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許嫁「……聞いていない?」 2
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124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/03/16(木) 16:58:53.11 ID:qJjodEMt0
ここの許嫁はとても可愛らしくて、いつも楽しみにしています
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/16(木) 17:15:31.52 ID:9Wg8bwGyo
>>123
と、自治厨が物申す!!
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/16(木) 17:44:03.33 ID:N9aQNZwa0
更新だと思って見てみたらお前らキモすぎて笑えない
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/16(木) 19:54:07.04 ID:a1YV6LXqo
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\
/ ⌒(__人__)⌒ \
| |r┬-| |
\ `ー’´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一””””~~``’ー 、 -一”””’ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ <だっておwwwwwwwwwwww
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / `ー’´ ヽ / /
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バンバン
ヽ -一””””~~``’ー 、 -一”””’ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/17(金) 06:52:45.60 ID:dW6bv1hGO
そもそもsage厨って時代遅れなんだよな
2ch創成期の専ブラがまだ一般的じゃなかった時期ならともかく今時分ageったら更新来たと思うってねぇ
しかも、更新来てなくて発狂するとかどんだけ心に余裕ないって話
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/17(金) 08:27:34.82 ID:x8dFLwAuo
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○,. '"´ ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::;.: --─---─-、:::::::::::::ヽ
./::::::::::::/ィC¨ヽ \:::::::::::l
/:::::::::/ └¬'´, ィC¨ヽ';:::::::::!
./::::::::イ / ,. ヽ `¬┘';:::::::!
l::::::::::::l /ハ ハ } ヾ::::j
{::::{⌒l:! / ` ' ヽ V}
. ';:::l ゝリ l ,/ ̄¨ヽ ', }l
ヾヽ__j { {,. -−‐‐ヘ {,l
ヾ::::| i ヽ ヽェェェェェノ {
}:::l ヽ ` ̄¨´ ノ } と思う糞もしもしであった
ヾ;k \_ __ ,/ }
"|  ̄ ̄ ̄ ノ
_,. -‐"\ フー-、_
'"´ `ヽ、 /
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/17(金) 19:43:33.66 ID:L5AaCGfGo
またスレ潰しか
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/17(金) 20:08:14.87 ID:WJsAsppKo
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 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○,. '"´ ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ、
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ヾヽ__j { {,. -−‐‐ヘ {,l
ヾ::::| i ヽ ヽェェェェェノ {
}:::l ヽ ` ̄¨´ ノ } と思うスレ潰しであった
ヾ;k \_ __ ,/ }
"|  ̄ ̄ ̄ ノ
_,. -‐"\ フー-、_
'"´ `ヽ、 /
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/17(金) 21:45:10.41 ID:aUXPO7Fmo
更新だと思ったらよくわからん奴等が騒いでただけだった‥
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/17(金) 21:46:34.91 ID:aUXPO7Fmo
まぁ、気長に待つのも良いよ
思い出した時には結構進んでて驚きながら読み進めるのも良い
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/17(金) 23:19:55.81 ID:SP98RWT4o
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○,. '"´ ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ、
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ヾ::::| i ヽ ヽェェェェェノ {
}:::l ヽ ` ̄¨´ ノ } と思うレス乞食であった
ヾ;k \_ __ ,/ }
"|  ̄ ̄ ̄ ノ
_,. -‐"\ フー-、_
'"´ `ヽ、 /
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/23(木) 18:58:19.67 ID:vifNsSf8o
小学生にスマホ触らせちゃダメだとあれほど
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/03/23(木) 20:25:12.62 ID:f49rGxel0
続きまだかー?
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/23(木) 20:48:18.34 ID:1DyVE8MPo
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 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○,. '"´ ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ、
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}:::l ヽ ` ̄¨´ ノ }
>>135-136
と思うレス乞食であった
ヾ;k \_ __ ,/ }
"|  ̄ ̄ ̄ ノ
_,. -‐"\ フー-、_
'"´ `ヽ、 /
138 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/03/25(土) 19:35:03.69 ID:yMRJJg4Zo
……
許嫁(メイド服)「……。…………すん」
男(時間がたって。少しは落ち着いてきたかな)
許嫁「………………………………はー」ギュウ
男「そういや、もう昼時だけど」
許嫁「……?」
男「お腹、空いてこないか? 何か食べようか?」
許嫁「え、ええ。そうね……スン」コクン
男「うーん、何がいいかな。色々あるから悩むぜ……何か食べたいって希望ある?」
許嫁「……あ」
男「?」
許嫁「ちょ、ちょっと顔……いえ。その……少しだけ、席を外す……わね」スッ
男「ああ」
男(……泣いた顔、あまり見られたくないのか)
男(今更だけどな。もうバッチリ見てるし)
男(別に変じゃないと思うけどな)
139 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 19:39:31.70 ID:yMRJJg4Zo
許嫁「……待たせた、かしら」
男「うんにゃ。じゃあ適当に歩いてみて、良さそうなものあったら食べてみようか」
許嫁「え、ええ。そう……しよう、かしら」
男「よし。じゃあ、こっちから周ってみようぞ」スタスタ
許嫁「……」
男「? どうした?」
許嫁「いえ、その……ぅで……を……」ボソ
男「?」
許嫁「あ……い、いえ。な、何でもないわ。何でも……」
男「そか、じゃあ行くぞ?」
許嫁「え、ええ……」
許嫁「……」
許嫁「……」ブンブン
男(なんとも読み取れない表情で、腕をふり回した……どうした?)
140 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 19:44:08.22 ID:yMRJJg4Zo
男「ほー。結構色んなもの出てるんだ」テクテク
許嫁「……そう、ね」テクテク
男「好き嫌いや苦手な食べ物はなかったよな?」
許嫁「……知ってるでしょ?」
男「確か――俺の作った料理くらいって言ってたな、嫌いなのは」
許嫁「え? あ……よく覚えてるわね。そんな、随分前に言ったことなんて」
男「今までの無礼がどうこう、とお前はよく言うが。俺だってお前の暴言をよく覚えているぞ。フフン?」
許嫁「え……あ、そう……そうなの。そうなんだ、あなた」
男(アレ? 何か少し嬉しそうじゃない?)
