楓「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝後編】

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99 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/02/27(月) 20:27:16.95 ID:zYet9Dkf0

早苗「…そう。まだ見つかってないのね」

早苗「何よ? 気にしてないから、まだ言いたいことがあるなら言っていいわよ」


早苗「は? スプーン? ユッコちゃんの?」

早苗「帰り道に落ちてて、指紋も付いてる……?」

早苗「何よそれ。……誘拐ってこと?」


早苗「…………」


早苗「―――――"喰種"の、体液?」



早苗「…待って。待ちなさい」

早苗「それってまさかユッコちゃんが食べられたってこと?」

早苗「……落ち着けるわけないでしょ!? 冗談じゃないわよ!」

早苗「客のことなんて今はどうでもいいわよ! そんなことより……」


早苗「……客? 誰よそれ」


早苗「…………え?」



早苗「……喰種捜査官?」
100 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/02/27(月) 20:28:01.89 ID:zYet9Dkf0

――――――――――――――――――――


早苗「……あなた達が?」


?「ええ。この度は、私達にお時間を割いていただき感謝します」

??「ッス」


?「貴女の同僚である堀裕子さんの持ち物と思われるスプーンから採取された"喰種"の体液について」

?「我々CCGが過去に得たデータと照会することで、その身元をある程度特定できました」


??「どーやらあたし達が追ってる組織のやつがユッコちゃんを誘拐したみてーだぜ」

??「ウチでつけた名前は『キャッスル』。ユッコちゃんみたいな新人アイドルや美少女をあちこちで攫ってる奴らだ」


?「私達は、一身上の都合で志願してこの事件の捜査に携わっています」

?「ほんの少しの情報提供で構いません。どうか、早苗さんや貴女の仲間にこれ以上魔の手が伸びないよう」


?「私達に協力していただけませんか」
101 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/02/27(月) 20:30:44.62 ID:zYet9Dkf0

早苗「……あたし、今はもうただのアイドルよ?」

早苗「何が出来るってわけじゃないけど……」


早苗「放っておくと皆が危ないのね。いいわ、協力する」

早苗「それに、あなたたちも他人事じゃないもんね」

早苗「…ただし。その代わり、ちゃんとユッコちゃんのこと探してちょうだい」


早苗「……それで?」





早苗「橘準特等に」


早苗「市原一等捜査官」





早苗「あたしは何をすればいいの?」
102 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/02/27(月) 20:34:24.71 ID:zYet9Dkf0

今日はここまで。ちょっと出だしがコケた感じはしますが、とりあえず15話範囲は終了です。

輝子の中の人の松田颯水さんって声優で双子のお姉さんがいたんですね…。初めて知りました。


次回ウサミン回の予定です。またの名を346版エリーゼ回。
103 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/02/27(月) 20:55:34.18 ID:zYet9Dkf0

…すんません。最初に注意書き入れるの忘れてました。

オリキャラ出ます。出ました。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/27(月) 23:42:33.99 ID:hz5fMYjwO
おつん
105 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/02/28(火) 08:49:00.33 ID:oyBYwCEV0
杏「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝小ネタ、短編集】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486942971/

一応宣伝。
外伝後編で書けないネタが浮かんだら
このスレに投下する感じで行きます
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/01(水) 01:29:03.40 ID:Vbu8DVk3O
アニメ準拠なら志希にゃんは出ない感じか
107 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/03/01(水) 17:13:46.09 ID:i/tPTgV60
>>106
とりあえずこのスレじゃ出ないと思いますねー

ちなみに志希にゃんの嗅覚でも人と喰種の判別は出来ない設定です。
108 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/03(金) 22:04:38.69 ID:ERLJoYu20
346アイドルの設定いろいろまとめてみました

http://imgur.com/zpYwG3a
http://imgur.com/Oq0rEZN
http://imgur.com/oN1O9Z2

続きの執筆が捗らなかったのでねー…
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/04(土) 01:54:42.17 ID:Yzgu2mrH0
乙です
少し見ない間に輝子の話が進んでた
楓さんは隻眼の中でもエトのポジションか
110 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 10:46:55.43 ID:QEuJG5m20

〜過去・前川みく〜



「みくちゃんは人間が嫌いなの?」



シンデレラプロジェクトの皆には、よくこんなことを言われるの。

皆と比べて人間と話したがらないから、そう思われるんだって分かるけど……

みくね。別に、人間が嫌いってわけじゃないの。

ホントだよ?


ただ、「この世界は人間の世界」だってことを受け入れられないだけなの。


"喰種"は人間の天敵。

だから、もし人間に自分が"喰種"ってバレたら…問答無用で殺されちゃう。

そのために"喰種"は自分の正体を必死で隠さなきゃダメ。

吐きそうになる人間のご飯を、笑顔で飲み込まなきゃダメ。

人と関わりすぎちゃダメ。

どれだけ辛くても、"喰種"よりずっと多い、周りの人間たちに合わせてニコニコ笑っていなくちゃダメ。

目立っちゃダメ。

人と違う所は隠さなきゃダメ。

とってもキュートなネコチャンが、小さい頃からの親友だったことも隠さなきゃ。

アイドルなんてもってのほか。


学校ではそうやって、地味でマジメな人間を演じてた。

みくの周りは人間ばっかりで、みくだけが「フツウ」じゃなかった。


みく達"喰種"は、フツウにしてちゃダメなの。
111 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 10:47:36.86 ID:QEuJG5m20

みくが346プロを知ったのは、適当に友達付き合いしてた人間たちにライブに連れていかれた時だったよ。

その時みくは中学生だったけど、アイドルなんて見たくもなかった。

だってライブに出てるアイドルなんて、人間ばっかりなんだもん。

ここに"喰種"の居場所はないって、言われてる気分になるんだもん。

でも、断る理由がうまく思いつかなくて……ご飯の匂いで満ちてるライブハウスに嫌々ついていくしかなかった。



だから、こんなこと思ってもいなかったの。

まさか、出てるアイドルの半分から"喰種"の匂いがするなんて。



ライブが終わった直後、いてもたってもいられなくて、正体を隠すことも忘れかけて、舞台裏に乗り込んじゃった。

真っ先に目についた"喰種"のプロデューサー……今のPチャンにしがみついて、


みくもアイドルにして。

舞台のみんなみたいに、みくも輝きたいの。


…って涙ぐみながら駄々をこねてた。


Pチャンはみくのこと分かってくれて、あとでシンデレラプロジェクトに入れてくれたけど……

Pチャンもスタッフの皆も、困らせちゃったよね。

あの時はごめんね、Pチャン。


…あと、初めてのお仕事の時も……本当にごめんね。
112 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 10:48:04.28 ID:QEuJG5m20

