ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!」 キョン「憤慨してみたり」

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20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/24(土) 19:24:23.97 ID:3G1DWj81O
良かろう
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/24(土) 19:26:36.03 ID:GGSF1zcIo
乙です
ゆっくり自分のペースで最後まで頑張って下さい
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/24(土) 20:37:25.54 ID:QDaWFyCT0
よかろう
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 02:33:32.87 ID:QeE3ceFs0
ハルヒ「キョンのトリックのタネを1つだけでいいから教えなさい!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 14:03:22.81 ID:QGOK7hZB0
17時までに投下します
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 15:02:39.87 ID:xOwxMsXq0
よかろうなのだァァァァッ!!
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 15:55:29.17 ID:cpssqXnDo
連日の更新とは最高だ!
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 16:27:05.94 ID:QGOK7hZB0
投下しますー
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 16:30:51.75 ID:seS0ERbvO
よかろう
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 16:33:29.53 ID:QGOK7hZB0

ハルヒ「くぉらぁ! このアホ会長! よくもあたしの忠実なしもべをこんなところに閉じこめてくれたわねっ!」

会長「言い方に語弊があるな。私は生徒会権限で彼らを呼び出しただけだ」

ハルヒ「回りくどいのよ! SOS団に用があるんならまずは団長であるあたしを通しなさい!」

会長「SOS団なる団体はこの学校には存在しない」

ハルヒ「するわよ!! あたしがその団長なんだから!!」

会長「そんな団体は認可していない」

ハルヒ「それじゃあ……もしかして……存在が疑われているあたしたちってまさか……」ゴクッ

ハルヒ「あたしたちがUMAだった!!?!?!?」ガーン!

キョン「なっ、なんだってー!!?」

会長「…………古泉くん、なんだこれは」

古泉「ええ、まぁ。こちら側の軽いノリみたいなものですよ」

会長「……ともかく私が用があるのは文芸部部長の長門くんであり、SOS団なる団長の君ではない」

ハルヒ「ハンっ! 関係ないとか言って、どうせ有希を呼び出したのもSOS団を潰すためなんでしょ?」

ハルヒ「文芸部が活動してないから部室を引き渡せだとか言ってあたしたちを追い出そうだとかそうはいかないわよっ! キョン!」

ハルヒ「今すぐこのアホ会長を地獄の業火で焼いてあげなさいっ!!」

キョン「おうよっ!」

古泉「ま、待ってください。こ、ここは穏便に。まだ話し合いの余地はありそうですし」

ハルヒ「何よ、まだ言いたいことあんの? 辞世の句でも読む?」

会長「…………言いたいことは山ほどある、が」

会長「君たちに暴れられ迷惑を被るのは御免だ。よって、文芸部には救済措置をとることにする」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 16:38:13.23 ID:QGOK7hZB0

ハルヒ「救済措置? どういうことよ」

会長「私が問題視しているのは部である文芸部の活動がされていないことだ」

ハルヒ「有希が本読んでるわよ」

キョン「文で芸しなきゃダメなんだと」

会長「文芸部が文芸部としてまともに活動しているならばそもそも呼び出しなどはする必要はない」

会長「条件を出す。文芸部として、何でもいい。何か活動をしたまえ」

ハルヒ「文芸部らしい活動ってわけね。有希、それってどういうことすればいいの?」

長門「知らない」

古泉「一応文芸部部長として知っておいて欲しかったですね。文芸部と言うと機関誌や会誌の発行などでしょうか」

会長「そうだ。歴代の文芸部は部員不足に悩まされようと毎年一冊は機関誌を発行していたと記録に残っている」

キョン「なるほど。つまりその記録を方を改竄しちまえば楽に済……」

喜緑「……」ニコニコ

キョン「望むところだっ!!! ダーウィン賞待ったなしの作品を手掛けてやるぜっ!!」

古泉「それは違う賞です」

会長「これは最低限の譲歩だ。これを拒むと言うなら即刻、君たちには部室からの立ち退きを命じる」

ハルヒ「いいわっ! あんたの条件にのったげる!! ホントはアリアリの総合格闘技ルールで決着をつけたかったけど」

会長「君がどんな格闘技の趣味を持っているかは知らないが、野蛮は悪だ。美しくない」

会長「期限は一週間、それまでに機関誌200部を用意したまえ。印刷室は自由に使ってもらって構わん」

キョン「ハルヒ。こうしよう、ありあまる部費使って適当な物書き雇ってなんか適当なもん書かせれば……」

古泉「全部適当じゃないですか」

会長「不正はなしだ。発覚した場合、即休部になると肝に銘じておきたまえ」

キョン「バーロー。俺がそんなバレるようなミスをするわけ……」

喜緑「……」ニコニコ

キョン「さー! やるぞー! 機関誌つくるぞー!! 絶対自分でつくるぞー!!!」

古泉「どれだけ彼女に苦手意識を持ってるんですか」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 16:45:41.61 ID:QGOK7hZB0

会長「そして第二の条件だ」

ハルヒ「まだあんの? 条件で縛るのが好きなようね」

キョン「エロ同人みたいに」ボソッ

ハルヒ「…………」

古泉「……」

キョン「……ごめん」

会長「できあがった200部の会誌を渡り廊下にテーブルを設置し、その上に置き、3日の内に全て捌けさせたまえ」

会長「客寄せや手渡しは禁止だ。それが達成できなければ新たにペナルティを科す」

キョン「ペナルティ? そんな薄い本みたいな」ボソッ

古泉「……」

キョン「……すまん」

ハルヒ「どんなペナルティ!? 中世ヨーロッパの拷問までなら甘んじて受け入れるわよ!」

キョン「まじかよ、すげぇなお前」

ハルヒ「キョンが!」

キョン「こいつぅ〜!」キャッキャ!

古泉「何を喜んでいるんですか……」

会長「ペナルティは追って通達する。まぁ、その機会はない方が互いに好ましいが」

ハルヒ「まっ、200部の機関誌を作って全部撒ければいいんでしょ? 余裕じゃない! SOS団の力みせたげるわ!」

ハルヒ「機関誌でも会誌でも同人誌でも! 作んなきゃダメなら作ってやるわよ! 部室がなくなるのは困るしね!」

ハルヒ「さっ! そうと決まれば早速打ち合わせに入るわよ! 有希っ! 機関誌の作り方を調べに行きましょ! あとペンネームも決めなきゃ!」バビューン!

キョン「そうだな、俺のペンネームは……アナグラムで『ンョキ』でいいか」

古泉「どう読むんですかそれ。ともあれ、涼宮さんには用件は伝わったようですし……会長」

会長「……喜緑くん。君も退室してくれて構わない」

喜緑「はい、会長」バタン

キョン「…………ふーっ! 緊張で口から子供産まれそうだったぜ。こえー喜緑さん」

古泉「僕としましてはそちらの光景の方が恐怖そのものに思えますね」

会長「…………フー」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 16:50:44.16 ID:QGOK7hZB0

会長「これでいいんだな? 古泉」ドカッ!

古泉「ええ、中々の役者っぷりでしたよ」

キョン「おんやまあ、こりゃビックリ。さっきとはうって変わって乱暴な言葉づかいであらせられますこと」

会長「白々しい。古泉の話によればお前は全部お見通しってわけなんだろ? そうは見えねえほどマヌケみたいだが?」

キョン「ククク、能ある鷹は爪を隠す。無駄に力をひけらかしたりしないのさ」フワフワ

会長「ッ………………??」

古泉「言ってる傍からひけらかしてるじゃありませんか」

キョン「ぬわーっ!!? こここれは違うんだ!! そ、その上からワイヤーでつっててだな? な?」

古泉「誤魔化す必要はありませんよ。ご存知の通り、彼も僕の息がかかった方ですから」

会長「……驚愕だな。本当にただ者じゃないとは……ふん」スッ

キョン「お? タバコを吸うのか? マセた野郎だな」

会長「俺はお前より年上だっつーの」カチッ

キョン「ほう、面白いことを言う奴だ」

会長「あぁ? チッ、とにかくだ、古泉。俺はお前の言う通りの会長を演じてやった。これで文句はないだろう」フー

キョン「よかろう」ドンッ!

