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勇者「救いたければ手を汚せ」
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1 :
◆4RMqv2eks3Tg
[saga]:2016/11/25(金) 02:17:06.09 ID:9hSp9rlBO
符術師「何で…」
符術師「……何で、こんなことになっちゃったんだろう」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1480007826
2 :
◆4RMqv2eks3Tg
[saga]:2016/11/25(金) 02:20:09.81 ID:9hSp9rlBO
>>>>>>
魔女「って感じで、凄く楽しい7日間だったよ」
符術師「へ〜、そうですかぁ。あ〜あ、私も行きたかったなぁ…」チラッ
魔女「うっ…ごめん。やっぱり大変だった?」
符術師「いえいえ、ちょこちょことは出ましたけど、魔法具のお陰で楽でした」
魔女「本当? 早速役立ったみたいで良かった。刀匠さんにも改めてお礼を言わないと」ウン
符術師「言っておきますけど戦闘面では、ですからね? 本当に大変だったのは、その後です」
魔女「?」
符術師「杖の力が強過ぎるから、皆さん不思議に思ったんですよ」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:20:45.22 ID:9hSp9rlBO
魔女「あっ…そこら辺、気になったんだ」
符術師「当たり前ですよ!」
符術師「あの量。しかも、極めて質の高い武器を何処から仕入れたのか……」
符術師「あれを、たかが3日4日で作成するなんて精霊様でも到底不可能ですからね」
符術師「それはもう、質問攻めでしたよ……」
魔女「でも、乗り切ったんでしょ?」
符術師「乗り切ったというか、割り切ったというか……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:21:26.80 ID:9hSp9rlBO
魔女「割り切った?」
符術師「はっきり言うと、バレました」
魔女「は?」
符術師「一の杖も射出起動の指輪も、人間が作れる代物ではないですからね」
符術師「それに、武器に宿る魔力の質は、どう考えても人間のものではありません」
符術師「だとしたら答えは一つ。この武器は、魔神族が作ったものに違いない、と」
魔女「……魔術師って、頭が良いんだね」
符術師「何言ってんですか!! どんな馬鹿魔術師でも分かりますよ!!」
符術師「誤魔化しの利くような物を持ってくるかと思いきや!純然たる魔具じゃないですか!!」
符術師「全員集合した時の破壊力ったらないですよ!!なんですかあれは!?」
魔女「……私が居ないから全員じゃないじゃん」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:21:56.65 ID:9hSp9rlBO
符術師「ハイハイ!そうですね!!」
符術師「正確には一本足りないですよ!!それでも半端じゃない力でした!!」
符術師「戦闘好きな方々も、開いた口が塞がらないまま硬直してましたよ!!」
魔女「あ〜、いや…その、ごめんなさいでした」
符術師「はぁ…お願いですから、もう少し上手くやって下さいよぉ……」
魔女「……皆の反応はどうだったの?」
符術師「それはもう、様々でしたよ」
符術師「何の嫌悪感もなく、強力な武器が手に入って嬉しいと言う方もいれば……」
符術師「魔神族が作ったものだろうと、使える物なら使うまでだと、割り切った考えの方……」
符術師「正直使いたくもないけど、皆の力になるなら使う。こんな感じでしょうか」
魔女「……やっぱり、私から説明した方がいいよね。このままだと、いつか混乱を招くし」
魔女「いつまでも魔王のことを隠しておくのは、こっちにも向こうにも不誠実だしさ」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:22:24.06 ID:9hSp9rlBO
符術師「いえ、その必要はないと思いますよ?」
魔女「え、何でさ?」
符術師「『あの』魔神族が、魔神族を倒す為の武器を我々に与えたんですよ?」
符術師「それも、魔神族から人々を守る為に組織された我々に、です」
符術師「おそらく魔女ち…団長には、『私達の知らない魔神族』と繋がりがある」
符術師「そうでなくては、これだけの量の魔具を調達出来るわけがありませんからね」
符術師「ですから、最早語る必要もないでしょう。皆さん勘付いてますよ」
魔女「なら、やっぱりきちんと説明した方が
符術師「知りたくないそうです」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:27:11.87 ID:9hSp9rlBO
魔女「えっ…」
符術師「知ってしまえば、『彼等』を理解したくなる。理解しなければならなくなる」
符術師「彼等がどういう人物なのか知ってしまえば、これからの戦いに迷いが出る」
符術師「中には私怨から戦いに臨んでいる方もいます。ですから、訊くのは止そうと決めたんです」
魔女「それは、みんなが?」
符術師「はい。ですから、あまり心配しなくても大丈夫ですよ」
符術師「人間に対して友好的ではないにしろ、攻撃的ではない魔神族がいる」
