【ラブライブ】千歌「テニスをしよう!!」【サンシャイン】

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137 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 12:47:47.89 ID:tZKKEZOTO
本日更新予定です。
見てくださってる方お待たせして申し訳ないです。
138 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:14:37.95 ID:tZKKEZOTO
花丸「『神憑り』……ルビィちゃん、すごいずら……」

善子「まさに神に愛された天使ってわけね」

花丸「……善子ちゃん」

善子「……大丈夫よ、ずら丸!」

花丸「…………うん」コクッ


花丸「…………」ターンターン

ルビィ「ぅゅ……」

花丸「いくよ」



花丸「ルビィちゃん!」パァァァァン



ルビィ「っ、ゅっ!!」パァン

善子「ずら丸! 前に出なさい!」

花丸「ずら!」ダッ

善子「ルビィの球が『神憑り』ならーー」グッ



善子「ーーこっちに打てばいいでしょ!」パァァァン



「ダイヤさんの方へ打った!」

ダイヤ「っ」グッ



ルビィ「だいじょうぶ、おねえちゃんっ」



ダイヤ「ルビィ!」

善子「やっぱり出てきたわね!」

ルビィ「うゅ……っ!」スッ

善子「来なさい!」



ルビィ「えいっ!!」ベシッ


ーー ベチッ ーー



善子「コードボールっ!? って、ずら丸! ラケット!!」

花丸「ずら!?」



ーー ベシッ ーー



ーー ポンッ ーー



「ラケットに当たって……」
「コードボールで弾かれたボールが偶然ラケットに当たって、か。なるほどね」

善子「これが『神憑り』……」



『よしまる 40 - 40 ダイルビ』
139 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:28:31.28 ID:tZKKEZOTO
花丸「善子ちゃん、ごめん……」

善子「いえ、次よ」

花丸「う、うん」

花丸「…………」ポーンポーン



花丸「えい!」パァァァン



ダイヤ「……っ」グッ



ダイヤ「はっ!」パァァァン



「ダイヤ、打った後に下がった。まだ手を出さない、みたいだね」
「ダイヤさん、まだ……」
「?」

善子「ずら丸!」

花丸「うん!」



善子「もう一回!」パァァァン



ダイヤ「っ、またですか」

ルビィ「ルビィが……っ!」ダッ

ダイヤ「えぇ……」



ーー ズキッ ーー



ルビィ「っ、ピギィ……」グラッ

ダイヤ「ルビィ!?」

ルビィ「まだっーー」ベシッ



ーー ポスッ ーー



「ルビィちゃん、足が……」
「大丈夫かな?」

善子「あ、ぶなっ」

花丸「た、助かったずら……でも、ルビィちゃん……」

善子「……まぁ、心配ね」



『よしまる Ad - 40 ダイルビ』
140 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:31:57.00 ID:tZKKEZOTO

ダイヤ「……ルビィ」

ルビィ「ご、ごめんね、おねえちゃ」

ダイヤ「っ、そんな、謝らないで……ルビィ」ギュッ

ルビィ「あ、手…………えへへ」ギューッ

ダイヤ「……謝るのはわたくしですわ。わたくしのせいで、ルビィに……」

ルビィ「…………ううん」

ダイヤ「……ルビィ……?」



ルビィ「ルビィ、しんじてるもんっ」



ダイヤ「…………えぇ」
141 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:37:11.65 ID:tZKKEZOTO
ーーーーーー




梨子「ルビィちゃんの『神憑り』」

梨子「とても強いけれど、ルビィちゃんは怪我のせいでそれを繰り出せなかったみたい」

梨子「よっちゃんと花丸ちゃんは、その隙に『蠱惑の魔眼』と『黒の羽衣』で点を取っていって……」

梨子「そしてーー」




千歌「梨子ちゃんが解説してる……それ、千歌の仕事……」

鞠莉「まぁ、梨子の方がそれっぽいから、シカタナイデース♪」

千歌「うぅ、納得いかない!」



ーーーーーー
142 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/13(土) 18:40:22.72 ID:tZKKEZOTO
ーーーーーー



『よしまる B - 0 ダイルビ』


『よしまる 40 - 15 ダイルビ』




『マッチポイント よしまる』




ーーーーーー
143 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:24:31.10 ID:93jgdjZOO
ルビィ「はぁっ……はっ……」ターンターン



花丸「……ルビィちゃん、辛そうずら」

善子「だからって、手加減はダメよ」

花丸「でもっ」

善子「…………辛そうだから、早く終わらせた方がいいでしょ」

花丸「…………うん」



ルビィ「っ」スッ



ルビィ「え、いっ!」パァァン




善子(サーブのスピードも落ちてる)

善子(それに、さっきまでの見てても『神憑り』が出てこなくなってきてるし)

善子(もう……限界ね)

善子(だから!)グッ



善子「終わりよ! ルビィ!!」パァァァン



ルビィ「っ、ま、まだっ」グッ



ルビィ「できるもんっ!」ベシッ



「当たり損ない……まる!」

善子「チャンスよ!」

花丸「ずら!」



ーー シュルルルル ーー



144 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:26:34.00 ID:93jgdjZOO
善子「っ、この音!? っ、ずら丸!」

花丸「え?」

善子「ルビィはまだ終わってない! 来るわよ!」



ルビィ「はっ、はぁ……お、おねがい……」ゼェゼェ



ーー ポスッ ーー



花丸「ネットに当たって!?」

善子「『神憑り』ッ!?」ダッ



ーー シュルルルル ーー



「スピンを使ったネット越えだね」

「まだ、ルビィちゃんはーー」

ルビィ「まだ、でき、る……」



ルビィ「まけ、ないもん……」フラッ



「ルビィちゃん!?」

花丸「ルビィちゃーー」ダッ



善子「ずら丸ッ!!」

花丸「善子ちゃんっ」ビクッ

善子「決めて!!」



花丸「っ、や、やぁぁぁぁぁっ!!!」ググッ




ーー ベシィィィィィィン ーー



145 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:30:25.51 ID:93jgdjZOO
ーーーーーー



ぼやけていく景色。
はっきり聞こえるのは、はなまるちゃんは打ったスマッシュの音。



…………。



……そっか。
ルビィ、負けちゃったんだ。

がんばったのに。
おねえちゃんに任せてもらったのに。

やっぱりルビィは、だめだめなんだ。

おねえちゃんに任せてもらったこともできない。
だめだめルビィなんだ。


ごめんね。
ごめんね。

おねえちゃん。




ーーーーーー
146 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:31:31.86 ID:93jgdjZOO
ーーーーーー




「よく、がんばりましたわ」

「ルビィ」




ーーーーーー
147 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:39:25.56 ID:93jgdjZOO
ルビィ「……え?」

ダイヤ「ルビィ」ギュッ

ルビィ「おねえちゃ……?」ボーッ



ダイヤ「ありがとう。もう大丈夫ですわ」ギューッ



ルビィ「そっか、そっか……。ルビィ、ちゃんとできたんだ……」

ダイヤ「えぇ、立派でしたわ」ナデナデ

ルビィ「えへへ……///」



善子「っ、今更出てきて……なに言ってるのよッ!」



ルビィ「よしこちゃん……?」

ダイヤ「…………」



善子「ルビィ一人だけに試合させて、自分は楽して!! それで終わったら、それだけ誉めて終わり!? ふざけないでッ!!」




ダイヤ「善子さん」

善子「なによ!」

ダイヤ「わたくしはこれで終わりにするつもりはありません。ここからはーー」



ダイヤ「わたくしが全てを決めます」



善子「ここから? もう試合は終わってーー」



ーー トンッ ーー



善子「……え?」

花丸「……善子ちゃん、ボール、こっちにあるずら……」

善子「……………………は?」




『よしまる 40 - 30 ダイルビ』




ダイヤ「さぁ、再開しましょうか」

ダイヤ「ここからはわたくしのステージですわ」

148 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:47:06.76 ID:93jgdjZOO
ルビィ「ぅ、ゅ……」ターンターン