会長「貴様……ッ! そういえばちょくちょく煽ってきてやがったな……!」ガタッ

キョン「お、なんだなんだ? 野蛮は悪じゃなかったのか? やるってか?」クイクイ

会長「俺は生徒会長として、言葉遣いや目上の人間に対する礼儀がなっていない生徒を……正すだけだ!!」ゴオォッ!

キョン「いいだろう。ならば俺はお前に法治国家という概念を教えてやる」パシッッ!

会長「なっ!!? くっ、は、離せ、離……お、おい、何を……待て! 待てッ!!」フワッ

キョン「未成年者の喫煙はぁ〜〜〜〜〜〜!」グググッッ

古泉「ちょっ、やりすぎては――――――!」

キョン「法律で禁止されていますぅうぅううぅぅぅぅうううううう!!!!!!!」ドゴンッッ!! 

会長「がっっ!!?!?!?!?」ズドムッッ!

古泉「ツームストン・パイルドライバー……し、死んでませんよね会長?」

キョン「ふんッ! 前哨戦は終わりだ! 戻るぞ古泉! いよいよSOS団対生徒会の戦いの幕があけるぜっ!」

古泉「あの、会長の人生の幕が閉じようとしているんですが…………埋まってる」

会長「」ガクガク
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 16:55:52.87 ID:QGOK7hZB0

キョン「戻ったぞー」ガチャ

ハルヒ「遅いわよ! キョン! 古泉くん! 戦いはもう始まっているのよ!!!」

古泉「つい先ほど終わったようにも見えましたが……」

ハルヒ「とりあえず、さっそく機関誌づくりに着手したいから、まずは各々テーマを決めましょ」

ハルヒ「クジで! キョン! あんた、変なトリック使ったら許さないかんね!」

キョン「またトラウマになっちまうもんな」

ハルヒ「うっさい! それじゃキョン、引きなさい」

キョン「へーへー…………ん? 待て、ハルヒ。一旦クジの内容だけ確認させてくれないか?」

ハルヒ「ダメよ! 各自なにがあたるかは当たってからのお楽しみなんだから! 早く! 引きなさい!」

キョン「じゃあ一つだけ聞いていいか? そのクジの中に恋愛小説は入ってるのか?」

ハルヒ「……よく分かったわね。入ってるけど、他にも色々なジャンルが入ってるわよ?」

キョン「そうか。古泉、ちょっと」クイクイ

古泉「はぁ、なんでしょう?」

ハルヒ「何よ? キョンが引かないなら先みくるちゃんと有希に引いてもらうからね! はい、みくるちゃん!」

朝比奈「はぁい。どれにしようかなー」

キョン「陰謀論だ。確率性の操作だ。涼宮ハルヒの力だ」ボソッ

古泉「急にどうしたのです? 何か問題でも発生したのですか?」ボソッ

キョン「あのクジはな、俺にとっては既に結果が確定してる。引く意味がない、というか引きたくない」

古泉「……なるほど、把握しました。それで涼宮さんの力、というわけですか」

古泉「どうやら、此度のあなたの試練は恋愛小説を書きあげることになりそうですね」

キョン「なーんでこーなる……せっかく時代考証に使える資料でもまとめてやろうと思ったのによ」

古泉「それは個人的にものすごく興味ありますね。どうです? 報酬は弾みますのでそちらの方も手掛けてみては?」

キョン「そんな暇あるかよ。かつてない難題が今降りかかろうとしてるってのに」ハァ
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 16:58:31.80 ID:QGOK7hZB0

ハルヒ「みくるちゃんは童話、有希は幻想ホラーに決まりね!」

朝比奈「童話……童話?」

長門「…………」

ハルヒ「はい、古泉くん! 引いて!」

古泉「はい。僕は……ふむ、ミステリーですか」

ハルヒ「いいじゃない! 古泉くんにピッタリだわ! はい最後はキョン! 引きなさい!」

キョン「……いいだろう、俺は運命の輪から外れてみせるぞッッ!」

古泉「なっ!?」

ハルヒ「? 何言ってんの? 早く引きなさいよ」

キョン「ふっ! ぬぅうぅうぅぅぅううぅうぅううぅうぅうう!!!」ゴゴゴゴゴ!

キョン「4コマこい4コマこい4コマこい4コマこい4コマこい」ブツブツ

ハルヒ「そんなもんあるか。でも外注するのはありね……」

キョン「…………これだッッ!!!」バッ!

ハルヒ「どれどれー……!!」

キョン「…………メビウスの輪……だったか」ガクッ

ハルヒ「はいキョンは恋愛小説に決定ー!! 見ものだわ! あんたの恋愛小説なんて!」ケラケラ

朝比奈「!」キュピーン!

長門「朝比奈みくる。カットイン演出はいらない」

朝比奈「ふえっ!? あっ、す、すいません。えへへ……」

古泉「期待していますよ」

キョン「……じゃあちょっと妹とデートしてくるからそれ書くわ」

ハルヒ「犯罪者ッ!!」ビシッ!

キョン「なんでだよ!!」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 17:02:18.18 ID:QGOK7hZB0

ハルヒ「みんな書くものは決まったわね! あ、それと文芸部の活動だから団長じゃおかしいわね。それじゃ……」カキカキ

ハルヒ「今日から一週間、あたしは『編集長』になるわ! うん! いいわね! 編集長!!」バンッ!

キョン「なるのは勝手にすりゃいいが、お前は何も書かないのかよ?」

ハルヒ「そりゃ何かは書くわよ。あたしはそれ以外にも大切な仕事が色々あんの!」

ハルヒ「あんたたちはあたしが面白いと思うものを必死で書き上げなさい! それと! 締め切りにはちゃんと間に合わせるようにしなさい!」

キョン「すまん。一旦休載しようと思うんだが……」

ハルヒ「期限は一週間!! 休んでる間に過ぎちゃうでしょーが!! ほら、さっさとやる!」

キョン「へーへー……やれやれ」

ハルヒ「とはいえさすがにSOS団だけじゃページが足りないわね……とりあえずあたしは人手を集めてくるからっ!」

ハルヒ「えーっと朝倉さんに鶴ちゃんでしょ? コンピ研、あとは……国木田くんと谷……田ね!」

ハルヒ「挿絵に表紙に写真も入れようかしら!! 忙しくなってきたぁあーー!!!!」ダダダッ!

キョン「行っちまった……人の気も知らずに楽しそうだなあいつ」

古泉「でしたら、一芝居打った意味がありますね」

キョン「どうだか」

長門「…………」

キョン「長門、お前のその幻想ホラーってのはどういうジャンルか分かってるのか?」

長門「……おおよそ」

キョン「と言うと?」

長門「情報を活字や言葉として表わすことにわたしは慣れていない」

キョン「ふむ、表現の問題か。長門らしいっちゃ長門らしいな」

朝比奈「あの、古泉くん」

古泉「おや朝比奈さん、どうかしましたか?」

朝比奈「童話って…………R指定が入ってる、んですよね?」

古泉「え」

キョン「……難航しそうだぞ、編集長様よ」







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――――――


36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/25(日) 17:02:50.53 ID:QGOK7hZB0
こっこまでーー
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 17:07:24.04 ID:2PM7cSIdO
よかろう