141 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 19:55:07.19 ID:yMRJJg4Zo
男「そういや前から思ってたんだけど。お前ってさ」テクテク
許嫁「……何?」テクテク
男「今まで食べたことなかったってもの、結構多いよな。ジャンクフードとか」
許嫁「……まあ、そうね。口にする機会がなくて。……それが?」
男「なのに『初めて食べましたわ! これウッマイですわ!』なんて聞かなかったな」
許嫁「? 何それ? そんなこと言わないわよ。……聞きたかったの?」
男「いや、お嬢様ってそういうものなのかな、って思っててさ」
許嫁「……前から思ってたのだけど。あなたの『お嬢様』のイメージ、ちょっと変じゃないかしら?」
男(いや、それはお前も十分――)
許嫁「悪かったわね、私も十分変なお嬢様で」
男「ゲッ。心読みやがった!? こいつ……さてはエスパー!?」
許嫁「認めるな、ばか」ポコ
男(調子、それなりに戻ってきたかな?)
142 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:02:54.04 ID:yMRJJg4Zo
男「さて。そしたら、どこか決めて入るか――」
先輩「あ……あーっ!? 良かった、来てくれたんだね!」
許嫁「?」
男「う……先輩」
先輩「ずっと待ってたんだよ、キミのこと!」
男「そ、そうですか。それは、どうも」
男(正直に言って、今はあまり会いたくなかったような)
許嫁「……」
先輩「なかなか来ないから、不安になったんだぞい? 先輩を焦らしプレイとはキミもお好きですなあ!」ウリウリ
男「わ、脇腹グリグリするのやめてくださいよ」
先輩「キミが来てくれたというコトに対する嬉しさの表現さ! キミの御褒美をも兼ねておるのじゃ!」ウリウリ
男「そ、そんな趣味持ってないですよ!」
許嫁「……」
143 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:08:15.18 ID:yMRJJg4Zo
先輩「もちろん、キミは食べていってくれるん……だよね? 約束、守る人だよね?」
男(一方的な約束だったような覚えがあるが)
男「ああっと、どうする? 良いか?」
許嫁「……。私は、構わないけれど」
先輩「ムム!? んーと。確かキミのクラスメイトさん、だったかな?」
許嫁「ええ。……ドウモ」ペコリ
先輩「あ、これはこれはご丁寧に……ドウモ」ペコリ
許嫁「……」
先輩「……」
男(なんだこの沈黙)
先輩「……何だか随分と。仲よさそうじゃない? キミと」
許嫁「っ」
先輩「もしかして、二人は特別な関係だったり?」
男「いえ。そんなことは――……?」
許嫁「……」ジー
男(うおっ。ぜ、全力でこっち見てきますね)
男「あー……どう見えます? 先輩から見て」
先輩「なっ。なかなかズルいねキミ。質問を質問で返すとはな!」
144 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:11:28.18 ID:yMRJJg4Zo
焼きさば屋
『異端審問』
先輩「では二名様。こちらのお席へごあんなーい♪♪」
男(先輩の冗談じゃないかと疑ってたが……本当にサバとは)
男(まあ、サバが奇妙だとか何とか言ってた話は、さすがに信じるわけもない……ん?)
ガサガサガサ
男(今調理場らしきところで何かが……)
『あ! 逃げたぞ!』
『馬鹿、早く捕まえろ! バイオハザードを学校で起こす気か!』
『絶対……絶対に噛まれるなよ!! もう血清は底をついてるんだ……っ』
男「……」
男(見なかった、聞かなかったことにしよう)
145 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:11:54.67 ID:yMRJJg4Zo
先輩「どうぞ。こちらが当店のメニューになります!」
許嫁「はい……え?」
先輩「フフフ。一見ただのじゆうちょうですが! こうやって念をこめて擦ると――」
先輩「むにゃむにゃむにゃ……はいっ。当店のメニューになりましたあ!」パチパチ
許嫁「……あ、はい。どうも、ありがとうございます」
先輩「……。あ、いえ……」
男(この二人、お互いやりにくそうな感じがするぞ)
男(……)
男(むしろ先輩のほうがいつも見る姿より、ぎこちない気もするが)
146 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:13:56.99 ID:yMRJJg4Zo
男「メニュー多いですね……多すぎじゃないですか?」パラパラ
先輩「本来は焼き鯖だけ出す予定だったんだけどね。白飯だよ! って頑なに主張する人もいて」
先輩「では定食を試すか、とか何とかやってるうちに。どんどんメニュー増えていっちゃったんだよ」
許嫁「……」パラパラ
男(ここはできるだけ無難そうなものを選ぼう)パラパラ
先輩「ねね。ところでだけど。私ね、あと少しだけ働いたら、フリーの時間なんだよ」
男「? ああ、そうなんですか?」
許嫁「……」パラパラ
先輩「そそ、そうなんです。だから、このあとさ。キミが良ければ。私と一緒に文化祭周ってみない?」
許嫁「……!?」
男(こ、この状況でこれを切り出してくるってスゲーなこの人)
147 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:18:19.89 ID:yMRJJg4Zo
男「今日は一日中先約があるので。すいませんけど」
許嫁「……」
許嫁「……」パラパラ
先輩「そっか。じゃ、それならさ。その先約の人と三人でっていうのはどうじゃろ、どうじゃろ?」
許嫁「……」パ
男「いや、さすがにそれもちょっと。悪いですが」
先輩「ナハハ。そりゃそうだよね。ちっ。もうちっと早くに気がついてキミを誘っておくべきだったか」
許嫁「……」
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/25(土) 20:32:28.19 ID:OUimCSHtO
よかった変に荒れてたからもう来ないかと心配だった
149 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:49:19.31 ID:yMRJJg4Zo
先輩「……キミは知ってるかな? この学校には、文化祭にまつわる言い伝えのようなものがあるんだってさ!」
男「あー……つい最近、聞いた覚えがありますね」
先輩「そう? あのね、後夜祭ってあるじゃない? 実はそのときね、イルミネーションが――」
許嫁「あ、あの! 質問があるのですが、よろしいでしょうか?」
先輩「あ……はい、どうぞ?」
許嫁「こちらの料理って、細かい注文には応えてくださるのかしら?」
先輩「え、ええ。出来る限りであれば対応いたしますよ」
許嫁「そうですか、ありがとうございます。私は注文決めたわ……あなたは、どうかしら?」
150 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:51:59.27 ID:yMRJJg4Zo
男「そうか。じゃあ俺は――」
先輩「キミはコレだね? 私のイチ押し『〆さば納豆チョコグリーンピースミックスサンド』!!」
男「……。……正気ですか? 字面に戦慄すら覚えるんですが」
先輩「私はいつも正気だよ、フフフ。じゃあキミはこれね?」
男「いや、ちょっと」
先輩「遠慮しなさんなって。これ私の考案したメニューだし、ぜひキミに食べて貰いたいのだよ!」
男「いや。その……えぇ……」
許嫁「私は、フィッシュ・アンド・チップスの……フィッシュ抜きで」
男「……それじゃただのフライドポテトじゃない?」
先輩「かしこまりました、あいあいさー!」
男(いいのかよ。俺もそっちにしたい)
先輩「ではでは少々お待ちください。ちょっぱやでお持ちいたしますよ、マジで」シュンッ
