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廃墟と化した鎮守府の夜明け
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222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/10(月) 18:13:48.40 ID:Ua8srFOGo
もうどんな話だったか忘れつつある
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/10(月) 18:27:57.54 ID:Kg1KGVDc0
“深海戦争”の末期、帝国海軍の一兵士だった主人公「シグレ・シラツーユ」は、味方の鎮守府を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。
作戦中、シグレは「素体」と呼ばれる帝国海軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、海から海へと幾多の「戦場」を放浪する。
その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/10(月) 19:14:41.77 ID:BGWY/62i0
一割くらい合ってる
225 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/10(月) 22:27:48.27 ID:/b0DfSv60
遅くなりましたが再開します
整合性を取るためにある程度書き進めてから投下するのでペースは遅めになりますがご容赦を
あと安価は当分は無い予定です
226 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/10(月) 22:59:10.97 ID:/b0DfSv60
・あらすじ
任務からの帰還途中、廃墟と化した謎の鎮守府跡地がある島に流れ着いた吹雪たち6人の艦娘。
散り散りなってしまった他の仲間を探しつつ廃墟の探索を進めていく吹雪は、途中謎の怪物による襲撃に見舞われながらも、
廃墟と化した鎮守府の工廠内で阿武隈と、本庁舎で時雨・不知火と、そして鎮守府の地下に存在する謎の施設の中で夕立・初霜らと無事に合流を果たす。
仲間たちと合流し島からの脱出が可能になった6人だったが、未だ残るこの廃鎮守府の謎を明らかにするべく再度鎮守府の探索を行い、
この地で行われていた『何か』を裏付ける証拠を手に入れることに成功。
そして吹雪たちは、最後に残された謎の場所『地下実験場』に足を踏み入れた。
227 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/10(月) 23:24:41.25 ID:/b0DfSv60
阿武隈「まさか……そんな……」
時雨「だいぶ容姿が変わってるけど、あの髪型、胸に付いてるVのバッジ。間違いない」
吹雪「白い身体と毛髪。それに頭に生えた赤黒い角……この姿ってまるで……」
不知火「……深海棲艦」
電「――――」ゴポポッ
初霜「カプセルの中は何かの溶液で満たされているみたいですけど、亡くなっているんでしょうか……?」
時雨「……いや、生きてるみたいだ。恐らく仮死状態のような形で眠ってるんだ」
不知火「ではこのカプセルや周囲の機械は、電を仮死状態のまま保管する為の……?」
時雨「うん。一種の生命維持装置か何かだと思う」
初霜「じゃあ、この手記に書かれている深海化してしまった艦娘って……」
阿武隈「電ちゃんだったのね」
吹雪「でもどうして電ちゃんがこんなところに……?」
時雨「…………」
夕立「んー……」キョロキョロ
初霜「夕立さん?」
夕立「この機械をいじれば電ちゃんを出してあげられるっぽい?」
初霜「あっ、だめです! 下手にいじっては――」
「それに触れるな」
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/10(月) 23:29:05.51 ID:D2HnDPpi0
待ってた
229 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/10(月) 23:48:08.59 ID:/b0DfSv60
全員「!?」ビクッ
阿武隈「誰っ!?」ピカッ
??「…………」
初霜「人? まさか、こんなところに生きた人が残っていたなんて……」
夕立「白衣を着た……おじいちゃん?」
不知火「いえ、髪と髭は伸びきっていますが……40代くらいにみえますね」
吹雪「もしかして、この施設の人……ですか?」
??「…………」
230 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/10(月) 23:49:51.36 ID:/b0DfSv60
阿武隈「見たところ武器とかは持ってないみたいだけど……」
不知火「友好的な雰囲気とは言い難いですね」
時雨「夕立、その機械から離れて。武器は持ってないみたいだけど刺激しないほうがいい」
夕立「う、うん……」
??「…………」コツ コツ コツ...
??「……」カタカタカタ
時雨(! あの電が入った機械を操作してる……?)
阿武隈「あの、あなたは……いったい?」
231 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/11(火) 00:04:14.08 ID:XKrhU70f0
??「…………」カタカタカタ
??「……どうやって、ここまで入ってきた?」
阿武隈「ど、どうって……」
時雨「地上の――庁舎の中に置かれていた金庫の中に保管されていたカードキーを使ったんだ」
??「…………」ピタッ
??「……あの金庫には鍵が掛かっていたはずだ。その鍵も、失われていたはず……」
時雨「……庁舎の入り口近く作られていた石碑の下に埋まっていたんだ。妙な手紙と一緒にね」
??「…………そうか」
??「…………」カタカタカタ
232 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/11(火) 00:11:23.04 ID:XKrhU70f0
阿武隈「何なの、この人……?」
時雨「……そうか。やっぱりあなたが」
時雨「これで……ようやく全てが繋がったよ」
吹雪「……時雨ちゃん?」
時雨「あなたが黒幕だったんだね」
??「……」
時雨「1つ断っておくけど、僕たちはあなたの考えてるような立場の者じゃないよ。偶然ここに迷い込んでしまっただけさ」
??「……」
233 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/11(火) 00:15:40.03 ID:XKrhU70f0
吹雪「し、時雨ちゃん?」
不知火「この男が黒幕とは……どういうことです?」
時雨「言葉の通りだよ。この人がこの鎮守府で起こった全ての出来事の当事者」
時雨「この地下施設で秘密裏に艦娘を使った人体実験を行い、そして地上を廃墟にした張本人」
時雨「そしておそらく今も、研究を続けている……いや、続けていた、のかな?」
??「……」
初霜「今も研究を?」
夕立「時雨が何を言ってるのかよくわかんないっぽい……」
吹雪「時雨ちゃん、どういうことなの?」
時雨「そうだね。まずは――この鎮守府について。そこからにしようか」
234 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/11(火) 00:20:24.21 ID:XKrhU70f0
今夜はここまでで一旦終わります
明日お休みなのでそこで出来るだけ進めたい……
お付き合いありがとうございました
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 00:21:23.28 ID:CIJzDEBMo
おつ
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 00:40:50.51 ID:Ye6hZCSwO
乙
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 00:48:30.53 ID:7jO+/1GzO
乙です
こいつを待っていたんだ…
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 01:48:41.33 ID:BZT1uNynO
乙
お前のSSが好きだったんだよ!
