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ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!」 キョン「憤慨してみたり」
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261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/19(日) 15:33:49.60 ID:rVI6508ao
糖化されちゃう?
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 15:37:13.59 ID:1g75IOsJ0
キョン「ふむふむなるほど。近所の犬が一斉に近寄らなくなった場所がある、と……」
阪中「えっ? そ、そうだけど……あたしまだなにも言ってないの……」
朝倉「阪中さん。気にしたらダメ」
ハルヒ「読心術みたいなもんよ! ただのトリックよトリック!」
阪中「そ、そうなんだ……」
キョン「しかしなぜそれが幽霊につながる?」
阪中「うん。あたしの家の近所の人達は犬を飼ってる人が多いんだけど、その飼い犬たちもみんな近寄らなくなって」
阪中「それどころかノラ犬やノラ猫までいなくなってるの」
阪中「いままでは何ともない普通の散歩コースだったのに……」
ハルヒ「ふんふん!」カキカキ
阪中「でね、よく聞かない? 犬や猫には人間には見えないものが見える、って」
朝比奈「ひ、ひえぇ……」ビクビク
古泉「なるほど……ね」
阪中「それに、多頭飼いしてる樋口さんて人がいるのよ。その飼い犬の一匹が昨日から具合を悪くしてるんだって」
ハルヒ「つまり、それが……」
阪中「幽霊の仕業じゃないか……って」
朝倉「……ふぅん」
長門「……」
阪中「どう思う? これって幽霊の仕業かな? 涼宮さん」
ハルヒ「うーん……正直現時点ではなんとも。百聞は一見に如かずと言うし、現場に急行する方が正しいわね!」
朝比奈「い、今からですかぁ?」
ハルヒ「そうよ! 早くしないと幽霊が逃げちゃうかもしれないでしょ! とっ捕まえて色々尋問したいのに!!」
朝倉「趣旨が違うでしょーに」
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 15:41:42.58 ID:1g75IOsJ0
ハルヒ「ではっ! しゅっぱーつ!」
朝比奈「あ、あの! 涼宮さん! やっぱりこの格好で行く意味は……」
ハルヒ「みくるちゃん! 霊にはお祓いって相場が決まってるのよ! ちょうどいいじゃない! 衣装のリユースができて!」
朝比奈「うぅ……」
阪中「す、すごいの……なんていうか本格的……」
朝倉「形から入るタイプというか、形に拘るタイプなのよ。で、なんで長門さんまでコスプレしてるわけ?」
長門「……」ギュルリーーーン!!
ハルヒ「いやー! 懐かしいでしょ!? 有希の魔女っ子コス!! あまりに似合ってたから有希のクラスの人にもらっておいたのよ!」
朝倉「今長門さんが着る理由になってないんだけど」
ハルヒ「たまには日の光を浴びなきゃ! 服は着るために作られたんだから! よかったら朝倉さんと阪中さんの分の衣装もあるけど?」
朝倉・阪中「「遠慮します」」
ハルヒ「そ? まぁ、いいけど! さあ出発出発ー!!」
古泉「いやぁ、思いの外賑やかなパーティになりましたね」
キョン「主に巫女と魔女のおかげでな。ハロウィンと勘違いしてんじゃねぇか?」
古泉「どうです? 我々も袈裟や法衣で身を固めてみますか?」
キョン「ハルヒー! バリカンー!! 古泉が出家したいって―――」
古泉「ほんの冗談ですよ!! 涼宮さん! ジョークです! 少し早めのエイプリルフールですよ!!」
ハルヒ「なんだぁ……冗談か」シュン
キョン「冗談の通じんやつだな」
古泉「あなたが言いますか……」
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 15:45:46.90 ID:1g75IOsJ0
古泉「時に、あなたは幽霊の存在を信じてはいらっしゃいますか?」
キョン「俺自身が幽霊みたいなもんだろ」
古泉「……ええっと、そうなんですか?」
キョン「そうじゃないのかなぁ。何を持ってして幽霊というのかは知らんけど」
古泉「そんなあやふやな……一応、あなたは人間だとカテゴリしておきますよ」
キョン「そうかい。で、お前はどうなんだ? 幽霊を信じてるのか?」
古泉「申し上げますと、霊魂の存在は信じてはいません。が、信じざるを得ないこともまた事実です」
キョン「……ファンタジー慣れしてる奴はこれだから」
古泉「そう仰らずに。しかし、あなたの仰る通り宇宙人や未来人、超能力者等はヘタをすれば幽霊やUMAと一括りにされてもおかしくないですからね」
古泉「僕たちの存在が、幽霊の有無を立証してると言っても過言ではありません、と僕は考えていますが……」
古泉「実際、その辺の事実はどうなのです? 全知と言っても過言ではないあなたにだからこそお聞きしますが……」
キョン「それでいいんじゃねぇの」ポケー
古泉「おやおや……相手にしていただけませんか」
キョン「朝倉も言ってたろ。SOS団はオカルト同好会じゃねぇ」
古泉「ですが、幽霊騒動の原因を突き止めるためには、オカルトについて少しばかり知っておいてもいいのでは?」
キョン「……じゃあこれだけは言っておいてやるよ」
キョン「今回の件に関して言えば、オカルト要素はまったくねぇよ」
キョン「あるのはいつも通り。常識という偏見から生まれた『SF』って要素ぐらいさ」
古泉「……そうですか」
ハルヒ「キョーン! 古泉くーん! もっとせかせか歩きなさーい!!」
キョン「へーへー」スタスタ
古泉「……今回の件に関して言えば、ですか」
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 15:51:11.13 ID:1g75IOsJ0
阪中「ここなの」
ハルヒ「はーっ!」
朝倉「へぇー」
朝比奈「おっきぃ……」
古泉「豪奢ですね」
長門「立派」
キョン「……お、俺の番か? えーっと……う、うわぁ! デカすぎるっ!」ガーン!
朝倉「誰もそんなリアクション大会なんて開催してないから。にしてもホントに大きなお家だこと」
ハルヒ「さてさて、では問題のワンコはどこにいるのかしら?」キョロキョロ
阪中「も、問題になってるのはどっちかと言うと散歩コースのほうなの。あと、ルソーは室内飼いしてるの」
朝倉「ルソー?」
阪中「あ、ウチの犬の名前なの」
ハルヒ「ジャン・ジャック……J・Jね!」
朝比奈「ジャン……ジャック?」
ハルヒ「ジャン・ジャック・ルソー……一般意志、自己愛、自尊心、人間本性、児童中心主義教育、市民宗教など。
一般意志の概念を提出したことによって国民主権概念の発展に強い影響を与えた他
自由主義思想史においては積極的自由を掲げた思想家と位置づけられる」
キョン「うおっ! Wiki宮がでたぞ!! 捕縛しろ!!」
朝倉「なんでよ」
阪中「あはは。涼宮さん、それ、あたしのお父さんと同じ呼び方」ガチャ
ルソー「わわんっ」ピョン
朝比奈・朝倉「「わぁ……!」」
阪中「この子がルソー。可愛いでしょ」
朝比奈「か、可愛いですっ!! ふかふかー!!」キャッキャ!
キョン「可愛いものを愛でる朝比奈さんを愛でる俺は……果たして可愛いのか……試してみる価値は―――」グッ
古泉「ないです」
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 15:55:54.22 ID:1g75IOsJ0
ハルヒ「じゃ、その問題の場所にしゅっぱーつ!! 行くわよっJ・J!!」ダッ!