151 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:52:48.66 ID:yMRJJg4Zo
許嫁「……仲が、良いみたいね。随分と」
男「先輩と? どうかな。まあ、ああいう人だから。さっきのも半分冗談だと思うけど」
許嫁「ふーん。そうなの。……あなたは、一緒じゃなくて、良かったのかしら? センパイと」
男「お前はそれでも良かったの?」
許嫁「え? あ、私は……。今はあなたの話をしてるのよ、あなたはどうなのかって話をしてるの」
男「まあ、俺だって。文化祭、このまま楽しく周りたいと思ってるからな」
許嫁「そう。そうなのね。あなたも……」
許嫁「……?」
許嫁「え? 今のって。あなた――」
男「お、もう来たぞ。本当に凄まじく早いな」
許嫁「え、あ」
先輩「お待ちィ!」シュンッ
152 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:54:02.57 ID:yMRJJg4Zo
先輩「こちらフィッシュ・アンド・チップスのフィッシュ抜きにすでになっていまーす!」
男(これは、ただのフライドポテトだが……しかし)
男「いくらなんでも量、多くないですか? 二人でも食べきれるかどうか……」
先輩「ふふ。サービスサービスぅ!」
男(山盛りじゃねえかコレ)
先輩「そして、お待たせしました。こちらが……」
先輩「れでぃーすえんじぇんとるめーん!」
先輩「『〆さば納豆チョコグリーンピースミックスサンド』の登場だあああああ!」
〆さば納豆チョコグリーンピースミックスサンド「……」
男「……」
許嫁「……」
先輩「……」
男(ぜったい正気じゃない)
153 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:54:39.90 ID:yMRJJg4Zo
〆さば納豆チョコグリーンピースミックスサンド「……」
男「……口にしても大丈夫なんですか、コレ?」
先輩「もっちろんよ! シミュレーションでは完璧だったからね!」
男「じ、実地試験は? してないんですか!?」
先輩「……、さ、どうぞどうぞ。おあがりよ!」
男「せ、先輩?」
許嫁「……」
男(早く食べなさいよね、とでも言いたいような目でこちらを見てくる)
男(……ま、まあ食べられないようなモノは入ってないみたいだし、大変なことにはならんだろう……)
男(と思いたい)
男「……よ、よし。それでは」
男「い、いただきます――」パク
男「……」
男「……うっ」
154 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:55:32.16 ID:yMRJJg4Zo
155 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:56:04.81 ID:yMRJJg4Zo
男「……? あれ、今いったい俺は」
先輩「ワオ! よっぽど美味しかったのね! 嬉しいわ!」
男「え……?」
許嫁「……それ、そんなに美味しかったの?」
男「え。いや、俺……食べたの?」
許嫁「何言ってるのよ。凄い勢いで、一度に食べてしまったじゃない」
男「え……えええ?!」
男(ば、馬鹿な。全く記憶がないぞ)
先輩「嬉しいな。心を込めて作った料理。そうやって食べてもらえると、嬉しいな!」
許嫁「……」
男「い、いや……えぇ……?」
男(まるで時間が飛び去ったような感覚だ)
男(虚無感だけが残っている……)
156 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:56:54.50 ID:yMRJJg4Zo
許嫁「……ん」モグモグ
男「そ、そっちは大丈夫か? 変な感じとか、しないか?」
許嫁「? うん。思ってた通りの味よ。量は多いけど……」モグモグ
男「そ、そうか。ならいいんだが……」
先輩「……えへへーへっへ」
男「?」
先輩「やっぱりさ。料理できる女の子のほうが高ポインツだよね? キミも!」
男「え? ええ。そう……ですかね」
許嫁「……」モグモグ
先輩「ど、どうかな? こんなに料理を美味しく作れる、ちょっと年上女子なんて素敵じゃないかな?」
男(正直、今のが旨かったかどうかも分からないんだが)
許嫁「……」モグモグモグモグ
157 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 20:59:33.55 ID:yMRJJg4Zo
先輩「……やっぱりキミだ」
先輩「ちょっと臆病だったけどね、キミに決めた!」
男「何の話です?」
先輩「……えへへ。あの、あのですね。実は、ですね……その。ちょとだけキミに頼みたいことが……あるんだけど」
先輩「あ、そのー。あは……ココじゃ、ちょっとアレなんですけどなー」チラ
許嫁「……?」
先輩「あの。彼、借りていいかな?」
許嫁「え……」
158 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/25(土) 21:05:05.79 ID:yMRJJg4Zo
男「ここじゃ駄目って話なんですか?」
先輩「う、うん。その、個人的に、内密に。キミにお話をしたいことが、ございまして……」
先輩「あ、そんなに、難しく考えなくて良いことなんだけどね。スケジュール的に無理だったらそれで良いですしおすし!」
先輩「どうですかね? 彼を……」
許嫁「え、あ……」
許嫁「……」
許嫁「……。別に、私のものではありませんから。お好きにお持ちになって結構ですわ」ニコリ
男(あ、他所様向けの飾った振る舞いだ)
先輩「なんだ、そうだったんだー。良かった、安心したぜ。じゃあ遠慮なくいかせていただきますよ!」グイッ
男「あ、ちょ。強引に腕掴まないでくださいよ。ちゃんと行きますから!」ワタワタ
許嫁「……。どうぞ、ごゆっくり。そんな人でよければ」
許嫁「……」
許嫁「……もー。私……」
159 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/03/25(土) 21:12:07.52 ID:yMRJJg4Zo
今日は以上です。では
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/25(土) 21:27:33.50 ID:VszLhxWA0
ツンデレはやはりヤキモチ焼いてなんぼですな
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/03/25(土) 21:44:36.70 ID:IsHcoGNtO
やっと追いついた 乙
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/26(日) 00:40:12.69 ID:64sCWRd3o
しかしこの強烈なデレよ
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/26(日) 07:48:45.25 ID:NRMP9yLA0
グイグイくるな先輩
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/26(日) 12:40:49.55 ID:SBB4N8ExO
暴力系ツンデレとかはブチ殺したくなるが、このお嬢様の場合は嫉妬による反応が可愛すぎる
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/26(日) 20:02:25.16 ID:E5RLf2BOO
可愛い
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/28(火) 13:57:17.76 ID:QT6bl4vO0
おかしいな……何で俺には許嫁が居ないんだろう?
