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穂乃果「私が音ノ木坂のテッペンを取るよ!」
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302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:03:18.00 ID:Y4x0hH9p0
穂乃果「……でも」
雪穂「?」
穂乃果「海未ちゃんとはずっと肩を並べて一緒に喧嘩してたし、お互いに助け合ってきた仲だから……やっぱり海未ちゃんが負けるところなんて穂乃果には想像できないよ」
雪穂「そっか……あ、じゃあさ」
雪穂「お姉ちゃんと海未ちゃんが本気で勝負したらさ、どっちが勝つのかな?」
穂乃果「……穂乃果と、海未ちゃんが?」
雪穂「あっ、ごめんね、変なこと言っちゃった」
穂乃果「ううん、大丈夫だよ!」
雪穂「ま、お姉ちゃんと海未ちゃんが本気で喧嘩なんてするわけないもんね」
穂乃果「……そうだね」
雪穂「あはは……」
穂乃果「……」
穂乃果「けど」
雪穂「?」
穂乃果「もし、本気で穂乃果達がヤり合ったら」
穂乃果「きっと、お互いタダじゃ済まないと思うよ」
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:04:10.35 ID:Y4x0hH9p0
雪穂「……っ」ゴクリ
穂乃果「まっ、そんなことはないと思うけどね!」
雪穂「だ、だよね」
穂乃果「それに、穂乃果と海未ちゃんが喧嘩したとしてもさ」
穂乃果「きっと、ことりちゃんが止めてくれるよ」ニコッ
雪穂「ふふっ、そうだね」
穂乃果「あー、なんだか二人に会いたくなってきちゃった!」
雪穂「もう、同じ学校なんだから明日会いに行けばいいじゃん」
穂乃果「なるほど! よーし、明日は海未ちゃんとことりちゃんに会いにいくぞー!」
雪穂「あはは、また張り切って行って、喧嘩に巻き込まれでもして怪我しないでよ?」
穂乃果「もう、それくらいわかってるよっ」
雪穂「どうだかねぇ」チョンッ
穂乃果「ぃたぁっ!?」
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:05:11.03 ID:Y4x0hH9p0
<翌日、朝、音ノ木坂学院高校>
「おい、お前聞いたかよ?」
「は? 何をだよ」
「今の話題っつったらアレしかねーだろ」
「西木野と転校生のタイマンだよ!」
「ああ、まあどうせ西木野が勝ったんだろ?」
「転校生も中々強いみたいだけどねー」
「あ、賭けの話忘れんなよ?」
「転校生に賭けたヤツらはおごれよなー」
「ふっふっふっ……」
「あ? 何笑ってんだお前」
「どうやらまだ聞いてないみたいだな……」
「昨日のタイマン、勝ったのは転校生の方なんだよ」
「……は?」
「つーわけで今日の昼飯おごるのはお前らだよバーカ」
「何にしてもらおっかなー?」
「お、おいおいちょっと待てどういうことだ!?」
「転校生が西木野に勝った、って……マジかよ!!」
「アイツやるじゃねーか!」
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:06:04.16 ID:Y4x0hH9p0
<凛・花陽のクラス、教室内>
「聞いたか! 西木野が転校生に負けたってよ!」
「聞いた聞いた!」
「こいつぁ本当にとんでもねーヤツが現れたな!」
ザワザワザワザワ
凛「いやー、どこも穂乃果ちゃんの話で持ちきりだね、かよちん!」
花陽「皆、西木野さんが勝つだろうって予想してたからね」
凛「やっぱり穂乃果ちゃんはスゴいにゃ!」
花陽「うん!」
キーンコーンカーンコーン
凛「あっ、もうホームルームの時間だ」
花陽「穂乃果ちゃんにはまたあとで会いに行こっか」
凛「うん!」
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:07:58.90 ID:Y4x0hH9p0
<同じ頃、高坂家、穂乃果の部屋>
穂乃果「……すー……すー」
穂乃果「……すー…………」
穂乃果「ん……」ゴロン
穂乃果「……」
穂乃果「……ん?」パチッ
穂乃果「……」ゴロン
穂乃果「……めざまし」ガシッ
穂乃果(今何時……?)
穂乃果「ん……ふぁ〜ぁ…………ん〜」ジー
穂乃果(……はちじ、よんじゅっぷん……?)
穂乃果「……」ゴロン
穂乃果「……」
穂乃果「遅刻だーーーー!!!!」ガバッッッ
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:08:57.11 ID:Y4x0hH9p0
<しばらくして、通学路>
穂乃果(お母さんに聞いたら、「雪穂が『お姉ちゃん傷だらけの状態だし、気持ち良さそうに寝てるから今日は起こさなくてもいいんじゃない?』って言ってたから無理に起こさなかったの」って言われたけど……)
穂乃果「その気持ちは嬉しいけど、留年回避したい穂乃果にはありがたくない気づかいだよー!!」タッタッタッ
穂乃果(せめて近道して少しでも早く学校に着かないとだね!)
穂乃果「だからここで裏路地突入!」ダッ
シーン……
穂乃果「あれ? 今日は誰もいないのかな?」
穂乃果(前に通ったときは、ここでたむろってる人達と喧嘩になっちゃってちょっと大変だったんだけど……)
穂乃果「まぁいいや、今日はツイてるね!」タッタッタッ
「……う、ぐ」ガサッ
「まさか全員ゴミ袋の山に向けてぶっ飛ばされるとは……」ゴソッ
「あ……が……」ピクピク
「なん、だったんだあのチビ……」ガクガク
「油断、した……ぜ…… 」ガクッ
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:09:57.64 ID:Y4x0hH9p0
ガサガサ
穂乃果(よーし、裏路地は無事に抜けたし、後はここの林を突っ切って)
穂乃果(最後にここから飛び降りれば……)
穂乃果「思ったより早く着く……ねっ!」ダンッ
「……」スタスタ
穂乃果(って……着地点に人が!?)
穂乃果「どっ、どいてどいてー!!」
「!?」バッ
穂乃果「ぁいてっ!」ドテッ
「……ふぅ」
穂乃果(うぅ、着地失敗しちゃった……)
穂乃果「……って、それよりも!」バッ
「っ」バッ
穂乃果「いきなり飛び出してすみませんでしたー!」ガバッ
「……は?」
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:12:02.59 ID:Y4x0hH9p0
穂乃果「私、今日寝坊してっ、だから急いで学校行かなきゃって慌てて、近道しててっ」
「……」
穂乃果「あっ、今飛び出してきたところが近道に使える場所なんだよ!」
「……あっそ」
穂乃果「……じゃなくて! だから、着地点も見ずに飛び出しちゃったりして……ごめんなさい!」
穂乃果「あの、怪我とかしませんでしたか……?」チラ
「……別に、避けたから平気よ」
穂乃果「えっ……わっ、ホントだ! よくあの一瞬で……凄い!」
「……」
穂乃果「あっ、でも避けたからいいってわけじゃないもんね……ごめんなさい!」
「……だから謝んなくていいわよ」
「とうとう空から奇襲しに来るヤツが現れたのかと思ったわ」ボソッ
穂乃果「え?」
「なんでもないわよ」
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:12:50.29 ID:Y4x0hH9p0
「じゃ、私行くから」クルッ
穂乃果「あ、はい」
「……」スタスタ
穂乃果「……あれ?」
「……」スタスタ
穂乃果(あの後ろ姿……どこかで見たような……?)
