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桐生「アイドルの……プロデューサー?」 社長「うむ」
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1 :
◆4STEbn7FMs
[saga]:2016/11/09(水) 15:27:03.54 ID:cmRQltu+o
当スレは龍が如くシリーズの主人公、桐生一馬とモバマスのクロスオーバー作品です
書き貯め無し、飽きたり展開に詰まったら終了します
思い付きで始めただけなのと、モバマスにわかですがよろしくお願いいたします
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1478672823
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/09(水) 15:28:19.34 ID:eSTuuN9bO
きたい
3 :
◆4STEbn7FMs
[saga]:2016/11/09(水) 15:41:19.43 ID:cmRQltu+o
雪が降る中、俺は血塗れで倒れていた。
もう身体に力が入らない。
相沢との死闘に勝利し、俺の帰る場所へと歩みを進めたが……ここまでのようだ。
広がった腹の傷口から血が流れ、灰色のズボンは赤く染まっており、白い雪も俺の周りだけは赤黒くなっている。
桐生
「……遥…………」
薄れゆく意識の中、俺は大切な人間の名を呼んだ。
もちろん返答などはなく、風の音にかき消されていく。
桐生
「(錦……由美……遅くなっちまったが……今行くぜ……。親っさん……情けない最期になって、すんません……)」
そうして、俺の生涯は……幕を閉じようとした。
「おじさんっ!」
聞き覚えのある声。
何度も聞きたいと願い夢見て、いつでもその声を聞くことができて……それでもずっと遠い存在になってしまった……。
桐生
「遥……」
遥?
「しっかりして、おじさん!」
目の前に、遥がいた。
心配そうに俺を見つめるその瞳に、吸い寄せられる。
これは……夢か……?
遥?
「すぐに救急車が来るから! 寝ちゃダメ!」
そうか……都合のいい夢を見たものだ……だが、夢でもいい……今は……この夢の中で眠ろう……。
遥?「おじさんっ!!」
4 :
◆4STEbn7FMs
[saga]:2016/11/09(水) 16:01:52.37 ID:cmRQltu+o
…………………………。
…………………………。
………………ここは……どこだ……?
今、俺はどこにいるんだ……?
身体が……動かない。
目を開くこともできない。
音だけが聞こえる。
規則的にピッ、ピッ、と音を鳴らすそれは、どこか聞き覚えのあるものだった。
「信じられないですが、回復の傾向があるみたいですね……あれほどの大怪我なのに、回復力が並外れています」
「もう大丈夫なんですか?」
「それはなんとも……身体は快復してる筈なのに目を覚まさない、という例も多くあるので……」
「そうですか……ありがとうございます」
「いえ。それにしても、銃痕とは……ヤクザ屋が嗅ぎ付けて来ないことを祈るばかりですね」
「厄介事を持ってきちゃってすいません」
「私は医者ですから。それに、ちひろさんの頼みを断るとあとでどんな目に遭わされるか……なんてね。はは、それでは失礼します」
扉の開閉音、足音がひとつ遠ざかる。
ちひろ?
「……ふぅ……もう……ただでさえ色々あって忙しいのに、ヤクザの面倒見なんて……でも頼まれちゃったしなぁ……はーぁ……」
ため息を吐いて椅子に座る女。
声を出そうとしたが、口すらも動かない。
ここが病院であることは分かったが、それ以外の情報が何も無さすぎる。
ちひろと呼ばれた女はいったい?
俺はどうなったんだ?
疑問を解消したいが、今の自分にできることが無いとなると、諦めるしか無い。
そう考えた途端に再び眠気に襲われた。
5 :
◆4STEbn7FMs
[saga]:2016/11/09(水) 16:11:26.45 ID:cmRQltu+o
次に意識が戻ってきたときには、自然と目が開いた。
真っ暗闇ではあるが、周りの様子を見る。
辺りには誰もいない。
点滴だけが俺の横たわるベッドの横にあった。
身体も、かなり重たいが動かせそうだ。
遥……そうだ、遥は無事か!?