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 02:54:46.02 ID:rxqi4MxGo
おつおつ♪♪
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 10:00:50.53 ID:WQpeh03A0
乙っした
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 10:07:30.69 ID:/3ZDSurOO
乙です。
待っていた甲斐があった(*´ω`*)
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 10:16:08.74 ID:9II9207EO
続き待ってる
思ってたより人多いな
243 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/11(火) 22:47:57.46 ID:XKrhU70f0
休みなんて無かった()
すみません今日はもう無理そうなので続きは木曜日に書きます
私事で恐縮ですが予告した日に更新できそうにない場合はこうして報告させて頂きます
不定期になりますがお付き合い頂ける方はよろしくお願いします
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 23:06:38.40 ID:3JEhVF28O
ドンマイです。
自分は今月2回有った土曜の休みが全て仕事になった模様。
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 23:22:54.55 ID:5+pt4NBOO
更新できなくたって気に病む必要はない
3ヶ月待ったっていい
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 23:23:38.66 ID:PfnW7WLz0
ゆっくりでええんやで
あんたがまた続き書いてくれるだけでこっちは嬉しいんや
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/11(火) 23:29:07.20 ID:r95HpDTgO
長かろうが楽しみだし気長に待つで
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/12(水) 00:25:21.66 ID:h1nFYBqKo
ハンター信者の俺にはなんともないぜ
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/12(水) 00:47:53.90 ID:0tFMh0Y3o
またーり待つわ( ˘ω˘)
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/12(水) 09:30:11.52 ID:3bABh1v/o
ファイブスター信者の俺も問題ないなこれくらい
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/13(木) 21:54:50.41 ID:sW5DvxGXo
舞ってる
252 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/14(金) 01:32:51.48 ID:fh4NLqTd0
時雨「この鎮守府――いや、鎮守府跡というべきか。明らかに通常の鎮守府とは異なる様相だ」
時雨「未踏の海域内に存在し、僕たちの知る海域図にも記載されていない。友軍の施設だというのに今日まで僕たちの誰も存在を知らなかった鎮守府」
時雨「何より異質なのは、こんなに大規模な地下施設が存在する点だ。それもここにいた艦娘たちにすら知らされていないような秘密の施設がね」
時雨「これだけを見てもここが普通の鎮守府じゃない事は明白だ」
時雨「問題はここが一体何なのかって事さ」
吹雪「それは……」
不知火「これまで見てきたことから考えれば、ここでは艦娘を実験台にして何かの研究が行われていた……。ここが何らかの研究施設であることは確実でしょう」
夕立「研究施設……」
不知火「表向きは普通の鎮守府を装い、裏では艦娘に対して人体実験などを施すなどして、何かの研究を行っていた」
不知火「地下施設の規模などから考えて、ここは初めから艦娘への実験や研究を目的に造られた施設なのかもしれません」
時雨「確かに表面だけを見たらそうなるね」
阿武隈「表面?」
時雨「僕たちが今まで見てきた物事から考えれば、不知火の言う通りここは何かの実験施設だった。って推測に行きつくのは自然なことだ」
時雨「でも、そうだとすると不自然な点が多いんだ」
不知火「不自然な点……?」
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/14(金) 01:36:24.96 ID:N9Dp5r2iO
きた
254 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/14(金) 01:45:02.53 ID:fh4NLqTd0
時雨「まず、ここが初めから艦娘への実験を目的に造られた施設なら、ここにいた艦娘たちの様子は少しおかしい」
時雨「ここが艦娘を使った実験施設で艦娘は実験材料として集められていたのなら、当の艦娘たちが何も知らず比較的自由な環境で生活していたって言うのは妙な話だ」
時雨「そもそも初めから艦娘への実験が目的だったなら鎮守府に偽装する必要なんてないんだ。それこそ収容所のような施設を作って実験用の艦娘を投獄し纏めて管理していたほうがよっぽど合理的さ」
時雨「艦隊運用なんてリスクの塊だ。出撃させれば脱走のリスクになるし、何より実験体に武器を持たせたりしたら反乱に繋がる可能性すらある」
初霜「確かに……その通りですね」
時雨「次に鎮守府として艦隊を運用しつつ、裏で艦娘への人体実験を行っていた可能性。これも合理性で疑問が生じる」
時雨「下手をすれば艦娘たちに秘密が露見してしまうなんてリスクを負うくらいなら、僻地に造った実験施設に外部から実験に使用する艦娘をその都度送り込む形態にするとか、他に幾らでもいい方法はあるはずさ。わざわざそんな回りくどいことをする意味がない」
255 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/14(金) 01:49:56.60 ID:fh4NLqTd0
時雨「なら艦娘への実験が後天的なきっかけ――つまり元は普通の鎮守府だったけど、ここの提督が独断で実験行為を始めたのか? これもノーだ」
時雨「提督の独断にしては、ここは設備が整い過ぎてる。艦娘たちに気付かれず秘密裏にこれだけの地下施設を作るのもまず不可能だ」
不知火「確かに……普通の艦隊司令官がこんな地下施設まで急増且つ一存で用意出来るとは到底考えられませんね」
時雨「少なくとも、この地下施設は艦娘たちが来る前から存在していた。って考えたほうが自然だろうね」
