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【ハンター×ハンター】逆風のヨークシンオークション その2【安価】
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1 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 19:42:59.32 ID:PguieTie0
欲望と巨万の富の渦巻く町ヨークシン。
オリジナル主人公で、ヨークシンドリームオークション期間中に、目的を達成しましょう。
前スレ:【ハンター×ハンター】逆風のヨークシンオークション【安価】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481891071/
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1486464179
2 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 19:44:43.38 ID:PguieTie0
【ルール一覧】
1、名前、性別、年齢、職業、ヨークシンへ来た目的、ステータス、性格、念能力、特殊技能を安価、もしくはコンマで決定します。
2、下ネタ、趣旨にそぐわない安価(右に行くか左に行くかを聞いている安価で空を飛ぶなど)は、再安価となります。
3、安価の内容によっては、コンマで成功判定を行います。
4、世界観との違いが大きすぎる安価(オークションにドラゴンボールが出品など)
物理的、常識的、知識的に不可能な安価(ビルを一撃で壊す。空から直径100メートルの便器が落ちてきた。
理由は無いけれどクロロの能力が把握できたなど)は無効となります。
5、この物語開始時には、ゴン、キルア、クラピカ、レオリオなどは新人ですので、主人公との面識はありません。
6、タイトルに逆風の、とあるように有り得ないトラブルが頻発します。
7、死亡、または職業毎の条件でゲームオーバーとなります。コンティニュー回数は3回まで。ゲームオーバールートに入ったと作者が判断する地点まで巻き戻します。
8、ヨークシンオークション終了時までに、目的を達成することがクリア条件です。
3 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 19:45:47.20 ID:PguieTie0
【名前】ヴォルト
【性別】女
【年齢】25〜30歳
【性格】物の分解と組み立てが好き。処女である、恋人募集中。ヘビースモーカー。
【善悪】中立
【職業】ネオンのボディーガード:新入り
【得意系統】強化系(変化系寄り)
【念能力】
『人体鍵開け師(ボディ・ピッカー)』
<強化系+変化系>
能力者が、未開の奥地に住む部族に伝わる医術を、持ち前の器用さで独自に改良した念能力。極細の長い針を人間の精孔に突き刺し、閉じたり、逆に開いたりできる。
操作系の能力ではなく、原理的には電気針療法に似ている。
ただし、どちらの効果も、十数分しか続かない。
精孔を閉じた場合は、その精孔がある部位のみ(右腕や左足など)、硬も堅もできなくなる。人体には複数の精孔があるので、戦いの中で全て閉じきるのは不可能に近い。
逆に開いた場合は、潜在オーラを100%使えるようになるが、体への負荷を抑える為のリミッターを無理やり外すので、開かれた者は、戦いが長引くほど深刻なダメージを受ける。閉じるより開く方が難しいので、開く場合は対象者の協力が不可欠。
<制約>・・・特になし
備考・・・針を刺すのは直接でも、投擲でも構わないが、投擲の場合は成功率が大幅に下
がる。狙える精孔は、両腕、両足。胴体にある3つのの精孔。四肢の精孔を閉じると、そ
の部位は硬、堅ができなくなる。胴体の精孔を閉じると、敵のオーラが三分の一ダウンす
る。
また、念能力と言うより医療の範疇だが、激痛が走るツボ、疲労を取るツボ、食欲がわく
ツボ、痛みを感じにくくするツボも知っている。
【特殊技能】
運転知識
主人公はいくつかの乗物の運転が得意です。
バイク、中型車、大型車の運転技能にボーナスが付きます。
【ステータス】
〈〈肉体〉〉 5
〈〈知力〉〉 4
〈〈精神〉〉 6
〈〈技術〉〉 9
〈〈感覚〉〉 9
〈〈練度〉〉 4
〈〈オーラ〉〉5
〈〈魅力〉〉 4
〈〈幸運〉〉 4
4 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 19:46:48.17 ID:PguieTie0
詳細ルール
