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八幡「神樹ヶ峰女学園?」
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1 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/06(火) 16:33:06.11 ID:vixu/TuV0
これは「俺ガイル」と「バトガ」のクロスSSです。時間軸は俺ガイルに合わせます。
八幡たち登場人物のキャラ崩壊注意
不定期更新で進めていきます。
バトガキャラはなるべく全員出すけど、俺ガイルはわかりません。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1481009585
2 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/06(火) 16:47:52.24 ID:vixu/TuV0
女子校
それは男子高校生のみならず男子全員が一度は憧れる「秘密の花園」
男子校の汚くてむさくるしいイメージとは真逆の「綺麗」で「清楚」な場所
もちろん、女子ばかりだから人間関係がややこしくなることはぼっちを極める俺じゃなくてもわかりきっていることだが、
俺は男だ。ゆえに女子のめんどくさい人間関係には入らず、すべて外から眺められる。だから女子校最高!と思っていた。
だが
ひなた「八幡くん、HR早く終わらせようよー」
うらら「そうだよ、ハチくん!うららこのあとアイドルグッズの物販に並ばないといけないのに!」
心美「う、うららちゃん、そんなこと言っちゃだめだよぉ」
みき「遥香ちゃん、昴ちゃん、帰りに新しくできたケーキ屋さん寄っていこうよ!」
昴「いいね!あそこのケーキ前からチェックしてたんだぁ、楽しみ〜」
遥香「いちごのタルトもあるかしら」
明日葉「おいみんな、比企谷先生が困ってるだろ。静かにしろ」
蓮華「まぁまぁ明日葉〜、固いこと言わないの、せっかくのかわいい顔が台無しよ?」
八幡「どうしてこうなった…」
3 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/06(火) 17:26:39.85 ID:vixu/TuV0
数日前、総武高校、奉仕部部室
静「邪魔するぞ」
雪乃「平塚先生、入るときはノックを」
静「悪い悪い、ちょっと急ぎの大事な連絡があるんだ」
結衣「何々?」
雪乃「それは奉仕部への依頼ということでしょうか?」
静「いや、今回は比企ヶ谷個人へのものだ」
八幡「なんすか」
静「聞いて喜べ比企ヶ谷、明日からお前は神樹ヶ峰女学園で教師をやることになったぞ」
八幡「……は?」
結衣「神樹ヶ峰女学園って星守のいるあの学校!?」
雪乃「待ってください平塚先生、この男が女子校なんて行ったら校舎を見ているだけで警察に捕まってしまいます。
それにこんなぼっちな男が生徒と関わらなければならない教師なんて務まるはずがありません。
神樹ヶ峰女学園の生徒や名誉に多大な損失を与えかねません」
八幡「おい、俺を公害のように扱うな。つかそもそも何がなんだかさっぱりわからないんだが。
いきなり女子校行って教師やれって言われても頭がついていかないんですけど、説明してください平塚先生」
静「説明と言われてもな、神樹ヶ峰女学園の先生に私の顔見知りがいて、この前飲んだ時に面白そうだから交流ということでこちらから生徒を一人送ることになったのだよ」
雪乃「その話だと、向こうに行くのが比企ヶ谷君である必要はないし、教師にもならなくていいんじゃないかしら」
4 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/06(火) 17:54:45.61 ID:vixu/TuV0
静「まぁ話は最後まで聞け雪ノ下。当初は生徒として女子を行かせるつもりだったのだが、向こうの理事長が『どうせなら男の子を呼びましょう』と言い出したらしくそれにこちらも同意したわけだよ。だが、女子校に男子生徒が行くのはマズイので、教師という肩書を与えたわけだよ」
結衣「へぇー、なんかすごいねヒッキー!もう先生になっちゃうんだ!」
雪乃「由比ヶ浜さん、この男をそのように調子に乗らせてはダメよ、絶対に良からぬ方向に権力を使うわ」
八幡「使わないし、そんな権力こっちから願い下げだよ。ってかそれなら俺じゃなくてもいいんじゃないですか?葉山とか適任だと思うんですけど」
静「人選に関しては向こうが通達を出してきたのでこっちからは何も提案はしていない。私個人としては君が選ばれてよかったと思っているがね」
八幡「なんでですか?」
静「単純に君が適任だと思ったまでさ。あ、ついでに言うと辞退はできないからな。頑張りたまえ」
結衣「ってか、明日から行くってことはヒッキー奉仕部には来られないの?」
静「あぁ、期間は特に決まってないからな。こっちと向こう、双方が満足すればこの交流は終わりだ。それまでは雪ノ下と由比ヶ浜、二人で活動してもらうことになる。」
雪乃「奉仕部については大丈夫ですが」
静「なら問題ないな。明日からはそういうことで各々頑張ってくれたまえ」
八幡「先生、肝心なことを聞いてないんですけど。」
静「なんだね、比企ヶ谷」
八幡「どうして俺が選ばれたんですか?」
静「『神樹』が君を選んだんだよ」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/06(火) 17:58:15.56 ID:An2nND+Z0
すまんがバトガって何だ?
6 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/06(火) 18:02:53.08 ID:vixu/TuV0
書き忘れましたけど、地の文は八幡の考えてることとして読んでください
7 :
◆JZBU1pVAAI
[saga sage]:2016/12/06(火) 18:04:02.68 ID:vixu/TuV0
バトガは「バトルガールハイスクール」というソシャゲです
http://colopl.co.jp/battlegirl-hs/index.php
8 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/06(火) 18:21:44.68 ID:vixu/TuV0
まだ先ほどの話を受け入れられないまま帰宅すると、愛しの妹が玄関まで飛び出してきた
小町「お兄ちゃん!神樹ヶ峰女学園で先生やるって本当!?」
八幡「あぁ、なんかさっき学校で平塚先生に言われた。てかなに?なんでもう知ってるの?情報伝達早すぎない?」
小町「早いも何も、もともと知ってたし。お父さんもお母さんも知ってたよ。二人ともお兄ちゃんの意志に任せるって」
あれぇ、おかしいな。なんで当事者の俺だけ事後報告なんだ?ホウ、レン、ソウはしっかりやってもらわないと、これ社会の常識だよ?