時雨「そう考えると、ここが初めから艦娘の実験施設だった。とは考えにくい」
時雨「つまり、ここが秘密裏に設けられた艦娘を使った研究を行う為の施設なら、地上に鎮守府という形態を作ったこと自体が不自然なんだ」
時雨「地上と地下。それぞれの施設のコンセプトが大きく食い違っているからね」
阿武隈「じゃあ、ここはいったい何なの……?」
時雨「僕の推測だけど……元々ここにあった『施設』と、今の廃鎮守府は全く別の物だったんじゃないかな?」
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/14(金) 01:59:32.28 ID:PzClYnoC0
ほうほう?
257 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/14(金) 02:01:10.81 ID:fh4NLqTd0
限界、いったん寝ます
明日こそ休みとれたので可能な限り進めます
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/14(金) 02:27:03.82 ID:0s0A7E1D0
>>1
乙やで
更新待っとるわ
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/14(金) 02:48:33.32 ID:JQUZwUjgo
まだ色んな可能性があるな
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/14(金) 11:49:51.31 ID:sN1Z3FSpo
舞風と舞ってる
261 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/14(金) 14:47:43.76 ID:fh4NLqTd0
吹雪「別のもの……?」
時雨「うん。地下施設と地上の鎮守府。この2つの施設が1つの目的の下で造られたもので、同時期に運用されていたとすると整合性が合わないけど……」
時雨「これが建設された時期や用途、運用していた時期も全てが異なる別の施設だったとしたら、どうだろう?」
阿武隈「どういうこと、時雨ちゃん?」
時雨「まず、この地下施設についてだ」
時雨「巧妙に仕掛けが施された出入口。それにここの艦娘たちが存在を知らなかったこと等から考えて、地下施設の事は意図的に隠匿されていたのは間違いない」
時雨「しかし、さっき言ったように後から地下施設を増設したとは考えにくい。これ程の施設を鎮守府の誰にも気付かれずに作るのは不可能に近いからね」
時雨「そうなると……この地下施設は初めから存在していた可能性が高い」
262 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/14(金) 14:56:21.06 ID:fh4NLqTd0
夕立「初めから?」
時雨「うん。艦娘たちが鎮守府に着任する前から既にこの地下施設は存在していた。そう考えたほうが自然じゃないかな?」
時雨「僕はむしろ鎮守府自体が後付けで作られた施設じゃないかとすら疑ってる」
不知火「後付けとは?」
初霜「つまり、鎮守府に地下施設が造られたのではなく、地下施設の後に鎮守府が造られたと……?」
時雨「そう。僕の予想では、元々この島にはこの地下施設を主体とした『施設』が存在していた」
時雨「でも何らかの理由で施設は閉鎖することになった。そして、その後に出来たのが地上の鎮守府施設だった」
??「…………」
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 19:41:42.87 ID:hsVJi5ZkO
名探偵時雨
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 21:31:24.57 ID:e/QnlGYJ0
続き待ってた
265 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/15(土) 22:44:19.17 ID:y5bwNj8b0
夕立「でも時雨の言う通りなら、この地下施設は過去に閉鎖された施設ってことになるよね?」
夕立「それがどうして今もこうして残ってるの? ちょっとおかしくない?」
時雨「おそらく潰さずに残す程の価値か……もしくは必要があったんだろう。鎮守府になる前の前身施設には」
時雨「あるいは鎮守府を造った経緯そのものが、前身となった施設の隠蔽にあるのかもしれない」
時雨「だから出入口に仕掛けを施して容易に発見できないように隠し、半ば封印に近い状態にしてこの地下施設を残したまま鎮守府を開設した」
初霜「確かに……そう考えれば辻褄は合いますね」
266 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/15(土) 23:35:39.50 ID:y5bwNj8b0
時雨「さて、ここまでの僕の仮説が正しかったとして……次に見えてくるものが2つある」
時雨「1つは、2つの施設の設立に関わる存在だ」
時雨「鎮守府が出来る前の前身施設だけにしても、これだけの規模と設備の充実ぶりを考えると、施設の設立には大きな力が働いている事は明白だ」
時雨「そして鎮守府とその前身施設……2つの施設は用途こそ違えど、設立に関わった組織は共に同じである可能性が高い」
吹雪「まさか……その組織って」
阿武隈「……大本営ね」
時雨「そう。もしこの施設の設立に大本営が関わっていたとしたら、僕たちが感じていた様々な疑問にも辻褄が合うんだ」
時雨「ここに来るまで誰もその存在を知らなかったこと、僕たちが知る海域図にこの島と鎮守府の存在が描かれていないこと」
時雨「これらは全て大本営によって組織的に情報を操作され隠匿されていたとしたら説明が付く」
時雨「さらに言えば、大本営まで絡んで造られたこの施設で行われていた事……それは相当やましい事なんだろうね」
時雨「それこそ、施設の存在そのものから組織的に徹底して隠匿しなければならない程にね」
初霜「この施設で行われていた事……」
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 13:33:37.59 ID:hfslLNMZO
乙乙
解明されてきたな
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 13:49:41.70 ID:ZI3pc0Jxo
実際に島が見つからなかったのはなんでだろ
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 21:18:34.26 ID:odlL0zLB0
艤装の航法装置も大本営製だろうし細工はデフォルトでされてるんじゃないかねえ
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 03:26:01.85 ID:WpNcTcuno
島が地図から消えたのは鎮守府が無くなってから?