R指定のある童話とかどんなんですか…見てみたいぞ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 17:19:55.72 ID:xOwxMsXq0
ダーウィン賞wwwwwwwwwwwwwwww
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 17:24:35.25 ID:sO6fXA04o
死のうと言うのか?
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 18:24:19.30 ID:lIdlxpxZo
童話を原典そのまま出すとほぼR指定になる不思議。割と冗談抜きで。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 18:49:05.87 ID:IhmQpY2MO
赤ずきんとかも腹かっさばいたり平気でしてるし
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 19:15:28.32 ID:2BUzq7K5o
乙です
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 23:05:47.11 ID:Nb24fCb4o
シンデレラとかとりあえず殺人おかしちゃうしな
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 00:54:43.52 ID:I+qQXgqQO
ヘンゼルとグレーテル確かグロかったよな?
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 05:43:47.75 ID:TYupKRpW0
えろめるへん(ボソッ
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 13:45:50.93 ID:t1+Uih140
本日も17時までには投下しますー
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 13:50:08.03 ID:/3W8k8jwo
なんて素晴らしい‼
待ってる
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 16:34:42.12 ID:t1+Uih140
投下―します
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 16:39:18.77 ID:t1+Uih140









その時、そう、その時だったのだ。俺が恋に落ちたと確信したのは――――――







――――――こいつ、なんてスリの技術もってやがる、ってな









ハルヒ「…………」

キョン「3日かけた。どうだ? 中々うまく書け―――」

ハルヒ「3日かけてなんちゅう駄作を書いてんのよあんたぁあぁああぁああ!!!」ビリビリッ!

キョン「ああっ!! 俺の22分が!!」アァ!

ハルヒ「しかも嘘なのねっ!!? どうしたらこんな共感性が得られない、モラルが欠如したものが書けるのよ! 文学的要素がなにもないじゃない!」

キョン「俺に官能小説を書けと言うのか!!?」

ハルヒ「一言も言ってないでしょうがぁああぁああ!!!」ドゴッ!!

キョン「ぴにゃぁああ!!!」グッシャァア!

ハルヒ「まったく……ほら! 他のみんなも書けたらじゃんじゃんあたしのところ持ってくるのよ!」

ハルヒ「もう3日経っちゃってるのにまだ誰も完成してないのよ! 急ぎ足で頼むわよっ!」

キョン「そういうことならまかせろ! おぉおおぉおおお!! はい! できたぞっ!」カキカキッ!

ハルヒ「なになに……『埃フェチ、危険な密室での恋』……フン!」ビリビリッ!

キョン「ああっ! 傑作が!」

ハルヒ「題名からしてアウトなのよ!! 埃フェチと密室というワードの組み合わせは命の危険性しか感じられないし!!!」

キョン「そそるだろ?」フフン

ハルヒ「どこがよっ!」

長門「書けた」スッ

ハルヒ「ん、有希は初めて提出ね。おっけー! 見せてもらうわ。有希の幻想ホラー」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 16:45:40.27 ID:t1+Uih140









今日も数多の音が鳴り響く。音の発信源は不確かで耳を塞いでも体中に響き渡る


不快だった。鳴りやまぬ騒音はいつから続いているのだろう


数えるのをやめてからどれほどの時間がたったのか


耳障りな音の中で誰に言うでなく私は呟く


響く喧騒に対しての不満を一言で


「こらー」と









ハルヒ「…………?」

朝比奈「……???」

古泉「……これ、が幻想ホラー……ですか?」

長門「…………」

ハルヒ「……え、っと有希……? これは……」

長門「……」チラッ

キョン「おいおいおーい!! 長門長門! これは、幻想ホラーじゃなくて!!」

キョン「『喧騒コラー』やないかーーい!!」オォーイ!!

ハルヒ・古泉「「…………」」

朝比奈「あっ! なるほど……」

キョン「しっかりしろよー!」

長門「迂闊」

ハルヒ「…………なんだそれっ!!?!!?!?」ガーン!

ハルヒ「あんたら二人して3日間マジで何してたの!!?!?」

ハルヒ「有希! 無理矢理にもほどがあるわよっ!!? めちゃくちゃすぎるわっ!!! 喧騒コラーって何!!?」

長門「すまない」

ハルヒ「……でも有希が書いたってなると意外性があっていいかもしれないわね……」

ハルヒ「よし! これはこれでおまけページにでも使うとするわ!! 有希は引き続き幻想ホラーを書いてちょうだい」

長門「了解した」

古泉「長門さんのギャグセンスって……」

キョン「人間にはまだ早すぎるのさ」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 16:50:43.62 ID:t1+Uih140

ハルヒ「もう! SOS団の正団員がこの体たらくじゃ準団員に示しがつかないじゃないの!」

キョン「ん? てことはもう誰か完成した奴がいるのか?」

ハルヒ「いるいる! いまくるわよ! 朝倉さんも鶴ちゃんもコンピ研も国木田くんも全員昨日、今日で仕上げてきわよ?」

朝比奈「た、たった2、3日で……? 凄いです……うぅ」

古泉「谷口さんは……」

ハルヒ「今日は不燃ごみの日だったから」ニコッ

古泉「えっ?」

キョン「参考程度にどんなもん書いてきたのか見せてくれよ」

ハルヒ「いいわよ。これが朝倉さんの『一週間献立レシピ』、こっちが鶴ちゃんの『口伝・鶴屋流古武術の極意!』」

朝比奈「ご、極意を書いちゃっていいんですか……?」ペラッ

キョン「コンピ研が『異世界開拓〜俺が魔王になって文明形成!?〜』、国木田は『雑学、豆知識、データベース』か」

ハルヒ「コンピ研のそれ少し読んだけどクソつまらない矛盾した設定だけがてんこ盛りの寒いラノベだったわ」

キョン「『くッ! マナが尽きかけているッ! 今すぐアートイダーをクローチしてマナをヴェイドするんだ!!』……」ペラッ

キョン「は?」

古泉「朝倉さんと国木田さんはさすがは優等生ですね。日常で使えそうな題材をうまく活かしてますよ」ペラペラ

ハルヒ「コンピ研はともかく! ちゃんとみんな仕上げてきてるんだからSOS団が不甲斐ないとこ見せちゃダメよ!」

朝比奈「が、がんばらないと……」

古泉「僕ももう一度誤字脱字のチェックをしましょうかね」

長門「…………」カタ

ハルヒ「そうそう! その意気よみんな! キョン! あんたもみんなに習って早く―――」

キョン「うっそだろおい! たった二人でデビルラインを突破してきたぞ!? これ魔王軍かなりやべぇんじゃ……」ゴクリ

ハルヒ「コンピ研のラノベにハマってんじゃないわよっ!!」バシッ!

キョン「ヴェイドッッッ!!?!?」バキィイ!!
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 16:55:03.27 ID:t1+Uih140

ハルヒ「じゃ! あたしは外注の挿絵とか表紙の進捗具合を見てくるから! ちゃんと進めておくのよ! いいわね!?」バタン!

キョン「古泉! 古泉! 見てみろ! まさかの魔王軍本部の地下にかつての勇者だった者の―――」

古泉「編集長に怒られますよ。そんなに面白いんですか? コンピ研の作品は」

キョン「暇つぶしにはなるぞ!」

古泉「暇ではないんですが……」

キョン「なんだよ。とはいってもだな……俺が何書いてもおそらくあいつは却下する未来しか見えないんだが」

古泉「リアリティに欠けているのでは?」

キョン「なんでリアリティなんぞを出す必要がある。創作物だぞ」

古泉「涼宮さんがそう願ったからですよ。あなたの実体験から紡ぎださせるほぼノンフィクションの物語であれば涼宮さんも納得するでしょう」

キョン「だから実体験書いたじゃねえか。スリのやつも埃フェチのやつもそうだぞ」

古泉「えっ」

キョン「他、他……他かぁ……うーん」

朝比奈「あ、あの! キョンくん! もしどんなテーマにするかお困りだったらわたしにいい案が!」

キョン「なんですと!!? 朝比奈さんと恋愛体験をしてそれをそのまま書けばいいと!!!? いいですね!!!」ガタッ!