1、このssでは、行動の種類によっては、コンマ一桁で成功判定を行いますが、目標値を設定した上で
下方ロールを行います。
基本的には、その行動に関係するステータスを目標値としますが、相手のステータスや状況により
プラス、マイナスの補正が付きます。
コンマ一桁が0だった場合、アクシデントとして無条件で失敗。普通の失敗よりも重大な結果となります。
コンマ一桁が1だった場合、大成功となります。普通の成功よりも良い結果が得られます。
なお、目標値がマイナスの場合、自動的に失敗。10以上だった場合、自動的に成功します。
2、攻撃力や防御力など、ダメージ判定に関わる数値は、いくつかのステータスを計算式に当てはめて求めます。
全て、書く事は出来ませんが、肉弾攻撃力を例に上げてみます。
肉弾攻撃力=【肉体】+(【練度】×【オーラ】×【強化系適正】)÷3 (小数点以下四捨五入)
主人公の場合ですと、5+(4×5×100%)÷3=12 となります。
肉弾防御力も同じです。
【強化系適正】は六性図から求め、変化系の場合80%。具現化系の場合60%です。
HPなどの形で、数値化はしませんが、相手の攻撃力と、自分の防御力の差で軽傷か大怪我かなどのコンマ判定に補正がかかります。
3、上記の計算式はあくまで基本で、武器の有無や、硬の使用(カウンターを食らうと、大怪我のリスクはありますが)で
補正がかかります。
4、今回の主人公の場合、基本の四大行に加え、応用技は硬、堅、凝、流、隠、周が使えます。
5 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 19:59:30.07 ID:PguieTie0
『あらすじ』
ノストラード組のネオン護衛団に加入した、主人公ヴォルト。
護衛団はオークションに参加するネオンと共に、ヨークシンシティへと出発する
その道中ネオンが書いた不吉な予言を受け、ヴォルト、トチーノ、イワレンコフは代理で9月1日の裏競売に参加することになった。
予言の通り裏競売の会場、セメタリービルは幻影旅団に襲撃されるも、護衛団の三人は辛くも生き延びる。
しかし、脱出作戦時に使用したヴォルトの能力により、トチーノは9月2日の夜まで行動不能になってしまった。
マフィアンコミュニティーは全系列の組織に対し、旅団捕縛の命令を出す。
ダルツォルネの判断により、ネオン護衛団も旅団を追うことになるが、その先で見たのは圧倒的な力で武装マフィアを蹂躙する
旅団戦闘員、ウヴォーギンの姿であった。
6 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 20:12:00.57 ID:PguieTie0
ウヴォーギンの想像を遥かに超える戦闘力に、怖気づく護衛団メンバー。
そんな彼らの元に、現れたのは十老頭直属の実行部隊『陰獣』の四人。
彼らは、セメタリービルの生き残りであるヴォルトの情報により、残りのメンバーと合流してから旅団に当たることにした。
ついに集まった十人の陰獣が、同時に旅団を襲撃する。
始めは数的有利もあり『陰獣』優勢で事を進めるが、次第に押され始め、ついには陰獣の内八人は死亡。残り二人も撤退を余儀なくされる。
しかし生き残りの一人、梟は旅団の操作系能力者シャルナークの身柄の確保に成功。
蚯蚓も、護衛団の力を借りて、ほぼ無傷のままヨークシンシティへと帰還した。
また『陰獣』のメンバーの一人、特質系能力者 憎蠅が自身の命と引き換えにウヴォーギンを貧血状態へと追い込むことに成功。
護衛団は、その機を活かしクラピカの能力でウヴォーギンを捕獲する。
7 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 20:28:58.52 ID:PguieTie0
ダルツォルネが所有する隠れ家の一つで、ウヴォーギンを尋問する護衛団。
直接的な拷問は効果がないと判断し、ヴェーゼの能力『180分の恋奴隷(インスタントラヴァー)』を用いてウヴォーギンを操作する。
ウヴォーギンから、旅団のメンバーの能力、ヨークシンに来ている人数などの情報を引き出すことに成功したが、問題が一つ。
旅団のメンバー達は、自分達の切り札については秘匿しており、各自の能力の一部しか知ることが出来なかった。
用が済み、コミュニティーにウヴォーギンを引き渡そうと、蚯蚓が捜索班に電話するが、既に捜索班は旅団に入れ替わっていた。
幸い蚯蚓が、その事を察知した為、別の住所を教えることで一先ずの危機は回避する。
ウヴォーギンの話から、護衛対象であるネオンにも旅団の目が向きつつある事を知ったダルツォルネは、ネオンの安全を優先し
