシッ



善子「フフッ、ダメじゃない」

善子「そこはヨハネのテリトリーよ」ダテン

ダイヤ「ま、また……!?」




善子「はあっ!!」ベシィィィン



ーー パァァァァン ーー


112 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 19:11:35.40 ID:iliJqAe+O

善子「よしっ!」

花丸「やったずらぁぁ♪ 善子ちゃーん!」モギュッ

善子「むぐっ!? ちょ、ちょっと離れなさいよ!」

花丸「よかった、よかったよぉ……まる、足手まといになったらって怖くてぇぇ……」グスッ



善子「……っ、そんなこと!」



花丸「ずら……?」ズビッ

善子「っ、なんでもない///」プイッ

花丸「?」

善子「〜〜っ、とにかく!」



善子「決めるわよ、ズラエル!」ニカッ

花丸「うん! 善子ちゃん!」ニコリ


113 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 19:20:09.94 ID:iliJqAe+O
ダイヤ「また……ですか」

ルビィ「ご、ごめんなさいっ……おねえちゃ……」

ダイヤ「いえ、わたくしもまた……打たされましたから」

ルビィ「ぅゅ……」シュン

ダイヤ「…………」



ダイヤ(ボールから花丸さんへ誘導して)

ダイヤ(その隙に、善子さんが移動する)

ダイヤ(『黒の羽衣』……といいましたか。恐らくそんなカラクリでしょう)

ダイヤ(しかし、意識すればするほどに、逆効果ですわ)



ダイヤ「わたくしも、まだ……ですし……」ボソッ

ルビィ「おねえちゃん……」

ダイヤ「…………」

ルビィ「…………ねぇ、おねえちゃん。ルビィたち、このままじゃっ……」



ダイヤ「えぇ、負けるわ」



ルビィ「ぅんっ」ビクッ

ダイヤ「…………」



ダイヤ(そう。このままでは負ける)

ダイヤ(……わたくしたちには後がない)

ダイヤ(………………分かっていますわ)

ダイヤ(ならば、やることはひとつ)



ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「……な、なに?」

ダイヤ「わたくしはこれから攻めることを止めますわ」

ルビィ「っ、じゃ、じゃあっ!」

ダイヤ「えぇ」




ダイヤ「貴女がすべてを決めなさい」




『よしまる A - 0 ダイルビ』
114 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/04/26(水) 19:20:43.01 ID:iliJqAe+O
本日はここまで。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/26(水) 22:49:20.29 ID:tkGNFycj0
最近更新多くて嬉しい
乙です
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 22:50:26.84 ID:tkGNFycj0
sage忘れすいません…
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/27(木) 13:33:59.98 ID:6w3V8zl/O
ルビィ覚醒?
前作赤髪の人と同じ末路をたどりそうで恐い
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 09:41:46.66 ID:pj9StAgSO
擬音と化したダテンすき
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 20:06:44.61 ID:scNA2U97O
まだかな
120 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 14:25:20.42 ID:ba+s/sLhO
期間が空きましたが、本日更新します。
121 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 21:22:09.95 ID:ba+s/sLhO
更新します。
122 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 21:30:49.97 ID:ba+s/sLhO
『チェンジサービス』
『サービス 花丸』



花丸「いくよ、善子ちゃん」ターンターン

善子「えぇ……って、ヨハネ!!」



花丸「ずらっ!」パァァン



ダイヤ「っ、はぁっ!」パァァン

善子「ここは、私が! ずら丸は前に出なさい!」

花丸「うん!」ダッ



善子「やあっ!!」パァァン



「花丸ちゃんが前に出た!」
「また『蠱惑の魔眼』!? それとも『黒の羽衣』!?」

善子「さぁ! ダイヤさんはどう動く……って、え?」

ダイヤ「…………」ジッ

花丸「動か、ない……?」



ルビィ「ぅゅ……る、ルビィだってっ!」ダッ



花丸「ルビィちゃん!?」

善子「っ、ずら丸!」

花丸「う、うんっ」スッ



ルビィ「ピギィィィっ!!」パァァァァン



123 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 21:35:50.36 ID:ba+s/sLhO
善子「くっ!」


善子(動揺して、ずら丸の『蠱惑の魔眼』が遅れたわ)

善子(こっちも反応が遅れたから……でもっ!)



善子「っ、返すわ!」ベシッ



「返した!」
「なかなかいい反応だね」

花丸「ご、ごめん、善子ちゃんっ」

善子「大丈夫! それよりーー」

花丸「うん、わかってる」スッ



善子(今度は確実にっ!!)



ルビィ「やっ!!」パァァァン



善子「っ、また!?」



ーー ポスッ ーー



ルビィ「あっ……うゅ……」

花丸「ね、ねっと、ずら……」

善子「……ふぅ」



『よしまる 15 - 0 ダイルビ』
124 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 21:43:26.42 ID:ba+s/sLhO
花丸「いくよ、ルビィちゃん」ターンターン

ルビィ「う、うんっ」

花丸「っ」スッ



花丸「やっ!」パァァァン



ルビィ「っ、えいっ!」パァァァン

花丸「善子ちゃん!」

善子「分かってる!」ダッ



善子「はっ!!」パァァァン



「打球がダイヤさんの方に!」
「……って、ダイヤ……?」

ダイヤ「…………」ジッ

ルビィ「っ」ダッ

善子「な!?」



ルビィ「ピギッ!」ベシッ

ーー ポーーーン ーー



花丸「だ、ダイヤさん?」

ダイヤ「…………」ジッ

善子「っ、なんで、それをーー」ダッ



善子「ーールビィがとるのよ!」ベシィィィン



ーー パァァァァン ーー



ルビィ「っ、ピギィ!?」スカッ




『よしまる 30 - 0 ダイルビ』
125 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 21:48:52.00 ID:ba+s/sLhO