ダイヤ「ルビィ?」

ルビィ「ぅん、なに? おねえちゃ……?」

ダイヤ「サーブは下からで構いません。それに、打ったら後ろに下がって休んでいていいわ」ニコッ

ルビィ「……ぅん」コクッ



ルビィ「えぃっ」ポーン



花丸「下から!?」

善子「ずら丸! 強打よ!」

花丸「わかってるーー」グッ



花丸「ずらぁぁ!!」パァァァァン



「強烈!? ダイヤさん!」

ダイヤ「心配はいりませんわ」スッ

善子「心配はいらない? 前衛にいたら、それは力負けするに決まってるわ!」



ダイヤ「『硬度5』」ボソッ



ダイヤ「はぁぁぁぁぁぁ!!!」パァァァァン




花丸「っ!?」

善子「なっ!?」

花丸「善子ちゃん!」

善子「とるわ!」ダッ




善子「はぁぁっ!!」グッ



ーー カランッ ーー




『よしまる 40 - 40 ダイルビ』
149 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:52:59.89 ID:93jgdjZOO
善子「っ、これはっ……!」ビリビリ

花丸「善子ちゃん! 大丈夫……?」

善子「ん、大丈夫よ。でも……」



善子(ずら丸のリターンは相当に強かった)

善子(だから、確かにそれをボレー出来れば、その威力は強くなる)

善子(けど、そもそも下からのサーブに対して、体重込めて打ったのよ? それをあんなに簡単にボレーするなんて……)

善子(普通だったら、インパクト面もずれるし、力負けしてもいいはずなのに……)



ダイヤ「なんで、という表情をしていますね。善子さん」

善子「っ」

ダイヤ「……図星のようですね」



ダイヤ「まずは、1ゲーム」

ダイヤ「取り返したら、教えて差し上げますわ」

150 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 13:59:08.64 ID:93jgdjZOO



ルビィ「えいっ!」ポーン



善子(下からのサーブ……)

善子(もう1回!!)



善子「やっ!!」パァァァァン



「巧いね。ダイヤのいない、空いたスペースへの強打。これなら、ダイヤは返せない。返せたとしても、確実に力負けする」

「うん。今までのダイヤさんなら、ね」

「え?」




ダイヤ「『硬度6』」ダッ




ダイヤ「はっ!!」ベシィィィィィィン




ーー パァァァァン ーー




善子「なっ!?」

花丸「ずら!?」

善子「追いついた!? あれに!?」

ダイヤ「…………言ったでしょう?」




ダイヤ「全てを決める、と」




『よしまる 40 - Ad ダイルビ』
151 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:09:33.17 ID:93jgdjZOO
ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「えぇ、大丈夫よ」

ルビィ「ん」コクッ



ルビィ「えい!」ポーン



善子「ずら丸!」

花丸「うん!」スッ


花丸(善子ちゃんの言いたいことはわかったよ)

花丸(強いボールはさっきみたいに返されるんだよね)

花丸(だからーー)




花丸「ほっ!」ポーーーーン




「ロブ!?」
「ダイヤの上を抜く高い、しかも、トップスピンのかかったロブだね」

善子「よしっ! これならーー」




ダイヤ「これなら、と思いましたか?」




善子「ーー!?」ゾワッ

花丸「読まれてた!?」

善子「ずら丸! 『蠱惑の魔眼』!!」

花丸「っ、うん!」スッ



ダイヤ「『硬度0』」

ダイヤ「ふっ」フワッ



善子「へ?」




ーー トンッ ーー




花丸「ドロップショット?」
152 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:16:52.18 ID:93jgdjZOO

善子「っ、一体なんなの!?」

花丸「ダイヤさんの『技』って……?」

ダイヤ「……そうですね。約束でしたから、教えて差し上げますわ」




ダイヤ「ルビィにすべてを任せていた間、わたくしはひたすら観察をしていました」

ダイヤ「サーブ。レシーブ。ストローク。ロブ。ドロップ」

ダイヤ「勿論、花丸さんの『蠱惑の魔眼』と善子さんの『黒の羽衣』も」

ダイヤ「すべてのショットを観察し、分析しました」

ダイヤ「時間がかかるのが難点なのですが……」



善子「……な、なんの話よ!」

花丸「さっぱりずら……」

ダイヤ「そうですわね。単刀直入に申しましょう」




ダイヤ「お二人の打球の『硬度』を見極めました」

ダイヤ「全てのショットは、わたくしには通じませんわ」




『よしまる B - @ ダイルビ』
153 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:27:34.74 ID:93jgdjZOO
ーーーーーー




千歌「『硬度』……ってなに?」

梨子「えぇと……?」

鞠莉「んー」



鞠莉「簡単に言えば、打球の強さ」



千歌「へ? そんなのなら、少し見ただけでも分かるーー」




鞠莉「打球のスピード、回転、コース、返球のタイミング」

鞠莉「二人のフォーメーションとか、打球のブレとズレ」

鞠莉「それからフォロースルーに、予備動作も含めてかしら?」




千歌「ほ、ほえ?」

梨子「つ、つまり、それって……?」




鞠莉「ダイヤはたぶん、マルたちのフォームを見ただけで、来る打球が分かる」

鞠莉「それに……その次の動きもね」



梨子「だから、全部返すって……」

千歌「ま、鞠莉さん! そんなことって……」

鞠莉「そりゃeasyなわけないわ。だからこそのルビィだったんでしょ?」

千歌「あっ、そっか!」

梨子「ルビィちゃんが頑張ってる間、そんなことを……」

鞠莉「ま、なんにしても、今のダイヤから点をとるのはソートーデース!!」

鞠莉「ダイヤの言葉を借りるならーー」




鞠莉「今のダイヤは『硬度10』」

鞠莉「『絶対に砕けない金剛石』ね」ダイヤモンド




ーーーーーー
154 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/14(日) 14:34:42.36 ID:93jgdjZOO
一旦ここまで。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 19:26:36.01 ID:cgktjB8SO
ダイヤモンドは砕けない
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 21:36:13.51 ID:GcDp/is/O
ダイヤ様データテニス枠か
ちょっと意外だったな
157 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 12:55:04.30 ID:HACOP23BO
『チェンジサービス』
『サービス 善子』



善子「…………」

花丸「善子ちゃん……」

善子「大丈夫よ! ずら丸は『蠱惑の魔眼』使っときなさい!」

花丸「う、うん」コクッ



善子(全てのショットが効かない?)ターンターン

善子(そんなの、あるわけーー)スッ



善子「ーーないでしょ!」パァァァァン



ダイヤ「…………」

善子「ずら丸!」

花丸「うん! っ!!」スッ

善子「よし!」


善子(今、ずら丸に視線が集まってる。ミスして、ロブあげてきなさい!)