穂乃果「……」
穂乃果「あーっ!!」ビシッ
「っ!?」
穂乃果「思い出したよっ!」タッタッタッ
「……はぁ」クルッ
穂乃果「一週間ぶりだねっ、にこちゃん!」
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:13:51.00 ID:Y4x0hH9p0
にこ「ったく、朝からうるさいヤツね……」
穂乃果「えへへ、また会えて嬉しいよ!」
にこ「……私のこと、覚えてたのね」
穂乃果「もちろん覚えてるよっ! さっきは慌ててたから気づかなかったけどさっ」
穂乃果「ていうかにこちゃんこそ私のこと覚えてくれてたの?」
にこ「……アンタみたいはヤツは珍しいからね、嫌でも覚えるわよ」
穂乃果「? それってどういう意味?」
にこ「……別に」
穂乃果「えぇ〜、気になるよ〜」
にこ「……」
にこ「ていうかアンタ、急いでたんじゃないの?」
穂乃果「え?」
にこ「……学校、遅刻なんでしょ」
穂乃果「あっ」
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:15:04.33 ID:Y4x0hH9p0
にこ「私なんかに構ってないでさっさと行った方がいいんじゃないの?」
穂乃果「う〜ん……」
にこ「? 何悩んでるのよ」
穂乃果「よしっ……決めたっ!」
穂乃果「今日は途中までにこちゃんと一緒に登校するよ!」
にこ「……は?」
穂乃果「だってにこちゃんと会える機会って中々なさそうだし!」
にこ「……」
穂乃果「あと今から頑張って走っても中途半端になるかなぁ、って」
穂乃果「だから今はにこちゃんと一緒にいるのを優先するよ!」
にこ「……あっそ」
穂乃果「じゃあ行こっか!」
穂乃果「あっ、そうだ、にこちゃんはこれからどこに行くの?」
にこ「……」
にこ「とりあえず、アンタの学校に向かいましょ」
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:16:35.64 ID:Y4x0hH9p0
<同じ頃、通学路>
真姫「……」スタスタ
「よー、西木野ォ!」
真姫「……」スタスタ
「聞いたぜ! お前、昨日のタイマンで転校生に負けちまったんだってなぁ!」
「傷だらけのそのお顔は転校生ちゃんにタコ殴りにでもされちゃったのかなぁ?」
真姫「……」スタスタ
「……おい、シカトこいてんじゃねーぞ!」
「こっち向けやオラァ!」ブンッ
パシッ
「!?」
「なっ」
真姫「……うるさいわよ」
ドガッバギッズドッ
「あ……が……」ピクピク
「ぐ……お……」ピクピク
「う……げ……」ピクピク
真姫「……」
真姫「……」クルッ
「ちょい待ち、そこのお嬢さん」
真姫「……」スタスタ
「あ、ちょっ、無視せんといてや!」
真姫「……!」ピタッ
「まったく……人から声かけられたらとりあえず立ち止まるくらいしてもええやん……」
真姫(この関西弁らしき口調は……)
真姫「まさか……」クルッ
希「おはよーさん、昨日は随分ええ喧嘩ヤれたみたいやんな? 西木野真姫ちゃん?」ニコッ
真姫「東條……希っ……!!」
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:17:42.57 ID:Y4x0hH9p0
真姫「……昨日のタイマン、アナタも見てたのね」
希「いやぁ、ウチが着いたときにはもう終わってたかなぁ?」
希「ウチが見たのは、なんやようわからん二人とヤり合ってるのやったね」
真姫「……なるほどね」
真姫「昨日、星空凛をあそこまで連れて来たのは……アナタね」
希「おっ? なんでわかったん?」
真姫「……」ジッ
希「? どこ見てるん?」
真姫「……別に、関西弁っぽいしゃべり方をする人間が他に思い浮かばなかっただけよ」
希「あ、もしかして凛ちゃんがウチのこと話したんかな?」
真姫(もう一つの特徴は……別に言わなくていいわね)
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:18:38.18 ID:Y4x0hH9p0
希「それにしても、こうして話すんは久々やんね?」
真姫「……一体、何しに来たのよ」
希「やだなぁ、そんな怖い顔せんでもええやん……ちょいとお話しに来ただけやのに」
真姫「……知らないようなら言っておいてあげるけど、私にとってはアナタもターゲットの一人なのよ」
希「あれ、そういやそうやったっけ?」
真姫「……そうよ」
希「そっかぁ、まあそう思ってくれるのは別に構わんけど」
希「今のその状態で、ウチとヤれるつもりなん?」
真姫「……」
真姫「どんなときでも、私は逃げるつもりはないわ」
希「……ふぅん」
希「面白いやん」ニィッ
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:19:47.33 ID:Y4x0hH9p0
希「……」スッ
真姫「……っ」バッ
希「なんて、今ヤるわけないやん!」
真姫「……は?」
希「だって真姫ちゃんボロボロやし! そないな状態の子とヤっても楽しめないやん!」
真姫「……」
希「ヤるなら、今度また元気なときに……真姫ちゃんが全力を出せるときに、な?」ニコッ
真姫「……そのときは全力で叩き潰すわよ」
希「おー、楽しみに待っとるでー」ニコニコ
真姫「……」
希「あっ、アカン忘れとった、こういう話をしに来たわけやないんよ」
希「なぁ、真姫ちゃん」
希「ウチも昨日の……高坂穂乃果ちゃんとのタイマンの結果は聞いたよ」
希「二人とも真正面からガチンコ勝負して、お互い全力をぶつけた結果やったって」
真姫「……ええ」
希「全力をぶつけられる相手、見つけられたんやろ」
真姫「……」
希「今はどうなんよ」
希「それでも、にこっちの為に……またエリちに挑戦するつもりなん?」
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:20:59.91 ID:Y4x0hH9p0
真姫「当然よ、絢瀬絵里は必ず倒す」
真姫「それに、それはもうにこちゃんの為だけじゃない」
希「……そっか」
真姫「というか」
真姫「にこちゃんを裏切った側の人間の癖に、気安くにこちゃんの名前を出すんじゃないわよ」
希「……」
真姫「……それじゃ」スタスタ
希「……なぁ、真姫ちゃん、あと一個だけ話があるんや」
真姫「……何よ」ピタッ
希「この先、音ノ木坂の校門前に、昨日のタイマンの結果を聞いた連中が真姫ちゃんを潰そうと待ち構えてるんよ」
真姫「……へぇ」
希「結構な人数おるし、手伝ったろか?」
真姫「必要ないわ」
希「そう言うと思ってたわ」
真姫「その程度、私一人で蹴散らすわ」
希「……ほぉ」
希「なら、サクッとヤってきや」
真姫「言われなくとも」
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:22:04.48 ID:Y4x0hH9p0
<同じ頃、穂乃果・にこの通学路>
穂乃果「いやぁ、まさかこんな早くまたにこちゃんと会えるとは思わなかったよ〜」
にこ「……そうね」
穂乃果「あ、そうだ! この前にこちゃんがいつの間にかいなくなっちゃったときにね、にこちゃんと入れ替わるようにして、同じ場所にねこちゃんがいたんだよ!」
穂乃果「だから私、一瞬にこちゃんがねこちゃんになっちゃったのかと思って驚いちゃってさ〜」
にこ「……あるわけないでしょ、そんなこと」
穂乃果「あはは、だよねぇ」
にこ「……」
穂乃果「? どうしたの?」
にこ「……アンタさ」
にこ「やけに傷だらけだけど、何かあったの?」
穂乃果「えっ?」
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:23:17.24 ID:Y4x0hH9p0
にこ「一週間前は頭に包帯巻いてたけど、今日は湿布やら絆創膏やらで顔中覆われてるじゃない」
穂乃果「あー……」ポリポリ
にこ「……虐められでもしてんの?」
穂乃果「まさかっ、それは違うよ!」
にこ「……そう」
穂乃果「……喧嘩、したんだよ」
にこ「……」ピタッ
穂乃果「?」
にこ「……アンタみたいな能天気そうなヤツでも、喧嘩はするのね」
穂乃果「ちょっ、ノーテンキってなにさ! 穂乃果、勉強はできないけど頭カラッポじゃないよー!」
にこ「はいはい」
穂乃果「も〜、じゃあにこちゃんは勉強できるのっ?」
にこ「……」
穂乃果「できるの?」ジー
にこ「ノーコメントよ」
穂乃果「あっ、それずるい!」
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:24:28.30 ID:Y4x0hH9p0
にこ「……で、相手にボコボコにされてそのツラ構えになったってことね」
穂乃果「うー……それは否定できないかなぁ」
にこ「……喧嘩の理由は?」
穂乃果「相手に売られたからだね」
にこ「なんで売られたのよ」
穂乃果「うーん……私が目立ってたから、かな……?」
にこ「……ああ、アンタ転校生って言ってたものね」
穂乃果「それだけが原因じゃないけど、まあそんなとこかなぁ」
にこ「……ていうかアンタ、よくそんなさらっと話せるわね」
穂乃果「え?」
にこ「普通のヤツだったら、そんなボコボコにされたことについての話はしないんじゃないかしら」
穂乃果「まぁ、喧嘩で怪我するのは慣れてるからね」
にこ「……そ」
穂乃果「いやぁ、昨日の喧嘩は大変だったんだよ! 相手がスゴく強い子でさー」
にこ「昨日?」
穂乃果「うん、久々に正々堂々一対一の勝負だったよ〜」
にこ「……まるで普段はそうじゃないみたいな言い方ね」
穂乃果「え? あ、うん、いつもは一人で何人かを相手にすることが多いからね」
にこ「……そう」
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:25:31.65 ID:Y4x0hH9p0
穂乃果「いやぁ、一年生であんなに強い子がいるなんて驚きだよホントに!」
にこ「……アンタも一年生でしょ?」
穂乃果「……あっ、うん! そうだよ! いやぁ〜、同い年であんなに強い子がいるなんて驚いたよ、あはは〜」
にこ「……」
穂乃果「あはは……」
穂乃果(……危ない危ない、うっかりボロが出るところだったよ……!)