卯月チャンが入って来て、未央チャンが入って来て、遅れて凛チャンも加入を決めて。

やっとメンバーが揃ったから、みくもアイドルを始められるんだーって喜んでた。

人間の目に怯えるだけじゃない、みくの好きなことをいっぱいできる生活が始まるんだって思ってた。





初めてのお仕事は先輩アイドルの背景の着ぐるみ役だった。

それも、相手は人間。

憧れの"喰種"アイドルでさえなかった。


それからも、何度も、何度も、何度も、何度も。

みくの下積みの相手は、人間アイドルばっかりだった。


小日向美穂、輿水幸子、日野茜。

十時愛梨に、その他諸々。


美嘉チャンや瑞樹さん、小梅チャンや紗枝チャン、まゆチャンみたいな、

"喰種"なのにちゃんとアイドルとして活躍してるひと達が相手なら。

どれだけ地味な下積みでも、みくは喜んでお仕事したのに。


みくが人間のこと苦手だって知ってるはずなのに。

Pチャンはまるで当てつけをするみたいに、みくに人間の踏み台ばっかりやらせた。
113 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 10:48:34.23 ID:QEuJG5m20

…何よりも許せなかったのは、みく以外のみんなが「人間相手の下積み」を受け入れていたこと。


あの時もそうだった。

ニュージェネとラブライカのデビューが決まった時も、みくの「踏み台」は続いてた。

だからPチャン相手に怒鳴り込んだことがあったの。

「もう人間の荷物持ちは嫌だ」って。

「なんで人間を立てるお仕事ばっかりやらなきゃいけないの」って。


みんな同じ不満を抱えてるに決まってるって思ってた。

だから、みくが代表して文句を言えば、みんなも後押ししてくれる。

それなら、Pチャンもお仕事を変えてくれるかもって、期待してた。



「ダメだよみくちゃん。私達は"喰種"なんだから」



こんなことを言われるなんて、思いもしなかった。
114 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 10:49:19.10 ID:QEuJG5m20

悔しかった。

情けなかった。

この時だけは、大声が周りに響いて正体がばれてしまうかもってことも考えられなくて。

人間相手に気後れしてた智絵里チャンやかな子チャン、きらりチャンなんかに、

怒鳴り散らして、泣きわめいて。

言うことがなくなって、涙をぼろぼろこぼしながら、引き止める美波チャンも無視して部屋を出ていっちゃった。


大声で人間たちに"喰種"のことを知られたかもって気付いて青ざめたのは、何もかも嫌になって出てきた中庭でのこと。

泣きながら歩いてるみくを、人間のアイドル達が見てた。

また余計なことをすれば人間たちに正体がバレるかも。

もしかしたら、もうバレてるかも。

下手したら、みくだけじゃなくて……


今考えたら、ただみくを心配してくれてただけって分かるんだけど、

あの時は視線が怖くて怖くて仕方なくって、

何処でもいいから、視線から隠れる場所が欲しかった。


必死で周りを見渡した。

やっと掴みかけた夢なのに、全部崩れてしまうかもしれないって考えたら、恐ろしくて仕方なかった。

ほとんどパニックになりかけて、逃げまわった先で……





みくは346カフェと。



それからナナチャンに出会ったんだよ。
115 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 10:50:53.92 ID:QEuJG5m20

今日はここまで。

本当なら外伝前編で書いてたはずのエピソードでした。
116 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 16:48:38.75 ID:QEuJG5m20

〜現在・安部菜々〜


"喰種"に生まれたからには、遅かれ早かれやって来てしまう「出来事」があります。


野良猫みたいに暮らしていても、

普通の人間みたいに街で暮らしていても、

夢なんか無くて毎日をだらだらと過ごしていても、

ひとつの夢を抱いて必死に生きてる最中でも、

やっと夢がかなって、すっごく幸せな気持ちの時でも。


"喰種"が生きるなら、たった今起こってもおかしくないこと。

今日起こっても、何も不自然じゃないこと。


「その時」がいつ来るか……

ナナたち"喰種"は、それに内心ではずっと怯えながら。

それでも、毎日をすこしでも楽しいものにするために生きています。


だから。

今日、ナナに起こったことは、決して不幸なことなんかじゃなくて。



仕方のないことなんです。



どれだけ小さくても弱くても、ナナは"喰種"に生まれちゃいましたから。
117 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/05(日) 16:49:45.73 ID:QEuJG5m20

1レスだけ追加。

ウサミンは赫子を出せない"喰種"です。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/14(火) 20:23:18.54 ID:65cRCcJg0
一応乙
119 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/03/18(土) 21:32:50.67 ID:VTG9pU+j0
そろそろ再開できそうです。

飛び飛びの更新ですみません
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 06:10:09.78 ID:G/GybNNNO
エタらなかったら何でもいいよ
楽しみに待ってる
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 14:35:44.18 ID:dUo1oEwE0
短編のほう落ちてたな
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/25(火) 02:33:39.29 ID:fKBIZUymO
そろそろ
123 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/04/26(水) 22:34:40.70 ID:93meDdzX0
>>122
保守感謝です。生存報告。

やっぱり今月中は書けそうにないです…
124 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/04/26(水) 22:37:12.55 ID:93meDdzX0
>>121
気晴らしぐらいにはなるかと思って立てたけど
意味ありませんでしたね
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 02:15:56.82 ID:9QTgwKGPO
おう待ってるぞ
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:47:55.99 ID:JIWISpAB0
気晴らしの短編ぐらいならスレ立てせずここに書いてもいいんじゃない?
短編って注記入れたうえでさ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/13(土) 23:32:40.01 ID:X5xjQEz7O
5月だぞあくしろ
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/13(土) 23:33:22.85 ID:X5xjQEz7O
sage忘れたすまない
129 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/05/20(土) 18:40:20.73 ID:Q+XGLJVG0
生存報告。