ダイヤ「…………」スッ

善子「来い!」

ダイヤ「……さてーー」




ダイヤ「『硬度6』」

ダイヤ「はっ!」パァァァン




花丸「ずら!?」

善子「ずら丸の横を!?」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』
158 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:07:33.81 ID:HACOP23BO
善子「くっ……」

花丸「まる、使ってたよ」

善子「……わかってる」ターンターン



善子「はっ!」



ルビィ「っ、え、えい!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー



「ルビィちゃんはやっぱりもう……」
「辛うじて打ち返せているって感じだね」

花丸「っ」ググッ



花丸「えい!」ベシィィィィン



善子「よし!」

ダイヤ「…………えぇ、勿論、それもーー」



ダイヤ「ーー分かっていますわ」パァァァァン



「あ、あれをとった!?」
「……すごいね、ダイヤ」

善子「くっ、まだよ!」ダッ



善子「はぁっ!!」ベシッ



ルビィ「コ、コードボールッ!?」

「これは流石に……」




ダイヤ「『硬度3』」スッ



ーー ポーーーーン ーー




『よしまる 0 - 30 ダイルビ』
159 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:12:58.01 ID:HACOP23BO
ーーーーーー



梨子「すごい、ですね」

梨子「スマッシュに花丸ちゃんの『技』。それに、コードボールまで……予想なんて出来るはずないのに……」



鞠莉「そ、これがダイヤよ♪」



千歌「すごいね……」

梨子「うん……」

鞠莉「んー、でも、それとは別に……」



ーーーーーー
160 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:18:22.83 ID:HACOP23BO



ーー パァァァァン ーー



『よしまる B - A ダイルビ』




善子「っ、また……」

花丸「善子ちゃん、ごめんね……まる……」

善子「……大丈夫よ。最初から分かってたことだし」




善子「ずら丸の『蠱惑の魔眼』が切れることは」




花丸「うん……でも、まるは……」

善子「……………………」

花丸「善子、ちゃん……?」



善子「花丸」

善子「安心しなさい」ニコッ



花丸「……え?」

善子「あんたがここまで頑張ってたんだもんね」



善子「ここからは私がやるわ」


161 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:27:49.38 ID:HACOP23BO
『チェンジサービス』
『サービス ダイヤ』



ダイヤ「いきますわ」ターンターン

ダイヤ「フッーー」スッ



ダイヤ「はっ!!」パァァァァン



善子「っ、やぁ!!」パァァァァン

ダイヤ「…………」スッ




ダイヤ「『硬度0』」

ダイヤ「ふっ」フワッ



ーー トンッ ーー




善子「っ!?」

ダイヤ「効かない、といっているでしょう」

善子「……そうみたいね」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』
162 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:33:14.46 ID:HACOP23BO
ダイヤ「…………」ターンターン

花丸「っ」グッ

ダイヤ「さて、次は最初からーー」スッ




ダイヤ「『硬度8』ですわ!」ターンターン




花丸「え!?」

「まるも『蠱惑の魔眼』が切れているとは言っても……」
「一歩も、動けなかったね……」

善子「っ、まさか……」



ダイヤ「えぇ、その通りですわ」

ダイヤ「花丸さんの動きを見極めて、動けない場所に打った」

ダイヤ「それだけです」ニコリ



『よしまる 0 - 30 ダイルビ』
163 : ◆6cZRMaO/G6 [>>162訂正]:2017/05/21(日) 13:36:35.98 ID:HACOP23BO
ダイヤ「…………」ターンターン

花丸「っ」グッ

ダイヤ「さて、次は最初からーー」スッ




ダイヤ「『硬度8』ですわ!」パァァァァン



ーー パァァァァン ーー




花丸「え!?」

「まるも『蠱惑の魔眼』が切れているとは言っても……」
「一歩も、動けなかったね……」

善子「っ、まさか……」



ダイヤ「えぇ、その通りですわ」

ダイヤ「花丸さんの動きを見極めて、動けない場所に打った」

ダイヤ「それだけです」ニコリ



『よしまる 0 - 30 ダイルビ』
164 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 13:52:15.79 ID:HACOP23BO
ダイヤ「あと二点、ですわね」ターンターン

善子「…………」グッ

ダイヤ「っ」スッ



ダイヤ「『硬度9』!!」

ダイヤ「はあッ!!」パァァァァン



善子「なっ!?」

善子「完全に逆に……っ」グッ



善子「っ」ベシッ


ーー ポーーーーン ーー



「なんとかとった!!」
「よく反応した……けど……」



ダイヤ「甘いですわ!」グッ


ーー ベシィィィィィィン ーー



善子「っ」

「今度は二人とも全然動けなかった……」
「これは……分が悪いね」

花丸「よ、よしこちゃん……ごめんずら……」

善子「…………」フルフル



善子(まだ……まだよ……)

善子(叩くなら、調子に乗ってる次……次で流れを掴む!!)



『よしまる 0 - 40 ダイルビ』
165 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:11:07.91 ID:hob2xv9bO
ダイヤ「……ルビィ、大丈夫?」

ルビィ「ほぇ、あ、ぅん」ホケーッ

ダイヤ「…………すぐ終わらせましょう」ターンターン

ダイヤ「……いきますよ、花丸さん」

花丸「っ」グッ



ダイヤ「『硬度7』」

ダイヤ「はっ!!」パァァァァン



善子「ずら丸!」

花丸「っ」


花丸(まるの『技』はたぶんほとんど使えない)

花丸(使えて1回か2回、かな……)

花丸(だから、今、まるがやらなきゃいけないのはーー)



花丸「っ、ずらっ」ベシッ



「ダイヤさんのサーブを返した!」
「やるね、まる!」

善子「ナイスよ! ずら丸!」ダッ

花丸「おねがい、善子ちゃん!」


ダイヤ「返しましたか」

ダイヤ「ですが!!」グッ



ダイヤ「『硬度9』」

ダイヤ「このゲームはこれで終わりですわ!!」パァァァァン



善子「ずら丸!」

花丸「うんっ」スッ

善子「『黒の羽衣』!」ダッ

善子「これでッ!!」パァァァァン

ダイヤ「もう、それもーー」



ダイヤ「効きませんわ!」ベシィィィィィィン



善子「……っ!?」

善子「そん、な……あっさりと」



ーー パァァァァン ーー



166 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:15:16.66 ID:hob2xv9bO
ーーーーーー



その時。
なんとなく、察してしまった。



もうダメなんだって。



『蠱惑の魔眼』も。
『黒の羽衣』も効かない。

そして、同時に気づいたわ。
私はずっと、ずら丸の力に頼ってきただけなんだって。

なにが、安心しなさい、よ。

ここからは私がやる?
無理に決まってるじゃない。

私は『無力』だ。
だから、この試合はもうーー


167 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:17:39.30 ID:hob2xv9bO




花丸「ずらぁぁぁぁっ!!!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー




善子「…………え?」



ダイヤ「っ、『硬度8』!」

ダイヤ「終わりです!!」ベシィィィィィィン



花丸「っ、まだ、ずら……」ベチッ



善子「ずら丸……?」

善子「なんで?」


168 : ◆6cZRMaO/G6 [saga]:2017/05/21(日) 22:29:02.06 ID:hob2xv9bO
なんで?
なんで必死になって食らいついてるの?
その答えは、ずら丸を見ていたら、分かった。



まだ諦めてないから。



まだどうにかなるって信じてる顔だ。



その根拠は?



どうにもならない。
そう思ってしまった私を信じているから。

………………。


まったく、馬鹿よね。
私の言葉を信じきってて、私がどうにかしてくれるって思ってる。
……どうかしてるわ。


……………………。


そっか。
きっと、さっきのダイヤはこんな気持ちだったのね。
だから、今、あんなに強いのね。

じゃあさ。
ずら丸が信じてくれてるなら、私もあんな風に強くなれるのかしら?




……違う。
違う違う違う違う!



強くなれるのかしら、じゃないわ!

ずら丸があんなに頑張ってるのよ!

体力も限界のくせに!
『技』だって使えないくせに!
それでもあんなに頑張ってる。



なら、私はーーッ!!


169 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:30:31.05 ID:hob2xv9bO
ーーーーーー




善子「今、強くならなきゃなのッ!!』




ーーーーーー ドクンッ ーーーーーー




ーーーーーー
170 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:39:39.22 ID:hob2xv9bO




ーー カンッ ーー




ダイヤ「え……?」




ーー ポーーーーーン ーー




『よしまる 15 - 40 ダイルビ』



ダイヤ「……な、なにが……っ」

「え? い、今のって……?」
「鞠莉の……『技』!」

ルビィ「……『妙技』……?」




善子『…………』

花丸「はっ、はぁ……よしこ、ちゃん……?」

善子『ごめん、花丸』ナデリ

花丸「ひゃぁ!? く、くすぐったいずら///」

善子『今度こそ安心していいわ』

花丸「………………ずら」



ダイヤ「善子さん、貴女……」

善コ『…………これで、追いつけるわ!』

ダイヤ「っ、一体なにを……!?」

ヨシコ『フッ、決まっているでしょう……?』




ヨハネ『ヨハネ、今ここにっ!