167 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 20:40:45.55 ID:ugRDdGVOo
先輩「この隅っこだったら、誰にも聞かれないかな? へへへ」
許嫁『……』
男(すぐ見える位置にいるが……険しい表情で山盛りのポテトを見つめてるぞアイツ)
男「で、何ですか頼みたいことって」
先輩「あ、う、うん。実はね。その……うん。え、えへへ」
男「……何ですか?」
先輩「カ、カップルコンテストって、キミは知ってるかな?」
男「カップルコンテスト? ……ああ、確か。後夜祭の特設ステージでやる予定でしたっけ」
先輩「そ、そう! それです、それなんです!」
男「それがどうしたんです?」
先輩「……じ、実はその」
先輩「その、私。出場することになってましてー」
168 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 20:42:01.94 ID:ugRDdGVOo
男「へー。そうなんですか。先輩だったら、人気もあるし。賞とかも狙えるんじゃないですか?」
先輩「……むん」
男「?」
先輩「先輩全然嬉しくない、それ」
男「え?」
先輩「分かってないの? 分からないふり? それとも私は攻略不可キャラだと思ってる?」
男「……はい?」
男(時々ぶっ飛んだこと言うよな、この人)
先輩「カップルコンテストには、おひとりさまでは出場できないんですよ? 相手が誰、とかキミは気にならないのかなーって」
男「ああ……。一体誰と出場する予定なんですか?」
先輩「……」
男「センパイ?」
先輩「……カップルコンテストには、おひとりさまでは出場できないんですよ」
男「……まさか。相手、決まってないんですか?」
169 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 20:52:16.70 ID:ugRDdGVOo
先輩「え、えへへ……」
男「どうしてそんなことに?」
先輩「細かく説明するとアレなんだけど、つまり。友達が勝手に応募した、とか付き添いのハズが、とかそういうことなの」
男「全然伝わってないんですけど」
先輩「ま、まあ、いーじゃない。今は原因究明より目前の問題に対処すべきときなんよ!」
男「……あー、つまり。俺にお願いしたいことってのは――」
先輩「あ……う、うん。その……お分かりいただけただろうか……?」
男「その相手に心当たりがいれば紹介して欲しいということですか」
先輩「違うわ! 黙れ! コワッパ! こわっぱ!」
170 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 20:53:53.94 ID:ugRDdGVOo
先輩「……もう、キミ。もしかして分かってて言ってる? ならば……私はストレートに言おうぞ!」
男「いえ。俺は――」
先輩「……あれ?」
男「?」
先輩「あ、改めて、ってなると。ヤッパリ少しハズかしいものなのだなっ。なははは」
男「……」
先輩「はは……じつは私結構臆病なのだよ……け、けど言うぞ! 言っちゃうぞ!」
先輩「……そ、それでは」コホン
171 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 20:54:45.37 ID:ugRDdGVOo
先輩「私のお願いっていうのは、ただ――」
先輩「キミと……キミと一緒にカップルコンテストに出たい……のですよ。先輩は」
先輩「キミだけ。一緒に出たいのは、キミだけなんだ。キミじゃ、なきゃ」
先輩「……あ、あはは。その、そんな重く考えずにさ。困っている人を助ける、って思ってさ」
先輩「あ、そうだ!」
先輩「もしも、その。一緒に出てくれたら。キミのお願いも、何でも聞いてあげよう!」
先輩「何でも……何でもだよ?」
男「……」
先輩「ど、どうでせうか!? いかがか!?」
172 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 20:57:41.19 ID:ugRDdGVOo
男「……先輩」
先輩「は、はいっ! 答えをドウゾ!」
男「先輩は、どうして俺を誘いたいんですか?」
先輩「……え? ええ!?」
先輩「こ、ここで!? ここでそれ言わせちゃいますか? まだちょっと早いんじゃないかな? 早いかな?」
先輩「だ、段階ってものもあるし。その。急いてはコトを仕損じるって昔のことわざにも――」アタフタ
先輩「あ。こ、コトってそういうコトじゃないからね? ……全くないってワケでもないけど、その……」
男「……」
男「以前から、気になってたことがあるんです。先輩のことで」
先輩「なな何でしょうか! あ、さてはスリーサイズかなあ!? 上からね――」アタフタ
男「……先輩。何か、無理してませんか?」
先輩「……えっ?」
173 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:00:11.22 ID:ugRDdGVOo
男「特に最近。先輩と向かいあってるときに思うんです」
先輩「……」
男「先輩と話してるのはその、楽しくはあるんですが……少し、無理してるんじゃないかなって」
男「単に俺の勘違いかもしれません……だったら、すいません。とても失礼なことを言ってますね」
先輩「……」
男「今の話でも、本当に先輩は俺と――」
先輩「……何か聞いたの?」
男「? 何をです?」
先輩「……。無理なんて、してないよ――あ、ちょっとはしてるかな?」
先輩「だって、ねえ? こうやって誘うのってちょと恥ずかしいじゃない?」
先輩「だから、そういう意味ではちょっと無理はしてます、ねへへ」
174 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:01:19.19 ID:ugRDdGVOo
先輩「だけど。普段キミと接するときに無理なんてしてないよ?」
男「……。そうですか、すいません。変な話をしましたね」
先輩「ううん。全然! それってキミが私を気にかけてくれてるってことでしょ?」
先輩「だったら。私には嬉しいことだ! ウムウム!」
男「すいません、先輩。そう言うのでしたら、今のは忘れていただけると助かります」
先輩「はい、分かりました。1、2のポカン! あれ、忘れてしまったぞ!?」
男「ハハ、ありがとうございます」
先輩「フフ。で、どうでしょう。返事は? ハイかな、イエスかな!?」
175 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:01:58.24 ID:ugRDdGVOo
先輩「困ってる先輩を助けると思ってさ! どうか、どうかこの通りじゃよ!」フカブカ
男「……」
男(本当に困ってるっていうなら、助けたいとは思う)
男(けど――)チラッ
許嫁『……』
男(ん? アイツ……)
176 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:05:04.75 ID:ugRDdGVOo
許嫁『……』バクバク
許嫁『……』バクバクバクバク
許嫁『……』バクバクバクバクバク
男(い、一心不乱に目前の山盛りポテトを召し上がっておられる)
男(ポテトをそんなに睨んで……親のカタキか何かか?)