ルソー「わんっ!」
阪中「すっ、涼宮さーん!! そっちじゃないの!! こっち! こっちが散歩コース」
朝倉「それに走っちゃったら散歩じゃなくてジョギングになっちゃうじゃない」
長門「ペース的には徒競争のレベル」
朝比奈「は、はえぇ……」
キョン「ところで朝倉よ、お前はのん気に俺たちに付き合っていてもいいのか? 夕飯の買い出しとか大丈夫なのか?」
朝倉「あら、心配してくれてるの? それとも単にお邪魔だったかしら?」
キョン「いや、朝倉がこのまま付き合ってくれるならボケの調子をペースアップしようと……」スッ
朝倉「誰がツッコミ要因よ!!! 言ったそばからポケットに手を突っ込まない!! 何を出す気よ」
長門「これはツッコミと手を突っ込まないとをかけた朝倉涼子の高度な―――」
朝倉「長門さんも解説しない!!! そんなんじゃないから!! まったくもう……」
朝倉「あたしだって気になるもの。幽霊騒ぎの正体ってやつがね。もっとも……」
朝倉「ある程度、目星はついてるみたいね。お互いに」
キョン「そうなのか?」クルッ
古泉「僕ではなくあなたのことだと思いますが……」
朝倉「……まっ、あたしはあたしでただついてきてるだけだから。お構いなく」シラー
キョン「うわっ、スルーしだした。ダメな時の朝倉だ。古泉なんとかしろ!」
古泉「えぇ……」
朝倉「おーよしよし。かわいいわねぇ」クシャクシャ
ルソー「わんっ!」
キョン「ならば……っ! あのワン公と俺との位置をチェンジして―――!」
古泉「最悪心臓に鋭いツッコミが入りますが、よろしいのですか?」
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 16:00:38.18 ID:1g75IOsJ0
ルソー「くぅん……」ピタッ
阪中「あっ、やっぱりここで止まっちゃうのね」
ハルヒ「きた? きた!? ここね!? ここなのね阪中さん!?」
阪中「そうなの。先週まではここをまっすぐ行くコースだったんだけど、今はルソーが川に近寄らなくなって……」
ハルヒ「キョン!! 川よ!! 川が怪しいわ!! 飛び込みなさい!!!」
キョン「ハルヒ!! 川だ!! 川が怪しいぞ!! 飛び込むんだ!!!!」
朝倉「そんな安直な……」
阪中「それがね、川の上流とかもっと下流なら問題なく散歩できるみたいなのね。近所の人も言ってた」
古泉「ふむ、特別なにか違和感を覚えるようなこともありませんね。川が汚染されてるわけでもありませんし」
ハルヒ「うーん、なんで嫌がるのかJ・Jに直接話を聞けたらいいんだけど……」
キョン「ははっ! 超能力者じゃあるまいしそんなことできるやつがいるはず……」
ハルヒ「いた!!!!」ガーン!
キョン「ほんとだ!!!」ガガーン!
古泉「す、涼宮さんが仰っているのはあなたのことです。僕を見るのはやめてください」
朝倉「(とんでもないネタバレしようとしてきたわねキョンくん)」ゴクリ
ハルヒ「キョン! キョン! あんたならJ・Jと会話するぐらいできるでしょ!? なんて言ってるか聞いてみなさい!」
阪中「そ、そんなことができるの?」
ハルヒ「ふっふっふ、意外とウチのキョンを見くびってはいけないわ!! 雑用にかけてキョンの右に出る者はいないわ!!」ドーン!
朝比奈「ど、動物とお話しすることは雑用じゃない気が……」
キョン「ふん……ふん! なにぃ! うん、うん……なんだってぇ!」
ハルヒ「ほら!! 見て阪中さん!! 会話してる!! 意思疎通ができるのよ!!!」
阪中「そ、それでルソーはなんて言ってるの?」
キョン「『oh,I think so……』」
朝倉・朝比奈・ハルヒ・阪中「「「「英語っ!!?!?!?」」」」ガガガーン!!
古泉「……あぁ、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはスコットランド原産の犬でしたね」
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 16:05:05.66 ID:1g75IOsJ0
ハルヒ「J・J……あんた英語喋れたのね」ゴクリ
朝倉「落ち着いて涼宮さん。一応喋ってはいないから」
朝比奈「も、もしかして『わんっ!』って『one!!』って言ってたんじゃ……」アワワ
朝倉「落ち着いてください朝比奈先輩。意味が分からないことを言っています」
長門「……わたあめ」
朝倉「……長門さん。犬を見て食を思い出すのはやめて、って……」
朝倉「だからあたしにツッコミをさせないでってばぁあぁあぁあああああ!!!!」アァ!!
阪中「あ、朝倉さん……大丈夫?」オロオロ
ハルヒ「キョン! まどろっこしい英語はいいわ! つまりJ・Jはなんて言ってるのか教えなさい!!」
ルソー「わんっ!」
キョン「『だまれ小娘!!』」
ハルヒ・阪中「「嘘だっ!!」」ガーン!
阪中「う、ウチのルソーはそんなに口が悪い子じゃないの!!」
朝倉「いや阪中さん、口が悪いも何もルソー喋ったことないわよね?」
キョン「なんとなく嫌な感じがするから近づきたくないんだとよ、なぁジャンバルジャン?」
阪中「ジャンバルジャン違うの」
ルソー「…………」
キョン「このワン公俺をシカトしやがった……っ!」グルル
ハルヒ「あんたが名前間違ってること分かってるのよ!! 賢いわねJ・J!」
朝倉「J・Jも間違ってるからね? ルソーだからね本名」
古泉「しかし、あなたの言うことが事実なら、ルソー氏も近づきたくない本質的な原因が分かっていないことになりますね」
ハルヒ「本能が伝えてるのよ! この場所に近づいてはならぬ……っ! って! ねーJ・J?」
ルソー「くぅん……」
キョン「『ジャンバルジャンに改名したいワン!』」
ハルヒ・阪中・朝倉「「「嘘だっっ!!!!!!」」」
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/19(日) 16:06:12.61 ID:1g75IOsJ0
ここまでー
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/19(日) 17:34:40.17 ID:+WdrYob3o
乙!
ルソーwww
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/19(日) 18:30:14.90 ID:zUTFjzgW0
乙
どれがホントかわかんねぇwwww
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/20(月) 09:20:27.05 ID:muftc2Gi0
乙!
黙れ小娘は本当にルソーの発言だったりして…
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 17:29:18.91 ID:FOTIGi/j0
出来れば今日中にはとうかしますー。
あと、言い訳ではないのですが、最近の投下頻度の低下は
この次の次の……所謂、分裂〜驚愕の展開の方を優先して書いてしまってるせいでございまして……
辻褄合わせ等に奔走しているため投下頻度の低下に……
という言い訳です。すいません。もう少しお付き合いの方をよろしくお願いします!
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/27(月) 17:33:56.92 ID:RG4HR+olO
いつまでも待つから無問題
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:10:06.35 ID:FOTIGi/j0
とーかしていきますー
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:14:37.08 ID:FOTIGi/j0
古泉「とりあえず、別の散歩コースを回ってみましょう。何か違いが分かるかもしれません」
ハルヒ「よしっ! J・J!! ついてきなさいっ!!」ダッ!
ルソー「わんっ!」タッ!
キョン「『くははっ!! ものの2秒で肉片に変えてくれるわっ!! 小娘ぇ!!』」
朝倉「だからなんで意味のない嘘つくのよ。ルソーのキャラが定まってないじゃない」
古泉「談笑中のところ申し訳ありません」
キョン「違うぞ古泉。漫才中」
朝倉「……」
キョン「ほら、否定しないだろ?」
朝倉「ツッコミって思われたくないだけだから」
古泉「そのように、会話に夢中になられる程度には、この場所に異変は感じませんか?」
朝倉「まあね。ほんの少し、足がかり程度の情報ぐらいしかここにはないわ」
古泉「なるほど。となると、気になるのは……飼い犬の一匹が体調を崩している、樋口さんでしょうか」
朝倉「……さすが副団長ね。できればその聡明な頭脳を怪しい団内だけで活かすことはやめてほしいわ」
古泉「ここが僕のホームグラウンドですから。しかし、そうなると現場の散策はあまり意味を成しませんが……」チラッ
ハルヒ「ふんふふんふふーん♪」
朝比奈「ぴょこぴょこしててかわいいなぁー」ポワポワ
古泉「……水を差すのも野暮でしょう。しばしルソー氏の散歩に付き合うとしましょう」
朝倉「ま、そういうことよね」
キョン「大変だぞ古泉、朝倉。ルソーのマーキング開始まであと―――」
朝倉「言わなくていいから!!!」
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:18:42.14 ID:FOTIGi/j0
ルソー「くぅん」ピタッ
ハルヒ「おっと。ここもなのね、J・J」
長門「3ヶ所目」
ハルヒ「1、2ヶ所目からそんなに離れてないわよね? だとしたらそこまで広くない範囲で何かが起きてる、ってことね!」
古泉「涼宮さん、これを見ていただけますか?」スッ
ハルヒ「なになに?」ズイッ
キョン「古泉の秘蔵コスプレ特集」ボソッ
ハルヒ「!!?」ズザザッ!
