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楓「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝後編】
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1 :
◆AyvLkOoV8s
[saga]:2017/01/10(火) 22:11:23.70 ID:299m36On0
見なよ、あの数。
"白鳩"も大人げないよね、たかが芸能事務所にさ
ちょっと"喰種"がアイドルやってるだけだって言うのに。
こうやってさ。
突然終わっていくんだね
当たり前みたいだった日常が、突然崩れる。
終わるときは……いつも突然なんだ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1484053883
2 :
◆AyvLkOoV8s
[saga]:2017/01/10(火) 22:12:13.67 ID:299m36On0
アイドルマスターと東京喰種のクロスオーバーssシリーズ
『偶像喰種』の346サイド最終章です。
このスレが初めての方にも問題がないように書くつもりなので、
最終章だけでも楽しんでいただけたらと思います。
舞台はアニメ版シンデレラガールズと同じものとして書きました。
書くことが割とたくさんあるため、かなりの亀更新になると思います。
また、シンデレラガールズ主要人物の死亡シーン・苦痛描写・捕食描写等も結構入れる予定なので、
どうかご注意ください。なるべくレーティングには引っかからないよう配慮します。
http://imgur.com/xotECx3
http://imgur.com/ebzCOpk
上の添付画像は346プロダクションに在籍しているアイドル183名の人間・喰種振り分け設定です。
尚、トレーナー姉妹は全員が喰種の設定となっています。
3 :
◆AyvLkOoV8s
[sage]:2017/01/10(火) 22:15:51.63 ID:299m36On0
とりあえずスレ立てだけしました。
デレステで183人全員そろったこの日にどうしてもやっておきたかったので…
本格的なお話は明日以降開始させていただくことになります。
4 :
◆AyvLkOoV8s
[saga]:2017/01/12(木) 22:12:40.40 ID:DnYpiQvm0
―――過去・島村卯月―――
始まりは、テレビを見ていたときでした。
すごくちっちゃい頃に見ていたテレビ。
そこには、とってもきらきらした女の子が映っていたんです。
キラキラしたステージに立って、素敵な衣装を着て、それがまるでお姫様みたいで。
テレビや街のスクリーンに映ったたくさんの女の子達を見ているうちに、
それが『アイドル』って呼ばれる人たちなんだと知りました。
そして……
私もあんな風になりたいって、思うようになっていったんです。
私もアイドルになって、あんな風にステージに立ってみたいって。
心の底から願うようになったんです。
でも、それをパパやママに話した時……すごく、悲しそうな顔をされたんです。
『ごめんね卯月』って。
『あなたはアイドルになれないの』って。
『あんな風に、人前で踊ることなんてできないの』って……
ちっちゃな私は、どうしてどうしてって泣きながら尋ねました。
パパとママは、私を抱きしめて答えを言ってくれました。
とっても簡単な答え。
私が、アイドルになれないのは。
それは、私が。
島村卯月が―――――
グール
―――"喰種"だからでした。
5 :
◆AyvLkOoV8s
[saga]:2017/01/12(木) 22:24:18.50 ID:DnYpiQvm0
"喰種"っていうのは、人間みたいな姿をしているけど人間じゃない生き物のことです。
人間よりずっと力が強くて、
人間よりずっと目や耳や鼻が良くて、
人間の持っていない武器を持っていて。
だけど、人間と同じものが食べられない生き物です。
"喰種"が唯一食べられる『それ』とコーヒー以外のものを食べちゃうと、
すっごく不味くて、身体も壊してしまうんです。
コーヒーだけは美味しく飲めますが、それでも栄養にすることは出来ません。
私達"喰種"は『それ』を食べないと生きていけないんです。
だから人間は"喰種"を敵だと思っているんだって。
だから人間に見つかった"喰種"は殺されてしまうんだって、ママは教えてくれました。
もし私がアイドルになれたとしても、私が"喰種"だってばれちゃえば。
ファンもステージも衣装も全部失って、殺されてしまうんです。
人を殺して、『それ』を喰らう―――――
―――『人肉』を喰らう化け物として。
6 :
◆AyvLkOoV8s
[saga]:2017/01/12(木) 22:38:14.90 ID:DnYpiQvm0
それだけ聞かされても、ちっちゃい私は夢を諦めきれませんでした。
それまでに無いくらい……もしかしたら、生まれてはじめてなくらい。
それくらい駄々をこねて、わがままを言って、泣いてパパとママを困らせたんです。
絶対に正体を隠すから。いい子にするから。
お勉強でもお手伝いでもごはんの訓練でも、なんでもするから。
そう約束して、まずは学校で頑張って、約束したことは全部守り切って。
そしてやっと、アイドルの養成所に行くことを許してもらえたんです。
それからは……とっても長い時間を、養成所で過ごしました。
周りにいたのは、ほとんどが人間の女の子。
その子たちは夢を諦めたか、私より先にデビューしたかで、養成所を去っていきます。
時々"喰種"の女の子とも一緒になったんですけど、その子たちは皆、遅かれ早かれ辞めてしまいました。
デビューした女の子は、みんな人間の女の子だったんです。
私はオーディションを受けても落ちて、
目立ちすぎることも出来ないから、ほかに派手なアピールもできなくて。
"喰種"の私はたった一人、養成所でレッスンして毎日を過ごしていました。
7 :
◆AyvLkOoV8s
[saga]:2017/01/12(木) 22:52:11.66 ID:DnYpiQvm0
どれだけ笑顔で頑張っても、何も変わらない日々が過ぎていきました。
近付きすぎると正体がバレちゃうかもしれないから、一緒に頑張る友達だって中途半端に作れませんでした。
でも止まり続けた時計は……ある日、動き出しました。
私を見つけてくれた人がいたんです。
背が高くて、目が細くて、初めて見た時はちょっと怖いって思った男の人。
匂いで"喰種"だって気付いた人。
あの人が養成所に訪ねてきて、私をアイドルにしてくれるって言ったんです。
理由は、補欠合格。
少し前に、とあるプロダクションで受けたオーディションのことでした。
新しいプロジェクトに応募して、一度は落ちたオーディションだったんですが……
3人の欠員が出て、だからあの人は私を拾ってくれたって話をしてくれました。
私を選んでくれた理由は、ふたつありました。
ひとつは、私が"喰種"だから。
信じられない理由でした。
何も知らずに応募したオーディション。
プロジェクトの名前は『シンデレラプロジェクト』。
そして事務所の名前は『346プロダクション』。
なんと、シンデレラプロジェクトも、346プロダクションも……
"喰種"が運営をしていて。
"喰種"がアイドルをプロデュースして。
"喰種"がアイドルになる―――――
―――"喰種"のための芸能プロダクションだったんです。
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