小町「でも小町驚いたなぁ、まさかお兄ちゃんがこの話を受けるなんて思わなかったよ」
八幡「もともと俺に拒否権はなかったからな。仕方なくだ」
小町「ふーん、ま、頑張ってね!」
八幡「決まったもんはしょうがないが、明日からどうすればいいのかさっぱりわからないんだが……」
小町「お兄ちゃんあての神樹ヶ峰女学園からの封筒が来てたよ。そこにいろいろ書いてあったよ」
八幡「小町ちゃん?勝手に人の郵便見ちゃダメでしょ、てかその封筒どこ」
小町「そこの机の上。でもお兄ちゃんのこと心配してるから封筒開けちゃったんだよ?あ、今の小町的にポイント高い!」
八幡「はいはい、高い高い」
9 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/07(水) 00:21:26.84 ID:G7Np97Dd0
八幡「しかし、ここまでとんとん拍子で事が進んでいくと逆に怖いな。何か裏を感じる」
小町「大丈夫だよお兄ちゃん。そんなことは絶対ないから」
八幡「小町……」
さすが我が妹。兄を元気づけるなんてできた子
小町「お兄ちゃんをだましても相手側になんの得もないもん。だからお兄ちゃん安心して」
八幡「小町、さすがにそこまで言われるとお兄ちゃん傷つく」
とはいえ小町の言うことももっともなので少し安心して封筒の中身を見る
入っていたのは一枚の紙
「比企ヶ谷八幡君。この手紙を読んでくれているということは神樹ヶ峰女学園に来てくれるということですね。ありがとうございます。とりあえず初日は9時に校門で待ち合せましょう。詳しいことはお会いしてからお話しします。神峰牡丹」
これだけ?え、ほんとに?あっさりしすぎてない?
八幡「ずいぶん簡単な指示しか書いてないな」
小町「着いてからのお楽しみってことでしょ?楽しみだねお兄ちゃん!」
八幡「何言ってんだ小町、こんなよくわからない指示だけで何が楽しみになるんだ。逆に行きたくなくなったまである」
実際のとこ気乗りしてないしな。なんでぼっちの俺が女子校に行かなきゃならないんだ……ぼっちはぼっちらしい生活というものがあるのに。例えば?寝るとか読書とか妄想とか?
小町「ごちゃごちゃうるさいなぁ、いいから明日はその手紙の時間に遅れないようにね!わかった?」
八幡「……はい」
10 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/07(水) 01:00:14.32 ID:G7Np97Dd0
翌日、なぜかテンションが高い小町にせかされ家を追い出された俺は時間より少し早く校門に着いてしまった
八幡「ここが神樹ヶ峰女学園か。確かにでかい木があるな。」
校門からでもはっきり見えるほど大きな樹が校舎の真ん中から生えていて、校舎全体を覆うように枝を伸ばしている。
八幡「ここにこれから通うのか。しかも教師として。考えるだけで憂鬱になってきたな……」
今頃総武高校では何が行われているのだろう、朝のHRの時間か、まぁ俺はいてもいなくても変わらないしどうでもいいか
「あのー、」
あ、でも今日の朝は戸塚としゃべれなかったなぁ、戸塚の天使の笑顔を見ないと一日が始まる気がしない、むしろ終わるまである
「あのー、すみません」
いや待てよ、よく考えたら毎日朝からここに通うとなると俺は戸塚と会えなくなるってことにならないか!?これは非常に重要な問題だ。俺の心のオアシスである戸塚成分が補給できなくなるということは俺の生死にかかわってくる、なんとかしてこの交流を早く終わらせなければ、
「あのー!すみません!」
あぁ、意識したら戸塚に会いたくなってきた、戸塚の笑顔が見たい、戸塚の声が聴きたい、戸塚戸塚
「あの!!すみません!!」
八幡「戸塚!」
「うわぁ!びっくりした!いきなり大きな声出さないでくださいよ、比企ヶ谷くん」
いきなり名前を呼ばれたので声のした方を見てみると赤い髪のボブカットの美少女がいた。
なんでこんな可愛い子が俺の名前知ってるの?新手の詐欺?「触らぬ神に祟りなし」だ、ひとまず無視するに限る
「ちょっとー!聞こえてますよね?無視しないでくださいよ比企ヶ谷くん!」
間違いない、向こうは俺のことを知っている。でも俺はこの子のことを知らない、こんな可愛い子と関わりがあるなら覚えてるはずなのにな、むしろ自分の人間関係薄すぎてすべての関係を覚えてるまである。我ながら今のは気持ち悪いな……
八幡「あぁ、ごめん。で、君誰?何してるの?」
みき「私は星月みきです!比企ヶ谷くんを迎えに来ました!ようこそ、神樹ヶ峰女学園へ!これから私がこの学校のことをいろいろ教えてあげますね!」
11 :
◆JZBU1pVAAI
[saga sage]:2016/12/07(水) 01:15:23.15 ID:G7Np97Dd0
比企ヶ谷ではなく比企谷でしたね。今気づきました。今後直します
12 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/07(水) 11:46:25.20 ID:G7Np97Dd0
八幡「お、おう」
いきなりこんなにフレンドリーに話しかけてくるなんて、こいつカースト上位層の人間だな。普段なら関わらないでいたいところだが、今は彼女に頼らなければどうしようもない
みき「じゃあ早速行きましょう!」
ということで星月みきに連れられ学校の中を案内してもらうことに
みき「さっきはびっくりしましたよ!私が話しかけても全然反応しないのにいきなり大きな声出すんだもん」
八幡「あ、あぁ、すまん」
みき「でも比企谷くんも大変ですね、交流とはいえ1人で、しかも女子校に来ることになるなんて。」
八幡「あ、あぁ」
みき「でも心配はいらないですよ!ここのみんなはとっても明るくて優しくていい人たちばかりだから!」
八幡「あ、あぁ」
なにこの地獄、見知らぬ女の子と2人で歩きながら会話をするなんてぼっちにとっては苦行でしかない。現に、「あぁ」と「すまん」しか言えてない。
みき「さ、着きましたよ!まずは先生に挨拶してください!」
あ、これはまずい。確か平塚先生が顔見知りとか言ってたよな。あの人と飲みに行くような関係、しかもその場のノリでこの交流を決めるような人がまともなわけがない。
八幡「ちょ、ちょっと待てくれ、少し心の準備をだな」
みき「八雲先生!御剣先生!比企谷くんが来ましたよ!」ガラッ
13 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/07(水) 14:38:19.92 ID:G7Np97Dd0
開いたドアの先にはやたらとたくさんの難しそうな機械が大きな木を囲むように並んでいて、その機械の1つのところに二人の教師がいた。1人は青髪ショートカットで赤い縁のメガネをかけた、いかにも真面目そうな人。もう1人は長い金髪で白衣を着たちょっと怖そうな人。
樹「みき、ありがとう。それであなたが比企谷八幡くんね。初めまして、私は八雲樹です。これから、よろしくお願いしますね。」
風蘭「あんたが比企谷八幡か。アタシは御剣風蘭、よろしくな」
八幡「総武高校から来ました比企谷八幡です。よろしくお願いします」
風蘭「しかし、あんたも災難だったな、アタシたちの思いつきからこんなことに巻き込まれてな」
八幡「あ、いえ、別にそんなことは」
樹「そうよ、風蘭。その言い方だと罰ゲームのように聞こえてしまうわ」
風蘭「でもあの時の雰囲気はそんな感じだったろ。静が比企谷の話ばかりするからそんなに言うならアタシたちも見てみたいってなったからこうなったわけだろ?」
樹「あ、あの時は3人ともだいぶ酔っ払ってたから軽いノリになったけど、そのあとは真面目に計画を立ててたわ」
これ2人とも平塚先生の知り合いなのかよ。つか飲みの場でも俺の話をするのやめてくれないかな平塚先生、この2人に何をしゃべったのかすごく気になるが、怖いから聞くのはやめておこう
樹「では比企谷くん。さっそくここの説明をしますね。ここは神樹ヶ峰女学園の「ラボ」という場所です。ここでイロウスの探知や、武器の作成、神樹の管理など星守をサポートする場所です。」
八幡「はぁ」
ようするにここがこの学校の重要拠点なわけか。まぁ普通の学校にはこんな場所なんてないから当たり前だが
14 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/07(水) 15:08:51.52 ID:G7Np97Dd0
八幡「つかイロウスってなんですか?初めて聞いたんですけど」
樹「イロウスというのは詳しいことはわかっていない謎の生命体よ。そのイロウスがこの地球を制圧しようと人間たちを襲っているの。そのイロウスを倒せる力を持ってるのがこの学校の星守と呼ばれる少女たちよ。彼女たちのおかげでこの地球はイロウスに支配されなくてすんでいるの」
なるほど、状況はだいたいわかった。けど
八幡「なんで星月が今の話で満足そうにしてるんだよ」
御剣「そりゃ、そいつが星守だからに決まってるだろ」
え、なんだって?この子が星守?こんなか弱い子でも務まるの?もっとゴリゴリな霊長類最強女子とかがやるんじゃないの?
