フレンズは繁栄しました【人退×けもフレ】

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 20:42:18.28 ID:NuVh1VUW0
けもフレ人気に便乗しようとしたゴミ作品
ゴミと混ぜたらゴミになるに決まってる
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 21:04:41.72 ID:W++n1NVwo
>>75
おつ
専ブラなら1のレスだけ抜粋して読めるからね
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/16(木) 22:09:02.59 ID:yUR+NsNV0
>>75
乙。取り敢えず屑ライバーと自治荒らしを誹謗中傷し尽くして運営にアク禁指定させてから改めて立てた方がよさそうな気がする。ハッピーたそ〜()やネトウヨあのさぁの事もあるからここでは徹底した方がいい
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 22:28:01.53 ID:TzzW/JbMO
わたしちゃん()
ゴミ作品とクロスすんのやめてね
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2017/03/16(木) 22:47:41.61 ID:l2M6VKvFo
>>75
乙ー次回を楽しみにしてる
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 22:54:40.95 ID:yQ1iuJxq0
けものフレンズは案外好かれてないのね
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 00:53:10.52 ID:t+bpqYqxo
>>1
けもフレアンチ乙
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 01:43:00.40 ID:PbQhsF720
ラブライバーがついにラブライブ以外のを潰しにかかったか
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 01:46:48.86 ID:rHsCdvw6O
>>1最低だな
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 01:49:08.50 ID:PtIyJb0Fo
他作品に寛容でない奴はフレンズではない
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 02:00:24.17 ID:Cm9RFdq4o
O$でNGIDすれば一発なのか
また一つ賢くなった

人退好きだからSS嬉しい乙
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 02:03:19.90 ID:XY2JPhnA0
けものフレンズ好きだけどけもフレの良いところがほとんど残ってないからこのssは嫌い
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 04:14:23.65 ID:AMCqsKn4O
ラブライバーならそうだと分かるような荒らし方しないだろ
ラブライバーに見せかけた対立煽り厨の犯行
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 04:15:27.16 ID:vG+oNPzZO
面白い
人退の雰囲気しっかり出てるわ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 05:15:34.26 ID:ATbRwTNb0
感想を見て人退厨がけものフレンズを出汁にしてるって事はわかった
117 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/17(金) 12:30:34.50 ID:/oYud+ya0
 どうもこのジャパリパークは、動物が変化した存在、『フレンズ』たちが暮らしている場所だというのです。『フレンズ』はサンドスターという物質によって生み出され、またセルリアン、という天敵もいるとか。

 カバさんいわく、セルリアンを見た時はすぐに逃げることが一番良いそう。まあこっちは大した武器もありませんのでそうせざるを得ませんが。

「とりあえず、新入りの子に言うべきことはこれくらいかしらねぇ」

「ありがとうございます、何から何まで」

 カバさんはわたしのことを新しく生まれたフレンズだと思っているようです。

「いいのよ。あ、そうだ。あなたは自分が何のフレンズがわかっているのよねぇ?」

「え? まあ、はい」

「もしよかったら、かばんにそれを教えてあげてくれないかしら?」

 かばんさん。わたしと同じ特徴を持つ、つまりはわたしと同種の方。どうやら記憶喪失となり、自分の正体を探るべく図書館とやらに向かっているとか。

「はい。途中でお会いすれば」

「よろしくね。サーバルが道案内しているんだけれど、サーバルだものねぇ。私、不安で不安で」
118 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/17(金) 12:31:48.41 ID:/oYud+ya0
 よっぽど心配されるような方なんでしょうか、サーバルさん。

 しかし、ひとまず今後の方針が決まりました。かばんさんという人を回収しつつ外部に救助を求める。むちゃくちゃな気がしますが、一度月面や都市遺跡で遭難しますと、地球上だというだけで何とかなる気がしてしまいます。

「いーい? セルリアンにあったらかならず逃げるのよぉー」

「はーい」

 カバさんに別れを告げ、

「あなた弱そうだから、寝るときは木の上でねぇー」

「はーい……」

 えー、カバさんに別れを告げ、

「こまめに休憩するのよぉー」

「……はーいっ!!」

 里の世話焼きご婦人のような方でした。とても助かりましたが。

 わたしの姿が見えなくなるまでいろいろとおっしゃってくれたカバさんとお別れし、わたしは図書館への道を歩き始めました。

「……そういえば、妖精さんの姿を見ませんね」

 ふと気になりました。これだけ大規模な童話災害ともなれば、妖精さんはそれこそ溢れるほど存在しているはずなのに……。

 わたしはポシェットを漁ります。クッキーやビスケットの類は水を通さない保存紙で包んでいたおかげで無事です。金平糖やキャラメルの類も大丈夫。
119 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/17(金) 12:32:39.76 ID:/oYud+ya0
 わたしは金平糖の瓶をふたを開けて地面に置きました。

「妖精さーん」

 しかし、彼らは現れません。

「……ここの妖精さんは、シャイな方たちなんでしょうか」

 初心に戻って物陰に隠れこっそり瓶の様子を見守ります。しかし、妖精さんは一人として姿を見せませんでした。

「……妖精さんが、いない?」

 そんなはずはありません。彼らなしでは『フレンズ』という存在の説明がつかないからです。

 しかし待てど暮らせど、妖精さんは現れなかったのでした。

120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 12:35:18.22 ID:8Bkozjrpo
乙次回楽しみにしてるよ
普通に楽しいわこの雰囲気いいぞ


あと間抜けは無視してどうぞ
121 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/17(金) 12:36:37.24 ID:/oYud+ya0
 翌朝。

「……野宿の準備をしてくるべきでした」

 普段ベットを使っているわたしは、硬い地面のせいで痛む節々をほぐしながら起き上がりました。

 カバさんには申し訳ありませんが、木の上で眠るなどという芸当はできません。大人しく火を焚いて地面で一晩を明かしたのです。

 朝食代わりにクッキーを食べ、カバさんからいただいた水を飲みます。

 食事を終えしばらく歩きますと、

「……人工物ですよねぇ、これ」

 金属製のゲートがありました。テーマパークなんかによくありそうな門です。
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 12:37:57.94 ID:8Bkozjrpo
投下始まってたの気がつかなかった俺が間抜けだった
すみません
123 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/17(金) 12:38:27.67 ID:/oYud+ya0
 そばによってみますと、それほど腐食も進んでいません。

「比較的最近の施設なんでしょうか?」

 少し歩いた森の中には、この施設の地図と紙のパンフレットが残されていました。

 それらも原形をよくとどめています。パンフレットの劣化もほとんどありませんでした。

 都市遺跡などはほとんど植物に覆われてしまっていて、今ではその原型をとどめていません。

 たまにごく一部が妖精さんたちによって元の状態をとどめていることがありますが、彼らがいないここではそんなことは起こりえないはずなのです。

「あるとすれば、今でも誰かが保守管理を行っている、という事でしょうけど……」

 ジャングルの中の小道を進みながらぶつぶつとつぶやきます。この際、サバンナの隣に熱帯雨林があることは気にしません。

 ここにもフレンズたちが大勢いらっしゃりましたが、彼女たちを見ていると、一つのことがわかりました。

 わたしは最初、『動物の格好をした人間』だと思っていたんです。しかし実際の彼女たちは、『人間の格好をした動物』といった方がいいでしょう。

 この差は大きいです。『サンドスターによって動物がフレンズになった』というカバさんのお話を強く裏付けることになりますし。

 しかし、いかんせんヒントが少なすぎます。思考はすぐに袋小路に陥ってしまいました。

「……ま、考えても仕方ないですね」

 謎が謎を呼んでいる気がしますが、今大事なのはかばんさんの救出と里への帰還。ひとまずその辺もろもろの不思議は置いておきましょう。

124 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/17(金) 12:39:27.89 ID:/oYud+ya0
 と、気を取り直した矢先、

「……川」

 茶色く濁った急流がわたしの行く手を阻んでいたのでした。
125 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/17(金) 12:40:58.01 ID:/oYud+ya0
閲覧頂きありがとうございます!
ひとまず本日はここまでです。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 13:31:23.65 ID:+b4OK8ut0
乙!
フレンズ達との微笑ましいやりとりが楽しみだぜ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 15:52:07.10 ID:lp5x3SIy0