古泉「違いますから!! そんなに後ずさられますと堪えるものがありますよ……」
ハルヒ「ごめんごめん! それで、見てほしいものっていうのは?」
古泉「ルソー氏が立ち止まったポイントを地図上に記してみました」
ハルヒ「1、2、3……! これって……!」
古泉「お気づきになりましたか?」
阪中「これがどういう……?」
ハルヒ「阪中さん! これみて! J・Jが止まった位置を曲線で結ぶと弧になるでしょ? これはつまり―――!」
キョン「この角度をそのままに1周させると円になる。その円の中心に何かがあるんじゃないかってことだ」
ハルヒ「―――ってことなのよ!! それに、中心はやっぱり川沿いだしね!!!」バシバシ!!
キョン「分かった分かった。セリフとったのは悪かったから。ノールックで叩くな。せめて視界に入れてくれ」
阪中「わー……すごい。探偵みたいなの。感心しちゃう」
ハルヒ「よし! 場所がわかったならそこに急行よ!! 阪中さんはJ・J連れて家まで戻ってて!! あたしたちで原因解決してくるから!」
ハルヒ「行くわよっ! SOS団!!」ダッ!
ルソー「わんっ!」フリフリ
朝倉「……ルソーは何て?」
キョン「『がんばってくださいワン!』」
朝倉「……嘘ばっかし」クスッ
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:24:07.19 ID:FOTIGi/j0
ハルヒ「とーちゃく!」ドンッ
キョン「全速だったな」
朝比奈「は、はひぃ……」
朝倉「大丈夫ですか? 朝比奈先輩」
朝比奈「だ、だいじょ、ふぅ、はぁ……」
ハルヒ「みくるちゃん! 有希! 出番よ!!」
長門「……」ジュララララァアアアアン
朝比奈「ふぅ……ふへぁっ!?」
ハルヒ「お化け退治よお化け退治!! なんのために巫女と魔女のコスプレしてきたと思ってんのよ!」
朝倉・キョン「「(涼宮さん)ハルヒの趣味(でしょ)だろ」」
ハルヒ「ちっがーう! お祓いよお祓い!! 言ったでしょ! 霊にはお祓いって決まってるのよ!!」
朝比奈「で、でもわたし、何をしたら……」
ハルヒ「大丈夫!! 般若心経のカンペもってきたから!! 古泉くん! これもってて!」
古泉「かしこまりました」
朝倉「長門さんは何するの?」
ハルヒ「魔法陣!!」ドンッ!
朝倉「え?」
ハルヒ「魔女といったら魔法!! 魔法といったら魔法陣じゃない! 常識よ? 朝倉さん」
朝倉「えぇ……」
ハルヒ「有希はこのチョークでそれっぽい魔法陣を書いてちょうだい! はい!」スッ
長門「了解した」
ハルヒ「それじゃ! SOS団式除霊術を開始するわよー!!」オーッ!
朝倉「神道に仏教にオカルトって……幽霊より問題じゃない?」
キョン「それがSOS団だ」
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:28:30.73 ID:FOTIGi/j0
朝比奈「かんじ? ざいぼ……ざつぎょ……?」
ハルヒ「うんうん! それっぽいわよみくるちゃん!」
朝倉「どれっぽいんだか……それでこっちは」チラッ
キョン「ククク……顕現せよ。煉獄門より出し我が僕……その清火をもって奴を消し去れ!!」ゴゴゴ!
長門「……神の泉よ。我に力を授け給え。その激流で混濁と晦冥を浄化せよ―――」ゴゴゴ!
朝倉「除霊関係なくなってるし……なにごっこよそれ」
ハルヒ「聴け! 天からの使者!! わたしは―――!!」バッ!
朝倉「あなたまで一緒になって遊んでどうするの!! 注意するところでしょここは!!」
ハルヒ「っとと、そうだったわ。こら有希! キョン! ダメじゃない遊んでちゃ」
キョン「すまん。あまりに魔法陣の出来が良くてつい男心をくすぐってな。なー長門」
長門「くすぐった」
朝倉「長門さんは女の子でしょ」
ハルヒ「……確かに。あたしが子供の頃書いたのより上手いわね」ボソッ
キョン「書いたのは俺だろ」
ハルヒ「え?」
キョン「んっ?」
朝倉「あ、あー! 見て涼宮さん!! ゆ、幽霊っぽい何かが!!」
ハルヒ「どこっ!!? 現れた!!? 幽霊!!?」バッ!
朝倉「あ。と思ったらただのニホニウムだったわ。うっかり」
ハルヒ「なぁんだ。ただのニホニウム…………見えるのっ!!?!?」ガーン!
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:32:35.45 ID:FOTIGi/j0
朝比奈「り、りん。ぴょう、とう、しゃ……かい、じん……れつ?」
朝倉「道教まで……」
ハルヒ「くっくっく、ありとあらゆる邪気払いを試すことでこの地に凄う悪霊を確実に葬りさるのよ!!」クワッ
キョン「ぐあぁぁああああぁああ!!!や、やめてください朝比奈さん!! そ、その術は俺に効く……っ!」シュウゥ!!
朝比奈「ひ、ひえぇぇえぇえ!!?!? ごごご、ごめんなさいぃいぃいいぃいい!!!」
ハルヒ「! チャンスよみくるちゃん!! その調子!!!」グッ!
朝倉「団長としてどうなのその発言」
古泉「今更、邪気払い程度であなたが……おや?」
朝倉「あら」
「…………」タッタッタ
キョン「いやだわ古泉さん。走りゆく殿方に熱視線を送るだなんて」アラアラ
朝比奈「えっ!?」
古泉「ち、違います。僕が見ていたのはあの方が連れている―――」
ハルヒ「犬っっ!!! 犬がいるわっ!!!! この辺に犬は入れないはずなのに!!! ねぇどういうこと!!?」
朝倉「さあ。なんで入れたか直接聞いてみれば、って」
ハルヒ「ねぇ!! あなたのトコのワンちゃんなんでここ走れてるの!? 特殊な能力を持った犬なの!!?」
朝倉「行動に移すのが早いわね」
「能力? 君たちは一体なにを言ってるんだ?」
ハルヒ「キョン! 説明するのがめんどくさいからいっきに伝えなさい!! テレパシー的なあれで!」
キョン「よし分かった。お兄さん実はですね……かくかくしかじか!」ドーン!
朝倉・古泉「「そんな漫画的表現で!!?!?!??」」ガガーン!
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:36:13.41 ID:FOTIGi/j0
「ああ、そのことか」
朝倉「しっかり伝わってるし……」
「確かに先週ぐらいはコイツも嫌がってたんだけど……」チラッ
ハルヒ「それがどうして今こんな元気にここを走っているの!!? 気になる! 気になるわ!!」
キョン「わたし気になります!!」
「でも、ここのコースは走るのに最適だから引っ張り上げて走らすように促したんだ」
古泉「ほう」
朝倉「(まぁ、阪中さんにはできそうにないわね。あの調子じゃ)」
「そしたら一昨日か、三日前ぐらいかな? この通り、またこのコースを走れるようになったんだ」
「バウッ!!」
長門「……そう」
朝倉「え? 長門さんもなんて言ったか分かったの?」
長門「……ばうっ」
朝倉「……………………うん」キュン
「きみたちの友達の犬も多少強引に連れてきたら戻ると思うね。きっと熊か何かの匂いでも残ってたんだろう」
ハルヒ「うーん……そうかしら?」
「ま、時間の問題だと思うよ。それじゃ、これでいいかな?」
古泉「どうも、大変貴重なご意見をありがとうございました」
「よし、行くぞっ」
キョン「バウッ!!」
朝倉「絵面がえぐいことになるからやめてくれるかしら」
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:42:32.94 ID:FOTIGi/j0
ハルヒ「……あの場所に、少なくとも今現在は幽霊はいないってことね」ムス
朝倉「そうそう幽霊になんて出会えないわよ」
ハルヒ「だとしたらあの人が言ってた通り熊かなんかの匂いでも残ってたのかしら? でも、うーん……」
古泉「現在、この場に何らかの異変が無いにしろ、過去この場で何かあったことは事実のようです」
古泉「ルソー氏や他の犬たちがこの場に近づきたがらないのは過去の記憶がそうさせていのでしょう」
ハルヒ「異変……異変ねぇ。もう何日か早くここに来てれば幽霊に会えたのかしら。そう思うともったいないわ!!」キィー!