ルビィ「ピギッ!?」



ーー パァァァァン ーー



『よしまる 40 - 0 ダイルビ』




ーーーーーー



梨子「一体、どういうこと?」

千歌「ダイヤさんが勝負を捨てた……?」



鞠莉「……なわけないわよね」




梨子「うん。そんなことするようには思えないです」コクリ

鞠莉「ルビィ一人だけにとらせてるのも、変よ」

千歌「……うーん? ダイヤさん、なにをしようとしてるんだろう……?」



ーーーーーー
126 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 21:55:13.05 ID:ba+s/sLhO
善子「なに考えているのよ……」

花丸「う、うん。ルビィちゃんだけに打たせるなんて、ダイヤさんなんか変ずら」

善子「…………」チラッ




ルビィ「……はっ、ぅゅ……」

ダイヤ「…………っ、ルビィ」

ルビィ「っ、はぁ……はぁ……な、なに、おねえちゃ……?」

ダイヤ「っ、や、やはりわたくしもーー」



ルビィ「ぅ、うぅん……だいじょうぶ……」



ダイヤ「……ルビィ」

ルビィ「……っ、だって、おねえちゃんが……ぅゅ……ルビィにまかせてくれた、から」ハァハァ

ダイヤ「………………」

ルビィ「えへへ……」ニコリ



ルビィ「がんばルビィ、だもんっ♪」



ダイヤ「……………………」

ダイヤ「…………えぇ、あなたなら……大丈夫ですわ」



ダイヤ「だから……任せましたわよ」

ルビィ「うんっ」

127 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 22:02:42.17 ID:ba+s/sLhO

花丸「……」ターンターン

善子「……」チラッ

花丸「……」コクン

花丸「っ」スッ



花丸「ずらぁ!」パァァァン



ルビィ「ぅ、ぅゅっ」グッ

ルビィ「えいっ!!」パァァァン

善子「っ」

善子(ルビィだけが返してるこの状況なら……)

善子(……ルビィ、悪く思わないでよ)



善子「やぁっ!!」パァァァァン



「またダイヤさんへ!!」
「ダイヤ!!」



ダイヤ「…………」ジッ



ルビィ「ぅ、ゆっ……!」ダッ

善子「っ、また!!」

「ダイヤ! なにやってるのさ!!」



ダイヤ「…………」ジッ

ルビィ「っ、ちがっーー」

ダイヤ「ーールビィ」ボソッ

ルビィ「っ」
128 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 22:05:01.98 ID:ba+s/sLhO
ルビィ(おねえちゃんが責められてる……)

ルビィ(……なんで?)

ルビィ(ルビィだけが打ってるから?)

ルビィ(うぅん……ちがうの、これはさくせんなんだよ)

ルビィ(…………ちがう)

ルビィ(…………たぶん、みんなそれはわかってるんだ)

ルビィ(それでも、責められてるのは、きっとーー)




ルビィ「ルビィが弱いから」ボソッ




ルビィ(だから、おねえちゃんが責められてる……)

ルビィ(なら、ルビィは…………っ!)




ルビィ(ルビィがーーッ!!)



129 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 22:06:59.44 ID:ba+s/sLhO




ルビィ「ルビィがやらなきゃ、なんだっ」




ーー パァァァン ーー



130 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 22:14:46.43 ID:ba+s/sLhO
よしまる「「っ!?」」ビクッ

善子「ずら丸! 止めてッ!!」

花丸「うん!」グッ




ーー ポスッ ーー



花丸「……って、ねっと……ずら?」ホッ

善子「っ、はぁぁぁぁ……ビックリした……」ホッ




ーー シュルルルルルル ーー




「善子ちゃん! まる! まだだよ!!」

善子「へ?」

花丸「ずら?」




ーー トンッ ーー




『よしまる 40 - 15 ダイルビ』



花丸「ネットを越えて、きた?」

善子「そ、そんなのって、あり!?」



ルビィ「はっ……はぁっ……」

ダイヤ「…………ルビィ」

ルビィ「……だい、じょぶ……おねえちゃは……っ、はぁ……まってて……ルビィにーー」



ルビィ「ーールビィにまかせてっ」ニコリ


131 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 22:48:03.45 ID:ba+s/sLhO
ーーーーーー



千歌「……1点、返した」

千歌「すごい、すごいよ……」



千歌「1点返したよ、ルビィちゃん!!」バシバシ



梨子「痛っ、見ればわかるわよっ、そして、痛い、千歌ちゃん!」

千歌「あ、ごめん」

鞠莉「でもみぁ、気持ちはわかるよ、ちかっち!」

千歌「! ですよね!」

鞠莉「えぇ! 梨子もそう思わない?」

梨子「それは……はい」

梨子「ダイヤさんとルビィちゃんの初得点ですから。それにーー」

鞠莉「フッフッフッ! なにかやるなら、ダイヤだと思った?」

梨子「…………正直に言うと」

千歌「でも、ルビィちゃん、あんな技、使えたんだ!!」

梨子「ボールがネットを伝って越えてくる……かぁ」

梨子「相当回転がかかっていないとできない技ですよね……」

梨子「…………ということは、ルビィちゃんの技って『回転』にまつわる……?」

千歌「そうなんですか? 鞠莉さん?」




鞠莉「…………さぁ?」




ちかりこ「「え?」」

鞠莉「ルビィが技を使ったところなんて見たことないわよ?」

梨子「そ、そうなんですか!?」

鞠莉「Yes! ま、今日までチーム分けもしてなかったし?」

梨子「そうですけど……ほら、チーム内でそんな話とか……」

鞠莉「んー? ルビィの話はNothingだったわよ?」

千歌「…………じゃあ、ルビィちゃんの技って……?」



ーーーーーー
132 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 23:11:06.63 ID:ba+s/sLhO
善子「たぶん、ルビィの技は『回転』よ」