ホテルへと戻ることにした。
ウヴォーギンの身柄については、電話での引渡しは危険と判断し、ヴォルト、ヴェーゼ、バショウ、イワレンコフ、クラピカ、蚯蚓らが
直接セメタリービルに赴き、身柄を引き渡すことに。
だが、その道中、不運にも蚯蚓が告げた住所に行く途中の幻影旅団と遭遇。
カーチェイスの末、引渡し班の乗る車は壊され、ヨークシン中央公園に、たどり着いたところで停車する。
未だヴェーゼの能力の支配下にあるウヴォーギンに、旅団を引き止めさせ、引渡し班は全員無事に逃げ延びたが
能力が切れた時を恐れ、ウヴォーギンに足止め後の自害を命じたことで旅団との確執は決定的になってしまった。
8 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 20:48:48.37 ID:PguieTie0
ダルツォルネが新たに借りたホテルへと帰還した、引渡し班。
時刻は、9月2日の午前2時を過ぎていた。
ダルツォルネは、これ以上ヨークシンシティにネオンを留まらせることは危険と判断。
ノストラード組組長、ライト・ノストラードに連絡した結果、9月3日の昼過ぎにライト自らヨークシンシティに来てネオンを説得することになった。
それまで、ネオンを護衛するべく、護衛団達は作戦を練る。
多くの者が、ホテルから外に出ず引きこもることを提案したが、旅団の動向を全く掴めないまま、完全に受身に徹することに抵抗を覚えた
ダルツォルネの発案により、ヴォルト、ヴェーゼ、バショウの三人が、外に出て旅団の情報を集めることに。
朝八時まで仮眠をとり、セメタリービルへと赴く。
コミュニティーの幹部ベンゼルに旅団についての情報を聞いたところ、コミュニティー側でも全く情報が掴めておらず
しびれを切らしたコミュニティーは、裏格闘技の関係者達に指名手配をかけるらしいとベンゼルから聞く。
ベンゼルが今、任されているのは少しでも旅団捕縛の可能性を上げるため、裏格闘技会場に呼ぶ実力者探し。
ダルツォルネから情報班のリーダーを任されていたヴォルトは、三人だけで旅団を捜索するよりも、コミュニティーの作戦を手伝い
見返りに情報を流してもらったほうが効率がいいと判断。
もし予想以上の実力者なら、護衛団の助っ人を頼みたいという思惑もあり、ベンゼルに実力者探しの手伝いを申し出る。
その結果、情報班に任されたのは二人。
一人は裏格闘技興行で昨日から20連勝しているという超新星。
もう一人は去年のオークション期間中、たった一人で十億ジェニーの損害を与えたという泥棒に決まった。
9 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 21:00:22.74 ID:PguieTie0
最初の目標は、裏格闘技興行の超新星に決まる。
情報班が向かった先で開催されていたのは、命の取り合いが日常茶飯事の、残虐非道の格闘技興行"ダークネスファイト"。
2日の第一試合の挑戦者は、ハンターとしての基準では強者とは言え無いものの、れっきとした念能力者の殺し屋リベロ・シューター。
相手は情報班の目当て、9月1日に突如として現れ、一日にしてチャンピオンの座を奪い取ったという、蝶の仮面をつけた青年。
『エンペラー・ザ・パピヨン』だった。
結果は、チャンピオンによる完勝。
客を盛り上げるためのパフォーマンスまで盛り込み、圧倒的な実力を見せつけた。
『エンペラー・ザ・パピヨン』の戦闘能力は、少なくとも優秀な武闘派ハンターに匹敵すると判断した護衛団は
彼をスカウトするべく控え室へと向かっていく。
10 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/07(火) 21:01:21.66 ID:PguieTie0
あらすじは、終了しました。
本編の再開は、明日の夜です。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/07(火) 21:28:48.69 ID:x7oCTkPP0
了解です
スレ立て乙
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/07(火) 23:08:30.49 ID:Au5uV/A50
乙
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/07(火) 23:26:42.16 ID:7bKiRPEI0
乙
14 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 20:22:14.21 ID:HH9/nZuP0