朝倉「だからまだ幽霊と決まったわけじゃ……まぁでもこの場所にもう問題はないことは分かったじゃない」
古泉「まずはそれを阪中さんに伝えるために、戻りましょうか」
ハルヒ「……幽霊ぃ〜」
キョン「ったく……しょうがねぇなぁ」
ハルヒ「幽霊!? 出すの? 呼ぶの!? 出てくるの!!?」
キョン「幽霊を見たいんだろ? だとしたら確実な方法は一つだ」
キョン「お前自身が―――幽霊になることだ―――」ゴッ!
朝倉「なん……ですって……!」
ハルヒ「おぉっ!!…………つまり死ねと!!!?!!?」ガーン!
キョン「お覚悟を!」
ハルヒ「いやよ!! さすがにそこまでの気概は見せられないわ!!! 分かった分かったから! 一旦戻りましょ!!」
ハルヒ「……はぁ〜」
朝比奈「げ、元気出してください涼宮さん。これでワンちゃんが気持ちよく散歩できるようになりますよ!」
ハルヒ「うん……そうよね。そうだけど……いなかったかぁ、幽霊」ハァ
キョン「……古泉」
古泉「……なんでしょう?」
キョン「ハルヒのために男を見せる時が―――」
古泉「まだ早い。まだ早いと思いますよ僕は」
朝倉「食い気味に言ったわね。命掛かってるからね」
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/03/27(月) 21:43:13.23 ID:FOTIGi/j0
ここまでい
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/27(月) 21:56:47.67 ID:MgzaXl0TO
乙乙
長門の「……ばうっ」と朝倉さんが可愛すぎて辛くない!
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/27(月) 22:53:02.78 ID:0W7cZLH60
次の次まで考えてるとは・・・
書く気力は充分でなにより
頑張ってー
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/28(火) 00:10:38.92 ID:GmtflVVJO
朝倉さんキュンじゃないでしょw
相変わらずのカオス度に笑いが止まらない
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/28(火) 08:17:21.97 ID:GsdRv2mQo
乙です
ニホニウムwww
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/28(火) 16:19:24.63 ID:qW5HTYUY0
長門ええのう…
面白いからゆっくりでも待つやでー
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/28(火) 20:47:57.22 ID:KhtEFdic0
乙です
それを聞いて後10年は待てるようになりました!
キョンがさらっとえるたそのまねを…
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 15:03:19.36 ID:uEiP4Jk4O
>>287
ニホニウムしらないの?実際する元素で日本が初めて見つけたんだぞ
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 15:39:34.52 ID:fu3xEOh6o
>>290
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 17:01:49.79 ID:KR4v/kyho
>>290
見つけてないよ。
放射性元素は見つけるんじゃなくて作る物です。
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 17:18:39.71 ID:DT4SSCHFo
>>290
これは造語だと笑ったんじゃなくてたった0.数秒しか持たない新元素を見かけたって言う嘘に笑ったんだ
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 21:14:01.96 ID:OllK2GEjo
>>290
赤くしときますわ
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/30(木) 02:27:48.32 ID:Qt0si09mO
>>292
「発見」なんですが…
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/30(木) 06:07:49.84 ID:cbtjQ4P3o
まあ自然界には存在してないからな
粒子に粒子ぶつけまくって新しいの出来ないかなーってやってたらたまたま出来るんだよ
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/30(木) 22:43:57.69 ID:8Aiq09ZcO
どうやっても末尾oは発見だと認めたくないのか
テレビでも雑誌でも発見だと言われてるのに
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/31(金) 16:12:52.75 ID:pE/AHNe/o
発見か否かはさほど問題ではなく
>>290
に対する
>>293
のほうが重要なんじゃね
誰も「ニホニウムって何?」なんて聞いていないのにわざわざ教えてくる君の滑稽っぷりな
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/31(金) 19:20:24.89 ID:/12iw9nrO
ニホニウム「私のために争わないで…!」
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/31(金) 20:53:17.44 ID:PuWkeU6+o
ニホニホタマクロー
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/31(金) 20:55:14.63 ID:wiMvHSVtO
ジャパニウム「人気者はつらいぜ」
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/31(金) 21:29:55.29 ID:gBAu2UWFo
>>301
あなたは!…………確か、ジャポネシウムさん!
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/01(土) 03:29:09.78 ID:r6LuPDHFO
>>298
お前の方が滑稽だぞww誰もそんなの聞いてないし重要(笑)とか
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/01(土) 07:00:48.49 ID:OMSYhWWcO
末尾Oは頭がいいなー
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/02(日) 16:45:12.46 ID:6gNeEj5so
せやろか
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/02(日) 22:46:38.48 ID:KC2dFZGNO
せやかてキョン
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/03(月) 11:37:37.19 ID:t3bgQSqOO
鹿「せやなぁ」
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/03(月) 20:33:36.80 ID:NnorLtAeO
鹿が喋ったアアアアア!
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/03(月) 20:38:02.12 ID:RWRdplcAO
鹿たないね
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/03(月) 21:16:58.21 ID:ZqSP5bb4O
>>307
馬「俺の横に並ぶなよ」
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/03(月) 22:11:40.34 ID:3n4C6ELBo
馬いこというな
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/04(火) 01:26:18.74 ID:qBTFrnj4O
>>310
誰が馬いこといえと
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/04(火) 04:07:57.80 ID:U6Gbc+uio
なんだこのさっむい流れ
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/07(金) 09:53:19.58 ID:dr/b28qTO
取り敢えず可愛い朝倉さんの為に全裸支援
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/08(土) 10:56:35.69 ID:nfZjf1lZ0
静かに待たれよ
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/08(土) 10:59:22.15 ID:hNGd+iAdo
>>315
ageんなks
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/08(土) 11:05:14.34 ID:nfZjf1lZ0
すまぬ
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:12:24.04 ID:eXoHmN0K0
ちょいととうかー
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:15:33.34 ID:eXoHmN0K0
ハルヒ「ただいまぁー……」
阪中「おかえりなさいなの。今、お母さんがシュークリーム焼いてくれてるから中で―――」
長門「―――お邪魔します」スッ
朝倉「っざ、残像っ!!? 残像が出るほどの速度で!!?!?」ガーン!
ルソー「わんっ!」
キョン「『ふおっ、ふおっ、ふおっ。あの娘、中々やりおるわい』」
朝倉「だからキャラが……ってこの短時間でえらい老け込んだわねルソー」
阪中「……なるほどなの。つまり原因はまだ分からないけど、もう元の散歩コースは安全なのね」
長門「……」モグモグ
古泉「ええ。といってもルソー氏の過去の記憶が元のルートを本能的に忌避している状態ではありますが」
阪中「うーん。ならやっぱりもう少し時間をおいてこのコや他の犬さんたちが平気で散歩できるようになってからにする」
古泉「その方がよろしいかと」ニコッ
朝倉「てことはこれで解決?」
ハルヒ「まだよ! まだ原因が分かってない!! 幽霊の痕跡探しをしなきゃ!!」
朝倉「闇雲に探しても見つからないわよ。実際今回だって何も分からなかったんだし」
ハルヒ「それは……なんとなくキョンが突き止めてくれるわよ!!」
キョン「えっ、オイラが!?」
朝倉「自分のキャラまで見失ってるじゃないの」
ハルヒ「とにかく! あたしは消化不良なのよ!! 一度幽霊の名を出されたら確かめるまでは気になってしょうがないのよ!」
キョン「まぁまぁハルヒ落ち着け。今回ばかりは仕方ないだろ。もうあの場所に異常がないのは分かったし、時間が解決する問題だ」
阪中「す、涼宮さん、ごめんね。安易に幽霊の名前なんて出して……」
ハルヒ「あっ、いや。阪中さんが謝ることじゃ……ぐうぅ、キョン!!」バシバシ!
キョン「そんな理不尽な。痛い、痛いよハルヒ……」
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:18:43.91 ID:eXoHmN0K0
ハルヒ「かゆ。うま……じゃなくて、すご! うま! お店開けるわよこの味!」
キョン「機嫌戻すの早えぇ」
阪中「お母さんのシュークリームは絶品だよ」
長門「朝倉涼子」ボソッ
朝倉「なに、長門さん? シュークリームのこと? 今度家でも作って―――」
長門「養子縁組の情報操作を行ってもいい?」
朝倉「阪中さん家に!!? シュークリームのためだけに!!?!?」ガーン!