花丸「うん」コクン

善子「ずら丸の方に意識向けさせられる?」

花丸「…………うん」ターンターン



花丸「やっ!」パァァァン



ダイヤ「っ、はっ!」パァァァン


善子「……っ、今よ!」ダッ

花丸「うん!」スッ


「善子ちゃんが前にってことは!」
「『黒の羽衣』だね」


善子(ルビィが打つ前に、奇襲を仕掛ける!)

善子(ククク、先手必勝!)



善子「『黒の羽衣』!」

善子「ここよッ!!」パァァァァン



「いいコースに!!」
「決まってーー」

ダイヤ「…………っ」

ルビィ「ーーないよっ」ダッ




ルビィ「って!? ピギィッッ!?」グラッ


ーー ベチッ ーー


ルビィ「……っ、ぅゅ……」グスンッ



善子「ルビィ!?」

花丸「ルビィちゃん!?」

ダイヤ「っ!? ルーー」



ルビィ「いたい、けど……っ、ま、まだだもん……っ」グスグス



ーー トンッ ーー



善子「……え?」

花丸「……ボールが……上からネットスレスレで入って……?」




『よしまる 40 - 30 ダイルビ』
133 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 23:19:50.03 ID:ba+s/sLhO
ーールビィ怪我の治療中ーー



ルビィ「ピギッ!?」ビクッ



曜「っと、ごめんね? 痛かった?」

ルビィ「ぅ、ぅゅ……」コクン

曜「でも、バイ菌入ると大変だから」

ルビィ「……ガ、ガマンします」グスッ



鞠莉「それにしても、ダイヤも酷いわよね。ルビィがこんなに頑張ってるのに……レーコク!」

ダイヤ「くっ、わ、わたくしは……」

曜「ま、まぁまぁ、鞠莉ちゃん。気持ちは分かるけどさ」

ダイヤ「…………ルビィ」チラッ



ルビィ「……だいじょぶ」



ダイヤ「…………ですが……」

ルビィ「おねえちゃんの準備ができるまで、ルビィががんばるから」

ダイヤ「っ、はい……」
134 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 23:30:05.81 ID:ba+s/sLhO
鞠莉「……それで、ルビィ?」

ルビィ「? うん?」

鞠莉「ルビィはSpin……『回転』を使うの?」

ルビィ「……?」

曜「えっと、だって、さっきのネット越えとか……」

ルビィ「?」

曜「?」

ルビィ「???」



ダイヤ「ルビィに聞いても無駄、ですわよ」



鞠莉「ムダ?」

曜「えっと、どういう意味ですか?」

ダイヤ「ルビィは『それ』を意識して使っているわけではありませんから」

鞠莉「……それって?」

曜「無意識ってことですか? でも、無意識であんなショット……偶然じゃないんですからーー」



ダイヤ「いえ、偶然ですわ」

ダイヤ「ルビィのショットは偶然そうなるのです」



曜「い、いやいや、偶然って! ねぇ、ルビィちゃん?」

ルビィ「???」

曜「え、えっと……?」

鞠莉「Really……?」

ダイヤ「えぇ、だから、そうだと言っているでしょう?」

ダイヤ「回転でネットを越えたのも、当たり損なった打球がネット際に落ちるのも、偶然ですわ」



ダイヤ「ルビィの打つショットは奇跡的な結果を生み出す」

ダイヤ「すべてがすべて、そうなるわけではありません。ですが、確かにそれはあるのです」




ダイヤ「『神憑り』」




ダイヤ「わたくしはそう呼んでいますわ」



ーーーーーー
135 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/06(土) 23:30:34.74 ID:ba+s/sLhO
本日はここまで。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/07(日) 20:33:28.41 ID:vBytS7eJO

ダイヤもなにかまだ隠してるっぽいな
137 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 12:47:47.89 ID:tZKKEZOTO
本日更新予定です。
見てくださってる方お待たせして申し訳ないです。
138 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:14:37.95 ID:tZKKEZOTO
花丸「『神憑り』……ルビィちゃん、すごいずら……」