ヨハネ『堕天降臨ッ!!』ダテンッ



171 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/21(日) 22:42:18.83 ID:hob2xv9bO
本日はここまで。
途切れ途切れになってしまい申し訳ないです。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/22(月) 11:10:21.15 ID:YRxv/xAAO
善子が無我使うのか!
完全に曜ちゃんか果南だと思ってたわ
173 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 19:34:48.62 ID:UawRt8x/O
可能であれば更新します。
174 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 20:41:50.57 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー



梨子「あれって、鞠莉さんの……?」

千歌「教えたの!?」

鞠莉「NO! 教えてないわ」

梨子「でも、さっきのは確かに」

鞠莉「えぇ、マリーの『妙技・鉄柱当て』だったわ」

梨子「……なにが……?」

千歌「うーん……」



千歌「…………はっ! もしかして!」ゴソゴソ



梨子「千歌ちゃん?」

千歌「あった! これだ!!」

鞠莉「What's?」

梨子「えっと、μ'sのテニス動画……って、これ!」

千歌「そう! 穂乃果さんのこの『技』! 今の善子ちゃんと同じだよ!」

千歌「今の善子ちゃんが使ってるのは、きっとこの『技』なんだよ!」



ーーーーーー
175 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 20:48:26.54 ID:UawRt8x/O



ダイヤ「『無我の境地』ですわね」



ルビィ「むがの?」

花丸「境地ずら?」

ヨハネ『…………』

ダイヤ「えぇ、限界を超えた者のみが使えるという技です」



ダイヤ「身体能力が上がり、更に疲労を一時的ではありますが、感じなくなるほどの集中力」

ダイヤ「そして、今まで見た『技』を使うことが出来るようになる」

ダイヤ「それが『無我の境地』ですわ」



ヨハネ『…………』

ダイヤ「その境地に到達していたとは…………」

ルビィ「……」ゴクリ

花丸「善子ちゃん、すごいずら……」

ヨハネ『……………………』フッ




ヨハネ(これ、そんなすごいの!?)

ヨハネ(確かに、さっきのは無意識だったけど!)

ヨハネ(…………まぁ、いいわ!)

ヨハネ(なんでもいい! 使えるものは使って、勝つんだから!!)
176 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 20:58:08.27 ID:UawRt8x/O

ダイヤ「『無我の境地』……」ターンターン

ダイヤ「脅威ではありますが……」スッ

ヨハネ『来い!』グッ



ダイヤ「はぁっ!!」パァァァァン

ダイヤ「今のわたくしならば!」ダッ



「サーブ&ダッシュ!?」
「普通ならやらないようなプレイを……」

ヨハネ『…………っ』スッ

ダイヤ「まずはこのゲームをいただきーー」



ーー トンッ ーー



ダイヤ「な!?」

ヨハネ『……ふぅ』

ダイヤ「今、なにを!? なぜボールがもう打ち返されてーー」



ヨハネ『フフッ』

ヨハネ『ダメじゃない。ヨハネに気をとられてボールから目を離したら♪』



ダイヤ「っ、花丸さんのーーっ」

花丸「まるの『技』!?」

ヨハネ『そうよ、これこそーー』



ヨハネ『†『蠱惑の魔眼』†』ダテン



『よしまる 30 - 40 ダイルビ』
177 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:05:28.94 ID:UawRt8x/O

ダイヤ「…………」ターンターン



ダイヤ(……なるほど。悔しいですが、強いですね)

ダイヤ(穂乃果さんやにこにーが使っていた『技』ですから当然ですわ)

ダイヤ(…………)

ダイヤ(けれど、これはーー)



ダイヤ「『硬度9』!!」

ダイヤ「はぁっ!!」パァァァァン



花丸「っ」グッ

花丸「ーーえぃっ!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー



「甘い球だ!」
「ダイヤたちのチャンス、だね」

ダイヤ「はぁぁぁーー」グッ



ダイヤ「やぁっ!!」ベシィィィィィィン



ヨハネ『ずら丸っ』グッ

花丸「っ!」スカッ



ーー パァァァァン ーー



ダイヤ「そう。これはダブルスですわ」



『よしまる B - B ダイルビ』
178 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:10:30.97 ID:UawRt8x/O
『チェンジサービス』
『サービス 花丸』



花丸「ずらっ!!」ベチッ



ダイヤ「『硬度8』!」

ダイヤ「はぁぁっ!!」ベシィィィィン



ーー パァァァァン ーー



花丸「う、ぅぅ……」

ヨハネ『切り替えるわよ』

花丸「う、うん!」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』
179 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:15:37.34 ID:UawRt8x/O



ヨハネ『甘いわよ!』パァァァン



ーー ポスッ ーー



ダイヤ「っ!」



ーー シュルルルルルル ーー




ルビィ「ピギィッ、こ、これって!!」

ダイヤ「っ」ダッ



ーー トンッ ーー



ヨハネ『ルビィの『神憑り』……いえ』

ヨハネ『†『堕天使憑り』†』ダテン



花丸「……また勝手に名前つけてる……」ジーッ



『よしまる 15 - 15 ダイルビ』
180 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:19:11.67 ID:UawRt8x/O



ダイヤ「『硬度0』」フワッ



ーー トンッ ーー



ヨハネ『っ、届かないっ!』



『よしまる 15 - 30 ダイルビ』





ヨハネ『『スネイク』よ!!』パァァァァン



ーー グググググッ ーー



ダイヤ「エリーチカの『スネイク』まで!?」



『よしまる 30 - 30 ダイルビ』
181 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:26:52.75 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー



『よしまる 30 - 40 ダイルビ』

『よしまる 40 - 40 ダイルビ』

『よしまる 40 - Ad ダイルビ』

『よしまる 40 - 40 ダイルビ』



ーーーーーー



千歌「き、決まらない……」

梨子「お互い、決め手にかけるって感じかな……」

鞠莉「というよりも、決め手がありすぎるんじゃないかしら? ダイヤも善子もゼーンブ決めちゃうし?」

梨子「確かにそうですね。だから、点差が広がらない……」

千歌「このままだと…………」ゴクリ

梨子「…………」ゴクリ

鞠莉「…………」ゴクリ




千歌「どうなるのー?」ホェー?




梨子「っ、ま、まぁ……そうね……お互い一歩も引いてないし、それに、点数も互角だから……」チラッ

鞠莉「んー?」



鞠莉「体力があるほうがWinner?」



梨子「……そうですね。でも……」

鞠莉「えぇ」フフッ

千歌「?」




鞠莉「二人とも、持久戦で戦おうって目じゃないわね」




ーーーーーー
182 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:35:26.37 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー



ダイヤ「はっ、はあ……」

ヨハネ『はぁ……はぁ……』




ダイヤ(今の善子さんのプレイも分析は出来てはいますわ)

ダイヤ(ただ、今のままでは不十分……)

ダイヤ(μ'sの『技』も使えるのならば、このまま押しきられる可能性は十分にありますが……)

ダイヤ(……………………)

ダイヤ(……ならば、わたくしはーー)




ヨハネ(『無我の境地』、使いこなせてる)

ヨハネ(向こうもまだ完全に対応できてはいないわ)

ヨハネ(でも、このままじゃきっと対応される)

ヨハネ(それに、自分でも分かってる。この技は体力すごい使うから……)

ヨハネ(…………)

ヨハネ(……うん、決めたわ。私はーー)




ダイヤ(ーー『もうひとつ』先へ行きますわ!)