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 09:54:39.59 ID:8XOSL8sM0
コナン君の例のBGMが頭から離れない...
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 15:53:41.29 ID:8sf6LWEN0
最初は電探が動作不良起こして
全員渦潮に飲まれたんだっけ?
273 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/18(火) 01:57:10.74 ID:oJBgC9rG0
時雨「そしてもう1つは、この鎮守府にいた提督のことだ」
時雨「僕たちが集めた情報によって、この鎮守府には2人の提督が居たことがわかってる」
時雨「1人は初期からここで艦隊の指揮を執っていた『中将司令官』」
時雨「そして中将司令官が失踪し、その後任として派遣されてきた『少将司令官』の2人だ」
??「……」
時雨「今言ったように、ここが大本営によって設立され隠匿されていた施設だとしたら、その地に責任者として置かれる提督の存在は重要だ」
時雨「海域図の件を考えると、海軍の組織内でもここの存在を知っていたのはごく一部の人間に限られ、一般向けには隠されていたんだろう」
時雨「だとすると、大きな秘密を隠したこの地にまったく無関係の人間を配置するとは考えにくいよね」
阿武隈「それじゃあ、やっぱりここの提督は知っていたのね……この隠された施設の存在を」
時雨「うん。僕は、むしろ鎮守府の責任者には前身施設に関係する人間を置いた可能性が高いとも思ってる」
時雨「重大な秘密を外部に漏らさず保持し続けるなら、秘密そのものを知る存在自体を一定に止めておくのが定石」
時雨「わざわざ何も知らない者に秘密を話すより、秘密を知る者を任に充てたほうが漏えいのリスクは減らせるからね」
不知火「だとしたら、それに当てはまる人物は……」
時雨「そう。この鎮守府の最初の司令官である中将司令官。彼は前身施設とも関係のある人物……大本営によって配置された秘密の守り人だったんじゃないかな」
274 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/18(火) 02:23:57.22 ID:oJBgC9rG0
吹雪「秘密の……守り人?」
初霜「ただの提督ではなく、この地に隠された秘密を守る役目を帯びていた……ということですか?」
時雨「うん……。そう考えると、ここを鎮守府にしたのも、秘密の守り人となる人間を常に置いておける形態として鎮守府が最適だった。って理由かもしれない」
時雨「こんな未踏の海域内に意味もなく常に人を置く奇妙な施設を造るよりは、鎮守府にしたほうが違和感はないし逆に妙な目が向くことも無いだろうからね」
不知火「灯台下暗し、という訳ですか」
時雨「さて、ここまでがこの鎮守府と地下施設に関する僕の推理だけど……合っているかな、当事者さん?」
??「……」
時雨「……感想は頂けないか。まあ、いいさ」
阿武隈「時雨ちゃん、そろそろ教えてくれないかな……この人の正体を」
阿武隈「今までの口ぶりからすると、既に見当はついているんでしょ?」
時雨「……」
不知火「もっとも、この男の容姿を見ればおおよその見当はつきますが……」チラッ
初霜「白衣の下に見えるのは海軍士官の制服……。やはりこの方は……」
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/18(火) 16:31:40.74 ID:l0DTTxXZ0
若葉だ
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/18(火) 16:32:17.38 ID:9S7Qy/aCo
東方先生!!