許嫁『……』バクバクバクバクバクバク
許嫁『……』チラッ
男(む、こっちを見た)
許嫁『……』ムゥ
男(なんだ、物言いたげな目をして)
先輩「あ、よそ見してるんだ。もー! 私のことだけ、ちゃんと見てなさいよね!」グイッ
男「何ですか、そのキャラ?」
許嫁『……っ』バクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク
177 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:08:34.40 ID:ugRDdGVOo
男「……残念ですが、後夜祭ももう先約がありまして。一緒に出場することはできません」
先輩「ん……そか。やぱ、駄目でしたか……」
男「すいません、困ってるところを力になれずに」
先輩「ううん。無茶なお願いなのは分かってたことだし仕方ないのである」
男「……相手のことなんですが。よければ、俺の知り合いにでも当たって――」
先輩「おっと。その先は言わせねーぜ? 言ったろ? 私にはずっとキミだけだって」
男「……そうですか」
178 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:09:09.44 ID:ugRDdGVOo
「すいませーん、店員さーん。注文いいですかー?」
先輩「おあっ! ちょっち公私混同しすぎちったかな。仕事に戻らねば、私は」
先輩「はーい! お客様。今行きまーす! ……帰りには声かけてね? 無視しないでよ?」
男「あ、はい。分かりました。では」
男(……)
男(……どうも、この人。どこまで本気なのか分からないんだよな)
男(俺の考えすぎだろうか)
179 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:12:31.60 ID:ugRDdGVOo
……
許嫁「あら? もう終わったの?」
男「ああ。悪い、待たせたな」
男(あれ? ポテト山盛りだったのに。一人で食べきったのか、コイツ?)
許嫁「全然待ってないわよ? もう、いいのかしら。あなた、満足されました?」ニコ
男(あ。この表情……)
男(お嬢様はご機嫌ナナメでいらっしゃるようですね)
180 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:14:12.47 ID:ugRDdGVOo
許嫁「別に何の話だったかなんて、知らないけれど。私興味ないから、言わなくていいわよ」
男(何も言ってねーけど)
男「そうか、分かったよ」
許嫁「……。例えば、大雑把でもどういう話だったのか、なんてことも。その……言う必要ないわね」
許嫁「気になんて、してないから……全然」
男「……。まあ、後夜祭のカップルコンテストに一緒に出場しないかって誘われただけだ」
許嫁「え? あ、そうなのね。後夜祭の――」
許嫁「……」
許嫁「……?」
181 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/03/29(水) 21:21:49.58 ID:ugRDdGVOo
許嫁「カッ……。 カッ……? ……かっ……?」
男「カップルコンテスト。あ、もしかしてお前知らなかったか?」
許嫁「……かっぷる? なにそれ? わたしかっぷるしらないかもしれない」
男「後夜祭、特設ステージでコンテストあるって言ったろ? そのうちの一つであるんだ、カップルコンテスト」
許嫁「……」
男「それに誘われたんだよ。先輩から。パートナーがいなくて、困ってるから一緒に出てくれないかって」
許嫁「……ぇ」
男「まさか、そんな話だとは俺も思わなかったよ。……ん?」
許嫁「…………ぇ……」
男(な、なんつー顔をしてるんだコイツは!? 世界の終わりでも見たのか?)
182 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/03/29(水) 21:23:32.75 ID:ugRDdGVOo
今日は以上です、では
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 21:45:30.01 ID:Ds/ef8rA0
はい可愛い
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 22:10:09.97 ID:o2l9C2XZO
わたしかっぷるしらないかもしれないの破壊力
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/30(木) 00:33:08.59 ID:c3+EJ8PA0
>>184
すごく強い
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/30(木) 00:40:53.93 ID:6x4mVzyBo
声に出したいパワーワードだな
おつ
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/30(木) 01:34:49.75 ID:ZCl1vAcuo
この引きはきついぜ生殺しだ
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/03/30(木) 02:25:27.86 ID:5YhAfXrQ0
こわっぱwwwwww
しかし先輩にはまだなんか謎があるな・・・
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/30(木) 04:26:02.16 ID:UI4sd3QJo
カップルってなんだよ(血涙)
190 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 18:34:33.97 ID:yd5KycYMo
許嫁「かっぷる……?」
許嫁「あなた……あのひとと……かっぷる……。……かっぷるって……?」
男「も、もちろん断ったんだがな! 勘違いしていないよな?」
許嫁「かんちがい……。え……?」
男「そんなのに出る気なんてさらさらねーって」
許嫁「……かっぷるちがう……?」
男「あ、ああ。違う。カップル違うぞ」
許嫁「かっぷるちがう」
許嫁「……」
許嫁「な、なんだ。そうなの。あなた断ったんだ」
許嫁「…………はー」ボソ
男「……」
許嫁「……あ」
許嫁「……」
許嫁「そ、そうなのね。そうなの。ふーん。そうなの。ふーん」
許嫁「別に、私勘違いなんてしてなかったけど? そうなのね。ふーん。へー」
191 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 18:38:48.80 ID:yd5KycYMo
許嫁「へー。カップルコンテストにねー。あなた誘われたのねー。ふーん」
男「ああ。ま、そういう話だったよ。光栄っちゃ光栄な話なんだが」
許嫁「……へー」
男「驚いたぜ。先輩は突飛なことを言うとは知ってたつもりだがな。俺がカップルの相手役とは」
許嫁「……」
許嫁「それは、よっぽどの事情があったみたいね?」
男「え?」
許嫁「あんな美人な人が、相手にあなたなんかを選ぼうとするなんて」
男「ん、ああ。そうみたいだな」
男(……『キミじゃ、なきゃ』か。先輩どこまで本気だったんだろ?)