このまま書き進めるとどこかでアカン矛盾が生じそうだと思ったので、
今更ながら346プロダクションについて作っていた設定を
改めて文章化してまとめてます。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 19:12:53.88 ID:rgvlWi27O
おう待ってたぞ
そしてまた待つぞ
131 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/05/21(日) 00:42:06.16 ID:/ZkmsORB0

せめてもの設定まとめたやつの一部公開

http://imgur.com/a/zMrcd

ネタバレを極力除いたものです
ところどころ頭の悪い書き方してそうな気がするけどゆるして
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/21(日) 21:42:32.52 ID:UAsELI49O
今月中は無理そう?
133 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/05/22(月) 19:10:30.80 ID:vFuv4ZRo0
>>132
少なくとも29日まではまともに書けそうにないっす…

レポートと中間テストが団子状態
それが終わったら頑張ってみる
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/23(火) 03:24:33.47 ID:QsSm+Ab3O
>>133
分かった頑張ってくれ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/23(火) 03:25:14.74 ID:QsSm+Ab3O
sage忘れちゃった
136 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/05/31(水) 22:42:01.68 ID:q13HahN70

こう言うのを、「虫の知らせ」って言うんでしょうか?

…その日はなんだか、色んなところで昔のことを思い出す日だったんです。



≪ミミミン ミミミン ウーサミン! ミミミン ミミミン ウーサミン!≫


朝が来て、ケータイの目覚ましが鳴り響いたとき。

ナナはどうしてか、すごく救われた気分になりました。

まるで、この曲がナナを…深くて苦しい水の底から引き上げてくれたような。


寝起きのぼー…っとした頭が段々冴えてきたことで、その理由が分かりました。


それは、目覚ましの曲が「メルヘンデビュー」で、ナナのプロデューサーさんがナナにくれた曲だったからってことと。

ついさっきまで、去年までの寂しいナナが夢に出てきていたからだったんです。
137 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/05/31(水) 22:42:33.96 ID:q13HahN70

プロデューサーさんに拾ってもらえる前のナナは……そうですね……?

知ってる人のお話だと、みくちゃんと智絵里ちゃんと未央ちゃんを足して3で割ったような人生なんじゃないかと思います。


智絵里ちゃんみたいに、ちっちゃい頃に家族を失って。

未央ちゃんみたいに、周りには人しかいない環境で育っていって。

そしてみくちゃんみたいに、ずっとアイドルになりたいって思い続けながら生きていました。


……い、いや。

3人の方がずっと苦労してると思いますけどね!

ナナの周りの人は……人間ばっかりでしたけど。

それでも、何も知らないナナに優しくしてくれて、色んなことを教えてくれるような良い人たちばっかりでしたから。


……うん。

今のナナ、なんだかワガママになってました。

あの時はあの時で、ナナは恵まれてましたね。


お隣の鈴木さんは、レッスンやご飯さがしで夜遅くに帰っちゃうナナを心配してお野菜たっぷりのご飯を作ってくれますし。

生活費を稼ぐためにアルバイトしてたメイドカフェのオーナーは、とっても美味しそうなクリームパフェを作ってくれますし。

大家さんも、逃げ込むようにお部屋を借りたナナのことを怪しまずに、新鮮なお魚の差し入れなんかしてくれたりして……


……

………


……ごめんなさい。

やっぱりナナ、あの頃は辛かったです。


今がメチャクチャ幸せです……!
138 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/05/31(水) 22:45:53.45 ID:q13HahN70

2レスだけだけどここまで。

ブランク空きすぎて読みづらくなってるけど許してね。



モバでブライダルウサミンが出たことですし、そろそろウサミン回をちゃんと書いていかなきゃなとおもいます。
139 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/01(木) 18:02:05.38 ID:xM2QAswW0

――――――――――――――――――――


ずっと使ってる、小さい冷蔵庫を開けると、中にはもらい物の食材がそこそこ。

そろそろ寒くなってきましたし、また早苗さんや心さんをお鍋にでも誘おうかな?

ナナが食べても、吐いちゃうだけで捨てるのと変わりないですし……


そんな事を思いながら、お魚や野菜を少しかき分けて「ナナのご飯」を取り出します。


…これ、早苗さんたちに見つからないようにするの大変なんですよねー。

ある時はあんまり奥深くまで見つからないように、手前におつまみを用意しておくとか。

ある時は「お肉」のタッパーにもんのすごい前の日付を書いて、思わず手を引いちゃうくらいの消費期限切れを演出するとか。

宅飲みのときは出来るだけ瑞樹さんにも来てもらって、先に冷蔵庫を漁って誤魔化してもらったりもして。

まあ、瑞樹さんからしたら宅飲みに付き合っても損しかしないですから…頼りすぎないようにはしてるんですけどね?
140 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/01(木) 18:02:42.71 ID:xM2QAswW0

片手でもぐもぐと「ご飯」を食べながら、もう片方の手でお着替え、あと忘れ物のチェック。

左手だけで食べられるようカットするのは、結構時間とコツがかかります。

でも年々寝起きが辛くなりますし、かと言って遅刻なんて絶対できませんし。

こういうところで時間を短縮できれば、それだけ余裕ができますからね。


…うーん。やっぱりご飯は346プロの支給に頼った方がいいんでしょうか?

でも、ナナが頼っちゃえば、その分困ってる子達に行き渡らなくなるかもしれないし……


…うん。まだ自殺死体を見つけることはできるし、もうしばらく頑張ろ。



よし。準備はオッケー!

ちゃんと口も拭いてっと。



「あら? ナナちゃん今日も早いのね」

菜々「はい! 今日はアニメイベントのお仕事があるんです!」

「あらそう! すごいわねえナナちゃん! ついこの間までは苦労してたのに、おばちゃん嬉しいわ〜」

菜々「まだ先は長いですけどねアハハ……それに鈴木さんが応援してくれるおかげですよっ!」

「そーお? うふふっ、帰ったら楽しみにしててね? こないだすっごく大きなお魚届いたんだから、ナナちゃんにもごちそうしてあげるわ!」

菜々「ウッ……あ、ありがとうございます!!」



さ、さて。

帰ったらどうしようか、考えることが一つ増えましたけど!

準備してるうちに、夢の寂しさもだいぶ無くなったし!


ガスの元栓よし!

ゴミ出し(一部カムフラージュ済)よし!

