小鳥「え? 千早ちゃんからもらったチョコを投げた……?」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:40:42.06 ID:Q0lABaBHo
P「あぁいえ、本当に投げたわけじゃありません。
 投げたのはその時たまたま持ってたよく似た別の箱です」

小鳥「はぁ……。でもなぜそんなことを」

P「いえ、ちょっと試したくて……。
 最近の千早はどうも、俺や仲間のことを盲信しすぎている気がするんです」

小鳥「盲信、ですか? 信頼ではなく?」

P「はい。それで昨日千早にチョコをもらったときにふと思い立って――」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487162441
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:41:47.29 ID:Q0lABaBHo



P「はーやれやれ。今日も疲れたなっと」

千早「プロデューサー。少し、いいですか」

P「! 千早、どうかしたか? って、その手に持ってるのはもしかして……」

千早「あの。いつも、ありがとうございます。
   料理はあまり得意ではないので、既製品ですが……バレンタインのチョコレートです」

P「えっ? 俺のためにわざわざ買ってきてくれたのか?
 あはは……なんか照れるな」

千早「私がプロデューサーから受け取ったものに比べたら、ちっぽけですが……。
   それでも、形にしないと伝わらないものもある、と聞いたので」

P「千早……」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:42:51.84 ID:Q0lABaBHo
P「……そぉい!」ブンッ!

千早「!? そ、そんな、どうして……」

P「さぁ取ってこい千早! これもトレーニングの一環だぞ! 走って取ってくるんだ!」

千早「これもトレーニングの一環?
   ……なるほど、さすがプロデューサーです。
   それなら……受け取っていただけるまで、何度でも走るまでです!」

P「……」

千早「……取ってきましたプロデューサー! 受け取っていただけますか!?」

P「……まだまだ! ほら次だ! 取ってこい!」

千早「はい!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:44:49.92 ID:Q0lABaBHo



P「――そのあと結局一時間ほど投げては取ってくるを繰り返し、
 千早は汗に額を濡らして満足げに帰っていきました」

小鳥「ええ……」

P「普通キレますよね?

 『既製品が気に入らなかったのだとしても、投げるなんてあんまりです!
 私のことが嫌いなら、はっきり言ってくだされば良かったのに……くっ!』

 こうなるくらいの覚悟はしてたんですけど」

小鳥「は、はい。私も普通はそうなってもおかしくないと思います」

P「これは由々しき自体です。仲間を信頼するのはいいことですが、
 度を越えると後々致命的な問題を引き起こしかねません!」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:45:37.32 ID:Q0lABaBHo
P「……というわけで、これから第一回『千早に常識を取り戻させる会議』を始めよう!
 忙しい中集まってくれた高校生組のみんなには感謝する!」

春香「いえそんな! 千早ちゃんのためですから!」

響「今日は仕事もなかったし、何も問題ないぞ!」

真「最近の千早は昔に比べてすごく明るくなったと思いますけど、
 確かにプロデューサーの言う通りでもありますからね……」

雪歩「それでプロデューサー。私たちは何をすればいいんですか?」

P「ああ。俺としてはやはり、『仲間と言えどすべてを信じきってはいけない』
 ということを教えてやるべきだと思うんだ。そのために……」

春香「そのために……?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:47:45.76 ID:Q0lABaBHo
P「お前たちには、千早に対してとんでもない要求やら提案やら
 酷い仕打ちやらをしてもらい、更にそれについて訳のわからん言い訳をしてもらう!
 『常識で考えていくらなんでもそれはおかしい』と思えるレベルのな!」

真「! なるほど……荒療治ですけど、確かに効果はありそうですね」

雪歩「で、でも、やりすぎちゃうと私たちが嫌われちゃうんじゃ……?」

P「大丈夫、そこはちゃんと俺がフォローするから。
 だからお前たちは全力でやってくれ!」

響「そうだぞ、雪歩。
 何かあれば全部プロデューサーのせいにすればいいんだし、なんくるないさー!」

P「おう! 責任は俺が持つから気にしなくていい!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:48:12.33 ID:Q0lABaBHo
春香「……分かりました。私、プロデューサーさんを信じて思いっきりやります!」