にこ「……なんか、アンタ変なヤツね」
穂乃果「えっ」
にこ「ボコボコにされてる割りにへらへらしてるし、まるで落ち込んじゃいないし」
穂乃果「へっ、へらへらはしてないよ!」
にこ「……変にプライドとか持ってないタイプ? だとしたら、音ノ木坂じゃ結構珍しい類の人間ね」
穂乃果「プライド? んー、確かにそういうのは気にしたことないかも……」
にこ「……ま、喧嘩に負けたのにそんな風に明るくしていられるのもある意味才能ね」
穂乃果「えっ、穂乃果才能あるの!? ……って、あれ?」
にこ「……何よ?」
穂乃果「私、負けてないよ?」
にこ「……は?」
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:26:37.61 ID:Y4x0hH9p0
にこ「だってアンタ、ボコボコにされたのは否定しないって……」
穂乃果「んー、確かに昨日の喧嘩はスゴく強い子が相手でボコボコにされたーって話はしたけど」
穂乃果「負けたなんて、一言も言ってないよ?」
にこ「……!」
にこ「……そう」
穂乃果「?」
にこ「やっぱり、アンタも音ノ木坂の人間ね」ボソッ
穂乃果「え?」
にこ「なんでもないわよ……それより」
穂乃果「?」
にこ「学校、もう着くわよ」
穂乃果「あっ、ホントだ!」
穂乃果「……ん?」
ザワザワザワザワ
穂乃果(校門前に、やけに人が集まってる?)
にこ「……喧嘩、ね」
穂乃果「えっ、あっホントだ!」
穂乃果「どんな人がヤってるんだろ……」ジー
にこ「……あれは」
真姫「はぁっ……はぁっ……」
穂乃果「西木野、さん?」
にこ「……」
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:27:59.64 ID:Y4x0hH9p0
「おらぁっ!」ブンッ
真姫「ふっ!」サッ
バキィッ
「ぐっ!」グラッ
真姫「まだよ」ガシッ
「……ぇ?」
ズドンッ
「ぉっ!?」
ズドンッ
「ごっ」
ズドンッ
「ぎっ」
ズドンッ
「あ、が……」
真姫「……」パッ
ガンッッッ
「げぶぅっ!!」ズザァァァ
「ひぃっ!」サッ
「こ、こいつ、ゲロまみれになって気絶してやがる……」
「そりゃあんな連続で腹にパンチされたらな……」
「や、やっぱ西木野のヤツ容赦ないわね……」ゴクッ
真姫「……はぁっ……はぁっ」
真姫(……思ったより、昨日のダメージが残ってるわね)
真姫(結構キツい、かも……)
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:28:56.11 ID:Y4x0hH9p0
穂乃果「やっぱり西木野さんだ! なんであそこであんな人数と喧嘩してるの!?」
にこ「……あの子、アンタの知り合いなの?」
穂乃果「うん! だって昨日喧嘩した相手だもん!」
にこ「……は?」
穂乃果(西木野さん、昨日の喧嘩で今はボロボロなはずなのに……)
穂乃果「ちょっとこのままじゃマズイかも……」
にこ「ねぇ、それってアンタがあの子に……」
穂乃果「ごめんね、にこちゃん! 私ちょっと行ってくる!」ダッ
にこ「えっ……ちょっ、待ちなさいよ!」
穂乃果「また今度話そうねー!」タッタッタッ
にこ「あー……っ、もう……」
にこ「……」
にこ「まさか、あの能天気そうなヤツが……」
にこ「……アイツが、あの子に勝った相手だっての……?」
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:29:53.85 ID:Y4x0hH9p0
真姫「はぁ……はぁ……」
「西木野ォ、やっぱお前バケモンだわ」
「その状態でもそんなにヤれるなんてな」
「だけどさぁ、昨日転校生に負けちゃってんだろ?」
「そんな状態でこの人数相手にすんのはキツいんじゃないの?」
真姫「……はぁ……はぁ」
「休ませねぇぞ!」ダッ
「行くぞコラ!」ダッ
真姫「……」スッ
「おらっ」ブンッ
真姫「っ 」サッ
「避けんじゃねぇっ!」シュッ
真姫「くっ」パシンッ
「隙ありィ!」グワッ
ドゴッ
真姫「がっ!?」
「喰らえっ!」
バキッ
真姫「ぐっ!」グラッ
「そのままブッ倒れろや!」グォッ
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:30:53.95 ID:Y4x0hH9p0
パシッ!
真姫「……」グググ
「なっ!?」グググ
真姫(確かにキツい、けど)
「こ、この」グググ
真姫(こんな、この程度のヤツらなんかに)
真姫「……負けてらんないのよっ!!」グォッ
バギィッッ!!
「ぶべらっ!?」グルンッ
ドサッッ
「なっ!?」
「コイツっ……!」
真姫「はぁっ……はぁっ……!」
「クソっ、全員で一気に行くぞ!」
「うぉぉぉっ!!」
真姫「かかって、来なさいよ……」
真姫「……私はっ」
真姫「一人でだって、生き残るんだからっ!!」
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:31:51.36 ID:Y4x0hH9p0
「に、西木野もこっち向かってきたぞ!」
「構うなっ、このまま突撃だ!」
「全員で囲んでやれ!」
「袋叩きにしてやるっ!」
ウォォォォォォ
ダンッ!!
穂乃果「とりゃぁぁっ!!」バッ
ガンッッッ!!