朝比奈「ひゃっ! えっ、う、ち、違います!! 『佐々木』さんですよ! 『佐々木』さん!」

朝比奈「ぶっちゃけあたしも長門さんも古泉くんも、『佐々木』さんを知らない涼宮さんだってそれを期待しているはずです!」

長門「……一理ある」

古泉「白状してしまえば朝比奈さんの言う通りですね。興味があるんですよ、あなたの過去に」

朝比奈「わ、わたしは単純にキョンくんと『佐々木』さんのことが……うふふ」ボー

キョン「……朝比奈さん。長門も古泉も、まだ勘違いをしているようだから再三言っておくが」

キョン「俺と、『佐々木』は、そんな、関係では、あーりーまーせーん。以上」

朝比奈・古泉「「またまたぁー」」

キョン「朝比奈さんは許す!! だが古泉! 貴様ダメだ!!! 桜が咲く時期まで埋めてやるッ!!」ゴオッ!

古泉「すいません!!! ご勘弁を!!!」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 17:00:14.61 ID:t1+Uih140

キョン「ずっと『親友』だって言ってるじゃないか。それ以上でもそれ以下でもない」

古泉「そうですが……。いえ、それでもいいではありませんか。親友との日常を恋愛小説として書くのですよ」

キョン「それじゃただの社会風刺小説になるだろ」

朝比奈「ええっ!?」

古泉「そ、そうなんですか? 『佐々木』さんとの話はそういう話に帰結してしまうんですか?」

キョン「……いやまぁ、SOS団みたいに部室で駄弁ってる時間がなかったわけじゃないが」

朝比奈「それです! それですよキョンくん!! 読者が求めているものはァ!!!」ズイッ

キョン「そ、そうなんですか? 朝比奈さん、近いです。もっと」

古泉「もっとは駄目でしょう」

朝比奈「ふわっ!!? す、すいません……! でも、そういうのでいいと思います」

キョン「それも本当に恋愛とは無縁のただくだらない話をする日常でしかないですよ?」

長門「それでいい」

朝比奈「いえ、それがいい!」

古泉「恋愛小説とは男性と女性が登場するだけでいいのですよ。あとは読み手が小説にどのような雰囲気を感じ取るか」

古泉「読み手の感性や解釈に任せればいいのですよ。どの道、評価するのは自分ではなく読み手なのですから」

キョン「そんなもんか?」

古泉「そんなもんです」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 17:04:59.79 ID:t1+Uih140

キョン「ふむ。俺が恋愛小説として書いたものがハルヒにはそうでなく見えてたし、逆もまた然り、か」

朝比奈「(あれ本気で恋愛小説だったんだ……)」ゴクッ

キョン「日常、日常ね……」

古泉「あとはあなたがその日常にどれだけ肉付けできるかの技量が問われますが……心配はいらないでしょう」

キョン「ま、1からフィクション考えるよりかはいいか」

キョン「頭の中の記憶を引っ張り出して書いてみるとする」

古泉「期待していますよ」

朝比奈「が、頑張ってくださいキョンくん! わたしも童話書かなきゃ……」

古泉「僕も仕上げに取り掛かるとしましょうかね」

キョン「出だしから考えるか。えーっと……『僕はただ……この世に特別な人間なんかいない、ってことを」

長門「…………」ペラッ

キョン「お! 長門コンピ研のラノベ読んでるのか!? どうだ!? それやっぱ―――!」ガタッ

古泉・朝比奈「「集中力!!!」」ガーン!

長門「……割とユニーク」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/26(月) 17:06:26.41 ID:t1+Uih140
ここまでーーーー
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 17:51:40.89 ID:a2HJeeSaO
また読めて嬉しい
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 17:53:32.57 ID:WhLUXqDjO
たまにと言いながらすごいペースじゃないか

よかろう
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 18:08:07.13 ID:/3W8k8jwo
乙!
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 18:33:37.67 ID:M7b8AhZKO
キョンと長門がハマるコンピ研のラノベ…読んでみてー…わりとマジで気になる
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 18:56:17.45 ID:QQxwa5K0o
よかろう

じゃなかった。なろうでググれ。
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 00:14:58.58 ID:KxgIt3TpO
(コンピ研ラノベ存在してるのか?)
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 11:04:13.61 ID:xdyQbzXFo
相変わらずのクオリティ、よかろう
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 12:10:57.81 ID:4r+ik4Wro
いやないだろ
なろう辺りに行けばありふれてそうなタイトルだが
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 12:20:03.63 ID:KF6eDiC80
14時にはとうかしますーー
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 12:58:20.72 ID:xdyQbzXFo
待ってる
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 13:28:06.44 ID:KF6eDiC80
とうかします
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 13:32:46.39 ID:KF6eDiC80

「僕はただ……この世に特別な人間なんかいない、ってことを知ってもらいたいだけだよ」

「……お前、一体何者なんだ?」

「……僕は―――」

















「お前、あの時俺になんて言ったか覚えてるか?」


冬空の下、俺は向かいの女に問いただす


「あの時? あの時と言うと君に出会った時で間違いないかな?」


柔和な笑みで女は答える


「そうだ。俺がお前に何者なんだと聞いた時の答えを覚えているか?」

「さあ、なんだったかな。僕は飽きっぽくて忘れっぽいからね。何と答えたんだったかな」

「……忘れるほど大した意味を持たないならもういい」

「おや、僕に答えた理由を聞こうとしたんじゃなかったのかい? 尤も、何と答えたのかは覚えていないんだけどね」


くつくつ、と喉の奥を鳴らす独特な笑い方で揶揄うような笑顔を向けてくる


「ところで、今日は僕になんのようかな? 君と会ってからここのところ、ほとんど毎日顔を出しに来ているじゃないか」

「…………用がなくちゃ来ちゃいけないのかよ」


ドカッ、っと俺は乱暴に女の隣に腰を下ろす

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 13:37:51.17 ID:KF6eDiC80

「いいや。ただ、君が何かに執着するような人間だとは思っていなかったら、意外に感じているだけだよ」

「執着? 俺がお前に執着しているってのか?」

「僕とは言っていないよ。この土地に執着しているのか、はたまた時間や環境に執着しているのか……」

「何にせよ。君が幾度となく、ここに来ているのは何らかの理由がなければおかしいのさ。用がないなんてことはない」


何もかもを知っている、と言わんばかりの声色が俺の全てを見透しているかのようだった


「……お前みたいな奴にあったのは初めてだったからかもな」

「僕みたいな奴、というのは?」

「……俺みたいな特別な者のことだ」

「特別? くつくつ、だから前にも言ったじゃないか。この世に特別な人間なんかいない、と」

「お前やっぱり出会った時の会話覚えてんじゃねえか!!」

「あ」


白い息とともに、意外にもあっさりとボロを出した


「くつくつ、まんまと嵌められたわけだ。君も人が悪い」

「嵌めるつもりなんてなかった。お前がかってに口を滑らしただけだろ」

「痛いところを突かれたよ。割と抜けている人間だと言われるからね。僕は」

「…………知らん」




変な女だ。何度も会いに来るうちに、増々そう思うようになってきた


69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 13:42:28.20 ID:KF6eDiC80

朝比奈「ふ、ふおぉ……」キラキラ

古泉「なるほど、これがあなたたちの馴れ初めですか」

キョン「恋愛小説風に言うと間違っちゃいねえが、実際はただ行く当てもねぇから通ってただけだ」

長門「通い婿」

キョン「違わい」

朝比奈「つ、続きは? キョンくん」

キョン「まだありません。というよりオチに向かってどう進めばいいか分かりかねるもんで。どう締めるべきか……」

長門「……死別」ボソッ

朝比奈「ええっ!?」

キョン「ふむ……」

古泉「……確かに実体験、ではあると思いますが、長門さん。実体験であるが故に、彼にそれを書けと言うのは些か酷なものかと」

長門「……失言だった。すまない」

キョン「死別か……いや、長門別に気にしなくていい。本来の意味通りの死を迎えてるわけじゃないしな」

キョン「だから、別にそんな……大きな悲しみなんてもんは一々感じてなかったさ」

古泉「では、そのように進めていくと?」

キョン「んー、まぁそうするか。ってお前ら俺のもんばっか見てねえで自分のやれよ」

古泉「僕は今しがた終わりましたので」

朝比奈「わ、わたしももう少し……」

長門「……」ペラッ

キョン「こらーー!! 長門!! 困ったらコンピ研のラノベ読もうとするんじゃねぇ!!」

長門「……油断した」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 13:48:36.95 ID:KF6eDiC80