許嫁「つりあってない、とまでは言わないけど。その……あの人とあなたとじゃ、違う気がするものね?」
男「違う? 何が?」
許嫁「えっ? あ……私……。あ、で、でも、あなたは良かったのかしら? それで?」
許嫁「あなたは。その……出なくてもよかったの?」
192 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 18:41:42.16 ID:yd5KycYMo
男「後夜祭は一緒に屋上だったろ? そんなのに出てる暇ないように思うが。……まさか、忘れたのか?」
許嫁「わ、忘れるわけないでしょう! あんなに色々考えたのに……」
男(色々考えた?)
許嫁「でも。もしも、私に遠慮してるのだったら。そんなの必要ない、わよ?」
許嫁「……」
許嫁「あなたが、そっちに行きたいのだったら」
許嫁「そんなのだったら必要ないから。必要ないから、お気になさらず、あなたは――」
男「遠慮なんてしてねーよ。俺が自分で選んだんだ」
許嫁「……あ」
193 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 18:45:01.92 ID:yd5KycYMo
男「さっきも言ったろ。俺も文化祭楽しみたいって」
許嫁「……うん」
許嫁「そ、それってね? その、つまり。あなたは、私と一緒で――」ボソボソ
男「けど、そうだな。そこまでお前が言うんだったら」
許嫁「え?」
男「先輩と出てみるのもアリかな? 何事も経験だしな?」
許嫁「…………ぇ……」
男「な、なーんてね! モチロン冗談ですYO!」
男(自分から言っておいてその顔やめい)
194 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:01:52.94 ID:yd5KycYMo
……
会計
先輩「では、こちらがおつり三百万円だよ! ご利用ありがとうございました」チャリン
男「ご馳走さまでした、先輩」
先輩「ううん。来てくれてアリガトね……二人とも」
許嫁「いえ……」
男「一応、約束のはずでしたし」
先輩「一方的だったけどね?」
男「自覚あったんですか、先輩」
先輩「へっへへ」
男「では、これで――」
先輩「……よいしょっと」グイッ
男「っと。な、何ですか? 腕掴んで」
許嫁「……ぇ」
195 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:08:04.55 ID:yd5KycYMo
先輩「……」グイグイッ
男「センパイ?」
先輩「……」ウリウリ
男「あ、ちょ!? だ、だから。脇腹グリグリするのやめてくださいよ」
先輩「……。私。いっつも、キミにお願い断られてるような気がするなー」ウリウリ
男「え」
許嫁「……」
先輩「大事なお願いほど特に。……本当は、キミと出たくて。申し込んだのだよ? カップルコンテスト」ウリウリ
男「え?」
許嫁「ぇ……」
先輩「何が、足りないんだろ。私」ウリウリ
先輩「もしかして私のこと、嫌いなのかなーって」ウリウリ
196 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:10:43.53 ID:yd5KycYMo
先輩「私みたいな性格はにがてかな? だったら変わってみることもやぶさかではない……」ウリウリ
先輩「私、キミに。嫌われたくないのだよ」
男「……。先輩、俺は――」
先輩「っと。どうかな? 先輩センチメンタルばーじょん。HR(はいぱあれあ)だよ!?」
先輩「フフフ〜。グっとくるっしょ? っしょ? ……あれれ? 来てない?」
男「俺は嫌いじゃないですよ、先輩のこと」
先輩「……っ」
許嫁「……」
先輩「へ、へーいいのかな? キミ。お嬢様の前でそんな――……」
男(……?)
先輩「あ……。な、何を言ってるのじゃ、キミは?」
197 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:28:49.17 ID:yd5KycYMo
男「……出会ったばかりのころは、戸惑うことも多かったですが」
男「先輩のこと、少し分かってきた気がします」
先輩「……何が、分かったのかな?」
男「先輩の振舞いは面白いですし。決して悪い人ではないと思いますよ」
先輩「……。そうかな?」
男「ええ、そう思います……本当に」
先輩「……むう。まだまだ満足できる回答ではないが……」ウーン
先輩「今後の可能性も視野に入れつつ、今はまだ。良しとしておこう!」
198 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:29:34.51 ID:yd5KycYMo
先輩「では、嫌いじゃないという先輩を! 今後ともよろしく〜」
男「ええ、こちらこそ」
先輩「じゃ。またね〜」バイバイ
男「ええ。では」
許嫁「……」ペコリ
199 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:30:49.69 ID:yd5KycYMo
……
先輩「……」
先輩「……少し分かってきた気がします、だってさ」
先輩「……」
先輩「……アタシのこと?」
先輩「……フフフ。キミったら」
先輩「……」
先輩「……」
先輩「……知ったような口を」
200 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:44:38.17 ID:yd5KycYMo
……
許嫁(メイド服)「……」テクテク
男「いやー。不思議な人だな、ずっとそうだけど」テクテク
許嫁「……。そうね」テクテク
男(何か、多少表情が重いような)
許嫁「……」テクテク
男「……」テクテク
許嫁「……冗談で、あそこまで言うのかしらね?」ボソリ
男「何だ?」
許嫁「別に。何でもないわよ」
男「左様でいらっしゃいますか」
許嫁「左様ですわね」
201 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:46:29.43 ID:yd5KycYMo
許嫁「……」テクテク
男(何でもありませんわ、とでも言わんばかりの平然とした顔をしておるが)
男(それゆえ。何でもない、わけではないことは分かる)
許嫁「……」テクテク
男(まあ、これはつまりその……やっぱり)
男(以前の、委員長のときと近いようなアレで……)
『私だって良い気分にはならないと思うな』
『自分の気になる人が、自分では入っていけない話を楽しそうに誰かとしてるんだもの』
男(みたいな感じ……ですかね?)