どっちも好きだからたのしみ
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 16:04:00.29 ID:EQ4306mGo
このSSは妖精さんはあまり出てきそうにないな
妖精さんにかしずかれていないわたしちゃんなんて、足の無いジオングみたいなもんじゃん
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 16:33:34.68 ID:cucKRg4so
それ割と動けるじゃねーか!
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:23:10.52 ID:n0efW+gDO
 わたしは助手さんを連れて件の無人島に最寄りの里まで赴きました。まずはそこで情報収集です。事前情報のない冒険など死にに行くことと同義ですから。

「姐さん、集まった情報なんですが……」

 月に行ってから妙に饒舌になった助手さんが、メモ片手に報告してくれます。

「どうも昔、あの島は『サファリパーク』と呼ばれる観光施設だったそうです」

「ああ、あの動物園の進化版みたいなやつですか?」

 人類が繁栄を享受していたころ、世界中に生息する珍しい動植物を集め、鑑賞目的に展示するという施設が人気を博していたと歴史書は記しています。衰退するにしたがってそういった娯楽施設は真っ先に閉鎖されており、現在地球上のどこにも存在していません。

 サファリパークというのは動物園よりもより野生に近い状態で動物たちを飼育する施設だったといわれています。
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:23:18.27 ID:647ovHzhO
 Yによると、仕事熱心なその調停官さんは未確認集落へ出かけたっきり音信不通となり、すでに1か月が経過したというのです。ここに至って国連はその調停官が不測の事故により遭難したと認定、救助隊を派遣することを決定したのだそう。

「……で、なんでそれがうちに?」

「あんた、1人で月行ったり何やかんやしたりしてるだろ? 例の無人島ってのがなんかいわくつきらしくて冒険になれたあんたを先遣隊として派遣しようってなったってさ」

「わたしの仕事は冒険家でも救助隊でもないんですけど!」

「悪目立ちしたあんたが悪い」

 Yが無情にも突き放します。ああ、なぜでしょう。安全な後方任務……、ではなく今日日珍しいホワイトカラーの閑職に就いたというのにこの仕打ちは……。

「ほら、人命かかってるんだから早く行きなよ」

「うう……」

 Yのあんまりにもっともな言葉に、わたしは素直に要請を承諾せざるを得なかったのでした。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:23:25.45 ID:7cq2QtMaO
「人間?」

「……住民でない、という意味です」

「あら、さばんなちほーの外からいらしたの?」

「いえ、そのジャパリパークの外です」

 そういうと、カバさんの目が点になりました。

「……パークの外?」

 まるで今までの自分を見ているかのようです。つまり、『相手が何を言っているのか全く分からない』といった顔。

「……やってしまいました」

 わたしは思わずつぶやきます。とんでもないところに来てしまった予感がしました。

「大丈夫かしら、あなた」

「ええはい、大丈夫です」

「ううん……、あなた、私と同じカバではありませんわよね? 尻尾もない、羽もない・・・・・・。以前お会いしたかばんさんのような方ですわねぇ」

「……私と同じような方がいらしたんですか?」

 カバさんの言葉が引っ掛かりました。

 彼女の発言から察するに、私と同じ、つまり、動物の格好をしていない人がいたという事でしょう。

「ええ。あなたのように特に特徴もない方でしたわ。自分の縄張りも何のフレンズかもわからないという事だったのでサーバルが図書館に連れていったのですの」

「……その、かばんさん? は他になにかおっしゃってましたか?」

「うーん。セルリアンやサンドスターのこともよく知らない子でしたし、あなたと同じで今年生まれた子かもしれないわねぇ」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:23:32.81 ID:dIKqJwnRO
 どうもこのジャパリパークは、動物が変化した存在、『フレンズ』たちが暮らしている場所だというのです。『フレンズ』はサンドスターという物質によって生み出され、またセルリアン、という天敵もいるとか。

 カバさんいわく、セルリアンを見た時はすぐに逃げることが一番良いそう。まあこっちは大した武器もありませんのでそうせざるを得ませんが。

「とりあえず、新入りの子に言うべきことはこれくらいかしらねぇ」

「ありがとうございます、何から何まで」

 カバさんはわたしのことを新しく生まれたフレンズだと思っているようです。

「いいのよ。あ、そうだ。あなたは自分が何のフレンズがわかっているのよねぇ?」

「え? まあ、はい」

「もしよかったら、かばんにそれを教えてあげてくれないかしら?」

 かばんさん。わたしと同じ特徴を持つ、つまりはわたしと同種の方。どうやら記憶喪失となり、自分の正体を探るべく図書館とやらに向かっているとか。

「はい。途中でお会いすれば」

「よろしくね。サーバルが道案内しているんだけれど、サーバルだものねぇ。私、不安で不安で」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:23:40.13 ID:HC/6qjuWO
 よっぽど心配されるような方なんでしょうか、サーバルさん。

 しかし、ひとまず今後の方針が決まりました。かばんさんという人を回収しつつ外部に救助を求める。むちゃくちゃな気がしますが、一度月面や都市遺跡で遭難しますと、地球上だというだけで何とかなる気がしてしまいます。

「いーい? セルリアンにあったらかならず逃げるのよぉー」

「はーい」

 カバさんに別れを告げ、

「あなた弱そうだから、寝るときは木の上でねぇー」

「はーい……」

 えー、カバさんに別れを告げ、

「こまめに休憩するのよぉー」

「……はーいっ!!」

 里の世話焼きご婦人のような方でした。とても助かりましたが。

 わたしの姿が見えなくなるまでいろいろとおっしゃってくれたカバさんとお別れし、わたしは図書館への道を歩き始めました。

「……そういえば、妖精さんの姿を見ませんね」

 ふと気になりました。これだけ大規模な童話災害ともなれば、妖精さんはそれこそ溢れるほど存在しているはずなのに……。

 わたしはポシェットを漁ります。クッキーやビスケットの類は水を通さない保存紙で包んでいたおかげで無事です。金平糖やキャラメルの類も大丈夫。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:23:49.08 ID:72dZEXxYO
 わたしは助手さんを連れて件の無人島に最寄りの里まで赴きました。まずはそこで情報収集です。事前情報のない冒険など死にに行くことと同義ですから。

「姐さん、集まった情報なんですが……」

 月に行ってから妙に饒舌になった助手さんが、メモ片手に報告してくれます。

「どうも昔、あの島は『サファリパーク』と呼ばれる観光施設だったそうです」

「ああ、あの動物園の進化版みたいなやつですか?」

 人類が繁栄を享受していたころ、世界中に生息する珍しい動植物を集め、鑑賞目的に展示するという施設が人気を博していたと歴史書は記しています。衰退するにしたがってそういった娯楽施設は真っ先に閉鎖されており、現在地球上のどこにも存在していません。

 サファリパークというのは動物園よりもより野生に近い状態で動物たちを飼育する施設だったといわれています。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:23:55.74 ID:RU0pxp0HO
 Yによると、仕事熱心なその調停官さんは未確認集落へ出かけたっきり音信不通となり、すでに1か月が経過したというのです。ここに至って国連はその調停官が不測の事故により遭難したと認定、救助隊を派遣することを決定したのだそう。

「……で、なんでそれがうちに?」

「あんた、1人で月行ったり何やかんやしたりしてるだろ? 例の無人島ってのがなんかいわくつきらしくて冒険になれたあんたを先遣隊として派遣しようってなったってさ」

「わたしの仕事は冒険家でも救助隊でもないんですけど!」

「悪目立ちしたあんたが悪い」

 Yが無情にも突き放します。ああ、なぜでしょう。安全な後方任務……、ではなく今日日珍しいホワイトカラーの閑職に就いたというのにこの仕打ちは……。

「ほら、人命かかってるんだから早く行きなよ」

「うう……」

 Yのあんまりにもっともな言葉に、わたしは素直に要請を承諾せざるを得なかったのでした。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:02.54 ID:L27/3gAFO
「人間?」