ssを再開します。
15 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 20:33:44.63 ID:HH9/nZuP0
狭い通路を進み、チャンピオンの控え室へと向かう。
選手達が待機する区域は、本来立ち入り禁止だが、係員にチップを握らせコミュニティーの名を出すことで一時的な許可を得た。
「聞いた話によると・・・ここか」
チャンピオンの部屋ということで、豪華な部屋を予想していたヴォルトだったが、扉を見る限り特に変わったところの無い普通の部屋のようだ。
「じゃ、最初の予定通り、可能ならばノストラード組への協力を依頼。ダメでも、今日の五時、闘技場には来てもらうってことで」
薄い木製の扉をノックする。
「・・・どうぞ」
数秒遅れて返ってきた声に従い、ヴォルト達は扉を開けた。
16 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 21:10:24.91 ID:HH9/nZuP0
打ちっぱなしのコンクリートが囲む殺風景な部屋。
部屋のほぼ中央に置かれたソファの上に、その男はいた。
歳は二十代前半だろうか。
肩まで伸びた細い黒髪に、薄い唇。
マスクをしていた時は良くわからなかったが、若干細いものの、一見温和そうな瞳をしている。
だが、薄いシャツの上から見て取れる肉体は、優男風の顔とは異なり、肉食獣を思わせるような獰猛な筋肉に覆われていた。
何より、その瞳の奥にある、押さえ込まれた闘気。
ヴォルトは目の前の男が、命懸けの戦いを生業とする者であることを感じた。
「チャンピオンさん。 少し話があるんだけど今いいかな?」
「ふーん、話、ね。 当ててあげようか? 多分、マフィアンコミュニティーへの勧誘でしょ」
「えっ!?」
今の私達は、街に溶け込むために、一般人風の格好をしておりマフィアの関係者だと悟られる要素はないはずだけど・・・。
もしかして、さっきの係員に聞いたのかな?
「あはは、その顔を見ると図星か。 マフィアンコミュニティーからってのは結構当てずっぽうで言ったんだけどね。
これでもそれなりに有名人だからさ。 僕のところに来るのは、僕を倒して名をあげようって奴か、僕を自分達の組織に勧誘しようって人が殆ど。
君達は、特に殺気立ってなかったから後者だと思ってね。 こんな闇格闘場に来るってことはマフィアの可能性が高いってのは推測だね」
有名人?
目覚しい戦績を挙げたとは言え、この闘技場に来てまだ二日目なら、関係者以外にはそこまで名は通っていないはず。
とすれば、他のところで何か功績を挙げたのだろうか。
「まあ、あなたの推測は大体合ってるかな。 ところで、あなた有名人なの? いや、この闘技場で昨日20連勝したってのは聞いたけど」
「はあっ? それだけしか知らないで来たのかい?」
「そうだけど・・・」
ヴェーゼとバショウにも目をやるが、二人は無言で首を振る。
誰も心当たりが無いようだ。
チャンピオンは大きくため息をついた。
「確かにマスクはしてたけどさあ・・・。 僕の華麗さは誤魔化せないから、そろそろ気づかれるかなと思ってたんだけどな・・・。
まあいい、改めて名乗ろう。僕の名は!! 天空闘技場、246階フロアマスター。 "極彩蜂"との異名を持つ格闘家、ジンジャー・カロンさ!」
17 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 21:39:31.24 ID:HH9/nZuP0
・・・以前として、誰もピンと来たものはいないらしい。
私も、天空闘技場の試合は何度か見たことはあるけど・・・。
微妙な反応しかできない、ヴォルトとバショウだが、ヴェーゼが口を開いた。
「天空闘技場のフロアマスター、か。 あそこの200階闘士は念能力者って言っても、そこまでレベル高くないのよね。
肝心のフロアマスターも、せこい戦略を使って雑魚を狩りながら登りつめた奴も多いし」
「ちょっ、ヴェーゼ」
私達が空気を読んで黙っていたのに、コイツは、多分言ってはいけないことを全部言ってしまった。
だが、ジンジャーの方を見ると、特に気分を害した素振りも見せず微笑んでいた。
「ま、そうなんだよね。 フロアマスターと言っても強者は一部で、基本的には雑魚ばっかり。
僕は、偶然無傷で念能力に目覚めた上に、念の基礎を知ってる奴に指導を受けられた分ツイてたんだ。
まあ、あの欲張りジジイに、200階に来るまでに貯めた金を殆ど払わされたけど。 絶対いい死に方しないな、あのクソ野郎は」
地雷を踏まなかったことに、ほっとする。
すぐに本題に入るより、彼の情報をもう少し聞いたほうがいいかな?