「ぐぶっ!?」
「なっ」
「はっ?」
「えっ!?」
真姫「……っ!?」
穂乃果「……っと!」スタッ
「なっ、あ……」
「おっ、お前は」
「てっ」
「転校生ェッッ!?」
真姫「アナタっ、なんで……っ」
穂乃果「ごめんね! この喧嘩、ちょっと割り込ませてもらうよ!」
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:32:43.05 ID:Y4x0hH9p0
「な、なんで転校生がここに……」
「ていうかアイツ今どっから飛んで来たんだ?」
「バカ、人間は飛べないわよ」
「お前こそバカだよ、跳んで来たの聞き間違いでしょ」
「んだとっ!?」
穂乃果「ふぅ……西木野さん、大丈夫?」
真姫「……何しに、来たのよ」
穂乃果「何しに、って……う〜ん……乱入しに、かな」
真姫「乱入……?」
穂乃果「うん!」
真姫「……ふざけてるの?」
穂乃果「ふざけてないよっ!」
真姫「……何でもいいけど」
真姫「これは私の喧嘩だから、余計な手出しは無用よ」ザッ
穂乃果「待って!」ザッ
真姫「……何よ」
穂乃果「私も一緒に戦うよ!」
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:33:31.49 ID:Y4x0hH9p0
真姫「はっ……?」
真姫「今、手出しは無用って言ったの、聞いてなかったの?」
穂乃果「聞いてたよ! けど、このままじゃさすがにキツいよね?」
真姫「……大丈夫よ、別に一人で」クルッ
穂乃果「えいっ」バシッ
真姫「っいた!?」
真姫「……ちょっと、いきなり何すんのよ!?」ガシッ
穂乃果「わっ、いっいきなり叩いたのはごめん!」
穂乃果「……けど」
穂乃果「昨日の西木野さんなら、あれくらい簡単に防げたよね?」
真姫「……は?」
穂乃果「だって、明らかに昨日私とヤったときとは動きのキレが違うもん」
真姫「それは……」
穂乃果「昨日のダメージが残ってるんだよね?」
真姫「……」
穂乃果「それくらいわかるよ、だって、私もまだ痛いとこいっぱいあるもん」
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:34:31.17 ID:Y4x0hH9p0
真姫「……だから何だって言うのよ」
真姫「別に、怪我してるときに喧嘩して来なかったわけじゃないし、これくらい」
穂乃果「えいっ」ゴンッ
真姫「っで!?」
穂乃果「ほら、また隙だらけだよ?」
真姫「……っ、このっ!」
穂乃果「それにっ」ビッ
真姫「っ?」ピタッ
穂乃果「昨日全力で殴り合って実力を認めた相手が……自分と殴り合った怪我が原因で、翌日違う誰かにヤられるなんて……穂乃果、そんなのイヤだもんっ!」
真姫「なっ」
穂乃果「だから西木野さんが嫌だって言っても勝手に割り込むよ!」
真姫「……」
真姫「はぁ……呆れた、アナタ結局自分の都合で人の喧嘩に割り込んでるってことね」
穂乃果「はっ、言われてみれば確かにそうかも……?」
真姫「……はぁ」
真姫(……まぁ、それでも、中途半端に私の為とか言われるよりは、マシかもね)
真姫「……勝手にしなさいよ」クルッ
穂乃果「! うん、勝手にやるよ!」
真姫「私の足、引っ張んないでよね」ザッ
穂乃果「もちろん」ザッ
真姫「……それじゃ」スッ
穂乃果「今度はこっちから突撃と行こっか!」グッ
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:35:27.45 ID:Y4x0hH9p0
<少しして、凛・花陽のクラス、教室内>
ガララ
「おい、お前ら!」
「あ、なんだよ?」
「いきなりうるせーな」
「校門前来てみろよ! おもしろいモンが見られるぜ!」
「おもしろいモン?」
「ああ、西木野と転校生がタッグ組んで喧嘩してるんだよ!」
「は? どういうこと?」
「その二人って、昨日タイマンしてたよな……?」
「タッグ組んでるって、なんで?」
「とにかく行ってみようよ!」ガタッ
「ああ、そうだな」ガタッ
「よっしゃ、喧嘩だー!」ガタッ
ドドドドド……
凛「かよちん、今の聞いた?」
花陽「うんっ、穂乃果ちゃんと西木野さんが……って」
凛「凛たちも行こう!」ガタッ
花陽「そうだねっ!」ガタッ
タッタッタッ……
先生「……」ポツーン
先生「……あはは、一応授業中なんだけどな〜」
先生「……はぁ」
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/22(土) 14:36:47.17 ID:Y4x0hH9p0
投下終わりです
書き貯めが出来次第また投下します
333 :
全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる
[sage saga]:2017/07/22(土) 14:56:51.04 ID:hBMET1/r0
青峰と黄瀬と紫原君と明石とDQN緑間ツイカナ
黒子「奇跡の世代111:11」
黒彼女「青峰君黄瀬君緑間君後で明石課金工場で話し合いが」
紫原「ほっ僕は無関係だよね決勝戦棒立ちしてただけだもん」
明石「結婚指輪( ゚д゚)クレ京様」
京太郎「此の指輪は鳳翔様や空母に渡すんだ」
大淀「成績表示リセットアイテム大淀様追加任務追加今では何と翔鶴姉が入手」
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 15:22:36.04 ID:OlQT5frro
早めに頼む
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 01:36:43.21 ID:gLutUiWb0
更新来てた!
ゆっくりで良いから絶対完結して欲しいなー
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/25(火) 14:37:37.96 ID:SZOhaC0R0
sage更新で気づいてなかった…続き待ってます!
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/26(水) 08:56:26.99 ID:gnMeeQJmO
めっちゃ胸熱展開やん!
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/28(金) 22:44:29.01 ID:ocF4/m/mo
千代田区でこれなら沼津はもっと魔境になってそうだ…
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/21(月) 18:14:38.97 ID:2H9MQdCf0
待ってるんだぞ
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/08(金) 23:48:09.88 ID:Lts+9D13o
まだかな
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:12:16.79 ID:lT/8dMGpO
隔月ならそろそろだな
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/12(木) 11:32:24.68 ID:2tv+aVFx0
続き待ってます…ほんとマジでお願いします
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/09(木) 14:41:16.05 ID:H41bzcnK0
どうか1レスだけでもいいので・・・続きを・・・どうか続きを・・・
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/01(金) 15:49:10.98 ID:/I9EszxF0
1年過ぎたんだなあ…まだ話は長いのかな…?
早く続きが見たいよ
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/01(金) 18:19:38.69 ID:qjv+rya9O
追いついた
期待
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/12(火) 16:36:10.37 ID:SDHS9METo
つづきまだー?
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/31(水) 16:50:48.68 ID:2OY74WU80
戻ってきてくれよ…!!頼むから…!!
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/02/27(火) 16:02:02.89 ID:rZG5cfq+0
続きが来ることを信じて
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/08(木) 23:48:39.56 ID:CyF0z5UM0
待ってます
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/18(日) 23:09:16.39 ID:Yd1Z9fKeo
いいね
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/04/02(月) 16:50:14.45 ID:6WLrJ7XP0
先生続きが見たいです…
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/04/27(金) 16:37:12.45 ID:4n8v5sbs0
戻ってきてください…お願い…
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/23(水) 16:46:27.77 ID://5JZ0bI0
ずっと戻ってくるのを待っている
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/05/25(金) 16:31:02.36 ID:xCgGvbl00
続きが見たいよ
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/06/05(火) 17:19:56.13 ID:MPRJRf5s0
諦めたくない
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/06/19(火) 14:58:04.55 ID:FuG8TSNH0
信じたい
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/19(火) 16:48:26.53 ID:Y6bhJHaq0
輝きを!
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/04(水) 15:22:44.74 ID:xqfR/tFI0
1年…1年経ったよ…
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:45:05.62 ID:6Q2TCcm30
久々に投下始めます
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:45:49.95 ID:6Q2TCcm30
<校門付近>
ザワザワザワザワ
凛「野次馬だらけだね」
花陽「この先に穂乃果ちゃんと西木野さんがいるんだよね……?」
「ウォォォ!!」
「やっちまえっ!!」
「転校生ぇっ!!」
「西木野ォッ!!」
花陽「ひっ」ビクッ
花陽「も、もしかして二人ともリンチされてるんじゃ……!」
凛「とにかく行ってみよう!」ダッ
「おおおお!!」
「とんでもないわね……」
「あんなん喰らったら立ち上がれないわ」
凛「どいてどいてー」グイグイ
「あ? なんだ?」
「押すなコラ!」
花陽「すみません通りますすみません……」グイグイ
「いって!」
「誰だ今ぶつかってきたヤツ!」
凛「っ、と……ふぅ、ここが最前線かにゃ?」
花陽「はぁぁ……やっと抜けられたね」
花陽「二人は……?」
穂乃果「おりゃぁぁっ!!」
花陽「あっ……!」
361 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:46:46.27 ID:6Q2TCcm30
バキィッッ
「ふごっ!」グルンッ
ドサッ
穂乃果「よぉし、次ぃっ!」
「隙ありっ!」ブンッ
穂乃果「!」クルッ
真姫「ふっ!」シュッ
ドガッッ
「あぎゃっ」ズザァァ
穂乃果「西木野さん!」
真姫「全く……好き勝手に暴れるのはいいけど、隙を見せるんじゃないわ」
穂乃果「……!」グイッ
真姫「よっ?」グラッ
ブォンッ!