「……住民でない、という意味です」

「あら、さばんなちほーの外からいらしたの?」

「いえ、そのジャパリパークの外です」

 そういうと、カバさんの目が点になりました。

「……パークの外?」

 まるで今までの自分を見ているかのようです。つまり、『相手が何を言っているのか全く分からない』といった顔。

「……やってしまいました」

 わたしは思わずつぶやきます。とんでもないところに来てしまった予感がしました。

「大丈夫かしら、あなた」

「ええはい、大丈夫です」

「ううん……、あなた、私と同じカバではありませんわよね? 尻尾もない、羽もない・・・・・・。以前お会いしたかばんさんのような方ですわねぇ」

「……私と同じような方がいらしたんですか?」

 カバさんの言葉が引っ掛かりました。

 彼女の発言から察するに、私と同じ、つまり、動物の格好をしていない人がいたという事でしょう。

「ええ。あなたのように特に特徴もない方でしたわ。自分の縄張りも何のフレンズかもわからないという事だったのでサーバルが図書館に連れていったのですの」

「……その、かばんさん? は他になにかおっしゃってましたか?」

「うーん。セルリアンやサンドスターのこともよく知らない子でしたし、あなたと同じで今年生まれた子かもしれないわねぇ」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:10.21 ID:tsq1XJGBO
 どうもこのジャパリパークは、動物が変化した存在、『フレンズ』たちが暮らしている場所だというのです。『フレンズ』はサンドスターという物質によって生み出され、またセルリアン、という天敵もいるとか。

 カバさんいわく、セルリアンを見た時はすぐに逃げることが一番良いそう。まあこっちは大した武器もありませんのでそうせざるを得ませんが。

「とりあえず、新入りの子に言うべきことはこれくらいかしらねぇ」

「ありがとうございます、何から何まで」

 カバさんはわたしのことを新しく生まれたフレンズだと思っているようです。

「いいのよ。あ、そうだ。あなたは自分が何のフレンズがわかっているのよねぇ?」

「え? まあ、はい」

「もしよかったら、かばんにそれを教えてあげてくれないかしら?」

 かばんさん。わたしと同じ特徴を持つ、つまりはわたしと同種の方。どうやら記憶喪失となり、自分の正体を探るべく図書館とやらに向かっているとか。

「はい。途中でお会いすれば」

「よろしくね。サーバルが道案内しているんだけれど、サーバルだものねぇ。私、不安で不安で」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:18.01 ID:gju/6JZcO
 よっぽど心配されるような方なんでしょうか、サーバルさん。

 しかし、ひとまず今後の方針が決まりました。かばんさんという人を回収しつつ外部に救助を求める。むちゃくちゃな気がしますが、一度月面や都市遺跡で遭難しますと、地球上だというだけで何とかなる気がしてしまいます。

「いーい? セルリアンにあったらかならず逃げるのよぉー」

「はーい」

 カバさんに別れを告げ、

「あなた弱そうだから、寝るときは木の上でねぇー」

「はーい……」

 えー、カバさんに別れを告げ、

「こまめに休憩するのよぉー」

「……はーいっ!!」

 里の世話焼きご婦人のような方でした。とても助かりましたが。

 わたしの姿が見えなくなるまでいろいろとおっしゃってくれたカバさんとお別れし、わたしは図書館への道を歩き始めました。

「……そういえば、妖精さんの姿を見ませんね」

 ふと気になりました。これだけ大規模な童話災害ともなれば、妖精さんはそれこそ溢れるほど存在しているはずなのに……。

 わたしはポシェットを漁ります。クッキーやビスケットの類は水を通さない保存紙で包んでいたおかげで無事です。金平糖やキャラメルの類も大丈夫。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:26.54 ID:eL+Z8jf5O
 わたしは助手さんを連れて件の無人島に最寄りの里まで赴きました。まずはそこで情報収集です。事前情報のない冒険など死にに行くことと同義ですから。

「姐さん、集まった情報なんですが……」

 月に行ってから妙に饒舌になった助手さんが、メモ片手に報告してくれます。

「どうも昔、あの島は『サファリパーク』と呼ばれる観光施設だったそうです」

「ああ、あの動物園の進化版みたいなやつですか?」

 人類が繁栄を享受していたころ、世界中に生息する珍しい動植物を集め、鑑賞目的に展示するという施設が人気を博していたと歴史書は記しています。衰退するにしたがってそういった娯楽施設は真っ先に閉鎖されており、現在地球上のどこにも存在していません。

 サファリパークというのは動物園よりもより野生に近い状態で動物たちを飼育する施設だったといわれています。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:33.25 ID:NvVCUEZqO
 Yによると、仕事熱心なその調停官さんは未確認集落へ出かけたっきり音信不通となり、すでに1か月が経過したというのです。ここに至って国連はその調停官が不測の事故により遭難したと認定、救助隊を派遣することを決定したのだそう。

「……で、なんでそれがうちに?」

「あんた、1人で月行ったり何やかんやしたりしてるだろ? 例の無人島ってのがなんかいわくつきらしくて冒険になれたあんたを先遣隊として派遣しようってなったってさ」

「わたしの仕事は冒険家でも救助隊でもないんですけど!」

「悪目立ちしたあんたが悪い」

 Yが無情にも突き放します。ああ、なぜでしょう。安全な後方任務……、ではなく今日日珍しいホワイトカラーの閑職に就いたというのにこの仕打ちは……。

「ほら、人命かかってるんだから早く行きなよ」

「うう……」

 Yのあんまりにもっともな言葉に、わたしは素直に要請を承諾せざるを得なかったのでした。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:40.14 ID:vTS3sWmXO
「人間?」

「……住民でない、という意味です」

「あら、さばんなちほーの外からいらしたの?」

「いえ、そのジャパリパークの外です」

 そういうと、カバさんの目が点になりました。

「……パークの外?」

 まるで今までの自分を見ているかのようです。つまり、『相手が何を言っているのか全く分からない』といった顔。

「……やってしまいました」

 わたしは思わずつぶやきます。とんでもないところに来てしまった予感がしました。

「大丈夫かしら、あなた」

「ええはい、大丈夫です」

「ううん……、あなた、私と同じカバではありませんわよね? 尻尾もない、羽もない・・・・・・。以前お会いしたかばんさんのような方ですわねぇ」

「……私と同じような方がいらしたんですか?」

 カバさんの言葉が引っ掛かりました。

 彼女の発言から察するに、私と同じ、つまり、動物の格好をしていない人がいたという事でしょう。

「ええ。あなたのように特に特徴もない方でしたわ。自分の縄張りも何のフレンズかもわからないという事だったのでサーバルが図書館に連れていったのですの」

「……その、かばんさん? は他になにかおっしゃってましたか?」

「うーん。セルリアンやサンドスターのこともよく知らない子でしたし、あなたと同じで今年生まれた子かもしれないわねぇ」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:47.66 ID:x9Z2h1MdO
 どうもこのジャパリパークは、動物が変化した存在、『フレンズ』たちが暮らしている場所だというのです。『フレンズ』はサンドスターという物質によって生み出され、またセルリアン、という天敵もいるとか。

 カバさんいわく、セルリアンを見た時はすぐに逃げることが一番良いそう。まあこっちは大した武器もありませんのでそうせざるを得ませんが。

「とりあえず、新入りの子に言うべきことはこれくらいかしらねぇ」

「ありがとうございます、何から何まで」

 カバさんはわたしのことを新しく生まれたフレンズだと思っているようです。

「いいのよ。あ、そうだ。あなたは自分が何のフレンズがわかっているのよねぇ?」

「え? まあ、はい」

「もしよかったら、かばんにそれを教えてあげてくれないかしら?」

 かばんさん。わたしと同じ特徴を持つ、つまりはわたしと同種の方。どうやら記憶喪失となり、自分の正体を探るべく図書館とやらに向かっているとか。

「はい。途中でお会いすれば」

「よろしくね。サーバルが道案内しているんだけれど、サーバルだものねぇ。私、不安で不安で」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:24:54.91 ID:D3kR3CXmO
 よっぽど心配されるような方なんでしょうか、サーバルさん。

 しかし、ひとまず今後の方針が決まりました。かばんさんという人を回収しつつ外部に救助を求める。むちゃくちゃな気がしますが、一度月面や都市遺跡で遭難しますと、地球上だというだけで何とかなる気がしてしまいます。

