【涼宮ハルヒの憂鬱】神様サンドイッチ

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1 :Revolc ◆sYdOm45WYI :2016/11/19(土) 16:28:24.20 ID:1w7pccN10
このSSは驚愕後の時間軸を舞台とした2次創作です。
未熟者のため拙いところが多数あると思われますが、
温かい目で見守っていただけるとうれしいです。

現時点で未完です。
完結を目標として隔週、
隔々週程度の頻度で更新していく予定です。

スレが落ちてしまった場合は>>1が立て直します。

※未熟者嫌い、アンチハルヒの方は
そっとスレを閉じていただくことを推奨します。

※2 >>1の主観が多分に含まれているSSになります。
予め御了承下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479540503
2 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:31:56.49 ID:1w7pccN10
本日は序章と2章を投下していきます。

神様サンドイッチ 〜序章〜

未来人、超能力者、宇宙人の思惑が交錯した結果引き起こされた、SOS団はおろか佐々木までも巻き込んだ大事件が収束し早くも2ヶ月。

時折不機嫌になる団長様は相変わらずだが、俺たちはそこそこ平穏な高校2年生を満喫していた。

そんなある日、例によって我らが団長様によって、平穏な高校生活が脅かされることになる。
3 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:33:07.31 ID:1w7pccN10
「キョン!あんたと佐々木さんは一体どういう関係なのよ!?」

週末、金曜日。ホリデー前最後のクラスルームが終わって早々、我らが団長様は鬼の様な形相で俺に迫っていた。

「どうもこうも佐々木本人が言ってだろ、親友だって。
それ以上でも以下でもないぞ?
それにあれから一度も会ってないしな」

団長様の突発的な不機嫌はいつものことなのだが、今回の矛先は佐々木と俺との関係に向いているようだ。

あの日を最後に佐々木とは連絡を取っていない。
まぁ、同窓会でそのうち顔を合わせることにはなるのだろうが。

「馬鹿は休み休み言いなさい!キョン!
思春期の男女が2人乗りするような間柄までいって親友なんてところで止まってるなんて異常よ!異常!!

仮に正常だとしてもあんたが不全か同性愛者のどっちかが前提にならないとおかしいじゃない!」

「おいおい、ひどい言い草だな。
そもそもあいつは俺の前じゃ男言葉で話していたし、そういう対象として見るなって釘を刺されてるようなもんだったんだぞ?

踏めば確実に爆発する地雷を踏みぬけるほど俺はマヌケじゃないんでね」

なぜ俺と佐々木の過去を知っているのかを詮索しても状況は好転しないのは分かりきっているので、あえてそれはしないことにした。

にしても、マヌケじゃないとは言ったものの、
1度はその地雷を踏みぬいてやろうかとも悩んだものだが…
まぁ、それはとっくの昔に消化された悩みだ。
そんなことをこいつに言おうものなら余計に暴れ出しそうなもんだがな。

「あぁ、この朴念仁!!
そんなんだからあんたは一生平団員なのよ!!」
4 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:33:57.01 ID:1w7pccN10
本っっっ当にこいつは鈍ちんよ!鈍ちん!
自転車2人乗りして塾にいく?
いっつも2人で談笑していた?
クラスのみんなからは恋人だって言われていた?

国木田に聞いてみたらそんなことを言っていたけど、そんなの明らか彼女はあいつに気があったに決まってるじゃない。
あいつは昔っから朴念仁だったのかと考えると、私のイライラが溜まっていくばかりだ。

…ってなんで私がイライラしなきゃならないのよ!
これじゃまるで私があいつのことを…ってないない!それはありえないわ!

「私がキョンのことを気にかけているのはSOS団の風紀を守るためであってそれ以外に理由はないっての!!」

「ハルヒ、別に俺はお前に気にかけて貰わなくても風紀を乱すようなことはしないぞ?」

しまった。声に出しちゃうなんて、私らしくない。
けど気になるのは事実だ。
でもキョンに聞いたってろくな答えは返ってこないだろうし、
ここはひとつ強硬策に出ようかしら。

「うるさいわね!とにかく!あんた佐々木さんを呼び出しなさい!