善子「まさに神に愛された天使ってわけね」

花丸「……善子ちゃん」

善子「……大丈夫よ、ずら丸!」

花丸「…………うん」コクッ


花丸「…………」ターンターン

ルビィ「ぅゅ……」

花丸「いくよ」



花丸「ルビィちゃん!」パァァァァン



ルビィ「っ、ゅっ!!」パァン

善子「ずら丸! 前に出なさい!」

花丸「ずら!」ダッ

善子「ルビィの球が『神憑り』ならーー」グッ



善子「ーーこっちに打てばいいでしょ!」パァァァン



「ダイヤさんの方へ打った!」

ダイヤ「っ」グッ



ルビィ「だいじょうぶ、おねえちゃんっ」



ダイヤ「ルビィ!」

善子「やっぱり出てきたわね!」

ルビィ「うゅ……っ!」スッ

善子「来なさい!」



ルビィ「えいっ!!」ベシッ


ーー ベチッ ーー



善子「コードボールっ!? って、ずら丸! ラケット!!」

花丸「ずら!?」



ーー ベシッ ーー



ーー ポンッ ーー



「ラケットに当たって……」
「コードボールで弾かれたボールが偶然ラケットに当たって、か。なるほどね」

善子「これが『神憑り』……」



『よしまる 40 - 40 ダイルビ』
139 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:28:31.28 ID:tZKKEZOTO
花丸「善子ちゃん、ごめん……」

善子「いえ、次よ」

花丸「う、うん」

花丸「…………」ポーンポーン



花丸「えい!」パァァァン



ダイヤ「……っ」グッ



ダイヤ「はっ!」パァァァン



「ダイヤ、打った後に下がった。まだ手を出さない、みたいだね」
「ダイヤさん、まだ……」
「?」

善子「ずら丸!」

花丸「うん!」



善子「もう一回!」パァァァン



ダイヤ「っ、またですか」

ルビィ「ルビィが……っ!」ダッ

ダイヤ「えぇ……」



ーー ズキッ ーー



ルビィ「っ、ピギィ……」グラッ

ダイヤ「ルビィ!?」

ルビィ「まだっーー」ベシッ



ーー ポスッ ーー



「ルビィちゃん、足が……」
「大丈夫かな?」

善子「あ、ぶなっ」

花丸「た、助かったずら……でも、ルビィちゃん……」

善子「……まぁ、心配ね」



『よしまる Ad - 40 ダイルビ』
140 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:31:57.00 ID:tZKKEZOTO

ダイヤ「……ルビィ」

ルビィ「ご、ごめんね、おねえちゃ」

ダイヤ「っ、そんな、謝らないで……ルビィ」ギュッ

ルビィ「あ、手…………えへへ」ギューッ

ダイヤ「……謝るのはわたくしですわ。わたくしのせいで、ルビィに……」

ルビィ「…………ううん」

ダイヤ「……ルビィ……?」



ルビィ「ルビィ、しんじてるもんっ」



ダイヤ「…………えぇ」
141 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:37:11.65 ID:tZKKEZOTO
ーーーーーー




梨子「ルビィちゃんの『神憑り』」

梨子「とても強いけれど、ルビィちゃんは怪我のせいでそれを繰り出せなかったみたい」

梨子「よっちゃんと花丸ちゃんは、その隙に『蠱惑の魔眼』と『黒の羽衣』で点を取っていって……」

梨子「そしてーー」




千歌「梨子ちゃんが解説してる……それ、千歌の仕事……」

鞠莉「まぁ、梨子の方がそれっぽいから、シカタナイデース♪」

千歌「うぅ、納得いかない!」



ーーーーーー
142 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:40:22.72 ID:tZKKEZOTO
ーーーーーー



『よしまる B - 0 ダイルビ』


『よしまる 40 - 15 ダイルビ』




『マッチポイント よしまる』




ーーーーーー
143 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:24:31.10 ID:93jgdjZOO
ルビィ「はぁっ……はっ……」ターンターン



花丸「……ルビィちゃん、辛そうずら」

善子「だからって、手加減はダメよ」

花丸「でもっ」

善子「…………辛そうだから、早く終わらせた方がいいでしょ」

花丸「…………うん」



ルビィ「っ」スッ



ルビィ「え、いっ!」パァァン




善子(サーブのスピードも落ちてる)

善子(それに、さっきまでの見てても『神憑り』が出てこなくなってきてるし)

善子(もう……限界ね)

善子(だから!)グッ



善子「終わりよ! ルビィ!!」パァァァン



ルビィ「っ、ま、まだっ」グッ



ルビィ「できるもんっ!」ベシッ



「当たり損ない……まる!」

善子「チャンスよ!」

花丸「ずら!」



ーー シュルルルル ーー



144 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:26:34.00 ID:93jgdjZOO
善子「っ、この音!? っ、ずら丸!」

花丸「え?」

善子「ルビィはまだ終わってない! 来るわよ!」



ルビィ「はっ、はぁ……お、おねがい……」ゼェゼェ



ーー ポスッ ーー



花丸「ネットに当たって!?」

善子「『神憑り』ッ!?」ダッ



ーー シュルルルル ーー



「スピンを使ったネット越えだね」

「まだ、ルビィちゃんはーー」

ルビィ「まだ、でき、る……」



ルビィ「まけ、ないもん……」フラッ



「ルビィちゃん!?」

花丸「ルビィちゃーー」ダッ



善子「ずら丸ッ!!」

花丸「善子ちゃんっ」ビクッ

善子「決めて!!」



花丸「っ、や、やぁぁぁぁぁっ!!!」ググッ




ーー ベシィィィィィィン ーー



145 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:30:25.51 ID:93jgdjZOO
ーーーーーー



ぼやけていく景色。
はっきり聞こえるのは、はなまるちゃんは打ったスマッシュの音。



…………。



……そっか。
ルビィ、負けちゃったんだ。

がんばったのに。
おねえちゃんに任せてもらったのに。

やっぱりルビィは、だめだめなんだ。

おねえちゃんに任せてもらったこともできない。
だめだめルビィなんだ。


ごめんね。
ごめんね。

おねえちゃん。




ーーーーーー
146 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:31:31.86 ID:93jgdjZOO
ーーーーーー