と、疑惑に思っていたことが顔に出ていたらしく、
みき「あぁー、比企谷くん信じてないでしょ!私だってちゃんと星守として戦えるんですよ!」
八幡「いや、だってそんなよくわからないものと戦うんだからもっと強そうな人を想像するだろ普通……」
樹「いえ、みきは星守としてかなりの力を持っていることは本当ですよ、比企谷くん」
みき「えへへ〜」
こうやって褒められて素直に照れてるこの子がよくわからない生物と戦うなんてやはり想像できない、などと思っていた時、
ブーブーブーブー
突然警報音のようなものが鳴り始めた。なにこれどうなってんの?
樹「イロウスの反応だわ!」
風蘭「あぁ、すぐに転送装置の準備を始める。2人も準備しろ!」
みき「はい!」
おぉ、みんなさっきまでとはまるで別人だな。
みき「比企谷くん!はやくこっちに!」
八幡「え、俺も?」
15 :
◆JZBU1pVAAI
[saga sage]:2016/12/07(水) 15:15:45.46 ID:G7Np97Dd0
補足です。
時代は俺ガイルと同じで現代ということにしてください。ただ、バトガの世界観は第二章がすべて終わって、詩穂も花音も仲間になっている状況で、地球に現れるイロウスを倒していくという本編とは離れた設定でやっています。
16 :
◆JZBU1pVAAI
[saga sage]:2016/12/07(水) 15:23:09.99 ID:G7Np97Dd0
さら補足。詩穂も花音もサドネも星守クラスにはいますが、バトガ本編のようなスペースコロニーや月、火星などの近未来の設定や、審判の日、地球奪還などの設定は無視しています。あくまで「現代の地球だけを舞台にして、人間を襲うイロウスと星守が戦う」というように補完をお願いします
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/07(水) 16:11:05.09 ID:porRn5TTO
要するに……?
18 :
◆JZBU1pVAAI
[saga sage]:2016/12/07(水) 23:54:13.32 ID:G7Np97Dd0
まとめると
世界観…現代の地球。火星やスペースコロニーなどバトガで出てきた地球外の居住可能エリアは存在しない。また、審判の日やその後の地球奪還などの地球外と関わるようなイベントも発生していない
神樹ヶ峰女学園…イロウスと戦う星守が通う学校。神樹のもとに建っていて、星守クラスやラボなどで星守をサポートしている
星守…昔からイロウスと戦ってきた少女。今は18人が星守クラスに在籍
イロウス…昔から地球を制圧しようとすしている存在。星守以外には倒せない。生態は不明。
比企谷八幡…原作と同じ
19 :
◆JZBU1pVAAI
[saga sage]:2016/12/08(木) 00:23:55.23 ID:VKkpR1Mr0
樹「はい、比企谷くんには現場で彼女のサポートをしてもらいたいと思っています」
八幡「いや、俺には無理ですって。何もわからないし、ただの足手まといにしかなりませんって」
風蘭「大丈夫だ、あんたも神樹に選ばれたんだ。何かの助けにはなるさ」
八幡「そんなこと突然言われたって」
樹「指示はこちらから出します。この通信機を持って行ってください。これでこちらと連絡が取れます」
八幡「え、いや、そういう問題じゃなくて、そもそも俺にできることなんてなにも」
風蘭「おい、そろそろ転送始まるぞ!」
みき「比企谷くん、さぁ行こう!」
俺は星月に手をつかまれ転送装置の上に連れていかれてしまった。あ、星月の手、小さいけど暖かいな……って感触を味わっている場合じゃない。こんなことになって無事に帰れる保証はどこにもない。早く脱出しなければマズイ
八幡「離してくれ、俺には無理だって」
風蘭「よくやった、みき!そのまま比企谷が逃げないように手を離すなよ」
樹「それじゃあみき、比企谷くん、頑張ってね」
みき「はい!いってきます!」
八幡「待ってk」
みき「大丈夫」
星月が手を握る強さを強めてきた。その強さにドキッとする
みき「比企谷くんは私が守るから」
八幡「星月……」
風蘭「転送!」
20 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 00:55:45.82 ID:VKkpR1Mr0
目を開けたら転送が終わっていたらしく、見たこともない荒野に俺と星月は立っていた。
みき「さぁ。早くイロウスを探してやっつけないと」
八幡「あ、あぁ。てかこの転送ってなんだよ、一瞬で知らない土地まで移動したぞ」
みき「神樹に認められた人は神樹の力を利用した転送装置で移動できるんです。比企谷くんも神樹に選ばれているから私と一緒に来られたんだよ」
何それ全然わからねぇ、神樹すげぇってことしかわからねぇ、マジ神樹やばいでしょー、激アツだわー。……いかんいかん一瞬戸部になってしまった
八幡「とりあえずこれからどうすればいいんだ?イロウスってやつを倒さないといけないんだろ?」
みき「はい。詳しい場所は八雲先生が通信で知らせてくれるんです」
そんなことを言ってると通信機が鳴りだした
樹「比企谷くん、みき、聞こえる?」
みき「はい!聞こえてます!」
八幡「はい、一応」
樹「よかったわ。ではこれからの行動の指示を出します。2人がいる場所から北にある村でイロウスが出現しているわ。そこへ向かってちょうだい」
みき「わかりました!」
樹「それと、もう1つ。比企谷くんはイロウスと戦う術を持っていないはずです。だからくれぐれも危ないことは控えてくださいね」
八幡「いや、それなら俺を学校に残しといたほうが良かったんじゃないですか?」
樹「これから星守をサポートするに当たって、自分自身で色々体験することは必ず役に立つわ。とにかく気を付けてちょうだい。みき、比企谷くんの事頼むわね
」
みき「はい!任せてください!」
樹「ふふ、では切るわね。また何かあったら連絡するわ」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/08(木) 07:54:06.46 ID:FOlcUnIB0
バトガSSとは貴重な…ありがてえ
八幡はあんことは気が合うだろうか、それとも同族嫌悪が働くだろうか
22 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 11:18:42.89 ID:56X/D1xEO
みき「イロウスの場所もわかりましたし、早く行きましょう!」