ルソー「すぅ……すぅ……」
朝比奈「ふわぁ……いいなぁ、いいなぁ」
古泉「よろしければ、僕の知り合いの愛犬家の方から一匹いただいてきましょうか?」
朝比奈「えっ!? ほ、本当ですか!? あっ、でも……うぅ! 大丈夫ですぅ……」
古泉「何か飼えない理由でも?」
朝比奈「き、禁則事項ですぅ……」
古泉「それはそれは、残念ですね」
朝倉「紅茶もおいしいこと。絵にかいたようなお金持ちの家ね。それで……」カチャ
朝倉「この後はどうするの、キョンくん」
キョン「どうするとは?」
朝倉「分かってるくせに。まだ終わったわけじゃないでしょ、この幽霊騒ぎ」
朝倉「このままだとルソーも……」
キョン「そうだな……そうなんだが……うん」
キョン「…………分かった」
朝倉「何が分かったのよ?」
キョン「ああ、ルソーには悪いが騒ぎの鎮静化に少し時間がかかるんだ」
朝倉「そうなの? ちゃちゃっと終わらせられるのかと」
キョン「……あぁ。もちろん、俺だけでどうにかするならなんとでもなるが、今回は同じ動物のよしみで奴に協力してもらう」
朝倉「奴って……?」
キョン「……みんな覚えてるか―――」
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:21:19.86 ID:eXoHmN0K0
シャミセン「なんのようだ人間」
キョン「ウチにもペットがいたことをよ」
シャミセン「我輩はお主らに飼育されているわけではない」キリッ
キョン「ほれ、飯だぞー」
シャミセン「シャアァーッッ! シャァアーッッ!!」ガジガジ!
キョン「たまに野生解放するよな、お前」
シャミセン「ハッ! くっ、本能を利用するなど……卑怯な!」
キョン「所詮は獣なのさ」フッ
シャミセン「ぐぬぬ……人間風情が……!」
キョン「いがみ合いは程々に。さてと、じゃあ本題に入ろうか」
シャミセン「……本題?」
キョン「お前に協力してほしいことがある」
シャミセン「…………話してみるがいい」
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:25:18.75 ID:eXoHmN0K0
シャミセン「……なるほど。それで我輩を使うということか」ペロペロ
キョン「使うだなんて人聞き、いや猫聞きの悪い。協力してもらうだけさ」
シャミセン「では我輩が協力する道理はあるのかね?」
キョン「飼ってやってるじゃん」
シャミセン「飼われてるのではない!!! 断じて!!!」
キョン「でもお前ずっとここにいるじゃん」
シャミセン「何度も!!! 何度もこの家から脱走しようと試みた!! だが!!」
シャミセン「あの娘……お主の妹とやらがどこにいても我輩を連れ戻すのじゃ!!!」
キョン「あー……海千山千のシャミセン様でも敵わないんだなぁ……」
シャミセン「上手くない!!! 上手くないぞ!!!! それに我輩には『タマ』という立派な名が―――」シャー!!
キョン「分かった分かった。ともかく、確かに頼んだぞ。了承してくれるな」
シャミセン「…………」
キョン・シャミセン「「よかろう」」ドンッ!
シャミセン「……愚弄しておるのかね?」
キョン「すまん……こればっかりは体質で……」
シャミセン「だがしかし、こちらとしても条件がある。先ほども申した通り我輩は―――」
キョン「あー、出て行かせたいのは山々なんだが、お前も知っての通りウチの妹がだな……」
シャミセン「それをどうにかするのがお主の役目。少なくともお主が協力的な姿勢を見せるならばそれでいい」
キョン「おっ、寛容だねぇ。さすがは『化け猫』様だ。長い間生きてるだけある。よし、それで契約完了だ」
シャミセン「どの口が言うのかね。少なくとも我輩より―――」
キョン妹「シャミーーーー!!!!! キョンくんとお話し終わったぁあ!!?!?」バンッ!
シャミセン「シャァッァアァアアァアアアァアアアアアアアッッッ!!!!!!」ブルルッ!!
キョン「臨戦態勢……っ! お前らいつもこんな感じなの!!?」
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:27:46.51 ID:eXoHmN0K0
翌日
ハルヒ「ねえ」
キョン「んあ? なんだ?」
ハルヒ「今日阪中さんが来てないの気づいてた?」
キョン「おっ、ついにお前にもクラスメイトを気にかけるということができるようになったのか。いやぁ、感慨深いなぁ」
ハルヒ「そっ、そんなんじゃないから! 昨日は元気そうで、真面目な阪中さんが休むのは何かおかしいって思っただけだから!」
キョン「まぁ昨日の今日で休んでるとなると気にはなる、か」
朝倉「そのことなんだけど」スッ
ハルヒ「朝倉さん! あなた委員長なんだから何か聞いてるんじゃないの!? どうして阪中さん休んでるの!?」
朝倉「ええ。多分予想はついてると思うんだけど……ルソーのことで、ちょっと……みたいよ」
ハルヒ「早退しますっ!!」ガタッ!
朝倉「早い早い!! まだ昼休みにもなってないから!! 心配なのは分かるけども」
ハルヒ「あたしのJ・Jになにかあったってことでしょ!? いてもたってもいられないじゃない!!」
キョン「お前のではないだろ」
朝倉「阪中さんのよね。だからって急に押しかけても迷惑だわ。ちゃんとアポとって放課後にでも伺いましょ」
ハルヒ「メール……っ!」ポチポチポチ!
朝倉「あら涼宮さん。阪中さんの連絡先知ってたの?」
ハルヒ「昨日聞いといたのよ。念のため。また幽霊見かけたら連絡ちょうだいってね!」
朝倉「へー……ちょっと意外」
キョン「じゃ俺もジャンバルジャンにメールを……」
ハルヒ・朝倉「「できないでしょ!!?」」ガーン!
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:29:29.26 ID:eXoHmN0K0
ハルヒ「あ、返信きた。なになに……やっぱり」
ハルヒ「J・Jが体調崩してて心配で心配で学校に来れなかったらしいわ」
朝倉「あの溺愛っぷりじゃそうなるわよね」
ハルヒ「お見舞いの約束を取り付けたから、放課後全員でまた阪中さん家行くわよ!」
ハルヒ「キョン!! それまでにJ・Jの病気を治してあげる方法調べといて!!」
キョン「実はもうある」ドンッ!
ハルヒ「やるじゃない! じゃ今から行ってすぐ治してあげ―――!」
朝倉「まだ授業があるんだってば」
ハルヒ「J・Jが死んじゃうかもしれないのよ!!?!?」
朝倉「そこまで急患なわけじゃないから大丈夫よ」
ハルヒ「でも……うぅー……分かったわよ。放課後までは待つわ」
ハルヒ「キョン、絶対、ぜーったいに完璧にJ・Jを治したげるのよ。いーい?」
キョン「へいへい。分かってるよ。あ、それとハルヒ。ついでに阪中に伝えといてくれないか?」
ハルヒ「何をよ」
キョン「樋口さんだっけか? その人んとこの犬も体調崩してるって言ってたろ? その犬も治してあげるから連れてきといてくれ」
ハルヒ「樋口さん家の犬も……ねぇ、キョン。J・Jもそうだけど、まだ症状も見てないのに安易に治せるとか言って大丈夫なの?」
キョン「安心しろ、俺だぞ?」
ハルヒ「…………」ジィー
ハルヒ「……分かったわよ。メールして樋口さんもよんどいてもらうわ」
キョン「さんきゅ」
朝倉「信頼されてるのね」フフッ
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:32:30.56 ID:eXoHmN0K0
放課後
ハルヒ「……というわけなの。だからみんなでJ・Jのトコにお見舞いと治療をしに行くわよ!」
朝比奈「そんな……昨日はあんなに元気だったのに……」シュン
長門「……」
古泉「幽霊騒動はまだ終了していなかったということですか」
キョン「そんなもんは初めから始まっちゃいねぇよ。オカルト的なもんつったろ」
朝倉「とはいえ……もちろんキョンくんを疑ってるわけじゃないけど、解決法は本当に見つかってるの?」
キョン「任せとけ。今回はコイツを使う」
ハルヒ「コイツ?」
キョン「我が家に巣食う魔獣よ、猛る御身を―――!」グググッ!
シャミセン「ニャー」ヌッ
ハルヒ「猫っ!? てか今どっから出てきた!? あんたと融合してなかった今!!?」ガーン!