「よく、がんばりましたわ」

「ルビィ」




ーーーーーー
147 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:39:25.56 ID:93jgdjZOO
ルビィ「……え?」

ダイヤ「ルビィ」ギュッ

ルビィ「おねえちゃ……?」ボーッ



ダイヤ「ありがとう。もう大丈夫ですわ」ギューッ



ルビィ「そっか、そっか……。ルビィ、ちゃんとできたんだ……」

ダイヤ「えぇ、立派でしたわ」ナデナデ

ルビィ「えへへ……///」



善子「っ、今更出てきて……なに言ってるのよッ!」



ルビィ「よしこちゃん……?」

ダイヤ「…………」



善子「ルビィ一人だけに試合させて、自分は楽して!! それで終わったら、それだけ誉めて終わり!? ふざけないでッ!!」




ダイヤ「善子さん」

善子「なによ!」

ダイヤ「わたくしはこれで終わりにするつもりはありません。ここからはーー」



ダイヤ「わたくしが全てを決めます」



善子「ここから? もう試合は終わってーー」



ーー トンッ ーー



善子「……え?」

花丸「……善子ちゃん、ボール、こっちにあるずら……」

善子「……………………は?」




『よしまる 40 - 30 ダイルビ』




ダイヤ「さぁ、再開しましょうか」

ダイヤ「ここからはわたくしのステージですわ」

148 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:47:06.76 ID:93jgdjZOO
ルビィ「ぅ、ゅ……」ターンターン

ダイヤ「ルビィ?」

ルビィ「ぅん、なに? おねえちゃ……?」

ダイヤ「サーブは下からで構いません。それに、打ったら後ろに下がって休んでいていいわ」ニコッ

ルビィ「……ぅん」コクッ



ルビィ「えぃっ」ポーン



花丸「下から!?」

善子「ずら丸! 強打よ!」

花丸「わかってるーー」グッ



花丸「ずらぁぁ!!」パァァァァン



「強烈!? ダイヤさん!」

ダイヤ「心配はいりませんわ」スッ

善子「心配はいらない? 前衛にいたら、それは力負けするに決まってるわ!」



ダイヤ「『硬度5』」ボソッ



ダイヤ「はぁぁぁぁぁぁ!!!」パァァァァン




花丸「っ!?」

善子「なっ!?」

花丸「善子ちゃん!」

善子「とるわ!」ダッ




善子「はぁぁっ!!」グッ



ーー カランッ ーー




『よしまる 40 - 40 ダイルビ』
149 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:52:59.89 ID:93jgdjZOO
善子「っ、これはっ……!」ビリビリ

花丸「善子ちゃん! 大丈夫……?」

善子「ん、大丈夫よ。でも……」



善子(ずら丸のリターンは相当に強かった)

善子(だから、確かにそれをボレー出来れば、その威力は強くなる)

善子(けど、そもそも下からのサーブに対して、体重込めて打ったのよ? それをあんなに簡単にボレーするなんて……)

善子(普通だったら、インパクト面もずれるし、力負けしてもいいはずなのに……)



ダイヤ「なんで、という表情をしていますね。善子さん」

善子「っ」

ダイヤ「……図星のようですね」



ダイヤ「まずは、1ゲーム」

ダイヤ「取り返したら、教えて差し上げますわ」

150 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:59:08.64 ID:93jgdjZOO



ルビィ「えいっ!」ポーン



善子(下からのサーブ……)

善子(もう1回!!)



善子「やっ!!」パァァァァン



「巧いね。ダイヤのいない、空いたスペースへの強打。これなら、ダイヤは返せない。返せたとしても、確実に力負けする」

「うん。今までのダイヤさんなら、ね」

「え?」




ダイヤ「『硬度6』」ダッ




ダイヤ「はっ!!」ベシィィィィィィン




ーー パァァァァン ーー




善子「なっ!?」

花丸「ずら!?」

善子「追いついた!? あれに!?」

ダイヤ「…………言ったでしょう?」




ダイヤ「全てを決める、と」




『よしまる 40 - Ad ダイルビ』
151 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:09:33.17 ID:93jgdjZOO
ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「えぇ、大丈夫よ」

ルビィ「ん」コクッ



ルビィ「えい!」ポーン



善子「ずら丸!」

花丸「うん!」スッ


花丸(善子ちゃんの言いたいことはわかったよ)

花丸(強いボールはさっきみたいに返されるんだよね)

花丸(だからーー)




花丸「ほっ!」ポーーーーン




「ロブ!?」
「ダイヤの上を抜く高い、しかも、トップスピンのかかったロブだね」

善子「よしっ! これならーー」




ダイヤ「これなら、と思いましたか?」




善子「ーー!?」ゾワッ

花丸「読まれてた!?」

善子「ずら丸! 『蠱惑の魔眼』!!」

花丸「っ、うん!」スッ



ダイヤ「『硬度0』」

ダイヤ「ふっ」フワッ



善子「へ?」




ーー トンッ ーー




花丸「ドロップショット?」
152 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:16:52.18 ID:93jgdjZOO