戸締りよし!



菜々「安部菜々、ウサミン星より職場へと向かいます!」
141 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/01(木) 18:03:13.74 ID:xM2QAswW0

ここまで。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/02(金) 08:34:15.76 ID:sko8rI/zO
おつん
143 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/02(金) 21:19:49.75 ID:JtjSw0NX0

――――――――――――――――――――


〜CCG本局〜


早苗「……なるほどね。その『キャッスル』ってのはあくまで攫い屋、運び屋で」

早苗「誘拐した女の子を『マダム』達に売り渡すことで稼いでる集団……って思われてるのね」

橘「その通りです」

早苗「じゃあ、そのマダムを叩けば攫われた子達も見つかるんじゃないの? 今更運び屋を探したところで、もう……」

橘「いいえ」


橘「これは、奴等の『下請け』を行っている喰種に尋問を行い得た情報ですが」

橘「『キャッスルは手に入れた食材に加工を施して味わい深いものにしている』などと話しており」

橘「また『商品ひとつひとつを運ぶのではなく、定期的に十数人ほどの運送をいっぺんに行う』という供述もあることから」


橘「『キャッスル』は誘拐した少女を保存……あるいは何らかの施術を行うために」

橘「複数存在すると思われる奴等の活動拠点に一時監禁しているのだと推測されています」


早苗「……つまり……ユッコちゃんは今、『キャッスル』が監禁してるってこと?」


橘「誘拐されてからの日数を考えれば、おそらくは」
144 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/02(金) 21:20:46.74 ID:JtjSw0NX0

早苗「…ねえ、施術って何? あいつらユッコちゃん達の体に何するつもり?」

橘「現時点では不明です。しかし……」

橘「尋問の結果、被害者が輸送される間『歩行・会話や受け答えに障害がある様子はない』」

橘「また『五体満足だとはっきりわかる』ことから」

橘「誘拐時に与えた負傷の治療施術、また軽度の薬品投与……いわば栄養剤のような、被害者の健康にはほぼ何ら影響のないものだと判断されています」


橘「そして、奴等のターゲットの基準、その意味や需要からして外見・あとは表情に影響のある行為は行わないだろうとされており」

橘「よって、輸送前に『キャッスル』の拠点から被害者少女たちを取り返せば社会復帰は可能……と我々は判断しています」

橘「"喰種"をまたいで判明した情報である以上100%確実とは言えませんが、複数に尋問して得られた共通の情報ですから信憑性は高いかと」


早苗「……ふー。とりあえず、取り返せるかどうかは時間勝負ってことなのね」

早苗「そして早く取り返せれば、ユッコちゃんも……」

早苗「ありがと、準特ちゃん。希望が見えただけ、ちょっと安心したわ」
145 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/02(金) 21:21:13.28 ID:JtjSw0NX0

橘「現在のところ、我々から提供できる『キャッスル』の情報は以上です」

橘「片桐さんには―――」


早苗「分かってるわ。346プロ内で信頼できる人間をリストアップしておけ、でしょ?」

橘「ご協力感謝します」

橘「…その、片桐さんを疑っているわけではありませんが、巧妙なやり口で周囲に喰種やその協力者が身を隠していない保証はなく……」

早苗「いいわよそんなの。あたしも『知り合いは全員人間!』って胸張って言えるわけじゃないもの」

早苗「でも、あくまでハッキリさせるのは白だけでいいのよね? グレーゾーンは放置で、わざわざ正体を明かすこともないでしょ?」

橘「はい。必要以上に、民間の方を危険に晒すことはできませんから」


橘「ですから……片桐さんの身の安全を前提とした範囲で構いませんから……」



橘「…どうか娘を、守ってください」
146 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/02(金) 21:24:14.15 ID:JtjSw0NX0

早苗「……ぷっ」

早苗「あははっ! 分かってるわよ、任せなさいって!」

早苗「そんな申し訳なさそうな顔してないで、準特ちゃんはあなたの仕事をしなさいよ。ありすちゃんは私がなんとかしたげるから」

橘「……! ありがとうございます。本当に、本当にっ……!」


早苗「……うん。ちゃんと分かってるわよ。大事な一人娘だもんね。忙しいのに、攫われるかもって考えたら、居てもたってもいられないわよね」

早苗「こっちは大丈夫だから。ありすちゃんもお母さんのこと、頑張ってるってちゃんと分かってるから。だから安心してちゃんと捜査に集中しなさいよ」

橘「……。はい」


――――――――――――――――――――


早苗「送ってくれてありがと。ここで降りるわよ? この協力が公になっちゃまずいんでしょ?」

橘「分かりました。ご協力感謝します」

早苗「ユッコちゃんのことも勿論お願いするけど……捜査が落ち着いてからでいいから、たまにはありすちゃんのライブ見に行ってあげなさいよ?」

早苗「当然、それまでに死んだら問答無用でギルティ! お姉さんが逮捕しちゃうわ!」

橘「…市原一等はともかく、私は片桐さんよりずっと年上ですよ?」

早苗「そーいやそうね! 若くてキレイだから忘れてたわあはは!」

早苗「初めて会った時は一等ちゃんと同い年かと思ったくらい……ああ」


早苗「そうよ仁奈ちゃん! あの子もあの子で、すっごく寂しがってるわよ!」

早苗「今日どこ行ってんのか知らないけど、流石にもっと娘に構いなさいって言おうと思ってたのに!」

早苗「いくらなんでも、事務所を託児所代わりにするのは非常識よ! ネグレクト寸前よ!」


橘「……ええ。その通りですね」

橘「ですが、その……あの子とバディを組んでいる私が庇えた義理ではありませんが……」
147 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/02(金) 21:32:25.87 ID:JtjSw0NX0

早苗「……どうしたのよ? いきなり口ごもって」

橘「……申し訳ありません、片桐さん。私的で勝手なお願いではありますが、今からお話しすることは他言無用でお願いします」

橘「特に仁奈ちゃんには、出来るだけ伏せてあげて欲しいんです」

早苗「……?」


橘「市原一等は今日……今日に限らず、暇があれば単独喰種の駆逐に積極的に参加しています」



橘「一等には仁奈ちゃんの養育費以外にも、討伐報酬を稼ぎ続けなければいけない理由があり―――――」



――――――――――――――――――――
148 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/02(金) 21:33:30.53 ID:JtjSw0NX0

今日はここまで。
149 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 11:09:50.11 ID:UNFmkHOJ0

――――――――――――――――――――


ナナの目の前にいる、この人は誰なんでしょう


会った覚えなんかない人

どこかで見たようなオレンジ色の髪


そして……


覚えておかなきゃいけないものであるはずの、白いコート。


それを着込んだ人が……

どうして、ナナの仕事先に。


どうして、ナナの目の前に?