古泉「おや、シャミセン氏ではございませんか」
朝比奈「あ……冬合宿の時の……?」
ハルヒ「ああ、猫探しの時の子ね。なんだ、キョンが飼ってたんだ」
シャミセン「飼われてるわけで―――!」
ハルヒ「喋っ―――!」クルッ
長門「腹話術」ニャー
シャミセン「……ニャー」
ハルヒ「……そういえば前も有希の腹話術だったわね。もー、わくわくしちゃったじゃないの」
朝倉「……雑すぎる子供だましじゃない?」
キョン「コイツニャーこれぐらいでいい」
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/09(日) 15:33:01.77 ID:eXoHmN0K0
ここまでーぇ
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/09(日) 15:37:15.89 ID:oEnOLy+Go
おつ
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/09(日) 17:34:39.16 ID:28GOw9j2O
長門の食欲が絶好調な乙乙でございます
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/09(日) 22:49:16.20 ID:fAhr3Y1o0
乙ですー
長門…かわいい…
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/10(月) 18:03:27.61 ID:fGjFHpyGo
乙!
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/10(月) 20:53:41.57 ID:Tvj66rl/O
おつー
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 02:10:10.02 ID:B9sgxIwxO
続きが早くよみたいニャー
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/23(日) 22:01:13.35 ID:NExfVcjvO
ええい
>>1
はまだかね
待ち遠しくて夜も寝れんのじゃ!
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/24(月) 01:03:04.73 ID:/SefEm8QO
まだまだ、これからだ
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/24(月) 20:29:32.59 ID:i4f6ibEn0
そろそろパンツ脱いでおくか
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 11:18:08.49 ID:toBd8Njk0
お待ちです。本日中には投下しますー
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 17:53:01.03 ID:toBd8Njk0
とうかーーー
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:01:02.07 ID:toBd8Njk0
ハルヒ「……っ」セカセカ
朝比奈「はひっ、ひぃ! ふぅ!」テクテク
朝倉「いつにも増してハイペースね涼宮さん。競歩の代表選手になれるわよ」
古泉「それほどに、ルソー氏の身を案じているということでしょう。心お優しいことに」
シャミセン「何を生き急いでいる。人の短き人生に焦りは不要だ」
キョン「『化け猫』が何言ってやがる。それと今は喋るなつったろ」
シャミセン「あの娘の腹話術じゃ」
キョン「そーなの長門!!?!?」ガーン!
長門「そうではない」
朝倉「なんで騙されるのよ……ねぇ、キョンくん『化け猫』ってどういう意味?」
キョン「そりゃ喋る猫がいたら『化け猫』というしかなかろう」
朝倉「それはそうだけど、むしろなんでこの猫がそうなったか聞きたいというか……」
古泉「あなたにシャミセン氏を預けた後、僕の方でも色々調べてはみたのですが……これといって何も」
キョン「あー……じゃあこの件が済んだら少し教えてやるよ。こいつのことをな」
シャミセン「……ふん」
古泉「……ところで、シャミセン氏はどうなさるおつもりで? 今のところ僕には解決法が見えてこないのですが……」
朝倉「そうね。まだ古泉くんはルソーや樋口さんとこの犬がなんで体調崩してるのかの原因を説明してなかったわね」
キョン「それはな、古泉。実は人間にも罹る最悪の病だったんだ」
古泉「さ、最悪の病……そ、それは?」ゴクリ
キョン「…………」
キョン「五月病だ!!!」クワッ!
朝倉・古泉「「絶対違う!!!」」ガーン!
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:06:29.40 ID:toBd8Njk0
古泉「情報生命素子……ですか」
キョン「なぁにそれ?」
朝倉「絶対知ってるでしょあなた……まぁいいわ」
長門「所謂、珪素構造生命体共生型情報生命素子」
キョン「むっ! バスガス爆発バスが酢爆発バシュガシュバシュカシュ」
朝倉「早口言葉対決じゃないから! 最後全部噛んでるじゃない、いや噛んだとしてもそうはならないでしょ」
古泉「……要するに、ルソー氏は姿の見えない地球外生命体に憑依されているわけですね」
長門「そう」
朝倉「さすが古泉くん、理解力が高い」
古泉「その情報生命素子とは姿そのものがなく、単なる情報や概念であると理解していいでしょうか?」
長門「かまわない」
古泉「とすると、かのコンピュータ研の部長氏を乗っ取ったカマドウマのような感染型の情報生命体でしょうか?」
長門「存在レベルが異なる。こちらはあまりに原始的」
シャミセン「……主よ」
キョン「なんだ」
シャミセン「お主もそうであるが……この者たちもただものではないな」
キョン「今更だな。説明してなかったことではあるが」
シャミセン「……ふむ」
古泉「であれば、もし情報統合思念体を人に置き換えたとしたら珪素構造生命体共生型情報生命素子は―――」
古泉「ウイルスだと、比定されるでしょう」
キョン「ほら!! やっぱり! 五月病ウイルスだったんだ!」
朝倉「そんなウイルス存在してないから!!」
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:11:24.06 ID:toBd8Njk0
古泉「情報生命素子なる異性体が増殖。ルソー氏に感染し、発症した……」
古泉「ですが、なぜこの情報生命素子地球にいて、なおかつ犬に寄生したのでしょう?」
朝倉「大方、元々の宿主だった珪素構造体が地球の引力に導かれ落ちてきたってトコね」
長門「元々の宿主は大気圏突入時の摩擦熱で消滅したが、情報そのものである情報生命素子は物質にはとらわれない」
古泉「初めから姿が無いわけですしね。その落ちてきた場所があの散歩コース周辺だった、と」
朝倉「犬に寄生したのは珪素生命体の持つネットワーク構造と犬類の脳内神経回路がたまたま類似していたから」
古泉「しかし、元の宿主と同じようにはいかず、犬たちは衰弱してしまった……」
長門「情報生命素子の目的は思索メモリの増大」
古泉「なるほど。一匹の犬では珪素で構成される生命体のネットワーク構造を再現できないということですか。しかし……」
朝倉「ええ。もちろんそれはあと一匹、二匹増やしたところで変わらない。なんなら地球上の犬全部でも足りないわ」
古泉「ならば……やはりオカルトではないですか。とんでもないことですよ、これは」
朝倉「オカルト? どうして?」
古泉「彼は僕にこの件に関してはオカルト要素は全くない、と断定したのですが……」
古泉「朝倉さん。この情報生命素子こそ、我々人間が幽霊であるものの正体なのではありませんか?」
朝倉「これは……違うんじゃない? だってこれは元々存在しない、見えないものなわけだし」
古泉「であるならば、我々有機生命体。知性や意識のあるものの肉体が滅んだあと」
古泉「この珪素構造生命体共生型情報生命素子に該当するであろう、僕たちの魂の存在」
古泉「あなたたちならば、知りえるのではありませんか? この魂の行方を」
朝倉「えっ!? ええーっと……そうねぇ……うーん」
古泉「肉体が滅んでも精神は存在する……これが事実であるならば今まで築き上げた人類の倫理観や宗教観が一変―――」
キョン「チェスト」ビシッ
古泉「あうっ……」クタァ
朝倉「キョ、キョンくん!? 何やって……」
キョン「いいか、朝倉。答えにくい質問が来た時の対処法はこうやって質問者の意識を奪うか」
長門「禁則事項……と答えるか」
キョン「どっちかにしとけ。真面目に答えてたら人類史にとんでもない影響を与えることになるぞ」
朝倉「あ、あはは……以後そうするわ……」
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:16:34.30 ID:toBd8Njk0
古泉「……っ、あれ?」パチ
キョン「おう、目が覚めたか。なら自分で歩けるな」
古泉「僕は……一体何を……」
キョン「“急に俺に意識を奪われる”から驚いたぞ」
古泉「……………………なるほど。急にあなたに意識を奪われたのですね」
朝倉「(……理解力高ぇ)」
古泉「確か……何か重要なことを聞いていたような……少し記憶が」ズキズキ
朝倉「し、シャミセンでどうやってルソーたちの病気を治すのか聞きたかったんじゃない?」アハハ
古泉「え? ああ、そうでしたか。そんな気がします……」
キョン「くっくっく、それは着いてからのお楽し―――」
ハルヒ「阪中さん! 来たわよー!! J・Jの調子はどう!? 大丈夫!!?」ピンポーン!
キョン「み……」
朝倉「……着いたけど?」
キョン「……まぁ、フィーリングで察してくれ!」ドン!