277 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/18(火) 19:59:36.75 ID:oJBgC9rG0
時雨「この人の正体を考える上で鍵になるのは、『提督の私室』で見つけた『提督の手記』だ」
阿武隈「私室の手記?」
時雨「そういえば、直接あの部屋に入って手記を読んだのは僕と不知火だけだったね」
時雨「不知火。本庁舎で見た『提督の手記』のことを覚えてるかい?」
不知火「ええ、覚えています。確か、失踪した中将司令に代わり着任した少将が書いたと思われる手記でしたね」
時雨「うん。不知火の言う通り、あの手記の内容から書き手は後任者――つまり少将提督だ」
時雨「あの手記からは、少将は大本営からの命令で失踪した中将に代わって着任し、中将の生死を確かめるよう命じられていたこと」
時雨「そして中将の捜索とは別に、この鎮守府で何かを調べていたことが伺える。ここが重要だ」
時雨「少将と大本営がこの鎮守府でいったい何を調べていたのか?」
時雨「それはおそらく……この地下施設のこと。ここを探し出そうとしていたんだ」
278 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/18(火) 20:11:04.14 ID:oJBgC9rG0
吹雪「えっ?」
阿武隈「ちょっと待って……さっき時雨ちゃんは、鎮守府の前身施設の設立には大本営が関わってた可能性が高いって推理してたよね?」
阿武隈「なのに大本営が地下施設を探していたって……おかしくない?」
時雨「確かに、大本営が施設の設立に関わっているのにその場所を知らない。これだとさっきの推理と矛盾があるのは承知の上さ」
時雨「正直この辺りに関しては確たる情報が無いから完全に僕の推測になってしまうけど……」
時雨「あくまで大本営は施設の設立に助力しただけ。パトロンのような立場に過ぎず、現場の詳細までは把握していなかったとしたら、どうだろう?」
時雨「存在ごと隠蔽するほど徹底した機密保持が行われていたのなら、関係者も最小限に止めていて、ここを知る人の絶対数自体が少ない可能性もあるし」
時雨「ここの関係者がどれくらい居たのかはわからないけど、既にその多くが死んでいるか話を聞けない状況にあったとしたら……」
不知火「だから大本営と少将提督は、手探りで探索せざるを得なかった。ということですか?」
時雨「まあ、推測である以上真相ははっきりしないけど……少なくとも大本営が地下施設の詳細を知らなかったのは間違いないはずだ」
時雨「着任した少将の手記の中に地下施設に関することは書かれてなかったし」
時雨「この地下施設の各所で見つけた資料にも、大本営との直接の連絡や関連を匂わせるものは一切出てこなかったからね」
279 :
◆Paxl0Q5Mlk
:2017/04/18(火) 20:29:32.08 ID:oJBgC9rG0
時雨「ここで少し話を戻すけど、この地下施設は何らかの理由で閉鎖し封印されたものじゃないか。って話したよね?」
時雨「だけど僕たちが見てきたように、ここでは鎮守府の艦娘を使った実験が行われていた。一度は封じたこの施設を再び開いた人が居たんだ」
吹雪「それって……やっぱり少将司令官……?」
不知火「艦娘を物同然に扱っていた少将なら……地下施設を発見し、そこで何かの野心に駆られて狂気の実験に手を出したとも十分に考えられますね」
時雨「いや、少将提督は最後までこの地下施設を発見することは出来なかったみたいなんだ」
時雨「それに少将は優秀な人だったらしいけど、いくら優秀でも一朝一夕であんな研究を行えるはずがない」
時雨「少なくとも医学薬学や生物学などにかなり深い造詣があり、艦娘のことにも詳しくないとあれだけの研究や実験は出来ないと思う」
阿武隈「それじゃあ……この人は……」
時雨「そう……。研究に関して造詣がある可能性があり、大本営すら知らないこの地下施設への入り口を知っている人物はただ1人」
時雨「前身施設の関係者で秘密の守り人だった前任の提督――いや、中将司令官だ」
中将「……」
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/18(火) 22:56:55.31 ID:Y+i0fad0o
きたか
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/19(水) 01:56:24.08 ID:STNFA3DWo
さあラスボスだ
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/19(水) 22:30:00.03 ID:Pzd2BQ8z0
中将答える義理が全くないんだよなw
適当にあしらいつつ始末する算段進めてると見るべきか
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/19(水) 23:00:22.51 ID:XOV8rgDfo
バイオ1のレベッカみたいに撃たれそう
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/20(木) 09:19:22.42 ID:rSCHBX90o
時雨の胸部装甲なら何とかなりそうだな… 不知火や吹雪なら危ないかも?
