【蒼の彼方のフォーリズム】【オリキャラss】 蒼の彼方に光が見えた

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226 : :2018/08/26(日) 12:49:10.64 ID:r27f1gqg0
 午前中の、補習とは名ばかりの通常授業を受けた後、FC部の練習が始まった。

 四月の終わりとはいえ、ゴールデンウィーク。海には観光客がいる。そのため、海での練習許可は夕方の限られた時間しかない。

 それまではランニングとか、反復横跳びをしてトレーニングする。

 ランニングは持久力、反覆横跳びは反射的な動きをするためのトレーニングだ。

 実際、左右に動くときの初動は反覆横跳びに似ている。フェイントをかけるときも、反復横跳びの要領で体重移動をするイメージらしい。そのままではないだろうけれど。

 そうしながら体育館が空くのを待って、体育館が空いたら高度制限をかけたグラシュで飛ぶ。

 颯汰、詩緒と一緒に先輩に混ざって飛ぶ。おおきくバランサーを切ったグラシュを自在に使いこなせるわけじゃないから、練習時には50%でなく10〜20%くらい切る程度だ。それでも、通常のグラシュで練習することすら疲れてしまうのに、いつも以上に体力と集中力を使う。

 大会は五月、中間テスト前。俺はそもそも、学校に設けられた出場枠の中から漏れるだろう。

 5人出場の団体戦。6、7人の個人枠。補欠も入れればもう少し。セコンドに入ることも、一年生ではないだろう。

 でも。だからと言って、練習をしないわけにはいかない。

 一足飛びに上手くなるのは、ビギナーズラック。初心者のまぐれだけ。そこからは才能がものを言うし、才能に追いつきたいなら努力しかない。

 無論オーバーワークなんてもってのほかだが、それまでは自分を追い詰めていかないと――あの光どころか、颯汰に抜かれ、詩緒にも勝てずじまいだ。

 ――負けなくない。追いつきたい。

 その感情を僅かでも知ってしまったのなら、もう俺は後戻りなんてできないんだ。

 勝ちたいから、上手くなりたいなから練習する。精神と体調が生まれて初めて同調し、今までにない成長感があった。
227 : :2018/09/02(日) 12:08:22.61 ID:AHQkX4yp0
 それから数日後。

 先生が呼んだコーチが、練習に参加する初日が来た。

 土曜日だが、帰省した生徒は部活に参加していない。詩緒は明日、家に日帰りするらしく、今日は参加で明日は参加せず。俺もそれを聞いて、同じスケジュールにしてみた。

 颯汰は昨日から帰っていて、日曜から練習に参加するらしい。部長と理亜先輩に連行される形だった。

 いつもよりかなり少ない参加メンバーでわいわい話していると、部室のドアがノックされ、音が響いた。坂巻先生だ。ぴたりと、話し声が止んだ。

洋行「皆さん集まって……は、いませんね。帰省組のことは聞いていますから、仕方ないですが。それでは、特別コーチの方、お入りください」

 入ってきたのは――

一成「はじめまして。……と、一部には久しぶり。仇州高藤学園FC部OB、真藤一成です。短い期間だけど、よろしく」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 17:27:46.46 ID:ojJxsWBHO
菜々「え?何を今更…」
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