ヨハネ(ーー無理をしてでもね!!)




ーーーーーー
183 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:44:55.11 ID:UawRt8x/O
花丸「…………善子ちゃん」ターンターン

ヨハネ『ヨハネよ!』

花丸「無理はしないでね……」

ヨハネ『………………うん』

花丸「っ」スッ



ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「なんですの、ルビィ?」

ルビィ「えっと、その……無理、しないで……?」

ダイヤ「…………分かっていますわ」スッ




ヨハネ『はぁぁぁっ!!!』パァァァァン




「あれは!?」

ダイヤ「まさか……エリーチカの『高速サーブ』!?」

ヨハネ『当たり!』

ダイヤ「ーーっ」グッ



ーー ミシミシミシッ ーー



ダイヤ「くっ……こ、『硬度10』!」

ダイヤ「はあぁぁっ!!」バァァァァァァァン



ヨハネ『あれを、返した!?』

花丸「善子ちゃん!」

ヨハネ『っ』スッ



ヨハネ『『硬ーー』ズキッ

ヨハネ『っ、『硬度0』!』フワッ



ーー トンッ ーー



「ダイヤの『技』まで……」
「ダイヤさん!」

ダイヤ「くっ、まだ、ですわッ!」ダッ



ダイヤ「『硬度10』!!」

ダイヤ「っ」ズキッ



ダイヤ「はっ!!」パァァァァン


184 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:47:28.57 ID:UawRt8x/O
ルビィ「10をれんぞくでっ!?」



ダイヤ「まだまだですわッ!!」

ヨハネ『っ、こっちも!!』



花丸「っ、善子ちゃん……」

ルビィ「おねえちゃ……」




ダイヤ「はぁっ!!!」ベシィィィィィィン




ヨハネ『食らいなさい!!』バァァァァァァァン



185 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:52:51.36 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー




ーー ズキズキ ーー



痛みが、引きませんわね。
まぁ、『硬度10』を連続で使ってしまいましたから……。

ですが、ここで引いては善子さんの思う壺ですわ!



全てに『硬度10』を使う。



そうすることで、善子さんは『技』を使い続けるしかなくなるはず。

『無我の境地』は諸刃の剣です。
使い続ければ、必ず綻びが生まれますわ。

その時こそーー。



ーーーーーー
186 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 21:57:08.51 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー




ーー ズキズキ ーー



痛みが、引かない。
『技』使い続けてたし。
その上、『硬度10』なんていうパワーショットをずっと返してたらこうもなるわよ。

けど、ここで引いたら負け!



『無我の境地』は止めない!



今のところ、対応できてるのは『硬度10』だけ。

けど、あんなパワーショット使い続けられるわけないわ!
絶対チャンスはある!

その時こそーー。



ーーーーーー
187 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:08:31.79 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー



そう。
二人の予想通り。
チャンスは訪れる。



ーーーーーー




ーー ポーーーーン ーー



ダイヤ「くっ」

「チャンス! 善子ちゃん!」

ヨハネ『だから、ヨハネよっ!』グッ



ヨハネ『終わりよ! 『蠱惑の魔眼』!』スッ

ヨハネ『加えて『動くことーー』




ヨハネ『ーー雷霆の如し』ッ!!!』ベシィィィィィィン




ダイヤ「負けられませんわっ!!」

ダイヤ「まだわたくしはーー」




ダイヤ「『硬度11』ッ!!!」

ダイヤ「はあぁぁぁッ!!!」ググッ




ーー パァァァァン ーー





ーー カランッ ーー


188 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:13:56.00 ID:UawRt8x/O



ダイヤ「はっ、はぁ……」

善子「はぁ……はっ、はぁ……」




ルビィ「……おねえちゃ……」

花丸「善子ちゃん……?」

「ボールは…………?」
「あそこだね」



ーー トンッ ーー



善子「っ」

善子「こっちのコートに……っ」




『よしまる 40 - 40 ダイルビ』



「また振り出し……」

「…………ううん。どうやら、違うみたいだよ」

「……え?」




ーー カランッ ーー




ダイヤ「痛ッーー」ズキズキ

ルビィ「おねえちゃ!!」ダッ



善子「…………」プルプル

花丸「善子ちゃん……?」


189 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:18:19.53 ID:UawRt8x/O
「二人とも、ラケットが……」

「うん。ダイヤはパワーショットの打ちすぎで、善子ちゃんの方は『無我の境地』の副作用かな」

「そ、それじゃあ……?」




ダイヤ「っ、いえ、まだ終わりではありませんわ!」ズキズキ

善子「え、えぇ……そのとおり、よ」フラフラ



ルビィ「…………」

花丸「…………」

ルビィ「はなまるちゃん……」チラッ

花丸「うん、ルビィちゃん」コクリ




ルビィ「あ、あの!!」

花丸「千歌ちゃんにお願いがあるずら!」




千歌「……ほぇ?」


190 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:26:41.80 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー




『よしまる B - B ダイルビ』
『善子・ダイヤ試合続行不可能により』



『無効試合』




ーーーーーー
191 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:34:42.77 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー


ダイヤ「納得いきませんわ……」

善子「同じく……」

千歌「……二人ともしょーかふりょー気味?」



善子「当たり前!」
ダイヤ「当たり前ですわ!」



千歌「わっ、ハモった!」

ダイヤ「これだけやって無効試合? ぶっぶーですわ!!」

善子「そうよ! まだ堕天使ヨハネの本領発揮はこれからだったのに!!」

ダイヤ「まったくですわ! 少し経てばわたくしもまだ戦えたというのに!」




千歌「……でも、二人ともルビィちゃんと花丸ちゃんに怒られたんでしょ?」




ダイよし「「うぐっ……」」

千歌「無理しすぎだって」

ダイヤ「くっ、で、ですが、黒澤家の跡取りともあろう者がーー」



千歌「ルビィちゃん、泣いてましたね」



ダイヤ「」

善子「フッ、堕天使にとって、この程度の負傷など、天界の天使を相手取ったあの大戦と比べたらーー」



千歌「花丸ちゃんも目、潤んでたよね」



善子「」

千歌「あ、二人とも固まっちゃった……」

千歌「うーん。この間に、次の試合の紹介をしちゃおう!」

千歌「さぁ! 次はこの二人だよ!」
192 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:42:08.19 ID:UawRt8x/O
「えっと、鞠莉ちゃんが負けて、今の試合が引き分けだったから……」

「ん? どうしたの?」

「あ、ううん。ただ、この試合で決まらないってこともあるから、そしたらどうなるんだろうなぁ……って思ったんだ」

「……あー、そっか」

「…………その顔は考えてなかったって顔だよね?」

「アハハ、正直ね」

「…………ふーん、そっか」




曜「じゃ、ちゃんと考えなきゃね」ニッ




「うーん?」

「でも、それは曜ちゃんが勝ったらって話でしょ」

「ならーー」




果南「ーー問題ないかな」


193 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:43:06.80 ID:UawRt8x/O
ーーーーーー




シングルス1



渡辺曜 vs 松浦果南



試合開始




ーーーーーー
194 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/05/28(日) 22:44:53.11 ID:UawRt8x/O
今日はここまで。
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 10:53:42.11 ID:wnXFQb9SO
>>181
ばかちかわいい
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/29(月) 19:08:36.93 ID:YXXJlpUVO
果南から感じる魔王感
前のツバサより強そう
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/03(土) 23:36:44.45 ID:NNrNc7aKO
追いついた
あついな!
これってテニプリが元ネタ?
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:37:42.08 ID:NNrNc7aKO
sage忘れたスマヌ
199 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 17:39:43.70 ID:gu5H2h93O
本日更新予定です。
200 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 19:16:09.32 ID:gu5H2h93O
『1セットマッチ』
『サービス 果南』