「ちっ、外したかっ!」
真姫「なっ」
穂乃果「よいしょー!」グオッ
ガンッッ
「ぶっ!?」ズザァァ
穂乃果「ふふっ、西木野さんも隙だらけだったよ?」
真姫「……これでおあいこよ」
362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:47:38.67 ID:6Q2TCcm30
「何くっちゃべってんだ!」ダッ
「楽しくお喋りする時間じゃねーぞコラ!」ダッ
穂乃果「ほっ」パシッ
真姫「ふん」パシッ
「あっ」
「なっ」
穂乃果「えいっ!」
真姫「ふっ!」
ドゴッバキッ
「ぎゃっ」ズザァァ
「ぐふっ」ズザァァ
花陽「わぁ……本当に二人で戦ってるんだ……!」
「そのまま行け! 西木野っ!」
「転校生っ、後ろ後ろ!」
「おぉー、すげえなアイツら」
「二人とも気合い見せろー!」
凛「野次馬達も、ただヤジ飛ばしてるだけじゃないみたいだね」
花陽「穂乃果ちゃん達を応援する声も聞こえるね!」
凛「……」
「怪我してんのに凄いね〜、あの二人」
「さすが一年のツートップね」
凛「……!」
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:48:21.12 ID:6Q2TCcm30
「え? 一年のツートップって言ったら西木野と星空じゃないの?」
「何言ってんの、昨日のタイマンで転校生が西木野に勝ったんだから、今のツートップは転校生と西木野でしょ」
凛「……」
「確かに……言われてみればそうかも」
「それに、以前のタイマンで星空は西木野に負けてるんだから、今の星空はナンバースリーよ」
凛「……!!」
「順位が繰り下がっちゃったわけか〜」
「まあ強さランキングなんてそういうものだし、仕方ないわね」
「今の一年生は上から、転校生、西木野、星空の順なわけだ!」
「そういうこと」
「こりゃひょっとして一年最強コンビの誕生かな?」
凛「……」
凛「かよちん」
花陽「凛ちゃん?」
凛「……ちょっと凛も行ってくる!」ダッ
花曜「えっ、あっ……凛ちゃん!」
「……あれ、でも西木野とヤったときの星空って怪我してたんじゃなかったっけ?」
「……そうなのよね……だから、あの二人に関しては本当はどっちの方が強いのかはわからないわ」
「そっかぁ……お互いが全力のときにヤり合ったらどっちが勝つんだろ?」
「さぁね」
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:49:09.00 ID:6Q2TCcm30
凛「穂乃果ちゃーん!」ダダダダダ
穂乃果「! 凛ちゃん!?」
真姫「あの子……」
「なにボーッとしてんだ!」グオッ
穂乃果・真姫「!」
凛「とうっ!」ダンッ
ドガッッッ
「ぐぇぇっ!?」ズザァァ
凛「ふぅ」スタッ
「おぉ!?」
「なんだなんだ? 乱入者か?」
「あれは……星空じゃん!」
「なんでアイツまで!?」
花陽「り、凛ちゃんまで……」
凛「西木野!」
真姫「なによ、アナタも人の喧嘩に割り込むつもりじゃ」
凛「穂乃果ちゃんと一緒に一年ツートップの座に立つのは、西木野じゃなくて凛だよ!」ビシッ
真姫「ないわよね……って、は?」
穂乃果「凛ちゃん……?」
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:49:56.81 ID:6Q2TCcm30
凛「昨日も言ったけど、凛はナンバースリーに降りる気はないからね!」
真姫「……なんでいきなりその話が出てくるのよ」
凛「ここで大勢の野次馬に穂乃果ちゃんとの活躍を見せつけて、一年ツートップの印象を付けようったってそーはいかないにゃ!」
真姫「あのねぇ、私はそんな理由で喧嘩してるんじゃ……」
凛「とにかく! 凛もこの喧嘩参加するよ!」
穂乃果「おお! 凛ちゃんも加わってくれるなら心強いよ!」
真姫「ちょっと、何勝手に……」
凛「それじゃいっくにゃー!」ダッ
穂乃果「おおー!」ダッ
真姫「……」
「くたばれ西木ボォ!?」グシャッッ
真姫「……」スッ
「あ、が……」グラッ
真姫「……」ガシッ
「ぁ……?」
バギィィッッ!!
「ごばァ!?」グルンッ
ドサッッ
真姫「……どいつもコイツも好き勝手してくれちゃって」
真姫「もーっ、頭来たわ!! 全員かかって来なさいよ!!」ダッ
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:50:44.02 ID:6Q2TCcm30
ザワザワザワザワ
「お、おいおい……」
「星空まで加わるってこれ……」
「まさかっ、一年トップスリーが手を組んだってのか!?」
ザワザワザワザワ
穂乃果「とりゃぁっ!」
ドガッッ
「ぐはっ!?」
凛「えいっ!」
バキィッッ
「ごぼっ!?」
真姫「ふんっ!」
ドゴォッッ
「おごっ!?」
ザワザワザワザワ
「あ、あの三人が手を組むって……」
「それもう一年の中じゃ敵ナシなんじゃないの……?」
「こ、コイツぁやべぇな!」
ザワザワザワザワ
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:51:31.47 ID:6Q2TCcm30
真姫「はぁっ……はあっ……」
「な、なんだよ……なんでお前らが一緒に戦ってんだよ!」
「西木野はっ、転校生と敵対してたんじゃねーのかよ!?」
「それに星空も加わるとかっ、ホントにどうなってんのさ!?」
真姫「……」
真姫「私だって、そんなの知らないわよ」
真姫「向こうが勝手に乱入してきてるんだから」
真姫「恨むなら、こんなタイミングで私に喧嘩を売った自分達を恨むことね」
「く、くそっ!」ダッ
「もうヤケクソだ!」ダッ
「あああああ!!」ダッ
真姫「それに、乱入者がいようがいまいが」
真姫「私に喧嘩売ったヤツは、全員ぶっ飛ばす」
真姫「ただ、それだけよ」
穂乃果「そうだね」ザッ
凛「全員ぶっ飛ばすのには同意するにゃ」ザッ
真姫「……行くわよ」ザッ
ドガッッッバギィィィドゴォォッ!!
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:52:11.64 ID:6Q2TCcm30
「ぎゃっ!?」グルンッ
「がっ!?」グルンッ
「ぐふっ!?」グルンッ
ドサッッッ
真姫「……ふぅ」
「おっ……」
「おおおおおお!!」
「すげえっ、アイツら本当に全員ぶっ飛ばしやがった!!」
ザワザワザワザワ
花陽「す、凄い……三人とも、本当に……」
花陽「……」
ザワザワザワザワ
真姫(思ったより、キツかったわ、ね……)
真姫「……っ」フラッ
穂乃果「っと!」ガシッ
真姫「!」
穂乃果「大丈夫?」
真姫「……これくらい、余裕よ」
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:52:54.62 ID:6Q2TCcm30
凛「……ふーん? 凛には全然余裕そうには見えないけど」
真姫「……あ?」
凛「何?」
真姫「……アナタこそ、昨日の怪我で余裕なさそうに見えるけど」
凛「は?」
真姫「何よ」
凛・真姫「……」
穂乃果(な、なんでこの二人は毎回こんなに喧嘩腰なの!?)