「いーい? セルリアンにあったらかならず逃げるのよぉー」

「はーい」

 カバさんに別れを告げ、

「あなた弱そうだから、寝るときは木の上でねぇー」

「はーい……」

 えー、カバさんに別れを告げ、

「こまめに休憩するのよぉー」

「……はーいっ!!」

 里の世話焼きご婦人のような方でした。とても助かりましたが。

 わたしの姿が見えなくなるまでいろいろとおっしゃってくれたカバさんとお別れし、わたしは図書館への道を歩き始めました。

「……そういえば、妖精さんの姿を見ませんね」

 ふと気になりました。これだけ大規模な童話災害ともなれば、妖精さんはそれこそ溢れるほど存在しているはずなのに……。

 わたしはポシェットを漁ります。クッキーやビスケットの類は水を通さない保存紙で包んでいたおかげで無事です。金平糖やキャラメルの類も大丈夫。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:01.38 ID:cAtbp0hEO
 わたしは助手さんを連れて件の無人島に最寄りの里まで赴きました。まずはそこで情報収集です。事前情報のない冒険など死にに行くことと同義ですから。

「姐さん、集まった情報なんですが……」

 月に行ってから妙に饒舌になった助手さんが、メモ片手に報告してくれます。

「どうも昔、あの島は『サファリパーク』と呼ばれる観光施設だったそうです」

「ああ、あの動物園の進化版みたいなやつですか?」

 人類が繁栄を享受していたころ、世界中に生息する珍しい動植物を集め、鑑賞目的に展示するという施設が人気を博していたと歴史書は記しています。衰退するにしたがってそういった娯楽施設は真っ先に閉鎖されており、現在地球上のどこにも存在していません。

 サファリパークというのは動物園よりもより野生に近い状態で動物たちを飼育する施設だったといわれています。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:08.96 ID:z7C6RxI1O
 Yによると、仕事熱心なその調停官さんは未確認集落へ出かけたっきり音信不通となり、すでに1か月が経過したというのです。ここに至って国連はその調停官が不測の事故により遭難したと認定、救助隊を派遣することを決定したのだそう。

「……で、なんでそれがうちに?」

「あんた、1人で月行ったり何やかんやしたりしてるだろ? 例の無人島ってのがなんかいわくつきらしくて冒険になれたあんたを先遣隊として派遣しようってなったってさ」

「わたしの仕事は冒険家でも救助隊でもないんですけど!」

「悪目立ちしたあんたが悪い」

 Yが無情にも突き放します。ああ、なぜでしょう。安全な後方任務……、ではなく今日日珍しいホワイトカラーの閑職に就いたというのにこの仕打ちは……。

「ほら、人命かかってるんだから早く行きなよ」

「うう……」

 Yのあんまりにもっともな言葉に、わたしは素直に要請を承諾せざるを得なかったのでした。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:16.96 ID:Uf1IbVlWO
「人間?」

「……住民でない、という意味です」

「あら、さばんなちほーの外からいらしたの?」

「いえ、そのジャパリパークの外です」

 そういうと、カバさんの目が点になりました。

「……パークの外?」

 まるで今までの自分を見ているかのようです。つまり、『相手が何を言っているのか全く分からない』といった顔。

「……やってしまいました」

 わたしは思わずつぶやきます。とんでもないところに来てしまった予感がしました。

「大丈夫かしら、あなた」

「ええはい、大丈夫です」

「ううん……、あなた、私と同じカバではありませんわよね? 尻尾もない、羽もない・・・・・・。以前お会いしたかばんさんのような方ですわねぇ」

「……私と同じような方がいらしたんですか?」

 カバさんの言葉が引っ掛かりました。

 彼女の発言から察するに、私と同じ、つまり、動物の格好をしていない人がいたという事でしょう。

「ええ。あなたのように特に特徴もない方でしたわ。自分の縄張りも何のフレンズかもわからないという事だったのでサーバルが図書館に連れていったのですの」

「……その、かばんさん? は他になにかおっしゃってましたか?」

「うーん。セルリアンやサンドスターのこともよく知らない子でしたし、あなたと同じで今年生まれた子かもしれないわねぇ」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:23.95 ID:9ZUuukjGO
 どうもこのジャパリパークは、動物が変化した存在、『フレンズ』たちが暮らしている場所だというのです。『フレンズ』はサンドスターという物質によって生み出され、またセルリアン、という天敵もいるとか。

 カバさんいわく、セルリアンを見た時はすぐに逃げることが一番良いそう。まあこっちは大した武器もありませんのでそうせざるを得ませんが。

「とりあえず、新入りの子に言うべきことはこれくらいかしらねぇ」

「ありがとうございます、何から何まで」

 カバさんはわたしのことを新しく生まれたフレンズだと思っているようです。

「いいのよ。あ、そうだ。あなたは自分が何のフレンズがわかっているのよねぇ?」

「え? まあ、はい」

「もしよかったら、かばんにそれを教えてあげてくれないかしら?」

 かばんさん。わたしと同じ特徴を持つ、つまりはわたしと同種の方。どうやら記憶喪失となり、自分の正体を探るべく図書館とやらに向かっているとか。

「はい。途中でお会いすれば」

「よろしくね。サーバルが道案内しているんだけれど、サーバルだものねぇ。私、不安で不安で」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:32.00 ID:ZJUhD0L6O
 よっぽど心配されるような方なんでしょうか、サーバルさん。

 しかし、ひとまず今後の方針が決まりました。かばんさんという人を回収しつつ外部に救助を求める。むちゃくちゃな気がしますが、一度月面や都市遺跡で遭難しますと、地球上だというだけで何とかなる気がしてしまいます。

「いーい? セルリアンにあったらかならず逃げるのよぉー」

「はーい」

 カバさんに別れを告げ、

「あなた弱そうだから、寝るときは木の上でねぇー」

「はーい……」

 えー、カバさんに別れを告げ、

「こまめに休憩するのよぉー」

「……はーいっ!!」

 里の世話焼きご婦人のような方でした。とても助かりましたが。

 わたしの姿が見えなくなるまでいろいろとおっしゃってくれたカバさんとお別れし、わたしは図書館への道を歩き始めました。

「……そういえば、妖精さんの姿を見ませんね」

 ふと気になりました。これだけ大規模な童話災害ともなれば、妖精さんはそれこそ溢れるほど存在しているはずなのに……。

 わたしはポシェットを漁ります。クッキーやビスケットの類は水を通さない保存紙で包んでいたおかげで無事です。金平糖やキャラメルの類も大丈夫。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:39.22 ID:o0T05ygCO
 Yによると、仕事熱心なその調停官さんは未確認集落へ出かけたっきり音信不通となり、すでに1か月が経過したというのです。ここに至って国連はその調停官が不測の事故により遭難したと認定、救助隊を派遣することを決定したのだそう。

「……で、なんでそれがうちに?」

「あんた、1人で月行ったり何やかんやしたりしてるだろ? 例の無人島ってのがなんかいわくつきらしくて冒険になれたあんたを先遣隊として派遣しようってなったってさ」

「わたしの仕事は冒険家でも救助隊でもないんですけど!」

「悪目立ちしたあんたが悪い」

 Yが無情にも突き放します。ああ、なぜでしょう。安全な後方任務……、ではなく今日日珍しいホワイトカラーの閑職に就いたというのにこの仕打ちは……。

「ほら、人命かかってるんだから早く行きなよ」

「うう……」

 Yのあんまりにもっともな言葉に、わたしは素直に要請を承諾せざるを得なかったのでした。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:46.84 ID:Kfaz/mIwO
「人間?」