ん?こんな時間にだれだr……
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/20(木) 10:17:02.31 ID:LAlTuMvS0
おいおい。その二人より致命傷になりそうな軽巡を忘れるなよ
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/20(木) 10:46:59.36 ID:7bQsIhYnO
艦娘なら銃弾の1発くらいかすり傷にもならなさそう
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/20(木) 21:11:21.23 ID:0O8lRTA4O
まぁ、妖精が対艦娘様に作った拳銃だったらワンチャンだろうけどね。
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/20(木) 22:44:55.27 ID:fhY+slrT0
面白い(´・ω・`)
289 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/22(土) 23:25:31.83 ID:mZnl+BEX0
吹雪「ちゅ、中将司令官って」
阿武隈「この鎮守府にいた前任の提督……。でもここが廃墟になる前に突然失踪したって……」
時雨「失踪した。だけど死んではいなかったんだ。むしろ何らかの事件に巻き込まれて自分が死んだように見せかけていた」
初霜「まさか、そんな……」
時雨「前任――つまり中将提督は失踪扱いのまま、大本営側もはっきりとした生死は確認出来ていない。と聞いた時から疑ってはいたよ」
時雨「もし中将の失踪に大本営が関与しているのなら、わざわざ後任の少将に生死の確認を命じる必要はないはず」
時雨「そうなると、中将の失踪は何らかの事件や事故に巻き込まれたか……もしくは意図的に自ら姿を消したって可能性に絞られてくるからね」
吹雪「意図的に姿を……」
時雨「中将提督が生きていたとすれば、この鎮守府で起きていた数々の異変の真相も見えてくる」
時雨「すべてのきっかけは中将提督の失踪――その直前の解任騒動辺りから端を発しているんだ」
290 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/22(土) 23:41:28.97 ID:mZnl+BEX0
時雨「青葉さんの新聞によれば、中将の解任決議という話が出てきたのは2013年の7月頃のことだ」
時雨「新聞でも解任の詳しい理由は不明とされていたけど、大本営からの命令無視や作戦行動に消極的な姿勢等が原因と推測されてもいた」
時雨「それ以前の新聞記事では、この鎮守府は開戦初期から戦っていて、解任騒動の数か月前に発令された大規模作戦でも大きな功績を挙げたと書かれていた」
阿武隈「その時期に行われた大規模作戦って……確か、深海棲艦に対して初めての反攻になったっていう奇襲反攻作戦だったはずだわ」
不知火「今こそ数ある鎮守府の中でも最古参の部隊が参加したという、今となっては伝説的な戦いの1つですね」
時雨「そんな最前線で活躍していた艦隊が、この数か月の間に突如方針を転換し作戦行動に消極的になった。新聞からはそう読み取ることが出来る」
時雨「大本営からの命令無視というのも、おそらく消極的な姿勢というのに関係すること。察するに発令される作戦の拒否とかだったんじゃないかな?」
時雨「まあ、その辺りは想像するしかないんだけどね……」
時雨「問題は、この数か月の間に何があったのか? ってことだけど」
時雨「その理由は、地下施設にあった一室。あの『オフィス』でみつけた日記の内容から窺い知ることが出来た」
中将「……」ピクッ
291 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/23(日) 00:19:27.53 ID:iTAwioqh0
不知火「日記?」
時雨「あのとき一緒にいた皆には言わなかったけど、あそこで僕は幾つかの資料を見つけていたんだ」
時雨「その中の1冊に日記のような物があったんだけど、あれは多分この人が書いたものだ」
阿武隈「じゃあ、あそこは……この人が使っていた部屋だったのね」
中将「……」
時雨「あの日記に日付のようなものは一切記載されてなかったけど、内容から考えて深海棲艦との戦いが始まった頃からの記述だってことがわかった」
時雨「さらに内容からは、深海棲艦との戦争やその戦況を不安視していたことも窺えた」
時雨「興味深いのはその後の記述。日記の主が怒りを露にして何かを糾弾……あるいは絶望するかのように、激しい文体で記されている部分があったんだ」
時雨「その記述こそが、数か月の間に中将に起こった変化を示していたとしたら、どうだろう?」
初霜「怒り……糾弾……」
吹雪「いったい何が書かれていたの?」
時雨「残念ながら、その箇所は殆ど読み取れなかったから詳しい内容までは解らない……」
時雨「だけど日記にはまだ続きがあった……。そこに書かれていたことが重要なんだ」
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/23(日) 03:35:30.53 ID:U3Bx7r+to
おつん
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/24(月) 01:53:14.91 ID:LzoN0n340
追い付いてしまった…
すごい続き気になる
294 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/25(火) 20:35:25.82 ID:c3mBQxpB0
時雨「日記の最後は、その前の激しい怒りが一転して吹っ切れたような、そして何かを決意したような記述を残して途絶えていた」
時雨「ここも文字の判別が難しい所が多かったけど……『深海棲艦を根絶やしにする』、『その為には研究を進める必要がある』って読める部分があったんだ」
吹雪「深海棲艦を……根絶やし!?」
初霜「それじゃあ、ここで行われていた研究っていうのは……」
時雨「そう。ここで中将提督が行っていたのは『深海棲艦を絶滅させる為の研究』」
時雨「おそらく中将は深海棲艦との戦いの中で何かを知ってしまったんだ。あるいは中将が突然作戦行動に消極的になった理由もその辺りにあるのかもしれない」
時雨「その結果、深海棲艦を絶滅させることを考えるようになり、そのための研究を開始した」
時雨「一度は封鎖されたのであろうこの地下施設を再び開いたのも、深海棲艦を絶滅させる為の研究を進めるため」
時雨「これは地下施設の各所で見てきた物から考えてほぼ間違いないはずだ」
吹雪「じゃあ……深海棲艦の細胞を使った実験や、艦娘への人体実験っていうのも」
不知火「すべては、深海棲艦を絶滅させるための研究の一環だった……」