「そ、それでフロアマスターがこんな所で何やってたの?」
プロハンター達からは、若干軽く見られているフロアマスターだが、一般的にはトップクラスのネームバリューを持っている。
スポンサーを募集するなり、道場を開くなりすれば、こんな興行に参加せずとも簡単に大金を儲けられそうだけど。
「ん? ああ、金だよ金。 同じフロアマスターの中には、その名声だけで食ってる奴も多いけど、僕は若いうちから隠居みたいな生き方
するのは御免だからね。 でも、僕がフロアマスターって分かれば、誰も戦ってくれないから、顔は隠してるんだ。 経験上、そろそろ
バレる頃だけどね」
「そうなんだ・・・。 じゃあ、いい話があるんだけど。 実は「待った」」
話の途中で、ジンジャーはストップをかける。
先程までの、軽い表情とは打って変わり、真剣な眼差しをしていた。
「僕は、マフィアには加入しない。 いくら積まれようとね」
18 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 21:40:01.27 ID:HH9/nZuP0
20分ほど休憩します。
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/08(水) 21:53:35.99 ID:Jn+iS38WO
一旦乙
しかし、ここで天空闘技場が絡んでくるとは……
運が良かったらゴンたちの話も聞けるかも……?
20 :
◆1WEjI0bkj6
[sage saga]:2017/02/08(水) 22:02:53.04 ID:HH9/nZuP0
ssを再開します。
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/08(水) 22:05:53.88 ID:Jn+iS38WO
待ってました!
22 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 22:26:56.71 ID:HH9/nZuP0
「なにか理由があるのか?」
真剣な表情のジンジャーにバショウが尋ねる。
「理由だって? はっ、知れたことさ。そこのキミ、僕は誰だ!?」
彼の指の先には、ヴォルトがいた。
「へっ、私? えーと、天空闘技場のフロアマスター、ジンジャー・カロン・・・で合ってるよね?」
「そう、天空闘技場トップクラスの闘技者、フロアマスターの中でも随一の強さを持つ者だ。
天空闘技場の観客は年間延べ十億人。 そのうち、リピーターもいるから、実質三億人位として・・・。
フロアマスターの中でもひときわ異彩を放つ僕のファンは、控えめに見ても彼らの二割には及ぶだろう。
ということは、僕には六千万人のファンがいる計算になる」
何を言ってるのだろうか、この人は。
六千万人のファンって・・・、闘技場に来る人の十人に二人が自分目当てで来ているという推測のどこが控えめなのだろうか。
「そんな僕が、マフィアなんかに入ったらどうなる? 僕を応援してくれているファン達のイメージをぶち壊すことになるだろう。
僕は、フロアマスターの中でも善玉で通っているし、そういう事体は避けたいんだ」
「なるほど、ねぇ」
まあ、六千万人は言い過ぎとして、確かに有名闘士がマフィアに加入というのは、イメージ的にはよくないだろう。
だけど・・・。
「じゃあ、お金も儲けることが出来て、イメージアップにもなる話があるって言ったらどうする?」
ヴォルトは、コミュニティーが旅団を追っており、多額の懸賞金をかけること。
自分たちが旅団に追われており、護衛団と行動すれば旅団と接触できる可能性が高いことを話していった。
23 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 22:49:35.16 ID:HH9/nZuP0
「なるほどね。 確かに、幻影旅団はA級賞金首。それを捕まえる為には、一時的にマフィアと協力したとしても問題は少ない、か」
幻影旅団の捕獲、という言葉に琴線が触れた様子のジンジャーにヴォルトは畳み掛ける。
「でしょ、それにノストラード組からも別途で報酬も出すと思うよ。 いや、そう説得して見せるからさ、協力してよ」