「……住民でない、という意味です」

「あら、さばんなちほーの外からいらしたの?」

「いえ、そのジャパリパークの外です」

 そういうと、カバさんの目が点になりました。

「……パークの外?」

 まるで今までの自分を見ているかのようです。つまり、『相手が何を言っているのか全く分からない』といった顔。

「……やってしまいました」

 わたしは思わずつぶやきます。とんでもないところに来てしまった予感がしました。

「大丈夫かしら、あなた」

「ええはい、大丈夫です」

「ううん……、あなた、私と同じカバではありませんわよね? 尻尾もない、羽もない・・・・・・。以前お会いしたかばんさんのような方ですわねぇ」

「……私と同じような方がいらしたんですか?」

 カバさんの言葉が引っ掛かりました。

 彼女の発言から察するに、私と同じ、つまり、動物の格好をしていない人がいたという事でしょう。

「ええ。あなたのように特に特徴もない方でしたわ。自分の縄張りも何のフレンズかもわからないという事だったのでサーバルが図書館に連れていったのですの」

「……その、かばんさん? は他になにかおっしゃってましたか?」

「うーん。セルリアンやサンドスターのこともよく知らない子でしたし、あなたと同じで今年生まれた子かもしれないわねぇ」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:25:59.63 ID:59E5+5QrO
 どうもこのジャパリパークは、動物が変化した存在、『フレンズ』たちが暮らしている場所だというのです。『フレンズ』はサンドスターという物質によって生み出され、またセルリアン、という天敵もいるとか。

 カバさんいわく、セルリアンを見た時はすぐに逃げることが一番良いそう。まあこっちは大した武器もありませんのでそうせざるを得ませんが。

「とりあえず、新入りの子に言うべきことはこれくらいかしらねぇ」

「ありがとうございます、何から何まで」

 カバさんはわたしのことを新しく生まれたフレンズだと思っているようです。

「いいのよ。あ、そうだ。あなたは自分が何のフレンズがわかっているのよねぇ?」

「え? まあ、はい」

「もしよかったら、かばんにそれを教えてあげてくれないかしら?」

 かばんさん。わたしと同じ特徴を持つ、つまりはわたしと同種の方。どうやら記憶喪失となり、自分の正体を探るべく図書館とやらに向かっているとか。

「はい。途中でお会いすれば」

「よろしくね。サーバルが道案内しているんだけれど、サーバルだものねぇ。私、不安で不安で」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 17:26:09.06 ID:VDAPfwq1O
 わたしは助手さんを連れて件の無人島に最寄りの里まで赴きました。まずはそこで情報収集です。事前情報のない冒険など死にに行くことと同義ですから。

「姐さん、集まった情報なんですが……」

 月に行ってから妙に饒舌になった助手さんが、メモ片手に報告してくれます。

「どうも昔、あの島は『サファリパーク』と呼ばれる観光施設だったそうです」

「ああ、あの動物園の進化版みたいなやつですか?」

 人類が繁栄を享受していたころ、世界中に生息する珍しい動植物を集め、鑑賞目的に展示するという施設が人気を博していたと歴史書は記しています。衰退するにしたがってそういった娯楽施設は真っ先に閉鎖されており、現在地球上のどこにも存在していません。

 サファリパークというのは動物園よりもより野生に近い状態で動物たちを飼育する施設だったといわれています。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 18:55:18.62 ID:Crx9kwiNO
このしょーもない荒らしキッズどうにかならんのかね
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 23:34:07.92 ID:8Bkozjrpo
こういうときはスルー検定
根っこはただのかまってチャンなので
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 00:42:39.46 ID:hh1ZwHKB0
>>155
構ってちゃんが悪い事みたいに言うのは止めよう
>>1に失礼だろ
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 01:08:40.77 ID:4zinvB9No
せやね
けものフレンズを利用してまで頑張ってるんだから
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 03:17:52.20 ID:imUeT7S40
何言ってんだこいつ
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 13:50:27.05 ID:UBJD6eXsO
けもフレ厨しねよ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 01:05:53.16 ID:KVMXY+I1o

雰囲気がいいな
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 01:13:54.79 ID:b8qxMOBHO
けもフレ要素は?
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 11:25:48.83 ID:qyd20djvo
なくても成立するから構わん
規模で言うなら人退世界がけもフレ世界を内包しているし

終末世界モノの組み合わせイイぞ〜
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 13:00:21.09 ID:i5VJnn+1O
>>162
なにいってんだこいつ 馬鹿にしてるのか
164 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:01:16.74 ID:3m83T0D/0
「……うわぁ」

 木々やなんやらがすごい勢いで流れていきます。橋? そんなもんどこにも見当たりません。

 妖精さんなしで渡ろうものなら、たちまちわたしも木々のように下流へと流されていくことでしょう。こういう場合、う回路を探すのがセオリーですが……。

「地図で見た限り……見た、限り……」

 地図で見た限り、ここに川はありませんでした。地形を現していない地図など存在価値があるのでしょうか、いや、ない。

「あんた、川を渡りたいのかい?」

「え?」
 
 突然声をかけられました。振り返りますと、

「おや? あんた、もしかしてかばんの同類?」

「あなたは……?」

「私はジャガー。普段はここで川渡しをしてんだけどね。こないだからの雨で水かさが増しちゃってさ」

 ジャガーさんは肩をすくめました。
165 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:02:27.06 ID:3m83T0D/0
「申し訳ないけど、今はお休みさせてもらってるよ」

「そうですか……」

「悪いねぇ」

 落胆する私に、ジャガーさんは申し訳なさそうに言いました。

「あー、今もあるかはわかんないけど、この上にこの間かばんがかけた橋があるんだ。よかったら案内するよ。ついてきな」

 そういって、ジャガーさんは歩き出しました。

「あの、あなたはかばんさんと面識がおありで?」

 わたしが尋ねますと、ジャガーさんは大きくうなずいて笑いました。

「ああ。あいつはすごい奴だよ。橋をかけたり、ばす? っていうのを動かしたり」

「バス……」

 ということは、かばんと呼ばれる人物は現在バスに乗って移動中という事でしょうか。これは大変です。先を急がなくては……。

「ああ。もしかして、あんたもかばんを探してるのかい?」

「はい。えっと……、同種の方のようだったので……」

「ああ、あいつ、自分が何のフレンズかわからないっていってたもんなぁ。にしても人気だな、あいつも」

「……もしかして、わたし以外にもかばんさんを追っている方がいらっしゃるので?」

「アライグマとフェネックも探してたよ」
166 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:03:13.55 ID:3m83T0D/0
 わたし以外にもかばんさんの行方を追っている方々がいらっしゃるようです。名前を聞くにフレンズの方なのでしょう。彼女たちに一体どのような目的があるのか、とても気になります。

 そんなことを話しているうちに、橋とやらに到着したのですが。

「やっぱ流されてたかー」

 もはや見る影もありませんでした。代わりに、

「わーい! たーのっしー!!」

 橋の残骸と思しきロープをぐるぐるぐるぐる回して遊んでいらっしゃる一人のフレンズさんがいらしたのです。

「おーい、カワウソー」

 ジャガーさんが彼女に声をかけますと、彼女も我々に気付きます。

「あ! ジャガー! やっほー!」

 どこまでも陽気そうな方です。カワウソさんはこちらまでスイスイと泳いできます。

「あれ、その子……」

「ああ、かばんの同類らしい。こいつもかばんのこと探してるってさ」

 するといきなり、カワウソさんが抱き着いてきます。

「すっごーい! ってことはあなたもかばんとおんなじこと出来るの!?」

「ああ! そうだな。あんた、この橋直せるんじゃないのか?」

「ええっ!?」

 なんだかとんでもない方向に話が進んでますよ?
167 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:04:32.29 ID:3m83T0D/0
「かばんみたいにすっごくてたのしーこと出来るんでしょ! 見せて見せて!」

「あ……、ええー」

 この急流に、橋を、かけ直す? わたしが?