男(……)
男(あのときは色々あったが。そんなことには、もうならないだろう)
202 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 19:51:47.06 ID:yd5KycYMo
男(……別に俺が謝ることでもない、よな?)
許嫁「次はどこ。行くのかしら?」
男(それを分かってるからコイツも何も言わないんだろうし)
男(平然としているような顔を作っているのだろう。……隠すのヘタだが)
男「ええっと。そうだな……どうすっかな?」
男(まあ不機嫌、というよりかは何か考えてるような感じだが)
男(にしても、よく顔に出るヤツだ。普段見てるから、分かるぜ)
男(……)
男(……さっきから俺はコイツの研究家か?)
転校生『え、ええ!? こ、困ったな。いえ、僕はそんなつもりは――』
男「ん?」
許嫁「?」
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/08(土) 20:24:18.18 ID:9S3/jJXA0
やっぱ先輩裏あるひとだったか
204 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 20:45:44.86 ID:yd5KycYMo
『良いじゃないですかー。私たち、あそこの女子高で。この学校、案内してくださいませんか?』
『お兄さんとだったら、楽しいかなーってぇ……ね? ダメェ?』
転校生『あ、いえ。僕も、そんなに自由な時間があるわけではないですし』
男(転校生だ。あいつ他校の女子に声かけられてるのか? ほー。そんなこともあるんだな)
『では。その少ない時間で良いですから。どうでしょう?』
『何だったら、文化祭抜け出して違うトコロ……いっちゃう?』
男(うーん。ハデめなコたちだ。にしても、あいつえらい困ってるな)
転校生『え? ええ!? 僕はそんな……あ、そうだ!』
転校生『す、すみませんが! 急用入りましたので! では! た、楽しんでいってくださーい!!』タタタッ
『あ……駄目だった……』
『や、やっぱ無理あったよー……』
男(逃げた)
205 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 20:46:49.67 ID:yd5KycYMo
男「さすが。女子からもちゃんとモテてるんだな、あいつ」
許嫁「? ああ、転校生のこと? そうみたいね」
男「メイド姿のときは男子にもモテるし、あいつも大変だな」
許嫁「そうね。まあ確かに、彼って――……」ハッ
許嫁「……」
男「? どうかした?」
許嫁「いえ。その、彼……カッコいいわね?」
男「ん?」
許嫁「あんな風に女の子から誘われるのも、私、分かるわね」
男「ああ、そうだな。本人は割と迷惑そうにしてるみたいだが」
許嫁「何か、その……カッコいいものね?」
男「? いや、ああ、俺もそう思うよ」
許嫁「その。外見がとても良いわよね。その……誰かと違って」
男(……?)
206 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:03:44.10 ID:yd5KycYMo
許嫁「それに性格も。素直で礼儀正しいわ」
男「ああ、育ちが良いって感じだ。だからかな。ついつい、からかってしまいたくなる……性格悪いな俺」
許嫁「そうよね、あなたは意地悪なところがあるもの。彼なんかに比べると、特にね?」
男「ハハ、そりゃスマン」
許嫁「……。……それに」
男「うん?」
許嫁「それに。あなたよりも勉強ができそうに見えるわ……知らないけど」
207 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:07:12.84 ID:yd5KycYMo
許嫁「それにちょっとミステリアスなところもあるわよね」
許嫁「休憩時間にどこかに消えたりするし、体育よく休んでたりするし。病弱なのかしら?」
許嫁「そういうところも、魅力になってるって言うコも少なくないみたいよ?」
許嫁「その。モテるわよね、だから」
男「……?」
許嫁「だから、その、私もまあ……その、……そういう感情まで、なんては。本当に。それだけはあなたに勘違いしてほしくないんだけど」
許嫁「その、転校生は悪い人ではないかなって思うかしらね」
男(……??)
許嫁「……えーと」
許嫁「比べてあなたは、その。いやな人、だと思うけど……私にとっては」
許嫁「……あ、本質的なことでなくて、部分部分的なこと……の意味だけど」
許嫁「今まで一緒に暮らしてきて、そう思うわ。私」
男「????」
208 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:08:12.05 ID:yd5KycYMo
男(なぜ急に転校生の話をペラペラと……?)
許嫁「声も……いいわよね。聞きやすいって感じで」
男(今まで、コイツとはそれなりに一緒の時間を過ごしてきた)
許嫁「そうだ。料理も上手らしいって聞いた――……あ。それは、全然気にしてないけど」
許嫁「……私の料理の腕がどうとかじゃなくて」ボソ
男(一見ワケが分からないようだが、コイツなりに色々と考えてる)
許嫁「制服の着こなしなんて凄いわ。キチッとしてるもの」
男(妙に口数が増えるときは、他に本音があるときだな。だいたい)
許嫁「あと、名前の響きがいいわよね。口にしてもいいかなって思うくらいよ」
男(そして、この状況に至ったまでを考えると――)
男(……)
209 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:14:14.25 ID:yd5KycYMo
許嫁「えーと。それから。何か、いい感じよね……何かが」
男「……まだ、続けるのか? それ」
許嫁「え?」
男「そんな話――……っ。いや。転校生の話は、もう……いいんじゃないか?」
男(……抑えろ、俺)
許嫁「あ……」
男「そんな話を。転校生を……っ。俺と、比べられるような話を、されても――……」
男(だ、駄目だ。もう……)
許嫁「あ……な、何かしら? あなた何か、その。思って……くれたのかしら?」
210 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:18:44.85 ID:yd5KycYMo
男「……っ」
許嫁「……?」
男「……く。くくっ、ははははっ」
許嫁「!?」
男「いや、ご、ごめん。本当に。笑う、つもりはなかったんだが……くっ」
男「く、くく……くくく、あははははははっ」
許嫁「え……? な、何で笑って――」
許嫁「……」
許嫁「……あっ!? もしかしてあなた――」
許嫁「ち、違うから! そんなんじゃないから! ぜったいに違う!」
許嫁「いまあなたが考えてるような、そんなことじゃないわ!?」
211 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:29:22.56 ID:yd5KycYMo
男「くくく……っ」
男(自分がそうなったからって)
男(……負けず嫌いなのか、それは?)