295 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/25(火) 20:39:13.01 ID:c3mBQxpB0
時雨「しかし、直後に大本営が中将提督の解任を議論し始める。おそらく中将の異変を察知したんだろう」
時雨「深海棲艦を根絶やしに。という中将の考えを知り危険と判断したのか……それとも何か別の理由があったのかは分からない」
時雨「でも、明確な理由も無くいきなり艦隊司令の解任という話が出ている辺り、この解任騒動と中将の異変が関連しているのは明白だ」
時雨「同時にこのことから、中将が行っていた事と大本営の意思は異なる……つまり僕たちが見つけた研究や実験に関して、大本営は関係していないことが窺える」
阿武隈「深海棲艦の細胞や艦娘を使った実験は、中将の独断だったってこと?」
時雨「うん。中将は大本営に対しても秘密の内に研究に着手し始めたんだろう。何故独断だったのかは、確たる情報が無いから詳しくは解らないけど……」
時雨「もしかすると、前の記述で怒りを露にしていた理由もその辺りにあるのかもしれないね。大本営への反抗……もしくは不信感か……」
中将「……」
時雨「しかし実際には中将が解任されることはなかった。解任決議の最中に中将が失踪してしまったからだ」
時雨「そしてこの失踪も……中将が仕組んだ工作だったんだ」
296 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/25(火) 20:43:46.69 ID:c3mBQxpB0
時雨「おそらく中将は、大本営が自分の行動に気付いて司令職を解任しようとしていることを察して、先手を打ったのさ」
時雨「中将に変化が起こり始めた時期と解任決議のスパンから見て、まだ研究はほとんど進んでいなかったはず」
時雨「もし解任が決まり強制的に提督の任を解かれれば、当然この鎮守府からも離されてしまう。そうなる前に何としてでも手を打つ必要があったんだ」
時雨「その結果、中将が打ち出したのが……自身の失踪を装うという手段だった」
夕立「全部中将さんの自作自演だったってこと?」
時雨「そうさ。この地には、身を隠し更には人知れず研究を続けることも出来る場所も存在しているからね」
初霜「! この地下施設ですね!」
時雨「その通り。施設の存在こそ認知していても、出入りする為の方法までは知らなかった大本営の目を晦ますことができ」
時雨「尚且つ研究設備も整っているこの地下施設は、まさに絶好の隠れ家だ」
時雨「こうして中将は自らが突然失踪したように見せかけ、実際は秘密の地下施設へと潜って秘かに研究を継続していた」
時雨「これが中将の失踪騒動の真相だ」
297 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/25(火) 20:47:26.85 ID:c3mBQxpB0
時雨「中将が失踪し、次に起こったのは後任の提督――少将の着任だ」
時雨「少将に関しては『少将の手記』の内容や今までの流れからも分かるだろうけど、間違いなく大本営の息が掛かった存在だ」
時雨「彼がこの鎮守府に派遣された目的は、失踪した中将の捜索と、中将が行っていた研究に関する調査と抹消。地下施設の捜索」
時雨「そして、中将に代わる秘密の守り人の継承も極秘任務として命じられていたんだろう」
阿武隈「じゃあまさか、少将が着任早々から艦隊の規則とか行動を異常なほど厳しく制限したのは……」
吹雪「艦娘たちに気付かれずに、それらの任務を実行するため……!」
時雨「そう。ここの鎮守府では夜間の出撃などは一切行われず、既定時間以降は全ての艦娘たちが寮の部屋から出ることも禁じられていたみたいだからね」
時雨「たぶん艦娘たちを寮へ追いやり無人になった深夜の時間帯を使って、少将はそれらの任務にあたっていたんだ」
時雨「これら一連の流れや少将の手記の記述からみて、大本営は余程この施設の存在を隠したいらしい」
時雨「更に中将が行っていた深海棲艦に関する研究も、抹消したいほど危険視して少将に捜索を命じていた……」
不知火「……」ゴクリ
298 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/26(水) 02:35:20.47 ID:ADjjgfaL0
時雨「ところが、ここで少将の行動に異変が起こったんだ」
初霜「異変?」
時雨「不知火。僕と一緒に『少将の手記』を読み、執務室や提督の私室の様子を詳しく見ているのは、君だけだったよね?」
不知火「はい。そのはずですが」
時雨「不知火は、この手記の内容と着任後に少将が生活していた2つの部屋の様子を見て、何か感じたりしなかった?」
不知火「え……?」
不知火「…………いえ、特に気になることはなかったと思いますが」
時雨「僕はあの手記を読んだ後、執務室に入って……妙な違和感を感じたんだ」
阿武隈「妙な違和感?」
時雨「僕も最初はその違和感の正体が分からなかった……。だけど、後になって少将提督のことを思い出していた時に気付いたんだ」
吹雪「いったい何が気が付いたの?」
時雨「矛盾だよ。手記の内容と執務室の様子のね」
299 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/26(水) 02:39:07.47 ID:ADjjgfaL0
阿武隈「矛盾?」
時雨「そう。少将の手記の内容を読み解くと、少将は鎮守府内の捜索を行う為に艦娘たちに対して厳格な規則を課していたようだけど」
時雨「実はそれを除いても……少将個人としての性格や思想といった面においても、かなり神経質なところがあったみたいなんだ」
時雨「手記の中で少将は、仕事環境の整理整頓がどうとか、艦娘の公私混同がどうとか……そういう細かなことをかなり気にしていた」
不知火「そういえば……確かにそのような記述がありましたね」
時雨「おそらく少将が厳しい規則を課して風紀を徹底したのも、大本営命じられた任務の為の環境づくりという理由以外に、少将個人としての考え方に基づくところもあったんだろう」
時雨「少将は艦娘を兵器と割り切っていたような記述もあったし……入渠ドックの娯楽施設などの状態を見ても、彼は僕たち艦娘を人として見てはいなかったのかもしれない」
初霜「……」
時雨「それを踏まえた上で、執務室や提督の私室の様子を思い出してみると……何か引っかからない? 不知火」
不知火「私室や……執務室……」
不知火「どちらの部屋も荒れた形跡も少なく、比較的綺麗なままでしたが……」
不知火「…………あれ……ちょっと待ってください。そういえば、執務室の机……」
時雨「そう。僕と不知火が執務室に足を踏み入れたとき、執務室の中は綺麗なままだった」
時雨「だけど室内を探索した時にみた提督の執務机。その上は、本や書類がごちゃ混ぜになってて、かなり散らかった状態だった」