 川幅は少なく見積もっても50メートルはあります。妖精さんがいればロンドン橋でもアカシ海峡大橋(かつて存在した世界最大だった橋だそうです。詳細不明)でもどんとこいですが、今のわたしは魔法の力も使えない裸のサル。それも一人。

「えーっとですね……」

 どうにか断りの文句を考えますが

「楽しみー!!」

「今度はどんなことやってくれるんだい?」

 期待の眼差し、全開。人間、寄せられた期待を裏切るのが一番難しいもんなんですね……。

「ちょ、ちょっと待っててください」

 わたしは学舎で培ってきた知識と経験をフル活用させます。そう、かつての人類は魔法なしでも様々なことをやってのけたのです。人類史が蓄積してきた知恵と技術を使って、この危機を脱するには……。

 ふと、助手さんが読んでいた書物が思い返されました。そう、あれはたしか、中世の戦国時代の本で……。

「あの、みなさん?」

 キラキラした目でこちらを見つめるお二人に言いました。

168 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:05:30.99 ID:3m83T0D/0
 川に小舟を並べ、その上に板を敷くことで簡易的な橋を設置するという方法が、中世において編み出されました。人類ってすごい。

 わたしは先人の知恵を拝借することにしたのです。

「おーい、イカダってこんなもんでいいのかい?」

「はい、十分です」

「かばんがやったのに似てるなぁ」

「まあ、少人数で橋をかける方法なんてそんなにありませんし」

 流れ着いていた流木を使用し、イカダを何枚も作成。それを川に浮かべてつないでいくことで橋を作っちゃおうというナイスでイカす素敵なアイデアです。

「少し休憩にしましょうか」

 イカダづくりに奔走して頂いたジャガーさんにクッキーを一枚差し出します。ジャガーさんはそれをいぶかしげに眺めていました。

「……なんだ、この板」

「クッキーというお菓子……、食べ物です。甘くておいしいですよ?」

「食べ物……、ジャパリまんみたいなもんか?」

 一通りにおいをかいだり観察したりしてから、恐る恐るといった風にそれをかじりました。

「…………」

「ジャガーさん?」

「こ、ここ、これ……」
169 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:06:54.37 ID:3m83T0D/0
 やっぱり人間向きのお菓子はまずかったのでしょうか……。と思った瞬間、

「うまぁぁぁぁぁぁいいいいいいい!!」

 文字通り、比喩でもなんでもなく飛び上がりました。

「なんだこれ! なんだこれ! 初めて食べたぞこんなもの!!」

「そ、それはよかったです……」

「甘い! 果物なんかとは別の甘さだ! おいしいっ!!」

「もう一枚、いかがですか?」

「いいのかいっ!?」

 ジャガーさんがもう一枚のクッキーに飛びつきます。

「甘い……。美味しい……。これがクッキー、お菓子ってやつなんだねぇ……」

 ここまで美味しそうに食べていただけるのは、調理人冥利に尽きるというものです。

「そうだ! カワウソの奴にも食べさせてやらなきゃ……」

「そういえば、遅いですね、カワウソさん」

 イカダを縛る紐を探してもらうため、カワウソさんにはジャングルの中に入っていただいています。そろそろ帰ってきてよい頃何ですが……。

「ふったりともー」

「あら、カワウソさん、おかえりなさい」

 茂みの奥からカワウソさんが姿を現します。手にはツタを持って。そして、
170 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:07:21.28 ID:3m83T0D/0
「ごめんねー。ついてきちゃったー」

 後ろにセルリアンを連れて。
171 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:08:20.98 ID:3m83T0D/0
「みゃああああああああっ!?」」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 青い大型のセルリアンが、もはや数えるのも面倒というほど大量に。

 わたしとジャガーさんはとっさに逃げ出します。カワウソさんはジャガーさんの小脇に抱えられて。

「おとなしくしときなよ、カワウソ!」

「わー、はやーい!」
 
「まって……下さい……」

 こちとらか弱い乙女です。ジャガーさんの健脚についていけません。

「ほら、あんたも!」

「うわっ!?」

 ジャガーさんはわたしも抱えました。二人を抱えてもなお、ジャガーさんの速度はそれほど衰えません。

 おもわず感嘆の声が漏れます。

「すごい……」

「フレンズの能力さ。それよりどうしたらいい? このままじゃ追いつかれるぞ!」

 こちらとセルリアンの距離はどんどん縮まっていきます。捕まってしまうも時間の問題です。
172 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:09:52.67 ID:3m83T0D/0
「どこか……、隠れられるところを……」

 なにか都合よく洞穴か何かがあれば……、

「ねー、あそこに穴あるよー」

 なんてグットタイミング!

「あそこ! あそこに逃げましょう!」

「よしきた!」

 ジャガーさんがその中へ滑り込みます。

 そこは洞窟、というよりは、崖にできた岩の割れ目といった方がいい場所でした。ちょうど人ひとりが通れるぐらいの細さで、セルリアンは入ってこれません。上を向くと青い空が見えました。

 やつらはしばらく入口の前にたむろしていましたが、やがてどこかへ消えてしまいました。

「ふぅ……、危なかった……」

「すごかったねー」

「今度こそやばいかと思ったよ……」

 危機をやり過ごし、安堵する我々。しかしジャガーさんは少し深刻そうな顔でつぶやきました。

「ここのところセルリアンが多いな……。ちょっとここから離れた方がいいかもしれない」

「昔はこんなにいなかったんですか?」

「まあね。見かけても小さい奴がちらほら、って具合だったし。こうやって何の前触れもなく表れるなんて珍しいのさ」
173 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:12:53.75 ID:3m83T0D/0
「あなた髪の毛長ーい! おもしろーい!」

 カワウソさんがわたしの髪の毛で遊んでいるのはほっておいて、この後の対処法を考えます。

 セルリアンはこのあたりをうろついているようなので、迂闊に移動することはできません。一方、ここは安全ですが、いつまでもいるわけにはいきません。

「ジャガーさん、ひとまず夜までここで待機しませんか? まだセルリアンも周囲にいそうですし」

「そうだね。それがいい。あたしは夜目が利くからね」

 姉御肌のジャガーさん。なんと頼りになるのでしょう。

「わー! この髪の毛動くよ! すっごーい! たーのっしー!」

「こらそこ、勝手に髪の毛を動かさないでください」

 いつか妖精さんの道具を使った際の副作用がいまだ残っているようです。わたしは自らの意に反してうねうね動く髪を気合でまとめます。

 その時、ふと影が差しました。



 ところでみなさん、マーフィーの法則ってご存知ですか? ざっくり言っちゃうと、起きてほしくないことに限って起きる、みたいな感じの法則です。

 この場合起きてほしくないこと、というのはセルリアンに見つかること。ここまで書けばお判りでしょう。

 上から我々を覗いていたのはセルリアンの大群でした。

174 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:14:21.09 ID:3m83T0D/0
「うみゃあああああああああああ!?」

「わぁぁぁああああああああああ!?」

「きゃあああああああああああ!?」

 ぎょろりとした単眼がいくつもわたし達を見下ろしていました。

「い、いえ! ここならあいつらは手出しできません!」

「そ、そうだよねぇ。ここにいればセルリアンも」

 と言った矢先、出してきました、手。

「うわぁぁぁぁあああああ!」

 手、というより先端に口がついている凶悪なフォルムの触手です。

「うわっ! くそ! えい!」

「よっと、ほいっ。とうっ!」

「きゃっ! もうっ! うわぁっ!」

 伸びてくる触手を器用に避けます。以前ツイスターゲームという古典芸能に親しんだ甲斐があったというものです。

 しかしこんなこといつまでも続けていられません。

「ジャガーさん! カワウソさん! ここは逃げましょう!」

「わかった!」

「えー、これ結構たのしーのに」

 何事も楽しむその姿勢、嫌いじゃありませんよ、カワウソさん。
175 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:15:19.41 ID:3m83T0D/0
「でもどうすんの? いま飛びだしたら……」

「セルリアンにパクリといかれるでしょうね……」

 まあここにいてもまもなくパクリといかれるでしょうけど。

 ですが座して死を待つつもりは毛頭ありません。ポシェットの中身を探ります。出てきたのは金平糖の詰まった瓶。

「……セルリアンに我々と同じ味覚があることを信じましょう」

 わたしは数粒を手の平に出すと、それらをできるだけ連中の目に入れるようにしての口に向かって投げました。間髪を入れず金平糖を瓶ごと放り投げます。

 効果は思いのほか大きなものでした。よっぽど味が気に入ったのか、セルリアンたちは瓶に向かって一直線に殺到します。

「今のうちに!!」

 わたしはお二人の手を取ってそっと逃げ出しました。

176 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:17:17.59 ID:3m83T0D/0
「すごいねぇ! あんた、サンドスターを出せるなんて」