八幡「待て、星月。お前はそれでもいいかもしれないが、勝手に行動されると俺が1人になって困ることになる。それに村にイロウスが出現したとなると村民を助けることになるかもしれない。そういうことに備えて少し対策を考えてから行ったほうがいい」
みき「……」
八幡「な、なんだよ。どうした」
みき「うんうん、比企谷くんって優しい人なんだなって思って」
八幡「……そんなんじゃねぇよ。ただ俺は任された以上、できることをしたいと思ってるだけだ」
そう、俺にできることは頭を働かせること。ぼっち特有の1人で考える時間が長いことで鍛えられた頭を使うことで星月をサポートしていくことしかできない
みき「あはは、比企谷くんって面白いね!」
八幡「どこがだよ……」
みき「そういうところだよ!」
八幡「なぁ、そんなことより対策を考えよう。ひとまず俺は安全なところで待ってるから星月がなんとかしてくれ」
みき「いきなり人任せ?比企谷くんにも協力してもらわないとイロウスは倒せないよ」
八幡「なんでだよ、俺じゃイロウスは倒せないだろ」
みき「イロウスは大型イロウスを中心に複数の小型イロウスと集団で出現するの。大型イロウスを倒さないと集団は消えないから大型イロウスを優先的に探さないといけないの」
八幡「なるほど、イロウスにも種類があるのか。ならこうしよう。星月は村の人をイロウスから守ることを優先してくれ。俺がその間に大型イロウスを探し出して見つけ次第お前に場所を伝える。そしたら大型イロウスを倒しに来てくれ」
みき「うん、そうしよう。でもムリしないでね?八雲先生も言ってたけど、危ない時は逃げてね?」
八幡「当たり前だ。自分の身は自分で守る。ぼっちの常識だ」
みき「あはは、やっぱり比企谷くん面白い」
八幡「うるせぇ。じゃ行くぞ」
みき「うん!」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/08(木) 11:36:02.67 ID:oOmEUZsFo
どっちも好きだから嬉しい😃
24 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 11:41:48.22 ID:56X/D1xEO
八幡「しかし、いざ探すといってもイロウスがどんな形か知らなかったな」
みき「イロウスはね、色々な種類がいて犬っぽいのとか鳥っぽいのとかドラゴンっぽいのとか、他にも何種類か!」
八幡「待て、ドラゴンっていったか?そんなヤバそうなやつとも戦うのかよ…キツそうだな…それにそんなに種類がいるなら口で言われてもどれがイロウスなのかわからねぇな」
みき「そうだねぇ、確かに実際に見てもらうのが1番わかりやすいかな。あ、そこにいる犬っぽいのがロウガ種ってイロウス!」
八幡「へぇ、意外と小さいんだな。これなら俺でも倒せそうだな」
みき「小型イロウスだからね。でも小さくてもイロウスはイロウスだから、私たち星守じゃないと倒せないよ〜」
八幡「ほーん、そういうもんなのか。……って」
2人「あぁぁぁぁ、イロウスぅぅぅ」
25 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 13:27:31.67 ID:56X/D1xEO
どどど、どうしよう。まさかこんなに早くイロウスとご対面するとは…考えろ考えろ、どうやってここを切り抜ける、今すぐ走って逃げればなんとかなるか…?いや、逃げてもどうせ倒すんだし、
みき「はぁぁぁ!」
ザシュッ
うぉっ、イロウスが一瞬で消えたぞ。何が起こったんだ?
みき「ふぅ、ちょっとびっくりしちゃって変身するのが遅れちゃったよ」
星月が倒したらしいな。つか変身?星守はイロウスと戦う時変身するのか?セーラー◯ーンや◯どマギみたいに?それはかなり期待できるぞ。さぁ、いざ拝見!
八幡「おぉ星月お疲れ、って……うわぁぁ」
星月を見ると確かに変身はしてる。してるけども……
えー、正直期待外れだわー。制服も満足に隠せてないし。これが変身?なんかテキトーに付け足しただけじゃね?
参考画像
みき「なに、どうしたの比企谷くん。あ、この姿をまだ比企谷くんは知らなかったんだね。私たち星守はイロウスと戦う時、この星衣に変身するんだよ!」
八幡「あぁ、それは見ればわかるんだが」
なんてったってなんか残念な感じがするんだよなぁ、この星衣……もう少しどうにかならなかったの?
26 :
◆JZBU1pVAAI
[saga sage]:2016/12/08(木) 13:31:39.83 ID:56X/D1xEO
補足です。
星守たちの星衣は現段階では星衣フローラではなく、この星衣しか持ってないことにしてください。
多分星衣フローラも追い追い出します
27 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 17:08:09.26 ID:56X/D1xEO
みき「それで、星衣を纏うと一緒に武器も出てくるんだ。私はソードだけど他にはスピア、ハンマー、ロッド、ガン、ブレイドカノン、ツインバレットなんかがあるんだよ」
八幡「へぇ」
武器はまぁまぁ種類あるんだな。でも星衣がちょっと残念すぎてあまり話が入ってこなかったけど……詳しいことはまた今度聞くか
みき「さ、急がなきゃ。ここにイロウスがいるってことはその集団も近くにいるはずだから」
八幡「だな」
てかその星衣のままで行くのね。俺なら恥ずかしくて絶対ムリだわ……
そして村に着くと
みき「村っていってもほんとに小さな村だね。人もほとんどいないから被害も少なそう」
八幡「よし、じゃあ星月はこの村の人たちの安全を確保してくれ。俺は見晴らしのいいところから大型イロウスを探す。で、大型イロウスってどんなやつ?」
みき「さっきいたロウガ種の大きいサイズだよ。だいたい象くらいの大きさかなぁ」
デカっ、そしてこわっ。そんなのがここらへんウロついてるの?絶対会いたくない、会ったら即、来世に良い人間に生まれ変わることを神様にお願いするまである
八幡「マジかよ、そんなデカイのか。まぁそれなら逆に見つけやすいかもな」
星月「うん、だから私もここの村の人の安全を確保したら大型イロウスを探しに合流するね」
八幡「あぁ、わかった」
できれば俺は何もせず、星月に全てをさっさと片付けて欲しいところだが、果たしてどうなるだろうか
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/08(木) 20:19:57.19 ID:FOlcUnIB0
なんでや!初期星衣の中ではフェニックスはカッコイイほうやろ!