穂乃果「もうっ二人ともっ、そういうこと言わないのっ! また花陽ちゃんに怒られちゃうよ?」
凛「……穂乃果ちゃんがそう言うなら」
真姫「……ふん」
穂乃果「ほ、ほら、ここは片付いたんだし、保健室でも行ってちょっと一休みしよ! ね?」
凛「そうだね、凛もちょっと休みたいにゃ」
真姫「……」
穂乃果「よーし、じゃあ保健室へレッツゴー!」
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:53:32.54 ID:6Q2TCcm30
凛「……あ、かよちーん!」タッタッタッ
花陽「凛ちゃん!」
穂乃果「おっ、花陽ちゃんも見てたんだね!」ザッ
真姫「……」ザッ
花陽「穂乃果ちゃん、それに西木野さんも……」
穂乃果「花陽ちゃん、お願いなんだけど……また保健室で手当てしてもらってもいいかな?」
花陽「もちろん、大丈夫だよ!」
穂乃果「ありがとね!」
真姫「……私は、別に」
穂乃果「えいっ」バシッ
真姫「いたっ!?」
穂乃果「西木野さん、まーたやせ我慢してるでしょ」
真姫「……アナタに言われたくないわよっ」ドカッ
穂乃果「いっ!? け、蹴るのはさすがにひどいよ〜」
真姫「ふん、さっきヤられた分も合わせて三発分のお返しよ」
穂乃果「……もー! とにかく保健室に行くよ! ほらっ」グイッ
真姫「あっ、ちょっと引っ張らないで!」
花陽「な、なんだか穂乃果ちゃんと西木野さん、いつの間にか仲良くなったみたいだね……?」
凛「……そうだね」
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:54:14.59 ID:6Q2TCcm30
<しばらくして、保健室>
花陽「これでよしっ、と」
穂乃果「ありがとう花陽ちゃん!」
花陽「どういたしまして」ニコッ
真姫「……小泉さん」
花陽「は、はいっ」
真姫「……私も、感謝してるわ」
花陽「あっ……は、はい!」
凛「……」
真姫「それじゃ、私はここで寝るから」スッ
穂乃果「えっ、西木野さん、教室行かないの?」
真姫「ええ」ゴロン
花陽「あっ……えと、じゃあ私たちは行こっか?」
凛「うん」
穂乃果「……」
花陽「穂乃果ちゃん?」
穂乃果(マズイ……ベッドに寝転がる西木野さんを見てたら、穂乃果も眠くなってきちゃったよ……!)
穂乃果(うーん、でも授業に出る為に今日は急いで来たわけだし……)
穂乃果(あっ、でも今から出てももう……うーん……)
穂乃果(……今も体中痛いままだしなぁ)
穂乃果「……決めた」
花陽・凛「?」
穂乃果「私もここで寝る!」
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:54:49.65 ID:6Q2TCcm30
花陽「えっ、穂乃果ちゃんも?」
穂乃果「うん、ちょっとお昼までね……ふわぁぁ……」
花陽「そっか、じゃあおやすみなさい」
花陽「またお昼に来るね?」
穂乃果「うんっ、おやすみ〜」
花陽「行こっか、凛ちゃん」
凛「うん、穂乃果ちゃんまた後でねー」
穂乃果「またね〜」
ガララ……バタン
穂乃果「……さて、と」
穂乃果「よいしょー!」ゴロン
穂乃果(はぁぁ、この時間に布団で寝るなんて、なんて贅沢……!)
穂乃果「はぁー……」
穂乃果「……」
真姫「……」
真姫「……」チラ
穂乃果「……すー……すー」
真姫(……寝付くの早すぎでしょ)
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:55:27.05 ID:6Q2TCcm30
<さらにしばらくして、保健室>
穂乃果「……ん」パチッ
穂乃果「……ふぁああぁ……」
穂乃果「んーっ」ノビーッ
穂乃果「はあぁぁ……ふぅ〜、いやぁよく寝たよく寝た!」
真姫「……すー」
穂乃果「あれ?」
真姫「すー……すー……」
穂乃果(……そっか、西木野さんもここで寝てたんだっけ)
真姫「ん……」ゴロン
穂乃果(……こうやって、寝てる姿だけ見たら普通の女の子なんだけどなぁ)
穂乃果「容赦ない喧嘩する子だとは思えないなぁ」ジー
真姫「……ん?」パチッ
穂乃果「あ、起きた」
真姫「!?」
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:55:57.40 ID:6Q2TCcm30
ゴンッッ
穂乃果「ったぁ!?」
真姫「……な、なっ」
真姫「何してるのよアナタは!」
穂乃果「あたたた……もぅ、いきなり頭突きするなんて酷いよ〜」
真姫「起きてすぐ目の前に人の顔があったら驚くでしょっ!」
穂乃果「だからって頭突きはさすがに……」
真姫「……ふん、殴るよりこっちの方が早いわよ」
穂乃果「えぇ……」
穂乃果(やっぱり、西木野さんは西木野さんだ……)
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:56:26.41 ID:6Q2TCcm30
グゥ〜
穂乃果「あっ」
真姫「……今の」
穂乃果「あはは……お腹空いちゃった」
真姫「まだお昼前だけどね」
穂乃果「んー、こういうときは早弁だ!」バッ
真姫「ちょっと、ベッドの上で食べる気?」
穂乃果「え、ダメかな?」
真姫「行儀が悪いわよ」
穂乃果「えー……あ、そうだ!」ポンッ
穂乃果「病気の人とか怪我した人ってベッドの上で食べたりするでしょ? 私達今怪我人だし……ほら、病院のベッドで食べるのと一緒だよ!」
真姫「何よその屁理屈は……」
穂乃果「よーし、それじゃいただきまーす!」
真姫「ちょ、ちょっと」
穂乃果「む?」モグモグ
真姫「……」
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:57:02.98 ID:6Q2TCcm30
穂乃果「ん〜、よく寝た後に食べるパンはおいしいね!」
真姫「……」
穂乃果「西木野さんは食べないの?」
真姫「私は別に……」
グゥ〜
真姫「……」
穂乃果「食べないの?」ニヤニヤ
真姫「……っ、うるさい」ゴソゴソ
真姫「……」バッ
真姫「ふん……」ハムッ
穂乃果「あっ、トマトサンド! それ私も好きだよ〜」
真姫「そう」モグモグ
穂乃果「……ふふっ」
真姫「何よ」モグモグ
穂乃果「いやぁ、結局西木野さんもベッドの上で食べてるなぁ、って」
真姫「……うるさい」モグモグ
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:57:42.63 ID:6Q2TCcm30
花陽「失礼しまーす……」ガララ
凛「穂乃果ちゃーん、起きてるー?」
穂乃果「あ、二人ともおはよう!」
凛「おはよー! ……って、穂乃果ちゃんもうご飯食べてる!」
穂乃果「あはは、お腹空いちゃったからついね〜」
凜「保健室のベッドで早弁なんて、穂乃果ちゃんもなかなかのワルだにゃ〜」
穂乃果「いやぁそれほどでも〜」
真姫「なんで照れてるのよ」
凛「凜もこのままここで食べちゃお! かよちんも、ほら!」
花陽「ほ、保健室で食べたりしても大丈夫なのかなぁ」
真姫「……」
真姫「……」スッ
穂乃果「あっ、西木野さん!」
真姫「……何よ」
穂乃果「西木野さんもこのまま一緒に食べようよ!」
凛・花陽「!」
真姫「……は?」
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:58:18.29 ID:6Q2TCcm30
穂乃果「ほらほら、こっち座って」グイグイ
真姫「ちょ、ちょっと」
穂乃果「……だめ?」
真姫「っ……あ、アナタが良くても、他の二人はそうとは限らないでしょ」
真姫「だから」
花陽「わっ私も!」ガタッ
真姫「!」
花陽「私も、西木野さんと一緒に食べたいです!」
真姫「なっ」
真姫「で、でも」チラ
凛「……」
凛「まぁ、かよちんと穂乃果ちゃんがそう言うなら……別にいいけど」
真姫「!」
真姫「……わ、わかったわよ」
穂乃果「!」
真姫「一緒に食べればいいんでしょ、別にそれくらい……」
穂乃果「じゃあこっち座って座って〜」グイグイ
真姫「ちょっと! いきなり引っ張らないでっ」
花陽「……ふふ」
凛「西木野うるさいにゃー」
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:58:52.96 ID:6Q2TCcm30
<昼食後、保健室>
穂乃果「はぁ、もう授業の時間か〜」
凛「次英語かぁ……」
凛「……このままここでゴロゴロしてようかな」
花陽「ずる休みはだめだよ凛ちゃんっ! ただでさえ昨日英語の再テスト出てないんだし!」
凛「うぅ……」
穂乃果「あっ、そういえばそうだったね……」
真姫「別に休んでもいいんじゃない? 私もたまにサボるし」
凛「西木野のわりには良いこと言うにゃ〜」
花陽「に、西木野さん……」
真姫「……」
真姫「……まあ、その代わりにテストでちゃんと点を取る必要があるけど、ね」
凛「うぐっ」
穂乃果(うぐっ)
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:59:20.95 ID:6Q2TCcm30
花陽「凛ちゃん……」
凛「……」
凛「……すっごーーーーい、イヤ、だけど」
凛「出る」
花陽「凛ちゃん!」
凛「……まあ、西木野の言うことに従う形になるのは癪だけど」
真姫「あ?」
凛「なんでもなーい」
真姫「……あっそ」
凛「……ふーんだ」
凛「かよちん、先行こ」ガシッ
花陽「えっ?」