善子「っ、一体なんなの!?」

花丸「ダイヤさんの『技』って……?」

ダイヤ「……そうですね。約束でしたから、教えて差し上げますわ」




ダイヤ「ルビィにすべてを任せていた間、わたくしはひたすら観察をしていました」

ダイヤ「サーブ。レシーブ。ストローク。ロブ。ドロップ」

ダイヤ「勿論、花丸さんの『蠱惑の魔眼』と善子さんの『黒の羽衣』も」

ダイヤ「すべてのショットを観察し、分析しました」

ダイヤ「時間がかかるのが難点なのですが……」



善子「……な、なんの話よ!」

花丸「さっぱりずら……」

ダイヤ「そうですわね。単刀直入に申しましょう」




ダイヤ「お二人の打球の『硬度』を見極めました」

ダイヤ「全てのショットは、わたくしには通じませんわ」




『よしまる B - @ ダイルビ』
153 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:27:34.74 ID:93jgdjZOO
ーーーーーー




千歌「『硬度』……ってなに?」

梨子「えぇと……?」

鞠莉「んー」



鞠莉「簡単に言えば、打球の強さ」



千歌「へ? そんなのなら、少し見ただけでも分かるーー」




鞠莉「打球のスピード、回転、コース、返球のタイミング」

鞠莉「二人のフォーメーションとか、打球のブレとズレ」

鞠莉「それからフォロースルーに、予備動作も含めてかしら?」




千歌「ほ、ほえ?」

梨子「つ、つまり、それって……?」




鞠莉「ダイヤはたぶん、マルたちのフォームを見ただけで、来る打球が分かる」

鞠莉「それに……その次の動きもね」



梨子「だから、全部返すって……」

千歌「ま、鞠莉さん! そんなことって……」

鞠莉「そりゃeasyなわけないわ。だからこそのルビィだったんでしょ?」

千歌「あっ、そっか!」

梨子「ルビィちゃんが頑張ってる間、そんなことを……」

鞠莉「ま、なんにしても、今のダイヤから点をとるのはソートーデース!!」

鞠莉「ダイヤの言葉を借りるならーー」




鞠莉「今のダイヤは『硬度10』」

鞠莉「『絶対に砕けない金剛石』ね」ダイヤモンド




ーーーーーー
154 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:34:42.36 ID:93jgdjZOO
一旦ここまで。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 19:26:36.01 ID:cgktjB8SO
ダイヤモンドは砕けない
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 21:36:13.51 ID:GcDp/is/O
ダイヤ様データテニス枠か
ちょっと意外だったな
157 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 12:55:04.30 ID:HACOP23BO
『チェンジサービス』
『サービス 善子』



善子「…………」

花丸「善子ちゃん……」

善子「大丈夫よ! ずら丸は『蠱惑の魔眼』使っときなさい!」

花丸「う、うん」コクッ



善子(全てのショットが効かない?)ターンターン

善子(そんなの、あるわけーー)スッ



善子「ーーないでしょ!」パァァァァン



ダイヤ「…………」

善子「ずら丸!」

花丸「うん! っ!!」スッ

善子「よし!」


善子(今、ずら丸に視線が集まってる。ミスして、ロブあげてきなさい!)


ダイヤ「…………」スッ

善子「来い!」

ダイヤ「……さてーー」




ダイヤ「『硬度6』」

ダイヤ「はっ!」パァァァン




花丸「ずら!?」

善子「ずら丸の横を!?」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』
158 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:07:33.81 ID:HACOP23BO
善子「くっ……」

花丸「まる、使ってたよ」

善子「……わかってる」ターンターン



善子「はっ!」



ルビィ「っ、え、えい!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー



「ルビィちゃんはやっぱりもう……」
「辛うじて打ち返せているって感じだね」

花丸「っ」ググッ



花丸「えい!」ベシィィィィン



善子「よし!」

ダイヤ「…………えぇ、勿論、それもーー」



ダイヤ「ーー分かっていますわ」パァァァァン



「あ、あれをとった!?」
「……すごいね、ダイヤ」

善子「くっ、まだよ!」ダッ



善子「はぁっ!!」ベシッ



ルビィ「コ、コードボールッ!?」

「これは流石に……」




ダイヤ「『硬度3』」スッ



ーー ポーーーーン ーー




『よしまる 0 - 30 ダイルビ』
159 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:12:58.01 ID:HACOP23BO
ーーーーーー



梨子「すごい、ですね」

梨子「スマッシュに花丸ちゃんの『技』。それに、コードボールまで……予想なんて出来るはずないのに……」



鞠莉「そ、これがダイヤよ♪」



千歌「すごいね……」

梨子「うん……」

鞠莉「んー、でも、それとは別に……」



ーーーーーー
160 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:18:22.83 ID:HACOP23BO



ーー パァァァァン ーー



『よしまる B - A ダイルビ』




善子「っ、また……」

花丸「善子ちゃん、ごめんね……まる……」

善子「……大丈夫よ。最初から分かってたことだし」




善子「ずら丸の『蠱惑の魔眼』が切れることは」




花丸「うん……でも、まるは……」

善子「……………………」

花丸「善子、ちゃん……?」



善子「花丸」

善子「安心しなさい」ニコッ



花丸「……え?」

善子「あんたがここまで頑張ってたんだもんね」



善子「ここからは私がやるわ」


161 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:27:49.38 ID:HACOP23BO
『チェンジサービス』
『サービス ダイヤ』