29 :
◆JZBU1pVAAI
[sage]:2016/12/08(木) 21:12:09.03 ID:VKkpR1Mr0
すいません、星衣については
>>1
の個人的な考えを反映させてしまいました…
30 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 21:15:24.32 ID:VKkpR1Mr0
星月と別れ俺は大型イロウスを探すために村はずれの見晴らしのいい丘に着いたが
八幡「…あれだな」
さすがに象サイズの大きさの生き物をこの小さい村で探すんだ。すぐ見つかるに決まっている。けど
八幡「あれ、明らかに象より大きいよな?それにさっきの犬っぽいやつがそのまま大きくなったにしては横幅がデカすぎないか?」
そんなことを思ってると通信機が鳴り出した
あぁ、これはヤバイやつですね絶対。悪い知らせが来るパターンだ。出たくねぇなぁ、でも出ないともっとヤバイよな…
八幡「はい、比企谷です」
樹「比企谷くん、ちょっとマズイことになったわ。予想外の大型イロウスが…………れて………まま……」
八幡「あの、八雲先生?聞こえないんですけど」
樹「……ザザザ…………」プツン
切れた。切れてしまった。この状況は非常にマズイ。ベタすぎるかもしれない展開だがマズイものはマズイ。ひとまず星月に連絡をしなければ
八幡「もしもし星月、聞こえるか、星月」
やはり通信機が使えない。そうなると星月はこの状況を理解していない可能性がある。通信機が使えない以上、合流してわかってる範囲で状況を伝えなければならないだろう
八幡「行くしかないか。直接村に」
31 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 21:51:46.95 ID:VKkpR1Mr0
さぁ、星月はどこにいるか探すか、って探すまでもないな
八幡「絶対あそこだ…」
やたらと土煙が立って、たまに赤い炎が上がってる。絶対あれだ。でも、俺今からあそこ行くの?死にに行くようなもんじゃないか?でも行って状況を伝えないと大型イロウスは倒せないしなぁ
八幡「行くしかないのか、あそこに…」
覚悟を決めろ、漢八幡。この状況を打開しないと愛しの我が家に帰れないぞ
八幡「うし、行くか」
念のため最後にもう一度大型イロウスの居場所を確認してから行くか
八幡「あそこだな。って、誰かいないか?」
よく見るとイロウスの集団の近くに1人の小さい女の子がいる。幸いお互いにその存在には気づいていないようだが、危険なことに違いはない
八幡「マジか…まずあの子を助けなきゃいかんか」
怖いものは怖いが、見つけてしまった以上自分が行くしかない。あの子を保護してすぐ隠れよう。それしかない、てかそれ以外できない
八幡「こういうことは俺のキャラじゃないんだが…」
俺は村へ走り出した
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/08(木) 22:18:21.30 ID:FOlcUnIB0
>>29
いや、ごめん、ただのネタ発言だから真面目に謝らなくていいよ
他と比べたらいいほうだと思うだけで初期星衣がビミョーだというのは同意
33 :
◆JZBU1pVAAI
[saga ]:2016/12/08(木) 22:34:45.25 ID:VKkpR1Mr0
ひとまずさっき女の子がいたところまで走って来たが
つ、疲れた…息上がってしんどい…普段身体を動かさなかったツケがここできたか…だが今はそんなことを言っている暇はない。早くあの子を探さなければ
八幡「いったいどこにいるんだ…」
周りを見渡していると、地面でやたらとキラキラ光っているものがあることに気づいた
八幡「なんだこれ、……石?」
小さいが綺麗な丸型の宝石のような石だ。なんか高そうだなこれ。あとで村の人に持ち主聞いてみるか
「あ!見つけた!それあたしの大事な宝物の石!」
声のする方を振り返ると丘の上で見つけた女の子が俺の前に立っていた
少女「その石私のなの!お願い、返しておにいちゃん!」
八幡「わかったわかった、そんなに大きな声で言われなくても返すよ…」
俺は光る石を少女に手渡した
少女「よかった。さっきからずっと探してたんだ。拾ってくれてありがとう、おにいちゃん」
八幡「あぁ、それはいいんだが、今ここらへんはとっても危ないんだ。急いで逃げた方がいいぞ」
少女「危ない?なんで?」
八幡「こわくて大きな動物がいっぱいいるんだ。だからおにいちゃんと一緒に早く逃げような」
少女「へー、そのこわい動物はどこにいるの?」
八幡「多分あっちのほうだ。だから逆の方向に逃げような」
少女「すごい!あたしその動物見てみたい!」
少女は言うが早いが大型イロウスのいる方に走ってしまった
八幡「おい、マジで危ないって。戻れ!」
イロウスのいる方向なんて教えるんじゃなかった…だけど後悔してももう遅い。早く追いついて連れ戻さなきゃならない
八幡「くそっ」
俺はまた走り出した
34 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 23:47:20.27 ID:VKkpR1Mr0
少し走ってなんとか少女を捕まえることができたが、
少女「見て見ておにちゃん!ほんとにおおきな動物だね!」
時すでに遅く、少女は大型イロウスを見つけてしまっていた。だが、大型イロウスのほうはまだ少女に気づいていない。冷静になれ俺、ここでイロウスに気づかれたら終わりだ。慎重に慎重に
八幡「さぁ、いい子だからここから離れよう。この動物は本当に危ないんだぞ。さて、おにいちゃんはもうあっち行くからなぁ」
少女「待って!あたしも一緒に行く!」
少女は俺の言葉を聞いてこっちへ歩いてきた
よし、なんとかこの子を連れ出すことができた。あとは見つからないように星月のいる方角へ逃げるだけだ
八幡「うん、いい子だ。じゃあおにいちゃんと行こうか」
少女「うん!あ、おにいちゃん!あそこに小さな動物がいっぱいいるよ!」
恐る恐る少女が指さす先を見ると
八幡「ウソだろ…」
今にもこちらに襲い掛かろうとしている小型イロウスの群れがいた
八幡「やばい。早く逃げるぞ!」
俺は少女を担ぎ上げるとイロウスがいない方へ全速力で逃げた
少女「あはは!速い速い!」
これは最悪の事態だ。こうならないために先に村の人の安全を確保したかったのに、結果非常にまずいことになってしまった
八幡「くそっ、どうにかして逃げきらなきゃ」
後ろを振り返るとこの騒ぎで大型イロウスまでもが俺たちの存在に気づいたらしく、すさまじい唸り声をあげてこっちへ向かってきた
八幡「万事休すだな…」
そしていつの間にか逃げる方角には小型イロウスが数匹俺たちを待ち伏せている。だが、もう逃げ道は残されていない
せめてこの子だけでも逃がしてやりたいが、これまでこの子を抱えて走ってきたことで体力は残っているわけもなく、打開策を考えることもできない
八幡「はは、俺の命もここまでか…」
まぁ少女を守りながら死ぬってのも悪くないかな…ぼっちな俺にしてはいい最期だろう
「やぁぁぁ!」
ザシュザシュザシュ!