団長として三者面談の時間を設けさせて貰うわよ!!」

おいおい…なんだその明らかに俺の胃袋に風穴が穿たれるであろうイベントは…
そんなことをしようものなら俺はおろか古泉までもが過労死直行コースになりかねん。
なんとしてもこれは阻止しなくては。
5 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:34:28.04 ID:1w7pccN10
「いや、なにもお前にそこまでさせる必要はないだろう。
俺と佐々木は親友、そこになにか風紀を乱すようなことがあるのか?」

まずはこれ以上なく無難な、ささやかな抵抗を試みる、

「いーえ!もうこれは決定事項なの!
それに親友っていうなら私と面談することになんら問題はないでしょ!!!
と!に!か!く!
あんたは今日中に佐々木さんを誘う!
で、その日時を私に報告する!

以上!!今日の団活は休みにするから、あんたからみんなに伝えておきなさい!!!」

そういうとハルヒは嵐のように教室から飛び出していった。
おいおい、これじゃ阻止しようが無いじゃないか。
こうなるともう、古泉や長門さんの知恵を借りるほか無いぞ。

「おい!キョン!
お前に浮気をするような根性があるとはおもってなかったぞ!」

さっきまで傍観を決め込んでいた谷口が水を得た魚のように話しだす。

「キョン、佐々木さんと親友っていうことに僕からはなにも言わないことにするけど、一体どうしたんだい?」

国木田まで横槍を入れてくる始末だ。

「谷口、浮気も何も俺はそもそもハルヒとはなんともないし、無論佐々木とも何もない。

国木田、どうしたもこうしたもハルヒの奴が急に佐々木と合わせろって騒ぐんだよ。
一体なんでなんだろうな?」

谷口は羨ましいぜこの野郎なんて言いだすし、
国木田はなにか哀れな物を見るような目をしている。
お前らは他人事かもしれんがこっちは大惨事一歩手前なんだ、
すまんが俺は部室に行かせてもらうぞ。
6 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:36:57.95 ID:1w7pccN10
そんな一悶着を経て、俺は部室へと向かう。
例の如く朝比奈さんの着替えと鉢合わせないようノックをしてから部室のドアを開ける。

どうやら朝比奈さんはまだのようで、長門だけが相変わらずの雰囲気でひとり読書にふけっていた。

「よぉ、長門。今日の団活は休みになった。
団長様がお怒りでな。」

「…そう」

それだけ言うと長門は読んでいた本を閉じる。
あの事件以降長門はすっかりいつも通りだ、
熱の影響で饒舌になるなんてこともない。
いや、あったとしてもそれはそれで困るんだが。

「お怒りの理由なんだが、
あいつはどうやら俺と佐々木の関係が気に入らないらしくてな。
そんな話をしているうちに、
怒ったハルヒの奴が俺と佐々木とハルヒの3人で会いたいと言い出しやがったんだ」

「…そう、別に問題は無い。
佐々木という個体と天蓋領域の間にもう接点は無い、大丈夫」

長門が大丈夫というならそういった方向では問題はないのだろうが、俺の胃袋には支障がありそうな話なんだが。

「あなたは一度そういう場を経験するべき。
もしかすると多少の変化が見られるかもしれない」

長門の口調は少し怒気を含んでいたようにも感じたが、問い正そうにも長門は帰り支度を始めてしまった。
7 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:37:35.94 ID:1w7pccN10
そうこうしているうちに朝比奈さんが部室へと顔を出す。
俺は今日の団活が休みであることを伝え、長門へした説明と質問を朝比奈さんにも投げかける。

「えぇっと…ごめんなさい、禁則事項みたいです。
この件に関して私からキョン君にアドバイスは出来ないみたいで…
ごめんなさい、けど、悪いようにはならないみたいだから、そのあたりは安心して大丈夫です」

なんて返事が返ってくる始末で、俺は一瞬目眩がした。
最後の頼みの綱、古泉からはいつのまにかメールが届いていて

"閉鎖空間が発生しました。
涼宮さんにはバイトが入ったと伝えておいてください。
あ、詳細は後ほどお伺いさせてもらいますので"

最初から原因を俺だと決めつけてかかるのはやめてほしいな。
いや、まぁ今回は確かに俺が原因みたいなものなんだが。

"了解。
ちなみに今日の団活は団長様の気まぐれにより中止だそうだ"