果南「さ、行くよ、曜ちゃん」ターンターン

曜「……うん!」

果南「まずはーー」スッ



果南「ーーこれ!!」パァァァァン



「強烈なサーブずら!」
「う、ぅん……すごそう……」

曜「……そっか、パワー型って訳だね」

曜「でも!」グッ



曜「はぁっ!!」パァァァン



曜「このくらいなら返せる!」

果南「っ、だよね」ダッ

果南「じゃあ、もう一回!!」




果南「はあっ!」パァァァァン



曜「っ、まだーー」グッ

曜「っ!?」ベチッ



ーー ポーーーーン ーー



「ロブが!」
「果南さん! チャンスですよ!」

果南「うんっ」バッ



果南「やっ!!」ベシィィィィィィン



ーー パァァァァン ーー




曜「っ」

果南「……ふぅ」



『曜 0 - 15 果南』
201 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 19:26:15.00 ID:gu5H2h93O
果南「じゃあ、次いくよ?」ターンターン

曜「……うん」



果南「はぁっ!!」パァァァァン



曜「っ! なっ!?」グッ

曜「パワーが上がってる!」ググッ



曜「くっ!?」ベチッ



「曜、Powerで押し負けてるみたい……」
「果南さん、すごいずらぁ!」

果南「ふっ!」グッ



果南「はっ!!」パァァァァァァン



曜「っ!」グッ

曜「負けないっ!」パァァン

果南「お、粘るね! でも、これならどう?」



果南「はぁぁぁっ!!」バァァァァァァン



「な!? なんてStrokeなの!?」
「よ、ようちゃんっ……」

曜「っ!?」グッ

曜「うっ!」ベチッ



ーー ポーーーーン ーー



曜「し、しまっーー」




果南「やっ!!」ベシィィィィィィン




『曜 0 - 30 果南』
202 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 19:32:10.59 ID:gu5H2h93O
果南「流石、曜ちゃんだね」ターンターン

曜「…………」



曜(流石、なんて……)

曜(こっちは返すので精一杯。正直、あのパワーで攻められるとすこーし厳しいかな)

曜(…………でも)



果南「はぁっ!!」パァァァァン



「またキョーレツな!!」

曜「っ、大丈夫!」

「よ、曜?」

曜「パワーが全てじゃない!」ダッ



曜「ふっ」フワッ



ーー トンッ ーー



「ドロップ、ショット……」
「あの果南さんの球を……曜ちゃん、すごい……」



曜「…………っし!!」

果南「……へぇ」



『曜 15 - 30 果南』
203 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 20:31:59.63 ID:gu5H2h93O
果南「やるね」ターンターン

曜「果南ちゃんほどじゃないよ」

果南「っ」スッ



果南「はっ!!」パァァァン



曜「ふっ」フワッ


ーー トンッ ーー



「連続でドロップショット!?」
「果南さん!」

果南「大丈夫。そんなに心配しないでもーー」ダッ

「読まれてるわ! 曜!」



曜「うん! わかってるよ!」ダッ



果南「! 前に!」

曜「ここなら強打は出来ない!」

果南「フフッ、いいよ!」グッ



果南「はあっ!」パァァァァン



曜「なっ!?」

曜「っ」ベチッ


ーー ポーーーーン ーー



果南「はぁぁぁっ!!」ベシィィィィィィン



ーー パァァァァン ーー



果南「よっ、と……ふぅ」

曜「…………なんで……」

果南「あそこで強打はないと思った?」

曜「……っ」



果南「甘いよ、曜ちゃん」ニコッ



『曜 15 - 40 果南』
204 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 20:39:25.05 ID:gu5H2h93O
ーーーーーー



千歌「果南ちゃん強くない!?」



ダイヤ「それは果南さんですし」

善子「そうよね、果南さんだし?」



千歌「そう言われて、少し納得しちゃう自分がいる……」



ダイヤ「……まぁ、ですが、あの曜さん相手にあっさりと点をとれるのは、恐ろしいですわね」

千歌「うん! それはわたしも思った! 曜ちゃん、すっごい強いはずなのに!」

善子「……相手の出方をうかがってるってのはあるんじゃないかしら?」

ダイヤ「ふむ、確かに。わたくしもそうでしたが、まずは相手のプレイスタイルを見極めることも戦術の内ですわ」

千歌「うーん?」

善子「千歌さん?」

千歌「でも、曜ちゃん、そんなタイプかなぁ?」

ダイヤ「って、そんなことを話している間に、また決まりますわ!」



ーーーーーー
205 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 20:45:44.19 ID:gu5H2h93O




ーー パァァァァン ーー



『曜 0 - @ 果南』



果南「よし! まずはサービスゲームキープ!」

曜「……っ」

果南「さ、次は曜 ちゃん のサーブだよ。はい、ボール」スッ

曜「…………う、うん」モヤッ



曜(…………正直、ここまで強いなんて……)

曜(なんとなく、分かってはいたけどさ)

曜(…………しょうがない)



曜(『アレ』使わないと、だよね)




ーー ブンッ ーー




果南「……?」
206 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 21:24:19.25 ID:gu5H2h93O
『チェンジサービス』
『サービス 曜』



曜「すぅ……」ターンターン

果南「……」スッ

曜「……っ」スッ



曜「やぁっ!!」パァァァン



「速いずら!」

「出たわ! 曜の『クイックサーブ』!」

「そっか、打つタイミングが早いのね。だから、スピードが出てなくても体感としては速く感じるってこと……」

果南「なかなかいいサーブ、だねっ」グッ



果南「はっ!」パァァァン



曜「っ、難なく……まぁ、だよね」

果南「?」

曜「返されると思ってたよっ」ダッ

果南「……もしかして、今のが曜ちゃんの『技』だった?」



曜「一応ねっ」パァァァァン



果南「そっか」スッ

果南「はぁっ!!」パァァァァン



曜「くっ!?」



『曜 0 - 15 果南』
207 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 21:28:54.46 ID:gu5H2h93O
曜「っ、はぁ……ふぅ……」

果南「……っと、曜ちゃん?」

曜「……なに? 果南ちゃん」



果南「千歌から聞いたんだけどさ」



曜「……」ピクッ

果南「…………えぇと」

曜「…………」

果南「…………ううん。いいや、なんでもない」

曜「………………かり」ボソッ

果南「え?」



曜「…………」プイッ



果南「曜 ちゃん ?」
208 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/05(月) 21:30:39.24 ID:gu5H2h93O
今日はここまで。
レス感謝です。
励みになってます。
209 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 19:49:54.81 ID:VPWjuDzOO
曜「……」ターンターン

果南「……ふぅ」



曜「っ!!」パァァァァン



「また出た! 曜ちゃんの『クイックサーブ』!」

果南「またーー」クスッ



果南「ーーそれ?」パァァァン



曜「っ、だよねっ」ダッ

「前に!?」
「ネットに着くのが速いずら!」

果南「なるほどね。そのためのサーブか」

曜「っ、これなら!」スッ



曜「はぁっ!」パァァァァン



果南「いいボレー、だね」ダッ

曜「なっ!?」

「果南さんも前に出たの!?」
「は、はやいっ」



果南「ほっ!」ベシィィン



曜「っ」



『曜 0 - 30 果南』
210 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 19:55:35.90 ID:VPWjuDzOO
曜「……」ターンターン



曜(あれを……返すんだ)

曜(角度もつけて……結構いいボレーだったと思ったんだけど……)

曜(ほんとーー)



曜「やっ!!」パァァァァン




果南「ふっ」フワッ



曜「………………え?」



ーー トンッ ーー



「ど、どろっぷしょっと……」
「さ、さっきの曜ちゃんみたいな……」

曜「っ」

果南「ふふっ、よかったよかった。成功したね」

曜「今のって……」




果南「お返し、だよ」ニカッ




『曜 0 - 40 果南』
211 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 20:09:45.46 ID:VPWjuDzOO
ーーーーーー