 ジャガーさんが感心したように私を見ました。

「はあ?」

「うん! 私サンドスターでセルリアンを攻撃するフレンズなんて初めて見たよ〜」

 カワウソさんも同じようにわたしの顔を覗きこみます。

 サンドスター? ああ、金平糖のことでしょうか。

「あれは金平糖というお菓子です。サンドスターではありませんよ」

「え、お菓子!?」

 ジャガーさんが飛びつきます。

「もったいない! あんなに美味しいものをセルリアンにやっちゃうなんて!」

「おかしってなーにー?」

「ふ、二人とも!? 近い! 近いですからっ!」

 迫りくる二人を押しのけます。

「このピンチを抜け出せたら差し上げます! ひとまず早く遠くに行かなければ……」

 ぐずぐずしていればセルリアンがやってきかねません。ですから、このあたりからなるべく離れなければなりません。

「早く、遠く……」

 ジャガーさんが考え込みました。そして、

「なんかそれっぽいの知ってるけど」
177 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:18:40.33 ID:3m83T0D/0
「こ、これは……」

「なにこれー! すっごい!」

 ジャガーさんが教えてくれたのは、手漕ぎトロッコでした。車体中央にハンドルがついていて、上下に動かすことで前進するものです。

 あちこちさび付いてはいましたが、試しにハンドルを動かすと車体はゆっくり動きだしました。

「ジャガーさん! この線路はどこまでいっているんですか?」

「せんろ? ああ、この棒みたいな奴ならさばくちほーの入口まで通じてるよ」

「よしっ!」

 思わずガッツポーズします。

「カワウソさん、ジャガーさん。この棒みたいなのをぎっこんばっこんしてください。こういう風に」

「ああー、そうやって使うのか。いっつも手で押してたよ。こう、ガーッて押すと結構スピードが出るんだ」

「何これふっしぎー! 楽しー!」

 お二人はノリノリでハンドルを動かします。トロッコも快調に加速。この調子なら、すぐにでもこのセルリアン多発地帯を抜けることができるでしょう。

「ここから助かったら、お二人にお菓子を差し上げます! だから頑張ってください!」

「おお! またくれるんだな!」

「やった! 楽しみー!!」

 これで助かりそう、そう安堵した矢先、

「……、あれ?」
178 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:20:04.65 ID:3m83T0D/0
 森の中に、あの青ダルマの姿が見えました。

「…………」

「おーい、どうしたの?」

「じゃ、ジャガーさん、あれ」

 森の中で集団移動の真っ最中のセルリアンを指さすと、ジャガーさんも固まります。

「さ、幸い、まだ気づかれていないようですが……」

「なになにー?? あ、セルリアンだ……」

 カワウソさんもビクリと体を震わせました。

「できる限り音を立てないようにしましょう」

 わたしは声を潜めます。距離があるので、トロッコの通行音は聞こえていないようです。このままうまくやり過ごして……、

 その時、とんでもない音とともにトロッコが脱輪しました。

「きゃぁ!?」

 我々は地面に投げ出されます。

「な、なにごとっ!?」

「ああ、線路に小石が……。これのせいでしょう」

「トロッコさん怒っちゃったのかな?」

 わたしは小石を取り除き、トロッコを線路に戻そうと立ち上がって、セルリアンと目が合いました。

「…………」

 ジャングルの湿気を含んだ風が我々の間を駆け抜けます。永遠に続くかのような沈黙でした。木々のざわめきだけが耳に入ります。

 この場にいる誰もが金縛りにあったかのように固まっていました。

 それを破ったのは、やはりというか当然というか、セルリアンです。連中はあの口の付いた触手をこちらに向け大挙して押し寄せてきます。

「ととととトロッコ! トロッコを! お二人とも早く!」

179 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:21:47.36 ID:3m83T0D/0
 急いでレールにトロッコを乗せると、我々は飛び乗りました。

「全速力で逃げましょう!!」

「はいよっ!」

「うん!」

 お二人の全力のおかげか、トロッコはどんどん速度を増していきます。しかしセルリアンとの距離は開きません。それどころか縮まっています。

「もっとスピード出ませんか!」

「これが限界!」

 このままじゃジリ貧です。見たところ、ジャガーさんもカワウソさんも体力的な限界が近づいているように見えます。

 どうにか、どうにかこの危機を脱する方法を考えなければ……。妖精さんさえいればどうにでもなるのに……。

 わたしはふと前方を見ました。線路はまっすぐ伸びており、奥の方でぷっつり途切れていました。

「え?」

 よく目を凝らすと、そこは谷でした。どうやらそこにかかっていたらしい橋が落ちているようなのでした。

 今度こそ血の気が下りました。このままでは谷底へ真っ逆さまなのは確定です。

 ばっと後ろ振り向くと、セルリアンの触手がもうすぐそこまで迫ってきています。前門の谷、後門のセルリアン。
180 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:24:12.68 ID:3m83T0D/0
「……悪い、もう、限界」

 ジャガーさんがはぁはぁと荒い息を吐きながらハンドルを手放しました。

「私もー」

 カワウソさんもへたれこみます。漕ぐ者がいなくなったので、トロッコはがくんとスピードを落としていきました。

「あわわ!! みなさん!?」

 あわててハンドルを動かしますが、わたしはただのか弱い乙女です。先ほどまでのようなスピードは出ず、セルリアンとの距離はどんどん詰められて行きます。

「頑張りましょう! ここでへばってはセルリアンのエサですよ!」

 まあ頑張って進んでも谷底に向かいそうですが。わたしも含め、あきらめムードが漂っています。

「ああ、最後にお菓子が食べたかったな……」

「私も食べたかったー」

 わたしは、セルリアンとジャガーさん、カワウソさん。そして迫りくる谷をそれぞれ見比べました。谷の向こう岸までは数十メートルといったところでしょうか。

 もはや賭けに近いですが、ある考えが浮かびました。妖精さんがいれば何でもないでしょう。ですが0Fの今、この作戦が成功する確率は0に等しいです。

 しかしやらずに死んでしまうよりよっぽどましです。わたしは意を決して、ポシェットからキャラメルを取り出しました。

「お二人とも、これをどうぞ」

「お菓子かいっ!?」

「なにこれー?」

「キャラメルです。おいしいですよ」
181 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:25:07.78 ID:3m83T0D/0
 包装を破いて、お二人の口に突っ込みます。

「んん〜! 甘い! うまい!」

「なにこれ! あまーいっ! すごーいっ!!!!」

 二人の顔がほころぶのをみると、こちらも差し上げた甲斐があるというものです。

「だいぶ回復されましたね? ではもう一度トロッコを漕いでください」

「え?」

 二人の顔が固まります。

「で、でもこの先って……」

「谷だよねー?」

「ええ、谷です。安心してください、飛びますから」

「はぁ!?」

「え!」

 ジャガーさんは驚愕、カワウソさんは期待の表情を浮かべました。

「と、飛ぶって!? あんた鳥のフレンズなの!?」

「いいえ、違います」

「じゃあ無理だよ!」

「大丈夫です。ここからスピードをつけてれば、谷を飛び越せるかもしれません」

「飛び越せなかったら?」
182 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:26:24.03 ID:3m83T0D/0
「落ちるだけです」

「…………」 

 顔面蒼白のジャガーさんと対照的に、カワウソさんの顔はキラキラと輝いています。

「あなた飛べるんだね! すっごーいっ! 私も飛んでみたかったんだー!」

 そういって一人ハンドルを動かし始めます。

「あ、カワウソ!?」

「大丈夫ですよ、ジャガーさん」

 わたしはジャガーさんに微笑みかけました。

「わたし、これでも里では……、他のちほーでは魔法使いっていわれているんです」

「まほー、つかい?」

「いろいろ不思議なことが起こせるんですよ。任せて下さい」

「……。わかった」

 ジャガーさんは覚悟を決めたようで、カワウソさんの反対側に立ってハンドルを動かし始めました。

 わたしは前をじっと見つめます。妖精さんがいない、つまりは魔法が使えないのです。神様がわたしの日頃の善行を見ていてくれていることを祈るしかありません。

 若干下り坂になっているせいもあり、速度は順調に上がっていきます。

「頼みますよ、妖精さん」

 今はいない彼らへのお願いも済ませます。
183 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:27:16.57 ID:3m83T0D/0
 そして、

 トロッコは空中に飛び出しました。
184 : ◆Wv.nqe0Jy. [saga]:2017/03/21(火) 14:28:33.06 ID:3m83T0D/0
閲覧ありがとうございます。
今日は以上です。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:22:31.03 ID:7uBQxzEco