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 10:59:56.41 ID:6Q2TCcm30
凛「穂乃果ちゃん、またあとでね!」ダッ
穂乃果「あ、うん! またあとで!」
花陽「わわっ」タタッ
凛「かよちん急ぐにゃー!」タッタッタッ
花陽「そっそんなに強く引っ張らないでぇ〜」タッタッタッ
真姫「……」
穂乃果「……行っちゃったね」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「わっ、予鈴のチャイム鳴っちゃった」
穂乃果「西木野さん! 私たちも急ごっ」
真姫「先行ってていいわよ」
穂乃果「えっ? なんで?」
真姫「……走るのイヤだからよ」
穂乃果「えぇっ、それじゃ間に合わなくなっちゃうよっ」
穂乃果「ほらっ、一緒に行こ!」グイッ
真姫「あっ、ちょっ」
穂乃果「いっそげー!」タッタッタッ
真姫「……もう!」タッタッタッ
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:00:31.91 ID:6Q2TCcm30
<穂乃果・真姫のクラス、教室内>
ガララ
穂乃果「はぁっ、はぁっ」
先生「あっ、こ、高坂さん」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「ぎ、ギリギリセーフ?」
真姫「はぁっ、はぁっ……全くもう」
「おっ、来たな転校生!」
穂乃果「ん、おはよー」
「おはよーって、お前もう午後だぜ」
「午前はサボってたのか〜?」
穂乃果「サボっ……あ、サボりになっちゃうのか」
「それよかお前凄いじゃん!」
穂乃果「え?」
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:01:01.23 ID:6Q2TCcm30
「あの西木野にタイマンで勝ったんだろ!?」
穂乃果「あ、えと」
「しかも今朝はその西木野とコンビ組んで喧嘩してたし!」
「星空のヤツも一緒に喧嘩してたしな!」
「一年ナンバーワンになるだけじゃなく、あの二人も仲間にしちゃったって本当?」
穂乃果「うーんと……」
「まだ転校して来てそんなに経ってないのにすげぇな〜」
「それにしても、一年のスリートップが手を組んだとなればこれはもう一大事ね」
「上のヤツらも黙ってないかもな〜」
穂乃果「えぇ?」
「にしても、西木野を相手によく……」
真姫「……」ジッ
「わぁっ!?」ビクッ
「にっ西木野!?」ガタッ
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:01:31.80 ID:6Q2TCcm30
真姫「……邪魔」
「え?」
真姫「どいてくれる? 席、座りたいんだけど」
「あっ、あぁ、ごめん」サッ
真姫「……」スタスタ
「お、おぉ……まさか西木野もいたなんて」
「あれ、もしかして転校生と一緒にいたのか?」
穂乃果「うん、お昼一緒に食べてたんだよ」
「あら、本当に仲良くなったのね」
「タイマンをヤった翌日に一緒に飯を食べる仲になるなんて……」
「なんか転校生……いや」
「高坂って、不思議だよね」
穂乃果「え?」
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:02:08.06 ID:6Q2TCcm30
「確かに、音ノ木坂じゃあんまり見かけないタイプかも?」
「うん、珍しい人種だと思う」
穂乃果「そうなの?」
穂乃果(あれ、確かにこちゃんにもそんなこと言われたような……?)
先生「あ、あのー……」
「あ?」
「なんだよ」
先生「じゅ、授業始まってるから……その、席着いてほしいなー……なんて」
穂乃果「あっ」
「あぁ、そういや始まってたね」
「はぁー……めんどくさ」
「センセー、今日はもうこのままダベってたいでーす」
先生「えっ、いや、それは……」
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:02:42.43 ID:6Q2TCcm30
穂乃果「……ごめんなさい先生! 今座りますねっ」
先生「!」
穂乃果「ほらほら、皆も座った座ったー!」
「な、なんだよ高坂」
「やっぱシンガクコーから来たしマジメちゃんなの?」
「喧嘩はすげー強いのにな」
穂乃果「もう、先生困らせちゃダメだよっ」
穂乃果「お喋りするにしてもさ、席座ってからしよ?」
「……ちっ、しゃあねぇな」
「まあ座ってた方が楽だしねー」
「ふわぁぁ……ねむぅ」
ゾロゾロ
穂乃果「……ふぅ」
真姫「……」ジッ
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:03:18.29 ID:6Q2TCcm30
<放課後、女子トイレ>
穂乃果「ふぅ……疲れたぁ」ジャー
真姫「……やっぱり、変わってるわね」ジャー
穂乃果「え?」キュッ
真姫「アナタのことよ」ジャー
穂乃果「んー、フツーにしてるつもりなんだけどなぁ」フキフキ
真姫「アナタのフツーが、ここの普通と同じとは限らない」ジャー
真姫「そういうことよ」キュッ
穂乃果「なるほどー」
真姫「……さて」フキフキ
真姫「行くわよ」ザッ
穂乃果「うんっ」ザッ
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:03:53.27 ID:6Q2TCcm30
<<少し前、穂乃果・真姫のクラス、教室内>>
ガララ
「……」
「はいはーい、ちょっと邪魔するよー」
穂乃果「?」
真姫「……」
「……高坂穂乃果と西木野真姫はいるか?」
「ん? なんだなんだ……っ!?」
「あ、あの二人っ、赤のリボンっ!!」
「なっ……」
「なんで二年生がウチらの教室に!?」
真姫(来たわね……)
穂乃果「二年生……?」
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:04:29.54 ID:6Q2TCcm30
「あ、西木野ちゃんみーっけ」ビシッ
真姫「……はぁ」
「あーん、相変わらずツレない態度なんだからぁ」
真姫「ちっ……」
「……」スッ
「……」キョロキョロ
「……!」
穂乃果「ん?」
「画像と同じ顔……」ジッ
「……あんたが、高坂穂乃果か」
穂乃果「うん、そうだよ」
「……」ジロジロ
穂乃果「?」
「……こいつが……」
穂乃果(な、なんかこの人凄いジロジロ見てくるなぁ)
「な、なんだこれ……」
「二年生二人が高坂と西木野に絡んでるぞ……」
「まさか、今朝の噂を聞いてさっそく二人をヤりに……!?」
ザワザワザワザワ
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:04:59.93 ID:6Q2TCcm30
ザワザワザワザワ
「……」ジッ
穂乃果「えーと……」
「……ついてこい」
穂乃果「えっ?」
「ウチらのトップがぁ、高坂ちゃんと、そこの西木野ちゃんと話がしたいって呼んでるのっ」
真姫「……へぇ」
穂乃果「そうなんだ」
「……そういうことだ、わかったら黙ってついてこい」
穂乃果「あっ!」
「……なんだ」スッ
穂乃果「その前に、お手洗い行ってきてもいいかな?」
「……」ピクッ
「んなっ……」
「ばっ、アイツ……!」
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:05:30.89 ID:6Q2TCcm30
シーン
穂乃果「あ、あれ……私、なんか変なこと言った?」
真姫「……ふっ」クスッ
穂乃果「あっ、なんで笑うの西木野さんっ」
真姫「いや、なんでもないわ」クスクス
「……さっさと行ってこい」
穂乃果「うんっ」タッタッタッ
真姫「私も行くわ」スッ
「……ふふ、思った以上にオモシロい子ねぇ?」
「……」
「ナチュラルに私たちのこと舐めてる発言してたし、ね」クスクス
「……ふん」
「お、おい……なんかあの二人キレてないか?」ボソボソ
「あ、あいつら、は、早く戻ってきてくれないかな……」ボソボソ
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:06:03.37 ID:6Q2TCcm30
<現在、"二年生の階"、とある教室へ向かう途中の廊下>
「……」ジー
「ちっ」ギロッ
「あいつらか、"今年の"は」
「ふーん、あれが例の……」ジロジロ
穂乃果(わぁ〜……皆すごいガンつけてくるなぁ)
穂乃果(やっぱり、二年生ともなると気合の入り方が違うなぁ)
真姫「……何を一人でうんうん頷いてるのよ」
穂乃果「ぇ? 穂乃果そんなことしてた?」
真姫「……はぁ」
真姫(……二年生の階は、一年生の階なんかよりも遥かに張り詰めた空気で満ちていて)
真姫(私でさえ、常に周りを警戒するレベルだってのに……)
真姫(ホント、この子は器が大きいのか、それともただの能天気なのか……)
穂乃果「?」
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:06:38.30 ID:6Q2TCcm30
「……着いたぞ」ザッ
穂乃果「この教室にトップの人がいるんだね」
真姫「……」
「そういうことっ、じゃあ入るわよ」
コンコンコン
「……姐さん、高坂穂乃果と、西木野真姫を連れてきました」
「どうぞ」
穂乃果(……この人たちのトップってどんな人なんだろ?)