ひとまずそれだけ返信し携帯を閉じた俺は、
当面の任務も終えているため部室を後にする。

佐々木を呼び出すことに過去感じたことのない躊躇いを抱えながらの家路は、
割とここ最近のトップ3に入るレベルの胃痛を俺にもたらしてくれた。

「やれやれ。どうなることやら…」

そんな台詞に誰かが助け舟を出してくれるなんてことは勿論なく、
重たい足取りで自宅へとたどり着いた俺は、ベッドの上で携帯電話とにらめっこに興じるのであったー
8 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:38:58.79 ID:1w7pccN10
神様サンドイッチ 〜面談前夜〜

携帯電話とのにらめっこを一時中断し、
夕飯、風呂と日々のルーチンを終えて、
どうにか三者面談とやらを回避する上手い言い訳が天から降ってこないかと思案にふけるも一向にその気配はなく頭を抱える。
そんな中、古泉から電話が来た。

「こんばんは。一体なにがあったんですか?
今回の神人はやけに暴れまわったと思ったら急に膝を抱えて座り込んだりと中々に珍しい行動をしていて、非常に気になるところなのですが。」

古泉は事の顛末の説明を求める。
少しでも助言を授かりたい俺は、古泉に事のあらましを説明した。

「なるほど、相変わらずなようで僕は少し頭が痛くなってきます。
あなたはこの1年間で成長したかと思っていましたが、やはりそういったところはとことん疎いようで…
正直、僕は呆れて言葉も出ません。

神人も今回は破壊衝動に駆られるだけの危険な状態では無かった、ということだけは改めて伝えておきますが、
それ以外には頑張ってください、としか僕には言えませんね。」

「おいおい、どういうことだ?
世界の崩壊には繋がらそうだってことはなんとなくわかるが、それ以外はさっぱりだぞ?」

「こればっかりはご自身の頭を抱えるのが1番かと。
それでは、後はお任せしますので」

と訳の分からん台詞を最後に電話を切られる始末だ。
長門といい朝比奈さんといい、今回は俺に助け舟を出しては貰えないようで、
またしても俺は1人で解決のために奔走することになりそうだ。
9 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:40:03.75 ID:1w7pccN10
頭を抱えに抱え、悪いことにはならないという朝比奈さんの言葉を思い出し、
ようやく佐々木へ電話をする決心がついたころには、時計の針は8時をまわっていた。

これ以上遅くなるわけにもいかないと、
意を決して俺は佐々木へと電話をかける。
1コール、2コール、3コール。
佐々木が電話に出る。

「もしもし。キョン、どうしたんだいこんな時間に?
同窓会はまだ先だったと記憶しているが?」

「よぉ、佐々木。夜分の連絡ですまないな。
ちょっと厄介なことになってだな、
相談、というよりお願いしたいことがあるんだが、いいか?」

「ふむ、あの事件に関わることかな、キョン?」

あの事件。思い出したくもないであろう事件を思い出させてしまったことを心の中で詫びる。

「幸いなことに別件だ。
いや、まぁ不幸なことには変わりないんだけどな」

「あの事件絡みでないことが聞けて僕も多少安心したよ。
それで、キョン、その不幸なこととは一体何かな?」

おおよそ涼宮さん絡みなことは間違いないのだろうけれど、彼に説明を促す。

「あぁ、それがだな…なんというか、
佐々木と俺が親友という関係であることをうちの団長様は異常だと考えているようで、
団員が風紀を乱す前に三者面談とやらを設けたいと仰せなんだよ。

で、俺は今日中にお前を誘って、
その日程を団長様へ報告しなくちゃいかん、ってなわけだ」

ありのままを佐々木に説明する。
さて、どんな回答が返ってくるだろうか。
ふざけるな、だとか、また巻き込むつもりか?
といった言葉が返ってくる可能性が浮かび、少なからず俺は身構える。
10 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:41:53.63 ID:1w7pccN10
「くつくつ…全くもって彼女らしい物言いだね、キョン。
まぁ、彼女がそこまで言うのなら仕方あるまい、余り乗り気はしないが、
他ならぬキョンの頼みだ、いいだろう、その三者面談とやらを受けてあげようじゃないか。
せっかくだし僕も彼女と話したいことが少しはあるからね」

話したいことが少しはあるという部分に引っかかりを感じる以外には、ありがたい親友からの返答。
だが、俺はもうひとつ気になることがあった。

「すまない佐々木、恩にきる。
だが、この前告白されたって話してたよな、
あれは大丈夫なのか?
いや、別に他意がある訳ではないんだが、
男1人に女2人、しかもおそらくハルヒの奴は超不機嫌だ。