扉に鍵がかかっている。部屋の鍵は館の主であるKさんが保有している

館の主の部屋の合鍵は無く、扉を開けるには内側から開けてもらう必要があるが、返答がない


「せーのっ!!」


緊急事態と判断した僕たちは扉を体当たりで強引に開ける方法をとった

一回、二回、三回……実際にやってみると強固な扉は中々開かない

このまま扉は開かないんじゃないか? そう思い始めた時

バンッッ!! と蝶番が破壊される音と共に扉が開かれ、僕たちは部屋に倒れこんだ






そして―――――――――




            ―――――――――血に塗れたKさんの無惨な姿を発見した










キョン「ほーん。これがお前がやりたかった夏のシナリオってわけか」

古泉「えぇ。生憎、死体は1つではなく2つになり、シナリオも大きく変更されてしまいましたがね」

キョン「変更してよかったじゃねえか。このシナリオじゃあまりにもテンプレすぎてハルヒにゃ受けねぇよ」
            
古泉「おや? そうでしょうか? 自信はあったんですが……涼宮さん評論家のあなたが言うならそうなんでしょうね」

キョン「それを言うなら批判家だな、俺の場合」

古泉「んっふ。ともあれ、僕の執筆作業はここで筆をおかせてもらいます。あとは高みの見物、完成を楽しみにしていますよ」

キョン「暇ならコンピ研のラノベ読んでろ。中々に中々だ」

古泉「えらく勧めますね……長門さんもはまっていたようですし。少しだけ、ほんの暇つぶし程度に読んでおきましょうかね」ペラッ

キョン「あーあ、もう逃げられんぞ。お前はもうその本の虜となる。なぁ長門」

長門「一度読みはじめたらあなたも立派な『開拓者』入り」

古泉「読む前に脅さないでくださいよ。なんですか『開拓者』って」

長門「『異世界開拓〜俺が魔王になって文明形成!?〜』をバイブルとする者の総称」

古泉「すでにそんな総称が!!?!? 依存性もの凄いですねこのライトノベル……読むのは遠慮しておきましょう」パタン
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 13:53:15.30 ID:KF6eDiC80

キョン「! 長門ッ!」キュピーン

長門「……」コクリ

朝比奈「なっ、なんですか!? どうしましたか?」ビクッ!


コンコン


会長「失礼す―――」ガチャ

キョン・長門「「よかろう」」ドンッ!

会長「……」ピキピキ!

キョン「いやーこれが言いたかった! 今日はもう満足だ、帰って寝たい」

長門「…………」ストン

古泉「そのためにわざわざポーズまで……やあ会長。本日はどういったご用件で?」

会長「……なに、様子見といったところだ。一応、条件提示した義務があ―――」

キョン「そういや会長、頭大丈夫か?」

会長「」

喜緑「会長、落ち着いてください。彼は健康面での心配をしているだけです」

キョン「そうそう。あの時はつい熱が入っちまって悪いことしたなーと思って、で」

キョン「あ・た・ま。大丈夫か? かーいちょ?」ニヘラ

会長「貴さ―――ッ!!」グッ!

ハルヒ「わっ!! 生徒会!! ちょっと! あたしの城で何してんのよ!! 諜報活動!!?」

会長「…………」

古泉「様子見、でしたよね? 会長」

会長「……あ、ああ。君たちがちゃんと仕事をしているか視察にきたのだよ。ただ、それだけだ」プルプル

古泉「無駄に会長を刺激するのはやめてください!」ボソボソ

キョン「あのシャバ増すぐ切れるから耐性をつけといてやろうと」

古泉「喜緑さん見てるんですよ」

キョン「ハルヒ!! 会長がいらしてるんだぞ!! さっさとお茶と菓子をだしてもてなさんか!!!!」クワッ

ハルヒ「だったらあんたがやりなさい!! 平団員でしょうが!!!」

朝比奈「あ、わ、わたしがやります!」アワワ
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 13:58:06.81 ID:KF6eDiC80

会長「……私はきみたちの宿敵などになったつもりはない」

ハルヒ「分かってるわよ。あんたじゃ宿敵は務まらないもんね」

会長「……喜緑くん。例のモノを」

喜緑「はい。会長」スッ

ハルヒ「なに、これ」

会長「昨年までの文芸部が発行していた会誌だ。精々……参考にしたまえ」キッ!

キョン「よか……ふん、やるじゃねえか。言わせねぇよってか!」ヘッ

古泉「それだけやっていればさすがに分かりますよ」

会長「感謝するなら彼女に向けたまえ。資料室の書架から探し出したのは彼女だからな」

ハルヒ「はいはいありが……ってあなた。へぇ……あの時の」

キョン「今気づいたのかよ」

喜緑「その節はどうもお世話になりました」

ハルヒ「いいわよいいわよ。それで? 奴隷、オホン、コンピ研の部長とはうまくやってるの?」

キョン「今なんて言った? おい」

喜緑「それが……どうやら彼とはお別れしました。思い返せば本当に付き合っていたのかも遠い記憶です」

キョン「そりゃ部長が彼女持ちは似合わないもんな」ウンウン

ハルヒ「へー、まぁ若いし色々あるわよね。それで次はその会長ってわけね」

喜緑「……えーっと、それは」

会長「……君は何か勘違いをして―――」

ハルヒ「こういうのも失礼だけど、あなた男の趣味変わってるわね」ズバッ

会長「……」イラッ

喜緑「ええっと……」

キョン「い、今の俺関係ないですから!! 関係ないっすからね! 喜緑さん!!!」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 14:05:33.15 ID:KF6eDiC80

喜緑「会長とはそのような関係ではありません。従属以外のなにものでもないのです」

ハルヒ「あら、そうだったの? 早とちりしてごめんなさいね」

喜緑「いえ……」

会長「……小説誌にするらしいが」

キョン「すげぇぞ古泉。会長の心の声の罵詈雑言が某国の大気よりも荒んでやがる」ボソボソ

古泉「それでいてあのポーカーフェイスは、彼もまた契約に忠実なプロというわけですね。苦労を汲み取ってあげてください」ボソボソ

会長「君たちにまともなものが書けるのかね?」

ハルヒ「あったりまえよ!! 世界一面白いもの作ってあげるんだから震えて眠りなさい!!!」

会長「大した自信だな。その自信通り、ペナルティを被ることにならなければいいがな」

ハルヒ「別に! 仮に余裕でノルマ達成したってペナルティを振ってくれてもいいわよ? 余裕でクリアしちゃうし!」

キョン「ドMかお前」

会長「無為にそのようなことはしない。条件通り200部全て捌けさせれば問題はない」

ハルヒ「優しいノルマだこと!! 3日と言わず1日でぜーんぶ捌けさせてやるんだから!」

会長「威勢だけは本当に素晴らしい。その活気を良い方向で学園に振りまいてほしいものだ。それでは私はこれで失礼するとしよう」

ハルヒ「あら、本当に敵に塩を送りに来ただけなのね」

会長「言っただろう。別に私は君たちの敵になった覚えはない。ただ生徒会長としての責務を全うしただけだ」ガチャ

喜緑「失礼します」バタン

ハルヒ「……うがー!! あんたたち!! 何がなんでも超面白いもの作ってあのアホ会長の鼻っ面へし折ってやるわよ!!!」

キョン「鼻っ面をへし折る……よかろう」ガタッ

古泉「よくありません。物理的な意味ではないので、御着席ください」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 14:06:33.98 ID:KF6eDiC80
ここまでーー!!
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 14:20:06.35 ID:KNV8vGmQ0
乙 会長に応援したくなるだけだった
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 14:20:38.42 ID:KewJHa1AO
よかろ…って言わないからな!乙
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 15:47:12.48 ID:G7O3Nv4NO
>>60はなろうにあると思ったのかな?
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 16:20:04.16 ID:2wHV4V/CO
心の中が非常にきになる
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 16:32:46.34 ID:SSMLdjPqo
乙です
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/27(火) 19:33:55.93 ID:vsRykr9ao
開拓者になろう
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 22:57:15.28 ID:v+2cqm/DO
>>60は、似たようなのがあるに決まっている
ということだと思われ