許嫁「け、決してあなたが今考えてるようなことのために言ったわけじゃないわ!」
男「そ、そうだな。決してちがうよな」
許嫁「え、ええ。違うわ!? 違うもの」
男「……ヤキモチ」
男「焼かせようとしたワケじゃ――」
許嫁「くあっ……、……ちが……。……ぅぁー」
212 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:32:07.26 ID:yd5KycYMo
許嫁「あ、あなた! 私! そ、そんなこと考えて言ったわけじゃないわ!」
許嫁「なんとなく。自然に、そう思った! だけだからっ」
許嫁「ち、ちがうもん! そうじゃないから! 変な勘違いしないでよね!?」
男「そうか。なら、俺の勘違いのようだ、スマン……くっくく……」
許嫁「も、もう! 笑わないでよ。わ、笑うなぁ……!」
男「す、スマン……スマン……くくく……」
許嫁「謝罪するか、笑うかどっちかにしなさいよ!」
許嫁「もう……もー!」
男(……本当に)
213 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:33:15.81 ID:yd5KycYMo
男(本当にコイツといると)
男(俺は)
許嫁「…………いじわるあなた」
男「悪いな」
男(楽しい)
214 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:36:42.99 ID:yd5KycYMo
男(性格悪いかな、俺)
215 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:38:42.84 ID:yd5KycYMo
……
許嫁「……」
許嫁「何よ、よくも笑ってくれたわね」ボソ
許嫁「本当に、ちがうのに」
許嫁「私は妬かせたかったんじゃない」
許嫁「……」
許嫁「ただ……」
許嫁「もしも、あなたも妬いてくれたならいいな、って思っただけなんだから」
許嫁「……」
許嫁「……同じかしら?」
216 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:42:42.06 ID:yd5KycYMo
許嫁「……もういいわよ」
許嫁「伝わったみたいだから、だから、もういい」
許嫁「……」
許嫁「それだけでも嬉しいなんて」
許嫁「ばか、私」
許嫁「……」
許嫁「……あなたのばか」
許嫁「……」
許嫁「ふふふ」
許嫁「あなたのばかー」
217 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:48:53.80 ID:yd5KycYMo
……
パイ投げ屋
『産医師異国に向かう、産後』
許嫁「くっ、この。ちょこまかと!」シュッシュッ
男「ふ、このくらい……一度に複数の料理皿を持つコツの応用で……ほいほいっと。全てキャッチだ」パシッパシッ
許嫁「なっ!? き、器用ね。あなた」
男「ふん。ファミレス道(みち)に入門した俺には、このくらい朝飯前。ひよっ子とは話にもならんわ!」
許嫁「まさか、あなたにこんな特技があったなんて」
男「フっ。敬ってへつらえ。さて、今度はこちらの番だな。覚悟はいいか? 俺はできてる」
許嫁「ぐっ」
男「……。……あ」
許嫁「?」
男「決して料理を落としてはならないというウェイターのsagaが! 俺にパイを投げることを躊躇させるっ……!」
男「できないっ……俺には、料理を投げるなんて恐れ多いことっ……!」
許嫁「っふふ。ふふふ。ほうら。これも落としちゃ駄目よ、店員さん?」ポイッポイッ
男「あ、ちょ、も、もう! 限界! ムリィ! や、やめ」
パシャ
218 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:49:40.01 ID:yd5KycYMo
美術部展覧会
『パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・シプリアノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード』
※お静かに
許嫁「? あら。これ、あなたに似てない?」ヒソヒソ
男「どこがだよ。目と鼻と口があることしか共通点が無いぞ」ヒソヒソ
許嫁「そう? 私から見ると、そっくりよ」ヒソヒソ
男「いったいお前には俺がどう見えてるんだ?」ヒソヒソ
許嫁「聞きたいの?」ヒソヒソ
男「やっぱいいわ。好き好んで誹謗中傷を聞きたくはないからな」ヒソヒソ
許嫁「あなたはね。私から見ると、まあ割と――」ヒソヒソ
男「断ったよな、今?」
219 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:50:36.44 ID:yd5KycYMo
お好み焼き屋
『うっちゃん』
許嫁「『初めて食べましたわ! これウッマイですわ!』」モグモグ
男「あ! こ、こいつ! 一口だけっつったのに、最後まで!」
許嫁「? 何のことかしら?」モグモグ
男「俺が頼んだヤツだろ、コレ? 一口だけ食べてみたいっていうから」
許嫁「あら、あなたったら。たかが料理一つで、わーわー騒いじゃって。みっともないわね、フフフ」
男「っ。……お前……」
許嫁「な、何よ? そんな顔して」
男「……いや……」
許嫁「言いたいことでも、あるのかしら? ……確かに、私ちょっと言いすぎたかもしれない――」
男「青のりついてるぞ」
許嫁「!? んにゃあ! だめ! 見ちゃだめ!!」シュババッ
220 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/04/08(土) 21:52:26.19 ID:yd5KycYMo
……
許嫁(メイド服)「じゃあ次! 次は? 次はどこに行こうかしらね、あなた?」ファサー
男「いや、そろそろシフトの時間だぞ。俺たち」
許嫁「えっ!? あ、もう……そんな時間?」
男「『もう』だと? おいおい、文化祭はまだまだ終わってないぜ? さては、これからの仕事なあなあで過ごす気かあ?」
許嫁「そ、そんなつもりで言ったんじゃないわよ」
男「後夜祭もあるだろ? まだまだ一日は終わらないぜ」
許嫁「そ、そうね。まだ、これからよ」
許嫁「……まだ、これから」
221 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/04/08(土) 21:53:44.39 ID:yd5KycYMo
今日は以上です。では。
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/08(土) 22:06:36.85 ID:9S3/jJXA0
ホントむちゃくちゃ可愛いなあ!(半切れ)
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/08(土) 22:06:49.91 ID:SOpJ82tr0
許嫁可愛すぎ問題2017
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