そんな状況を誰かに見られる可能性がないとは言い切れない以上、場合によっては佐々木に来てもらうわけにはいかなくなってくるんだが」

「キョン、そこは問題ないよ。
あの後丁重にお断りさせてもらったからね。
僕が浮気をしたように見られるという可能性は万が一にもない、だから心配ご無用だ」

なるほど、俺の心配は杞憂だったようだ。
まぁ、あいつが誰かと付き合うなんてことはもとより想像し難いことなのだが。

「すまん、余計な心配だったな。
それじゃあ、早速で申し訳ないがいつなら時間を取ってもらえそうだ?」

「こういう事は早めに片付けるに越したことはないよ、キョン。
明日の朝10時に、
"僕と涼宮さんが邂逅を果たした駅前"
そこで待ち合わせっていうのはどうだい?」

「あぁ、わかった。
おそらくあいつのことだ、不思議探索よりこっちを優先しそうなもんだし、問題ないと思うぞ。
無理を言ってすまないな、佐々木」

「本当だよ、まったく。
埋め合わせは期待しているからね、キョン。
ではまた、明日に」

そう言って佐々木は電話を切った。
続けて我らが団長様に報告だ。
11 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:42:31.74 ID:1w7pccN10
が、電話で報告する気力はでなかった俺は、団長様へ佐々木を呼び出したこと、明日の10時に待ち合わせ希望である旨のメールを送る。

"わかったわ。
あ、ちなみに明日の費用は当然だけど
全額アンタ負担だからね"

ものの5分もたたないうちに返信が届く。

"了解"

とだけ返信して、俺は眠ることにした。
もう、なるようになれってやつである。


_____________________________________________

「明日ねぇ…とりあえず明日の不思議探索は中止とだけみくるちゃん達にメールしなきゃね」

中止を伝えるメールを送ってから、
私は明日の服装をどうするかで悩んでいる。

佐々木さんは私服だろうし、私だけ制服っていうのもアレよね…
キョンはどんな服装が好みなのかしら?
というかなんで私がキョン好みの服装を気にしなきゃいけないのよ!
この完璧美少女超人たる私がただの平団員ごときに恋するなんてことは、
仮に世界がひっくり返ってもありえないし、そもそも恋愛なんて精神病の一種でしかない。
って、なんで恋愛について考えてるのよ私は。

ただ、どうも佐々木さんとあったあの日から、なんとなく、なんとなくだけれどアイツが気になる。それは間違いない。

「あー!もうっ!私らしくない!
とにかく適当よ!適当!
服装なんてなんだっていいわよもう!
そもそも私が着飾るんじゃなくって、
私が着たことで服の魅力が高まるのよ!!」

我ながらむちゃくちゃな独り言を言い放つ。
だが、おかげで多少冷静になれた結果、
よくよく考えればただ単にキョンの昔の友人?と会うだけだ、深く考える必要もないと結論付けるに至った。

こうして、涼宮ハルヒの夜は更けていくー
12 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:43:22.53 ID:1w7pccN10
_____________________________________________

彼との再会の機会は思いがけずやってきた。
もっとも、おまけで涼宮さんが付いてくるのは想定外だったけれども。
やれやれ、私も厄介なことに巻き込まれたものだ。

親友という関係で決別したはずの彼、
そんな彼をまるで取り合うようにも見えなくもない光景を思い浮かべる。

彼女は親友という関係に納得できないのだろう。
そしてその理由もなんとなくわかる。

自覚なき恋…嫌な言葉が頭に浮かぶ。
自覚がないことは厄介だ、特に恋においては。
気付くのが遅ければ遅いほど、取り返しがつかなくなる。
それも相手がかなりの朴念仁ならなおさらだ。

思考が廻る。自分がどうしたいのかまだはっきりと見えてはこない。

行き当たりバッタリは私の望むところではないのだけれど、今回ばかりはしょうがないのかもね。

なんてことを考えながら、夜は更けていくー
_____________________________________________

三者三様の夜。
賽は投げられた、出る目は誰にも予想できないー
13 :Revolc ◆sYdOm45WYI [sage]:2016/11/19(土) 16:46:21.01 ID:1w7pccN10
本日の投下は以上になります。
おそらく2000文字程度を隔週投下になると思いますので、
よろしければ完結までの間、お付き合いいただけると幸いです。


それでは、また来週。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 17:32:24.69 ID:Uhbcx/T6o

前スレも面白かったから期待してる
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