「…どーもォ。安部菜々さんでやがりますよねェ?」
150 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 11:10:19.54 ID:UNFmkHOJ0





市原「喰種捜査官だ」





市原「てめえに"喰種"容疑がかかってやがるんですけど」





市原「大人しく付いて来てくれませんかねェ?」
151 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 11:10:45.75 ID:UNFmkHOJ0

――――――――――――――――――――


そこから、ナナに何ができたでしょうか。

ナナは弱っちくて、赫子も出せなくて。

だから、走って逃げることしかできなくて。


逃げながら、電話を取り出したけど、プロデューサーにはつながらなくて。

焦って震えた手は、じゃあ、どうしようかって、電話帳をかき分けて。

みくちゃんの番号を見つけて、電話をかけようとしたところで……直前で踏みとどまりました。

思い出したんです。



『喰種に対するあらゆる権利は『人間側に正体を露見させていない』事を最低条件として定められています』

『アイドル、そして私のような職員を問わず、この規定に違反した者への処分は……』

『当人と346プロダクションの間に交わされていた契約の、一切の破棄』

『……即ち、『346プロからの追放』となります』



ナナがアイドルを始める前に、繰り返し言われたこと。


ナナは、とっくに見捨てられてたんだってこと。
152 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 11:11:20.19 ID:UNFmkHOJ0

どこから、正体がバレちゃったんでしょうか。

「ご飯」を集めてる時?

それとも、"喰種"についてお話してるところを、誰かに聞かれてた?


……いいえ

そんなことは、もうどうでもいいんです。


出口が遠い楽屋の中で、さっきの捜査官の足音が近づいてくるのが分かります。

せめて、みくちゃん達は巻き込まないように、電話帳の入ったケータイごとどこかのゴミ箱に捨てました。


あとはもう、やることなんて……





たくさんありました。





アニメの声優をやりたかった。

みくちゃんたちと一緒に歌いたかった。

もっともっと、色んな子達と踊って、たくさんの人に応援してもらって。

カフェの後輩や、今までお世話になった人たちも、ライブに誘って。
153 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 11:11:47.53 ID:UNFmkHOJ0





市原「―――見ぃつけたァ」





……ああ。



最後に思い出すのが、なんでこんなことなんでしょうか。





昨日、なんとなく思った言葉。



『ああ…………疲れたぁ〜。よっこらせっと』

『通勤に1時間って、もう引っ越した方がいいよね、絶対……』

『うぅ……でもまぁ、まだ先はわかんないし、頑張ろっと……』


『菜々ちゃん、今日もLIVEとメイドさん、頑張ったね!』

『ありがとう、ウサミン!』

『……なーんちゃって』
154 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 11:12:17.81 ID:UNFmkHOJ0





『でも……』





『今日も、アイドル楽しかった……へへ……へへへへ……』





『明日も……』










楽しいといいなあ
155 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 11:14:28.75 ID:UNFmkHOJ0

ここまで。


3か月悩んでこうなりました。3ヶ月かけてこれでした。

後から書き直すことを前提に投稿していますが、もうちょっとウサミン編ボリュームあげたかったなと思います。


次からようやく本題に入ります。

どうかお付き合いよろしくお願いします
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 21:06:39.68 ID:gzgVbsW7o
おつ
157 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/03(土) 22:56:35.18 ID:UNFmkHOJ0

あと、オリキャラ捜査官として橘準特等と市原一等を出したんですが
この2人について今のところどんな印象を抱いたか、よければ教えてください。

ちゃんと狙ったキャラに書けてるか気になるのです
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 09:29:58.12 ID:CmdOyv7Bo
市原一等は仁奈+真戸(父)
橘準特はありす+亜門
そんなイメージ
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 13:28:37.90 ID:hR0ScyGBO
待ってたぜ
160 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/06(火) 21:06:05.70 ID:nB1i8LTj0

――――――――――――――――――――


ちひろ「――ええ、そうですか。了解しました、お疲れさまです」

「……!!」

ちひろ「はい。後処理はこちらで行いますので、――さんは通常業務に戻っていただいて結構です」

「ッ……ンー! ンムゥー! ンーヌーウー!!」

ちひろ「…いえ。今のは、『いつもの』です。もう慣れたでしょう」

ちひろ「そうです。次はあなたの身かもしれません。どうか、これまで以上に警戒を怠らないよう」

ちひろ「……では」


ピッ


ちひろ「……予定通り、安部菜々さんの駆逐が確認されました」

ちひろ「規定通り、ここの皆さんには『火消し』をお願いします」

ちひろ「――さんはRc検査偽造診断書および偽造履歴書について、菜々さんのものを作成された方に改めて『警告』を行ってください」

ちひろ「――さんは[???]プロダクション所属の喰種から、配布試料を基に『密告対象』の決定を」

ちひろ「――さんは通常通り『キャッスル』としての活動をお願いします」


ちひろ「では今から、一切の抜かりなく、速やかに仕事を遂行してください」

ちひろ「皆さんが導く『シンデレラ』は、貴方たちの仕事に生かされていることをお忘れなく」



ちひろ「……さて」



ちひろ「もう菜々Pさんを解放してくださって構いませんよ」
161 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/06(火) 21:06:44.02 ID:nB1i8LTj0

パッ


菜々P「……」フラ

菜々P「……」ペタ


ちひろ「菜々Pさん、先ほどまでの行為を謝罪します。…また、菜々さんの不運を心よりお悔やみします」

ちひろ「今後のプロデュース活動についてですが……菜々Pさん? 大丈夫ですか?」


菜々P「…はい。大丈夫です」

菜々P「謝ってもらわなくて結構です。説明は腐るほど聞いてましたから」

菜々P「……」


菜々P「……すんません、ちひろさん」

菜々P「雇ってもらって何ですけど……俺、もうこの仕事やめます」

菜々P「……辞めさせてください」
162 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/06(火) 21:07:28.41 ID:nB1i8LTj0