善子「つっよ……」ボソッ




千歌「う、うん……」



ダイヤ「曜さんのスピードはかなりのものですわ。『クイックサーブ』。そして、そこから繰り出される多彩なプレイ」

ダイヤ「半端な相手ならば、圧倒できるでしょう」

ダイヤ「……ですが」チラッ



善子「相手が悪いわね」

千歌「スピードは曜ちゃんが勝ってるみたいだけど……」

ダイヤ「打球の重さ、柔軟さ、それに勝負勘。全てが恐ろしいほどに洗練されています」

善子「……あれ、勝てる?」

ダイヤ「………………わたくしでは無理、でしょうね」

善子「……ま、同感。勝ち筋が見えないわ」

善子「圧倒的……あれ、まるでーー」




善子「ーー『魔王』ね」




ーーーーーー
212 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 20:23:14.87 ID:VPWjuDzOO
曜「…………」ターンターン

果南「次はどうやって攻めようかな」

曜「っ」スッ



曜「っ、はぁっ!」パァァァァン



ーー ポスッ ーー



『フォルト』



果南「ん?」

曜「っ」

曜「…………っ」ターンターン



曜「はぁっ!」パァァァァン



「『クイックサーブ』じゃないずら!」
「流石にSecondじゃ攻めきれないわね」

果南「ラッキー、だね」グッ

曜「……っ」



果南「やっ!!」パァァァァン



曜「っ」



曜(なにが、ラッキー……?)

曜(果南ちゃんは私のサーブ簡単に返せるのに?)

曜(っ)

曜(果南ちゃんっ)



「曜ちゃん!」

曜「っ、しまっーー」ベチッ



ーー ポーーーーン ーー



果南「! チャンス!!」グッ



果南「はぁっ!!」ベシィィィィィィン


ーー パァァァァン ーー




『曜0-A果南』
213 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 20:44:20.75 ID:VPWjuDzOO
ーーーーーー



曜「…………ふぅ」



曜(やっぱり強い)

曜(スピードは確かに私が上。だけど、勝てる気がしない……)

曜(……はぁ)

曜(…………って、いやいやいや! 違う違う!)

曜(ここで勝って、引き分けに持ち込む! これが私のやること!)



曜「よーし!」

曜「全速前進っーー」




ーー曜ちゃん。

そんなに落ち込まないでよ。




曜「っ」
214 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 20:50:29.53 ID:VPWjuDzOO


仕方ないって。

ね?
今回はたまたまだからさ。
今度は、きっと勝てるよ。



ーー 曜『ちゃん』 ーー




曜「…………っ」ゾワッ

曜「っ、はっ……」

曜「はぁ……はぁっ……」




曜(だ、め……だ)

曜(勝てる、気がしない……)

曜(記憶っ……昔のこと、思い出してっ……)

曜(やっぱり……私は、また……)




「曜?」




曜「…………え……?」




鞠莉「曜?」

曜「まり、ちゃん……?」



215 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 20:59:48.74 ID:VPWjuDzOO

鞠莉「どうかしましたー?」

曜「っ、あ、あはは……なんでもないよ! ただ、ちょっと息切れしただけでーー」

鞠莉「本当に?」

曜「っ、ほ、ほんとうだって!」

鞠莉「んー?」ジーッ

曜「い、いったい、なんーー」




鞠莉「勝てない、と思った?」




曜「っ、そ、そんなことーー」

鞠莉「ま、果南のPlay見たらその気持ちも分かるけどね」

曜「…………」

鞠莉「ねぇ、曜? ワタシ、チョットは曜のplayを見てるわ。だから、言える」

鞠莉「ちょっとヨーリョーがいいくらいじゃ、勝てないんじゃない?」

曜「っ、鞠莉ちゃんにそんなこと言われーー」




鞠莉「『アレ』使わないの?」



216 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:05:32.94 ID:VPWjuDzOO

曜「なんで、知ってっ!?」

鞠莉「知ってますよ。未完成だってことも」

曜「……そ、そっか。ならさ……」



鞠莉「使えばいいんじゃない?」



曜「え、え? だって!」

鞠莉「言ったでしょ? ヨーリョーいいくらいじゃ勝てないって♪」

曜「…………」

鞠莉「フフッ」



鞠莉「…………あとは曜シダイデース♪」

曜「………………うん」




ーーーーーー
217 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:10:18.47 ID:VPWjuDzOO
『チェンジサービス』
『サービス 果南』



果南「いくよ? 曜 ちゃん 」ターンターン

曜「っ」

果南「ふっ」スッ



果南「はぁぁっ!!」パァァァァン



「ぅゅ……威力、おちてない……」
「ずらぁ……」

曜「……っ」グッ



曜「やっ!」パァァン



「返した、けど……」
「果南さんの力に完全に負けてるね、曜ちゃんのレシーブ」
「あ! また!?」



果南「ふっ」フワッ



ーー トンッ ーー




曜「…………」

「……曜」




『曜 0 - 15 果南』
218 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:15:29.69 ID:VPWjuDzOO
果南「…………」ターンターン

曜「…………」ジーッ




曜(分かってた)

曜(果南ちゃんが強いことくらい)

曜(このままじゃ勝てないことくらいッ!)

曜(分かってるよッ)




ーー パァァァァン ーー



曜「っ!」ダッ




曜(そう)

曜(このままじゃ勝てない。だからーー)





曜「私はっーー」グッ

果南「!」ゾワッ





ーー パァァァァァァン ーー




219 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:20:40.61 ID:VPWjuDzOO
「ずら!?」
「あ、あれ!? ボールは……?」



曜「行け!」



「打ったの!?」
「見えない、打球…………曜!」



果南「…………確かに、速いね。でも……」

果南「ーーーーっ」ジーッ



果南「見えた!!」ダッ



「えぇ!? 見えたって!?」
「曜の高速のショット……果南には見えてるみたいね」

曜「…………」

果南「すごいショットだね。けど、もう捉えたよ!!」グッ




果南「はあっ!!」ブンッ



ーー スカッ ーー




果南「……え?」


220 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:28:09.32 ID:VPWjuDzOO

曜「…………ふぅ」

果南「……今、なにが……? 確かに捉えたはずなのに……?」

曜「…………うん。そうだと思った」

果南「曜ちゃん……?」

曜「っ……果南ちゃんなら、きっと『アレ』も見えるんだろうなって」

曜「でも、返せないよ」

曜「そういうショットだから」

果南「…………曜ちゃん」

曜「……『今度こそ』倒すよ」




曜「『音速弾』」ソニックブリッド

曜「たった今完成した私の『必殺技』で!!」




『曜 15 - 15 果南』
221 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:39:14.18 ID:VPWjuDzOO
ーーーーーー



善子「はっや……」



ダイヤ「『音速弾』」

ダイヤ「見たところ、スライスショットでしょうね」

善子「? 確かに、スライスだとバウンド後に滑るから速くは感じるけど……果南さんが空振るほど速くなるのは変でしょ?」

ダイヤ「えぇ。ですから、そのカラクリは恐らく曜さんのスピードにありますわ!」

ダイヤ「相手の打球に対して、走り込み、その跳ね際……ライジングで返す」

ダイヤ「相手が返球モーションに入る前に打つという点では『クイックサーブ』と似ていますが、こちらは相手の打球に対して走り込みながら打つわけですから、相当難しいはずです」

ダイヤ「その上、曜さんの超人的なスピードがあってこそのーー」



千歌「お、おぉぉぉ……」

ダイヤ「って、千歌さん? こういう解説は千歌さんの仕事ではないですの!」

千歌「う、おぉぉぉぅぅぅ」

善子「千歌さん……?」





千歌「曜ちゃんスゴイ!!!!」バンッ




ダイヤ「ぴぎゃっ!?」

善子「!?!?」
222 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:45:35.69 ID:VPWjuDzOO
千歌「スゴイよ! すごいすごい!!」