穂乃果(悪い人じゃないといいんだけどなぁ)
「……失礼します」
ガララ
海未「……来ましたね」
穂乃果「えっ」
海未「ご苦労様でした、二人は下がっ」
穂乃果「海未ちゃん!」
「!?」
「は?」
真姫「……うみ、ちゃん?」
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:07:08.45 ID:6Q2TCcm30
海未「昨日ぶりですね、穂乃果」
穂乃果「うん!」
穂乃果「それにしても、穂乃果たちを呼んだのが海未ちゃんだったなんて……」
海未「ふふ、意外でしたか?」
穂乃果「もうっ、驚いたよ!」
穂乃果「でも、よかった」
海未「なにがです?」
穂乃果「穂乃果ね、今日は海未ちゃんに会いに行こうと思ってたのっ」
穂乃果「だから、ちょうどよかったなあって」
海未「なるほど、そうだったんですね」クスッ
穂乃果「うん」ニコッ
「ちょ、ちょっとちょっとなになにあの雰囲気? え、あの二人知り合いだったの?」ボソボソ
「……何者だ、あの女」
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:07:38.45 ID:6Q2TCcm30
真姫「……ちょっと」ガシッ
穂乃果「ん?」
真姫「どういうことか、説明しなさい」
穂乃果「? 何を?」
真姫「……アナタ、園田先輩と知り合いだったの?」
穂乃果「あ、うん、そうだよ」
穂乃果「私と海未ちゃんは、幼馴染なの」
真姫「……は?」
穂乃果「ていうか西木野さんこそ、海未ちゃんと知り合いなの?」
真姫「そうだけど、いや……ちょっと待って、待ちなさい」
穂乃果「? うん」
真姫「……幼馴染?」
穂乃果「そうだよ」
真姫「園田先輩と、アナタが?」
穂乃果「うん」
真姫「……」
穂乃果「西木野さん?」
真姫「……頭が痛くなってきたわ」
穂乃果「ええ!?」
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:08:10.54 ID:6Q2TCcm30
真姫「……」チラ
海未「おや、なんでしょうか?」
真姫「……以前、私に言ってたわね」
真姫「『転校生の高坂穂乃果は貴方よりも強い』って」
海未「そうですね、確かに言いました」
真姫「アナタ、この子のこと前から知ってたのね」
海未「ええ」クスッ
真姫「……はあ」
真姫(なるほどね……だから、この子が私に勝つことを予見してあんなことを……)
真姫「……ホント、頭にクる人だわ、アナタ」
海未「ふふ、恐縮です」
真姫「褒めてないわよ」
海未「おや、そうでしたか」クスッ
真姫「……ふん」
穂乃果(あ、あれー……もしかして、この二人も結構バチバチしてる感じなのかな……?)
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:08:49.21 ID:6Q2TCcm30
穂乃果「あ、あー、海未ちゃん!」
海未「なんですか?」
穂乃果「穂乃果たちに話があるんだよね! 何のお話か聞きたいな!」
海未「おっと、そうでしたね」
海未「では……」チラ
「! はいっ、私たちはこれでっ」ビシッ
海未「ご苦労様でした」ニコッ
「っ、はい!」
「……」ジッ
穂乃果「?」
「……」フイッ
ガララ
「失礼しますっ」
「……失礼します」ペコリ
バタン
穂乃果(……なんか、最後睨まれてたような?)
真姫「……」
海未「さて、では本題に入りましょうか」
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:09:19.33 ID:6Q2TCcm30
海未「まずは……真姫」
海未「貴方への勧誘は打ち切られることになりました」
海未「理由はわかりますね?」
真姫「……別に、最初から入るつもりなかったし、どうでもいいわよ」
海未「そうですか」
海未「……私個人としては、貴方が仲間に入ってくれたら、と思っていたのですが」
真姫「……どういう意味?」
海未「いえ、なんでもありません」
真姫「……」
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:09:45.77 ID:6Q2TCcm30
海未「穂乃果」
穂乃果「なあに? 海未ちゃん」
海未「昨夜話したことは、覚えていますか?」
穂乃果「……うん」
穂乃果「海未ちゃんと同じ派閥に入ってほしいって話だよね?」
海未「はい」
海未「音ノ木坂の中でも最大派閥として恐れられる絢瀬派ですが……未だ頂点(テッペン)は獲れていません」
穂乃果「そうなんだ」
海未「……ええ」
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:10:52.66 ID:6Q2TCcm30
海未「絢瀬派が頂点(テッペン)の座に立つ」
海未「その実現のために……『一年生最強』となった貴方の力を借りたいのです」
穂乃果「……」
真姫(……そういうことね)
穂乃果「うーん……」
海未「気が進みませんか?」
穂乃果「……ねぇ、海未ちゃん」
穂乃果「なんで絢瀬派に入ったの?」
海未「……はい?」
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/22(日) 11:11:25.87 ID:6Q2TCcm30
穂乃果「穂乃果ね、昨日海未ちゃんが音ノ木坂の派閥に入ってるって聞いて、スゴいビックリしたんだよ!」
穂乃果「穂乃果のイメージだと、海未ちゃんってそういうグループに入ったりするイメージあんまりなかったからさ」
海未「……」
穂乃果「それに、今はことりちゃんと一緒にいないって言ってたよね?」
海未「……ええ」
穂乃果「だからね、昨日の夜、久々にことりちゃんに連絡してみたの」
海未「! ことりはっ、なんと!?」ガシッ
穂乃果「わっ! う、海未ちゃん?」
海未「はっ……す、すみません……」スッ
穂乃果「ううん、大丈夫だよっ」
海未「……それで、ことりは?」
穂乃果「……」
穂乃果「返事、もらえなかったんだ」
海未「……っ」
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