どれも同じようなものという決め付けだろ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 00:22:43.92 ID:Dqt2/KEo0
まぁそういう作品がなろうで人気なのは事実だしな
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 21:33:16.45 ID:Inhtv6qX0
10時半までにとうかー
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:25:17.30 ID:Inhtv6qX0
とうかー
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 22:25:44.94 ID:/glP8ap5O
よかろう
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:29:06.77 ID:Inhtv6qX0

「おや、いらっしゃい。今日は来ないのかと思っていたよ」

「大方の予想を反すのは得意なんでな。来てやった」

「くつくつ、意地悪な男だ。さすがにもう慣れたけどね。覚えているかい? 今日という日を」

「1年……お前と出会ってからもうそれだけの時間がたったのか」


コイツと出会った日からの1年は、はっきりいって短かった。光陰が矢の如く過ぎていったのがよく分かる


「どうだい? 君にとってこの1年はどんな意味を持つ1年になったんだい?」

「意味……? 別に。ただ変な女と会話をしているだけの1年だった」

「くつくつ、君にとってそれは無意味なことであったのかな?」

「……そういうわけじゃない。が、何かが激変したのかというとそうでもない」


すると女は、こちらにいつも通りの柔和な笑みを向け、待っていたかのように言葉を発す


「変わったじゃないか。1年前の君と、今の君とでは大きく異なるところがあるだろう」

「…………」

「分からないかい? さっき君も言ってただろう?」

「…………お前のこと??」

「大正解。よく分かっているじゃないか」


よくもまぁ、自信満々でそういう自己評価の高そうなことが言えるなこいつ


87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:33:07.40 ID:Inhtv6qX0

「……自分で言ってて恥ずかしくないのか、それ」

「恥ずかしい? なぜだい? 事実を事実として述べるのは当然のことだろう?」

「事実? じゃあ聞くが、この1年間でお前は俺にとっての何になったつもりだ? お前が俺の何を変えたというんだ?」


女は、用意してた文字を読むようかのようになんの迷いもなく応える


「親友」

「……親友?」

「僕は君の親友になることで、君を勘違いから解放した。孤独から解放した」

「待て待て。何を言い出す。勘違い? 孤独?」

「覚えていないかい? 君と初めて会った日に僕が言った言葉」

「お前こそ忘れたとか言ってただろうが」

「……そうだったかな? まぁそれは置いておいて」

「君はなんら特別でもなければ、君はただの人間で」

「1人になろうとする必要なんてない。という勘違いから解放したのが僕、というわけだ」


動揺しているわけでも、驚愕しているわけでもないのに、言葉が出てこない


「……興味でも観察でも実験でも。理由はどうあれ、君は僕と共にこの1年を過ごしたと言ってもいい」

「君が、君にとって何かの意味を持つ者に出会えた。それが僕で、それが君の変化だ」

「…………」

「確かに激変なんてものじゃないかもしれない。ただの手掛かり程度のものかもしれない」

「それでも僕自身は、君にとって大きな変化を与えた存在である、と自負しているよ。過大評価も過小評価もなしにね」

「…………ほんと、自分で何言ってやがる」


親友。俺がこの1年で得たものをこいつはそう言い放った

親友? 親しい友。こいつが? 俺の?










親友だと???
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:38:24.31 ID:Inhtv6qX0

古泉「……ふむ」

キョン「ふむとはなんだ、ふむとは」

古泉「いえ……大変読み応えのあるものだと感服していたのですよ」

古泉「ですが、ここに書かれているあなたであろうお方は、随分と今のあなたとの性格の乖離が見られますね」

キョン「そうか? まぁ、その頃は絶賛反抗期真っただ中だったからなぁ……」

古泉「誰に対しての反抗期だったのですか?」

キョン「全てさ。この世に生けるもの蔓延るもの全てを俺は拒絶し、その大いなる力を持って世界を―――!」フハハ!

古泉「その設定でもう1本小説が書けそうですね」

ハルヒ「やっほーー!!? どう!? 進んでるっ!!?」ガチャ!!

キョン「よぉ研修中」

ハルヒ「編集長!!!! 真逆じゃないの真逆!!! あ、ちゃんと書いてるじゃない! ちょっと見せてみなさい!」

ハルヒ「なになに……『ぐはぁッ!!! 貴様……ッ! アークステロイドを裏切』これコンピ研のやつじゃないの!!!」ビシッ!!

キョン「関係者以外閲覧禁止ですー」

ハルヒ「関係者も関係者だけど!!?!? 関係者のトップなんだけど!!?!?」ガーーン!

キョン「まぁ完成したらいやでも見れるんだから待ってろよ。期限には間に合わす」

ハルヒ「むぅー……折角キョンのちゃちな文を添削してあげようと思ったのに」

キョン「へーへ、お気遣いどうも」

ハルヒ「……まぁいいわ! 有希! みくるちゃん!! あなたたちのも見せて!!」

朝比奈「はぁい」

長門「……」

古泉「良いのですか? 僕には見せていただいたのに涼宮さんには見せなくて」ボソッ

キョン「こんなこっぱずかしいもん、何度も見せられるかよ」

古泉「……んっふ。製本したらいくらでも見られますけどね」フフ
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:43:27.01 ID:Inhtv6qX0

ハルヒ「ふんふん……まっ、まぁ。こんなもんよね! みくるちゃん! おめでとう! あなた合格よ!」

朝比奈「ほ、本当ですかぁ!!? やったぁ!!」ピョンピョン!

ハルヒ「よく童話について調べてくれてるわね!! みくるちゃんの持つ……その、ファンシーさが良く出てるわ!」

朝比奈「えへへ……頑張りました!!」

ハルヒ「(けど、結局この童話登場人物の7割が死んで、残りの3割もものすごい後遺症が残ってるのよね……)」

古泉「(未来の文献に童話がどのような形で残っているかは分かりませんが、ホラーでも通じる童話ですね、朝比奈さんのは)」

キョン「(ていうかホラー要素多くない? 朝比奈さんも古泉も長門も、全部ホラー要素含んでない?? そういう本作ってんの俺ら?)」

ハルヒ「んで有希のも合格! 『喧騒コラー』がちゃんと『幻想ホラー』になったじゃない!」

長門「努力した」

ハルヒ「でも、1つ分からないところがあるんだけど、いいかしら?」

長門「どこ?」

ハルヒ「『消失した世界で、彼らは今も『彼』の幻影を追い続けている』この一文が前後の文と繋がってないのよね。これって何か意味あんの?」

長門「…………意味はない」

ハルヒ「ふーん……まぁ有希が言うならそうなのね。いいわっ! 有希もこれで完成!!」

古泉「長門さんのあの一文って……もしや」

キョン「長門も言ってるだろ。別に特別な意味なんてないってよ」

ハルヒ「あと有希、このペンネーム『明日の夕食はカレーがいい』のことなんだけど……」

長門「……………………………………」

長門「意味はない」キッパリ

ハルヒ「いや嘘よね!!! すごい間あったもんね!! 特定の誰かさんに対するリクエストメッセージよね!! これ!!!」

キョン「いったい誰倉さんなんだ……?」ゴクリ
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:48:31.99 ID:Inhtv6qX0

ハルヒ「これで有希とみくるちゃんはおっけー。古泉くんも昨日出してくれたから、あとは……」

ハルヒ「キョン!! あんただけが終わってないのよ!!! あ、ん、た、だ、け、が!!」

キョン「オンリーワンか」ジーン

ハルヒ「明日には製本したいんだから!! 今日! もしくは明日の放課後までに完成させなさい!! 今完成させなさい!!」

キョン「どっちだよ。待て待て、落ち着けハルヒ。谷口だって終わってないはずだろ?」

ハルヒ「誰よそいつ!!!!」バーン!