符術師「未だ見つかっていないことから、おそらく、魔力探査の及ばない地下に隠れ住んでいる」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:29:12.66 ID:9hSp9rlBO
魔女「そこまで分かったの!?」
符術師「よくよく考えれば簡単に辿り着けますよ。馬鹿じゃないんですから」
魔女「うっ…」
符術師「この際言っておきますが、考え無しにも程がありますよ?」
魔女「も、申し訳ない……」
符術師「まあいいです。ですが、まだ話は終わっていません」
魔女「……はい」
符術師「皆さんは、団長が信頼しているならば、それでいいと言っていました」
符術師「だからこそ、それ以上のことは知る必要はないと、そう判断したんです」
符術師「団長は、私達を裏切るような行動は絶対にしない……」
符術師「それは、これまで共に戦って、共に過ごしてきたことで、皆さん分かっています」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:29:52.67 ID:9hSp9rlBO
魔女「…………」
符術師「ですので、『彼等』のことは、そっとしておこうということになりました」
符術師「私達が『彼等』を魔神族だからという理由で殺害すれば……」
魔女「人間というだけで殺害するような『私達の知っている魔神族』と同じになってしまう」
符術師「最初は冷静さを失った方もいましたが、今の言葉で何とか落ち着いてくれました」
符術師「完全に納得したわけではないですけど、そういった魔神族が居るということに一定の理解は示してくれました」
魔女「……そっか」
符術師「多少の嘘は吐きましたけどね」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:31:45.28 ID:9hSp9rlBO
魔女「嘘って?」
符術師「そんな大それた嘘ではないですよ?」
符術師「これを作ったのは、お伽話に出てくる妖精のような、小さく可愛らしい魔神族だとか色々……」
魔女「……まあ、髭を生やしたゴツイおじさんとは言えないよね」
符術師「ほら、見た目って重要じゃないですか」ニコッ
魔女「悪い顔だなぁ…でも確かに、小さな妖精だなんて言われたら躊躇うかもね」
魔女「実際、人が怖くて地下に隠れ住んでるわけだしさ」
符術師「ええ、出来れば顔を合わせないことを切に願います」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:32:52.82 ID:9hSp9rlBO
魔女「……良かった」
符術師「何がですか?」
魔女「鬼王と遭遇した日、符術師に全部話して良かったって思ってさ」
魔女「そうじゃなきゃ、今頃どうなってたか分かんないでしょ?」
魔女「人に危害を加えてないとしても、魔神族の手を借りるなんて言語道断」
魔女「真面目な話、魔神族から人を守る組織にあって、その行為は裏切りに違いない」
魔女「申し開きする間も与えられず、皆に殺されても仕方なかった」
魔女「皆が分かってくれたのは、符術師が私の言葉を信じてくれたからだよ」
魔女「何を馬鹿な…って言われれば、それまでだった……」
符術師「私だけの力じゃありません。皆さんも、必死に理解しようとしてくれしたから」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:33:34.10 ID:9hSp9rlBO
魔女「……大変だったよね。ありがと」
符術師「お礼なんていいんです。出来ることをしたまでですから」ウン
符術師「それよりお疲れでしょう? 今日はもう休んだ方がいいです」
魔女「疲れてるのは符術師も同じでしょ?」
符術師「……分かります?」
魔女「当たり前だよ。だって、すっごい隈あるしさ」
符術師「それは魔女ちゃんも同じですよ。人のこと言える顔じゃないです」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:34:02.52 ID:9hSp9rlBO
魔女「まあ、色々あったから…」
符術師「あっ、忘れてました」
魔女「?」
符術師「隈があったら張っ倒すって言ってましたけど……宣言通り、張っ倒します?」ニッコリ
魔女「うわっ、意地悪だなぁ」
魔女「そうなったのは私の所為なんだから、何もしないし何も出来ないよ」
符術師「そんな顔しないで下さい、冗談ですよ。その代わり……」
魔女「その代わり?」
符術師「一緒に寝ましょう!」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:34:48.09 ID:9hSp9rlBO
魔女「へっ?」
符術師「向こうであったこと……」
符術師「王女様や精霊様、聖女様や狩人さんのこと、もっともっと聞きたいんです」
魔女「えっ? これでもかってくらい話したと思うけど……」
符術師「私、側近兼相棒なのに…何だか置いて行かれた感じがして寂しいです」
魔女「うっ…わ、分かったよ」
符術師「じゃあ、早速寝ましょう」
符術師「2日くらい寝てないので、早く寝ないと可笑しな事になりそうで……」ボフッ
魔女「……符術師?」
符術師「…スー…スー…スー…」
魔女「寝ちゃった。本当に疲れてたんだね、お疲れさま……」ボフッ
符術師「…スー…スー…スー…」