古泉「……無理ですね。まぁ説明は解決してからでも結構ですよ」
古泉「信頼していますからね。あまたが無事ルソー氏を救い出すことをね」
阪中「あ、みんな……わざわざどうもなの」ガチャ
朝比奈「こ、こんにちは」
ハルヒ「J・Jは!? 大丈夫!?」ガシッ
阪中「わっ! と、とりあえず中へ……あ、ちゃんと樋口さんとマイクも呼んであるから」
朝倉「マイク?」
キョン「ッポゥ!!!」
長門「それはマイケル」
阪中「マイクは樋口さんちの飼い犬なの。ルソーと同じく体調崩してる……さあ、入って」
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:22:09.30 ID:toBd8Njk0
ルソー・マイク「「……」」グデー
ハルヒ「J・J!!!」
朝比奈「あ、あんなに元気だったのに……」グス
朝倉「見るからに二匹とも弱り果ててるわね……可哀想だわ」
阪中「みんなが帰った後、ルソーが晩御飯を食べてないからおかしいと思ったの」
阪中「それで、今日起きたら……ルソーが……」
ハルヒ「J・J…………いや! 大丈夫よ!! J・J! それにマイクも!!」
ハルヒ「ウチの団員のキョンが!! あんたたちを治す方法を知ってるから!! すぐに治したげるからね!」
阪中「涼宮さん……」
ハルヒ「さあキョン!! 取り掛かりなさい!! それと、あたしたちにできることがあるなら言いなさい!」
キョン「ああ、心遣いは受け取っておく。だが、任せておけ。俺と」
シャミセン「我輩にな」ニャー
阪中「しゃ、喋っ、た……!?」
ルソー「今のは腹話術」グデェ
ハルヒ・阪中・朝比奈「「「!!?!?!?!?!?!!?!!?」」」ビックゥ!!!
長門「という腹話術」
ハルヒ「凝り過ぎよ!!!! めちゃくちゃビックリしたじゃない!!!!!!」
阪中「ルソー……あなたやっぱり喋れたのね……」グス
朝比奈「い、今のは長門さんの腹話術で……」アセアセ
キョン「(お前が喋ると場が混乱しちまうから黙ってろって言ってるだろが)」
シャミセン「ニャー」フイ
キョン「……マジモンの三味線にしてやろうかコイツ」ゴゴゴ
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:27:54.30 ID:toBd8Njk0
キョン「ほいほいほいっと」セッセッセ
ハルヒ「……ねぇキョン。これ、何の準備?」
キョン「何って……治療に決まってんだろ」
ハルヒ「あ、そう。あんたがちゃんと分かってるならいいけどこれ……」
朝比奈「ひ、ひえぇ……真っ暗……」
朝倉「完全に黒魔術の準備に見えるんだけど? ルソーとマイク生贄に見えるんだけど」
キョン「…………………………そんなわけないだろー」ハハハ
ハルヒ・朝倉「「その間は何よ!!!!!!」」ビシッ!
古泉「……日光を遮断しているのでしょうか?」
キョン「そうだ。部屋は暗くする方が好ましいからな。この儀式は」
朝倉「儀式って言っちゃってるわよ。治療でしょ治療」
キョン「……っし、準備完了。カモン、ルソー、マイク」パチン
長門「……」スッ
朝比奈「はい」スッ
キョン「よっと」ボッ!
ハルヒ「ん……なんかいい匂いするわね」
朝倉「アロマキャンドルだわ、あのロウソク……あとで貰おうかしら」
キョン「それでは……ただ今よりルソー、マイク両名のオペをとりおこなう」
阪中「お、オペなの!? 手術なの!!? 切るの!? 開くの!!? 大丈夫なのー!!?!?」アワワ!!
朝倉「お、落ち着いて阪中さん! 言葉のあやだから! 大丈夫だから!!」
キョン「執刀医はシャミセン先生だ!」
シャミセン「シャァッァアァアアァアアアァアアアアアアアッッッ!!!!!!」ギラッ!
阪中「執刀医!!?? やっぱり切るの!!? あの鋭いメスで切り開かれちゃうの!!?!?」ガタガタ!
ハルヒ「お、落ち着きなさい阪中さん! あれメスじゃないくてツメだから! 執刀医も雰囲気に合わせただけだから!!
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:32:29.58 ID:toBd8Njk0
キョン「では……」
阪中「ううぅ……ルソーぉ……」
シャミセン「…………」ジィ
ルソー「……」
マイク「……」
長門「……三者面談」ボソッ
朝倉「ふぐぅ……! な、長門さん……笑わせないで……っ!」
長門「そんなつもりはない。どこが面白かった?」
朝倉「る、ルソーとマイク……に、似てない親子だなぁって……!」プルプル
ハルヒ「朝倉さん……ツボおかしいわよあなた……」
シャミセン「……汗」
キョン「あん?」ピクッ
ハルヒ「汗!? どういう……あ、オペ中だから汗拭けってことね有希!」
長門「……そう」
朝倉「猫は汗かかないでしょうに……」
キョン「(皮はがれたいのかお前、おい)」
シャミセン「……メス」
阪中「!!!! やめてえぇっぇえええ!!! せめて麻酔を打ってあげてぇええええ!!!!」
朝倉「なり切り!!! なり切ってるだけだからぁ!!!! な、長門さんそうよねえぇぇええ!!?」
長門「…………そう?」
キョン「(なるほど、そのメスで皮を剥げと……よかろう)」ゴゴゴ
シャミセン「(ふん。協力してやってるのだからこれぐらいよいだろう)」
シャミセン「(ただでさえ、普段はストレスが溜まることが多いというのに……たまの悪ふざけくらい……)」
シャミセン「……」シュン
朝比奈「ね、猫さんもなんかシュンとして……」
ハルヒ「び、病気がうつっちゃったのかも!!! く、空気感染!!? 換気してー!!!」
古泉「……騒がしい手術室ですね」クスッ
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:36:11.55 ID:toBd8Njk0
シャミセン「……ニャー」フイッ
ルソー「……」ピクッ
マイク「……」ググッ
キョン「む……これは……」
阪中「ど、どうなったの!? ル、ルソーとマイクは―――!」
ルソー・マイク「「わんっ!!」」ピョン!
阪中「!!! ルソー!!!」ダキッ!
樋口「マイク!」ギュッ
朝比奈「ううぅ……よかったですぅ!!」グスッ!
ハルヒ「よくやったわルソーにマイク! ちゃんと病に打ち勝って偉いわよ! それにシャミセンもありがとね!」
ハルヒ「……キョン!! 褒めて遣わすわ!!」
キョン「そりゃどうも。シャミセン大先生の活躍ってことだな」
シャミセン「(これは貸しだ。お主の妹から逃れるための手助けをすることを忘れぬようにな)」
キョン「(善処してやるよ。先に言っておくが無理だとしても文句はなしだぞ)」
シャミセン「分かっておる」
キョン「だから喋るなって……ったく、まぁルソーとマイクに夢中で聞いてないからいいか」
ルソー「わんっ! わんっ!」ピョンピョン!
阪中「よかったぁ……ほんとうに……」
マイク「わんわん!」
長門「…………」ナデ
朝倉「これで、一件落着ってトコかしら?」
キョン「まぁな」
古泉「であるならば……次は解決法の説明と、シャミセン氏の説明。その二つを行っていただきましょうかね」
キョン「……やれやれだ」フッ
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 18:38:11.72 ID:toBd8Njk0
ここまでー
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 19:02:27.21 ID:tHDX66SD0
乙乙ー
今回も楽しませてもらったぜ
最近ハルヒ成分をこれで補ってるなぁ…
シャミセンの謎がそろそろ解明されるかな…
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 19:08:27.99 ID:0EZQt1TOo
あまた…
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 22:29:27.12 ID:SkKQdhAJo
乙ー
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/28(金) 07:01:15.67 ID:Pqt4K8cFO
まーたいいタイミングで切るんだからーもう
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/28(金) 13:07:42.86 ID:J9AOsrQGo
乙です
理解力高けぇw
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/29(土) 15:29:46.77 ID:JhO/PFy20
本日中にとーか
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/29(土) 17:24:35.40 ID:3QyOsXLYO
舞ってる
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/29(土) 18:44:49.90 ID:R0XnJ/9fo
よっしゃー
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/29(土) 20:18:39.57 ID:JhO/PFy20
とうかー
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/29(土) 20:22:26.92 ID:JhO/PFy20
ハルヒ・阪中「「アニマルセラピー?」」
キョン「聞いたことはあるだろう? 動物を使った治療法のことだ」
古泉「今回行ったのは、動物が動物に治療を行う最先端の治療法だったようですね」
朝比奈「はぇー……」
キョン「犬の嗅覚が鋭いことは知ってるだろ? だからアロマを使用してよりリラックスできる―――」
ハルヒ「まっ! ルソーとマイクが元気になれば例え黒魔術だったとしても問題ないわ!」バッサリ!