ちひろ「……そうですか」

ちひろ「分かりました。では本日中に退職の手配をいたします」

ちひろ「しかし改めて申し上げますが、退職されたプロデューサーにも監視がつくことをお忘れなく」

ちひろ「もし、自暴自棄になり346プロダクションごと機密を流出させようと考えるものなら……」


菜々P「大丈夫です。……そんなの、もう、どうだって……」


ちひろ「……お気をつけて」


――――――――――――――――――――


ちひろ「さて。プロデューサーさんもお疲れさまでした」

ちひろ「…その、良かったのですか? 貴方に菜々Pさんの拘束を任せてしまって……」


武内P「構いません。能力から、菜々Pさんの確保、拘束は私が適任の仕事だと判断しました」

ちひろ「でも…プロデューサーさんだって、『あの子達』の時……」

武内P「今は、シンデレラプロジェクトの皆さんを危険から遠ざけるのが私の役目です」

武内P「皆さんが白鳩に目をつけられることも、『最終隠匿プロトコル』によって346プロダクションを失うことも、避けなければいけません」

武内P「そのためには、たとえ安部さんのプロデューサーだろうと、あの場に行かせてはいけなかった」


ちひろ「…ご協力、本当に感謝します。プロデューサーさんは、シンデレラプロジェクトの皆のところに行ってあげてください」

武内P「……失礼します」


パタン


ちひろ「……」



ちひろ「……あの時は、プロデューサーさんを抑え込むの……大変だったなあ」


――――――――――――――――――――
163 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/06(火) 21:08:06.27 ID:nB1i8LTj0

今日はここまで。

菜々Pも喰種です。
164 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/06(火) 23:23:10.54 ID:nB1i8LTj0

せっかくなのでちょっと修正。
165 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/06(火) 23:23:56.54 ID:nB1i8LTj0

せっかくなので>>160をちょっと修正。
166 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/06(火) 23:30:45.32 ID:nB1i8LTj0

――――――――――――――――――――


ちひろ「――ええ、そうですか。了解しました、お疲れさまです」

「……!!」

ちひろ「はい。後処理はこちらで行いますので、JKTPさんは通常業務に戻っていただいて結構です」

「ッ……ンー! ンムゥー! ンーヌーウー!!」

ちひろ「…いえ。今のは、『いつもの』です。もう慣れたでしょう」

ちひろ「そうです。次はあなたの身かもしれません。どうか、これまで以上に警戒を怠らないよう」

ちひろ「……では」


ピッ


ちひろ「……予定通り、安部菜々さんの駆逐が確認されました」

ちひろ「規定通り、ここに集まって下さった一級P・準一級Pの皆さんには『火消し』をお願いします」

ちひろ「肇Pさん、美玲Pさん、雪美PさんはRc検査偽造診断書および偽造履歴書について、菜々さんのものを作成された方に改めて『警告』を行ってください」

ちひろ「フリルドスクエアPさん、KBYDPさん、ブルーナポレオンPさんは[???]プロダクション所属の喰種から、配布資料を基に『密告対象』の決定を」

ちひろ「NWPさんとガールズ・パワーPさんは通常通り『キャッスル』としての活動をお願いします」


ちひろ「では今から、一切の抜かりなく、速やかに仕事を遂行してください」

ちひろ「皆さんが導く『シンデレラ』は、貴方たちの仕事に生かされていることをお忘れなく」



ちひろ「……さて」



ちひろ「もう菜々Pさんを解放してくださって構いませんよ」
167 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/07(水) 21:17:51.21 ID:RVpcWtQd0

〜過去・神崎蘭子〜


今年の夏は、すごく楽しかった。

心の底からそう思えるようになったのは、サマフェスに向けた夏合宿のときでした。


美波さんと、アーニャちゃんが合わせてくれた二人三脚。

透き通る爽やかさが、口や体中に飛び込んでくる水鉄砲。


夕陽を見ながら、みんなで息をそろえて飛んだ大縄。



「変わらない」って、思ったんです。

私は、"喰種"になり切れなくて。

人のご飯を食べる苦痛も、理解できないから。


だから、みんなと私には、大きな壁があるって思ってたけど。

こうやって笑ってるときは、何も変わらないって。

美波さんが、みんなが、教えてくれたから。


だから、私もみんなに教えたかったんです。

人間は怖くないよ、って。

私達となにも変わらないよ、って。

人間でもある私だから、分かることを教えたくって。


もしみんなが人間を知らなくて、苦しんで。

そのまま死んでしまうのが「普通」だって思ってるなら……


私はそれを壊したい。
168 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/07(水) 21:20:01.25 ID:RVpcWtQd0

――――――――――――――――――――










――――――――――――――――――――
169 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/07(水) 21:21:28.62 ID:RVpcWtQd0

〜現在・白坂小梅〜


―――皆には、知っておいてほしいんだけど……

346プロダクションは…とっても大きな会社で、

その分、会社が長く続く方法も、しっかり考えられてて……

たくさん持ってる「コネ」や、お金をたくさんつかって。

たくさんの人間、あと、ちょっとの喰種の犠牲を払いながら。

絶対に倒れないように成長していったんだ…。

「ある目的」のために、ね……。


だから、346プロダクションは……

人間や喰種が、ちょっと反抗しようとしても、どうにもできない会社……。

想像できないくらい、強い喰種……まさに、「化け物」でも現れない限り、ね。


そう、だよ。

これは、何十年…何百年も、倒れなかった会社が、

ある一人の「化け物」に壊されちゃうお話。


そして、会社を壊した「化け物」は……

じつは全部、友達や大切な人のために、自分の力を使っただけなんだけど……

"喰種"になり切れてないから、"喰種"の立場や気持ちが全部は分からなくて。

人間にもなり切れてないから、人間の恐怖も分かってなくて。


だから、助けようとした人は不幸になって。

救おうとした人は死んじゃって。


不幸に巻き込んじゃった人を救おうとしても、余計なことしかできなくて。

だから、どんどん失って。


最後の最後には、『生まれてきたことが間違いだったんだ』って。

『生まれた瞬間に死んでいればよかったんだ』って泣き崩れるくらい、


血でがんじがらめの坂道を、小さな体が傷つきながら転がり落ちていく化け物……


……これは、ある"隻眼の喰種"の、小さな女の子の……



魔法が解けちゃうお話。
170 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/07(水) 21:23:28.00 ID:RVpcWtQd0