時雨「わざわざ愚痴を書き記すくらい神経質な性格が読み取れる手記の内容と、それとは裏腹に散らかったままの執務机……」
時雨「この2つの奇妙な矛盾が、僕はずっと引っかかっていたんだ」
300 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/26(水) 02:44:11.10 ID:ADjjgfaL0
時雨「もっと言えば、手記に関しても奇妙な点はある」
時雨「少将の手記は着任直後から毎日こまめに記されていたのに、9月12日を最後にぱったりとそれが途絶えていたんだ」
時雨「これも、窺い知れる少将の性格から考えてかなり不自然なことだ」
阿武隈「それが少将の異変?」
初霜「確かに妙な点は多いですけど……でも、それがいったい何を意味していると……?」
時雨「初霜。僕がさっき、少将提督は最後までこの地下施設を発見することは出来なかった。って言ったのを覚えてる?」
初霜「えっ?」
時雨「僕が……今、目の前にいるこの人が中将提督である。とする根拠の1つが、この少将の異変なんだ」
夕立「うーん……。時雨の言ってることの意味、よくわかんないっぽいぃ」
時雨「そうだね。なら単刀直入に言おう」
時雨「中将提督の後任として着任した少将提督。彼は途中からあなた――中将提督によって操られていたんじゃないかな?」
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 06:52:49.79 ID:hNrEpic5o
なんかワクワク感が足りない。
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 07:48:47.55 ID:YQjgU0zb0
乙
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 08:22:40.26 ID:+gFbZqtxO
本人の前で滅茶苦茶喋ってると思うとちょっとシュールだな
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 09:23:56.68 ID:v6FVFUcYo
そういえば怪物Aはなんで放置されてたんだろ
怪物BCにも襲いかかってくるほど危険なのに
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 09:46:18.28 ID:q1LDMnDdo
間違ってないんだけど
なんか犯人の前で長々喋ってる姿は微妙ww
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 11:38:03.88 ID:1dduJ2E0o
おつおつ
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 12:08:20.51 ID:cyoDP5HEO
>>304
Aが多分ていと……
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 12:28:15.26 ID:rEr44CI2O
サスペンスものとかでありがちだけど、これ敵さんの目の前で長々とくっちゃべってるのよね
その間に襲い掛かかってきたりしないのかしら
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 22:30:14.74 ID:xER4avVD0
暇過ぎてスマホゲーでもポチポチやってるんじゃないか?
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 00:16:30.18 ID:dpJvB7wA0
多分、艦これプレーしているんじゃない?
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 09:50:38.71 ID:avZI7iu1o
敵対者の目の前でも任務消化する提督の鑑だったか
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 09:51:28.76 ID:iYkk49Tuo
途中にもう少し犯人?の行動を入れれば違うんじゃねぇかなぁー
スマホポチするとか、椅子に座りなおす表現とか…
313 :
◆Paxl0Q5Mlk
[saga]:2017/04/27(木) 11:48:50.49 ID:9nf+rHuS0
やり直したほうがいい感じ?
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 11:59:26.77 ID:OKVwJ8030
真犯人とかの前で長々と真相を話すのは割と定番なので気にする必要はないかと
ただ小出しで次の日に持ち越ししているため一気に読みたい人が焦れてくるんじゃないかな
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 12:46:18.01 ID:UhsEfck2o
わいはそんまんまいってもええと思うけどん
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 12:52:45.33 ID:ilthLtgaO
気にくわないならスルーすればいいだけ
わざわざ文句言う奴のためにやり直す必要なし
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 13:15:06.35 ID:p4kcn0BW0
いいから続きを
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 17:33:54.01 ID:avZI7iu1o
お約束はお約束でいいんだよ
やり直すくらいならはよ続きをよこせください
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 19:13:14.25 ID:Lpi74An70
やり直さなくていいです。そのままやっちゃってください
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 20:06:31.60 ID:bFsbit5HO
そんなことより続きをくれ
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 20:12:56.22 ID:PxnMxN2p0
道中で情報を与える難易度を高く設定し獲得する内容を薄くした当然の結果がこの時雨オンステージだしな
次回作があるなら活かしてもらうとして今回はこのまま行くしかないでしょ
陳腐だろうがここで全部喋らせないと作者も読者も消化不良で終わる
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