千歌「くうぅぅぅ!! かっこいい!」

千歌「なにあれ!! チカも打ちたい!!」

千歌「うぉぉぉ!!!」



善子「な、なに、これ……?」

ダイヤ「お、恐らくですが、なにかが千歌さんの琴線に触れたのかと」



千歌「だって!」バンッ



ダイヤ「ぴぎゃっ!?」ビクッ

千歌「すごいじゃん!!」

善子「だ、だから、なにがよ?」

千歌「だから! 果南ちゃんに勝てるかもしれないんだよ!!」

善子「ま、まぁ、確かに果南さん強いから、興奮するのもーー」



千歌「そうじゃなくて!!」バンッ



ダイヤ「ぴぎゃっ!?」ビクッ

善子「っ!?」ビクッ

千歌「だって、だよ!!」




千歌「曜ちゃん、初めて勝てるかもしれないんだよ! 果南ちゃんに!」




善子「……え? それってどういうーー?」




ーーーーーー
223 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:48:26.85 ID:VPWjuDzOO
ーーーーーー



果南「……返せない打球かぁ」

果南「確かに、スゴイね」

果南「目では追えても、スイングが追いつかない」

果南「うーん? どうしようかなん?」

果南「……フフッ、なんてね」




果南「……さて、面白くなってきた」フフッ




ーーーーーー
224 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/08(木) 21:49:21.90 ID:VPWjuDzOO
本日はここまで。
毎回短くて申し訳ないです。
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 22:40:00.87 ID:4RKG6UUiO
果南さんがまだひとつもテニヌしてなくて不穏
226 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 16:30:53.79 ID:ef3JhLvAO
本日更新予定。
227 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 16:57:51.35 ID:ef3JhLvAO



曜「『音速弾』ッ!!」パァァァァン



果南「っ」ブンッ


ーー スカッ ーー



曜「っし!!」



『曜 30 - 15 果南』
228 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:01:22.59 ID:ef3JhLvAO
果南「うーん、流石に速いね」

果南「いい『技』だね、曜ちゃん」

曜「っ、また……」

果南「?」

曜「…………果南ちゃん、余裕そうだね」

果南「んー? そうでもないよ。どうやったら返せるかなって必死になって考えてるからさ」

曜「……どうやったら返せるか、か」

果南「……曜ちゃん?」



曜「返させないよ」

果南「………………そっか」


229 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:04:49.33 ID:ef3JhLvAO
果南「さ、次行くよ」ターンターン

曜「…………」スッ



果南「はっ!!」パァァァァン



曜「行くよ!」ダッ

「曜ちゃん、前に!?」
「仕掛ける気ね!」



曜「『音速弾』!!」パァァァァン



果南「レシーブで!?」

果南「っ!」ダッ



果南「やあっ!!」ブンッ


ーー スカッ ーー



曜「よしっ!!」グッ

果南「うーん、参ったなぁ」



『曜 40 - 15 果南』
230 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:13:39.24 ID:ef3JhLvAO
果南「……フフッ」ターンターン

曜「……なに?」

果南「いや、曜ちゃん、強くなったなぁって思ってね」スッ

曜「な、なんで今ーー」



果南「ふっ!!」シャァァァ



曜「!」

「スライスサーブ!?」



曜「っ、やっ!」パァァァァン



「あ、あれ? 『音速弾』は?」
「さっきみたいに、レシーブで『音速弾』を使わないの?」
「…………ううん。使えない、みたい」



果南「やっぱりね!」シャァァァ



曜「またっ!」

果南「……スライスショットには『音速弾』使えない? そんなところかな?」

曜「そんなことっ!」

果南「まだ未完成……いや、完成したばっかりみたいだし。仕方ないって」



曜「っ! な、なめないで!!」グッ

曜「『音速弾』!!」パァァァァン



ーー ポスッ ーー



曜「なっ!?」

果南「……あーあ、無理するから」



果南「焦っちゃダメだよ、曜ちゃん?」ニコリ



『曜 40 - 30 果南』
231 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:26:05.36 ID:ef3JhLvAO
果南「『音速弾』自体がスライス回転のショットなら、同じスライス回転のショットをぶつければいい」ターンターン

果南「走り込みながらのライジングだったら、元々タイミングがシビアだしね」スッ

曜「……果南、ちゃん」




果南「こんな風に!」シャァァァ



曜「また、スライス……っ」

曜「やっ!」パァァァァン

「せっかくの必殺技なのに……ぅゅ」
「……曜」



曜(さすがは果南ちゃんだ……)

曜(せっかく完成させた技をこんなに早く……)

曜(…………)

曜(でも、『音速弾』に意識が行ってる今ならっ!)

曜(次、返ってきたら、ドロップショットをーー)




果南「…………ふっ」フワッ



曜「……………………え?」



ーー トンッ ーー




『曜 40 - 40 果南』
232 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:29:23.48 ID:ef3JhLvAO
曜「デュース……追いつかれ……」



果南「ねぇ、曜ちゃん」



曜「っ」ビクッ

果南「確かに『音速弾』は強いよ」

果南「流石に私も返せない」



果南「けど、それ以前に打てなきゃ意味ないよね」ニコリ

曜「うっ」ゾワッ


233 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:35:24.59 ID:ef3JhLvAO
ーーーーーー



ダイヤ「千歌さん、さっきの話ですが……」

千歌「え?」

ダイヤ「曜さんが初めて果南さんに勝てるかもと言っていたではないですか」

千歌「あ、あー。はい」

善子「あれってどういうことなの?」

千歌「えっとね……?」

千歌「わたしと果南ちゃんと曜ちゃんが幼馴染なのは知ってますよね?」

ダイヤ「えぇ」

千歌「……勝ったことないんです」

ダイヤ「はい?」




千歌「曜ちゃんは果南ちゃんに一回も勝ったことないんですよ」




ーーーーーー
234 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:42:27.07 ID:ef3JhLvAO
ーーーーーー



昔からそうだった。

なんでもできる果南ちゃん。
本当はそうでもないけど、なんでもできるって思われてた私。



本物のヒーローと紛い物のヒーロー。



果南ちゃんと私は、昔からそんな関係だったんだと思う。
勿論、果南ちゃんはそんなつもりはない。
それは私だって分かってる。

けど、私はどこかでずっとそれを感じてた。

幼稚園の頃の鬼ごっこやかくれんぼ。
小学校の頃のサッカーや野球対決。
中学校の水泳。

私は果南ちゃんにひとつも勝てたことはなかった。
ひとつも、一度だってない。
235 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:49:10.38 ID:ef3JhLvAO
昔の私は負ける度に、悔しがってたんだ。
なんで勝てないのって。

そして、そんな私を果南ちゃんはいつも慰めてくれた。




「曜ちゃん、そんなに落ち込まないでよ」

「仕方ないって」

「ね? 今回はたまたまだからさ」

「今度は、きっと勝てるよ」



「曜『ちゃん』」



そう言ってくれた。

………………。



同じ幼馴染の千歌ちゃんは呼び捨てで、私のことは『ちゃん』付け。



それは私を慰めるためで。
『ちゃん』がとれることは今の今までなかった。
つまり、それは私が1度も果南ちゃんに勝てなかったって証拠なわけで。




私はそう呼ばれることが、嫌だった。

本当に嫌だったんだよ。




ーーーーーー
236 : ◆6cZRMaO/G6 :2017/06/11(日) 17:52:00.77 ID:ef3JhLvAO




曜「はぁぁぁっ!!!」パァァァァン



ーー ポスッ ーー




『曜 40 - Ad 果南』



曜「はぁっ……はっ……」

果南「大丈夫? 曜ちゃん?」

曜「っ、だいじょうぶ、だよ」モヤッ

果南「……そっか。なら、いいんだけど」
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