「旅団を捕獲した際の報酬金の配分は? 僕としては、捕獲に僕が関わっていれば最低、六億。 貢献の度合いで、取り分アップでいいよ」
「う、うん。 私達の最優先事項はボスの護衛だから。 それに組の方でも、ノストラード組が旅団の捕縛に貢献したって名声が一番大事みたい
だし、報酬に関しては大丈夫だと思うよ」
「・・・悪くは無い話だね」
「ホント!?」
ジンジャーは頷くが、それから少し目を細めた。
「ああ、だけど一つ問題がある。 君達・・・護衛団だったかな。 護衛団が僕と組むならば、足手纏いになられては困るということ。
勿論これは最低限の話で、出来れば旅団と戦う場合、戦力になるのが理想だね。
折角組むのに、結局僕一人のほうが動きやすい、なんて事態になったら困るんだ」
話終えた後、ジンジャーは携帯に何やら打ち込む。
どうやら、メールをだったようで、すぐに返信メールの着信音が鳴る。
返信を確認するとジンジャーは席を立ち、出口のドアを開けた。
「僕について来てくれ。 護衛団の代表として、君達の実力を確かめさせて欲しい」
三人はジンジャーに続いて、薄暗い通路を歩いて行った。
24 :
◆1WEjI0bkj6
[saga]:2017/02/08(水) 23:30:15.99 ID:HH9/nZuP0
ジンジャーがたどり着いたのは、ある一室の前。
他の部屋よりも、高級そうな木製のドアをジンジャーはノックも無しに開けた。
中には四十歳程の、顎鬚を生やした大柄の男がいた。
「ダイナソー・ぺぺ。 メールは見てくれたよね?」
「おお、勿論だ。 で、その三人が例の?」
「ああ。 君達にも紹介するよ。 彼はダイナソー・ぺぺ、天空闘技場の元スタッフだ。 その時はぺぺって名乗ってたけどね。
生まれついての格闘好きで、1年前に天空闘技場を辞めてからは、こんな怪しい興行の司会をやってるんだ。
偶然ヨークシンに来たから、彼に連絡したら、ダークネスファイトへの参加を誘われたってわけさ」
へえ、マイクパフォーマンスの時、知り合って一日にしては互いに砕けた様子で話していたけど、こういうわけがあったのかぁ。
「ぺぺ、頼む」
「任せな。 正直、この能力は結構疲れるんだが、アンタと念能力者三人の試合が見れるなら安いもんだ」
そう言ってぺぺが、両手を胸の前で向かい合わせにすると、両手の間に四枚の紙切れのようなものが出現した。
「へえ、あんたも念能力者ってわけか」
「ああ、水見式ってのをやってみたが、どうやら特質系ってヤツらしい。 特に訓練などした覚えがないが
二十歳位の時使えるようになったんだ。まずは、この"チケット"をそれぞれ持ってくれ」
得体の知れない能力の産物、ヴォルトは少し躊躇うが、ジンジャーがあっさりとそれを手に持ったことで、意を決しチケットを
受け取った。
「よし、全員に渡ったな。 じゃあ、この能力の条件を満たすために説明をさせてもらう。 アンタらを傷つけるタイプの能力
じゃないから気楽に聞いててくれ。 オレの能力は『再起可能な闘技場(リサイクル・コロシアム)』って呼んでる。
そのチケットを持ったものが、この能力を理解した上で練を行い『入場』と発音すると能力が発動。 チケットの所有者を
特殊な空間に連れて行く。 その空間内で、いくら傷を負ったとしても、外に出れば状態が全て元に戻るから幾らでも怪我をしていい。
但し、死亡した場合は例外的に、外に出ても元には戻らないから気をつけてくれ」
なるほどね、念能力者しか中に入れない、というのはネックだけど、その能力で作られた空間内なら、後のことを気にせず戦えるというわけか。
「聞いたね、三人とも。 僕が君達に協力する条件は簡単。『再起可能な闘技場(リサイクル・コロシアム)』の内部で、僕に勝つことだ。
流石に、一対一で勝てというのは要求が高すぎるから三対一でいいよ。 ルールは・・・、ダークネスファイトと同じにしようか。
降参の宣言があるか、意識を失うことで敗北とする。 但し、今回は相手を殺すのは控えるってことで。 それで良かったら、練をしながら
『入場』と宣言してくれ」
「・・・バショウ、ヴェーゼ。 この話が本当なら、負けてもリスクは無い。 行こう」
ヴォルトはチケットを手に持ち、練をする。
「入場」
目の前が、白い光に包まれた。
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