キョン「忘れてやるなよ!!!」ガーン!

古泉「あなたもしょっちゅう谷口さんのお名前を間違えているではありませんか……」

ハルヒ「谷口……あぁ、谷口ね。はいはい」

キョン「あいつが終わってないならまだ俺にも猶予が―――」

ハルヒ「ちゃんと出して来たわよ。ほら、これ」バサッ

キョン「……まじ? あの山口さんが?? うそぉ……」

古泉「さっそくお名前を間違っているじゃありませんか……」

ハルヒ「ページの足しぐらいにしかならないけど、一応谷口も完成させてるのよ」

キョン「なになに……『個人的! 北高美少女ランキング! 最新版!』……ハルヒ」

ハルヒ「なによ」

キョン「これをメインで押そう」キリッ!!

ハルヒ「なにバカなこと抜かしてんのよぉおおぉおぉおおおおおお!!!!!」バギッ!!

キョン「男はバカだからぁああぁあぁあぁあああああああ!!!!」

古泉「おや、朝比奈さんが1位にランクイン。それに長門さん、朝倉さん、鶴屋さんもトップ10入りしていますよ」ペラッ

朝比奈「へっ? いや、えー……あ、ありがとうございます……?」

長門「……」

古泉「(涼宮さんは…………ランキング入りの最下位ですか。んふっ、谷口さんの微妙な意地が見て取れますね)」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:53:41.61 ID:Inhtv6qX0

ハルヒ「それ個人情報が異常に詳しく書かれていて気持ち悪いのよね。どこで調べたのか、事実なのか知らないけど」

キョン「ふーん……」

ハルヒ「…………………………あんたじゃないわよね? 色々あいつに教えたの」ジッ

キョン「まさか」

ハルヒ「……まぁどうでもいいけど。あんたはさっさと自分のやつ完成させなさい!!」

キョン「分かってますよ、収監囚殿」

ハルヒ「編集長!!!」

キョン「へーへー」

ハルヒ「と、あたしもそろそろ自分のやつに手を付けてかないとね」

キョン「お前も終わってないのかよ」

ハルヒ「あたしはすぐにできるもの。今からやって今日中には終わらせることができるわよ」

キョン「負けねえぞっ!」

ハルヒ「すでに5日のハンデがあるんだけど……まぁやる気を出してくれたならいいわ」

朝比奈「涼宮さんは何を書くんですか?」

ハルヒ「ふっふっふ! よくぞ聞いてくれたわみくるちゃん! それはね!」

キョン「なんでもSOS団を恒久的に存続させるために考えた論文もどきみたいですよー」カキカキ

朝比奈「ふえぇ……難しそう」

ハルヒ「あたしに言わせなさいよ!!! そんな片手間でネタバレすんなっ!!」バン!

キョン「定期的にお前のセリフを奪っとかんと俺のアイディンティティが崩壊する」

ハルヒ「アイディンティティが!!?!?」ガーン!
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:58:21.23 ID:Inhtv6qX0

ハルヒ「つまりこーして、あーして……ああやって、こうやって……」ブツブツ

キョン「やっと静かになりやがったか」

古泉「ものすごい集中力ですね。涼宮さん」

キョン「今なら口からUMA出しても気づかれないかな……う˝っ、う˝ぅっ!」

古泉「やめてください。僕も見たくはない光景ですよ。最近なにかと口から出そうとするのは何故です?」

キョン「春が近いからな。花粉症みたいなもんだよ」

古泉「そんな軽い感じでUMAを出されても困ります。しかし、もうすぐ春ですか……」

キョン「早いな」

古泉「んふっ。あなたにとってこの1年はどんな意味を持つ1年になりましたか?」

キョン「あぁ? なんのおふざけだよ」

古泉「いえ、ただ『佐々木』さんがこの場に居たら、きっとまたこの問いをすると思いましてね」

キョン「なぜお前に『佐々木』のことが分かる」

古泉「分かりませんよ。ただの勘です」ニコッ

キョン「……変なやつだな。お前も」

古泉「光栄ですよ。あなたの『親友』と同じ評価をもらえるなんてね」ンッフ

キョン「それ以上気持ちの悪いことぬかすと朝比奈さんの書いた童話の中に閉じ込めてやるからな」

古泉「おっと、怖い怖い」

朝比奈「??」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/28(水) 22:59:18.85 ID:Inhtv6qX0
ここまでーー
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 23:44:25.46 ID:Dqt2/KEo0
乙!
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/29(木) 01:12:41.72 ID:o9Be93T10
おつ

7割死んで3割重篤な後遺症って次世代残せなくて滅ぶんじゃねその国だか世界だか
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 02:31:41.85 ID:NKTWz6QNO
そんな世界に閉じ込められたら確実に発狂するわ

キョンならできそうなのが余計に怖いが……
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 06:12:04.89 ID:x2BQRemgo
乙!
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 16:19:53.32 ID:o0Nd3GRoo
ファンシーってより闇の深さが出ちゃってるんじゃ…
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 20:14:17.23 ID:mUbmUzY30
グリムよりも悲惨そう
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 19:41:03.23 ID:7r7HtH3f0
あけおめー。9時までには投下しますー
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 19:51:56.75 ID:6lk1zH5Vo
明けましておめでとうございます‼
今年も楽しみに待ってます
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:32:36.86 ID:7r7HtH3f0
とうかー
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:37:37.09 ID:7r7HtH3f0