桐生
「……くっ……!」
起き上がろうとして、腹部の激痛に身体の自由を奪われ、床に落ちてしまう。
ガラァン! と倒れた点滴の掛けてあった棒が地面に倒れてしまった。
「わっ!? え、なに!?」
女の声が聞こえてくる。
先ほどの……ちひろと呼ばれていた女の声だ。
ちひろ?
「……え!? ちょ、大丈夫ですか!?」
桐生
「…………あぁ」
駆け寄ってくる女に、辛うじてそう返すことしかできない。
立ち上がろうにも、激痛がそれをよしとはしてくれない。
ちひろ?
「今看護士さん呼びますので大人しくしてくださいね!」
程なくして看護士が駆けつけて来て、俺は二人がかりでベッドに戻された。
「大丈夫ですか? 痛いところとかはありませんか?」
桐生
「大丈夫だ……腹以外は大したことはない」
「分かりました。まだ身体は本調子では無いですから、無理はしないでくださいね」
看護士が出ていくのを見届けて、俺はちひろに声をかけることにした。
6 :
◆4STEbn7FMs
[sage]:2016/11/09(水) 16:15:33.01 ID:LZkFgkvl0
酉テスはしたほうがいい
7 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/09(水) 16:28:41.78 ID:cmRQltu+o
被ってましたか
酉変えます
桐生
「……すまん、今は何日だ……?」
ちひろ
「え? っーと、今は……」
……相沢との死闘から、既に二週間も月日が経っていた。
俺はそんなに長く眠っていたのか……。
桐生
「……あんたが、助けてくれたのか?」
ちひろ
「いえ……私の、知り合いがあなたを見つけて。私は救急車を呼びました」
桐生
「……そうか。世話になったな。俺は……鈴木太一だ」
ちひろ
「鈴木さんですね。私は千川ちひろです。鈴木さんの身元が分からなくて仕方なくて、なんやかんやで付き添うことになりまして」
身元が分からない……そうか、財布を持っていなかったからな。
警察に届けたりはしてないのか?
ちひろ
「警察に言おうかとも思ったんですけど、訳ありっぽかったのと、社長の意向で……」
桐生
「……そうか。悪かったな」
ちひろ
「いえ、お金が別で貰えるし私は別に。明日社長に来てもらえるようにしますので」
社長……何故俺を庇うような真似をするんだ?
見知らぬ俺を庇うことで利益があるとは到底思えん。
だが……今はとりあえず明日を待つことにしよう。
桐生
「夜中に起こして悪かった。今日はもう休ませてもらう」
ちひろ
「あ、はい。おやすみなさい」
8 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/09(水) 16:29:09.02 ID:cmRQltu+o
今日はこれでおやすみします
それではまた
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/09(水) 16:48:34.18 ID:XkOkrMqTo
乙期待
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/09(水) 16:54:05.76 ID:tUjWm8xFO
モバマスだったらこっちの桐生さんとの絡みあるかな
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/09(水) 17:24:51.03 ID:Ux0I8vwwo
早苗さんなら堂島の龍の名前くらいは知ってんのかな?
期待乙
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/09(水) 22:10:16.12 ID:+cSU9fd9o
モバマスの方なのか
765の方だったら遥と声が同じアイドルがいるのに
13 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:32:27.30 ID:sMXyIfIPo
翌日
コンコン……。
控え目にノックされた扉に、どうぞ、と声をかける。
現れたのは往年の男と、30代くらいの千川と同じような服を着た女だった。
「やぁ! こんにちは! 元気そうだね、桐生くん! 千川くんもご苦労!」
桐生
「え?」
ちひろ
「桐生?」
何故この男は俺の名前を……?
やはり俺はまた面倒な隠謀にでも巻き込まれたのだろうか?