ダイヤ「いきますわ」ターンターン

ダイヤ「フッーー」スッ



ダイヤ「はっ!!」パァァァァン



善子「っ、やぁ!!」パァァァァン

ダイヤ「…………」スッ




ダイヤ「『硬度0』」

ダイヤ「ふっ」フワッ



ーー トンッ ーー




善子「っ!?」

ダイヤ「効かない、といっているでしょう」

善子「……そうみたいね」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』
162 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:33:14.46 ID:HACOP23BO
ダイヤ「…………」ターンターン

花丸「っ」グッ

ダイヤ「さて、次は最初からーー」スッ




ダイヤ「『硬度8』ですわ!」ターンターン




花丸「え!?」

「まるも『蠱惑の魔眼』が切れているとは言っても……」
「一歩も、動けなかったね……」

善子「っ、まさか……」



ダイヤ「えぇ、その通りですわ」

ダイヤ「花丸さんの動きを見極めて、動けない場所に打った」

ダイヤ「それだけです」ニコリ



『よしまる 0 - 30 ダイルビ』
163 : ◆6cZRMaO/G6 [>>162訂正]:2017/05/21(日) 13:36:35.98 ID:HACOP23BO
ダイヤ「…………」ターンターン

花丸「っ」グッ

ダイヤ「さて、次は最初からーー」スッ




ダイヤ「『硬度8』ですわ!」パァァァァン



ーー パァァァァン ーー




花丸「え!?」

「まるも『蠱惑の魔眼』が切れているとは言っても……」
「一歩も、動けなかったね……」

善子「っ、まさか……」



ダイヤ「えぇ、その通りですわ」

ダイヤ「花丸さんの動きを見極めて、動けない場所に打った」

ダイヤ「それだけです」ニコリ



『よしまる 0 - 30 ダイルビ』
164 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:52:15.79 ID:HACOP23BO
ダイヤ「あと二点、ですわね」ターンターン

善子「…………」グッ

ダイヤ「っ」スッ



ダイヤ「『硬度9』!!」

ダイヤ「はあッ!!」パァァァァン



善子「なっ!?」

善子「完全に逆に……っ」グッ



善子「っ」ベシッ


ーー ポーーーーン ーー



「なんとかとった!!」
「よく反応した……けど……」



ダイヤ「甘いですわ!」グッ


ーー ベシィィィィィィン ーー



善子「っ」

「今度は二人とも全然動けなかった……」
「これは……分が悪いね」

花丸「よ、よしこちゃん……ごめんずら……」

善子「…………」フルフル



善子(まだ……まだよ……)

善子(叩くなら、調子に乗ってる次……次で流れを掴む!!)



『よしまる 0 - 40 ダイルビ』
165 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:11:07.91 ID:hob2xv9bO
ダイヤ「……ルビィ、大丈夫?」

ルビィ「ほぇ、あ、ぅん」ホケーッ

ダイヤ「…………すぐ終わらせましょう」ターンターン

ダイヤ「……いきますよ、花丸さん」

花丸「っ」グッ



ダイヤ「『硬度7』」

ダイヤ「はっ!!」パァァァァン



善子「ずら丸!」

花丸「っ」


花丸(まるの『技』はたぶんほとんど使えない)

花丸(使えて1回か2回、かな……)

花丸(だから、今、まるがやらなきゃいけないのはーー)



花丸「っ、ずらっ」ベシッ



「ダイヤさんのサーブを返した!」
「やるね、まる!」

善子「ナイスよ! ずら丸!」ダッ

花丸「おねがい、善子ちゃん!」


ダイヤ「返しましたか」

ダイヤ「ですが!!」グッ



ダイヤ「『硬度9』」

ダイヤ「このゲームはこれで終わりですわ!!」パァァァァン



善子「ずら丸!」

花丸「うんっ」スッ

善子「『黒の羽衣』!」ダッ

善子「これでッ!!」パァァァァン

ダイヤ「もう、それもーー」



ダイヤ「効きませんわ!」ベシィィィィィィン



善子「……っ!?」

善子「そん、な……あっさりと」



ーー パァァァァン ーー



166 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:15:16.66 ID:hob2xv9bO
ーーーーーー



その時。
なんとなく、察してしまった。



もうダメなんだって。



『蠱惑の魔眼』も。
『黒の羽衣』も効かない。

そして、同時に気づいたわ。
私はずっと、ずら丸の力に頼ってきただけなんだって。

なにが、安心しなさい、よ。

ここからは私がやる?
無理に決まってるじゃない。

私は『無力』だ。
だから、この試合はもうーー


167 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:17:39.30 ID:hob2xv9bO




花丸「ずらぁぁぁぁっ!!!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー




善子「…………え?」



ダイヤ「っ、『硬度8』!」

ダイヤ「終わりです!!」ベシィィィィィィン



花丸「っ、まだ、ずら……」ベチッ



善子「ずら丸……?」

善子「なんで?」


168 : ◆6cZRMaO/G6 [saga]:2017/05/21(日) 22:29:02.06 ID:hob2xv9bO
なんで?
なんで必死になって食らいついてるの?
その答えは、ずら丸を見ていたら、分かった。



まだ諦めてないから。



まだどうにかなるって信じてる顔だ。



その根拠は?



どうにもならない。
そう思ってしまった私を信じているから。

………………。


まったく、馬鹿よね。
私の言葉を信じきってて、私がどうにかしてくれるって思ってる。
……どうかしてるわ。


……………………。


そっか。
きっと、さっきのダイヤはこんな気持ちだったのね。
だから、今、あんなに強いのね。

じゃあさ。
ずら丸が信じてくれてるなら、私もあんな風に強くなれるのかしら?