一瞬にして目の前の小型イロウスの群れが消えた
「ダメだよ比企谷くん諦めたら。言ったよね?比企谷くんは私が守るって」
八幡「星月……」
みき「遅れてごめんね比企谷くん。でももう大丈夫だよ!私がイロウスをやっつけるから!」
35 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/08(木) 23:56:05.25 ID:VKkpR1Mr0
>>34
の訂正
少し走ってなんとか少女を捕まえることができたが、
少女「見て見ておにちゃん!ほんとにおおきな動物だね!」
時すでに遅く、少女は大型イロウスを見つけてしまっていた。だが、大型イロウスのほうはまだ少女に気づいていない。冷静になれ俺、ここでイロウスに気づかれたら終わりだ。慎重に慎重に
八幡「さぁ、いい子だからここから離れよう。この動物は本当に危ないんだぞ。さて、おにいちゃんはもうあっち行くからなぁ」
少女「待って!あたしも一緒に行く!」
少女は俺の言葉を聞いてこっちへ歩いてきた
よし、なんとかこの子を連れ出すことができた。あとは見つからないように星月のいる方角へ逃げるだけだ
八幡「うん、いい子だ。じゃあおにいちゃんと行こうか」
少女「うん!あ、おにいちゃん!あそこに小さな動物がいっぱいいるよ!」
恐る恐る少女が指さす先を見ると
八幡「ウソだろ…」
今にもこちらに襲い掛かろうとしている小型イロウスの群れがいた
八幡「やばい。早く逃げるぞ!」
俺は少女を担ぎ上げるとイロウスがいない方へ全速力で逃げた
少女「あはは!速い速い!」
これは最悪の事態だ。こうならないために先に村の人の安全を確保したかったのに、結果非常にまずいことになってしまった
八幡「くそっ、どうにかして逃げきらなきゃ」
後ろを振り返るとこの騒ぎで大型イロウスまでもが俺たちの存在に気づいたらしく、すさまじい唸り声をあげてこっちへ向かってきた
八幡「万事休すだな…」
そしていつの間にか逃げる方角には小型イロウスが数匹俺たちを待ち伏せている。だが、もう逃げ道は残されていない
せめてこの子だけでも逃がしてやりたいが、これまでこの子を抱えて走ってきたことで体力は残っているわけもなく、打開策を考えることもできない
八幡「はは、俺の命もここまでか…」
もう足に力が入らず、俺はその場に座り込んでしまった
まぁ少女を守りながら死ぬってのも悪くないかな…ぼっちな俺にしてはいい最期だろう
あぁ、イロウスがやってくる。押してダメなら諦めろ、なんていつも考えてたが、いざ諦めるとなると自分の力のなさがひどく恨めしく思われる。自分でもっとなんとかできたらと思う
でも、もう、どうしようもない
俺は目を閉じた……
「やぁぁぁ!」
ザシュザシュザシュ!
一瞬にして目の前の小型イロウスの群れが消えた
「ダメだよ比企谷くん諦めたら。言ったよね?比企谷くんは私が守るって」
八幡「星月……」
みき「遅れてごめんね比企谷くん。でももう大丈夫だよ!私がイロウスをやっつけるから!」
36 :
◆JZBU1pVAAI
[sage]:2016/12/09(金) 00:01:27.53 ID:V7B4xRuS0
書きためもせず、ほぼその場で考えて書き込んでるのでこういう訂正がこれから先山ほど出てくると思います
なるべくしないようにしますが、SS初めてなのでそれでも読みにくいと思います。そういうところは都合よく脳内補完してくださると助かります
37 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/09(金) 08:46:05.54 ID:8YFqUn0vO
八幡「どうして俺がここにいるってわかったんだ?」
みき「だって大型イロウスがあんなに暴れてるんですよ?誰かが襲われてるって思うのは当たり前ですよ!」
はは、確かに…
そんな当たり前のことすら考えられなかったのか、俺は
みき「比企谷くん大丈夫ですか?ケガとかないですか?」
ぼーっとしてる俺を心配したのか星月が声をかけてきた
八幡「あぁ、ちょっと体力が切れかけてるがケガはないし、大丈夫だ。」
みき「わかりました。でも私が来たのでもう大丈夫です。ゆっくり休んでてください」
八幡「悪いがそうさせてもらおうかな。この子も守らないといけないし」
そう言って俺は少女の頭を軽く撫でた
少女は満足そうに目を細める
みき「あ……」
星月が俺が少女の頭を撫でてる光景をなぜかじっと見つめてくる。え、なに?お兄ちゃんスキルがオートで発動しちゃっただけだから。別に他意はないからね?千葉のおにいちゃんはだいたいこうだからね?
八幡「なんだよ」
みき「……ふぇ?いや、な、なんでもないですよ。さぁ、イロウスを倒しにいかなきゃ」
星月はそう言うと大型イロウスのほうに向かい直した
みき「それじゃ、いってきますね」
八幡「あぁ、頼む」
星月はイロウスに向かって走り出した
少女「ねぇ、おにいちゃん。おにいちゃんさっきまでと違って笑ってるね」
八幡「え?」
俺は気付かないうちに笑っていたらしい。なにそれ気持ち悪い。だからさっき星月は俺のほうを見てたのか
少女「なんかさっき抱っこされてた時はおにいちゃん怖かったけど、あのお姉ちゃんが来てからおにいちゃん、なんか暖かくなった」
……そうか。俺はあいつが来て安心したんだ。イロウスに囲まれて絶望してた俺はあいつが来たことで希望を見出したんだ
でもなぜだ?会ってまだ数時間と経たないあいつが来ただけでなんで俺は安心できたんだ?