高木
「あぁ、警戒しなくてもいい。私は高木順一郎、765プロの社長をしている者だ」
デンデンッ!
765プロダクション代表取締役社長
高 木 順 一 郎
14 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:32:54.12 ID:sMXyIfIPo
高木
「君のことは風間さんから伺っていたよ」
桐生
「親っさんに……!?」
高木
「うむ。こうして話すのは初めてだが私は君のことを、風間さんの葬式の日に見ていてね。若い頃の写真しか見たことがなかったが、すぐにティンと来た」
桐生
「……そうだったのか」
高木
「紹介がまだだったね。彼女は音無小鳥、我が765プロで事務員をしてもらっているよ」
小鳥
「よろしくお願いします」
デンデンッ!
765プロダクション事務員
音 無 小 鳥
ちひろ
「あ、私も一応改めて……千川ちひろです。よろしくお願いします」
デンデンッ!
765プロダクション事務員
千 川 ち ひ ろ
ちひろ
「えーと、それで……桐生というのは?」
桐生
「あぁ……すまん、俺の本名だ。鈴木太一というのは偽名でな。桐生一馬だ、助けてくれて感謝してる」
15 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:33:20.94 ID:sMXyIfIPo
桐生
「……それで本題だ、何故俺を助けた?」
社長
「何故、か」
桐生
「あんたが風間の親っさんと知り合いで、俺のことを偶然知っていた……というのが本当だとして、だからといって俺を助ける意味が見えない。倒れてるヤクザみたいな男を保護するメリットなんて、あんたらには無い筈だ」
社長
「うーむ……私はメリットデメリットで人助けはしない、と言いたいが信じてはもらえないか……そうだな、二週間前の出来事を軽く説明しよう」
桐生
「…………」
社長
「君を最初に見つけたのは我が765プロに所属するアイドルの子だ。彼女が血塗れで倒れている君を見つけ、まず先に千川くんに連絡をしたのだよ」
ちひろ
「いきなり泣きながら『人が! 血が!』って……びっくりしましたよー! 何事かと思いました。それで場所を聞いて救急車を呼ぶように言ってから慌てて向かったら、あなたが倒れていたんです。私も人が死にかけてるの見たら、少し混乱しちゃって……その場の流れで救急車に乗っちゃったんですよねー」
社長
「それで千川くんから音無くんへの連絡を聞いていてね。とりあえず千川くんを迎えに行くと、ベッドに横たわっている君を見つけたんだよ。いやぁ、偶然だったんだが、私は運命を感じてしまったね」
桐生
「運命?」
社長
「うむ。それで、君の目が覚めるまで情報が漏れないようにと注意してきたんだよ」
16 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:33:47.34 ID:sMXyIfIPo
桐生
「わかんねぇな……結局あんた、俺に何をさせたがっているんだ?」
社長
「察しが良いね。……君に、765プロのプロデューサーをやってもらいたいんだ」
桐生
「765プロの……プロデューサー?」
桐生
「(765プロ……確か……それなりに名の通ったアイドルの事務所だな)」
社長
「初めて見たときからティンと来ていてね。君なら、彼女たちをトップアイドルにできる。そんな予感を感じているのだよ」
桐生
「………………」
一章
眠る龍
17 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:34:14.21 ID:sMXyIfIPo
桐生
「……悪いが、断る」
社長
「ふむ……何か理由でもあるのかね?」
桐生
「俺は……。ここにいて良い存在じゃない。俺がいることによって、また何か良くないことが起こるかも知れない。俺がいることによってあんたらや……俺の大切な人間までまた巻きこんじまうかもしれない」
社長
「………………それは、澤村遥くんのことかね?」
桐生
「………何故それを…」
社長
「遥くんは今、伊達という刑事が身柄を隠しているよ」
桐生
「なに……伊達さんが!?」
社長
「その様子だと、知りあいのようだね」
桐生
「あぁ……色々と世話になってる人だ。そうか……伊達さんが……」
社長