今日はここまで。

ひびきんよりらんらんの方がカネキっぽいと思うのです
171 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/08(木) 20:39:21.76 ID:95KG3qVQ0

――――――――――――――――――――


菜々さんは……

喰種捜査官に駆逐されちゃった菜々さんは、「事故死」したってことになったよ。

まだこれからって時に、死んじゃったから……

あんまり、大っぴらに騒ぐ人もいなかったんだけど……


それでも、「喰種として駆逐された」なんて言ったら……

アイドルが"喰種"だったなんて言われたら……人間のみんなは混乱しちゃうから……

だから、346プロだけじゃくって……

アイドルを"喰種"として殺した時は……『事故死』って、みんなに言うんだって。


だからね。

菜々さんを知ってる「人間」のファンや仲間は……ただ、悲しんで終わりなんだけど……
172 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/06/08(木) 20:39:52.46 ID:95KG3qVQ0

1レスだけですが今日はここまで。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 21:28:10.60 ID:adjKvVoSO
大阪LVで見てきました。

かわいいかわいい言われる蘭子だしかわいいけど、
やっぱステージの上ではカッコいいのが蘭子だなと思わされました
174 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/06/09(金) 21:28:55.79 ID:adjKvVoSO
酉忘れ。
175 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/06/09(金) 21:43:42.25 ID:adjKvVoSO
https://youtu.be/vQZ55w9Lrrk
あと東京喰種実写の最新予告が公開されたみたいですね。
色々言われてるけど正直すごく楽しみです。

公開初日の7/29日に見に行こうと思います
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/11(日) 12:00:37.68 ID:iMgDSPfv0
おつー
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 12:37:28.86 ID:eN5WKtBgO
まだかなまだかな
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/01(土) 12:35:36.24 ID:U1BQpNkKO
かなかな
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/09(日) 00:13:56.67 ID:R73L825QO
1ヶ月たったよ!
180 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/07/11(火) 23:35:00.91 ID:2jBpe/ih0
生存報告。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 20:58:42.58 ID:an1waKMsO
生きとったんかワレェ!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/18(火) 15:21:27.27 ID:DZX2pQ1WO
そろそろこないとうんこ漏らすぞ
183 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/21(金) 19:53:51.68 ID:qIbBtUmA0
多分今晩更新します

>>182
漏らしてもいいけどちゃんと食べなよ
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 23:40:35.84 ID:HnzkuFMaO
おう早く更新したら食ってやるよ
185 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 00:20:55.99 ID:PDvRBj/20

――――――――――――――――――――


小梅「…蘭子ちゃん。ゆっくり、落ち着いて……『何でもないように』、歩いてね」


繋いだ手は、ぷるぷるって震えてた。

すごく怖かったんだと、思うよ。

ホラー映画を見てる時とは全然違う……「死ぬかもしれない」って恐怖。

ぐっ、って固まった体を、無理やり、ゆっくり動かして……

蘭子ちゃんは、目の前の人達を出来るだけ見ないように……

私の手を引いて、346プロを歩いて行った……。



美城「常務の美城です」

「美城さん。本日は捜査のご協力・ご理解感謝いたします」

美城「いいえ。所属アイドルに"喰種"がいたことを見抜けなかった我々にも責任がありますので」

美城「多忙な喰種捜査の合間を縫って我が社にご訪問いただいた皆様のために、資料は既に手配しています」

「おお、それは本当にありがたい。そちらもご多忙でしょうし、手早く受け取って退散いたしましょう」

美城「私の執務室でお渡しいたします」


美城「『安部菜々』の登録情報と、偽造戸籍および偽造診断書の調査資料を」



……346プロのアイドルが"喰種"だってバレたとき。

いつも、その人について聞きに来るために……喰種捜査官がやって来ちゃう。


白鳩たちに怪しまれないで早く帰しちゃうことに、346プロは慣れっこだけど……


やっぱり、みんなにとって……怖いものは、怖いよね。
186 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 00:21:21.86 ID:PDvRBj/20

とりあえず1レス更新。明日たぶん続きかく。
187 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 11:11:39.83 ID:PDvRBj/20

そして、白鳩はいつも通り。

必要な書類だけ持って、すぐに帰っていったよ。

白鳩が346プロのことを……アイドルから"喰種"が出たのに、全然怪しまなかったのは、

ちゃんと、そのための対策をしているからって……プロデューサーさんは教えてくれたなあ。


何をやってるかまでは教えてくれなかったけど……



――――――――――――――――――――


美城「……ふう。帰ったか」


ガチャ


美城「!」


奏「あら。お疲れ様、常務」

美城「速水か。何か用があるのか」

奏「いいえ? ただクローネの一員として、上司を労おうと思っただけ」

奏「コーヒーも淹れたんだけど……常務も一杯どうかしら?」


美城「ああ……いただこう」
188 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 11:12:12.45 ID:PDvRBj/20

美城「…」ズズ

美城「……悪くない」


奏「お褒めの言葉、ありがたく受け取るわね。こんなのより菜々ちゃんの方がずっと美味しかったんだけど」

美城「その話は聞いている。…一度足を運ぶべきだったか」

奏「飲んでなかったのね。本当に勿体ないわ」

美城「そうか」


美城「……それにしても」

奏「? どうかした?」

美城「……いや、独り言だ。気にするな」

美城「次の職務に集中したい。労いには感謝するが、それを飲み終わったら退室してくれ」

奏「……そう。お粗末さま」ギイ


バタン


美城「…………」
189 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 11:13:09.07 ID:PDvRBj/20

美城(…『所属するアイドルの正体が露呈した場合、CCG捜査官への対応は美城一族の者が行う』)

美城(当プロダクションの秘密保持のために作成された、マニュアルの一つであり……私が知らされている数少ないそれだ)

美城(目的はわかる。身分、戸籍、証明書の一切にフェイクが無い人間が代表として彼等と関わることは、一定の信用をもたらす)

美城(だが……)


美城(それだけで、彼らがあれほど早急に引き上げるものか?)

美城(喰種対策法にも、『それ』への対処が記されている)

美城("喰種"を庇う人間が存在することなど、彼らはとっくに想定している)

美城(ならば何だ。なぜ彼らはあれ以上、我が346プロダクションを追求しなかった?)