朝倉「それはなにか代償がありそうで怖いわよ」
阪中「ルソーとマイクの快気祝いにお母さ―――」
長門「シュークリームを焼いているので食べた方が良い。リョウカイシタ」
朝倉「1人で何言ってんの長門さん!!? 悪い魔法使いユキが出てきてるわよ!!?」
朝比奈「あ、いい匂い……」
ハルヒ「安心したら甘いもの食べたくなっちゃったわ!! せっかく焼いてくれたことだし、じゃんじゃん食べましょ!!」
朝倉「ちょ、ちょっとは遠慮するのよ……ってもう」
古泉「細かいことは気にしない。実に涼宮さんらしいですね。理由付けに困らなくて済みそうです」
キョン「じゃ俺もシュークリームでもいただくとす―――」ガシッ
朝倉・古泉「「待って(ください)」」
朝倉「あたしたちへの説明は」
古泉「きちんとおこなっていただきますよ」
キョン「はぁ……猫又野郎、こっちゃ来い」
シャミセン「……ニャー」
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/29(土) 20:26:58.53 ID:JhO/PFy20
ハルヒ「いやーアニマルセラピーとかホントに効果あるのね!! あたし迷信だと思ってたわ!」
阪中「こんなに即効性のあるものとは思わなかったの。SOS団って……すごいかも!」
長門「おかわり」
朝比奈「しゅ、シュークリームが速攻で……」
ルソー「わんっ!」
ハルヒ「ふふん! まっ! 元気になってよかったわ! 犬は元気でいることが仕事だしね!」
ルソー「ご迷惑をお掛けしたね。おかげ様でこの通り、万全だよ」
ハルヒ・朝比奈・阪中「「「!!!」」」バッ!
長門「……わん」
キョン「……長門が気を引いてくれてるみたいだし、今なら喋ってもいいぞ」
シャミセン「……ふむ」
キョン「というわけでコイツになにか聞きたいなら直接聞けばいい」ヘラッ
シャミセン「我輩がなんの利にもならぬことを話すと?」ツーン
古泉「というわけで、シャミセン氏のことはあなたに聞くべきでしょうね」
キョン「喋っていい時には喋らねえのかよ……ホント猫ってやつは……」
朝倉「じゃあ、まずは情報生命素子をどう処理したか古泉くんに話しましょうか」
シャミセン「よかろう」ドンッ!
キョン「お前が話すんかい!!! ってか話すのかよ!!」ビシッ!!
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/29(土) 20:31:13.84 ID:JhO/PFy20
古泉「おこなったのは情報生命素子の凍結だけ……ですか」
朝倉「ええ、一番簡単な方法だけど、凍結するだけなら後々問題になるのよ」
キョン「ルソーとマイクがその生命活動を停止した際、なにかの拍子に凍結した情報生命素子が動き出すかもしれん」
シャミセン「その際に、素早く対処できると考えたため、情報生命素子とやらの依代になるよう我輩に頼み込んできたのだ」
古泉「仮に情報生命素子が活動を再開したとしても、猫であるシャミセン氏がルソー氏のように罹患したようになることはない、と」
朝倉「犬と猫の脳内神経回路はまた違うからね。そのままルソーやマイクに置いておくよりか遥かに安全という訳よ」
古泉「理にかなっていますね。ただそれも、シャミセン氏が彼に『化け猫』だと呼ばれる理由に関係がありそうですね」
シャミセン「『化け猫』か……まったく、どの口が言うことか」
朝倉「まぁ確かに、宇宙人に超能力者に…………キョンくんだしね」
シャミセン「……カテゴリそのものなのか、お主は」
キョン「まぁな」
古泉「では、我々機関の暗躍ですら辿り着けなかったシャミセン氏の秘密について、お話願えますか?」
シャミセン「……あれは、我輩がまだ子猫の頃だった……もしくはそうでない頃」
朝倉「(結局自分で話すのね!!?!? それで情報大分あやふやだし!!!)」ガーン!
シャミセン「野良猫として生きていた我輩だが、何日も食料にありつけず限界が近づいていた」
シャミセン「当てもなくフラフラと彷徨っている時、ふと一軒の家屋があった」
シャミセン「普段なら人と関わりたくもないが、生死がかかっていたその時ばかりは、藁をもすがる気持ちで家屋に立ち入った」
キョン「…………」
シャミセン「その時……その時だ。縁側に佇む一人のおなごがいた」
古泉「…………それは」
朝倉「……それって」
シャミセン「いかにも……君たちが『佐々木』と呼んでいる、お主のような力を持った人間に出会ったのだ」
キョン「…………」
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/29(土) 20:36:36.88 ID:JhO/PFy20
シャミセン「そして我輩は施しによって窮地を脱した、という訳だ」
キョン「つまり、こいつは俺より前に『佐々木』に会ったことがあるらしい」
朝倉「お、俺より前って……それ何時代になるの……?」
キョン「平安以前だな。下手したら文明以前とか……その頃に猫っていたんだっけ? まぁともかくだ」
キョン「こいつはそれぐらい前からずーーーっと生きてる『化け猫』なんだと」
シャミセン「いかにも」
古泉「じ、実在していたのですね。所謂、妖怪の類……ですよね」
シャミセン「君たちが言うのもおかしかろう。君たちとて一般にその存在は認知されていない」
朝倉「確かにね。そりゃ宇宙人、未来人、超能力者がいて化け猫がいないってのも納得できないし」
古泉「……………………」
朝倉「あ、じゃあキョンくんよりも前に『佐々木』さんに会ったことがあるってことは……」
朝比奈「キョンくんより『佐々木』さんのことを知ってるってことですか!!?」シュバババ!
朝倉「あ、朝比奈先輩!!? しゅ、シュークリーム食べてたんじゃ……」ビクッ!
朝比奈「ラヴの香りがしたので!」
朝倉「えぇ……猫なのに……」
シャミセン「我輩が『彼女』といたのはそれほど長い時ではない。よってそこまで『彼女』のことを知るわけではない」
朝比奈「あ……そうなんですね」
シャミセン「遥か昔の記憶故、鮮明に覚えているわけでもない。だが……」
シャミセン「初めて出会った時に感じた、その宇宙のような存在感は今でも忘れはしない」
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/29(土) 20:40:31.72 ID:JhO/PFy20
朝比奈「な、なんで『佐々木』さんの元を離れてしまったんですか?」
シャミセン「我輩は根無し草。例え尊大であると感じた相手でさえ固執することはない」
朝倉「野良気質が染みついてるのね。その割には随分長い事キョンくんのトコにいるけど」
シャミセン「監禁されておるだけだ!!!!」シャー!
キョン「はいはい、だから妹に相談してやるから。それで、お前らも」
キョン「これ以上シャミセンについて知りたいことはないだろ?『化け猫』は確かに珍しいがそれ以上でもそれ以下でもない」
古泉「………………」
朝倉「うーん、そうねぇ……」
シャミセン「終わったのか? ならばこのまま我輩をどこへなりとも離し―――!」ゾクッ!
キョン妹「――アハハ」シュン!
キョン「……離す前に話し合いが必要だろ? やれやれ」
古泉「……」
古泉「(『化け猫』……僕たちが存在するならば、その存在はあってもおかしくはない)」
古泉「(ですが、僕たちは涼宮さんによって望まれ、その姿を現した存在)」
古泉「(……既存の常識外の存在である宇宙人や超能力者、未来人。そして『化け猫』であるシャミセン氏)」
古泉「(自然発生する可能性がない、とは言い切れませんが……それが限りなく低い確率である場合)」
古泉「(シャミセン氏が『化け猫』になった原因は……)」チラッ
キョン「おいハルヒ! 俺の分のシュークリームはあるんだろうな!」
ハルヒ「むっ! きたわねキョン!! あんたに食わせるシュークリームはないわよ!」モグモグ!
古泉「(……僕程度に推測が可能なことに、あなたが気づいていないはずはありませんね)」
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