……違う。
違う違う違う違う!



強くなれるのかしら、じゃないわ!

ずら丸があんなに頑張ってるのよ!

体力も限界のくせに!
『技』だって使えないくせに!
それでもあんなに頑張ってる。



なら、私はーーッ!!


169 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:30:31.05 ID:hob2xv9bO
ーーーーーー




善子「今、強くならなきゃなのッ!!』




ーーーーーー ドクンッ ーーーーーー




ーーーーーー
170 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:39:39.22 ID:hob2xv9bO




ーー カンッ ーー




ダイヤ「え……?」




ーー ポーーーーーン ーー




『よしまる 15 - 40 ダイルビ』



ダイヤ「……な、なにが……っ」

「え? い、今のって……?」
「鞠莉の……『技』!」

ルビィ「……『妙技』……?」




善子『…………』

花丸「はっ、はぁ……よしこ、ちゃん……?」

善子『ごめん、花丸』ナデリ

花丸「ひゃぁ!? く、くすぐったいずら///」

善子『今度こそ安心していいわ』

花丸「………………ずら」



ダイヤ「善子さん、貴女……」

善コ『…………これで、追いつけるわ!』

ダイヤ「っ、一体なにを……!?」

ヨシコ『フッ、決まっているでしょう……?』




ヨハネ『ヨハネ、今ここにっ!

ヨハネ『堕天降臨ッ!!』ダテンッ



171 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:42:18.83 ID:hob2xv9bO
本日はここまで。
途切れ途切れになってしまい申し訳ないです。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/22(月) 11:10:21.15 ID:YRxv/xAAO
善子が無我使うのか!
完全に曜ちゃんか果南だと思ってたわ
173 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 19:34:48.62 ID:UawRt8x/O
可能であれば更新します。
174 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 20:41:50.57 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー



梨子「あれって、鞠莉さんの……?」

千歌「教えたの!?」

鞠莉「NO! 教えてないわ」

梨子「でも、さっきのは確かに」

鞠莉「えぇ、マリーの『妙技・鉄柱当て』だったわ」

梨子「……なにが……?」

千歌「うーん……」



千歌「…………はっ! もしかして!」ゴソゴソ



梨子「千歌ちゃん?」

千歌「あった! これだ!!」

鞠莉「What's?」

梨子「えっと、μ'sのテニス動画……って、これ!」

千歌「そう! 穂乃果さんのこの『技』! 今の善子ちゃんと同じだよ!」

千歌「今の善子ちゃんが使ってるのは、きっとこの『技』なんだよ!」



ーーーーーー
175 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 20:48:26.54 ID:UawRt8x/O



ダイヤ「『無我の境地』ですわね」



ルビィ「むがの?」

花丸「境地ずら?」

ヨハネ『…………』

ダイヤ「えぇ、限界を超えた者のみが使えるという技です」



ダイヤ「身体能力が上がり、更に疲労を一時的ではありますが、感じなくなるほどの集中力」

ダイヤ「そして、今まで見た『技』を使うことが出来るようになる」

ダイヤ「それが『無我の境地』ですわ」



ヨハネ『…………』

ダイヤ「その境地に到達していたとは…………」

ルビィ「……」ゴクリ

花丸「善子ちゃん、すごいずら……」

ヨハネ『……………………』フッ




ヨハネ(これ、そんなすごいの!?)

ヨハネ(確かに、さっきのは無意識だったけど!)

ヨハネ(…………まぁ、いいわ!)

ヨハネ(なんでもいい! 使えるものは使って、勝つんだから!!)
176 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 20:58:08.27 ID:UawRt8x/O

ダイヤ「『無我の境地』……」ターンターン

ダイヤ「脅威ではありますが……」スッ

ヨハネ『来い!』グッ



ダイヤ「はぁっ!!」パァァァァン

ダイヤ「今のわたくしならば!」ダッ



「サーブ&ダッシュ!?」
「普通ならやらないようなプレイを……」

ヨハネ『…………っ』スッ

ダイヤ「まずはこのゲームをいただきーー」



ーー トンッ ーー



ダイヤ「な!?」

ヨハネ『……ふぅ』

ダイヤ「今、なにを!? なぜボールがもう打ち返されてーー」



ヨハネ『フフッ』

ヨハネ『ダメじゃない。ヨハネに気をとられてボールから目を離したら♪』



ダイヤ「っ、花丸さんのーーっ」

花丸「まるの『技』!?」

ヨハネ『そうよ、これこそーー』



ヨハネ『†『蠱惑の魔眼』†』ダテン



『よしまる 30 - 40 ダイルビ』
177 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:05:28.94 ID:UawRt8x/O

ダイヤ「…………」ターンターン



ダイヤ(……なるほど。悔しいですが、強いですね)

ダイヤ(穂乃果さんやにこにーが使っていた『技』ですから当然ですわ)

ダイヤ(…………)

ダイヤ(けれど、これはーー)



ダイヤ「『硬度9』!!」

ダイヤ「はぁっ!!」パァァァァン



花丸「っ」グッ

花丸「ーーえぃっ!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー



「甘い球だ!」
「ダイヤたちのチャンス、だね」

ダイヤ「はぁぁぁーー」グッ



ダイヤ「やぁっ!!」ベシィィィィィィン



ヨハネ『ずら丸っ』グッ

花丸「っ!」スカッ



ーー パァァァァン ーー



ダイヤ「そう。これはダブルスですわ」



『よしまる B - B ダイルビ』
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