美城(それも、美城の手によるものだと言うのか……?)


美城(やはり……)



美城(きな臭い)


――――――――――――――――――――
190 :補足。このとき白鳩は普通のスーツ姿で資料を受け取りに来ています。だから常務以外は捜査官だと分からない。 ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 11:43:52.72 ID:PDvRBj/20

――――――――――――――――――――


喰種捜査官。

わたし達を殺せる武器を持った、わたし達"喰種"の天敵。

あの人たちが346プロから出ていって……やっと、皆の緊張も解けたみたい。


でも……それでも人間の皆にはバレないように……

菜々さんが死んだことを、泣きわめくことはしないんだ。

だって人間の皆は、菜々さんが"喰種"として駆逐されたんじゃなくて、

事故死したって思ってるんだから。


『そう言うこと』として泣くことはあるんだけど、

本当に涙を流すのは……家に帰った後。

寮の皆は、帰っても人間がいるから……自分の部屋で、周りを確認してから。


とりあえず、今日一日は何も知らないふりをして。

喰種は泣かないように頑張って過ごすんだよ。
191 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 19:01:14.28 ID:PDvRBj/20

だから……


小梅「蘭子ちゃん……CPのお部屋には……戻らないの?」

蘭子「うむ……彼の部屋に満ちた魔力は淀み……」


蘭子「…なんだか、居づらくて」



それは、シンデレラプロジェクトのみんなも同じ。

表向きは、なんでもないように振る舞って、元気にお仕事しようとしてたけど……

やっぱり、空気はとっても重いんだ。


……ううん。


蘭子ちゃんが気にしてるのは、そっちじゃないかも……。



小梅「……『これが当たり前だから』?」

蘭子「!」


やっぱり。
192 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 19:01:43.37 ID:PDvRBj/20

さっき、蘭子ちゃんは落ち込んでるみくちゃんを励まそうとしたんだよ。

みくちゃんは……特に菜々さんと仲良くしてたから。

大切なお友達を亡くしたみくちゃんを慰めてあげたくて、優しい蘭子ちゃんは一生懸命話しかけてたんだけど……



『そんなに気を遣わなくても大丈夫にゃ』

『ナナチャンが死んだのは、ナナチャンの不注意のせいだもん』

『みく、ちゃんと分かってるよ。どれだけみく達が頑張ってアイドルしても、これだけは受け入れなきゃいけないって』

『"喰種"はこれが当たり前なんだから』


『……むしろ、今までこんなこと忘れて平和ボケしてたみくには良い薬になったもん』



『だから大丈夫っ! みく、いつまでも落ち込んでなんかいないにゃ!』

『だ!か!ら! 蘭子チャンもいつまでも曇った顔しないの!』

『死んだ人より、今生きてる自分のことを考えるの!』

『そうしないとナナチャンも悲しむでしょ?』



そう言って、みくちゃんは元気そうに笑ってた。
193 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 19:02:24.80 ID:PDvRBj/20

小梅「……みくちゃんの言ったこと。私も……正しいと思う、よ?」

蘭子「……」

小梅「"喰種"は、仲間が死んじゃっても……自分は生きてるの。友達にも、まだ生きてる人はいる……」

小梅「いつまでも、死んだ子を気にして……今度は自分が怪しいところ見せちゃったら……」

小梅「……もう、言わなくても分かる…よね…?」

蘭子「……」


蘭子「なんで」


蘭子「なんでそんなに、みんな割り切れるの?」



小梅「……」

蘭子「大切な人が死んじゃったのに。あんなに頑張ってた人が無残に殺されちゃったのに…!」

蘭子「生きてる人の方が大事って、それは分かるの。分かるけど……!」


蘭子「友達の死をまともに悲しめないなんて、おかしいよ……」

蘭子「悲しいよ……!」ジワ
194 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 19:03:42.01 ID:PDvRBj/20

小梅「蘭子ちゃん……」

蘭子「こんなこと考える、私がおかしいのかな」

蘭子「私が、みんなと違うから? 私が甘い生き方してたから?」


蘭子「……みんなの言うことが分からないのは、私がハーフだから?」


小梅「!」



蘭子ちゃん……

まだ、気にしてたんだ。



小梅「……それは……」



「あれ? 二人ともこんなとこで何やってんの?」


蘭子・小梅「!!」

蘭子「え……美嘉さん?」



美嘉「やっほー★ 蘭子ちゃんのこと、みんな心配してたよ? 飛び出したまんま帰ってこないって」

美嘉「みくちゃんなんか、『余計なこと言っちゃったかも』って狼狽えてたよ」

蘭子「!」
195 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/07/22(土) 19:04:23.40 ID:hBMET1/r0
蘭子P我子ギル入手出来たが蘭子ちひろに課金しないと入手出来ないと告知される
196 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 19:04:28.67 ID:PDvRBj/20

蘭子「みくちゃんが……」

美嘉「お? 何、みくちゃんのこと冷たい女だって思っちゃってた?」

蘭子「!? い、いや、そんなこと……! そんなことないですっ!」

美嘉「みくちゃんに何言われたか、あの子に聞いたよ」

美嘉「おおかた、『なんでこんなに割り切れるんだ』って思ってるんだと思うけど……」

美嘉「ま、蘭子ちゃんもあの子も人間に近い暮らししてたんだし。疑問に思うのもしょーがないよね」


蘭子「…あの子?」

美嘉「そ」


美嘉「それでね。あの子にも蘭子ちゃんにも話しておきたいことがあってさ」

美嘉「あと、ちょっと付いて来てほしいとこがあるんだけど……」



美嘉「いいでしょ?」


――――――――――――――――――――
197 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/07/22(土) 19:10:38.78 ID:PDvRBj/20
今日はここまで。うんこは雑菌まみれだし>>184は小便飲んでなさい

奏は常務にタメ口使わせるか敬語使わせるか迷ったけど、奏が敬語使うところが上手く想像できなかったのでとりあえずタメ口にしました。
アメリカ帰りって敬語にそこまで拘らなさそうだし、奏の態度見てたら下に見てる訳じゃないって分かると思うので。
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 21:40:34.28 ID:E9fyEjp4O
おつ
残念もう食べたんだなこれが
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