この状況はなにも好転していないというのに
だけど今は、この不思議な気持ちに身を委ねるのも悪くない。俺はもう一度少女の頭を軽く撫で
八幡「ちゃんと見てるんだぞ。あのお姉ちゃんがなんとかしてくれるからな」
少女「うん!」
38 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/09(金) 14:28:31.62 ID:xfgxMo2GO
みき「炎舞鳳凰翔!」
星月は剣に炎を纏わして大型イロウスを攻撃する
みき「まだまだ!」
星月は大型イロウスに向かって剣を振り続ける
だが、これまでの小型イロウスに通じていた攻撃も、大型イロウスにはあまり効果がないように思える
それに、大型イロウスの攻撃も凄まじく、星月が距離を少しでもとると周りの岩を飛ばしす攻撃や、地面を叩いて揺らす攻撃が星月を襲う
そして1番の問題は
みき「はぁ、はぁ、はぁ」
星月自身の体力もかなり限界がきている。このまま戦っても星月が不利だ。打開策は無くはないが、今の状況では使えない。どうすれば
39 :
◆wBht5q5mtA
[saga]:2016/12/09(金) 17:53:41.02 ID:xfgxMo2GO
少女「おにいちゃん…お姉ちゃん大丈夫かな?」
八幡「……」
少女「おにいちゃん?」
…なにをためらってるんだ俺は。諦めるなってさっきあいつに言われたろ
俺は……
ほんの少しでもいいから、あいつの力になってやりたい。
八幡「おにいちゃん、今からお姉ちゃんのこと助けに行ってくる。ここでいい子で待ってることはできるか?」
俺は自分に言い聞かせるつもりで言葉をゆっくり紡ぎ出す
少女「うん!おにいちゃんのこと待ってる!」
八幡「あぁ」
問題。自分1人では勝てない敵とどう戦うか
答え。戦わない
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sagasage]:2016/12/09(金) 19:38:30.17 ID:BctkwbrVo
いけ!イロハスをぶっ殺せ!
41 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/10(土) 00:46:41.03 ID:CnB9VT9k0
俺は大型イロウスと戦う星月のもとへ駆け出した
八幡「星月!」
みき「比企谷くん?何やってるの!?ここは危ないから早く逃げて!」
八幡「俺の話を聞け星月。この状況を打開する策を考えた」
みき「策?ほんとに?」
八幡「あぁ」
俺は自分の策を星月に説明する
八幡「打開策は…ひたすらあいつの攻撃をよけることだ」
みき「え!?それじゃあイロウスに勝てないよ!?」
八幡「いいから最後まで話を聞け。俺は星月とイロウスの戦いを見て、あいつの攻撃パターンを観察してた。あいつの攻撃パターンは3種類だ。片手を前方へ振り回す攻撃。両手で地面をたたいて揺らす攻撃、周りの岩を投げ飛ばす攻撃だ。この中で、片腕を前方へ振り回す攻撃だけはやつの腕が届く範囲以外、周りへの被害がなく、回避しやすい」
みき「それなら回避してから後ろや横から攻撃してもいいんじゃ…」
八幡「するとあいつは周囲を攻撃するために地面を揺らしてくる。結果、こっちはやつから距離をとることになり、また地面を揺らされたり、岩を投げられたりして攻撃を避けづらくなったり、被害が拡大したりすることになる」
みき「なるほど…」
八幡「それに攻撃するとしても肝心のお前が体力切れで、まともにあいつにダメージを与えられないだろ」
みき「う、それはそうなんだけど…でも、そしたら私たちはただイロウスの攻撃をよければいいの?」
八幡「そうだ。あいつは腕を振り回す前に上に腕を上げる。そのタイミングで腕の届く範囲外に避ければ当たらずに済む。だが、この策を実行するためには常にはイロウスの目の前にいないといけない。そうしないとあいつは腕を振り回す攻撃をしてこないからだ」
みき「攻撃をよける方法はわかったよ。でもそうすることでどうやってあのイロウスを倒すの?」
八幡「それは……」
みき「それは?」
八幡「援軍待ちだ」
みき「……え?」
八幡「考えてみろ。ここにいるのは体力切れのお前と、ただのぼっち男子高校生の俺と、さっきの女の子だ。俺らだけではどうやったってあいつには勝てっこない。だが、俺らがここで時間を稼ぐことが出来れば必ず神樹ヶ峰女学園から助けが来る。現に、八雲先生はここの状況が普通じゃないことをわかっている。必ず向こうで対策を立てているはずだ」
この策は現状考えうる範囲でできる最適解だろう。イロウスの攻撃をよける手段も現実的で、かつ助けが来る可能性も高いはずだ
みき「…ふふっ、あはは!」
八幡「な、なにがおかしいんだよ」
みき「えへへ、だって打開策っていうからどんなすごい作戦なのかと思ったら、ひたすら逃げて助けを待つことだったんだもん」
八幡「……俺だって必死に考えたんだぞ」
みき「それはわかってるよ。だって」
星月が俺の顔を見つめてくる。
みき「希望を信じる目をしてるから」
八幡「…この腐った目をそんな風に言われたのは初めてだ」
みき「あはは!やっぱり比企谷くん面白い!」
八幡「だからどこがだよ…」
みき「そういうところだよ!」
八幡「わからん…」
ホントこの子わからない…俺の何が面白いの?からかわれてるの俺?