「死とは何か」

「なんだ藪から棒に」

「そうでもないだろう。今際の際さ」


仰向けに寝ている女の顔は白く、生気がほとんど失われていた


「君はどう思う? 死とは、生とは何故存在する?」

「よせよ。死だとか生だとか、死にかけのやつが言うもんじゃねぇ」

「だからこそ、じゃないか。死の際ほど、それについて強く考える機会はないよ」


もっともらしいことだが、できれば俺はこの話題を続けたくはなかった


「……さあな。夢を見るような感覚じゃないのか? 永眠って言うからには永い夢をみることが死、なんじゃないのか」

「夢……夢か、それはいいね。死を享受することに楽観的になれる」

「なっていいものなのか……?」

「少なくとも、悲観的に捉えるよりかは、心情的に安らかな気持ちで永い夢を見れる気がするよ」



女は一呼吸一呼吸が、最期の呼吸だと言わんばかりに弱弱しくそれを繰り返す



「ところで、xxx」

「あーその前に一ついいか? 俺がxxxと呼ばれるのは確定なのか?」


xxx。それは最近になって女が俺につけたあだ名だ。由来についてはまたの機会にでも語るとしよう

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:40:59.59 ID:7r7HtH3f0

「確定だね。僕の本能がそう伝えてる」

「本能レベルでかよ……んで昨晩見た夢について話せ、だっけ?」

「くつくつ、まだ言ってないんだけどね」

「言われれば、確かに今日の夢はなんか不思議な夢だったな」


まだおぼろげだが、記憶に新しい昨晩の夢


「くつくつ、xxxをもってして不思議と言うのだから、それはもう気宇壮大なものだろう」

「ハードルを無理にあげるなよ。どうだったかな……」

「確か、一人の女の子に俺が振り回される夢……」

「……」

「その女の子が起こす問題に他の、三人と……ってこれじゃあまるで予知みたくくっきり覚えちまってるな」


そしてその女の子は、どことなく目の前で寝ている女に似ていたような……そんな感覚


「それにしても珍しいな、俺が気に留めるほどの夢なんて」

「……xxx、それは本当にいつか出くわすであろうことなのかもしれないね」

「まさか……そんなことは――――――」


起きないだろう。そう口にする前に女が発言を遮る


「xxx……そろそろ、休ませてもらうよ」

「………………そうか」

105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:45:17.55 ID:7r7HtH3f0

「……楽しかったよ、親友。君といると」

「……そうか」

「…………そうだ、xxx。最期に……聞きたいことが、あるんだ」


女は最期の力を振り絞った、虫の鳴くようなか細い声で問いかける










「恋慕の情とは、なんだろうね?」






その質問にどんな意図が含まれているのかは汲み取らなかったが






「……はっ、俺らにゃ関係のない感情さ。そうだろ?…………親友」






女はそれを聞くと満足そうに






「…………そうだね。くつくつ、変なことを聞いてしまった」

「いつものお前らしいじゃねえか。変なことを言うのはよ」

「…………それも、そうだね。xxx…………それじゃあ―――」










106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:50:32.97 ID:7r7HtH3f0




「―――また会おう。親友」

「ああ―――またな、親友」











こうして、俺は親友との『最初』の別れを終えた












古泉・朝比奈・長門「「「……」」」

キョン「どうよ? ありのーままのー、だぞ?」

朝比奈「ええっと……」

古泉「小説としては悪くありません。恋愛小説としてみても……まぁ及第点ではあると言えましょう」

長門「しかし」

キョン「しかし?」

古泉「『含まれる』部分が多すぎます」

キョン「『含まれる』部分?」

古泉「タネ明かしを終えていないのですよ。あなたの小説は」

キョン「……ああ、なるほど。言いたいことは良く分かった。えぇ、お三方」

キョン「俺から小説って形で具体的な『佐々木』や俺の情報を知ろうたって無駄だからな!!」

朝比奈「!」ビクッ

古泉「……そんなつもりは、ない。とは言い切れませんが……まぁ、あればいいな程度には……」

長門「すまない」

キョン「ほら! 長門は正直だぞ!! えらいえらい、どこぞの超能力者は誤魔化そうとしてるのに」ナデナデ

長門「……」

古泉「本心ですよ。特に最後の一文、これは僕たちなら意味は通じるでしょう。『佐々木』さんが何度も生まれ変わりをしている、と」

古泉「ただ、なんの事情も知らない人がこれを見ると最期の文章を疑問に感じる人が多いと思われます」

キョン「お前も言ってたじゃねえか。それは、読者の解釈に委ねてもいいってよ」

古泉「適度があります」

キョン「俺その言葉嫌い」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:56:21.64 ID:7r7HtH3f0

古泉「もっと分かりやすく書け、とは言いません。あなたなりの叙述も味が出てまた良いものです」

古泉「ただ、このままではフィクションとしてもノンフィクションとしても中途半端なのです」

キョン「ノンフィクションだ!!」クワッ

古泉「読者はどちらでも構いません、が。ジャンルとしてのフィクション、ノンフィクションの差異があやふやなのです」

朝比奈「……?」

キョン「長門、古泉が難しいこと言ってるから訳してくれ」

長門「つまり、古泉一樹はあなたの書いた文章からの推測では、読者によって解釈に作為的な矛盾が生じることを示唆している
   物語のカタストロフィに置いて、それが正しいものであるのかどうかの判断基準がこの小説には記されていない
   読者の解釈に依存するならば、その根拠となる―――」

朝比奈「???」

キョン「長門、ありがとうストップだ。古泉、長門が難しいこと言ってるから訳してくれ」

古泉「無限ループは遠慮しておきますよ。僕も長門さんも朝比奈さんも、思っていることは同じでしょう」

古泉「リアリティを感じながら読んでいた小説のラストで、それを全く否定する一文が出てきたら、読者は萎えてしまいます」

古泉「あなたのジャンルは恋愛小説です。ワクワクさせるよりはドキドキさせることの方が重要でしょう」

キョン「つまり……最後の一文を書き直せと?」

古泉「可能であるならば、ね? もしくはさらに一文を付け足すか」

古泉「無理はいいませんよ。あなたにとってそれが最良と判断したなら文句はいいません」

キョン「朝比奈さんもこの最後の文が引っかかったんですか?」

朝比奈「う、うん。でも、あたしはこのサッドエンド? よりかはハッピーエンドの方が好きだなぁ、っていう好みの問題だから……その」

キョン「(朝比奈さんの童話は…………いや、触れないでおこう)」

古泉「大衆受けするのは確かにハッピーエンドですね」

キョン「大衆受けを狙ってるわけでもないが……そうか、うーん」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:59:39.08 ID:7r7HtH3f0

キョン「んー、気分転換がてら外歩いてくる」

古泉「そうですか。より良い作品になることを期待しておきますよ」

キョン「どうだろうな」ガチャ

キョン「んー……どうしたものか」スタスタ

キョン「……いっそのことそれっぽい小説からラスト丸パクリを……」ブツブツ

朝倉「あら? キョンくんじゃない」

キョン「いやそれだと……ハルヒが……」ブツブツ

朝倉「おーい。キョンくーん、聞いてますかー?」

キョン「……眉毛と……おでんで……ナイフ……」

朝倉「バッチリあたしのこと認識してるわよねそれ!!?!? って誰が眉毛とおでんでナイフだ!!!」ガガーン!!

キョン「ん、おお! そのツッコミは朝倉か!」

朝倉「ツッコミで人を判断しないでよ……珍しいわね、団活中に。何してるの?」

キョン「別に。気分転換の散歩さ。朝倉こそ放課後に残ってるなんて珍しい」

朝倉「学級委員の仕事があってね。少し時間かかっちゃったの。それにしても……」

朝倉「同じクラスなのにこうやって話すのはちょっと久しぶりね」

キョン「ん、そうか? 言われてみれば……そう、かもな」

朝倉「最後にこうやって話したのは、あの時よ」

朝倉「バレンタイン明けの……キョンくん涼宮さんの『力』を消失させちゃう発言の時ね」

キョン「あー…………、あれは俺が思春期だった頃か」

朝倉「いまは!!?!? 今がそうじゃないの!? ってそんな前でもなければ、キョンくん思春期あるの!!? あったの!!?」ギャーギャー!!

キョン「騒がしいなぁ……」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 21:00:05.23 ID:7r7HtH3f0
ここまでー
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 21:15:15.87 ID:6lk1zH5Vo
乙です
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 01:13:10.55 ID:JSg2F9J4o
乙!
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/04(水) 03:13:10.10 ID:FBnVyfz/O
短い…すっごい、いい場面で相変わらず切るな>>1は…
>>1ってドSだよ絶対…もやもやするなぁ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/04(水) 11:00:52.28 ID:ZAIklZ5g0
駄目だ、、、
続きが見た過ぎてなんかカレー食いたくなってきた、、、
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/04(水) 15:16:26.49 ID:MhlsbGqSO
今晩はカレーおでんか
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 21:11:58.57 ID:Ic34y8lu0
続きを...早く続きを...
このままじゃ年越せねえよぉぉぉぉぉぉ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 21:44:15.63 ID:uNURhI/KO
お前エンドレス大晦日に巻き込まれてねえ?
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 22:01:51.52 ID:sCrONZX4O
カウントダウン楽しみだな
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/06(金) 00:06:00.72 ID:L8BVcGgk0
紅白始まったぞ-
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/06(金) 00:14:43.81 ID:UJ5CLIrO0
そういや曙が総合格闘技に出場するとかなんとか言ってた気がするけどこれからやるんだったっけ?
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