「ただ……遥くんの状況はあまり良いとは言えないのだよ」
桐生
「なんだと……?」
18 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:34:43.02 ID:sMXyIfIPo
ちひろ
「あの夜の、T-SETとのライブでの行動。それが気に食わない人たちはやっぱりいますから……遥ちゃんを探しているような動きが何度か見られているみたいです」
小鳥
「外には逃がしてくれそうもありません。なので、今は残るより他にはありませんね」
桐生
「…………チッ!」
社長
「正体不明の敵……それを相手にするのはいくら君でも簡単なことではないだろう? そこで君にはプロデューサーをやってもらいたい、ということなんだ」
桐生
「なに? どういうことだ?」
社長
「敵がどこにいて、どこから来るのか分からない……それならいっそ敵のいる方に君から入っていけば良い」
桐生
「………………そういうことか」
社長
「私は君という人材を確保でき、君は遥くんの平穏の為に戦える。……悪い話ではないと思うんだがね?」
桐生
「……なんでだ? 俺はアイドルのプロデューサーなんてやったことはねぇ。遥のことも、失敗すればあんたらを危険に晒すかもしれねぇ。……あんたらのメリットが無さ過ぎる。それに……なんであんたは、伊達さんが遥を隠したことを知っているんだ? 伊達さんは優秀な刑事だ、下手を打つようなことはしねぇ」
社長
「…………私はね……風間さんにどれだけ返しても返しきれない恩を受けてしまったんだ。それなのに、風間さんが生きている間に返すことは叶わなかった……それどころか、風間さんの大切にしていた、錦山……澤村……二人を失ってしまった。その後もそうだ、何か起こるとき、私が知るのはいつも全てが終わってからだった」
音無
「社長……」
19 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:35:09.82 ID:sMXyIfIPo
社長
「そんなときだ。澤村遥というアイドルが現れたのは。私は陰ながら彼女を守るために動くことにした、それが風間さんへの恩返しになると信じてね。ただ、関西はなかなか手が出しにくく……最後の最後で、また一足遅かった。あの刑事が間に合わなければ、遥くんがどうなっていたか……」
桐生
「………………」
社長
「頼む。私にはあまり力がない。今回のことも、私はあまり役に立てなかった。だから今度こそ……君と共に戦わせてほしい、桐生くん」
桐生
「…………それが……それが遥の為なら……俺は、戦うぜ。あんたの話を全部信じられた訳じゃねぇ……だが、ここで逃げることは……したくねぇからな」
社長
「わかった。君の信頼は私の今後の行動で勝ち取ろう。これからよろしく頼む、桐生くん!」
桐生
「……はい。よろしくお願いします、社長」
ちひろ
「ふぅー……でも、まだ問題は山積みなんですけどね……」
小鳥
「そうね……まずは桐生さんに、プロデューサーとしての仕事について教えて行くところからだから……」
社長
「大丈夫! 私の目に狂いはない! 力を合わせて頑張ろうじゃないか!」
笑う高木社長に冷ややかな視線を向ける千川と音無。
アイドルのプロデューサーなんて、柄じゃないとは分かっているが、それでも……。
遥に手を出す奴は、一人残らずぶっ潰す。
20 :
◆I53lPPif0o
[saga]:2016/11/11(金) 04:35:54.97 ID:sMXyIfIPo
ここまでで
多少話が突飛でも「龍が如くやし……」で大目に見てください龍が如く馬鹿にしてる訳じゃないんです本当ですなんでもハルマゲドン
それではまた
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/11(金) 07:11:26.69 ID:cwko1sWGo
乙
さすがに「デンデンッ!」は吹いてしまった、演出的にはそうなんだけどさ
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/11(金) 07:18:10.33 ID:hcliTPvTO
龍が如くならアイドルのプロデューサーになっても違和感ないな(錯乱)
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