みき「さ、じゃあ今から逃げて逃げて助けを待ちましょう!」
八幡「…あぁ」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/10(土) 12:04:35.85 ID:FpWcKXVY0
奉仕部アンチか葉山グループに制裁あるなら支援ww
43 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/10(土) 20:43:56.25 ID:qnLXjnu4O
作戦を立てたはいいが、実際イロウスの前に立つと
…マジデカイ、マジコワイ。なにこれ、生き物ってよりもちょっとした山っていったほうが正しくない?大型っていっても限度があるぞ
っと、怖気付いてる暇はない。早速作戦決行だ
八幡「よし、逃げるぞ」
みき「うん!」
俺たちはイロウスの視界に入るように逃げながら攻撃の兆候を待つ
そして少しするとイロウスが片手を上に上げた
八幡「今だ、やつの腕より遠くまで逃げろ!」
言うが早いが、俺たちはイロウスの前から逃げる
その直後イロウスは片手を振り回すが、俺たちには当たらない
みき「やった!成功したよ!」
八幡「気を抜くな星月。すぐやつの目の前に戻るぞ」
みき「わ、わかった!」
そして俺たちはイロウスの目の前に走り、再びやつの注意を引きつける
みき「また腕を上げたよ!」
八幡「逃げるぞ!」
俺たちは体力の切れた体を懸命に動かしてイロウスの注意を引き続ける。
こうやって時間を稼げれば必ず助けがくるはず。それまでの我慢だ
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/11(日) 09:49:56.69 ID:1woHvZcgO
他作の女子キャラレイプするのが大好き八幡豚
なお他作の男子キャラとガイル女子キャラを絡ませると発狂する模様
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/11(日) 10:31:56.58 ID:KzJcQSVQo
おっつおっつ
冬デートみきかわええんじゃ〜
46 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/11(日) 17:50:51.76 ID:Jw/xRcNSO
みき「でも、こうやって避け続けるのもかなり大変だね…」
確かにさっきまで物陰に隠れてた俺はまだしも、星月は小型イロウスと戦ってからさらに大型イロウスの攻撃に耐えていたんだ。動くだけでもキツいだろう。
現に俺の体力はもう恥ずかしながら限界です…
八幡「俺もキツいがここで止まると確実にやられるぞ。逃げ続けるしか道はない」
みき「そうだね」
と、そこにイロウスの攻撃がくる。
だが、俺は話すことに気を取られて腕の長さを見誤ってしまい足に少し攻撃を食らってしまう。
八幡「うぁっ」
逃げようと立ち上がろうとするが足に痛みが走る。
47 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/11(日) 17:51:34.02 ID:Jw/xRcNSO
みき「大丈夫?比企谷くん??」
立てない俺に気づいた星月がこちらへ走ってくる
だが、すでにイロウスは片腕を腕に上げて攻撃しようとしてくる
八幡「来るな、星月!」
だが星月は俺の言うことを聞かずに俺とイロウスの間に入り、イロウスの攻撃を受けて吹き飛ばされてしまう
みき「きゃぁ!」
八幡「星月!」
俺は痛む足を引きづって星月のもとへ向かう
八幡「星月!星月!」
みき「大丈夫だよ比企谷くん。星衣のおかげでそこまでひどいダメージは負ってないから。逆に比企谷くんのほうがケガがヒドイよ。もう走れないんじゃない?」
八幡「……」
確かに俺は星月の言う通りもう走れない、じっとしていても痛むくらいだ
みき「だから私がここでイロウスの攻撃を食い止める片腕だけならなんとかなるかもしれない」
八幡「それは無茶だ、星月。もうお前も疲れ切ってるはずだ。いくら星衣があるからといっても攻撃を受ければ死んじまうぞ!」
みき「だからって比企谷くんを見捨てることはできない!」
そう言って星月は俺の前から動こうとしない
…くそっ、俺が攻撃を避けていればこんなことにはならなかったのに、これじゃあ2人ともすぐやられてしまう…
もう俺がイロウスの囮になって星月を逃すしかない、なんとかしてここから動かなきゃ
少女 「おにいちゃん達をいじめないで!」
八幡「……!」
いつの間にか少女がイロウスの横にいて、声をあげている。ど、どうしてあの子がここに?
八幡「逃げろ!今すぐ遠くへ!」
少女「イヤ!」
イロウスも少女に気付いたらしく少女のほうへ向き直る
みき「ダメ!」
星月は自分に注意を引きつけようとイロウスを攻撃する、
八幡「やめろ星月!それは逆効果だ!はやくあの子を連れてやつの注意から外れろ!」
だが俺の声は聞こえていないらしく星月は攻撃を止めない。少女も動かない。
するとイロウスは俺たちをまとめて攻撃しようと両腕を上げる
…このままだと俺のせいで星月も少女も死なせてしまう、それだけは回避しなければならない。
八幡「うぉぉぉぉ!」
俺はイロウスに突進していった
48 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/12(月) 00:45:50.71 ID:fFPyD8rD0
俺の力じゃ毛ほども役に立たないことはわかってる。でもせめて俺自身の手で責任は取らせて欲しい。この俺の身体であいつらが助かるなら十分だ。
俺はイロウスに向けて拳を振り上げる
八幡「…衝撃のっ!ファーストブリットおぉ!」
イロウス「ぐぉぉぉ」
49 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/12(月) 00:47:14.18 ID:fFPyD8rD0
……ん?俺のファーストブリットはまだ届いてないぞ?なんでイロウスは怯んでるんだ?
「すみません、遅くなりました」
「大型イロウスはアタシたちが退治してやる!」
「おぉー、大きいねぇー!」
「こんなに大きいイロウスは珍しいですね」
「感想なんて後にしろ!今はみきたちを助けてイロウスを倒すんだ!」
「あら?みきちゃんだけじゃなくて他にも小さな可愛い女の子がいるわ〜」
「蓮華!イロウスに集中しろ!」
「いいからさっさとイロウス倒すわよ。ワタシまだクリアしてないゲーム残ってるから早く帰りたいし」
声のする方を見ると、星月と同じように星衣を纏った女の子たちが手に武器を持ってこちらへ向かってくる。おそらく星守の援軍たちだろう。
50 :
◆JZBU1pVAAI
[saga]:2016/12/12(月) 00:52:17.08 ID:fFPyD8rD0
そしてその中の2人がこちらへやってきた。1人は灰色の髪を三つ編みにまとめた女の子、もう1人は緑がかったショートカットの女の子。
遥香「みき、比企谷さん、けがはありませんか?」
八幡「お前らは…?」
遥香「私は成海遥香、あっちのショートカットの子は若葉昴です。私たちもみきと同じ神樹ヶ峰女学園の星守です」
参考画像
成海遥香
若葉昴
みき「遥香ちゃんはお医者さんを目指していて治療もできるんですよ」
遥香「応急処置程度ですが…みなさんのケガの処置をしたいと思います」
八幡「俺はいいから星月とあの子を…」
昴「この女の子にはケガは見当たらないよ」
みき「私も大丈夫」
八幡「よかった…」
遥香「よくはありません。比企谷さんが怪我をしてるじゃないですか」
八幡「いや、俺のケガは軽いし大丈夫だ。それに自分でイロウスの攻撃を避けられなかったことが原因だから…」
実際、軽い足の怪我だけで済んだのは不幸中の幸いだ。これで俺がもっと大ケガをしていたら星月もあの子も無事じゃいられなかったろう
遥香「言い訳は聞きません。ひとまず処置をします」
みき「遥香ちゃん、昴ちゃん、比企谷さんと女の子をお願いしてもいい?私、自分であのイロウスを倒したい」
昴「うん。わかった」
遥香「気をつけてね、みき」
みき「うん!」
そう言ってから星月は俺の方を向く
みき「じゃあ比企谷さん、今度こそイロウス倒してくるね」
八幡「…あぁ」
星月は俺の反応を聞いて笑顔を見せるとイロウスに向かって走っていった。
星月の剣に炎が宿る。その光景を見て
八幡「…頑張れ!星月!」
俺は思わず叫んでた
みき「炎舞鳳凰翔!」
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