真「よーし、気合入れて行くぞー!
 プロデューサー、やりすぎちゃったらフォローお願いしますね!」

雪歩「わ、私も、穴掘って埋めちゃうくらいの気持ちで行きますぅ!」

響「じゃあ気合入れるためにいつものやろうよ!
 ほらプロデューサー、早く早く!」

P「じゃあ行くぞ! 千早のために765プロー……ファイトー!」

一同「おーーーっ!」

小鳥(……大丈夫かなぁ……)
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:49:17.79 ID:Q0lABaBHo
一人目:春香

春香(! プロデューサーさん、千早ちゃんを発見しました!)

P(事務所で大人しく音楽雑誌を読んでいる……。
 そんな千早に、アレをやるんだな春香!)

春香(はい! しっかり見ててくださいね!)

千早「……」

春香「ちーはーやーちゃん♪」

千早「! おはよう、春香」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:50:32.57 ID:Q0lABaBHo
春香「うん、おはよう! それ、今月のミュージックタイム?」

千早「えぇ。ところで春香、今日は早いのね。レッスンは確か午後からじゃなかった?」

春香「えへへ……実はね、じゃじゃーん! クッキー焼いてきたの!
   事務所のみんなに食べてもらおうと思って、ちょっと早く来ちゃったんだ」

千早「そうだったのね……ふふっ」

春香「と、いうわけで。はい千早ちゃん、どうぞ!」

千早「ありがとう、春香……。なんだか、いつも私ばかりもらって悪いわね。
   バレンタインにはチョコレートを上げたけれど、あれは既製品だったし……」

春香「いいよそんなの、気にしないで!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:52:40.17 ID:Q0lABaBHo
春香「それより早く食べて食べてっ! 今日はちょっと自信作だから!」

千早「そうなの? それじゃあ、早速……いただきます。……っ!?」

P(や……やった! 一口で食ったぞ!
 あのデス・ソースたっぷりの超激辛クッキーを!)

千早「っ……んっ、〜〜〜〜〜っ!」

春香「どう千早ちゃん! 感想は!? 感想をどうぞ!」

千早「か、辛っ……! んぐっ、はぁ、はぁ……! は、春香、どういうこと……!?」

春香「辛かったでしょ? でもね……これも喉を鍛える訓練なんだよ!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:53:37.54 ID:Q0lABaBHo
千早「の、喉を、鍛える……!?」

春香「そう! マスクだとか加湿器だとかで喉を甘やかしてたら、
   一流の歌い手なんかにはなれないんだよ! 喉にはうんと厳しくしなきゃ!」

春香(我ながらなんて滅茶苦茶な理屈を……。
   でもこれならきっと千早ちゃんも、

   『春香、あなた何を言ってるの……!?
   そんなはずないでしょう!? こんなことをするなんて、信じられないわ!』

   くらいは言ってくれるはず!)

千早「春香、あなた……」

春香(来る……!)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 21:54:23.94 ID:b3U5wD0mO
忠犬ちーちゃんか…可愛いな…頭を撫でてやりたい
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/15(水) 21:54:33.82 ID:Q0lABaBHo
千早「私のためにそこまで考えてくれてたなんて……」

春香「え!?」

千早「そうね……確かに、あなたの言うことも一理あるかも知れないわ。
   こんな辛いクッキーくらいで根を上げるようでは、
   長時間のライブやコンサートに耐えられるはずはないもの……」

春香「え、あの、千早ちゃん……?」

千早「訓練を続けましょう、春香!
   残っているクッキーをちょうだい! 何個でも食べてみせるから!」
26.96 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)