次回も期待
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:30:22.67 ID:LeqVtklCO
 どうもこのジャパリパークは、動物が変化した存在、『フレンズ』たちが暮らしている場所だというのです。『フレンズ』はサンドスターという物質によって生み出され、またセルリアン、という天敵もいるとか。

 カバさんいわく、セルリアンを見た時はすぐに逃げることが一番良いそう。まあこっちは大した武器もありませんのでそうせざるを得ませんが。

「とりあえず、新入りの子に言うべきことはこれくらいかしらねぇ」

「ありがとうございます、何から何まで」

 カバさんはわたしのことを新しく生まれたフレンズだと思っているようです。

「いいのよ。あ、そうだ。あなたは自分が何のフレンズがわかっているのよねぇ?」

「え? まあ、はい」

「もしよかったら、かばんにそれを教えてあげてくれないかしら?」

 かばんさん。わたしと同じ特徴を持つ、つまりはわたしと同種の方。どうやら記憶喪失となり、自分の正体を探るべく図書館とやらに向かっているとか。

「はい。途中でお会いすれば」

「よろしくね。サーバルが道案内しているんだけれど、サーバルだものねぇ。私、不安で不安で」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:30:30.49 ID:bVI7wVGMO
 わたしは助手さんを連れて件の無人島に最寄りの里まで赴きました。まずはそこで情報収集です。事前情報のない冒険など死にに行くことと同義ですから。

「姐さん、集まった情報なんですが……」

 月に行ってから妙に饒舌になった助手さんが、メモ片手に報告してくれます。

「どうも昔、あの島は『サファリパーク』と呼ばれる観光施設だったそうです」

「ああ、あの動物園の進化版みたいなやつですか?」

 人類が繁栄を享受していたころ、世界中に生息する珍しい動植物を集め、鑑賞目的に展示するという施設が人気を博していたと歴史書は記しています。衰退するにしたがってそういった娯楽施設は真っ先に閉鎖されており、現在地球上のどこにも存在していません。

 サファリパークというのは動物園よりもより野生に近い状態で動物たちを飼育する施設だったといわれています。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:30:37.51 ID:yli6GfZTO
―――


 対峙する私たち三人を残して、絵里は一足先に廃工場内へと進んでゆきました。
 凛と花陽も進行を妨げることはなく、素直に絵里を通しました。


凛「……これで準備は整ったかな」

海未「ええ。絵里を通して貰い感謝します」

花陽「戦う相手は海未ちゃんだから。こっち、ついてきて」


 二人に従い、私もまた一足遅れて廃工場内へと踏み入りました。

 案内されたのは、ことりと絵里が上がった階段の先ではなく、一階フロアの奥でした。
 居並ぶのは、鉄製のクレーンやコンベア、人が何人も入りそうな大型タンクの列、それらを繋ぐ配管の数々。
 もう稼働することのない大型機器類や使用されぬまま放置された廃材が埃を被った状態で残されている、薄暗く湿った旧作業場でした。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:30:44.33 ID:KVZs2BurO
1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:31:00.27 ID:2UNgcIfYO
「落ちるだけです」

「…………」 

 顔面蒼白のジャガーさんと対照的に、カワウソさんの顔はキラキラと輝いています。

「あなた飛べるんだね! すっごーいっ! 私も飛んでみたかったんだー!」

 そういって一人ハンドルを動かし始めます。

「あ、カワウソ!?」

「大丈夫ですよ、ジャガーさん」

 わたしはジャガーさんに微笑みかけました。

「わたし、これでも里では……、他のちほーでは魔法使いっていわれているんです」

「まほー、つかい?」

「いろいろ不思議なことが起こせるんですよ。任せて下さい」

「……。わかった」

 ジャガーさんは覚悟を決めたようで、カワウソさんの反対側に立ってハンドルを動かし始めました。

 わたしは前をじっと見つめます。妖精さんがいない、つまりは魔法が使えないのです。神様がわたしの日頃の善行を見ていてくれていることを祈るしかありません。

 若干下り坂になっているせいもあり、速度は順調に上がっていきます。

「頼みますよ、妖精さん」

 今はいない彼らへのお願いも済ませます。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:31:06.96 ID:FvYvWQrMO
 包装を破いて、お二人の口に突っ込みます。

「んん〜! 甘い! うまい!」

「なにこれ! あまーいっ! すごーいっ!!!!」

 二人の顔がほころぶのをみると、こちらも差し上げた甲斐があるというものです。

「だいぶ回復されましたね? ではもう一度トロッコを漕いでください」

「え?」

 二人の顔が固まります。

「で、でもこの先って……」

「谷だよねー?」

「ええ、谷です。安心してください、飛びますから」

「はぁ!?」

「え!」

 ジャガーさんは驚愕、カワウソさんは期待の表情を浮かべました。

「と、飛ぶって!? あんた鳥のフレンズなの!?」

「いいえ、違います」

「じゃあ無理だよ!」

「大丈夫です。ここからスピードをつけてれば、谷を飛び越せるかもしれません」

「飛び越せなかったら?」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:31:14.16 ID:1uJZgcEUO
 急いでレールにトロッコを乗せると、我々は飛び乗りました。

「全速力で逃げましょう!!」

「はいよっ!」

「うん!」

 お二人の全力のおかげか、トロッコはどんどん速度を増していきます。しかしセルリアンとの距離は開きません。それどころか縮まっています。

「もっとスピード出ませんか!」

「これが限界!」

 このままじゃジリ貧です。見たところ、ジャガーさんもカワウソさんも体力的な限界が近づいているように見えます。

 どうにか、どうにかこの危機を脱する方法を考えなければ……。妖精さんさえいればどうにでもなるのに……。

 わたしはふと前方を見ました。線路はまっすぐ伸びており、奥の方でぷっつり途切れていました。

「え?」

 よく目を凝らすと、そこは谷でした。どうやらそこにかかっていたらしい橋が落ちているようなのでした。

 今度こそ血の気が下りました。このままでは谷底へ真っ逆さまなのは確定です。

 ばっと後ろ振り向くと、セルリアンの触手がもうすぐそこまで迫ってきています。前門の谷、後門のセルリアン。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:31:22.69 ID:pUlbl0KqO
「落ちるだけです」

「…………」 

 顔面蒼白のジャガーさんと対照的に、カワウソさんの顔はキラキラと輝いています。

「あなた飛べるんだね! すっごーいっ! 私も飛んでみたかったんだー!」

 そういって一人ハンドルを動かし始めます。

「あ、カワウソ!?」

「大丈夫ですよ、ジャガーさん」

 わたしはジャガーさんに微笑みかけました。

「わたし、これでも里では……、他のちほーでは魔法使いっていわれているんです」

「まほー、つかい?」

「いろいろ不思議なことが起こせるんですよ。任せて下さい」

「……。わかった」

 ジャガーさんは覚悟を決めたようで、カワウソさんの反対側に立ってハンドルを動かし始めました。

 わたしは前をじっと見つめます。妖精さんがいない、つまりは魔法が使えないのです。神様がわたしの日頃の善行を見ていてくれていることを祈るしかありません。

 若干下り坂になっているせいもあり、速度は順調に上がっていきます。

「頼みますよ、妖精さん」

 今はいない彼らへのお願いも済ませます。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 16:54:55.23 ID:L/PguUeZo
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 18:55:53.87 ID:SW3OcXlH0
乙!
かばんちゃんより厳しい道程だな……既に絶体絶命の危機向かえてるし……
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 22:05:36.35 ID:bWRLucGyo
もしもしにまけるな
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2017/03/22(水) 01:48:50.72 ID:s5PJ7Xiro

次も楽しみに待ってる
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/22(水) 02:14:35.56 ID:ghv3ASqD0
やっぱけもフレおもしろいな
それに比べてこのスレのつまらなさ
好奇心もわかない
良作品を自分の好きな作品の為に下げるのやめてほしい
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/22(水) 03:15:37.80 ID:Rg6x+8Wc0
けものフレンズの世界が他の作品に汚されてる
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/22(水) 05:48:55.04 ID:F84JyD9ZO
面白い
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/22(水) 17:22:54.33 ID:dYmxNHm1O
面白い面白い言ってたけどやっぱり面白くなかったわ
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