魔女「……お休み、符術師」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:40:26.20 ID:9hSp9rlBO
>>>>>>
20日後…
魔女「進行状況はどう?」
北王「精霊と魔導鎧達、それから貴様等のお陰で、何とか完成させることが出来た」
北王「何度か視察に言ったが、あれ程まで広大な空間をどうやってくり貫いた?」
北王「行く度行く度に様変わりしていて、全てを把握するのにかなりの時間を要したぞ」
北王「地下家屋、理解不能な光源……」
北王「しかも各家屋に最低限の家具まで用意されているなど、私の想像を遥かに超えている」
北王「精々が塹壕のようなものとばかり思っていたが、あれはまるで街だ」
北王「人間の手で『あれ』を造るとなれば、どれだけ人員を割こうと、数十年は掛かる」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:41:27.72 ID:9hSp9rlBO
北王「……あれも、魔術なのか?」
魔女「それには答えないって言ったはずだよ。お互いの為にもね」
北王「……そうだな。そうだった」
魔女「出来はどうだった? 何か不備は?」
北王「いや、出来過ぎていると言ってもいい程に充実している」
北王「東部の地下施設と同様…とまではいかないだろうが、身を隠すには充分だ」
北王「だが、幾ら充実しているとは言え、民には窮屈な思いをさせてしまうだろう」
北王「注意喚起、状況説明はしてあるが、それでも受け入れ難いようだ」
魔女「……急に頼んでゴメン。こっちも、いきなり聞かされたからさ…」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:42:02.08 ID:9hSp9rlBO
北王「構わん。私も、いずれは地下施設を作ろうと思っていたからな」
北王「少しばかり予定が早まっただけのことだ。だが、情報は確かなのか?」
北王「近々、魔神族による大規模な侵攻があるなど、俄には信じ難い……」
魔女「確かに、今の静けさからすれば想像出来ないだろうね」
魔女「でも、残念ながら事実なんだ。膨大な数の魔力と、それによる『うねり』が観測された」
北王「……例の『匿名の情報提供者』か」
魔女「そう。彼には、それを観測できる眼がある。私達には見えないものを捉える眼が……」
魔女「正直、あんたが疑いもせず提案を受け入れるなんて思わなかったよ」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:42:29.90 ID:9hSp9rlBO
北王「今でも疑っている」
北王「しかし、これは東王陛下が推し進めた計画でもある。それだけで、信ずるに値する」
北王「私個人としても多大なる恩があるからな。それに、これ以上の犠牲者は出したくない」
北王「過去の過ちは許されないが、過ちを繰り返さぬよう、最善を尽くすことは出来る」
北王「幸い、私には『その機会』が与えられた。ならば、成すべきを成すまでだ」
北王「民からの反発はあるだろうが、民が助かるのなら安いものだ」
魔女「その言葉、『あの時』に聞きたかったよ」
北王「過去を穿り返すのは女の悪癖だな。いつまで経ってもネチネチと……」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:42:55.48 ID:9hSp9rlBO
魔女「……ねえ」
北王「何だ」
魔女「……頼むよ、王様」
北王「ああ、分かっている。何があろうと、やり遂げてみせる」
魔女「……あのさ…」
北王「何だ、言いたいことがあるならはっきり言え、気色悪い」
魔女「……王様って、つらい?」
北王「つらくない、と言えば嘘になるな」
北王「知っての通り、王の判断次第で何もかも変わってしまう。国も、民もな」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:43:25.25 ID:9hSp9rlBO
北王「一度判断を間違えば……」
北王「善良なる魔術師を悪人に、国を滅ぼそうとする賊を救世主にしてしまう」
北王「過ちを過ちだと気付かせぬまま、民の心を操ることさえ出来るのだからな……」
魔女「…………」
北王「王には、それだけの『力』があるのだ」
北王「それを自覚しながら誘惑に負けず、正気を保ちながら民と向き合うのは、中々難しい」
北王「私が思うに、権力そのものに意思がある」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/11/25(金) 02:43:52.50 ID:9hSp9rlBO
魔女「権力に意思?」
北王「そうだ。権力を行使するはずの王が、権力に支配されてしまう」
北王「あくまで持論だが『それ』を怖れるのは他の誰でもない、王自身だ」
北王「目に見えぬものとは実に怖ろしい。実態がないからこそ、人は怯え、怖れは増す」
北王「……それに打ち勝った者こそが、王を名乗るに相応しい人物だと、私は思う」
北王「民を愛し、祖国を愛す」
北王「口にするのは容易いが、本当の意味で実行出来た王は、過去にどれだけいただろうか……」
魔女「………」
北王「王として名を残すのは容易いだろう。しかし、賢き王、名君となると話は別だ」
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